JP2008308784A - 人工皮革用基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 極細長繊維束の不織布構造体からなる人工皮革用基材において、下記(1)〜(4):(1)極細長繊維束が、断面形状が略円形の極細長繊維が8〜70本集束したものであること、(2)極細長繊維束が、断面積170〜700μm2、扁平率4.0以下であること、(3)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細長繊維束の断面が1500〜3000個/mm2の範囲で存在していること、および(4)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細繊維束間の空隙サイズが70μm以下であることを同時に満足していることを特徴とする人工皮革用基材。
【選択図】なし
Description
特許文献2に記載の方法では、海島型繊維の海成分を抽出除去する前にポリウレタンのDMF溶液を含浸凝固しているので極細繊維束の外周部および内部にはポリウレタンが実質的に存在せず柔軟な風合いや手触りを得ることが可能である。しかし、極細繊維束がポリウレタンで固定されていないので耐ピリング性は不十分であった。
特許文献3に記載の方法では、皮革様基材の最表面に存在する高分子弾性体の一部を溶解して立毛繊維の根元を固定するのみで、皮革様基材内部の繊維の固定効果に乏しく、繊維に対する高分子弾性体の把持能力が低い為、0.01デシテックス以上の繊維に対しては、良好な耐ピリング性の改良効果が得られない。
特許文献4の長繊維不織布構造を得るための方法では、目的とするレベル以下にまで物性を極力低下させないように切断端を発現させている。しかし、実際問題として、相当数の長繊維を切断してしまうので、長繊維の利点である繊維の連続性による不織布強力物性の改善効果を低下させてしまい、長繊維の特徴を充分に生かすことができない。また、特許文献4の絡合処理は、長繊維同士を長繊維不織布の表面から内部、さらには反対面に渡って絡合させるためではなく、表面の長繊維を満遍なく切断して5〜100個/mm2という極めて多くの切断端を作り出すために行っている。従って、一般的な絡合で採用されるよりはかなり強い条件でニードルパンチする必要があり、繊維同士が絡合しにくいばかりか、元は長繊維だった繊維の多くが短繊維に変化していて、不織布構造としては長繊維のままで絡合させたものとは異なる状態となり、結果的には従来の短繊維不織布から得られるような人工皮革の品位・品質に近づいたものになりやすく、本発明が目的とするような高品位な人工皮革を得ることは困難である。
特許文献5に記載されている方法では、繊維密度の数値のみでみると比較的緻密性が高い長繊維不織布が得られているが、緻密化の方法がニードルパンチおよびプレスのみなので、得られた不織布構造には百μm大から数百μm大程度の空隙が散在しており、本発明が目的とするような高品位な人工皮革を得ることは困難である。より詳しくいうと、繊維径やニードルパンチ条件によるがニードルパンチ後の不織布構造には、本質的に数百μm大から数mm大程度の空隙を有しており、次いで、繊維の一成分を熱軟化させつつ厚さ方向にプレスすると、厚さ方向に潰れた状態で海成分の固化と共に形状が固定されるだけで空隙自体はそのまま残ってしまう。従って、海成分を除去すると海成分による固定がなくなるので、潰れていた空隙の大きさは元に戻ってしまい、結果的には百μm大から数百μm大程度の空隙が散在する構造となってしまのである。
(1)極細長繊維束が、断面形状が略円形の極細長繊維が8〜70本集束したものであること、
(2)極細長繊維束が、断面積170〜700μm2、扁平率4.0以下であること、
(3)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細長繊維束の断面が1500〜3000個/mm2の範囲で存在していること、および
(4)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細繊維束間の空隙サイズが70μm以下であること、
を同時に満足していることを特徴とする人工皮革用基材に関する。
本発明はさらに、下記工程(a)〜(d)を順次実施することを特徴とする人工皮革用基材の製造方法に関する。
(a)島成分に熱収縮性ポリマー、海成分に水溶性ポリマーを用い、島数が8〜70個、海と島の断面積比が5:95〜60:40、断面積が70〜350μm2の海島型長繊維を溶融紡糸し、これをカットすることなくランダムな配向状態で捕集面上集積してシート状の長繊維ウェブを製造する工程
