JP5544934B2 - リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法に関し、さらに詳しくは、ナノメートルサイズの大きさが揃ったLiFePO4微粒子を容易かつ効率良く生成させることが可能なリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法に関するものである。
近年、環境負荷の低減が叫ばれ、ゼロエミッション、脱石油社会の流れが国を挙げて取り組まれている。特に脚光を浴びているのが電気自動車や携帯用電子機器等の二次電池であり、クリーンエネルギー社会の実現を担う分野の一つと位置づけられている。
現在用いられている代表的な二次電池としては、例えば、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等が知られている。これらの二次電池のなかでも、特にリチウムイオン電池は、小型化、軽量化、高容量化が可能で、しかも、高出力、高エネルギー密度であるという優れた特性を有していることから、次世代のリチウムイオン電池に用いられる材料についても研究・開発が活発化している。
現在実用化されているリチウムイオン電池の正極活物質としては、LiCoOが一般的である。しかしながら、Coは地球上に偏在し、かつ稀少な資源であり、しかも正極活物質として大量に使用することを考慮すると、安定供給が難しく、したがって、製品の製造コストが高くなるという問題点がある。
そこで、LiCoOに代わる正極活物質として、スピネル系のLiMn、三元系のLiNi1/3Mn1/3Co1/3や鉄酸リチウム(LiFeO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等の正極活物質の研究開発が盛んに進められている。
これらのなかでも、オリビン構造を有するLiFePOは、リンを構成元素に含みかつ酸素と強く共有結合しているので、LiCoO等の正極材料と比較して高温時に酸素を放出することもなく、電解液の酸化分解による発火の危険性もなく、安全性に優れた材料であることはもちろん、資源的及びコスト的にも問題がない正極材料として注目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照)。
しかしながら、このような利点を有するLiFePOにおいても、特性面で容量低下という難点があり、この容量低下の原因は、LiFePO特有のオリビン構造に由来する活物質内部のリチウムイオン拡散の遅さと電子導電性の低さにあると考えられている。
そこで、改善策として、Liの拡散距離を短縮させるためにナノメートル程度まで微粒子化し、電子導電性を向上させるために粒子の表面を厚み1〜2nmのカーボン被膜で被覆する手法が一般的である。
従来、LiFePOの合成法としては固相法が用いられてきており、この固相法では、LiFePOの原料を化学量論比で混合して焼成前駆体を作製し、この焼成前駆体を不活性雰囲気中にて焼成し、得られた焼結体を機械的に粉砕することにより粒子径を調整している。
しかしながら、この固相法では、焼結体を機械的に粉砕していることから、粒子径の制御が難しく、製造プロセスの操作の難易度が非常に高い。また、粗大な焼結体を機械的に粉砕するために、形状異方性の大きな粒子が生じ易く、粒子径の揃ったLiFePO微粒子を得ることは難しい。
そこで、LiFePOからなる均一かつ微小な粒子を作製する方法として、水熱反応を利用した液相合成法が着目されている。
水熱反応の利点は、固相反応と比べてはるかに低温で純度が高い生成物が得られることである。しかしながら、この水熱反応においても、粒径の制御は反応温度や時間等の反応条件に係わる因子に因るところが大きい。また、これらの因子で制御した場合には、製造装置自体の性能に左右される部分が多く、再現性には難がある。
そこで、水熱反応によりLiFePO微粒子を生成する方法として、CHCOO、SO 2−、Cl等の有機酸やイオンを、溶媒に同時に含有させて合成する方法や、この水熱反応の際に過剰のLiを添加することにより、単相のLiFePO微粒子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2、非特許文献2等参照)。また、反応中間体を機械的に粉砕することにより、小粒径のLiFePO微粒子を得る方法も提案されている(特許文献3)。
特許第3484003号公報 特開2008−66019号公報 特表2007−511458号公報
A.K.パデイ他、「フォスフォ−オリビン アズ ポジティブ−エレクトロード マテリアル フォー リチャージャブル リシウム バッテリーズ」、ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエテイ、1997年発行、第144巻、第4号、第1188頁(A.K.Padhi et al.,"Phosph0-olivine as Positive-Electrode Material for Rechargeable Lithium Batteries",J.Electrochem.Soc.,144,4,1188(1997)) ケイスケ シライシ、ユン ホ ロ、キヨシ カナムラ、「シンチェシス オブ LiFePO4 カソード アクティブ マテリアル フォー リチャージャブル リシウムバッテリーズ バイ ヒドロサーマル リアクション」、ジャーナル オブ ザ セラミック ソサエテイ オブ ジャパン、2004年発行、第112巻、第1305号、第S58−S62頁(Keisuke Shiraishi, Young Ho Rho and Kiyoshi Kanamura, "Synthesis of LiFePO4 cathode active material for Rechargeable Lithium Batteries by Hydrothermal Reaction",J. Ceram. Soc. Jpn., Suppl. 112, S58-S62 (2004)
ところで、従来の水熱反応によりLiFePO微粒子を生成する方法では、確かに、LiFePO合成時の反応温度や原料の化学量論比を調整することで、粒子の微細化が可能ではあるが、粒子が微細化され過ぎると、粒子の表面に非晶質層(アモルファス層)が多く存在することとなり、その結果、粒子の結晶性が低下することにより粒子内部のLi拡散性が悪化し、充放電特性が低下するという問題点があった。
