JP6745078B2 - 立毛調人工皮革 - Google Patents
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Description
海成分の熱可塑性樹脂としてエチレン変性ポリビニルアルコール(PVA)、島成分の熱可塑性樹脂としてイソフタル酸変性した変性PET(イソフタル酸単位の含有割合6モル%)を、それぞれ個別に溶融させた。そして、海成分中に均一な断面積の島成分が12個分布した断面を形成しうるような、12個のノズル孔が並列状に配置された複合紡糸用口金に、それぞれの溶融樹脂を供給した。このとき、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。そして、口金温度260℃に設定されたノズル孔より単孔吐出量1.0g/分で吐出させた。
。そして、分散染料を用いて120℃で高圧染色を行うことにより黒色のスエード調人工皮革基材を得た。
紡糸された複数本の海島型複合長繊維を、若干たるませた状態でポリエステルフィルムの表面にセロハンテープで貼り付けた。そして、95℃の熱水中に30分間以上浸漬させて海成分を抽出除去することにより極細長繊維を得た。次に、極細長繊維を固定したポリエステルフィルムをPot染色機で120℃×20分染色処理し、染色糸を得た。そして、染色糸の中から海島型複合長繊維1本に相当する極細繊維束をまとめてオートグラフで強伸度を測定し、12本の極細繊維の繊維束の強伸度をオートグラフで測定した。そして、得られたSSカーブのピークトップから破断強力と破断伸度を読み取り、染色後の糸タフネス(cN・%)=破断強力(cN)×破断伸度(%)/極細繊維の本数(12本) の式から糸タフネスを算出した。
スエード調人工皮革の裏面に伸び止め用の布ホットメルトテープ(サン化成(株)製メルコテープ)を130℃、30秒間アイロンで貼り合わせ、2.5cm幅、長さ25cmの短冊状にカットして試験片を得た。そして、試験片の立毛面である主面へ、以下の接着条件で接着する、架橋剤を5%含むポリウレタン系接着剤を50〜70g/m2塗布を2回行い、ポリウレタン製ゴムシートの表面にも1回塗布し、スチーム乾燥機110℃で3分間熱処理した。その後、塗布面が90mm重なるように貼り合わせ、ハンドローラーで圧着し、70℃で1時間処理して接着した。このようにして得られた試験片とゴムシートとをそれぞれ引張試験機のチャックに挟み、引張速度100mm/分で引張って主面の繊維を剥離させた。スエード調人工皮革の表面剥離処理の前後におけるL*a*b*表色系に基づくL値は、分光光度計(日立製作所製 U−3010)を用いて測定された。なお、L値は表面剥離処理後の表面には触れない状態で剥離開始点から1.5〜4.5cmの間で3点測定し平均値を算出した。そして、各試験片について、L値変化率(%)=(表面剥離処理後L値−表面剥離処理前L値)/表面剥離処理前L値×100、の式からL値変化率を算出し、3点の試験片の平均値を算出した。
JIS L 1096(6.17.5E法 マーチンデール法)に準じ、押圧荷重12kPa、摩耗回数5万回でマーチンデール摩耗試験機を用いて試験を行い、以下の等級基準で判定した。
5:変化なし
4:最大径1mm未満のピリングが僅かに発生した。
3:最大径2〜3mmのピリングが発生した。
2:最大径3〜5mmのピリングが発生した。
1:最大径5mm超のピリングが多量に発生した。
直径13cmの円状にカットしたスエード調人工皮革をテーバーアブレージョンテスター(TABERINSTRUMENT Corp製)のターンテーブル上にセットした。そして、2個の摩耗輪(CS−10(ダイトエレクトロン社製))で1000回摩耗させた。なお、荷重は0.5kgにセットした。そして、このときのスエード調人工皮革の摩耗減量を求めた。
得られた立毛調人工皮革を折り曲げて、立毛調天然皮革と比較した、腰や柔軟性の違いを以下の基準で判定した。
3:充実感と柔軟性とのバランスに優れた風合いであった。
2:硬い風合いであった。
1:充実感に乏しく、ボキ折れするような風合いであった。
実施例1において、第二の高分子弾性体を3g/m2の割合で付与した代わりに、第二の高分子弾性体を6g/m2の割合で付与した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、平均繊度3.0dtexの12島の海島型複合長繊維を紡糸する工程を経て平均繊維径4.2μm(単繊維繊度0.19dtex)の極細繊維を形成した代わりに、平均繊度3.0dtexの25島の海島型複合長繊維を紡糸する工程を経て平均繊維径3.1μm(単繊維繊度0.1dtex)の極細繊維を形成し、第二の高分子弾性体を付与する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材に収縮加工処理を施す工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例3において、ウェブ絡合シートをスチーム処理し48%面積収縮させた代わりに、ウェブ絡合シートを20%面積収縮させ、スエード調人工皮革基材を染色した後にスエード調人工皮革基材の裏面の難燃処理を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第二の高分子弾性体を付与する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材を染色した後に、スエード調人工皮革基材の裏面の難燃処理と、その後の収縮加工処理も省略した。