(b)長繊維ウェブを、必要に応じて複数重ね合わせ、少なくとも6バーブのニードルを用い、かつ該ニードルの少なくとも1つ以上のバーブが貫通するような条件で、両面からニードルパンチングして海島型長繊維同士を三次元絡合させて不織布構造体を製造する工程
(c)不織布構造体を海成分ポリマーが可塑化し、かつ島成分ポリマーが収縮するような条件で湿熱処理し、必要に応じて乾熱プレス処理して、厚さ方向に並行断面において海島型長繊維の断面が1000〜3500個/mm2の範囲になるまで緻密化する工程
(d)海島型長繊維から海成分を水または水溶液により除去し、極細長繊維束に変成させる工程
島成分に熱収縮性ポリマー、海成分に水溶性ポリマーを用い、海成分ポリマーと島成分ポリマーを複合紡糸用口金から押出し、海島型長繊維を溶融紡糸する。
複合紡糸用口金は、海成分ポリマー中に島成分ポリマーが8〜70個の範囲における何れかの個数分散した断面状態を形成することができるノズル孔が直線状に多数並んだ列が並列状に複数列配置された構造のものが好ましい。
得られる繊維の断面において面積比(即ちポリマー体積比)で海/島=5/95〜60/40の範囲における何れかの比率となるように海成分ポリマーと島成分ポリマーの相対的な供給量または供給圧力を調節しつつ口金温度が180〜350℃の温度範囲における何れかの温度となるような温度条件にて溶融状態で口金から吐出する。
得られる海島型長繊維の断面積は70〜350μm2の範囲における何れかの値であり、単繊度は、例えば、島成分ポリマーがポリエチレンテレフタレート、海成分ポリマーが水溶性熱可塑性ポリビニルアルコールであれば、複合するポリマーの面積比率にもよるが、0.9〜4.9dtexの範囲における何れかの値が好ましく、より好ましくは1.9〜3.9dtexの範囲における何れかの値である。
溶融紡糸された海島型長繊維をカットすることなく、ランダムな配向状態でネット等の捕集面状に集積して、所望の目付、好ましくは10〜1000g/m2の長繊維ウェブを製造する。
前記長繊維ウェブを、必要に応じてクロスラッパー等を用いて厚さ方向に複数層重ね合わせた後、少なくとも6バーブのニードルを用い、かつ該ニードルの少なくとも1つ以上のバーブが貫通する条件で、両面から同時または交互にニードルパンチングして繊維同士を三次元絡合させ、厚さ方向に並行断面において海島型長繊維が400〜2000個/mm2の範囲における何れかの密度で存在する、海島型長繊維が極めて緻密に集合した不織布構造体を得る。長繊維ウェブにはその製造後かつ絡合処理までのいずれかの段階で帯電防止効果を有する油剤やニードルとの摩擦抵抗をコントロールするための油剤、繊維同士の摩擦抵抗をコントロールするための油剤などを単一あるいは複数種付与してもよい。
工程(b)により得られた不織布構造体を、海成分ポリマーが可塑化し、かつ島成分ポリマーが収縮するような湿熱環境中へ導入する湿熱処理によって、また、必要に応じて熱プレス処理を追加して行うことで、厚さ方向に並行断面において海島型長繊維の断面が1000〜3500個/mm2の範囲になるまで緻密に集合させる。前記湿熱処理としては、飽和水蒸気を連続供給している雰囲気中へ導入する方法、海成分ポリマーが所望の程度まで膨潤・可塑化するに足る量の水を不織布構造体に付与した後、加熱エアーや赤外線などの電磁波により不織布構造体中の水分を加熱する方法、あるいはそれらを組み合わせた方法などが挙げられる。前記熱プレス処理は、繊維構造を緻密にする効果に加え、不織布構造体の形態を固定化する効果、あるいは表面を平滑化する効果も期待できる。
工程(c)による緻密化処理後の不織布構造体の平均見掛け密度は、例えば、島成分ポリマーがポリエチレンテレフタレート、海成分ポリマーが水溶性熱可塑性ポリビニルアルコールであれば、0.3〜0.8g/cm3の範囲における何れかの値であるのが好ましい。なお、平均見掛け密度は、圧縮させるような荷重を掛けない方法、例えば電子顕微鏡等での断面観察による方法による。不織布構造体の目付は通常で100〜2000g/m2あるのが好ましい。
(d)不織布構造体を構成する海島型長繊維から海成分ポリマーを水または水溶液により抽出除去し、海島型長繊維を極細繊維束に変成させる。
工程(e)
不織布構造体の少なくとも片面に、易抽出性高分子の溶液、水分散液または融液を塗布し、易抽出性高分子を固化させる。
工程(f)
同じ面に高分子弾性体の水分散液を塗布し、高分子弾性体を固化させる。
工程(g)
不織布構造体から易抽出性高分子を除去する。
工程(h)
高分子弾性体を塗布した面を加圧しつつ研削処理して、不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面の研削処理側表面から200μmまでの範囲において、極細繊維束間の平均空隙サイズが10〜40μmの範囲になるよう緻密化する。
