JP2013069567A - 電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池 - Google Patents

電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】LiMnPOやLiCoPOをリチウムイオン電池の電極材料として用いる場合に、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を実現するとともに、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を実現することが可能な電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】本発明の電極活物質1は、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)粒子2の表面を、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層3により被覆した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池に関し、特に詳しくは、電極活物質としてオリビン構造を有するリン酸塩系電極活物質を用い、負荷特性、サイクル特性及びエネルギー密度に優れたリチウムイオン電池の電極材料として用いて好適な電極活物質及びその製造方法、この電極活物質を用いた電極を備えているリチウムイオン電池に関するものである。
近年、小型化、軽量化、高容量化が期待される電池として、リチウムイオン電池等の非水電解液系の二次電池が提案され、実用に供されている。
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有する正極及び負極と、非水系の電解質とにより構成されている。
リチウムイオン電池は、従来の鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等の二次電池と比べて、軽量かつ小型で高エネルギーを有しており、携帯用電話機、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の電源として用いられているが、近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動工具等の高出力電源としても検討されている。これらの高出力電源として用いられる電池の電極活物質には、高速の充放電特性が求められている。また、発電負荷の平滑化、定置用電源、バックアップ電源等の大型電池への応用も検討されており、長期の安全性、信頼性と共に、資源的に豊富で安価であること(資源量の問題が無いこと)も重要視されている。
リチウムイオン電池の正極は、正極活物質と称されるリチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有するリチウム含有金属酸化物、導電助剤及びバインダーを含む電極材料により構成されており、この電極材料を集電体と称される金属箔の表面に塗布することにより正極とされている。
このリチウムイオン電池の正極活物質としては、通常、コバルト酸リチウム(LiCoO)が用いられているが、その他、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウム(Li)化合物が用いられている。
これらのリチウム化合物のうち、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムは、人体や環境に対する毒性、資源量、充電状態の不安定性等の種々の問題点を有している。また、マンガン酸リチウムは、高温下で電解液中へ溶解するという問題点が指摘されている。
そこで、近年では、長期の安全性、信頼性に優れた、リン酸鉄リチウムに代表されるオリビン構造を有するリン酸塩系電極活物質が注目を集めている。
このリン酸塩系電極活物質は電子伝導性が十分ではないために、大電流の充放電を行うためには、粒子の微細化、導電性物質との複合化等さまざまな工夫が必要であり、多くの努力がなされている。
しかしながら、粒子の微細化や導電性物質を多量に用いた複合化を行った場合、電極密度の低下を招き、引いては電池の密度低下、即ち単位容積当たりの容量低下を引き起こしてしまうという問題点がある。そこで、この問題点を解決する方法として、電子導電性物質である炭素前駆体として有機物溶液を用い、この有機物溶液と電極活物質粒子とを混合した後、乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理し、有機物を炭化させることにより、電極活物質粒子の表面を炭素で被覆する炭素被覆法が見出された。
この炭素被覆法は、電極活物質粒子の表面に、必要最少限の量の炭素を極めて効率良く被覆させることが可能で、電極密度を大きく低下させることなく、導電性の向上を図ることができるという優れた特徴を有することから、様々な提案がなされている。
これらの提案の1つに、LiFePOからなる粒子の表面を、還元糖の熱分解により生成した炭素により被覆した電極材料がある(特許文献1)。
この電極材料は、リチウム成分と、Fe成分と、P成分と、還元糖とを含む溶液または懸濁液を噴霧し、加熱することにより、容易に合成することができる。
特開2009−190957号公報
しかしながら、従来の炭素被覆法で得られた多くの電極活物質は、LiFePO単体、もしくはLiFePO単体に若干の異種元素を含む化合物を添加したものであり、LiFePO以外の電極活物質、例えば、比較的資源量が豊富であり、かつ、より高電圧で動作することから、より高エネルギー密度の電極活物質としてLiMnPOやLiCoPOが期待されているが、充分な特性を有するLiMnPOやLiCoPOは、いまだに得られていない。
LiMnPOやLiCoPOの電極活物質は、作動電位が高く、電池充電時の過電圧に尤度が無いために、電解液の分解等の副反応が生じ易く、十分なサイクル寿命を得ることは必ずしも容易ではない。
