JP7220202B2 - 立毛人工皮革及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、衣料,靴,家具,カーシート,雑貨製品等の表面素材として好ましく用いられる立毛人工皮革に関する。
立毛人工皮革であるスエード調人工皮革は、高分子弾性体を含浸付与された不織布を含む繊維基材の表面を起毛処理することにより毛羽立たせた立毛面を有する。立毛人工皮革には、耐摩耗性が求められる。また、立毛人工皮革は通常着色されているために、摩擦によって他の素材に色移りさせにくい摩擦堅牢性も求められる。
スエード調人工皮革の耐摩耗性に関し、例えば、下記特許文献1は、極細繊維と高分子弾性体からなる皮革様シート状物において、高分子弾性体の付与後に混合繊維の一成分を抽出した後、再び高分子弾性体を付与して得られるスエード調人工皮革の製造方法を開示する。また、スエード調人工皮革の摩擦堅牢性に関し、下記特許文献2は、平均単繊度0.1デニール以下の極細繊維からなる絡合不織布およびそれに含有されたポリウレタンを主体とする重合体からなるスエード調人工皮革に、染料と特定の共重合体が付与されているスエード調人工皮革を開示する。また、スエード調人工皮革よりも立毛が短いとされるヌバック調人工皮革の摩擦堅牢性に関し、下記特許文献3は、単繊維繊度0.0001~0.5デシテックス、見掛け密度が0.300~0.700g/cmの短繊維不織布からなり、立毛長が1~500μmであり、かつ弾性重合体からなる膜状物が存在しないことを特徴とするヌバック調皮革様シート状物を開示する。
特開昭51-75178号公報 特開平11-217773号公報 特開2006-241620号公報
特許文献1に開示された技術により得られるスエード調人工皮革は、耐摩耗性が改善されるが、高分子弾性体が極細繊維を直接把持するため、風合いが硬くなる。また、特許文献2に開示された技術により得られるスエード調人工皮革は、繊維立毛面を形成した後に共重合体が付与されているために、表面の風合いが硬いと思われる。また、特許文献3に開示された技術により得られるヌバック調皮革様シート状物は、耐摩耗性が低い。
ところで、着色された立毛人工皮革には、他の布帛と擦れた場合に色落ちしないクロッキング(摩擦色落ち)堅牢度が求められることがある。従来、着色された立毛人工皮革のクロッキング特性を向上させるために、色落ちの少ない着色法が検討されていた。しかし、着色法を検討するだけでは、クロッキング特性を充分に向上させることが難しかった。
本発明は、上述した問題を解決した、他の布帛と擦れた場合の繊維の脱落が抑制されるクロッキング特性に優れた立毛人工皮革を提供することを目的とする。
本発明者らは、着色された立毛人工皮革のクロッキング特性を向上させるべく鋭意検討した。そして、立毛人工皮革の表層と他の布帛とが擦れて立毛繊維が脱落した場合、着色された立毛繊維が布帛に付着することにより、クロッキング堅牢度が低下することに気付いた。この知見に基づいて、本発明者らは、立毛人工皮革が布帛と擦れたときの繊維の脱落を抑制するための検討を行った。その結果、立毛人工皮革が布帛と擦れた場合、立毛した繊維の立毛長さが短い場合には立毛の根元が布帛に接触して擦れることにより摩耗により切れ、切れた繊維が布帛を形成する糸に取り込まれて布帛を汚染するという知見を得た。そして、立毛繊維の根元を樹脂で固定するとともに、立毛繊維の立毛長さを長くして立毛層を厚くすることにより、立毛層がクッションになって立毛繊維の根元が布帛に接触しにくくなるとともに、立毛繊維の根元が固定されていることにより繊維が切れにくくなり、他の布帛と擦れたときの繊維の脱落が抑制された立毛人工皮革が得られることを見出し、本発明に想到するに至った。
すなわち、本発明の一局面は、単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布に付与された第1の高分子弾性体と、不織布の立毛面の側に偏在する第2の高分子弾性体と、を含み、第1の高分子弾性体が架橋されたポリウレタンであり、第2の高分子弾性体が溶剤型のポリウレタンである、立毛人工皮革である。そして、平面方向において第2の高分子弾性体を0.5~3.0g/m 2 含み、厚さ方向の断面のSEM写真において、立毛した単繊維を含む表層である厚さ100μm以上の立毛繊維層と、立毛繊維層に連接した厚さ120μmの領域である第1の層と、第1の層に連接する領域である第2の層と、を備え、繊維束の内部空隙に第2の高分子弾性体が侵入して固着された、空隙率が7%未満の繊維束を集束繊維束とした場合、第1の層及び第2の層の各層にそれぞれ含まれる、全繊維束の数に対する集束繊維束の数の割合である集束繊維束数割合が、第2の層よりも第1の層の方が高い立毛人工皮革である。このような立毛人工皮革によれば、布帛と擦れた場合に厚さが100μm以上の立毛繊維層がクッションになって、布帛に立毛繊維が摩擦されて摩耗することを抑制できる。また、立毛繊維の根元を形成する第1の層の繊維束が、第2の層の繊維束よりも高い割合で集束繊維束を形成していることにより、しなやかな風合いを損なわずに、立毛繊維の根元を摩耗しにくくでき、また、繊維が素抜けて脱落することも抑制できる。その結果、このような立毛人工皮革によれば、他の布帛と擦れた場合に繊維の脱落が抑制される。なお、集束繊維束は空隙率7%未満であることが立毛繊維の摩耗が充分に抑制される点から好ましい。
毛人工皮革は、第1の層における集束繊維束数割合が50%以上であり、第2の層における集束繊維束数割合が20%以下であることにより、立毛人工皮革のしなやかな風合いの維持と、繊維の脱落の抑制とのバランスに優れる点から好ましい。
また、立毛繊維層の側の表面の色座標空間(L***色空間)における明度L*値は50以下であることが、クロッキング特性の向上の効果が顕著になる点から好ましい。
また、集束繊維束を形成する単繊維は、集束繊維束の内部空隙に侵入した第2の高分子弾性体で固着されており、第1の高分子弾性体が架橋されたポリウレタンであり、第2の高分子弾性体がポリウレタン溶液から乾燥固化された溶剤型のポリウレタンであり、平面方向において第2の高分子弾性体を0.5~3.0g/m2含むことにより、第1の層における集束繊維束数割合を充分に高くできる。
また、立毛繊維層及び第1の層の少なくとも一つの層はシリコーンを含むことが、立毛繊維が長くなりやすくなり、100μm以上の厚さの立毛繊維層が形成されやすい点から好ましい。