工程(i)
不織布構造体に高分子弾性体の溶液または水分散液を含浸し、高分子弾性体を固化させる。
本発明の不織布構造体を構成する海島型繊維とは、少なくとも2種類のポリマーからなる多成分系複合繊維であって、繊維断面において繊維外周部を主として構成する海成分ポリマー中に、これとは異なる種類の島成分ポリマーが分布した断面形態の繊維のことである。本発明の島成分ポリマーは、表面張力の作用、および海成分ポリマーと島成分ポリマーとの比率を好適に選ぶことによって、略円形の断面形状で分布する。なお、ここでいう略円形とは、文字通り円に近い形状をいい、円形かそれに近い多角形形状や楕円形状を言う。この海島型繊維は、所望の緻密さの不織布構造体を形成させた後、さらに必要に応じて高分子弾性体を含浸させる場合はその前または後の適当な段階で海成分ポリマーを抽出または分解して除去することで、残った島成分ポリマーからなり元の海島型繊維より細い複数本の繊維が集束した繊維束を生成可能である。このような海島型繊維は、従来公知のチップブレンド(混合紡糸)方式や複合紡糸方式で代表される多成分系複合繊維の紡糸方法を用いて得ることができる。海島型繊維は、繊維断面において海成分ポリマーが繊維外周部を主として構成しているので、繊維外周を複数成分が交互に構成するような花弁形状や重畳形状などの剥離分割型複合繊維に比べると、ニードルパンチ処理で代表的される繊維絡合処理時の割れ、折れ、切断などの繊維損傷を極めて少なくすることができ、即ち絡合による緻密化度合いをより高めることができる。また、海島型繊維は、剥離分割型複合繊維に比べると、繊維軸に垂直な面内方向における異方性がより少なく、また、個々の極細繊維の繊度、即ち断面積の均一性が高い極細繊維束が得られるので、不織布構造体において非常に多くの繊維束を従来にない緻密さで集合させることができる。従って、本発明の不織布構造体は、花弁形状や重畳形状などの剥離分割型複合繊維では得られないようなこれらの効果を得るために、海島型繊維を用いて製造する。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
(Pは粘度平均重合度、[η]はPVAを再ケン化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度である。)
前記PVAのケン化度は、90〜99.99モル%が好ましく、93〜99.77モル%がより好ましく、95〜99.55モル%がさらに好ましく、97〜99.33モル%が特に好ましい。ケン化度が90モル%以上だと、熱安定性が良好であり、溶融紡糸時に熱分解やゲル化をしにくくなり、ケン化度が99.99モル%以下であれば、PVAは安定に製造することが可能である。
前記PVAのTmは、紡糸性を考慮すると160℃以上が好ましく、170〜230℃がより好ましく、175〜225℃がさらに好ましく、180〜220℃が特に好ましい。Tmが160℃以上であると、結晶性低下によるPVAの繊維強度低下を避けることができる。また、PVAの熱安定性が良好であり、繊維形成性が良好である。Tmが230℃以下であると、溶融紡糸温度をPVAの分解温度より十分低くすることができ、極細繊維束形成性長繊維を安定に製造することができる。
複合紡糸用口金が同心円状配置の場合、一般的には1つの口金に対して1つのノズル状吸引装置が使用される。このため吸引の際に多数の海島型繊維が同心円の中心点に集束してしまう。一般的には、複数の口金を直線状に並べて所望の紡糸量を得ているので、隣接する口金から吐出される海島型繊維の束の間には、繊維が殆ど存在していない。従って、繊維ウェブの地合いを均一な状態にするためには開繊することが重要になる。複合紡糸用口金が並列状配置であれば、口金に対向した直線的なスリット状の吸引装置が使用される。このため、並列に配置された列間からの海島型繊維が吸引の際に集束するので、同心円状配置の口金を採用した場合に比べるとより均一な地合いの繊維ウェブが得られる。この点で、同心円状配置に比べると並列状配置の方がより好ましい。
