JP2004296367A - リチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法 - Google Patents

リチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池用の正極活物質として用いたときに、充放電特性に優れた電池を実現することができ、しかも製造コストの低減が可能なリチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、リチウムイオン電池用正極活物質として用いられリチウム金属リン酸塩化合物を含有する微粒子であって、この微粒子は、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた電池特性を実現することができ、しかも製造コストの低減が可能なリチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電子機器やハイブリット自動車に用いるための二次電池の開発が進められている。代表的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等が知られている。これらの二次電池のなかでも、リチウムイオン電池は高出力、高エネルギー密度を有するという特徴がある。
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正極と、負極と、非水電解質により構成されている。この正極に用いらる正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。
【0003】
ところで、これらの物質は、CoやNiのように資源量が少なく貴重で高価な金属を使用していたり、LiMnのように使用中にMnが溶出するために寿命が短い等の欠点がある。
さらに、いずれの物質も充電によりリチウムを脱離すると、構造的に不安定になり、分解して酸素を発生するが、発生した酸素は可燃性有機物質である非水電解質と接触して発火や爆発を引き起こす危険性がある。
【0004】
そこで、最近では、このような欠点を補う目的で、安価な金属である鉄を用いたLiFePOのようなオリビン型の結晶構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物の正極活物質が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
このようなリン酸塩化合物は、リンと酸素が共有結合により強く結合しているため、何らかの理由で分解した様な場合においても、酸素のみを発生することはないので安全である。
このようなオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物を用いたリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法としては、複合酸化物を用いた正極活物質の製造方法と同様、固相反応法が用いられている(特許文献2、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−171827号公報
【特許文献2】
特開平9−134725号公報
【特許文献3】
特開平9−134724号公報
【0006】
例えば、LiFePOは、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩と、シュウ酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、酢酸鉄(II)等の2価の鉄の塩と、リン酸二水素アンモニウム等のリン酸塩とを、所定のモル比で混合し、次いで、この混合粉を200〜400℃程度の温度にて仮焼して種々の塩を熱分解し、次いで、400〜800℃の温度にて焼成することにより合成することができる。
この合成では、反応の駆動力は固体内の物質の熱拡散に起因しているため、物質移動速度が非常に遅く、したがって、固相反応を十分に進行させるためには、通常は24時間以上の非常に長時間の焼成が必要となる。さらに、目的物質の単一相を得るためには、焼成と粉砕を数回、繰り返し行うこともある。
【0007】
しかしながら、このようなオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池では、満足できる容量が得られていない。その原因としては、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物のリチウムイオンの挿入脱離速度が遅いため、粒子の中心部分のリチウムイオンの移動が間に合わず、粒子の表面しか利用されていない等が挙げられている。
そこで、このオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物粒子の粒子径を小さくすることで、粒子の中心部分と表面との距離を短縮し、リチウムイオン電池としての充放電容量を大きくしようとする提案がなされている。
【0008】
この固相反応において得られる粒子は、球状あるいは球に近い形状であるから、粒子の中心部分と表面との距離を短縮するには、粒子径を小さくする必要があった。そこで、固相反応においては、温度条件等を調整することで粒子径を小さくしようとする試みもなされている。この固相反応により得られる粒子の形状は、通常、熱力学的に安定な球状である。これは、熱力学的には最も表面の小さい形状である球が安定であるため、加熱物質移動による反応により得られる生成物は球状の粒子となってしまうからである。固相反応においては、粒子径を小さくするためには、粒成長を抑制する必要があるため、合成の際の反応温度を低くするか、反応時間を短縮する方法が採られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のLiCoOのような複合酸化物の正極活物質では、単にリチウムとコバルト等の金属の2種類の化学種を大気中で酸素と反応させれば良いので単一相が得易いが、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物の場合、低温焼成では単一層を得ることが難しい。そこで、固相反応でオリビン構造を有する単一相のリチウム金属リン酸塩化合物を得るためには、熱分解生成物を長時間焼成する必要がある。この長時間焼成を行った場合、粒成長により粒子が粗大化し易くなり、径の小さい粒子を合成することは非常に難しいという問題点があった。