また、単繊維は、カチオン染料で染色されているカチオン可染性PETを含む、または、顔料で着色されているPETを含むことが、染料の色落ちによるクロッキング特性の低下を抑制することができる点から好ましい。また、これらの繊維は摩耗しやすいために、クロッキング特性の向上の効果が顕著になる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1の高分子弾性体とを含む、人工皮革生機を準備する工程と、人工皮革生機の少なくとも一面に第2の高分子弾性体を平面方向に0.5~3.0g/m 2 付与する工程と、第2の高分子弾性体を付与した後、シリコーンを付与する工程と、第2の高分子弾性体及びシリコーンを付与された一面をバフィング処理する工程と、を含む立毛人工皮革の製造方法である。このような製造方法によれば、上述した立毛人工皮革を容易に得ることができる。
また、上記製造方法においては、バフィング処理する工程の後、カチオン染料で染色する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、クロッキング特性を低下させる、他の布帛と擦れた場合の繊維の脱落が抑制される立毛人工皮革が得られる。
図1は、実施例1のスエード調人工皮革の厚み方向の断面を300倍で撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。 図2は、実施例1のスエード調人工皮革の第1の層において観察された集束繊維束を1500倍で撮影したSEM写真の一例である。 図3は、実施例1のスエード調人工皮革の第2の層において観察された開繊繊維束を1500倍で撮影したSEM写真の一例である。 図4は、立毛繊維層の厚さを測定する方法を説明するための、実施例1のスエード調人工皮革の厚み方向の断面を100倍で撮影したSEM写真の一例である。
はじめに、本実施形態の立毛人工皮革の概略について、図面代用写真を参照して説明する。図1は、平均単繊維繊度0.2dtexの単繊維1aを12本含む長繊維の繊維束1の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された高分子弾性体2とを含む、全厚500μmの立毛人工皮革であるスエード調人工皮革10の、厚み方向の断面を300倍で撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。高分子弾性体2の一部は第1の高分子弾性体2aとして繊維束の外に存在し、また、一部は第2の高分子弾性体2bとして繊維束内に存在して単繊維1aに固着して集束している。また、図1中、5は立毛した単繊維1aを含む表層である立毛繊維層、6は、立毛繊維層5に連接した繊維束1を含む第1の層、7は、第1の層6に連接した繊維束1を含む第2の層を示す。
スエード調人工皮革10においては、図1に示すように、立毛繊維層5は立毛が存在する厚さ100μm以上の表層である。また、第1の層6は立毛繊維層5との境界、すなわち繊維束1から単繊維に代わる境界から厚さ120μmの層である。また、第2の層7は立毛繊維層5との境界から深さ120μmより下の領域の層である。立毛繊維層5は立毛した単繊維1aを含む。また、第1の層6及び第2の層7は、図1中で丸で囲んだような12本の単繊維1aから形成される複数の繊維束1を含む。そして、繊維束1は、単繊維が集束された、後述する集束繊維束を含む。そして、第1の層6及び第2の層7の各層に含まれる、全繊維束1の数に対する集束繊維束の数の割合である集束繊維束数の割合が、第2の層7よりも第1の層6の方が高い。言い換えれば、第2の層7に含まれる繊維束1は、第1の層6に含まれる繊維束1よりも単繊維1aが集束している割合が低く、ばらけている開繊繊維束の割合が高い。
図2は、第1の層6において観察された集束繊維束を1500倍で撮影したSEM写真の一例である。また図3は、第2の層7において観察された開繊繊維束を1500倍で撮影したSEM写真の一例である。集束繊維束とは、図2に示すように単繊維の大部分が固着して、繊維束内の空隙が少ない繊維束の状態を意味する。一方、開繊繊維束とは、図3に示すように単繊維の大部分が固着しておらず、ばらけており、繊維束内の空隙が多い繊維束の状態を意味する。さらに具体的には、例えば、集束繊維束は、繊維束内の空隙率の割合が7%未満であり、開繊繊維束は、繊維束内の空隙率の割合が7%を超えるような状態であるとも言える。なお、繊維束の空隙率は、300倍で撮影したスエード調人工皮革の厚さ方向の断面のSEM写真において、断面が正面を向いている繊維束、すなわち側面がほとんど見えていない繊維束の外輪郭をトリミングし、画像処理ソフトを用いて、繊維束の空隙部と非空隙部とを2値化する画像処理を行うことにより求めることができる。図1~図3においては、断面が正面を向いている12本の単繊維からなる繊維束の外周を丸で囲っている。そして、図1においては、断面が正面を向いている繊維束が第1の層には28個、第2の層には断面が正面を向いている繊維束が27個観察されている。
そして、スエード調人工皮革10においては、第1の層6及び第2の層7の各層に含まれる、全繊維束の数に対する集束繊維束の数の割合である集束繊維束数割合が、第2の層7よりも第1の層6の方が高い。そして、本実施形態のスエード調人工皮革においては、第1の層に存在する断面が正面を向いている繊維束が、集束繊維束の数割合が50%以上であり、60%以上、とくには80%以上であることが好ましい。一方、第2の層に存在する断面が正面を向いている繊維束は、集束繊維束の数割合が20%以下であり、さらには10%以下であることが好ましい。このような場合には、しなやかな風合いをより維持しながら、他の布帛と擦れた場合の繊維の脱落を抑制できるスエード調人工皮革が得られる。
また、スエード調人工皮革10においては、立毛した単繊維を含む表層である厚さ100μm以上の立毛繊維層が形成されている。スエード調人工皮革の立毛面である立毛繊維層においては、厚さが100μm以上である。そのために、布帛と擦れた場合に立毛繊維層がクッションになって、布帛に立毛繊維が摩擦されて摩耗することが抑制される。立毛繊維層の厚さは100μm以上であれば特に限定されないが、100~140μm、さらには100~120μmであることが、外観均一性の点から好ましい。
