JP2015049997A - リチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることが可能なリチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池を提供する。【解決手段】本発明のリチウムイオン電池用電極材料は、LiFePO4粒子とLiMnPO4粒子とを含有し、かつこれらに炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、この二次粒子の平均粒子径は1.0μm以上かつ100μm以下、比表面積は20m2/g以上かつ35m2/g以下、体積密度は中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下、炭素含有率は該二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下であり、このLiFePO4粒子の含有率は、このLiFePO4粒子とLiMnPO4粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池に関し、特に詳しくは、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度に優れたリチウムイオン電池用電極材料と、このリチウムイオン電池用電極材料の製造方法、及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池に関するものである。
近年、小型化、軽量化、高容量化が期待される電池として、リチウムイオン電池が提案され、実用に供されている。
このリチウムイオン電池は、携帯用電話機、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の電源として用いられているが、近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動工具等の高出力電源としても検討されている。これらの高出力電源として用いられる電池の電極活物質には、高速の充放電特性が求められている。また、発電負荷の平滑化、定置用電源、バックアップ電源等の大型電池への応用も検討されており、長期の安全性、信頼性と共に、資源的に豊富で安価であること(資源量の問題が無いこと)も重要視されている。
このリチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有する正極及び負極と、非水系の電解質とにより構成されている。
この正極は、正極活物質と称されるリチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有するリチウム含有金属酸化物、導電助剤及びバインダーを含む電極材料により構成されており、この電極材料を集電体と称される金属箔の表面に塗布することにより正極とされている。
このリチウムイオン電池の電極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウム(Li)化合物が用いられているが、近年における出力特性の安定化への要求に答えるリチウムイオン電池用電極材料として、リン酸リチウム系電極活物質であるリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)とリン酸鉄リチウム(LiFePO)を混合した正極活物質が提案されている (特許文献1)。
この正極活物質では、反応電圧が2段階に変化するので、この反応電圧の変化を利用してリチウムイオン電池の容量をモニタリングすることができるとされている。
また、LiMnPOとLiFePOとを固溶させたLiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)からなる正極活物質が提案されている (特許文献2)。
この正極活物質では、FeとMnとを固溶させることで、粒子内の電子伝導性が向上し、充放電特性が向上するとされている。
特開2011−18547号公報 特開2009−104983号公報
ところで、従来のLiMnPOとLiFePOを混合した正極活物質や、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)からなる正極活物質においては、確かに出力特性は安定化するものの、粒子内の電子伝導性をさらに向上させることが難しく、したがって、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度をさらに向上させることが難しいという問題点があった。
その理由は、LiFePOとLiMnPOを混合した正極活物質では、良好な特性となる一次粒子径や比表面積等が互いに異なっているので、それぞれの合成条件、例えばpHや温度等が大きく異なったものとなり、したがって、LiFePOとLiMnPOとを単に混合しただけでは、良好な放電容量や重量エネルギー密度は得られないからである。
また、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)からなる正極活物質においても、Feの専有する部分とMnの専有する部分とで、それぞれの合成条件が大きく異なってくるので、上記の単に混合した正極活物質と同様、良好な放電容量や重量エネルギー密度は得られない。
このように、リン酸リチウム系電極活物質では、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることが求められていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることが可能なリチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつこれらの粒子に炭素を担持して顆粒状の二次粒子とし、この二次粒子の平均粒子径を1.0μm以上かつ100μm以下、比表面積を20m/g以上かつ35m/g以下、体積密度を該二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下、炭素含有率を該二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下とし、この顆粒状の二次粒子におけるLiFePO粒子の含有率を、これらLiFePO粒子とLiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下とすれば、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