繊維径に関しては、従来の短繊維を用いた不織布構造体を製造する場合には、開繊装置やカード機に適した一定以上の繊維径が必要である。具体的には、断面積が200μm2以上の太さは必要であり、工業的な安定生産性を考慮すると、300〜600μm2程度の太さの繊維が一般的に採用されてきた。本発明の製造方法では、使用する繊維の太さが設備によって制約されることがないので、断面積が100μm2以下といった極めて細い繊維であっても使用可能であるが、本発明が目的とする不織布構造の緻密さを得るためには、断面積は70〜350μm2である必要があり、後工程での形態安定性、取り扱い性も考慮すると80〜300μm2が好ましい。このような断面積の長繊維を使用することで、得られた長繊維ウェブは、厚さ方向と平行任意の断面において、断面とほぼ直交する繊維の断面が、100〜600個/mm2、好ましくは150〜500個/mm2の範囲の平均数密度で存在する繊維分布状態が得られ、後工程での絡合や収縮等により最終的に本発明の緻密な不織布構造体を得ることが可能となる。
このような理由から、繊維束は扁平化し難いよう少なくとも70本以下である必要があり、最終的に得られた人工皮革用基材における極細長繊維束の扁平率は4.0以下である必要があり、好ましくは3.0以下である。また、極細長繊維束の扁平化による弊害は、特に人工皮革用基材の表面において顕著であり、表面から見たときに繊維束がなす幅、即ち極細長繊維束の投影サイズは、10〜60μmであるのが好ましく、15〜45μmがより好ましい。極細長繊維束の投影サイズが60μmを超えると、繊維束の緻密化が不十分で、特に立毛調人工皮革としたときに立毛を形成可能な繊維束が少なくなり、外観品位があまり高くない立毛表面しか得られ難くなる。一方、極細長繊維束の投影サイズが10μm未満だと、繊維束の緻密化は非常にし易いが、繊維束が全く扁平化しないとしても繊維束の径自体が10μm未満の非常に細いものであり、特に立毛調人工皮革の立毛を形成しようとしても、起毛処理による繊維束の切断が頻発するのでむしろ立毛は少なくなってしまい、良好な外観品位が得られ難くなるばかりか、表面の耐磨耗性にも劣るものとなってしまう。
従来の不織布構造体を採用した人工皮革用基材では、不織布構造体を絡合等で緻密化させる段階から、構成繊維の太さが、極細繊維束に変成したときの断面積が300〜600μm2程度になるような太いものなので、極細繊維束に変成する段階までに不織布構造体の緻密化が不充分であり、これを極細繊維束に変成した結果得られる極細繊維束断面の数密度は高々200〜600個/mm2程度、多くても750個/mm2程度であった。仮に、従来の技術において極細繊維束の数密度が750個/mm2を超える不織布構造体を得ようとした場合には、ニードルパンチ処理を過剰に行うことで繊維束自体を損傷させてしまったり、前記したような熱プレス等による強制的な圧縮処理によって繊維束の断面形状を大きく変形させてしまったり、あるいはそのような処理のみに頼って緻密化しようとした結果として繊維束間の空隙に斑が大きい状態しか得られず、得られる人工皮革用基材は、本発明で目的とするものとは全く異なるものである。また、繊維束の数密度が高々200〜600個/mm2程度の従来の不織布構造体では、その内部に高分子弾性体を含有させる場合には、含有させる量にもよるが、極細繊維束の数密度が少ない分だけ極細繊維束間に厚い高分子弾性体の連続皮膜を形成してしまうので、不織布構造体と高分子弾性体との複合構造としての風合いが必要以上に硬くなるばかりか、繊維または高分子弾性体が緻密に集合して存在する領域と繊維も高分子弾性体も殆ど存在しない領域とがそれぞれ処々に点在するような極めて大きな粗密斑のあるものしか得られなかった。これに対して、本発明の不織布構造体は、極細繊維束が極めて緻密かつ均一に集合した超緻密構造を有するので、不織布構造体内に高分子弾性体に含有させる場合でも、極細繊維束間に形成させる高分子弾性体の連続皮膜の厚さを薄くすることができ、また高分子弾性体に囲まれたセルもより小さく、均一に分布させることができるので、人工皮革用基材内部に顕著な粗密斑が発生するのを抑制することが可能となる。
易抽出性高分子の例としては、ポリビニルアルコール、ポリウレタンエラストマー、アクリルエラストマー、ポリエチレングリコール、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。高分子弾性体の例としては、ポリウレタンエラストマーやアクリルエラストマーなど、前記した不織布構造体へ含有させる高分子弾性体と同様の例が挙げられる。易抽出性高分子、高分子弾性体の塗布方法の例としては、グラビアロールコーティング法、ロータリースクリーンコーティング法、スプレーコーティング法、リバースロールコーティング法などの公知のコーティング法が採用可能であり、中でもグラビアロールコーティング法が塗布する液粘度と塗布量とのバランス上好ましい。 研削処理の例としては、サンドペーパーによるバフィングが挙げられ、サンドペーパーへの加圧レベルは人工皮革用基材の表面状態を観察しながら、また処理後の人工皮革用基材の断面状態を評価しながら適宜調節して最適値を設定すればよい。