以上、スエード調人工皮革10を例示して説明したように、本実施形態の立毛人工皮革は、単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布に付与された第1の高分子弾性体とを含む。そして、立毛人工皮革は、厚さ方向の断面において、立毛した単繊維を含む表層である厚さ100μm以上の立毛繊維層と、立毛繊維層に連接した厚さ120μmの領域である第1の層と、第1の層に連接する領域である第2の層と、を備え、第1の層及び第2の層はそれぞれ複数の繊維束を含む。そして、それらの繊維束の一部は単繊維が集束された集束繊維束であり、残りの繊維束は単繊維が集束していない開繊繊維束であり、第1の層及び第2の層の各層に含まれる、全繊維束の数に対する集束繊維束の数の割合である集束繊維束数割合が、第2の層よりも第1の層の方が高い形態を有する。このような立毛人工皮革によれば、しなやかな風合いを維持しながら、他の布帛と擦れた場合に厚さが100μm以上の立毛繊維層がクッションとなって、他の布帛に立毛繊維が摩擦されて摩耗することが抑制される。
以下、本実施形態の立毛人工皮革について、その製造方法の一例を説明しながら、さらに詳しく説明する。
立毛人工皮革は、例えば、単繊維繊度0.05~1dtexの単繊維を含む長繊維の繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1の高分子弾性体とを含む、人工皮革生機を準備する工程と、人工皮革生機の少なくとも一面に第2の高分子弾性体及びシリコーンを付与する工程と、第2の高分子弾性体及びシリコーンを付与された一面をバフィング処理する工程と、を含むような製造方法により製造される。
単繊維繊度0.05~1dtexの単繊維を含む長繊維の繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1の高分子弾性体とを含む、人工皮革生機を準備する工程について説明する。
人工皮革生機は、例えば、海島型複合繊維を溶融紡糸してウェブを製造し、ウェブを絡合処理し、水蒸気あるいは熱水あるいは乾熱による熱収縮処理等の繊維収縮処理を施して海島型複合繊維の不織布を形成し、海島型複合繊維の不織布に第1の高分子弾性体を含浸付与し、海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより製造することができる。以下、各工程を順に説明する。
海島型複合繊維を溶融紡糸してウェブを製造する方法としては、スパンボンド法などにより紡糸した長繊維の海島型複合繊維をカットせずにネット上に捕集して長繊維ウェブを形成する方法が挙げられる。また、形成されたウェブには、その形態安定性を付与するために融着処理が施されてもよい。
なお、長繊維とは、紡糸後に意図的にカットされた短繊維ではない、連続的な繊維であることを意味する。さらに具体的には、例えば、繊維長が3~80mm程度になるように意図的に切断された短繊維ではない、フィラメントまたは連続繊維を意味する。極細繊維化する前の海島型複合繊維の繊維長は100mm以上であることが好ましく、技術的に製造可能であり、かつ、製造工程において不可避的に切断されない限り、数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。
海島型複合繊維において島成分の樹脂の種類は特に限定されない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),イソフタル酸変性PET,スルホイソフタル酸変性PET等の変性PET,カチオン可染性PET,ポリブチレンテレフタレート,ポリヘキサメチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリ乳酸,ポリエチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネートアジペート,ポリヒドロキシブチレート-ポリヒドロキシバリレート樹脂等の脂肪族ポリエステル;ナイロン6,ナイロン66,ナイロン10,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン6-12等のナイロン;ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテン,ポリメチルペンテン,塩素系ポリオレフィンなどのポリオレフィン等の繊維が挙げられる。なお、本実施形態の立毛人工皮革は、通常、着色して用いられる。そのために、摩擦堅牢性を向上させて着色材が色移りすることによる摩擦堅牢度の低下を抑制することを目的として、染料としてカチオン染料を用いる場合には、カチオン可染性PETを用いることが好ましい。
また、海成分の樹脂としては、島成分の樹脂よりも溶剤に対する溶解性または分解剤による分解性が高いポリマーが選ばれる。また、島成分ポリマーとの親和性が小さく、かつ、紡糸条件において溶融粘度及び/又は表面張力が島成分ポリマーよりも小さいポリマーが海島型複合繊維の紡糸安定性に優れている点から好ましい。このような海成分の樹脂の具体例としては、例えば、水溶性ポリビニルアルコール系樹脂(水溶性PVA),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,エチレン-プロピレン系共重合体,エチレン-酢酸ビニル系共重合体,スチレン-エチレン系共重合体,スチレン-アクリル系共重合体などが挙げられる。これらの中では水溶性PVAが有機溶剤を用いることなく水系媒体により溶解除去が可能であるために環境負荷が低い点から好ましい。
海島型複合繊維の平均繊度は特に限定されない。また、海島型複合繊維の断面における海成分と島成分との平均面積比は5/95~70/30、さらには10/90~50/50であることが好ましい。また、海島型複合繊維の断面における島成分のドメインの数は特に限定されないが、工業的な生産性の観点からは5~1000個、さらには、10~300個程度であることが好ましい。
絡合処理は、長繊維ウェブをクロスラッパー等を用いて厚さ方向に複数層重ね合わせた後、その両面から同時または交互に少なくとも1つ以上のバーブが貫通する条件でニードルパンチする処理や、高圧水流絡合処理するような方法が挙げられる。なお、海島型複合繊維の紡糸工程から絡合処理までのいずれかの段階において、長繊維ウェブに油剤や帯電防止剤を付与してもよい。
そして、絡合処理した長繊維ウェブを水蒸気あるいは熱水あるいは乾熱による熱収縮処理等の繊維収縮処理を行ったり、熱プレス処理して、長繊維ウェブの絡合状態や平滑化状態を整えたりすることにより、海島型複合繊維の不織布が得られる。