用電極材料は、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつ炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、この二次粒子の平均粒子径は1.0μm以上かつ100μm以下、比表面積は20m/g以上かつ35m/g以下、体積密度は該二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下、炭素含有率は該二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下であり、前記LiFePO粒子の含有率は、該LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極材料では、前記LiFePO粒子は、柱状粒子であり、その長手方向の長さが100nm以上かつ500nm以下、アスペクト比が2以上かつ15以下、比表面積が5m/g以上かつ13m/g以下であり、前記LiMnPO粒子は、柱状粒子であり、その長手方向の長さが20nm以上かつ200nm以下、アスペクト比が2以上かつ15以下、比表面積が25m/g以上かつ45m/g以下であることが好ましい。
前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子との間隙の少なくとも一部に、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)が存在してなることが好ましい。
0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現し、前記放電容量の3%以上かつ25%以下が3.4V以上かつ3.5V以下の範囲にて発現することが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電極材料の製造方法は、水熱合成法により、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをそれぞれ作製し、
次いで、前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子とを所定の割合にて混合して混合物とし、
次いで、この混合物に有機化合物を添加して熱処理することにより、前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子を凝集して顆粒状とするとともに前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子とする
ことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、本発明のリチウムイオン電池用電極材料を含有してなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用電極を正極として備えてなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極材料によれば、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつこれらの粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、この二次粒子の平均粒子径を1.0μm以上かつ100μm以下、比表面積を20m/g以上かつ35m/g以下、体積密度を該二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下、炭素含有率を該二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下とし、このLiFePO粒子の含有率を、このLiFePO粒子とLiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下としたので、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをバランス良く含有し、かつこれらの粒子に炭素を担持させることにより、放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、質量エネルギー密度も大幅に向上させることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極材料の製造方法によれば、水熱合成法により、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをそれぞれ作製し、次いで、前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子とを所定の割合にて混合して混合物とし、次いで、この混合物に有機化合物を添加して熱処理することにより、前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子を凝集して顆粒状とするとともに前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子とするので、放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、質量エネルギー密度も大幅に向上させることができるリチウムイオン電池用電極材料を、容易かつ安価に作製することができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極によれば、本発明のリチウムイオン電池用電極材料を含有したので、このリチウムイオン電池用電極をリチウムイオン電池に適用した場合に、放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、質量エネルギー密度も大幅に向上させることができる。
本発明のリチウムイオン電池によれば、本発明のリチウムイオン電池用電極を正極として備えたので、放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、質量エネルギー密度も大幅に向上させることができる。
本発明の実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池の放電曲線を示す図である。
本発明のリチウムイオン電池用電極材料とその製造方法及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[リチウムイオン電池用電極材料]