そして、染色後のスエード調人工皮革基材をクリアランスを狭めた条件で熱プレス処理を施した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例2において、平均繊度3.0dtexの海島型複合長繊維を紡糸する工程を経て平均繊維径4.2μm(単繊維繊度0.19dtex)の極細繊維を形成した代わりに、平均繊度4.5dtexの12島の海島型複合長繊維を紡糸する工程を経て平均繊維径5.3μm(単繊維繊度0.31dtex)の極細繊維を形成した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、変性PETの代わりにカーボンブラック3質量%を混練させた変性PETを用い、第二の高分子弾性体を付与する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材の裏面への難燃処理と収縮加工処理を施す工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、第二の高分子弾性体を付与する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材の裏面への難燃処理と収縮加工処理を施す工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例6において、第二の高分子弾性体を付与する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材の裏面への難燃処理と収縮加工処理を施す工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例6において、第二の高分子弾性体を付与する工程及び染色する工程を省略し、さらに、スエード調人工皮革基材の裏面の難燃処理と収縮加工処理を施す工程を省略した以外は同様にしてスエード調人工皮革を得、評価した。なお、糸タフネスは次のようにして測定した。
紡糸された複数本の海島型複合長繊維を、若干たるませた状態でポリエステルフィルムの表面にセロハンテープで貼り付けた。そして、95℃の熱水中に30分間以上浸漬させて海成分を抽出除去することにより極細長繊維を得た。そして、海成分の抽出除去後、1本の海島型複合長繊維に由来する12本の極細繊維の繊維束の強伸度をオートグラフで測定した。そして、得られたSSカーブのピークトップから破断強力と破断伸度を読み取り、糸タフネス(cN・%)=破断強力(cN)×破断伸度(%)/本数(12本) の式から糸タフネスを算出した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 立毛面を有する染色された立毛調人工皮革であって、
第一の高分子弾性体を含浸付与された平均繊維径1.0〜7.0μmのポリエステル系樹脂の極細繊維の不織布を含み、
見掛け密度が0.495〜0.7g/cm 3 であり、
前記立毛面のL値が85以下であり、
2.5cm幅の前記立毛調人工皮革の前記立毛面に対する裏面に伸び止め用の素材を貼着した試験片の前記立毛面の一部分に、以下の接着条件で接着する、架橋剤を含むポリウレタン系接着剤を50〜70g/m 2 塗布を2回行い、2.5cm幅のポリウレタン製ゴムシートの表面にも50〜70g/m 2 塗布を1回塗布し、110℃で3分間熱処理し、塗布面が90mm重なるように貼り合わせ、ハンドローラーで圧着し、70℃で1時間処理して接着し、前記試験片と前記ポリウレタン製ゴムシートとの互いの重なっていない部分を引張速度100mm/分で互いに逆方向に引張ることにより前記立毛面の前記極細繊維を剥離させる表面剥離処理の前後における前記立毛面の分光光度計で測定されるL*a*b*表色系に基づくL値の変化率が+9%以下であることを特徴とする立毛調人工皮革。 - 糸タフネスが平均8〜40cN・%である請求項1に記載の立毛調人工皮革。
- 前記極細繊維は長繊維である請求項1または2に記載の立毛調人工皮革。
- 前記立毛面における前記極細繊維は、その根元近傍が第二の高分子弾性体で固着されている請求項1〜3の何れか1項に記載の立毛調人工皮革。
- JIS L 1096(6.17.5E法 マーチンデール法)に準じたマーチンデール摩耗試験機を用いて、押圧荷重12kPa、摩耗回数5万回で摩耗させたときに発生するピリングの最大径が5mm以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の立毛調人工皮革。
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