サンプルの厚さ方向と並行任意の断面について、走査型電子顕微鏡(100〜300倍程度)を用いて観察し、観察視野から断面に対してほぼ垂直に配向した海島型繊維、あるいは極細長繊維束を20個、万遍なく、かつ、無作為に選び出した。次いで選び出した個々の海島型繊維、あるいは極細繊維束の集束本数、扁平率、及び投影サイズは、必要に応じて1000〜3000倍程度の倍率に拡大して再観察して求めた。扁平率とは、繊維または繊維束の断面形状において、最も長い部分の長さと、これに垂直な方向の長さを測定し、前者を後者で割った値であり、通常は、最も長い部分の長さとは厚さ方向に垂直な方向の長さであることが多い。
次に、選び出した20個の海島型繊維、あるいは極細繊維束について、個々に断面積を測定し、最大の断面積および最小の断面積を削除し、残った18個の断面積を算術平均することで、サンプルを構成する海島型繊維、あるいは極細繊維束の断面積を求めた。
なお、極細繊維束の断面積は、繊維束外周を構成する繊維、及びそれら繊維間を結ぶ接線で囲まれた面積をいう。また、集束本数に関しては、個々の繊維束の収束本数が一定でなく分布を持っている場合には、断面積を平均したのと同様に最大本数、最小本数を除いた18個の極細繊維束の集束本数を算術平均することで、サンプルを構成する海島型繊維、あるいは極細繊維束の集束本数を求めた。
サンプルの厚さ方向と平行任意の断面について、走査型電子顕微鏡(100〜300倍程度)を用いて、観察面積が合計0.3〜0.5mm2程度になるように、連続した断面領域を観察した。その観察視野において、海島型繊維、あるいは極細繊維束の長さ方向に対してほぼ垂直であると判断される断面の個数を数え、その合計個数を観察面積で割ることにより1mm2当たりに存在する海島型繊維、あるいは極細繊維束断面の個数を求めた。このような観察を1種類のサンプルに対して少なくとも5箇所以上行い、最も少ない値をそのサンプルの数密度とした。
次に、同じ観察視野において、海島型繊維、あるいは極細繊維束の断面以外の領域を全て空隙とみなし、海島型繊維、あるいは極細繊維束の断面に接する最大の円を描いて、その円の直径を測定した。但し、空隙が連続して広範囲に存在する場合には、円同士が重ならないようにして複数の円を描いて、描かれた複数の円の中で最大径の円を測定した。また、観察視野全体において繊維束同士が殆ど全て密着するように存在するような場合を除き、繊維束同士が密着するように存在する部分の空隙は、その観察視野における評価対象からは除外した。なお、密着するように存在するとは、繊維束を構成する極細繊維の繊維径と同等以下程度にまで近接して存在する場合をいう。このようにして測定された円の直径において、観察視野における最大値をサンプルの極細繊維束間の空隙サイズとした。また、観察視野において万遍なく、かつ無作為に選び出した空隙20箇所で測定された円直径について、最大値、最小値を除外した18箇所で算術平均した値を極細繊維束間の平均空隙サイズとした。
人工皮革分野の当業者から選出された5人のパネリストが、立毛調人工皮革の外観を目視により以下の基準で評価し、最も多くのパネリストが付けた評価を外観の評価結果とした。
A:立毛表面の緻密性が全体的に極めて高く、手で触ったときにざらつきが全く無くて滑らかである。
B:立毛表面の緻密性が全体的に僅かに粗いか、又は、全体的に比較的高いものの部分的に緻密性が明らかに低くて粗い部分が散在し、手で触ったときにややざらつきがある。
C:全体的に粗い立毛表面であり、手で触ったときにかなりのざらつきがある。
得られた立毛調人工皮革の厚さが0.8mm未満の場合にはゴルフ手袋に縫製し、厚さが0.8〜1.2mmの場合にはジャケットに縫製し、厚さが1.2mmを超える場合にはソファーに縫製した。人工皮革分野の当業者から選出された5人のパネリストが着用により、立毛調人工皮革の風合いを以下の基準で評価し、最も多くのパネリストが付けた評価を風合いの評価結果とした。
A:柔軟で膨らみ感がありながら十分な充実感も感じられる風合いであり、縫製品のフィット感が良好である。
B:柔軟さ、膨らみ感、充実感の何れかに欠けていてやや物足りない風合いであり、縫製品のフィット感が不足している(風合いやフィット感において、従来の一般的な立毛調人工皮革と同程度である)。
C:柔軟さ、膨らみ感、充実感の何れかが大幅に劣っているか、又は、何れも大幅に劣った風合いであり、縫製品のフィット感が不良である(風合いやフィット感において、従来の一般的な立毛調人工皮革に劣っている)。