そして、海島型複合繊維の不織布に、第1の高分子弾性体を含む樹脂液を含浸付与した後、第1の高分子弾性体を固化させる。第1の高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン,アクリロニトリルエラストマー,オレフィンエラストマー,ポリエステルエラストマー,ポリアミドエラストマー,アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンが好ましい。また、第1の高分子弾性体の樹脂液は、エマルジョンであっても、溶液であってもよい。また、高分子弾性体には、カーボンブラック等の顔料や染料などの着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、防黴剤、浸透剤、消泡剤、滑剤、撥水剤、撥油剤、増粘剤、増量剤、硬化促進剤、発泡剤、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、無機微粒子、導電剤などが配合されてもよい。
なお、第1の高分子弾性体としては、とくには、架橋性のポリウレタンを含むエマルジョンを用いて含浸付与された架橋されたポリウレタンである。架橋されたポリウレタンは、後の工程で、溶剤に溶解させた第2の高分子弾性体ポリウレタンの溶液を塗布しても、溶解や膨潤しにくい点から好ましい。なお、架橋性のポリウレタンとしては、架橋構造を形成可能な、カルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基や水酸基等の官能基を有するポリウレタン、または自己架橋性の官能基を有するポリウレタンが挙げられる。具体的には、例えば、ポリウレタン鎖を形成する単量体単位として、ポリウレタン鎖の側鎖にカルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基、水酸基やアミノ基等の活性水素を有する官能基、または、自己架橋性の官能基等を保持させる多官能単量体単位を含むポリウレタン等が挙げられる。架橋構造の形成に際しては、架橋性のポリウレタンを含むエマルジョンとともに、例えば、カルボジイミド系架橋剤,エポキシ系架橋剤,オキサゾリン系架橋剤,アジリジン系架橋剤等の架橋剤を配合することにより、架橋構造を形成させてもよい。
立毛人工皮革に含有される第1の高分子弾性体の含有率は特に限定されないが、5~50質量%、さらには、8~45質量%であることが好ましい。第1の高分子弾性体の含有率が高すぎる場合には、しなやかさが低下する傾向がある。また、高分子弾性体の含有率が低すぎる場合には、耐摩耗性が低下する傾向がある。
そして、海島型複合繊維の不織布の海島型複合繊維から海成分を除去することにより、単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1の高分子弾性体とを含む人工皮革生機が製造される。海島型複合繊維から海成分を除去する方法としては、海成分のみを選択的に除去しうる溶剤または分解剤で海島型複合繊維の不織布を処理する方法が挙げられる。そして、人工皮革生機は、必要に応じて厚さ方向にスライスして厚さ調整されて、所定の厚さの人工皮革生機に仕上げられてもよい。
このようにして得られる人工皮革生機は、単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1の高分子弾性体とを含む。
そして、このようにして得られた人工皮革生機において、後の工程で立毛が形成される少なくとも一面に、第2の高分子弾性体及びシリコーンが付与される。
本実施形態の製造方法においては、人工皮革生機の立毛が形成される面に立毛を形成させるためのバフィング処理を行う前に、第2の高分子弾性体を含有する樹脂液を塗布した後、乾燥して第2の高分子弾性体を固化させる。このような処理により、人工皮革生機の立毛を形成させる面において、表層部の長繊維の単繊維を含む繊維束の空隙に毛細管現象により第2の高分子弾性体を含む樹脂液が浸透する。そして、繊維束の空隙に浸透した樹脂液を乾燥させることにより、繊維束を形成しているばらけた単繊維が第2の高分子弾性体に集束されて固着する。このような処理により、図1及び図2で示したような、集束された単繊維を含む集束繊維束が形成される。集束繊維束を表層に高い割合で形成した後、表層をバフィング処理することにより、立毛繊維の根元がしっかりと固められて、他の布帛と擦れた場合でも立毛繊維の根元が摩耗しにくくなるとともに、繊維が素抜けすることも抑制される。
人工皮革生機の立毛が形成される面に付与される第2の高分子弾性体は、第1の高分子弾性体と同じものであっても、異なるものであってもよい。具体的には、ポリウレタン,アクリロニトリルエラストマー,オレフィンエラストマー,ポリエステルエラストマー,ポリアミドエラストマー,アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンが好ましい。
なお、第2の高分子弾性体としては、とくには、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)やアノン等の公知のポリウレタンの溶剤に溶解させた溶剤型のポリウレタンを含むポリウレタン溶液を塗布することが、繊維束内の空隙に浸透しやすい点から好ましい。
人工皮革生機の立毛が形成される面に付与される第2の高分子弾性体の量としては、立毛人工皮革の平面方向において、0.5~3.0g/m 2 であり、さらには0.75~2.0g/m2であることが好ましい。第2の高分子弾性体の量がこのような範囲である場合には、後に形成される立毛面を硬くしすぎずに繊維の根元近傍をしっかりと固定できる集束繊維束を高い割合で形成させやすく、また、バフィングにより適度な長さの立毛した単繊維を含む厚さ100μm以上の立毛繊維層が形成されやすい。第2の高分子弾性体の量が少なすぎる場合には、集束繊維束を高い割合で形成できなくなる傾向がある。また、第2の高分子弾性体の量が多すぎる場合には、バフィングにより適度な長さの立毛した単繊維を含む厚さ100μm以上の立毛繊維層を形成しにくくなる傾向がある。
また、人工皮革生機の立毛が形成される面には、立毛を形成させるバフィング処理を行う前に、さらにシリコーンを含有する溶液やエマルジョン等を塗布した後、乾燥することにより、シリコーンを付与することが好ましい。このような処理により、表層部の長繊維の単繊維を含む繊維束の空隙に毛細管現象により第2の高分子弾性体と同様にシリコーンも浸透する。このようにして付与されたシリコーンは、滑材として作用し、後に行われるバフィングにより厚さ100μm以上の立毛繊維層を形成する長さの立毛を形成させやすくする。詳しくは、集束繊維束を高い割合で含む表層を、後述するようにサンドペーパーやエメリーペーパーでバフィングする際に、単繊維との摩擦を低減することにより、単繊維が切断されすぎて短くなりすぎることを抑制する。