特に、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物を合成する場合、原料としてリチウム、リチウム以外の金属およびリン酸という3種類もの化学種があることから、単一相を得るためには高温焼成が必要となる。
このように、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物は、低温焼成で単一層を得ることが難しく、単一相を得るために高温焼成を行うと、粒子径を小さくすることが困難であった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、リチウムイオン電池用の正極活物質として用いたときに、充放電特性に優れた電池を実現することができ、しかも製造コストの低減が可能なリチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を合成する場合に、単に粒子径を小さくするのではなく、薄片状とすることにより、粒子の中心部分と表面との距離を短縮し、リチウム金属リン酸塩化合物におけるリチウムイオンの挿入脱離速度を促進することができ、この微粒子をリチウムイオン電池に用いた際の充放電容量を大きくすることができることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、リチウムイオン電池用正極活物質として用いられリチウム金属リン酸塩化合物を含有する微粒子であって、この微粒子は、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状であることを特徴とする。
【0013】
前記リチウム金属リン酸塩化合物は、一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有することが好ましい。
前記微粒子は、電子導電性物質を含有することが好ましい。
【0014】
本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法は、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を作製し、次いで、この微粒子を粉砕し、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子とすることを特徴とする。
【0015】
前記空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、リチウム、リチウム以外の金属およびリンを含有する溶液または懸濁液を噴霧熱分解して微粒子を生成するとともに、この噴霧熱分解の際に合成途上の前記微粒子内に気泡を発生させ、この気泡により合成途上の前記微粒子を破裂させて作製することが好ましい。
前記溶液または懸濁液に、電子導電性物質またはその前駆体を添加することとしてもよい。
【0016】
前記リチウム金属リン酸塩化合物は、一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子およびその製造方法の一実施形態について説明する。
なお、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0018】
「リチウム金属リン酸塩化合物微粒子」
本実施形態のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、リチウムイオン電池用正極活物質として用いられ、リチウム金属リン酸塩化合物を含有する微粒子であり、この微粒子は、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状である。
このため、粒子の中心部分と表面との距離は、5〜250nmとなり、この粒子を球状粒子と仮定した場合、粒子径(直径)が500nm以下の粒子に相当する。
このように、粒子の中心部分と表面との距離が5〜250nmと、従来の球状のものと比べて大幅に短縮されることから、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物におけるリチウムイオンの挿入脱離速度が遅いという問題点が解決され、リチウムイオン電池に用いた際のリチウムイオン電池の充放電容量を大きくすることができる。
【0019】
ここで、薄片状の微粒子の厚みを上記の様に限定した理由は、厚みが10nmより薄いと、薄片状の形状を維持することが困難となるからであり、また、厚みが500nmより厚いと、粒子の中心と表面との距離が長くなり、リチウムイオンの挿入脱離速度を促進する効果がなくなるからである。
この微粒子の厚み以外の寸法については、リチウムイオン電池用正極活物質として使用するのに支障のない範囲であれば特に制限されないが、長さが最大の部分で5μm以下が実用上好ましい。
【0020】
また、上記のリチウム金属リン酸塩化合物とは、リチウムと他の金属との複合リン酸塩化合物のことである。
また、薄片状には、平板状、殻状等の形状のものも含むものとする。
このリチウム金属リン酸塩化合物は、一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有することが好ましい。
【0021】
オリビン構造は、リン(P)と酸素(O)が独立した四面体を構成し、それらの間にリチウム(Li)と他の金属元素が四面体の酸素と八面体を構成する構造であり、金属の価数を変化することでLiがリン・酸素(P・O)四面体の間を移動して結晶構造の外へ可逆的に脱離することができる。
【0022】
前記微粒子は、電子導電性物質を含有することが好ましい。
