JP2004300178A - 無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤 - Google Patents

無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】透湿性、耐水性、耐洗濯性に優れる無孔質膜型透湿性防水布帛の製造を可能にする、有機溶剤を実質上使用しない無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水分散したのち、水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖延長反応して得られる水性ポリウレタン樹脂からなり、水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5〜30質量%であり、カルボキシル基の含有量が0.3〜4.0質量%である無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物、並びに、該組成物を含有するコーティング剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、透湿性、耐水性及び耐久洗濯性に優れた無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透湿性防水布帛に用いる透湿性材料としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を延伸して多孔質化させたフィルム、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解されたポリウレタン樹脂の湿式フィルムなどのような微多孔質フィルムを利用するものが知られている。しかし、従来の微多孔質フィルムは、汗、汚れなどで目詰まりして透湿性が低下するという問題がある。このような問題を解決するものとして、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解された親水性セグメントを有するポリウレタン樹脂の無孔膜フィルムが提案されている。親水性セグメントを付与する方法として、ポリオール成分にポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレンとポリプロピレンのブロック共重合体などを用いることが知られている(特許文献1、特許文献2)。
無孔膜の透湿性ポリウレタン樹脂フィルムを用いた透湿性防水布帛は、乾式法により製造され、一般的構成は、透湿性の熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる表皮層用樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂からなる中間接着用樹脂、繊維布帛の三層構造からなっている。そして、一般的な透湿性防水布帛の製造方法としては、離型紙上に表皮層用ウレタン樹脂を塗布乾燥し、次いでこの上に中間接着層用ウレタン樹脂を塗布乾燥したのち、繊維布帛と貼り合わせ、熱圧着を施し、その後、離型紙を剥離して透湿性防水布帛を得る方法が多用されている。
透湿性防水布帛の表皮層ウレタン樹脂が具備すべき性能としては、透湿性、強靭性、柔軟性、表面平滑性などに加え、耐洗濯剥離強度を維持するために、温水に対して被膜膨潤性が小さいことが必要である。この無孔質膜型透湿性防水布帛には、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解された親水性セグメントを有するポリウレタン樹脂が用いられ、それらは乾式法で製造されているために、加工製造中に排水、排気中に放出される多量の溶剤が、製造時の作業環境、水質汚染、大気汚染などに多大な影響を与え、また、それらを防止するための回収処理に多大な労力と費用を要している。さらに、親水性セグメント成分としてポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレンとポリプロピレンのブロック共重合体などを多量に用いるために、水や温水に対する被膜膨潤性が悪く、洗濯時の被膜損傷や剥離といった現象が生じる。
このために、労働作業の環境改善や、大気汚染、水質汚染などの防止のために、水性ポリウレタン樹脂を用いる表皮層の検討がなされているが、溶剤系表皮層ポリウレタン樹脂と比較して、排水、排気の点で有利ではあるが、透湿性、耐洗濯性の点で著しく劣っているために、実用化されていないのが現状である。
【特許文献1】
特公昭54−961号公報(第1頁、第9頁)
【特許文献2】
特開平3−203920号公報(第1頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の水性ポリウレタン樹脂では困難であった、透湿性、耐水性、耐洗濯性に優れる無孔質膜型透湿性防水布帛の製造を可能にする、有機溶剤を実質上使用しない無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5〜30質量%であり、カルボキシル基の含有量が0.3〜4.0質量%である特定の構造を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を表皮層樹脂として用いた無孔質膜型透湿性防水布帛が、透湿性、耐水性、耐洗濯性に優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水分散したのち、水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖延長反応して得られる水性ポリウレタン樹脂からなり、水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5〜30質量%であり、カルボキシル基の含有量が0.3〜4.0質量%であることを特徴とする無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物、
(2)ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が、1.25〜2である第1項に記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物、
(3)カルボキシル基と架橋反応するカルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤及びエポキシ系架橋剤から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含有する第1項又は第2項に記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物、及び、
(4)第1項ないし第3項のいずれかに記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とするコーティング剤、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水分散したのち、水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖延長反応して得られる水性ポリウレタン樹脂からなり、水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5〜30質量%であり、カルボキシル基の含有量が0.3〜4.0質量%である水性ポリウレタン樹脂組成物である。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物に特に制限はなく、例えば、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどを挙げることができる。脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げることができる。脂環式ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらのポリイソシアネート化合物の中で、脂肪族イソシアネート及び脂環式イソシアネートは、得られるポリウレタン樹脂組成物が無黄変性となるので好適に用いることができ、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートを特に好適に用いることができる。