本発明の一実施形態のリチウムイオン電池用電極材料は、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつ炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、前記LiFePO粒子の含有率は、該LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下である電極材料である。
「LiFePO粒子」
このLiFePO粒子は、炭素を担持してなる柱状の粒子であり、その長手方向の長さは100nm以上かつ500nm以下が好ましく、より好ましくは120nm以上かつ450nm以下、さらに好ましくは150nm以上かつ400nm以下である。
また、このLiFePO粒子のアスペクト比は、2以上かつ15以下が好ましく、より
好ましくは3以上かつ12以下、さらに好ましくは4以上かつ10以下である。
さらに、このLiFePO粒子の比表面積は、5m/g以上かつ13m/g以下が好ましく、より好ましくは7m/g以上かつ12m/g以下、さらに好ましくは8m/g以上かつ11m/g以下である。
「LiMnPO粒子」
このLiMnPO粒子は、炭素を担持してなる柱状の粒子であり、その長手方向の長さは20nm以上かつ200nm以下が好ましく、より好ましくは25nm以上かつ180nm以下、さらに好ましくは30nm以上かつ150nm以下である。
また、このLiMnPO粒子のアスペクト比は、2以上かつ15以下が好ましく、より好ましくは3以上かつ8以下、さらに好ましくは4以上かつ7以下である。
さらに、このLiMnPO粒子の比表面積は、25m/g以上かつ45m/g以下が好ましく、より好ましくは28m/g以上かつ41m/g以下、さらに好ましくは30m/g以上かつ40m/g以下である。
ここで、LiMnPO粒子の長手方向の長さがLiFePO粒子より小さい理由は、LiMnPO粒子では、LiFePO粒子と比べて粒子内のLi拡散性が1桁程度小さくなっており、良好な充放電反応の発現には粒子内のLi拡散距離を低減する必要があるからである。
また、LiMnPO粒子のアスペクト比がLiFePO粒子より小さい理由は、LiMnPO粒子では、粒子の長手方向の断面がLiの脱挿入反応の最たる活性面であり、LiFePO粒子と比べて反応活性が乏しいLiMnPO粒子においても、反応活性面を大きくすることで、十分なLi脱挿入を行わせることが可能となるからである。
さらに、LiMnPO粒子の比表面積がLiFePO粒子より大きい理由は、LiFePO粒子と比べてLiの脱挿入反応活性に乏しいLiMnPO粒子においても、反応面を大きくすることで、十分なLiの脱挿入を行わせることが可能となるからである。
「顆粒状の二次粒子」
この顆粒状の二次粒子におけるLiFePO粒子の含有率、この顆粒状の二次粒子の平均粒子径、比表面積、体積密度及び炭素含有率(炭素担持量)について説明する。
(LiFePO粒子の含有率)
この顆粒状の二次粒子におけるLiFePO粒子の含有率は、このLiFePO粒子とLiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上かつ20質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上かつ15質量%以下である。
ここで、この顆粒状の二次粒子におけるLiFePO粒子の含有率を上記の範囲に限定した理由は、この範囲が放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、かつ質量エネルギー密度も大幅に向上させることができる範囲だからである。
このLiFePO粒子の含有率が5質量%未満では、LiFePO粒子が少なくなりすぎてしまい、3.4V−3.8Vのプラトー部が小さくなり、モニター性能が低くなるので好ましくなく、一方、含有率が25質量%を超えると、LiFePO粒子が多くなりすぎてしまい、電気容量が低下するので好ましくない。
(平均粒子径)
この顆粒状の二次粒子の平均粒子径は、1.0μm以上かつ100μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以上かつ20μm以下である。
ここで、この顆粒状の二次粒子の平均粒子径を上記の範囲とした理由は、平均粒子径が1.0μm未満では、二次粒子が細かすぎるために舞い易くなり、電極形成に用いられる塗工用ペーストを作製する際に取り扱いが困難になるからであり、一方、平均粒子径が100μmを超えると、塗工用ペーストを用いて電池用電極を作製した際に、乾燥後の電極の膜厚を超える大きさの凝集体が存在する可能性が高くなり、したがって、電極の膜厚の均一性を保持することができなくなるからである。
(比表面積)
この顆粒状の二次粒子の比表面積は、20m/g以上かつ45m/g以下であることが好ましく、より好ましくは25m/g以上かつ40m/g以下である。
ここで、この顆粒状の二次粒子の比表面積を上記の範囲とした理由は、比表面積が20m/g未満では、この顆粒状の二次粒子の微細化が不十分なものとなり、その結果、充放電時のLiイオンの脱挿入反応面積が不足し、良好な特性を発現することができないので好ましくなく、一方、比表面積が45m/gを超えると、微細な粒子になり過ぎて結晶性を良好に保つことが難しくなり、その結果、充放電時のLiイオンの結晶内拡散性が悪化し、良好な特性を発現することができないので好ましくない。
(体積密度)
この顆粒状の二次粒子の体積密度は、水銀ポロシメーターを用いて測定することができる。ここでいう体積密度とは、上記の測定によって得られるそれぞれの顆粒状の二次粒子の間隙の体積と、それぞれの顆粒状の二次粒子の全質量に基づき算出されるもので、より詳しくは、顆粒状の二次粒子同士の間隙における体積の総和から、これら顆粒状の二次粒子間の間隙を除いた二次粒子内部の粒子間隙と、この顆粒状の二次粒子の全質量とに基づき算出される密度のことである。
この顆粒状の二次粒子の体積密度は、この顆粒状の二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下であることが好ましく、より好ましくは45体積%以上かつ65体積%以下、さらに好ましくは50体積%以上かつ65体積%以下である。
このように、この顆粒状の二次粒子の体積密度を40体積%以上とすることで、この顆粒状の二次粒子が緻密化することにより、その強度が増大し、例えば、この顆粒状の二次粒子をバインダー、導電助剤、溶媒と混合して電極スラリーを調製する際に、この顆粒状の二次粒子が崩れ難くなり、その結果、電極スラリーの粘度の上昇が抑制され、かつ流動性が保たれることにより、塗工性が良くなると共に、電極スラリーの塗膜における顆粒状の二次粒子の充填性の向上をも図ることができる。