JIS L1096に規定されているマーチンデール磨耗試験測定方法に準じ、荷重12kPa、磨耗回数50000回の条件で、得られた立毛調人工皮革の表面を磨耗処理した。処理前後の質量差(磨耗減量)が50mg以下の場合を耐磨耗性が良好であると判定した。また、処理前後の立毛調人工皮革表面のピリング発生状態(増減)を目視により以下の基準で比較した。耐磨耗性が良好であり、かつピリング発生状態がAまたはBであるものを、表面磨耗耐久性に優れていると評価した。
A:ピリングの増加は見られない(立毛の切断などによるピリングの減少は見られてもよい)
B:ピリングの僅かな増加が見られるものの、手で触れて硬さが感じられるピリングは殆ど増加していない
C:ピリングが明らかに増加しており、手で触れて硬さが感じられるピリングが明らかに増加している
海成分ポリマーとしてエチレン変性ポリビニルアルコール(エチレン単位の含有量8.5モル%、重合度380、ケン化度98.7モル%)、島成分ポリマーとしてイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸単位の含有量6.0モル%)を、それぞれを個別に溶融させた。海成分ポリマー中に均一な断面積の島成分ポリマーが25個分布した断面を形成できる、多数のノズル孔が並列状に配置された複合紡糸用口金に、該溶融ポリマーを断面における海成分ポリマーと島成分ポリマーの平均面積比が海成分/島成分=25/75となるような圧力バランスで供給し、口金温度250℃でノズル孔より吐出させた。平均紡糸速度が3600m/分となるように気流の圧力を調節したエアジェット・ノズル型の吸引装置で牽引細化させ、平均断面積が177μm2(約2.4dtex)の海島型繊維を紡糸し、これを裏面側から吸引しつつネット上に連続的に捕集した。ネットの移動速度を調節して堆積量を調節し、さらに80℃に保温したエンボスロールにより線圧70kg/cmで押さえ、目付30g/m2、厚さ方向に並行断面上に海島型繊維の断面が220〜250個/mm2存在し、巻き取りが可能な程度にまで形態が安定化された長繊維ウェブを得た。
次いで、この不織布構造体の両面に18℃の水を均一にスプレー塗布した後、直ちに温度75℃、相対湿度95%の雰囲気中を長さ方向、幅方向の何れの方向にも張力や摩擦応力が殆ど作用しないようにしつつ、4分間かけて連続的に通過させるような条件で湿熱収縮処理を行うことによって、海島型繊維間を均一に近接させた。その後、不織布構造体を乾燥させる前に120℃に保温した金属ロール間でプレス処理して表面を圧縮平滑化しつつ乾燥させ、次いで不織布構造体全体を120℃の雰囲気中へ導入して乾燥させることにより、目付け1125g/m2で厚さ方向に並行な断面において、海島型繊維の数密度が1900個/mm2であるような極めて緻密な不織布構造体を得た。
得られた人工皮革用基材の断面において極細長繊維束を観察すると、その断面積は200〜400μm2の範囲で分布していて平均は250μm2であり、ほぼ均一な繊維径を有していて略円形の断面形状の極細長繊維が25本集束していた。繊維束は厚さ方向への扁平化があまり見られず、繊維束の扁平率は最大でも2.5で、殆どが2.0未満であり、投影サイズは40μmであった。また、厚さ方向と平行断面における極細長繊維束の数密度は2500個/mm2であり、極細繊維束間の空隙サイズは52μm、平均空隙サイズは35μmであった。
実施例1により得た人工皮革用基材をスライスにより厚さ方向に二分割し、分割面をサンドペーパーでバフィング処理して平均厚さ0.67mmに厚みを合わせた。バフィング処理を行わなかった方の面に、ポリビニルアルコールの6%水溶液を55メッシュのグラビアロールにて2回塗布して乾燥し、次いで、実施例1で含浸に用いたものと同じポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを主体とするポリウレタン組成物の水分散液(固形分濃度6質量%)を75メッシュのグラビアロールにて3回塗布して乾燥した。このポリウレタン組成物付与面を、バフ機にセットしたエンドレスのサンドペーパーで加圧しつつバフィング処理して起毛および整毛することで、変性ポリエチレンテレフタレートの極細繊維からなる立毛を形成した。さらに液流染色機を用いて分散染料で染色加工を行った後、ブラッシングして整毛仕上げをしてベージュ色の立毛調人工皮革を得た。得られた立毛調人工皮革は、厚さ方向と平行断面において立毛面側から厚さ方向に200μmまでの領域における極細繊維束の数密度は2700個/mm2であって緻密性が極めて高く、天然皮革ヌバックに似た優美な立毛外観を有しているばかりでなく、風合い、表面磨耗耐久性の何れもが極めて良好であり、本発明が目的とする効果を有する立毛調人工皮革であった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、長繊維ウェブを構成する海島型繊維の島成分ポリマーをナイロン6に変更し、平均断面積が307μm2(約3.6dtex)となるような条件で海島型繊維を紡糸する以外は実施例1と同様にして、エンボス安定化した目付30g/m2の長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブ表面に、実施例1と同様にして油剤を付与した後、クロスラッパー装置で層状長繊維ウェブを得た。