【0006】
本発明に用いるオキシエチレン基を有するポリオール化合物としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合ポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレンブロック共重合ポリオールなどのポリエーテルポリオール化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルプロパンなどの低分子ジオールにエチレンオキシドを付加したポリオール化合物、ポリエチレングリコールとコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエーテルエステルポリオール化合物などを挙げることができる。これらのポリオール化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。オキシエチレン基を有するポリオール化合物の平均分子量は、200〜2,000であることが好ましく、400〜1,500であることがより好ましい。また、透湿性を阻害しない範囲で他のポリオール化合物を併用することもできる。
併用し得る他のポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを挙げることができる。ポリエーテルポリオールとしては、オキシエチレン基を有しないポリエーテルポリオール、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレンブロック共重合ポリオールなどを挙げることができる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ジオール及び/又は平均分子量1,000以下のポリエーテルジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオールや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンポリオールなどを挙げることができる。低分子量ジオールとしては、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルプロパンなどを挙げることができる。平均分子量1,000以下のポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどを挙げることができる。ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを挙げることができる。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオールなどを挙げることができる。
これらの併用し得る他のポリオール化合物は、平均分子量が600〜3,000であることが好ましく、1,000〜2,000であることがより好ましい。これらの併用し得る他のポリオール化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0007】
本発明に用いるカルボキシル基を有するジオール化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを挙げることができる。また、このようなカルボキシル基を有するジオール化合物として、カルボキシル基を有するジオール化合物と、場合により用いられるカルボキシル基を有しないジオール化合物とを混合したジオール化合物と、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などのジカルボン酸とから得られるペンダントカルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることもできる。これらのカルボキシル基を有するジオール化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する際に、必要に応じて鎖伸長剤を用いることができる。使用する鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロへキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの低分子量ポリアミンなどを挙げることができる。これらの鎖伸長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0008】
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を得る方法に特に制限はなく、例えば、ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーのカルボキシル基を中和することができ、あるいは、ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及び中和されたカルボキシル基を有するジオール化合物を反応してイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を得ることもできる。カルボキシル基の中和に用いる化合物には特に制限はなく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどを挙げることができる。
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水分散したのちに、鎖延長反応に用いる水溶性ポリアミン、ヒドラジン又はそれらの誘導体としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン、ジ第一級アミン及びモノカルボン酸から誘導されるアミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチミンなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物の水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量は、水性ポリウレタン樹脂の5〜30質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5質量%未満であると、得られる無孔質膜型透湿性防水布帛の透湿性が小さくなるおそれがある。水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が30質量%を超えると、得られる無孔質膜型透湿性防水布帛の被膜強靭性が低下して表面摩耗性が不良となるおそれがあり、また、水や温水に対する被膜膨潤性が大きくなり、洗濯により被膜損傷や剥離などを生ずるおそれがある。
【0009】
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物の水性ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、水性ポリウレタン樹脂の0.3〜4.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%である。水性ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量が0.3質量%未満であると、透湿性が小さくなるおそれがあり、また、イソシアネート末端プレポリマーの水分散が困難となり、粒子の安定性が不良となるおそれがある。水性ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量が4.0質量%を超えると、被膜強靭性が高くなるために、得られる無孔質膜型透湿性防水布帛の風合いが粗硬となり、品位が低下するおそれがある。また、水や温水に対する被膜膨潤性が大きくなり、洗濯により被膜損傷や剥離などを生ずるおそれがある。