この電極活物質粒子の表面を、酸化アルミニウム(Al)や酸化ケイ素(SiO)等の酸化物で被覆することで、サイクル寿命を向上させることはできるが、電極活物質粒子の表面を上記の不活性かつ絶縁性の物質で被覆することは、LiMnPOやLiCoPOが十分な導電性を持たないことを考慮すると、大電流充放電を行うためには大きな問題となる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、LiMnPOやLiCoPOをリチウムイオン電池の電極材料として用いる場合に、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を実現するとともに、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を実現することが可能な電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子の表面を、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層により被覆することとすれば、より高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を実現することはもちろんのこと、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を実現することが可能な電極活物質が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電極活物質は、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子の表面を、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層により被覆してなることを特徴とする。
この電極活物質では、前記被覆層は、炭素質の電子伝導性物質を含むことが好ましい。
本発明の電極活物質の製造方法は、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理することを特徴とする。
この電極活物質の製造方法では、前記溶液は、炭素源となる有機物を含むことが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明の電極活物質を用いた電極を備えてなることを特徴とする。
本発明の電極活物質によれば、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子の表面を、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層により被覆したので、LiDO粒子の表面の反応性を低下させることなく、より安定化させることができ、電解液の酸化劣化を抑制することができる。したがって、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を実現することができる。
また、被覆層が炭素質の電子伝導性物質を含むこととすれば、必要最小限の電子伝導性炭素質物質を含む被覆層を効果的に実現することができる。
本発明の電極活物質の製造方法によれば、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理するので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れた電極活物質を容易に製造することができる。
また、溶液が炭素源となる有機物を含むこととすれば、LiDO粒子の表面を、必要最小限の電子伝導性炭素質物質を含む被覆層により被覆することができる。
本発明のリチウムイオン電池によれば、本発明の電極活物質を用いた電極を備えたので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れたリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の電極活物質を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の電極活物質を示す断面図である。
本発明の電極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン電池を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
「電極活物質」
図1は、本発明の第1の実施形態の電極活物質を示す断面図であり、この電極活物質1は、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子(以下、LiDO粒子と略称する)2の表面が、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層3により被覆されている。
LiDO粒子2のA元素については、Mn、Coの群から選択される1種または2種が、また、D元素については、P、Si、Sの群から選択される1種または2種以上が、高い放電電位、豊富な資源量、安全性等の点から好ましい。
このLiDOとしては、特にLiMnPOまたはLiCoPOが、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性の点から好ましい。
この粒子2の平均粒子径は5nm以上かつ500nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以上かつ200nm以下である。
その理由は、平均粒子径が5nmより小さいと、充放電による体積変化により結晶構造が破壊される虞があるからであり、また、平均粒子径が500nmより大きいと、粒子内部への電子の供給量が不足し、利用効率が低下するからである。
被覆層3は、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む層であり、LiPOのE元素については、Fe、Niの群から選択される1種または2種が、炭素質材料との複合化の点から好ましく、特に、LiFePOが、有機電解液に対する安定性の点からより好ましい。
このLiPOとしては、LiFePO、LiNiPO等が挙げられ、特に、LiFePOが有機電解液に対する安定性の点から好ましい。