次いで、層状長繊維ウェブに、実施例1と同様にニードルAでの予備絡合を行った後、ニードル番手42番、バーブ深さ40μm、バーブ数1個で正三角形断面のニードルCで、バーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さにて、海島型繊維同士が厚さ方向に絡合するように、両面側から合計で3500パンチ/cm2のパンチ数でニードルパンチングによる絡合処理を行った。得られた不織布構造体に、実施例1と同様の湿熱処理、プレス処理を行うことで、目付700g/m2の不織布構造体を得た。
実施例1において、長繊維ウェブを構成する海島型繊維として、島成分ポリマーが100個分布した断面を形成できる複合紡糸用口金を用いて海島型繊維を紡糸する以外は実施例1と同様にして、エンボス安定化した目付30g/m2の長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブ表面に、実施例1と同様にして油剤を付与した後、クロスラッパー装置で層状長繊維ウェブとし、さらに実施例1と同様のニードルパンチングによる絡合処理を行った。得られた不織布構造体に、水を塗布することなく熱プレス処理を行うことで、目付970g/m2の不織布構造体を得た。
実施例1において、長繊維ウェブを構成する海島型繊維として、島成分ポリマーが64個分布した断面を形成できる複合紡糸用口金を用いて、平均断面積が485μm2(約6.6dtex)となるような条件で海島型繊維を紡糸する以外は実施例1と同様にして、エンボス安定化した目付30g/m2の長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブ表面に、実施例1と同様にして油剤を付与した後、クロスラッパー装置で層状長繊維ウェブを得た。次いで、層状長繊維ウェブに、実施例1と同様にニードルAでの予備絡合、及びニードルBでの絡合処理を行った。得られた不織布構造体に、実施例1と同様の湿熱処理、プレス処理を行うことで、目付990g/m2の不織布構造体を得た。
実施例1において、長繊維ウェブを構成する海島型繊維として、断面における海成分ポリマーと島成分ポリマーの平均面積比が海成分/島成分=20/80であり、平均断面積が147μm2(約2.0dtex)となるような条件で海島型繊維を紡糸する以外は実施例1と同様にして、エンボス安定化した目付30g/m2の長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブ表面に、実施例1と同様にして油剤を付与した後、クロスラッパー装置で層状長繊維ウェブとし、さらに実施例1と同様のニードルパンチングによる絡合処理を行った。得られた不織布構造体を、70℃の温水浴中に浸漬することで熱収縮処理を行い、さらに乾燥させることなく90℃の熱水浴中へ浸漬することで海島型繊維中の変性ポリビニルアルコールを抽出除去した。このようにして、変性ポリエチレンテレフタレートの極細長繊維束からなり、ポリウレタン組成物を含有しない、目付845g/m2の人工皮革用基材を得た。
実施例1において、長繊維ウェブを構成する複合繊維として、除去成分ポリマー(海成分ポリマー)5層と繊維成分ポリマー(島成分ポリマーに相当)6層とが、交互に重なった重畳形状の断面を形状できる複合紡糸用口金を用い、除去成分ポリマーとして実施例1と同様のエチレン変性ポリビニルアルコールを、また、繊維成分ポリマーとして実施例1と同様のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートをそれぞれ個別に溶融させた。該溶融ポリマーを断面における除去成分ポリマーと繊維成分ポリマーの平均面積比が除去成分/繊維成分=35/65となるような圧力バランスで供給し、平均断面積が330μm2(約4.4dtex)となるような条件で複合繊維を紡糸する以外は実施例1と同様にして、エンボス安定化した目付30g/m2の長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブ表面に、実施例1と同様にして油剤を付与した後、クロスラッパー装置で層状長繊維ウェブを得た。