また、LiFePO微粒子は、空気中に存在する酸素により酸化され易く、したがって、酸化されたLiFePO微粒子が電池特性に悪影響を及ぼす虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、粒子の大きさが均一なLiFePO微粒子を作製することができるリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、LiFePO微粒子を合成するにあたって、近年ナノ粒子の合成方法として注目されているソルボサーマル法に着目し、この方法をLiFePOの水熱合成反応へ取り入れるとともに、LiFePO微粒子の原料となる混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、120℃以上かつ250℃以下の温度及び0.1MPa以上かつ2.0MPa以下のゲージ圧の下にて反応させ、さらに、混合物に含まれる水溶性有機溶媒の含有量を、この混合物全質量の5質量%以上かつ60質量%以下とすれば、原料の水及び水溶性有機溶媒に対する溶解度を上昇させるとともに、生成する粒子の表面酸化を抑制することができ、その結果、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下の範囲でありしかも粒子の大きさが揃ったLiFePO微粒子を容易に生成させることができ、さらには、この方法により得られたLiFePO微粒子をリチウムイオン電池の正極活物質に適用することにより、リチウムイオン電池の充放電特性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は、LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、120℃以上かつ250℃以下の温度及び0.1MPa以上かつ2.0MPa以下のゲージ圧の下にて反応させ、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を生成するリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法であって、前記水溶性有機溶媒の含有量は、前記混合物全質量の5質量%以上かつ60質量%以下であることを特徴とする。
前記水溶性有機溶媒は、多価アルコール類、アミド類、エステル類及びエーテル類の群から選択される1種または2種以上であることが好ましい
前記不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び炭酸ガスの群から選択される1種であり、前記還元性ガスは、一酸化炭素ガスであり、前記高圧は、0.1MPa以上かつ2.0MPa以下であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法によれば、LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、120℃以上かつ250℃以下の温度及び0.1MPa以上かつ2.0MPa以下のゲージ圧の下にて反応させ、かつ水溶性有機溶媒の含有量を混合物全質量の5質量%以上かつ60質量%以下としたので、原料の水または水溶性有機溶媒に対する溶解度を上昇させるとともに、生成する粒子の表面酸化を抑制することができる。その結果、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下の範囲でありしかも粒子の大きさが揃ったLiFePO微粒子を容易かつ効率良く生成させることができる。
本発明の実施例1の正極活物質を示す電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像である。 比較例1の正極活物質を示す電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像である。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法」
本実施形態のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は、LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、高温及び高圧下にて反応させ、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を生成する方法である。
ここで、LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水または水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、単に、常圧の不活性ガス雰囲気中にて反応させた場合、生成するLiFePO微粒子は粗大化してしまい、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下の範囲の大きさが揃ったLiFePO微粒子を得ることができない。それ故、上記の混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、高温及び高圧下にて反応させることが、LiFePO微粒子の粒径を制御する際の重要なパラメーターとなる。
そこで、上記の混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中にて反応させる際に、高温及び高圧下にて反応させると、反応物の溶解度が上昇するために、生成する粒子の核生成頻度が増大し、極く小さい粒子径のLiFePO微粒子が多数得られることとなる。
このLiFePO微粒子を水熱反応で合成する場合、合成原料として、Li塩等のLi源、Fe(II)塩等のFe源、PO塩等のリン酸源を用いる方法、Li源とリン酸源とを反応させたLiPOを用いる方法、Fe源とリン酸源とを反応させたFe(POを用いる方法がある。
ただし、Fe(POは酸化され易く、取り扱いが難しいので、LiPOとFe(II)塩を原料とすることが好ましい。
なお、Li源、Fe源及びリン酸源を用いる方法では、反応初期でLiPOを生成するので、LiPOを用いる方法と同等となる。したがって、初めにLiPOを合成し、その後、このLiPOとFe源とを水熱反応させてLiFePO微粒子を合成する方法が好ましい。
次に、このLiFePO微粒子の製造方法について詳細に説明する。
1.リン酸リチウム(LiPO)の作製
まず、水に、Li源及びリン酸源を投入し、これらLi源及びリン酸源を反応させて溶液中にリン酸リチウム(LiPO)を生成させ、次いで、この溶液にアルカリ溶液を添加してリン酸リチウム(LiPO)を析出させ、次いで、洗浄を行って未反応物を除去し、純度の高いリン酸リチウム(LiPO)を回収する。