電子導電性物質としては、電子導電性を有するものであればよく、例えば、炭素、金、銀、パラジウム等の種々のものを用いることができるが、炭素が好ましい。特に、炭素単体を用いる場合、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等を用いることができるが、好ましくは、カーボンブラック、アセチレンブラックのいずれかである。
【0023】
「リチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法」
本実施形態のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法は、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を作製し、次いで、この微粒子を粉砕し、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子とする方法である。この粉砕には、混練等の簡単な軽粉砕等も含まれる。
【0024】
この空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、リチウム、リチウム以外の金属およびリンを含有する溶液または懸濁液を噴霧熱分解して微粒子を生成するとともに、この噴霧熱分解の際に合成途上の前記微粒子内に気泡を発生させ、この気泡により合成途上の前記微粒子を破裂させることにより、作製することが好ましい。
【0025】
この空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を粉砕することにより薄片状の微粒子が簡単に得られる。
通常の粉砕は、塊状の固形物を粉砕するものであるから、厚みが10nm以上かつ500nm以下という極めて薄い薄片状の微粒子を得ることは困難であるが、本実施形態の製造方法では、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を粉砕することにより、この空洞部を粉砕時に押し潰すことで粒子を薄厚化するので、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子が簡単に得られる。
この空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の粒径は、粉砕後の取り扱いの容易さ、粉砕後の薄片状の微粒子の厚み等を考慮すると、0.5μm以上かつ5μm以下が好ましい。また、この微粒子の殻の厚みは10nm以上かつ500nm以下が好ましい。
【0026】
この空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の作製には、噴霧熱分解法が好適に用いられる。
いわゆる噴霧熱分解法は、通常、超音波等により霧状にされた原料溶液あるいは懸濁液を、キャリヤガスとともに所定の温度に保たれた炉内に噴霧することにより、霧状の液滴粒子を急激に脱水すると同時に液中の化学種を熱分解し、さらに、この熱分解により生成した生成物を反応させて目的の物質を合成するものであり、得られた粒子の形状は、通常、液滴の形状である球状の中実粒子となる。
【0027】
本実施形態では、リチウム、リチウム以外の金属およびリンを含有する溶液あるいは懸濁液を、キャリヤガスとともに所定の温度に保持された炉内に噴霧し、この霧状の液滴粒子を熱分解するとともに、この液滴の表面部分にてリチウム金属リン酸塩化合物を合成しながら該液滴の内部に残留する溶媒成分の気化および内部の原料成分の熱分解を行わせることにより、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子が得られる。
【0028】
本実施形態の噴霧熱分解法について、より具体的に説明する。
まず、リチウム、リチウム以外の金属およびリンを溶媒中に溶解あるいは分散させ、均一な溶液あるいは懸濁液とする。
次いで、この溶液あるいは懸濁液を超音波振動子を用いた霧化器等を用いて霧状の液滴とし、この液滴をキャリヤガスとともに所定の温度に保持された炉内へ高速で噴霧する。
【0029】
この液滴は、キャリヤガスの流速を50mm/s以上とすることにより、炉内へ50mm/s以上の速度で噴霧される。
このキャリヤガスとしては、溶液あるいは懸濁液に含まれる金属の酸化を防止する観点から、不活性ガスである窒素ガス、アルゴンが好ましい。
噴霧の際の液滴の粒径は、1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは4〜10μmである。液滴の粒径が1μm未満であると、噴霧速度を速くしても液滴の中心部と表面との間に温度差が生じ難くなり、したがって、殻が生成難くなるからであり、液滴の粒径が20μmを超えると、キャリヤガスによる良好な噴霧が難しくなるからである。
【0030】
この噴霧速度は、50mm/s以上が好ましい。噴霧速度が50mm/s以上であれば、噴霧熱分解の初期の段階では、液滴の表面は急速に加熱されるが、その内部は遅れて加熱されるために、液滴の表面と内部との間に温度差が生じ、その結果、液滴の表面は急速に加熱されることで反応が急激に進行し、殻が生成し易くなるからである。なお、噴霧速度が50mm/sより遅いと、噴霧された液滴の表面が徐々に加熱されるとともに、その内部も僅かに遅れて加熱されるために、液滴の表面と内部との間の温度差が僅かとなり、液滴全体の反応が進行して中実の粒子となり、殻が生成し難くなるので、好ましくない。
この噴霧速度の上限値は、噴霧された液滴が通過する炉内の大きさ及び炉内における滞留時間を考慮して決定される。
【0031】
この噴霧熱分解の初期においては、液滴の表面部分の温度が急激に上昇することで、この表面部分が先に脱水、熱分解、合成を完了して固化するが、内部は温度の上昇が遅れるために、脱水、熱分解がなかなか進行せず、まだ完了していない状態である。このように、表面部分のみが固化し殻状となった微粒子を中間粒子と称することにする。