本発明においては、ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が、1.25〜2であることが好ましく、1.3〜1.5であることがより好ましい。イソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が1.25未満であると、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高く、水分散が困難となるおそれがあり、また、得られる無孔質膜型透湿性防水布帛の被膜強靭性が低下して、表面の耐摩耗性不良や、水や温水に対する被膜膨潤性が大きくなり、洗濯により被膜損傷や剥離などを生ずるおそれがある。イソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が2を超えると、無孔質膜型透湿性防水布帛の透湿性が小さくなるおそれがあり、また、被膜強靭性が高くなるために、無孔質膜型透湿性防水布帛の風合いが粗硬となり、品位が低下するおそれがある。
【0010】
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマーの製造方法に特に制限はなく、例えば、従来公知のワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応法によって、反応温度40〜150℃の条件下で反応を行うことができる。この際、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの反応触媒を添加することができる。これらの反応触媒は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。イソシアネート基末端プレポリマーの製造の際に有機溶剤を用いた場合には、水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて鎖延長反応したのちに、例えば、減圧蒸留などの方法により有機溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤を除去する際には、乳化状態を維持するために、必要に応じて、界面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、樹脂酸塩、長鎖脂肪族アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホン化ヒマシ油、スルホ琥珀酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール又はフェノール類との反応生成物などのノニオン性界面活性剤などを使用することができる。
【0011】
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤は、被膜形成時に水性ポリウレタン樹脂が有するカルボキシル基と反応する架橋剤を含有させることができる。被膜形成時にカルボキシル基と反応する架橋剤に特に制限はなく、例えば、水溶性エポキシ系架橋剤、水分散型カルボジイミド系架橋剤、水溶性オキサゾリン系架橋剤などを挙げることができる。水性ポリウレタン樹脂組成物にカルボキシル基と架橋反応する架橋剤を含有させることにより、得られる無孔質膜型透湿性防水布帛の耐水圧と耐洗濯性を向上させることができる。
また、本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤には、本発明の目的の透湿性、耐水圧を阻害しない程度に、従来より用いられているポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂などの水分散物や、NBR、SBRなどのラテックスエマルジョンを併用することができる。
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤は、会合型増粘剤、ポリカルボン酸系増粘剤などの増粘剤を添加し、増粘して用いることができる。水性ポリウレタン樹脂組成物及びコーティング剤を増粘することにより、使用するコーティング方法に適した粘度に調整することができる。また、必要に応じて、フッ素系やアセチレングリコール系などの各種の界面活性剤、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶剤などのハジキ防止剤を添加することができる。さらに、充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、消泡剤、顔料などの着色剤などを添加することができる。
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤のコーティング方式に特に制限はなく、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、キスコーティングなどを挙げることができる。また、コーティング後に用いる乾燥機にも特に制限はなく、例えば、熱風乾燥機、赤外線照射乾燥機、マイクロ波照射乾燥機、湿熱乾燥機などを挙げることができる。
【0012】
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤を用いた加工方法に特に制限はなく、例えば、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法、ダイレクトコーティング法などを挙げることができ、これらの中で、ドライラミネーション法を好適に用いることができる。ドライラミネーション法により、透湿性、耐水性、耐洗濯性、風合いなどに優れた無孔質膜型透湿性防水布帛を製造することができる。
ドライラミネーション法としては、例えば、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物に増粘剤を添加して、粘度を4,000〜15,000mPa・s(BM型粘度形、4号ローター、30rpm)に調整し、これを離型紙上にコーティングし、40〜180℃の乾燥機で乾燥させ、その上に水性1液型ウレタン系接着剤又は水性2液型ウレタン系接着剤、イソシアネート系硬化剤からなる接着剤増粘物を、グラビアロールコ一タなどを用いて点状に塗布し、40〜180℃の乾燥機で乾燥させ、コーティング面と繊維布帛を、温度が20〜130℃、圧力が1〜30MPaであるニップロールでラミネートする方法などを挙げることができる。ラミネート物は、ラミネート後に接着剤の接着性安定化のためにエージングすることが好ましく、エージング条件は、30〜70℃で1〜3日であることが好ましい。
使用する繊椎布帛に特に制限はなく、例えば、天然繊維、合成繊維のすべてを使用することができ、具体的には、木綿、ポリエステル、ナイロン、アクリルなど、及び、これらの2種以上の混紡品などを挙げることができる。繊維布帛の形態としては、例えば、織物、編物、不織布、起毛布などを挙げることができる。また、繊維布帛の片面にポリウレタン樹脂の多孔質膜を有する積層基材を用いることもできる。さらに、これらの繊維布帛は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などで撥水処理が施されていてもよい。
本発明において、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤のコーティング被膜は、乾燥後の被膜厚さが10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。乾燥後の被膜厚さが10μm未満であると、形成される被膜の表面の耐摩耗性が弱くなるおそれがある。乾燥後の被膜厚さが100μmを超えると、無孔質膜型透湿性防水布帛の透湿性が不良となるおそれがある。
【0013】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、無孔質膜型透湿性防水布帛の調製及び評価は、下記の方法により行った。
(1)無孔質膜型透湿性防水布帛の調製
離型紙[旭ロール(株)、アサヒリリースAR−148]上に、表皮層用の水性ポリウレタン樹脂組成物を会合型増粘剤[日華化学(株)、ネオステッカーN、不揮発分30質量%]で増粘し、乾燥後の被膜厚さが30μmになるようにコーティングし、ピンテンターを用いて温度80℃で2分間、次いで温度110℃で2分間乾燥し、離型紙上に被膜形成したポリウレタン樹脂を得る。これを無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層として用いる。