Li源としては、Liの水酸化物あるいはLi塩が好ましく、例えば、Liの水酸化物としては水酸化リチウム(LiOH)が挙げられ、また、Li塩としては、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、硝酸リチウム(LiNO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩及びこれらの水和物が挙げられ、これらの群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
リン酸源としては、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)及びこれらの水和物の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。中でも、比較的純度が高く、組成制御が行い易いことから、オルトリン酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムが好適である。
2.リン酸リチウム(LiPO)とFe源との混合物の作製
上記の高純度のリン酸リチウム(LiPO)を水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒を含む溶液中に投入し、撹拌して、リン酸リチウム(LiPO)スラリーとする。次いで、このリン酸リチウム(LiPO)スラリーにFe源を添加し、混合物とする。
Fe源としては、Fe塩が好ましく、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))及びこれらの水和物の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
反応濃度、すなわち、この混合物中のLiPOとFe源とをLiFePOに換算したときの濃度は、0.5mol/L以上かつ2.0mol/L以下が好ましい。
その理由は、反応濃度が0.5mol/L未満では、大粒径のLiFePOが生成し易く、容量が低下する虞があるからであり、一方、反応濃度が2.0mol/Lを超えると、原料の粘性が高くなってしまうために、撹拌を十分に行うことができず、したがって、反応が十分に進行せず、未反応物が残ってしまい、単相のLiFePOが得られ難くなり、電池材料として使用できないからである。
この混合物の溶媒としては、水と沸点150℃以上の水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる必要がある。
この水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)等のエーテル類、の群から選択される1種のみを、または2種以上を混合して用いることができる。
中でも、多価アルコールが好適であり、特にエチレングリコールが好適である。
この混合溶媒は、水の一部を水溶性有機溶媒で、この水溶性有機溶媒の含有量が水熱反応仕込み全質量、すなわち混合物全質量の5質量%以上かつ80質量%以下、好ましくは20質量%以上かつ30質量%以下となるように置換することで得られる。
ここで、置換量が5質量%未満では、生成するLiFePO微粒子及び電池特性が、溶媒が水のみの場合とほぼ同等の性能となり、置換する効果が得られないからであり、一方、置換量が80質量%を超えると、水の含有量が少なすぎるために、合成の際に副生成物の塩が析出してしまい、この塩が不純物となって電池特性を悪化させる要因となる。
このように、水溶性有機溶媒の置換量は、水熱反応仕込み全質量、すなわち混合物全質量に対して定義される。例えば、5質量%とは、水熱反応の全仕込み質量の5質量%を反応系中の水と置換するという意味である。
3.混合物の水熱合成
上記の混合物を、耐圧反応容器内に投入し、この耐圧反応容器内に、不活性ガスまたは還元性ガスを0.1MPa以上かつ2.0MPa以下、好ましくは0.5MPa以上かつ1.0MPa以下の圧力となるように加圧して封入し、この不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、高温及び高圧下にて反応(水熱合成)させ、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を生成させる。
不活性ガスとしては、反応(水熱合成)の際に生じる極く小さい粒子径のLiFePO微粒子の表面の酸化を防止することができればよく、特に限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の群から選択される1種が好適に用いられる。
また、還元性ガスとしては、一酸化炭素ガス、水素ガスのいずれか1種が好適に用いられる。この還元性ガスは、不活性ガスと混合した混合ガスとして用いることもできる。この混合ガスとしては、例えば、95v/v%窒素ガス−5v/v%一酸化炭素ガス等の混合ガスが挙げられる。
この高温及び高圧の条件は、粒子の大きさが揃ったLiFePO微粒子を生成する温度、圧力及び時間の範囲であれば特に限定されるものではないが、反応温度は、置換する水溶性有機溶媒の沸点を超えないことが必要であり、例えば、120℃以上かつ250℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以上かつ220℃以下である。
ここで、反応温度が置換する水溶性有機溶媒の沸点を超えないこととした理由は、水溶性有機溶媒が圧力容器内で沸点を大きく超えた高温条件下に曝されると、分解して反応容器内の内圧を急激に上昇させてしまい、安全上の問題が生じる虞があるからである。
また、反応時の圧力は、耐圧反応容器内のゲージ圧で知ることができ、1.5MPa以上かつ3.5MPa以下が好ましく、より好ましくは2.0MPa以上かつ3.0MPa以下である。
特に、不活性ガスまたは還元性ガスを耐圧反応容器内に加圧して封入する場合に、高温時の混合物の蒸気圧と不活性ガスまたは還元性ガスにより加圧した圧力とを考慮し、耐圧反応容器内の耐圧を超えないように不活性ガスまたは還元性ガスの加圧を調整する必要がある。
反応時間は、反応温度にもよるが、例えば、1時間以上かつ24時間以下が好ましく、3時間以上かつ12時間以下がより好ましい。
4.LiFePO微粒子の分離
上記のLiFePO微粒子を含む反応物を、デカンテーション、遠心分離、フィルター濾過等により、LiFePO微粒子とLi含有廃液(未反応のLiを含む溶液)とに分離する。
分離されたLiFePO微粒子は、乾燥器等を用いて40℃以上にて3時間以上乾燥し、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を得る。