この中間粒子を所定温度の炉内に一定時間滞留させることにより噴霧熱分解が進行し、内部に含まれる溶媒が気化するとともに、内部に残留する原料成分が熱分解して気泡を発生させ、この気泡が中間粒子の表面部分の殻状部を突き破る。この殻状部の破れとほぼ同時に合成反応が完了し、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子が得られる。
【0032】
炉内の滞留時間は3秒以上が好ましい。ここで、滞留時間とは、噴霧された液滴が炉内に導入されてから、この液滴が噴霧熱分解して得られた生成物が炉外に排出されるまでの時間のことである。この滞留時間が3秒以上であれば、熱分解反応を中間粒子の内部まで十分に進行させることにより、気泡が内部に発生し易くなり、この気泡が既に表面に形成された殻状の部分を突き破り易くなるからである。
この滞留時間の上限値は、特に限定しないが、噴霧速度と炉内の大きさにより必然的に決定される。
【0033】
上記の溶液あるいは懸濁液を調整する際のリチウム源、リチウム以外の金属源およびリン源としては、噴霧前に反応、凝集をおこさず、均一な溶液あるいは懸濁液となり、しかも安定な噴霧状態が得らるものであれば特に限定されないが、例えば、リチウム源としては、リチウムの塩化物、水酸化物、酢酸塩、炭酸塩等のリチウム塩が好ましい。また、リチウム以外の金属源としては、リチウム以外の金属の塩化物、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩等の塩が好ましく、ハロゲン化物も好ましい。また、リン源としては、リン酸またはリン酸無機塩が好ましい。
【0034】
上記のリチウムの塩化物としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)が挙げられ、リチウムの水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)が挙げられ、リチウムの酢酸塩としては、例えば、酢酸リチウム(LiCHCOO)が挙げられ、リチウムの炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)が挙げられる。
【0035】
上記のリチウム以外の金属としては、特に制限されないが、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種が好ましい。
また、リチウム以外の金属の塩としては、例えば、塩化物としては、塩化マンガン(MnCl)、塩化第一鉄(FeCl)、塩化ニッケル(NiCl)等が挙げられ、酢酸塩としては、酢酸マンガン(Mn(CHCOO))、酢酸第一鉄(Fe(CHCOO))、酢酸コバルト(Co(CHCOO)))等が挙げられ、硝酸塩としては、硝酸コバルト(Co(NO)等が挙げられ、ハロゲン化物としては、臭化第一鉄(FeBr2)が挙げられる。
また、リン酸としては、オルトリン酸(HPO)、縮合リン酸等が挙げられ、リン酸無機塩としては、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)等が挙げられる。
【0036】
また、これらリチウム源、リチウム以外の金属源、リン源のうち少なくとも1つは、分解温度が約300℃以上であり、しかも分解時に気泡を発生することが望ましい。これにより、より多くの気泡が中間粒子の表面の殻状の部分を突き破り、この中間粒子の形状をより複雑なものとする。
上記の少なくとも1つの物質の分解温度を300℃以上とした理由は、液滴の表面の脱水が完了して、この液滴の表面に殻状の固化部分が生成されるまでの間に、この殻状の部分の内部に閉じ込められた原料が熱分解するのを防止するためであり、表面が殻状に固化した後に原料が熱分解して気泡を発生することにより、殻状の固化部分に外部と連通する孔が形成された中空粒子がさらに得易くなるからである。
【0037】
溶媒としては、上記のリチウム源、リチウム以外の金属源およびリン源を溶解または分散させることができ、しかも、炉内に噴霧した際に容易に気化し散逸するものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、水、アルコール類、ケトン類等を用いることができるが、取り扱いし易さ、安全性の点から水が好ましい。
【0038】
この溶媒に、界面活性剤のように気泡を生成する発泡剤(発泡性物質)を添加してもよい。発泡剤を添加することにより、効率的に液滴の表面の殻状部分を突き破る気泡を容易に発生させることができるので好ましい。
このような発泡剤としては、例えば、水溶性の界面活性剤であるアニオン系のカルボン酸塩類、リン酸エステル塩類、カチオン系のアルキルアミン類、アルキルアンモニウム塩類、非イオン性のグリセリンエステル類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0039】
この溶液または懸濁液中の原料の濃度は、噴霧できる濃度であればよく、特に限定されるものではないが、良好な噴霧状態と生産性を考慮すると1重量%以上かつ30重量%以下が好ましい。
この噴霧熱分解時の炉内の雰囲気としては、上記の溶液または懸濁液に含まれる金属の酸化を防止する観点から、不活性雰囲気が好ましい。この不活性雰囲気は、上述した窒素ガスやアルゴン等のキャリアガスを導入することで得ることができる。
【0040】
また、この噴霧熱分解時の炉内の温度は、選択した原料塩の熱分解温度よりも充分高くする必要があるが、例えば、上述した各種の塩化物、酢酸塩、炭酸塩等では、500℃以上あればよい。また、炉内の温度が900℃より高いと、リチウムが蒸発し易くなるために、得られた生成物の組成が化学量論的組成からずれてしまい、必要な組成の維持が難しくなるから好ましくない。
したがって、炉内の温度としては、500℃以上かつ900℃以下が好ましい。
【0041】
このようにして得られた微粒子は、その結晶相がオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物単一相からなるもので、厚さ500nm以下の殻を有する中空構造であり、しかもこの殻には内部の空洞部と外部とを連通する孔が形成されたリチウム金属リン酸塩化合物微粒子となる。また、この微粒子の粒径は、0.5μm以上かつ5μm以下である。