このLiTi複合酸化物としては、LiTi12、LiTi等が挙げられ、特にLiTi12が、電気化学活性や材料の充放電安定性の点で好ましい。
このLiPOの質量(MLE)とLiTi複合酸化物の質量(MLT)との比(MLE:MLT)は、1:1〜5:1の範囲が好ましく、より好ましくは3:1〜4:1の範囲である。
ここで、比(MLE:MLT)が上記の範囲以外の場合、炭化触媒能が不足したり、あるいは充放電安定性を十分に確保できないという問題が生じるので、好ましくない。
被覆層3の厚みは0.5nm以上かつ20nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上かつ10nm以下である。
その理由は、厚みが0.5nmより薄いと、被覆層3の導電性が不十分となり、その結果、電子の供給量が不足するからであり、また、厚みが20nmより厚いと、被覆層3の導電性は確保されるものの、電極活物質1中の活物質の割合が減少し、活物質が有効に利用され難くなるからである。
このように、LiDO粒子2の平均粒子径及び被覆層3の厚みを勘案すると、この電極活物質1の平均粒子径は10nm以上かつ1000nm以下、好ましくは20nm以上かつ500nm以下となる。
この電極活物質1は、平均粒子径の範囲がシャープで単分散性に優れているので、この電極活物質1をリチウムイオン電池の正電極に用いた場合、この正電極の電気的特性が極めて均一なものとなり、特性のバラツキも極めて小さなものとなる。したがって、得られたリチウムイオン電池は、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を有するとともに、長期のサイクル安定性及び安全性に優れたものとなる。
「電極活物質の製造方法」
本実施形態の電極活物質の製造方法は、LiDO粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理することにより、LiDO粒子の表面に、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む被覆層を形成する方法である。
このLiDO粒子は、Li源、A源及びD源を、これらのモル比(Li源:A源:D源)がw:x:1となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌してLiDOの前駆体溶液とし、この前駆体溶液を耐圧容器に入れ、高温、高圧下、例えば、120℃以上かつ250℃以下、0.1MPa以上にて、1時間以上かつ24時間以下、水熱処理を行うことにより得ることができる。
Li源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)等のLi化合物が、A源としては、Mn、Coの群から選択される1種または2種の化合物が、D源としては、P、Si、Sの群から選択される1種または2種以上の化合物が、用いられる。
この場合、水熱処理時の温度、圧力及び時間を調整することにより、LiDO粒子の粒子径を所望の大きさに制御することが可能である。
このようにして得られたLiDO粒子を、Li源とE源とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に投入し、撹拌して懸濁させ、スラリーとする。
Li源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、リン酸リチウム(LiPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、及びこれらの水和物の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
E源としては、Fe、Niの群から選択される1種または2種を含む化合物、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))、塩化ニッケル(II)(NiCl)、硫酸ニッケル(II)(NiSO)、酢酸ニッケル(II)(Ni(CHCOO))、及びこれらの水和物、の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
PO源としては、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)等のリン酸塩の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
Ti源としては、Tiを含む化合物、例えば、塩化チタン(II)(TiCl)、硫酸チタン(III)(Ti(SO)、酸化チタン(IV)(TiO)、過酸化チタン(IV)(Ti(OOH)(OH))、及びこれらの水和物、の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、使い易さ、安全性の点から水が好ましい。
この溶液中のLi源、E源、PO源及びTi源それぞれのモル濃度は、LiDO粒子の表面に均一に生成する被覆層を構成するLiPOの質量比とLiTi複合酸化物の質量比とによって決定される。
例えば、被覆層を構成するLiPOのE元素をFeとし、LiFePOの質量(MLF)とLiTi複合酸化物であるLiTi12の質量(MLT)との比(MLF:MLT)が、1:1の場合には、Li源、Fe源、PO源及びTi源それぞれのモル濃度の比は2.37:1:1:1.72となる。
次いで、このスラリーを乾燥させる。乾燥は、大気中、50℃以上かつ300℃以下の範囲の温度下にて5分以上かつ12時間以下静置することで行われる。
次いで、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理し、LiDO粒子の表面に、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む被覆層を形成する。
非酸化性雰囲気としては、窒素(N)ガス、Arガス等の不活性雰囲気が好ましい。