以上により、平均一次粒子径が小さくかつ粒度分布の狭いLiFePO微粒子を効率良く得ることができる。
このようにして得られたLiFePO微粒子は、リチウムイオン電池用正極活物質として用いることで、Liの拡散距離が短くなり、このリチウムイオン電池用正極活物質を備えたリチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池においては、高速充放電特性の向上を図ることができる。
ここで、このLiFePO微粒子の平均一次粒子径が30nm未満であると、結晶性が低下することにより、Liの挿入・脱離の効果が低下し、その結果、充放電容量が低下するので、好ましくなく、一方、平均一次粒子径が100nmを越えると、正極活物質の内部抵抗が高くなり、Liイオンの移動も遅延し、その結果、放電容量が低下する等の問題が生じる虞があるので、好ましくない。
「リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池」
上記のLiFePO微粒子は電気伝導性が低いので、リチウムイオン電池、特にリチウムイオン2次電池の正電極の正極活物質として用いるためには、LiFePO微粒子の表面を炭素により被覆して電気伝導性を高める必要がある。
このLiFePO微粒子の表面を炭素により被覆することで、電気伝導性を高めることができ、充放電特性を飛躍的に向上させることができる。
炭素被覆の方法としては、例えば、LiFePO微粒子を、カーボン源である水溶性の単糖類、多糖類、もしくは水溶性の高分子化合物と混合し、蒸発乾固法、真空乾燥法、スプレードライ法、フリーズドライ法等の乾燥方法を用いて、LiFePO微粒子の表面に均質に膜を形成し、次いで、不活性雰囲気中、カーボン源が分解して炭素を生成する温度で焼成する。この焼成過程でカーボン源が分解し、LiFePO微粒子の表面に導電性のカーボン膜が形成されることとなる。よって、炭素被覆LiFePO微粒子を生成することができる。
焼成温度は、カーボン源の種類にもよるが、500℃〜1000℃が好ましく、より好ましくは700℃〜800℃の範囲である。
500℃未満の低い温度では、カーボン源の分解が不十分かつ導電性のカーボン膜の生成が不十分となり、電池内での抵抗要因となり、電池特性に悪影響を及ぼす。一方、1000℃を超える高い温度では、LiFePO微粒子の粒成長が進行して粗大化してしまい、LiFePO粒子の問題点であるLi拡散速度に起因する高速充放電特性が著しく悪化する。
このように、上記のLiFePO微粒子を炭素により被覆することで、電気伝導性が高く、充放電特性が飛躍的に向上したリチウムイオン電池、特にリチウムイオン2次電池の正電極の正極活物質として用いることができる。
この炭素被覆LiFePO微粒子を用いて形成された電極を正極とし、さらに、負電極、電解質、セパレータを備えることで、リチウムイオン電池を得ることができる。
このリチウムイオン電池は、その正電極が、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子の表面を導電性のカーボン膜で被覆した炭素被覆LiFePO微粒子を用いて形成されたものであるから、充放電特性が向上しており、ハイレートでの電池特性も向上している。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
純水1Lに3molの塩化リチウム(LiCl)と、1molのリン酸(HPO)を加えて攪拌し、リン酸リチウム(LiPO)スラリーを得た。
次いで、このスラリーに1molの硫酸鉄(II)(FeSO)を添加し、このスラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して20質量%となるように置換し、このスラリーの反応濃度をLiFePO換算で1.5mol/Lとした。
次いで、このスラリーを耐圧反応容器内に投入し、不活性ガスとして窒素ガスを用い、この窒素ガスを耐圧反応容器内に加圧して封入した。この封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が0.5MPaとなるように調整して反応を開始させた。
次いで、この耐圧反応容器内の温度を180℃まで2時間で昇温させ、180℃にて6時間、恒温加熱し、LiFePO微粒子を生成させた。この恒温加熱時のゲージ圧は1.5MPaであった。その後、濾過し、固液分離した。
得られたケーキ状のLiFePOを固形分換算で150gに対し、ポリエチレングリコール5g、純水150gを加えて5mm径のジルコニアビーズをメディアとしたボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧して乾燥させ、平均粒径が約6μmの造粒体を得た。この造粒体を不活性雰囲気下、750℃にて1時間焼成し、実施例1のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「実施例2」
窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が1.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例2のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「実施例3」
窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例3のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「実施例4」
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して10質量%となるように置換し、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例4のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「実施例5」
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して40質量%となるように置換し、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例5のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「実施例6」