この微粒子は、キャリヤガスとともに炉外に搬送され、所定の容器により回収される。
【0042】
このようにして回収された微粒子は、例えば、電気炉等で焼成し、結晶内部の欠陥や結晶の乱れ等を除去するのが好ましい。
その理由は、オリビン構造のような複雑な結晶構造を形成するには、噴霧熱分解の加熱時間では極めて短いため、反応条件によっては結晶欠陥や結晶の乱れ等を含んでいる場合があり、これらの結晶欠陥や結晶の乱れ等が電池特性に悪影響を及ぼすからである。
【0043】
この焼成温度は、噴霧熱分解時の温度よりも低い温度が好ましい。
その理由は、噴霧熱分解によって得られた微粒子は、内部に外部と連通する空洞部を有する形状の微粒子であるが、従来の固相合成法で用いるような400〜800℃で焼成すると、粒子の収縮や焼結が生じて中実の球状粒子となってしまい、中空構造を維持することができなくなるからである。
また、中実の球状粒子では、比表面積も小さくなり、正極活物質としての反応面積も小さくなるからである。
【0044】
この焼成温度は、噴霧熱分解時の温度よりも100〜300℃低いことが好ましい。
以上の点を考慮すると、焼成温度は300℃以上かつ600℃以下が好ましく、さらに好ましくは400℃以上かつ500℃以下である。その理由は、焼成温度が300℃より低いと、結晶欠陥や結晶の乱れを除去するのに十分な物質移動が起こらず、結晶構造の内部に結晶欠陥や結晶の乱れ等が残存してしまうからであり、また、600℃より高いと、粒子の収縮や焼結が生じて中実の球状粒子となってしまい、中空構造を維持することができなくなるからである。
また、焼成時間としては、30分〜12時間が好ましい。
【0045】
この焼成工程を経た微粒子は、その結晶相がオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物単一相からなるもので、結晶欠陥や結晶の乱れ等も無く、厚さ500nm以下の殻に内部の空洞部と外部とを連通する孔が形成された中空構造のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子となる。
【0046】
この微粒子は、乳鉢、ボールミル、振動ミル、ジェットミル等の通常の粉砕機器を用いて粉砕することにより、厚さ500nm以下の薄片形の微粒子とすることができる。
また、この微粒子は、構造的に弱い中空構造の微粒子であるから、例えば、リチウムイオン電池の正極を作製するにあたって、この微粒子を用いてペーストを作製する際の混練工程のような比較的粉砕効果の弱い工程を施すことにより、簡単に厚さ500nm以下の薄片形の微粒子とすることができ、上記の様な粉砕機器を用いた粉砕工程を省くことができる。
【0047】
このように、本実施形態のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法では、厚さ500nm以下の薄片形の微粒子を容易に得ることができる。
従来では、厚さ500nm以下というようなナノレベルの構造制御にはCVD等の気相合成法が用いられてきたが、装置自体が大型かつ高価であるのに加えて原料も非常に高価なものであるから、製造コストの低減が困難であった。
本実施形態のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法は、この点を克服したもので、安価な原料を用い、安価な装置を用いた噴霧熱分解法を利用することにより、厚さ500nm以下の薄片形の微粒子を容易に得ることが可能になった。
【0048】
本実施形態のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法では、リチウムイオンの挿入脱離速度を促進するために、噴霧熱分解を施す溶液または懸濁液中に電子導電性物質またはその前駆体を添加してもよい。
電子導電性物質としては、電子導電性を有するものであればよく、例えば、炭素、金、銀、パラジウム等の種々のものを用いることができるが、特に好ましいのは炭素単体である。
この炭素単体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等を用いることができるが、特に、カーボンブラック、アセチレンブラックのいずれかが好ましい。
【0049】
また、電子導電性物質の前駆体としては、噴霧熱分解後に電子導電性を有する物質となるものであればよく、例えば、炭素化合物、有機金属化合物等の種々のものを用いることができるが、この前駆体として炭素化合物を用いる場合、有機化合物が好適である。
この有機化合物としては、加熱時に揮発しないものであればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、または、これらの共重合体が好適に用いられる。
【0050】
また、例えば、糖アルコール、糖エステル、セルロース等の糖類、あるいはポリグリセリン、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタン、各種水溶性有機界面活性剤等を用いることができる。また、リン酸エステル、リン酸エステル塩等を用いれば、炭素成分と同時にリン成分を用いることができる。
【0051】
この場合、各成分が溶媒中に均一に分散して混合され、良好な噴霧状態が得られるのであれば、これらの成分は溶媒に溶解しなくても良いが、電子導電性物質以外の成分については、溶媒に溶解するものである方がより好ましい。
また、電子導電性物質またはその前駆体も、溶媒に溶解するものであれば、各成分が分子レベルで均一に混合されるため、組成のズレやバラツキのない粒子状物質が得られ、好ましい。
【0052】
本実施形態の製造方法により得られたオリビンの構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物は、炭素等の電子導電性物質の添加によりオリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物への電子の供給や放出がし易くなるため、リチウムイオンの挿入脱離に伴う電荷補正が速やかに行われるようになる。したがって、高い放電容量、安定した充放電サイクル性能、高い充填性、高出力等を実現することができる。