このような、人工皮革生機の立毛が形成される面に付与されるシリコーンとしては、皮膜形成性を有する各種シリコーン、さらに具体的には、アミノ変性シリコーンが好ましく用いられる。
人工皮革生機の立毛が形成される面に付与されるシリコーンの量はとくに限定されないが、0.05~0.7g/m2、さらには0.09~0.5g/m2であることが好ましい。シリコーンの量がこのような範囲である場合には、バフィングにより適度な長さの立毛した単繊維を含む厚さ100μm以上の立毛繊維層が形成されやすくなる。シリコーンの量が少なすぎる場合には、立毛の長さが短くなり、100μm以上の立毛繊維層が形成されにくくなる傾向がある。また、シリコーンの量が多すぎる場合には、立毛が長くなりすぎたり、立毛を形成しにくくなったりする傾向がある。
上述した人工皮革生機の立毛が形成される面に付与される第2の高分子弾性体及びシリコーンは、それらを含む溶液やエマルジョンを、例えば、グラビア塗布等の塗布法により、塗布した後、乾燥させることにより付与される。このとき、好ましくは、例えばニップロールを用いて人工皮革生機を加圧しながらグラビア塗布するような方法によれば、第2の高分子弾性体及びシリコーンをより効果的に表層の繊維束に浸透させることができる。また、第2の高分子弾性体とシリコーンとは同時に付与しても、別工程で付与してもよい。また、第2の高分子弾性体またはシリコーンを含む液の何れか一方を塗布した後、乾燥前に他方の液を塗布しても、先に塗布された液が乾燥した後、他の液を塗布してもよい。
そして、人工皮革生機の第2の高分子弾性体及びシリコーンを付与された面をバフィング処理することにより、100μm以上の立毛繊維層を有するスエード調人工皮革が得られる。バフィングは、好ましくは、120~600番手、さらに好ましくは240~600番手程度のサンドペーパーやエメリーペーパーを用いてバフィング処理する方法が挙げられる。このようにして、片面又は両面に立毛された繊維が存在する立毛面を有するスエード調人工皮革が得られる。
立毛人工皮革には、さらに風合いを調整するために柔軟性を付与する収縮加工処理や揉み柔軟化処理が施されたり、逆シールのブラッシング処理、防汚処理、親水化処理、滑剤処理、柔軟剤処理、酸化防止剤処理、紫外線吸収剤処理、蛍光剤処理、難燃処理等の仕上げ処理が施されたりしてもよい。
立毛人工皮革は、通常、着色される。着色方法としては、不織布を形成する単繊維に顔料を配合して着色する方法(原着方法)や、原着していない立毛人工皮革を染色する方法が挙げられる。
立毛人工皮革を染色するための染料は繊維の種類により適切なものが適宜選択され、例えば、繊維がポリエステル系樹脂から形成されている場合にはカチオン染料や分散染料で染色することが好ましい。
カチオン染料の具体例としては、C.I.Basic Blue 3,C.I. Basic Blue 6,C.I. Basic Blue 10,C.I. Basic Blue 12,C.I.Basic Blue75,C.I. Basic Blue 96等のオキサジン系カチオン染料;C.I.Basic Blue54,C.I.Basic Blue159,C.I.Basic Red 29,C.I.Basic Red 46等のアゾ系カチオン染料;C.I.Basic Yellow 40等のクマリン系カチオン染料;C.I.Basic Yellow 21等のメチン系カチオン染料;C.I.Basic Yellow28等のアゾメチン系カチオン染料;C.I.Basic Violet 11 等のキサンテン系バイオレットカチオン染料等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、分散染料の具体例としては、例えば、ベンゼンアゾ系染料(モノアゾ、ジスアゾなど)、複素環アゾ系染料(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、キノリンアゾ、ピリジンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェンアゾなど)、アントラキノン系染料、縮合系染料(キノフタリン、スチリル、クマリンなど)等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
染色方法としては、高圧液流染色法,ジッガー染色法,サーモゾル連続染色機法,昇華プリント方式等による染色方法が特に限定なく用いられる。
本実施形態の立毛人工皮革は、他の布帛と擦れた場合に他の布帛に色移りさせないクロッキング特性を向上させることを目的とする。そのために、着色方法としては、摩擦堅牢性に優れた立毛人工皮革が得られる点から、不織布を形成する単繊維に顔料を配合して着色する原着方法、または色落ちしにくいカチオン染料で染色する方法、またはそれらを組み合わせた方法がとくに好ましい。
また、本実施形態の立毛人工皮革は、とくに濃色に染色されている場合に顕著な効果を示す。詳しくは、立毛人工皮革が濃色に着色されている場合に、立毛人工皮革が他の布帛と擦れた場合に、染料自身が他の布帛に色移りするだけでなく、磨耗により脱落した着色された立毛繊維が、他の布帛に付着して汚染することがある。本実施形態の立毛人工皮革は、とくに、磨耗により繊維が脱落しにくいために、濃色に着色された繊維が脱落して他の布帛に付着することが抑制される。このような点から、立毛人工皮革の立毛繊維層の側の表面の色座標空間(L***色空間)における明度L*値としては、50以下、さらには、40以下のような濃色であることが、他の布帛と擦れた場合に着色された繊維の脱落による他の布帛の汚染を抑制する効果が顕著になる点から好ましい。
以上のようにして製造された立毛人工皮革は、繊維束を形成する単繊維の平均繊度が0.05~1dtexであり、さらには、0.1~0.5dtex,とくには0.1~0.3dtexであることが好ましい。繊維束を形成する単繊維の平均繊度が0.05dtex未満の場合には、他の布帛と擦れた場合に繊維が摩耗して脱落しやすくなる。また、繊維束を形成する単繊維の平均繊度が1.0dtexを超える場合には、立毛繊維が硬くなったり、立毛人工皮革のしなやかな風合いが低下したりする傾向がある。