熱処理条件としては、LiPO及びLiTi複合酸化物が生成する温度及び時間の範囲であればよく、例えば、温度は350℃以上かつ1000℃以下が好ましく、500℃以上かつ800℃以下がより好ましい。また、時間は、熱処理時の温度にもよるが、0.1時間以上かつ24時間以下が好ましく、1時間以上かつ6時間以下がより好ましい。
以上により、LiDO粒子2の表面が、LiPO及びLiTi複合酸化物を含む被覆層3により被覆され、平均粒子径が10nm以上かつ1000nm以下の電極活物質1を、容易に作製することができる。
「リチウムイオン電池」
本実施形態のリチウムイオン電池は、上記の電極活物質、アセチレンブラック(AB)等の導電助剤、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダー、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等の溶媒を所定の比率で混合してペーストを作製し、このペーストをアルミニウム(Al)箔等の基材上に塗布し、乾燥し、その後、所定の圧力にて圧密した後に所定の形状に機械加工することにより正極(電極)を作製し、この正極と、負極と、非水系の電解質とを組み合わせることにより作製することができる。
このリチウムイオン電池では、LiDO粒子2の表面を、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む被覆層3により被覆した電極活物質1を用いて正極を作製したので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れている。
以上説明したように、本実施形態の電極活物質1によれば、LiDO粒子2の表面を、LiPO及びLiTi複合酸化物を含む被覆層3により被覆したので、オリビン構造を有するLiDO粒子2の表面を、必要最少限の電子導電性を有するLiPO及びLiTi複合酸化物を含む被覆層3により被覆することとなり、したがって、LiDO粒子2の表面の反応性を低下させることなく、より安定化させることができ、電解液の酸化劣化を抑制することができる。したがって、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を大幅に向上させることができる。
本実施形態の電極活物質の製造方法によれば、LiDO粒子を、Li源とE源とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理するので、LiDO粒子の表面に、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む均一な厚みの被覆層を形成することができる。
したがって、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れた電極活物質を容易に得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池によれば、本実施形態の電極活物質1をリチウムイオン電池の正電極に用いたので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を有するとともに、長期のサイクル安定性及び安全性に優れたリチウムイオン電池を提供することができる。
[第2の実施形態]
「電極活物質」
図2は、本発明の第2の実施形態の電極活物質を示す断面図であり、この電極活物質11が第1の実施形態の電極活物質1と異なる点は、第1の実施形態の電極活物質1では、LiDO粒子2の表面を、LiPOとLiTi複合酸化物とを含む被覆層3により被覆したのに対し、本実施形態の電極活物質11では、LiDO粒子2の表面を、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む被覆層12により被覆した点であり、被覆層12が炭素質の電子伝導性物質を含む点以外の構成については、第1の実施形態の電極活物質1と全く同様であるから、説明を省略する。
炭素質の電子伝導性物質とは、炭素源となる有機物を非酸化性雰囲気下にて熱処理することにより生成した電子導電性を有する炭素質物質である。
この炭素質の電子導電性物質としては、炭素を20質量%以上かつ100質量%以下含有することが好ましく、70質量%以上かつ100質量%以下含有することがより好ましい。
この炭素質の電子導電性物質は、炭素を20質量%以上かつ100質量%以下含有することで、電極活物質11に所望の電子伝導性を付与することができる。
この炭素質の電子導電性物質の質量(M)と、LiPOとLiTi複合酸化物の合計質量(MLET)との比(M:MLET)は、90:10〜10:90の範囲が好ましく、より好ましくは70:30〜30:70の範囲である。
ここで、比(M:MLET)が上記の範囲以外の場合、十分な電子導電性が付与できないか、若しくは粒子表面の有機電解液に対する安定性確保が不十分となるという問題が生じるので、好ましくない。
この電極活物質11は、平均粒子径の範囲がシャープで単分散性に優れているので、この電極活物質11をリチウムイオン電池の正電極に用いた場合、この正電極の電気的特性が極めて均一なものとなり、特性のバラツキも極めて小さなものとなる。したがって、得られたリチウムイオン電池は、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を有するとともに、長期のサイクル安定性及び安全性に優れたものとなる。
「電極活物質の製造方法」
本実施形態の電極活物質の製造方法は、LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と炭素源となる有機物と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理することにより得られる。
この電極活物質の製造方法は、溶液が炭素源となる有機物を含む点以外の構成については、第1の実施形態の電極活物質の製造方法と全く同様である。
ここでは、LiDO粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と炭素源となる有機物と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとする。