【0053】
本実施形態のリチウムイオン電池用正極活物質は、一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子であって、厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状を有するものであるから、粒子の内部の中心部と外表面との距離は最大でも250nm以下となり、粒子内のリチウムイオンや電子の移動効率は粒子径が500nmの球状粒子と同等である。
【0054】
さらに、電子導電性物質と複合化することで、その効果は増大する。なおかつ薄片状であることからリチウムイオン電池の正極に適用した際には、これらの薄片状の微粒子は配向しかつ重なり合って充填するので、単位体積当たりより多くの活物質を充填することができる。その結果、活物質の充填密度を高めることができ、大きな体積エネルギー密度を有する電池を得ることができる。
なお、粒径が500nm以下の球状粒子の場合は、粒子同士の凝集力が非常に強く、しかも流動性に劣ったものとなるので、密度の高い充填をすることは困難である。
【0055】
さらに、この製造方法で作製されたリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を作製し、次いで、この微粒子を粉砕し、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子とするので、表面が複雑な形状となり、比表面積の高い薄片状の微粒子を容易に得ることができる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0057】
A.リチウム金属リン酸塩化合物微粒子の作製
(実施例1)
LiNO、Co(NO及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を550℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして70mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に40秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子を得た。
【0058】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相であることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、8.7m/gであった。
この微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)像を図1に示す。この図によれば、微粒子の粒径は0.5〜5μmであり、これらの微粒子の表面に孔が開いているのが確認できた。
【0059】
このリチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子が厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状になっていることが確認された。
【0060】
(実施例2)
LiCl、FeCl及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を600℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして70mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に40秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子を得た。
【0061】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相であることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、8.4m/gであった。
この微粒子も、実施例1と同様に粒径が0.5〜5μmで表面に孔が開いた微粒子であることが確認された。
【0062】
このリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウム鉄リン酸塩化合物微粒子が厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状になっていることが確認された。
【0063】
(実施例3)
LiOH、FeCl及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液1kgにアセチレンブラック1.2gを分散させて懸濁液とし、この懸濁液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を800℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして100mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に32秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子を得た。
【0064】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相であることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、8.3m/gであった。
この微粒子も、実施例1と同様に粒径が0.5〜5μmで表面に孔が開いた微粒子であることが確認された。
【0065】
このリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウム鉄リン酸塩化合物微粒子が厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状になっていることが確認された。