ここで、顆粒状の二次粒子の体積密度が上記の範囲外、すなわち、この顆粒状の二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%未満では、この顆粒状の二次粒子の内部の細孔における芳香族炭素化合物の蒸気の濃度が低くなりすぎてしまい、顆粒状の二次粒子の中心部における炭素質被膜の膜厚が薄くなり、その結果、顆粒状の二次粒子の内部抵抗が高くなるので好ましくなく、一方、この顆粒状の二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して70体積%を超えると、顆粒状の二次粒子の内部の密度が高くなりすぎて、顆粒状の二次粒子の内部のチャネル状(網目状)の細孔が小さくなってしまい、その結果、この顆粒状の二次粒子を用いてリチウムイオン電池の電極を作製した際の、顆粒状の二次粒子の内部への電解液の染み込みが阻害され、電池特性に悪影響を及ぼすので、好ましくない。
なお、この顆粒状の二次粒子を用いて電極スラリーを調製する際に、この顆粒状の二次粒子が崩れる場合には、この顆粒状の二次粒子同士を結着するバインダーの必要量が増大し、その結果、電極スラリーの粘度上昇、電極スラリーの固形分濃度の低下、形成した電極膜の全質量に占める顆粒状の二次粒子(電極活物質)の比率の低下、を招くので好ましくない。
(炭素含有率)
この顆粒状の二次粒子に担持される炭素は、この二次粒子、すなわちLiFePO粒子及びLiMnPO粒子に所望の電子伝導性を付与するためのもので、この炭素の含有率は、顆粒状の二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5質量%以上かつ4.0質量%以下、さらに好ましくは1.8質量%以上かつ3.6質量%以下である。
ここで、炭素含有率が1質量%未満では、顆粒状の二次粒子を覆う炭素質被膜の被覆率が80%を下回ることとなり、この顆粒状の二次粒子を用いてリチウムイオン電池の電極を形成した場合に、高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるので好ましくなく、一方、炭素含有率が4.5質量%を超えると、相対的に顆粒状の二次粒子の含有率が低下し、この顆粒状の二次粒子を用いてリチウムイオン電池の電極を形成した場合に、電池の容量が低くなるとともに、炭素の過剰な担持により顆粒状の二次粒子が嵩高くなり、その結果、電極密度が低下し、単位体積あたりのリチウムイオン電池の電池容量の低下が無視できなくなるので好ましくない。
この顆粒状の二次粒子では、LiFePO粒子とLiMnPO粒子との間隙の少なくとも一部に、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)が存在していることが好ましい。
このLiFeMn1−xPOの顆粒状の二次粒子の全質量に対する割合は、1質量%以上かつ30質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以上かつ25質量%以下である。
その理由は、この範囲がLiFePO粒子及びLiMnPO粒子それぞれのLi拡散性を担保することができる範囲だからである。
これにより、LiFeMn1−xPOがバイパスとなって、LiFePO粒子及びLiMnPO粒子それぞれのLi拡散性を担保することができ、その結果、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることができる。
[リチウムイオン電池用電極材料の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン電池用電極材料の製造方法は、
水熱合成法により、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをそれぞれ作製し、
次いで、前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子とを所定の割合にて混合して混合物とし、
次いで、この混合物に有機化合物を添加して熱処理することにより、前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子を凝集して顆粒状とするとともに前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子とする方法である。
「LiFePO粒子の作製」
LiFePO粒子は、Li源、Fe源及びP源を、これらのモル比(Li源:Fe源:P源)が1:1:1となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌してLiFePOの前駆体溶液とし、この前駆体溶液を耐圧容器に入れ、高温、高圧下、例えば、120℃以上かつ250℃以下、0.2MPa以上にて、1時間以上かつ24時間以下、水熱処理を行うことにより得ることができる。
Li源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、リン酸リチウム(LiPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、及びこれらの水和物の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。特に、塩化リチウム、酢酸リチウム等のようなFe源及びP源と均一な溶液相を形成する原料が好ましい。
Fe源としては、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))等の鉄化合物またはその水和物が好適に用いられる。
P源としては、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)、及びこれらの水和物等の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
特に、オルトリン酸は、Li源及びP源と均一な溶液相を形成するので好ましい。
「LiMnPO粒子の作製」
LiMnPO粒子もLiFePO粒子と同様、Li源、Mn源及びP源を、これらのモル比(Li源:Mn源:P源)が1:1:1となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌してLiMnPOの前駆体溶液とし、この前駆体溶液を耐圧容器に入れ、高温、高圧下、例えば、120℃以上かつ250℃以下、0.2MPa以上にて、1時間以上かつ24時間以下、水熱処理を行うことにより得ることができる。