また、立毛人工皮革の厚さは特に限定されないが、0.3~1.5mm、さらには、0.4~1.0mmであることが好ましい。また、立毛人工皮革の目付も特に限定されないが、150~600g/m2、さらには200~500/m2であることが好ましい。
また、立毛人工皮革の見かけ密度も特に限定されないが、0.4~0.7g/cm3、さらには0.45~0.6g/cm3であることが充実感と柔軟な風合いとのバランスに優れた立毛人工皮革が得られる点から好ましい。
以上説明したような本実施形態の立毛人工皮革は、クロッキング特性を低下させる、他の布帛と擦れた場合の繊維の脱落が抑制されるスエード調人工皮革が得られる。好ましくは、立毛繊維層の表面の色座標空間(L***色空間)における明度L*値が50以下、さらには40以下のような濃色に着色されている場合において、後述するようにして測定されるクロッキング堅牢度が乾燥時で4級以上であり、湿潤時に3級以上であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
海成分の熱可塑性樹脂としてエチレン変性ポリビニルアルコール、島成分の熱可塑性樹脂としてスルホイソフタル酸のテトラブチルホスホニウム塩で変性されたポリエチレンテレフタレート(カチオン可染性PET)を含み、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75である海島型複合長繊維を三次元絡合させた、海島型複合長繊維の不織布を調整した。
そして、海島型複合長繊維の不織布に、ポリウレタンエマルジョンを含浸させ、150℃の乾燥炉で乾燥することにより、第1のポリウレタンを付与した。なお、ポリウレタンエマルジョンとしては、乾燥後に架橋剤によって架橋構造を形成する自己乳化型のポリウレタンを含み、カルボジイミド系架橋剤を配合したエマルジョンを用いた。そして、第1のポリウレタンを付与された海島型複合長繊維の不織布を95℃の熱水中に20分間浸漬しながらディップニップすることにより海島型複合長繊維に含まれる海成分を抽出除去し、120℃の乾燥炉で乾燥することにより、第1のポリウレタンを含浸付与された、カチオン可染性ポリエステル繊維の不織布と第1のポリウレタンとを含む人工皮革生機の原反を得た。そして、第1のポリウレタンを付与された不織布を厚み方向にスライスして2分割して人工皮革生機を得た。得られた人工皮革生機は、単繊維繊度0.2dtexのカチオン可染性PET繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、不織布の空隙に付与された第1のポリウレタンとを含み、第1のポリウレタンの含有割合が10質量%、厚さ0.65mmであった。
次に、人工皮革生機に第2のポリウレタンを付与した。具体的には、人工皮革生機の一面に、ポリウレタンのDMF溶液(固形分5%)を55メッシュのグラビアロールとバックアップロールとの間を通過させてグラビア塗工し、乾燥した。塗工量は、乾燥時において2.00g/m2であった。なお、ポリウレタンのDMF溶液の塗工によって第1のポリウレタンは溶解も膨潤もしなかった。
そして、第2のポリウレタンを付与された人工皮革生機の一面に、シリコーンの溶液(アミノ変性シリコーン、固形分27.0%)を150メッシュのグラビアロールとバックアップロールとの間を通過させてグラビア塗工し、乾燥した。塗工量は、乾燥時において、アミノ変性シリコーンが0.14g/m2付着する量であった。
そして、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与された面を♯240、♯400、♯600のサンドペーパーを用い、速度3.0m/minの条件でバフィングすることにより、立毛人工皮革であるスエード調人工皮革を得た。そして、スエード調人工皮革をカチオン染料として、Nichilon Red-GL(日成化成(株)製) 9.4%owf、染色助剤として90%酢酸1g/Lを含有する90℃の染料液中に浴比1:30の割合で40分間浸漬して、赤色に染色した。そして、同一染色浴で、アニオン系界面活性剤としてソルジンR 2g/Lを含有する湯浴を用いて70℃でソーピングする工程を2回繰り返した。そして、ソーピング後、乾燥することにより、染色されたスエード調人工皮革を得た。図1~図4は、得られたスエード調人工皮革の断面のSEM写真である。
そして、得られたスエード調人工皮革を下記評価方法に従って評価した。
〈立毛繊維層の厚さの測定〉
スエード調人工皮革の厚さ方向と平行な任意の断面を走査型電子顕微鏡で100倍で撮影したSEM写真を得た。そして、得られたSEM写真をA4サイズに拡大した。そして、図4に示すように、A4サイズに拡大したSEM写真において、立毛繊維層に連接した第1の層との境界に沿って曲線Aを引いた。また、立毛繊維層を形成する立毛繊維の頂点を結ぶ境界に沿って曲線Bを引いた。なお、直線Bは、スエード調人工皮革の断面に存在するピントが合った立毛繊維の頂点に沿うように引いた。そして、曲線A及び曲線Bに沿って、100μm間隔で厚み方向に平行な複数本の直線Pn(P、P、P・・・P12)を引いた。そして、直線Pn上の曲線Aから曲線Bまでの線分の長さをそれぞれ測定した。そして、異なる12本の各直線Pn上の線分の長さを求め、それらの平均値を求めた。5枚のSEM写真において平均値を同様に測定し、各平均値をさらに平均した値を立毛繊維層の厚さとした。
〈第1の層の集束繊維束数割合の測定〉
スエード調人工皮革の厚さ方向と平行な任意の断面を走査型電子顕微鏡で300倍で撮影したSEM写真を得た。そして、300倍で撮影したSEM写真において、図1に示したような立毛繊維と繊維束の境界線から120μmの厚さ領域である第1の層に存在する断面が正面を向いている繊維束を特定した。そして、画像処理ソフトimage-proplusを用いて、各繊維束の空隙率を求めた。そして、各繊維束の空隙率のうち、繊維束が集束されている空隙率7%未満の繊維束の数をカウントした。そして、特定された繊維束の数に対する空隙率7%未満の繊維束の数の割合を求めた。5枚のSEM写真において同様に空隙率7%未満の繊維束の数の割合求め、それらを平均した値を第1の層の集束繊維束数割合とした。
〈第2の層の集束繊維束数割合の測定〉
図1に示したような第1の層から下の領域の下層の部分において、「第1の層の集束繊維束数割合の測定」と同様にして、5枚のSEM写真において同様に空隙率7%未満の繊維束の数の割合求め、それらを平均した値を第2の層の集束繊維束数割合とした。