離型紙上に被膜形成したポリウレタン樹脂に、会合型増粘剤[日華化学(株)、ネオステッカーN、不揮発分30質量%]で粘度調整した1液型ウレタン系接着剤組成物[日華化学(株)製、ネオセロ10A、不揮発分40質量%]を、グラビアロールコ一タ用いて点状に塗布し、ピンテンターを用いて温度80℃で1分間、次いで温度110℃で1分間乾燥し、直ちに、ポリエステル織物布と貼り合わせたのち、カレンダーを用いて、温度95℃、圧力3MPaの条件でラミネートを行う。温度45℃、湿度40%RHに調整した恒温恒湿器中で2日間熟成を行ったのち、離型紙を剥がして無孔質膜型透湿性防水布帛を得る。
(2)透湿性
JIS L 1099 4.1.1 塩化カルシウム法(A−1法)に準じて測定する。ただし、表示を24時間に換算して行う。
(3)耐水圧
JIS L 1092 B法(高水圧法)に準じて測定する。
(4)耐洗濯性
洗濯方法としてJIS L 0217の付表1の103法に従って洗濯し、洗濯前と10回洗濯後の透湿性、耐水圧を測定する。
また、10回洗濯後における、表皮層被膜の状態を下記の基準により評価する。
○:洗濯後の被膜に被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められない。
△:洗濯後の被膜が部分的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、部分的に被膜損傷、剥離が認められる。
×:洗濯後の被膜に全体的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、完全に基材と被膜の剥離が認められる。
(5)風合い
手触感にて評価する。
○:ソフト
△:セミソフト
×:ハード
(6)揮発性有機化合物
実施例及び比較例の全表皮層ポリウレタン樹脂配合中の有機溶剤の含有量により評価する。
○:10質量%未満。
△:10質量%以上50質量%未満。
×:50質量%以上。
【0014】
合成例1
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,500)195.8g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)31.4g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.9g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート60.9gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が1.8質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン9.0gを加えて中和したのち、水683.7gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液6.0gとジエチレントリアミン1.3gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は10.3質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)148.5g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)62.8g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.9g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート76.8gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が2.2質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン9.0gを加えて中和したのち、水681.8gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液7.6gとジエチレントリアミン1.6gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は20.5質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)151.4g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)47.6g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.8g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート89.3gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が4.2質量%のイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.67である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン8.9gを加えて中和し、水674.1gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液14.2gとジエチレントリアミン2.9gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は15.3質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
合成例4
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)158.1g、ポリエチレングリコール(平均分子量2,000)32.6g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.7g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート97.7gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が6.3質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は2.22である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン8.8gを加えて中和したのち、水665.5gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液21.3gとジエチレントリアミン4.4gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は10.3質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
【0015】
比較合成例1
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)188.0g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)46.5g、1,4−ブタンジオール1.7g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート63.8gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が1.9質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、HLB15のポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル4.5g、HLB10のポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル4.5gを加え均一化したのち、水683.4gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液6.3gとジエチレントリアミン1.3gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は、15.2質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