この炭素源となる有機物としては、非酸化性雰囲気下にて熱処理することにより炭素を生成する有機物であればよく、特に制限はされないが、例えば、ヘキサノール、オクタノール等の高級一価アルコール、アリルアルコール、プロピノール(プロパルギルアルコール)、テルピネオール等の不飽和一価アルコール、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
このスラリー中の炭素源となる有機物の濃度は、特に限定されるものではないが、LiDO粒子の表面に導電性に優れた被覆層を形成するためには、0.1質量%以上かつ30質量%以下が好ましい。
この炭素源となる有機物を溶解させる溶媒としては、この有機物が溶解するものであればよく、特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次いで、このスラリーを乾燥させる。乾燥は、大気中、50℃以上かつ300℃以下の範囲の温度下にて5分以上かつ12時間以下静置することで行われる。
次いで、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理し、LiDO粒子の表面に、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子導電性物質とを含む被覆層を形成する。
非酸化性雰囲気としては、窒素(N)ガス、Arガス等の不活性雰囲気が好ましい。
熱処理条件としては、LiPO、LiTi複合酸化物及び炭素質の電子導電性物質が生成する温度及び時間の範囲であればよく、例えば、温度は350℃以上かつ1000℃以下が好ましく、500℃以上かつ800℃以下がより好ましい。また、時間は、熱処理時の温度にもよるが、0.1時間以上かつ24時間以下が好ましく、1時間以上かつ6時間以下がより好ましい。
以上により、LiDO粒子2の表面が、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む被覆層12により被覆され、平均粒子径が10nm以上かつ1000nm以下の電極活物質11を、容易に作製することができる。
「リチウムイオン電池」
本実施形態のリチウムイオン電池は、電極活物質1の替わりに電極活物質11を用いることにより、第1の実施形態のリチウムイオン電池の製造方法に準じて作製することができる。
このリチウムイオン電池では、LiDO粒子2の表面を、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む被覆層12により被覆した電極活物質11を用いて正極を作製したので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れている。
以上説明したように、本実施形態の電極活物質11によれば、LiDO粒子2の表面を、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む被覆層12により被覆したので、オリビン構造を有するLiDO粒子2の表面を、必要最少限の電子導電性を有するLiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む被覆層12により被覆することとなり、したがって、LiDO粒子2の表面の反応性を低下させることなく、より安定化させることができ、電解液の酸化劣化を抑制することができる。したがって、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性を大幅に向上させることができる。
本実施形態の電極活物質の製造方法によれば、LiDO粒子を、Li源とE源とPO源とTi源と炭素源となる有機物と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理するので、LiDO粒子の表面に、LiPOとLiTi複合酸化物と炭素質の電子伝導性物質とを含む均一な厚みの被覆層を形成することができる。
したがって、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性、長期のサイクル特性の安定性及び安全性に優れた電極活物質を容易に得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池によれば、本実施形態の電極活物質11をリチウムイオン電池の正電極に用いたので、高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性を有するとともに、長期のサイクル安定性及び安全性に優れたリチウムイオン電池を提供することができる。
以下、実施例1、2及び比較例1、2により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[LiMnPO粒子の合成]
実施例1、2及び比較例1、2共通のLiMnPOを、以下のようにして作製した。
Li源及びP源としてLiPOを、Mn源としてMnSO・5HOを用い、これらをモル比でLi:Mn:P=3:1:1となるように純水に溶解して前駆体溶液200mLを作製した。
次いで、この前駆体溶液を耐圧容器に入れ、170℃にて24時間、水熱合成を行った。この反応後に室温になるまで冷却し、沈殿しているケーキ状の反応生成物を得た。
次いで、この沈殿物を蒸留水にて5回水洗して不純物を洗い流し、その後、乾燥しないように含水率30%に保持し、ケーキ状のLiMnPOとした。
このケーキ状のLiMnPOから若干量の試料を採取し、70℃にて2時間真空乾燥させて得られた粉体をX線回折法にて同定したところ、単相のLiMnPOが生成していることが確認された。
[電極活物質の作製]
「実施例1」
上記のLiMnPO95質量%に対し、Li源としてLiCHCOOを、Fe源としてFe(CHCOO)を、PO源として(NHHPOを、Ti源としてTiClを、LiFePO換算で4質量%及びLiTi12換算で1質量%となるように、これらの各質量を調整して純水中に投入し、撹拌して懸濁させ、得られたスラリーを乾燥後、500℃にて2時間、熱処理を行い、粉体を得た。