〈クロッキング堅牢度〉
乾燥時及び湿潤時のクロッキング堅牢度を、アトラスクロックメーター CM-5(ATLAS ELECTRIC DEVICES CO製)を用いて測定した。乾燥時のクロッキング堅牢度の場合には、ガラス製の摩擦子に乾燥した綿白布を取り付け、スエード調人工皮革の断片の立毛繊維層を形成した面に摩擦子に取り付けた綿白布を荷重900gで接触させて、10往復させた。そして、綿白布を取り外して、汚染した部分の上にセロテープ(登録商標)を貼り付け、1.5ポンドの円柱型荷重を1往復転がした後、綿白布からセロテープを剥がした。一方、湿潤時のクロッキング堅牢度の場合には、ガラス製の摩擦子に、蒸留水に浸漬後余剰の水を除いた湿潤させた綿白布を取り付け、スエード調人工皮革の断片の立毛繊維層を形成した面に摩擦子に取り付けた綿白布を荷重900gで接触させて、10往復させた。そして、綿白布を取り外して60℃以下で乾燥させた後、汚染した部分の上にセロテープを貼り付け、1.5ポンドの円柱型荷重を1往復転がした後、綿白布からセロテープを剥がした。そして、乾燥時及び湿潤時のクロッキング堅牢度を、綿白布の色の変化を汚染用グレースケール(5級~1級)で判定した。
〈毛羽脱落評価〉
赤ゴム栓20号の直径63mmの上面に、荷重となる金属板と、厚さ1mmのポリエチレンシートをこの順番に貼り合わせて全重量が400gの摩擦子を作成した。そして、摩擦子のポリエチレンシート側を白布(綿混ブロード(E/C=65/35))で覆って巻き付け、シワを伸ばした状態でゴムバンドで固定した。そして、スエード調人工皮革の立毛繊維層を形成した面に摩擦子の白布を接触させ、25cmの区間を一往復4秒間の速度で4往復させた。なお、荷重は摩擦子の自重のみである。そして、4往復後の白布への脱落した繊維(毛羽)の付着を次の基準で判定した。なお、例えば、4級と5級の中間は4.5級のように判定した。
5級:白布に毛羽が全く付着しておらず、汚染用グレースケール5級レベルであった。
4級:白布に極めて小さな毛羽がまばらに付着しており、汚染用グレースケール4-5級レベルであった。
3級:白布に小さな毛羽がまばらに付着しており、汚染用グレースケール4級レベルであった。
2級:白布に小さな毛羽が適度に付着しており、汚染用グレースケール3-4級レベルであった。
1級:白布に大小の毛羽が多く付着しており、汚染用グレースケール3級以下レベルであった。
〈L*値〉
分光光度計((株)日立ハイテクサイエンス製:U-3010)を用いて、JISZ 8729に準拠して、切り出された染色されたスエード調人工皮革の立毛繊維層の表面のL*a*b*表色系の座標値から明度L*を求めた。値は、試験片から平均的な位置を万遍なく選択して測定された3点の平均値である。
〈ピリング性〉
JIS L 1076(織物及び編物のピリング試験法)A法(ICI型ピリング試験機を用いる方法)に準処して、スエード調人工皮革の試験片の立毛繊維層を形成した面のピリング(毛玉)の発生を評価した。具体的には、100mm×120mmの試験片を立毛繊維層を外に向けてピリング試験用ゴム管に巻きつけた。そして、ゴム管に巻いた試験片を4個1組としてICI型ピリング試験機の内側の一辺23cmで、コルク板が内張りされた立方体の回転箱へ4個1組で試験片を入れ、10時間または20時間回転させた。そして試験片をゴム管から取り外し、試験片とピリング判定標準写真とを比較して、ピリングの発生の程度を、5級(良い)~1級(悪い)の等級判定をした。
〈外観〉
得られたスエード調人工皮革の立毛面を次のようにして評価した。5人のモニターに表面の触感を確認させ、均一性、ざらつき感を、次の基準で判定した。
A:3名以上が、表面の状態が均一で、ざらつき感もなく良好な外観であると判定した。
B:3名以上が、表面の状態が不均質な粗いラフな外観であると判定した。
〈風合い〉
得られたスエード調人工皮革を折り曲げて、スエード調天然皮革と比較した、腰や柔軟性の違いを以下の基準で5人のモニターに判定させた。
A:3名以上が、充実感と柔軟性とのバランスに優れた風合いであると判定した。
B:3名以上が、硬い風合いであると判定した。
結果を表1に示す。
Figure 0007220202000001
[実施例2]
実施例1において、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに1.25g/m2の塗工量で塗工した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに0.75g/m2の塗工量で塗工した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、単繊維繊度0.2dtexのカチオン可染性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布の代わりに、単繊維繊度0.1dtexのカチオン可染性のないイソフタル酸6モル%変性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布を形成させ、第1のポリウレタンの含有割合10質量%の代わりに、14質量%に変更し、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに1.25g/m2の塗工量で塗工した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造した。そして、スエード調人工皮革をカチオン染料で染色する代わりに、分散染料で染色し、アルカリ還元、酸洗浄、水洗処理を行うことにより染色して立毛調人工皮革を得た。そして、得られた立毛調人工皮革について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、単繊維繊度0.2dtexのカチオン可染性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布の代わりに、カーボンブラック5.0質量%を含有する単繊維繊度0.1dtexのイソフタル酸6モル%変性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布を形成させ、第1のポリウレタンの含有割合10質量%の代わりに、14質量%に変更し、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに1.25g/m2の塗工量で塗工した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造した。