比較合成例2
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)219.3g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.8g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート68.9gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が2.0質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン8.9gを加えて中和し、水682.9gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液6.8gとジエチレントリアミン1.4gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、1.3質量%であった。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
比較合成例3
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量650)93.1g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)47.3g、2,2−ジメチロールプロピオン酸39.3g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート120.3gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が3.9質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.39である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン40.2gを加えて中和したのち、水643.7gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液13.4gとジエチレントリアミン2.8gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は15.2質量%であり、カルボキシル基の含有量は4.4質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
比較合成例4
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)208.3g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)9.95g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.7g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート70.0gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が2.0質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン8.8gを加えて中和したのち、水682.8gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液7.0gとジエチレントリアミン1.4gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は3.3質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
比較合成例5
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下の元、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)107.7g、ポリエチレングリコール(平均分子量2,000)123.1g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.7g及びメチルエチルケトン128.6gを仕込み、均一に混合した。ヘキサメチレンジイソシアネート57.5gを加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.001gを加え、80℃に昇温したのち、5時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基の含有量が1.7質量%であるイソシアネート基末端プレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比は1.33である。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン8.8gを加えて中和したのち、水684.3gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60質量%水溶液5.7gとジエチレントリアミン1.2gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下にて40℃まで昇温し、2時間脱溶剤を行い、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は40.4質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。この水性ポリウレタン樹脂組成物は、経時による分離、沈降もなく、安定なエマルジョンであった。
比較合成例6
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)158.5g、ポリエチレングリコール(平均分子量1,000)30.2g、1,4−ブタンジオール17.0g及びジメチルホルムアミド700.0gを仕込み、均一に混合した。次いで、ジフェニルメタンジイソシアネート94.3gを加え、70℃に昇温したのち、10時間反応させて、固形分30質量%のポリオキシエチレン基を有する溶剤系ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は、10.1質量%である。
比較合成例7
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下で、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,000)155.6g、ポリエチレングリコール(平均分子量1,000)31.5g、1,4−ブタンジオール8.7g、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.7g及びジメチルホルムアミド700.0gを仕込み、均一に混合した。次いで、ジフェニルメタンジイソシアネート92.6gを加え、70℃に昇温したのち、10時間反応させて、固形分30質量%のポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する溶剤系ポリウレタン樹脂組成物を得た。このポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量は10.5質量%であり、カルボキシル基の含有量は1.3質量%である。
合成例及び比較合成例の一覧を、第1表に示す。
【0016】
【表1】
Figure 2004300178
【0017】
実施例1