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して60質量%となるように置換し、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例6のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
参考例1
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して80質量%となるように置換し、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて参考例1のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例7
不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、このアルゴンガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例7のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例8
不活性ガスとしてヘリウムガスを用い、このヘリウムガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例8のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例9
不活性ガスとして一酸化炭素ガスを用い、この一酸化炭素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例9のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例10
不活性ガスとして二酸化炭素ガスを用い、この二酸化炭素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例10のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例11
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をグリセリンで、水熱反応全仕込み質量に対して20質量%となるように置換して、このスラリーの反応濃度をLiFePO換算で1.5mol/Lとし、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例11のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例12
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をホルムアミドで、水熱反応全仕込み質量に対して20質量%となるように置換して、このスラリーの反応濃度をLiFePO換算で1.5mol/Lとし、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例12のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
実施例13
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をγ−ブチロラクトンで、水熱反応全仕込み質量に対して20質量%となるように置換して、このスラリーの反応濃度をLiFePO換算で1.5mol/Lとし、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて実施例13のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「比較例1」
リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水の一部をエチレングリコールで、水熱反応全仕込み質量に対して20質量%となるように置換し、窒素ガス封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が0.0MPa(=大気圧)となるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて比較例1のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「比較例2」
リン酸リチウム(LiPO)スラリーを、その水の一部をエチレングリコールで置換することなく、そのまま耐圧反応容器内に投入し、不活性ガスの替わりに大気を用い、この大気封入時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が0.0MPa(=大気圧)となるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて比較例2のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「比較例3」
リン酸リチウム(LiPO)スラリーを、その水の一部をエチレングリコールで置換することなく、そのまま耐圧反応容器内に投入し、不活性ガスの替わりに大気を用い、この大気を加圧して封入した時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が0.5MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて比較例3のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「比較例4」
リン酸リチウム(LiPO)スラリーを、その水の一部をエチレングリコールで置換することなく、そのまま耐圧反応容器内に投入し、不活性ガスの替わりに大気を用い、この大気を加圧して封入した時の耐圧反応容器内の圧力をゲージ圧が2.0MPaとなるように調整して反応を開始させた以外は、実施例1に準じて比較例4のリチウムイオン電池用正極活物質を作製した。
「リチウムイオン電池用正極活物質の評価」
実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々の正極活物質について、平均一次粒子径及び比表面積を下記の方法にて測定した。
(1)平均一次粒子径
電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)により5万倍の電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像を撮影し、このFE−SEM像の一視野から無作為に微粒子を20点選び、これらの微粒子の粒子径の測定値の平均値を平均一次粒子径とした。