次いで、この粉体95質量%に対し、ポリビニルアルコール10%水溶液を、ポリビニルアルコール固形分換算で5質量%となるように添加し、撹拌して懸濁したスラリーとし、このスラリーを乾燥後、600℃にて1時間、熱処理を行い、実施例1の電極活物質A1を得た。
この電極活物質A1をX線回折法にて同定したところ、LiMnPO、LiFePO及びLiTi12それぞれのピークが観測され、これらの物質が生成していることが確認された。
「実施例2」
上記のLiMnPO93質量%に対し、ポリビニルアルコール10%水溶液を、ポリビニルアルコール固形分換算で3質量%となるように添加し、さらに、Li源としてLiCHCOOを、Fe源としてFe(CHCOO)を、PO源として(NHHPOを、Ti源としてTiClを、LiFePO換算で3質量%及びLiTi12換算で1質量%となるように、これらの各質量を調整して純水中に投入し、撹拌して懸濁させ、得られたスラリーを乾燥後、600℃にて1時間、熱処理を行い、実施例2の電極活物質A2を得た。
この電極活物質A2をX線回折法にて同定したところ、LiMnPO、LiFePO及びLiTi12それぞれのピークが観測され、これらの物質が生成していることが確認された。
「比較例1」
Li源をLiFePO換算で4質量%となるように調整し、さらに、Ti源の替わりに、Al源としてAlを上記のLiMnPO95質量%に対し1質量%となるように調整した他は、実施例1に準じて比較例1の電極活物質B1を得た。
「比較例2」
Li源をLiFePO換算で3質量%となるように調整し、さらに、Ti源の替わりに、Al源としてAlを上記のLiMnPO95質量%に対し1質量%となるように調整した他は、実施例1に準じて比較例2の電極活物質B2を得た。
[リチウムイオン電池の作製]
実施例1、2及び比較例1、2各々の正電極を作製した。
ここでは、実施例1、2及び比較例1、2各々にて得られた4種類の電極活物質A1〜B2、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、質量比で電極活物質:AB:PVdF=90:5:5となるように秤量した後、これらを溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に混合し、実施例1、2及び比較例1、2各々の正極用ペーストを作製した。
次いで、これらの正極用ペーストを厚み30μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、乾燥した。その後、所定の密度となるように40MPaの圧力にて圧着し、実施例1、2及び比較例1、2各々の正極板とした。
次いで、これらの正極板を成形機を用いて直径が16mmの円板状に打ち抜き、実施例1、2及び比較例1、2各々の試験用正極を作製した。
一方、対極(負極)としては市販の天然黒鉛負極板を、セパレーターとしては多孔質ポリプロピレン膜を、それぞれ用いた。
また、非水電解質溶液としては1mol/LのLiPF溶液を用いた。なお、このLiPF溶液に用いられる溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルを体積%で1:1に混合した混合液を用いた。
そして、以上の様にして作製された試験用正極、対極および非水電解質溶液と、2032型のコインセルを用いて、実施例1、2および比較例1、2各々のコイン型のリチウムイオン電池を作製した。
[リチウムイオン電池の評価]
「サイクル試験」
実施例1、2及び比較例1、2各々のコイン型のリチウムイオン電池のサイクル試験を行った。ここでは、環境温度60℃、充電電流0.1Cで、試験用正極の電位がLiの平衡電位に対して4.5Vになるまで充電し、1分間休止の後、1Cの放電電流で2.0Vになるまで放電させた。これを500回繰り返し行い、各々のコイン型のリチウムイオン電池の初回放電容量(mAh/g)及び充放電500回後の放電容量(mAh/g)を測定し、放電容量の維持率(=(充放電500回後の放電容量(mAh/g)/初回放電容量(mAh/g))×100(%))を算出した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2013069567
表1によれば、実施例1、2の電極活物質A1、A2は、高い放電容量と60℃の高温化でも高いサイクル安定性を示していた。この理由は、良好な炭素質被覆による導電性の確保と共に、良好な電極活性と安定性を有するLiTi12を含んでいることにより、電極反応をほとんど阻害せずに表面を安定化させることが可能となったことによると考えられる。
一方、比較例1、2の電極活物質B1、B2では、実施例1、2の電極活物質A1、A2と同様にサイクル安定性は示すものの、表面の電気抵抗が増加して電極活性が阻害されるために、容量は低いものとなった。
1 電極活物質
2 LiDO粒子
3 被覆層
11 電極活物質
12 被覆層

Claims (5)

  1. LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子の表面を、LiPO(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種、0<y≦2、0<z≦1.5)とLiTi複合酸化物とを含む被覆層により被覆してなることを特徴とする電極活物質。
  2. 前記被覆層は、炭素質の電子伝導性物質を含むことを特徴とする請求項1記載の電極活物質。
  3. LiDO(但し、AはMn、Coの群から選択される1種または2種、DはP、Si、Sの群から選択される1種または2種以上、0<w≦4、0<x≦1.5)からなる粒子を、Li源とE源(但し、EはFe、Niの群から選択される1種または2種)とPO源とTi源と溶媒とを含む溶液中に懸濁させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を非酸化性雰囲気下にて熱処理することを特徴とする電極活物質の製造方法。
  4. 前記溶液は、炭素源となる有機物を含むことを特徴とする請求項3記載の電極活物質の製造方法。
  5. 請求項1または2記載の電極活物質を用いた電極を備えてなることを特徴とするリチウムイオン電池。
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