【0066】
(実施例4)
LiOH、FeCl及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液1kgにショ糖2.9gを溶解させ、この溶液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を800℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして100mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に32秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子を得た。
【0067】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相であることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、8.7m/gであった。
この微粒子も、実施例1と同様に粒径が0.5〜5μmで表面に孔が開いた微粒子であることが確認された。
【0068】
このリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウム鉄リン酸塩化合物微粒子が厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状になっていることが確認された。
【0069】
(比較例1)
LiOH、FeCl及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を600℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして10mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に240秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子を得た。
【0070】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相であることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、1.1m/gであった。
この微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)像を図2に示す。この図によれば、微粒子の粒径は0.5〜5μmであり、滑らかな表面を有する球状の微粒子であった。
【0071】
このリチウム鉄リン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウム鉄リン酸塩化合物微粒子は球状のままであることが確認された。
【0072】
(比較例2)
LiNO、Co(NO及びHPOを、これらのモル比が1:1:1かつ濃度が0.1mol/kgとなるように純水に溶解し、水溶液とした。次いで、この水溶液を超音波霧化器により霧状の液滴とした後、この液滴を550℃に加熱・保持された熱処理炉内に窒素ガスをキャリアガスとして100mm/secの流速にて導入し、噴霧熱分解を行った。
霧状の液滴を炉内に15秒間滞留させて熱分解し、得られた反応生成物を炉外にて回収し、内部に外部と連通した空洞部を有するリチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子を得た。
【0073】
この微粒子の粉末X線回折図形(チャート)によると、オリビン構造からなる単一相は得られず、未知相を含んでいることが確認された。
また、この微粒子の比表面積をBET法により測定したところ、5.5m/gであった。
【0074】
このリチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子70mgと、導電助剤としてアセチレンブラック18mgと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)12mgを混練、圧延し、電極材料結合フィルムを得た。
このフィルムを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、リチウムコバルトリン酸塩化合物微粒子は、球状粒子と薄片状粒子の混合物になっていることが確認された。
【0075】
B.リチウムイオン二次電池の作製
上記の実施例1〜4及び比較例1、2で得られた各々の電極材料結合フィルムをアルミニウムメッシュ集電体上に圧着後、面積が2cmの円板状に打ち抜き、実施例1〜4および比較例1、2の正極とした。
得られた正極を真空乾燥器を用いて真空乾燥した後、乾燥したAr雰囲気下にてHS標準セル(宝泉株式会社製)を用いて実施例1〜4および比較例1、2の電池を作製した。
ここでは、負極には金属リチウムを、セパレーターには多孔質ポリプロピレン膜を、電解質溶液には1molのLiPF溶液を、それぞれ用いた。なお、LiPF溶液に用いられる溶媒としては、炭酸エチレン:炭酸ジエチルが1:1のものを用いた。
【0076】
なお、実施例1〜4では、正極活物質自体の挙動をデータに反映させるため、負極活物質に金属リチウムを用いたが、炭素材料、リチウム合金、LiTi12等の負極活物質を用いてもかまわない。また、電解質溶液とセパレータの代わりに固体電解質を用いてもよい。
【0077】
C.電池充放電試験
実施例1〜4および比較例1、2それぞれの電池に対して、電池充放電試験を行った。この電池充放電試験の試験条件は、実施例1と比較例2のカットオフ電圧を4〜5V、それ以外のカットオフ電圧を3〜4V、電流密度を0.5mA/cmの定電流とし、室温(25℃)にて行った。
実施例1〜4および比較例1、2それぞれの初期放電特性を図3に示す。
この図では、実施例1〜4をE1〜E4で、比較例1、2をR1、R2で、それぞれ表している。