Mn源としては、例えば、塩化マンガン(II)(MnCl)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、酢酸マンガン(II)(Mn(CHCOO))等のマンガン化合物またはその水和物が好適に用いられる。
「LiFePO粒子とLiMnPO粒子とを混合」
LiFePO粒子とLiMnPO粒子とを所定の割合にて混合し、混合物とする。
混合方法は、これらの粒子が均一に混合することができる方法であればよく、特に限定されないが、例えば、ペーストミキサー混合、ニーダー混合、気流混合等の混合方法が好適に用いられる。
「混合物への有機化合物の添加及び熱処理」
上記の混合物と有機化合物とを所定量、水中に分散させてスラリーを作製し、次いで、このスラリーを乾燥造粒する。
上記の有機化合物としては、非酸化性雰囲気下にて熱処理することにより炭素を生成する有機化合物であればよく、特に制限はされないが、例えば、ヘキサノール、オクタノール等の高級一価アルコール、アリルアルコール、プロピノール(プロパルギルアルコール)、テルピネオール等の不飽和一価アルコール、ブドウ糖、ショ糖、乳糖等の糖類、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。特に、ブドウ糖、ショ糖、ポリビニルアルコール(PVA)等は、スラリーを作製する際に均一な溶液相を形成するので好ましい。
この有機化合物の濃度は、特に限定されるものではないが、生成する顆粒状の二次粒子に所定量の炭素を担持させるためには、1質量%以上かつ25質量%以下が好ましい。
この工程では、混合物(LiFePO粒子及びLiMnPO粒子)と有機化合物とを所定量、水中に分散させたスラリーを乾燥造粒することにより、この混合物を構成するLiFePO粒子及びLiMnPO粒子それぞれの表面を有機化合物にて覆った顆粒状の二次粒子の前駆体が得られる。
次いで、この顆粒状の二次粒子の前駆体を、非酸化性雰囲気中、例えば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中、あるいは、酸化を防止したい場合には窒素ガスに数体積%程度の水素ガスを混入させた還元性ガス雰囲気中、500℃以上かつ1000℃以下の温度にて、1時間以上かつ24時間以下熱処理する。
これにより、この前駆体に含まれる有機化合物は、炭化して、LiFePO粒子及びLiMnPO粒子に担持される。
以上により、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつ炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、このLiFePO粒子の含有率は、このLiFePO粒子とLiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下であるリチウムイオン電池用電極材料を作製することができる。
[リチウムイオン電池]
本実施形態のリチウムイオン電池は、本実施形態のリチウムイオン電池用電極材料を含有してなるリチウムイオン電池用電極を、正極として備えている。
本実施形態の正極を作製するには、上記のリチウムイオン電池用電極材料と、バインダー樹脂からなる結着剤と、溶媒とを混合して、電極形成用塗料または電極形成用ペーストを調整する。この際、必要に応じてカーボンブラック等の導電助剤を添加してもよい。
上記の結着剤、すなわちバインダー樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)樹脂、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
上記のリチウムイオン電池用電極材料とバインダー樹脂との配合比は、特に限定されないが、例えば、リチウムイオン電池用電極材料100質量部に対してバインダー樹脂を1質量部以上かつ30質量部以下、好ましくは3質量部以上かつ20質量部以下とする。
この電極形成用塗料または電極形成用ペーストに用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
また、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等も挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次いで、この電極形成用塗料または電極形成用ペーストを、金属箔の一方の面に塗布し、その後、乾燥し、上記のリチウムイオン電池用電極材料とバインダー樹脂との混合物からなる塗膜が一方の面に形成された金属箔を得る。
次いで、この塗膜を加圧圧着し、乾燥して、金属箔の一方の面に正極層を有する集電体(電極)を作製する。
この集電体(電極)を正極とすることで、リチウムイオン電池を得ることができる。
このリチウムイオン電池では、0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現し、前記放電容量の3%以上かつ25%以下が3.4V以上かつ3.5V以下の範囲にて発現する。
このリチウムイオン電池では、0.1CA放電時における放電容量を検出して、この検出した値が上記の範囲にあることを確認することで、放電末期の状態を容易に検出することができ、その結果、この電極活物質の放電容量の終点を容易に推定することができる。
このリチウムイオン電池では、ショルダー部の60℃における反応電位は、3.4V以上かつ3.8V以下であることが好ましい。
このショルダー部の60℃における反応電位を上記の範囲に限定した理由は、この範囲が、高電位部分と明確に異なる電位を有することにより、検出が容易であると共に、残存容量部のエネルギーを十分高く確保することが可能となる範囲だからである。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン電池用電極材料によれば、LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつこれらの粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、このLiFePO粒子の含有率を、このLiFePO粒子とLiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下としたので、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをバランス良く含有し、かつこれらの粒子に炭素を担持させることにより、放電容量及び出力特性を大幅に向上させることができ、質量エネルギー密度も大幅に向上させることができる。