(2)比表面積
比表面積計 BelsorpII(日本ベル社製)を用いて正極活物質の比表面積(m2/g)を測定した。
実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々の正極活物質の特性を表1に示す。
また、実施例1の正極活物質の電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像を図1に、比較例1の正極活物質の電界効果型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像を図2に、それぞれ示す。
「リチウムイオン2次電池の作製」
実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々の正極活物質について、以下の処理を行い、実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々のリチウムイオン2次電池を作製した。
まず、正極活物質を90質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を5質量部、及び溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を混合した。
次いで、3本ロールミルを用いてこれらを混練し、正極活物質ペーストを作製した。
次いで、この正極活物質ペーストを、厚み30μmのアルミニウム集電体箔上に塗布し、その後、100℃にて減圧乾燥を行い、厚みが30μmの正極を作製した。
次いで、この正極を2cmの円板状に打ち抜き、減圧乾燥後、乾燥アルゴン雰囲気下にてステンレススチール製の2016型コイン型セルを用いてリチウムイオン2次電池を作製した。
ここでは、負極に金属リチウムを、セパレーターに多孔質ポリプロピレン膜を、電解液に1モルのLiPFを炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを3:7にて混合した溶液に混合した混合物を、用いた。
「電池充放電試験」
実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々のリチウムイオン2次電池を用いて、電池充放電試験を行った。
ここでは、カットオフ電圧を2.0V〜4.0Vとし、初期放電容量の測定は、0.1Cで充電を行い、0.1Cで放電した。その他の放電容量の測定は、0.2Cで充電し、0.2C、5C、8C、12C各々における放電容量を測定した。
また、5Cにおける放電容量と0.2Cにおける放電容量との比(%)を放電維持率(5C/0.2C維持率)とした。
実施例1〜13、参考例1及び比較例1〜4各々の放電容量及び放電維持率(5C/0.2C維持率)を表2に示す。
表1、2及び図1、2によれば、次のことが分かった。
(1)スラリー中の水の一部を水溶性有機溶媒で置換し、得られたスラリーを耐圧反応容器内に投入し、この耐圧反応容器内に、不活性ガスまたは還元性ガスを0.1MPa以上かつ2.0MPa以下にて加圧して封入し、その後、高温及び高圧下にて反応(水熱合成)させることにより、高温かつ加圧封入しない場合と比べて圧力がより高い不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気下にて反応(水熱合成)させることが可能となり、正極活物質の平均一次粒子径を30nm〜100nmの範囲で制御することができることが確認された。
一方、不活性ガスを耐圧反応容器内に充填し、この不活性ガスの圧力を大気圧と同等とした状態で合成を開始すると、粗大な粒子が生成してしまい、平均一次粒子径が100nm以下の微小粒子が得られないことがわかった。
したがって、少なくとも大気より高い圧力下になるように不活性ガスまたは還元性ガスを加圧して封入し、耐圧反応容器内の圧力を高い状態に維持し、合成を開始することで、平均一次粒子径が30nm〜100nmの範囲の正極活物質を容易に生成させることができることが確認された。
(2)実施例1〜3の正極活物質では、リン酸リチウム(LiPO)スラリー中の水溶性有機溶媒の含有率を20質量%とし、かつ高い圧力下で合成することで、比較例1の正極活物質と比べて比表面積が増加しており、比較例1のリチウムイオン2次電池と比べて放電容量及び放電維持率(5C/0.2C維持率)が向上している。これにより、放充電特性の向上及び初期放電容量の確保を確認することができた。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は、LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、高温及び高圧下にて反応させ、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を生成する方法であるから、得られたリチウムイオン電池用正極活物質をリチウムイオン電池、特にリチウムイオン2次電池の正電極に適用することで、放充電特性の向上及びハイレートでの特性向上を図ることができ、その結果、負荷特性が要求される電動工具やハイブリッド自動車へ搭載可能なリチウムイオン二次電池を実用化することが期待でき、産業上の意義は極めて大きいものである。

Claims (3)

  1. LiPO、またはLi源及びリン酸源と、Fe源と、水及び沸点が150℃以上の水溶性有機溶媒とを含有する混合物を、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気中、120℃以上かつ250℃以下の温度及び0.1MPa以上かつ2.0MPa以下のゲージ圧の下にて反応させ、平均一次粒子径が30nm以上かつ100nm以下のLiFePO微粒子を生成するリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記水溶性有機溶媒の含有量は、前記混合物全質量の5質量%以上かつ60質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記水溶性有機溶媒は、多価アルコール類、アミド類、エステル類及びエーテル類の群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び炭酸ガスの群から選択される1種であり、前記還元性ガスは、一酸化炭素ガスであることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム電池用正極活物質の製造方法。
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