【0078】
この図によれば、オリビン構造を有しかつ厚さ10nm以上かつ500nm以下の薄片状のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を正極活物質として用いた実施例1〜4(E1〜E4)の電池では、初期放電容量が100mAh/g以上の大きな容量となっていることが分かる。これらは、全てオリビン構造単一相になっており、比較例1、2と比べると大きな比表面積を有するものとなっている。
【0079】
一方、比較例1(R1)の電池では、実施例1と同様の組成の水溶液を用いて噴霧熱分解法により微粒子を合成したにもかかわらず、噴霧時の流速が遅いために表面に孔が形成された微粒子とならずに球形粒子となり、比表面積も小さいものであった。したがって、その電池特性も劣るものであった。
また、比較例2(R2)の電池では、実施例2と同様の組成の水溶液を用いて噴霧熱分解法により微粒子を合成したにもかかわらず、噴霧時の滞留時間が短時間であったためにオリビン単一相が得られず、したがって、その電池特性も劣るものであった。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子によれば、リチウムイオン電池用正極活物質として用いられリチウム金属リン酸塩化合物を含有する微粒子を、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状としたので、リチウム金属リン酸塩化合物におけるリチウムイオンの挿入脱離速度を促進することができ、この微粒子をリチウムイオン電池用の正極活物質として用いたときに、充放電容量を大きくすることができる。したがって、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現することができる。
また、オリビン構造を有することから、元素の選択によっては鉄のような安価な元素を用いることができ、したがって、安価なリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を提供することができる。
【0081】
本発明のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法によれば、内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を作製し、次いで、この微粒子を粉砕し、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子とするので、リチウムの挿入脱離に優れ、リチウムイオン二次電池を構成した際に優れた放電特性を呈するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を、低い製造コストで作製することができる。
【0082】
また、オリビン構造を有することから、元素の選択によっては鉄のような安価な元素を用いて製造することもできる。また、気相反応の様に、高価な反応装置等を必要とせず、簡便な装置で製造可能であるから、製造コストを低減することができ、経済性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。
【図2】比較例1のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。
【図3】本発明の実施例1〜4および比較例1、2それぞれのリチウムイオン二次電池における初期放電特性を示す図である。

Claims (7)

  1. リチウムイオン電池用正極活物質として用いられリチウム金属リン酸塩化合物を含有する微粒子であって、
    この微粒子は、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状であることを特徴とするリチウム金属リン酸塩化合物微粒子。
  2. 前記リチウム金属リン酸塩化合物は、
    一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有してなることを特徴とする請求項1記載のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子。
  3. 前記微粒子は、電子導電性物質を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子。
  4. 内部に外部と連通する空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子を作製し、次いで、この微粒子を粉砕し、厚みが10nm以上かつ500nm以下の薄片状の微粒子とすることを特徴とするリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法。
  5. 前記空洞部を有するリチウム金属リン酸塩化合物微粒子は、
    リチウム、リチウム以外の金属およびリンを含有する溶液または懸濁液を噴霧熱分解して微粒子を生成するとともに、この噴霧熱分解の際に合成途上の前記微粒子内に気泡を発生させ、この気泡により合成途上の前記微粒子を破裂させて作製することを特徴とする請求項4記載のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法。
  6. 前記溶液または懸濁液に、電子導電性物質またはその前駆体を添加することを特徴とする請求項5記載のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法。
  7. 前記リチウム金属リン酸塩化合物は、
    一般式:LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択された少なくとも1種であり、0<x<2、0<y≦1)で表され、かつ、オリビン構造を有してなることを特徴とする請求項4、5または6記載のリチウム金属リン酸塩化合物微粒子の製造方法。
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