次いで、層状長繊維ウェブに、実施例1と同様にニードルAでの予備絡合を行った後、ニードル番手32番、バーブ深さ60μm、バーブ数9個で正三角形断面のニードルDで、バーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さにて、複合繊維同士が厚さ方向に絡合するように、両面側から合計で600パンチ/cm2のパンチ数でニードルパンチングによる絡合処理を行い(ニードルDで1000パンチ/cm2を超えるパンチ数でニードルパンチングを行うと、ニードル折損などのトラブルが多発するようになる。)、次いで、ニードル番手36番、バーブ深さ80μm、バーブ数1個で正三角形断面のニードルEで、バーブが厚さ方向に貫通しないパンチ深さにて400パンチ/cm2のパンチ数でニードルパンチングを行った。ニードルEでのニードルパンチングを行った後、不織布構造体を観察すると、断面にはニードルパンチングによって厚さ方向に配向した繊維束が多数みられ、また表面には切断により形成された繊維端が0.5〜2.5本/mm2程度の頻度で観察された。得られた不織布構造体に、実施例1と同様の湿熱処理、プレス処理を行うことで、目付650g/m2の不織布構造体を得た。
Claims (7)
- 極細長繊維束の不織布構造体からなる人工皮革用基材において、下記(1)〜(4):
(1)極細長繊維束が、断面形状が略円形の極細長繊維が8〜70本集束したものであること、
(2)極細長繊維束が、断面積170〜700μm2、扁平率4.0以下であること、
(3)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細長繊維束の断面が1500〜3000個/mm2の範囲で存在していること、および
(4)不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面において、極細繊維束間の空隙サイズが70μm以下であること、
を同時に満足していることを特徴とする人工皮革用基材。 - 不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面の表面から200μmまでの範囲において、極細繊維束間の平均空隙サイズが10〜40μmの範囲にある請求項1記載の人工皮革用基材。
- 高分子弾性体が含有されている請求項1または2記載の人工皮革用基材。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の人工皮革用基材の表面を起毛してなる立毛調人工皮革。
- 下記工程(a)〜(d)を順次実施することを特徴とする人工皮革用基材の製造方法。
(a)島成分に熱収縮性ポリマー、海成分に水溶性ポリマーを用い、島数が8〜70個、海と島の断面積比が5:95〜60:40、断面積が70〜350μm2の海島型長繊維を溶融紡糸し、これをカットすることなくランダムな配向状態で捕集面上に集積してシート状の長繊維ウェブを製造する工程
(b)長繊維ウェブを、必要に応じて複数重ね合わせ、少なくとも6バーブのニードルを用い、かつ該ニードルの少なくとも1つ以上のバーブが貫通するような条件で、両面からニードルパンチングして海島型長繊維同士を三次元絡合させて不織布構造体を製造する工程
(c)不織布構造体を海成分ポリマーが可塑化し、かつ島成分ポリマーが収縮するような条件で湿熱処理し、必要に応じて乾熱プレス処理して、厚さ方向に並行断面において海島型長繊維の断面が1000〜3500個/mm2の範囲になるまで緻密化する工程
(d)海島型長繊維から海成分を水または水溶液により除去し、極細長繊維束に変成させる工程 - 請求項5記載の人工皮革用基材の製造方法における工程(d)の後工程として、下記工程(e)〜(h)を順次実施する人工皮革用基材の製造方法。
(e)不織布構造体の少なくとも片面に、易抽出性高分子の溶液、水分散液または融液を塗布し、易抽出性高分子を固化させる工程
(f)同じ面に高分子弾性体の水分散液を塗布し、高分子弾性体を固化させる工程
(g)不織布構造体から易抽出性高分子を除去する工程
(h)高分子弾性体を塗布した面を加圧しつつ研削処理して、不織布構造体の厚さ方向と平行任意の断面の研削処理側表面から200μmまでの範囲において、極細繊維束間の平均空隙サイズが10〜40μmの範囲になるよう緻密化する工程 - 請求項5または6記載の人工皮革用基材の製造方法における工程(d)の前工程または後工程として、下記工程(i)を実施する人工皮革用基材の製造方法。
(i)不織布構造体に高分子弾性体の溶液または水分散液を含浸し、高分子弾性体を固化させる工程
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