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物100質量部、会合型増粘剤[日華化学(株)、ネオステッカーN]3質量部、消泡剤[日華化学(株)、NXH−6022]0.1質量部及びヌレ剤[日信化学工業(株)、オルフィンE1010]0.1質量部を配合して、コーティング剤を調製した。このコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,500mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は5,800g/m・24h、耐水圧は120kPaであり、10回洗濯後の透湿性は5,900g/m・24h、耐水圧は100kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
実施例2
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、合成例2で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,800mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は7,500g/m・24h、耐水圧は90kPaであり、10回洗濯後の透湿性は7,700g/m・24h、耐水圧は80kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
実施例3
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、合成例3で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,400mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は6,500g/m・24h、耐水圧は130kPaであり、10回洗濯後の透湿性は6,700g/m・24h、耐水圧は120kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
実施例4
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物100質量部、会合型増粘剤[日華化学(株)、ネオステッカーN]3質量部、水溶性オキサゾリン系架橋剤[日華化学(株)、NKアシストOX]5質量部、消泡剤[日華化学(株)、NXH−6022]0.1質量部及びヌレ剤[日信化学工業(株)、オルフィンE1010]0.1質量部を配合して、コーティング剤を調製した。このコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,800mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は5,800g/m・24h、耐水圧は220kPaであり、10回洗濯後の透湿性は5,900g/m・24h、耐水圧は220kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
実施例5
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、合成例4で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,100mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックはなかったが、風合いがやや粗硬であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は5,300g/m・24h、耐水圧は120kPaであり、10回洗濯後の透湿性は5,400g/m・24h、耐水圧は130kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
【0018】
比較例1
比較合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物100質量部、会合型増粘剤[日華化学(株)、ネオステッカーN]5質量部、消泡剤[日華化学(株)、NXH−6022]0.1質量部及びヌレ剤[日信化学工業(株)、オルフィンE1010]0.1質量部を配合して、コーティング剤を調製した。このコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,000mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、柔軟であるが、表面タックがあった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は3,000g/m・24h、耐水圧は180kPaであった。10回洗濯後の被膜は、全体的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、完全に基材と被膜が剥離し、透湿性と耐水圧を測定することができなかった。
比較例2
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、比較合成例2で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,200mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は200g/m・24h、耐水圧は170kPaであり、10回洗濯後の透湿性は200g/m・24h、耐水圧は180kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
比較例3
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、比較合成例3で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,200mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックはないが、風合いがやや粗硬であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は5,500g/m・24h、耐水圧は180kPaであり、10回洗濯後の透湿性は9,000g/m・24h、耐水圧は50kPaであった。10回洗濯後の被膜に、部分的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、部分的に被膜損傷と剥離が認められた。
比較例4
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、比較合成例4で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,300mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は1,800g/m・24h、耐水圧は190kPaであり、10回洗濯後の透湿性は1,700g/m・24h、耐水圧は200kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
比較例5
合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、比較合成例5で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、4,700mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、風合いは柔軟であるが、やや表面タックがあった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は12,000g/m・24h、耐水圧は50kPaであった。10回洗濯後の被膜は、全体的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、完全に基材と被膜が剥離し、透湿性と耐水圧を測定することができなかった。
比較例6