また、LiFePO粒子とLiMnPO粒子との間隙の少なくとも一部に、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)を存在させたので、LiFePO粒子及びLiMnPO粒子それぞれのLi拡散性を担保することができ、その結果、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池用電極材料の製造方法によれば、水熱合成法により、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをそれぞれ作製し、次いで、前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子とを所定の割合にて混合して混合物とし、次いで、この混合物に有機化合物を添加して熱処理することにより、前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子を凝集して顆粒状とするとともに前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子とするので、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることができるリチウムイオン電池用電極材料を、容易かつ安価に作製することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池によれば、本実施形態のリチウムイオン電池用電極材料を含有してなるリチウムイオン電池用電極を、正極として備えたので、放電容量、出力特性及び質量エネルギー密度を大幅に向上させることができる。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜4により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
LiFePO粒子の合成を行った。
ここでは、まず、Li源及びP源としてLiPO、Fe源としてFeSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Fe:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製して耐圧容器に収納し、210℃にて4時間、水熱合成を行った。
この反応後に室温になるまで冷却し、沈殿しているケーキ状の反応生成物を得た。
次いで、この沈殿物を蒸留水にて5回水洗して不純物を洗い流し、その後、乾燥しないように含水率40%に保持し、ケーキ状物質を得た。
このケーキ状物質から若干量の試料を採取し、70℃にて2時間真空乾燥させた後、X線回折法にて同定したところ、単相のLiFePOが生成していることが確認された。
このようにして得られたLiFePO粒子の一次粒子の長手方向の長さは346nm、アスペクト比は8.4、比表面積は9.5m/gであった。
また、LiMnPO粒子の合成を行った。
ここでは、まず、Li源及びP源としてLiPO、Mn源としてMnSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製して耐圧容器に収納し、110℃にて4時間、水熱合成を行った。
この反応後に室温になるまで冷却し、沈殿しているケーキ状の反応生成物を得た。
次いで、この沈殿物を蒸留水にて5回水洗して不純物を洗い流し、その後、乾燥しないように含水率40%に保持し、ケーキ状物質を得た。
このケーキ状物質から若干量の試料を採取し、70℃にて2時間真空乾燥させた後、X線回折法にて同定したところ、単相のLiMnPOが生成していることが確認された。
このようにして得られたLiMnPO粒子の一次粒子の長手方向の長さは102nm、アスペクト比は11.6、比表面積は37.2m/gであった。
このようにして得られたLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で10:90の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
このようにして得られた粉体90質量部と、有機化合物として固形分換算で10質量部となるように調製したポリビニルアルコール10%水溶液を、純水中に投入し、撹拌することにより、懸濁したスラリーを得た。
次いで、このスラリーを、スプレードライヤーを用いて乾燥造粒した。次いで、この乾燥造粒粉体を、窒素ガス雰囲気中、600℃にて1時間、熱処理を行うことにより、粒子への炭素担持を行い、顆粒状の二次粒子からなる実施例1のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(実施例2)
実施例1に準じてLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、作製した。
次いで、このLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で20:80の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
次いで、実施例1に準じて、実施例2のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(実施例3)
実施例1に準じてLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、作製した。
次いで、このLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で5:95の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
次いで、実施例1に準じて、実施例3のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(実施例4)
実施例1に準じてLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、作製した。
次いで、このLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で25:75の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
次いで、実施例1に準じて、実施例4のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(比較例1)