そして、スエード調人工皮革をカチオン染料で染色する代わりに、分散染料で染色し、アルカリ還元、酸洗浄、水洗処理を行うことにより染色して立毛調人工皮革を得た。そして、得られた立毛調人工皮革について、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに0.40g/m2の塗工量で塗工した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1において、単繊維繊度0.2dtexのカチオン可染性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布の代わりに、単繊維繊度1.0dtexのイソフタル酸6モル%変性PETの単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布を形成させ、実施例と同様にして立毛調人工皮革を得た。そして、得られた立毛調人工皮革について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与する工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例3において、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与した工程の後にバフィングした代わりに、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与する工程の前にバフィングした以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与した工程の後にバフィングした代わりに、第2のポリウレタンを付与する工程の前にバフィングし、第2のポリウレタンの溶液を乾燥時において2.00g/m2の塗工量で塗工する代わりに0.40g/m2の塗工量で塗工し、シリコーンを付与する工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例4において、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与する工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例4において、第2のポリウレタンの代わりにDMF溶媒及びシリコーンを付与した以外は同様にしてスエード調人工皮革を製造し、評価した。結果を表1に示す。
表1の結果から、厚さ100μm以上の立毛繊維層を備え、集束繊維束数割合が、第2の層よりも第1の層の方が高い実施例1~7で得られたスエード調人工皮革は、何れもクロッキング堅牢度が乾燥時で4級以上、湿潤時で3級以上、毛羽脱落評価が3.5級以上であったことが分かる。また、ピリング性、外観、風合いにも優れていた。一方、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与する工程を省略した比較例1のスエード調人工皮革は、実施例1のスエード調人工皮革に比べて立毛繊維層の厚さが薄くなり、第1の層の集束繊維束数割合も低かった。そして、クロッキング堅牢度が湿潤時で2.5級であり、毛羽脱落評価は3.5級であった。また、第2のポリウレタン及びシリコーンを付与する工程の前にバフィングした比較例2のスエード調人工皮革は、実施例3のスエード調人工皮革に比べて立毛繊維層の厚さが薄くなり、第1の層の集束繊維束数割合も低かった。そして、クロッキング堅牢度が乾燥時3級、湿潤時で2.0級であり、ピリング性、外観、風合いにも劣っていた。
本発明で得られるスエード調人工皮革は、衣料、靴、家具、カーシート、雑貨製品等の表皮素材として好ましく用いられる。

Claims (7)

  1. 単繊維繊度0.05~1dtexの長繊維の単繊維を含む繊維束の絡合体である不織布と、前記不織布に付与された第1の高分子弾性体と、前記不織布の立毛面の側に偏在する第2の高分子弾性体と、を含む、立毛人工皮革であって
    前記第1の高分子弾性体が架橋されたポリウレタンであり、前記第2の高分子弾性体が溶剤型のポリウレタンであり、
    平面方向において前記第2の高分子弾性体を0.5~3.0g/m 2 含み、
    さ方向の断面のSEM写真において、立毛した単繊維を含む表層である厚さ100μm以上の立毛繊維層と、前記立毛繊維層に連接した厚さ120μmの領域である第1の層と、前記第1の層に連接する領域である第2の層と、を備え
    前記繊維束の内部空隙に前記第2の高分子弾性体が侵入して固着された、空隙率が7%未満の繊維束を集束繊維束とした場合、
    前記第1の層に含まれる、全繊維束の数に対する前記集束繊維束の数の割合が50%以上であり、
    記第2の層に含まれる、全繊維束の数に対する前記集束繊維束の数の割合が20%以下である、立毛人工皮革。
  2. 前記立毛繊維層の側の表面の色座標空間(L***色空間)における明度L*値が50以下である請求項1に記載の立毛人工皮革。
  3. 前記立毛繊維層及び前記第1の層の少なくとも一つの層はシリコーンを含む請求項1または2に記載の立毛人工皮革。
  4. 前記単繊維は、カチオン染料で染色されているカチオン可染性PETを含む請求項1~3の何れか1項に記載の立毛人工皮革。
  5. 前記単繊維は、顔料で着色されているPETを含む請求項1~4の何れか1項に記載の立毛人工皮革。
  6. 請求項3に記載の立毛人工皮革の製造方法であって、
    単繊維繊度0.05~1dtexの単繊維を含む長繊維の繊維束の絡合体である不織布と、前記不織布の空隙に付与された前記第1の高分子弾性体とを含む、人工皮革生機を準備する工程と、
    前記人工皮革生機の少なくとも一面に前記第2の高分子弾性体を平面方向に0.5~3.0g/m 2 付与する工程と、
    前記第2の高分子弾性体を付与した後、前記シリコーンを付与する工程と、
    前記第2の高分子弾性体及びシリコーンを付与された前記一面をバフィング処理する工程と、を含むことを特徴とする立毛人工皮革の製造方法。
  7. 前記バフィング処理する工程の後、カチオン染料で染色する工程を含む請求項6に記載の立毛人工皮革の製造方法。
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