比較合成例6で得られた溶剤系ポリウレタン樹脂組成物100質量部に、ジメチルホルムアミド50質量部を添加して均一に混合し、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、12,000mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は3,200g/m・24h、耐水圧は120kPaであり、10回洗濯後の透湿性は7,000g/m・24h、耐水圧は40kPaであった。10回洗濯後の被膜に、部分的に被膜膨潤に由来する白化が認められ、部分的に被膜損傷、剥離が認められた。
比較例7
比較合成例6で得られた溶剤系ポリウレタン樹脂組成物の代わりに、比較合成例7で得られた溶剤系ポリウレタン樹脂組成物を用いた以外は、比較例6と同様にして、コーティング剤を調製した。得られたコーティング剤の粘度(BM型粘度計、4号ローター、30rpm)は、13,000mPa・sであった。
このコーティング剤を調製し、1日間室温にて静置したのち、離型紙にコーティングし、無孔質膜型透湿性防水布帛の表皮層を形成した。コーティング剤は、離型紙に対し、ハジキ、ピンホールもなく被膜化することができた。さらに、ウレタン系接着剤組成物を塗布し、ポリエステル織物布を貼り合わせて、無孔質膜型透湿性防水布帛を得た。得られた無孔質膜型透湿性防水布帛は、表面タックがなく、柔軟で、風合いは良好であった。
得られた無孔質膜型透湿性防水布帛の初期の透湿性は6,000g/m・24h、耐水圧は150kPaであり、10回洗濯後の透湿性は5,200g/m・24h、耐水圧は140kPaであった。10回洗濯後の被膜に、被膜膨潤に由来する白化は認められず、被膜損傷、剥離も認められなかった。
実施例1〜5及び比較例1〜7の結果を、第2表に示す。
【0019】
【表2】
Figure 2004300178
【0020】
第2表に見られるように、本発明の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物を含有するコーティング剤を用いて調製された表皮層を有する実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4の無孔質膜型透湿性防水布帛は、いずれも初期透湿性、初期耐水圧、風合いに優れ、洗濯後の透湿性と耐水圧の保持にも優れ、被膜損傷、被膜剥離もなく、良好な性能を有している。特に、無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物を含有するコーティング剤に、カルボキシル基と架橋反応する架橋剤を添加した実施例4の無孔質膜型透湿性防水布帛は、優れた耐水圧及び耐洗濯性を有し、初期透湿性阻害及び洗濯後の透湿性の低下もなく、非常に優れた性能を有している。ポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂であって、ポリウレタン樹脂のイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が2.22である水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた実施例5の無孔質膜型透湿性防水布帛は、優れた初期透湿性、耐水圧、耐洗濯性を有するが、得られる布帛の風合いがやや粗硬である。
また、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例5において用いたコーティング剤は、実質上有機溶剤を含まないために、比較例6及び比較例7で用いた有機溶剤に溶解されたコーティング剤と比較し、揮発性有機化合物による環境汚染を引き起こすおそれがない。
これに対して、カルボキシル基を有さず、ポリオキシエチレン基を有する水性ポリウレタン樹脂を用いた比較例1と溶剤系ポリウレタン樹脂を用いた比較例6の無孔質膜型透湿性防水布帛は、初期の透湿性が小さく、また、比較例1の無孔質膜型透湿性防水布帛は、洗濯により被膜が白化し、被膜剥離が認められ、比較例6の無孔質膜型透湿性防水布帛は、洗濯により被膜が白化し、被膜損傷が生じたため、洗濯後の透湿性が著しく上がり、耐水圧が著しく低下した。
ポリオキシエチレン基を有さず、カルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂を用いた比較例2の無孔質膜型透湿性防水布帛は、初期の透湿性が著しく不良である。
ポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂であって、カルボキシル基を4.4質量%と多量に有する水性ポリウレタン樹脂を用いた比較例3の無孔質膜型透湿性防水布帛は、初期の透湿性と耐水圧に優れるが、洗濯により被膜が白化し、被膜損傷が認められ、洗濯後の透湿性が著しく上がり、耐水圧が著しく低下した。
ポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂であって、ポリオキシエチレン基の含有量が3.3質量%と少ない水性ポリウレタン樹脂を用いた比較例4の無孔質膜型透湿性防水布帛は、初期の透湿性が小さい。また、ポリオキシエチレン基とカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂であって、ポリオキシエチレン基を40.4質量%と多量に有する水性ポリウレタン樹脂を用いた比較例5の無孔質膜型透湿性防水布帛は、初期の透湿性に優れるが、洗濯により被膜が白化し、被膜剥離が生ずる。
カルボキシル基を有さず、ポリオキシエチレン基を有する溶剤系ポリウレタン樹脂組成物を用いた比較例6と、カルボキシル基とポリオキシエチレン基をともに有する溶剤系ポリウレタン樹脂組成物を用いた比較例7の無孔質膜型透湿性防水布帛は、比較例6の無孔質膜型透湿性防水布帛は前記の通り、初期の透湿性に乏しく、洗濯により被膜が白化し、被膜損傷が生じて、洗濯後の透湿性が著しく上がり、耐水圧が著しく低下するのに対し、比較例7の無孔質膜型透湿性防水布帛は、優れた初期透湿性、耐水圧、耐洗濯性を有する。ただし、比較例6、比較例7ともに、50質量%以上の有機溶剤に溶解されているポリウレタン樹脂溶液を用いるために、揮発性有機化合物により環境汚染を引き起こすという問題があり、溶剤回収などの対策が必要である。
【0021】
【発明の効果】
本発明の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有するコーティング剤は、有機溶剤に溶解されているポリウレタン樹脂と異なり、実質上溶剤を使用しないことから、加工製造中に排出される溶剤による大気汚染や水質汚染の問題がなく、溶剤の回収労力、作業者の環境保全などの問題を解消することが可能である。また、従来の水性ポリウレタン樹脂で問題となっていた初期の透湿性、耐水圧、洗濯後の透湿性、耐水圧、被膜安定性についても、優れた性能を示すことから、耐久性のある無孔質膜型透湿性防水布帛を安定して製造することができる。

Claims (4)

  1. ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を水分散したのち、水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖延長反応して得られる水性ポリウレタン樹脂からなり、水性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が5〜30質量%であり、カルボキシル基の含有量が0.3〜4.0質量%であることを特徴とする無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. ポリイソシアネート化合物、オキシエチレン基を有するポリオール化合物及びカルボキシル基を有するジオール化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーのNCO/OH当量比が、1.25〜2である請求項1に記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. カルボキシル基と架橋反応するカルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤及びエポキシ系架橋剤から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とするコーティング剤。
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