実施例1に準じてLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、作製した。
次いで、このLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で2:98の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
次いで、実施例1に準じて、比較例1のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(比較例2)
実施例1に準じてLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、作製した。
次いで、このLiFePO粒子のケーキ状物質と、LiMnPO粒子のケーキ状物質とを、質量比で35:65の割合にて混合した後、70℃にて2時間真空乾燥を行った。
次いで、実施例1に準じて、比較例2のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(比較例3)
LiFe0.1Mn0.9POの合成を行った。
ここでは、まず、Li源及びP源としてLiPO、Fe源としてFeSO、Mn源としてMnSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Fe:Mn:P=3:0.1:0.9:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製して耐圧容器に収納し、180℃にて4時間、水熱合成を行った。
この反応後に室温になるまで冷却し、沈殿しているケーキ状の反応生成物を得た。
次いで、この沈殿物を蒸留水にて5回水洗して不純物を洗い流し、その後、乾燥しないように含水率32%に保持し、ケーキ状物質を得た。
このケーキ状物質を70℃にて2時間真空乾燥させ、乾燥粉体を得た。
この乾燥粉体から若干量の試料を採取し、この試料をX線回折法にて同定したところ、単相のLiFe0.1Mn0.9POが生成していることが確認された。
次いで、この試料95.5質量部と、有機化合物として固形分換算で4.5質量部となるように質量を調製したポリビニルアルコール10%水溶液を、純水中に投入し、撹拌することにより、懸濁したスラリーを得た。
次いで、このスラリーを、スプレードライヤーを用いて乾燥造粒した。次いで、この乾燥造粒粉体を、窒素ガス雰囲気中、600℃にて1時間、熱処理を行うことにより、粒子への炭素担持を行い、比較例3のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(比較例4)
LiFe0.2Mn0.8POの合成を行った。
ここでは、まず、Li源及びP源としてLiPO、Fe源としてFeSO、Mn源としてMnSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Fe:Mn:P=3:0.2:0.8:1となるように混合して200mlの原料スラリーを作製して耐圧容器に収納し、180℃にて4時間、水熱合成を行った。
この反応後に室温になるまで冷却し、沈殿しているケーキ状の反応生成物を得た。
次いで、この沈殿物を蒸留水にて5回水洗して不純物を洗い流し、その後、乾燥しないように含水率32%に保持し、ケーキ状物質を得た。
このケーキ状物質を70℃にて2時間真空乾燥させ、乾燥粉体を得た。
この乾燥粉体から若干量の試料を採取し、この試料をX線回折法にて同定したところ、単相のLiFe0.2Mn0.8POが生成していることが確認された。
次いで、この試料95.5質量部と、有機化合物として固形分換算で4.5質量部となるように質量を調製したポリビニルアルコール10%水溶液を、純水中に投入し、撹拌することにより、懸濁したスラリーを得た。
次いで、このスラリーを、スプレードライヤーを用いて乾燥造粒した。次いで、この乾燥造粒粉体を、窒素ガス雰囲気中、600℃にて1時間、熱処理を行うことにより、粒子への炭素担持を行い、比較例4のリチウムイオン電池用電極材料を得た。
(リチウムイオン電池用電極材料の評価)
実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池用電極材料の評価を行った。
評価項目及び評価方法は下記のとおりである。
(1)平均2次粒子径
顆粒状の2次粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、得られたSEM像から任意に500個の2次粒子を選んで各々の粒子径を測定し、これらの測定値から平均値を算出した。
(2)比表面積
比表面積計 BELSORP−mini(日本ベル社製)を用いて測定した。
(3)体積密度
水銀ポロシメーター PoreMaster 60−GT(Quantachrome社製)を用いて測定した。
(4)炭素含有率
炭素分析装置 EMIA−920V2(HORIBA社製)を用いて測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 2015049997
(リチウムイオン電池の作製)
実施例1〜4及び比較例1〜4各々の正極を作製した。
ここでは、実施例1〜4及び比較例1〜4各々にて得られた各リチウムイオン電池用電極材料、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用い、これらを混合し、実施例1〜4及び比較例1〜4各々のペーストを作製した。なお、ペースト中の質量比、リチウムイオン電池用電極材料:AB:PVdFは85:10:5であった。
次いで、これらのペーストを厚み30μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、乾燥した。その後、40MPaの圧力にて圧密し、正極とした。
次いで、この正極を成形機を用いて面積が2cmの円板状に打ち抜き、真空乾燥後、乾燥Ar雰囲気下にてステンレススチール(SUS)製の2032コイン型セルを用いて、実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池を作製した。なお、負極には金属Liを、セパレーターには多孔質ボリプロピレン膜を、電解質溶液には1MのLiPF溶液を、それぞれ用いた。このLiPF溶液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの比が1:1のものを用いた。
「電池特性試験」
実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池の電池特性試験を、環境温度60℃、充電電流0.1CAで、試験極の電位がLiの平衡電位に対して所定の充電電圧になるまで充電し、1分間休止の後、0.1CAの放電電流で2.0Vになるまで放電させて行った。なお、充電電圧は4.5Vとした。
また、実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池の質量エネルギー密度を、放電容量測定装置 SM−8(北斗電工社製)を用いて測定した。
さらに、実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池のモニター性を、放電容量測定装置 SM−8(北斗電工社製)を用いて評価した。ここでは、3.4V以上かつ3.8V以下の電圧部が放電容量の3%以上を「○」、3%未満を「×」とした。
実施例1〜4及び比較例1〜4各々のリチウムイオン電池の環境温度60℃における放電曲線を図1に、0.1CA放電時の容量及び質量エネルギー密度並びにモニター性を表2に、それぞれ示す。
Figure 2015049997
これらの評価結果によれば、実施例1〜4では、リチウムイオン電池用電極材料由来の3.4V〜3.8Vのショルダー電圧が認められ、0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現し、放電容量の3%以上かつ25%以下が3.4V以上かつ3.8V以下の範囲にて発現していることが分かった。
一方、比較例1では、リチウムイオン電池用電極材料由来のショルダー電圧が認められず、また、0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現していることは認められるものの、放電容量の3%以上かつ25%以下が3.4V以上かつ3.8V以下の範囲にて発現していることは認められなかった。
また、比較例2では、リチウムイオン電池用電極材料由来のショルダー電圧は認められるものの、0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現していることは認められなかった。
また、比較例3、4では、リチウムイオン電池用電極材料由来のショルダー電圧は認められるものの、放電容量が101mAh/gまたはそれ以下と低いものであった。
なお、実施例1〜4では、リチウムイオン電池用電極材料自体の挙動をデータに反映させるために、負極に金属リチウムを用いたが、金属リチウムの代わりに天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素材料、リチウム合金、LiTi12等の負極材料を用いてもよい。
また、導電助剤としてアセチレンブラックを用いたが、カーボンブラック、グラファイト、ケッチェンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料を用いてもよい。
また、電解質溶液にLiPF溶液を、このLiPF溶液の溶媒として炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの比が1:1のものを、それぞれ用いたが、LiPF溶液の代わりにLiBF溶液やLiClO溶液を用いてもよく、炭酸エチレンの代わりにプロピレンカーボネートやジエチルカーボネートを用いてもよい。
また、電解液とセパレーターの代わりに固体電解質を用いてもよい。

Claims (7)

  1. LiFePO粒子と、LiMnPO粒子とを含有し、かつ炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子からなり、
    この二次粒子の平均粒子径は1.0μm以上かつ100μm以下、比表面積は20m/g以上かつ35m/g以下、体積密度は該二次粒子を中実とした場合の体積密度に対して40体積%以上かつ70体積%以下、炭素含有率は該二次粒子の全質量に対して1質量%以上かつ4.5質量%以下であり、
    前記LiFePO粒子の含有率は、該LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子との合計質量に対して5質量%以上かつ25質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用電極材料。
  2. 前記LiFePO粒子は、柱状粒子であり、その長手方向の長さが100nm以上かつ500nm以下、アスペクト比が2以上かつ15以下、比表面積が5m/g以上かつ13m/g以下であり、
    前記LiMnPO粒子は、柱状粒子であり、その長手方向の長さが20nm以上かつ200nm以下、アスペクト比が2以上かつ15以下、比表面積が25m/g以上かつ45m/g以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池用電極材料。
  3. 前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子との間隙の少なくとも一部に、LiFeMn1−xPO(但し、0<x<1)が存在してなることを特徴とする請求項1または2記載のリチウムイオン電池用電極材料。
  4. 0.1CA放電時における放電容量の60%以上かつ90%以下が3.9V以上かつ4.1V以下の範囲にて発現し、前記放電容量の3%以上かつ25%以下が3.4V以上かつ3.8V以下の範囲にて発現することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のリチウムイオン電池用電極材料。
  5. 水熱合成法により、LiFePO粒子とLiMnPO粒子とをそれぞれ作製し、
    次いで、前記LiFePO粒子と前記LiMnPO粒子とを所定の割合にて混合して混合物とし、
    次いで、この混合物に有機化合物を添加して熱処理することにより、前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子を凝集して顆粒状とするとともに前記LiFePO粒子及び前記LiMnPO粒子に炭素を担持してなる顆粒状の二次粒子とすることを特徴とするリチウムイオン電池用電極材料の製造方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項記載のリチウムイオン電池用電極材料を含有してなることを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
  7. 請求項6記載のリチウムイオン電池用電極を正極として備えてなることを特徴とするリチウムイオン電池。
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