JP2012054077A - 二次電池用活物質及び二次電池用活物質の製造方法、並びに、それを用いた二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高率放電性能に優れた二次電池とすることのできる正極活物質及びそれを用いた二次電池を提供する。
【解決手段】ポリアニオン化合物を含有する二次電池用活物質であって、前記二次電池用活物質は、二次粒子の内部に、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることを特徴とする二次電池用活物質とすること。このように、二次粒子内部まで、一次粒子間を繋ぐカーボンのネットワークを構築することにより、放電電流値が大きくなっても放電容量の低下が少なる。従って、この二次電池用活物質を含有する二次電池用電極からなる二次電池の高率放電性能を向上することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ポリアニオン化合物を含有する二次電池用活物質であって、前記二次電池用活物質は、二次粒子の内部に、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることを特徴とする二次電池用活物質とすること。このように、二次粒子内部まで、一次粒子間を繋ぐカーボンのネットワークを構築することにより、放電電流値が大きくなっても放電容量の低下が少なる。従って、この二次電池用活物質を含有する二次電池用電極からなる二次電池の高率放電性能を向上することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池用活物質及び二次電池用活物質の製造方法、並びに、これを用いた二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器用、電気自動車用などの電源としてエネルギー密度が高く、かつ自己放電が少なくてサイクル性能の良いリチウム二次電池が注目されている。
現在のリチウム二次電池の主流は、2Ah以下の携帯電話用を中心とした小型民生用である。リチウム二次電池用の正極活物質としては数多くのものが提案されているが、最も一般的に知られているものは、作動電圧が4V付近のリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)やリチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、あるいはスピネル構造を持つリチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)等を基本構成とするリチウム含有遷移金属酸化物である。なかでも、リチウムコバルト酸化物は、充放電性能とエネルギー密度に優れることから、電池容量2Ahまでの小容量リチウム二次電池の正極活物質として広く採用されている。
しかしながら、今後の中型・大型、特に大きな需要が見込まれる自動車用途へのリチウム二次電池の展開を考えた場合、安全性が非常に重要視されるため、現在の小型電池向けの仕様では必ずしも充分であるとは言えない。この要因の一つに、リチウム含有遷移金属化合物の熱的不安定性の課題が挙げられ、様々な対策がなされてきたが、未だ十分とは言えない。また、自動車用途では、小型民生用では使用されないような、高温から低温域にわたる多種多様な環境において電池が使用されることを想定する必要がある。このような環境では、従来のリチウム二次電池はもとより、ニッケル−カドミウム電池や鉛電池も、ユーザーの要求する寿命や充放電性能等を満足する電池は市販されていないのが現状である。また、キャパシターは、このような広範な温度領域で優れた寿命や入出力性能を発揮するものの、エネルギー密度が小さく、この点においてユーザーの要求を満足するものではなく、高安全で優れた充放電性能を有し、かつエネルギー密度の高い二次電池が求められている。
最近、熱的安定性が優れるポリアニオン系正極活物質が注目を集めている。このポリアニオン系正極活物質は、酸素が遷移金属以外の元素と共有結合することで固定化されているために、高温においても酸素を放出することが無く、正極活物質として使用することでリチウム二次電池の安全性を飛躍的に高めることができると考えられる。
このようなポリアニオン系正極活物質として、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)の研究が盛んに行われている。しかし、リン酸鉄リチウムは3.4V(vs.Li/Li+)の卑な電位でリチウムの挿入脱離が行われることに加えて、その結晶構造特有の電気伝導性やリチウムイオン伝導性の低さに由来する活物質の利用率及び高率充放電性能の低さのため、従来のリチウム含有遷移金属化合物に比べて入出力性能が低下する。そこで、約4V(vs.Li/Li+)付近に可逆電位を有するリン酸バナジウムリチウム(Li3V2(PO4)3)の検討が行われている。リン酸バナジウムリチウムの可逆電位は約3.5V(vs.Li/Li+)以上であり、リン酸鉄リチウムよりも高いことから、高い安全性と優れた入出力性能を合わせ持つ正極活物質として期待されている。
特許文献1には、「以下の工程
−溶質として、Li含有橄欖石又はNASICON先駆化合物を1種以上、及びカーボン含有モノマー化合物を1種以上含む水溶液を製造すること、
−一工程において、前記Li含有橄欖石又はNASICON先駆化合物を沈殿させ、かつ前記モノマー化合物を重合すること、
−Li含有橄欖石又はNASICON結晶相が形成され、かつポリマーがカーボンへ分解されるように、得られた沈殿物を中性又は還元環境で熱処理すること、
からなるカーボン被覆Li含有橄欖石又はNASICON粉末の製造方法。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献1によれば、「本発明は、伝導性のカーボン層で有効に被覆された微細な粒状の粒子の製造を保証する改善された溶液方法を提供する。得られた粉末は、従来技術の粉末と比較して、Li−イオン電池中に使用した場合、非常に優れた性能を示す。本発明は、同様の電極容量及び放電速度のために電極中にはるかにより少量の全カーボンを必要とする粉末を提供する。同様に、本発明は、電極中に同量の全カーボンを使用した場合、より高い容量及び放電速度を提供する粉末を提供する。」(段落0009)との記載がある。特許文献1の実施例には、クエン酸とエチレングリコールの二種のカーボン含有モノマーを含む溶液から合成したリン酸鉄リチウムが例示されている。
−溶質として、Li含有橄欖石又はNASICON先駆化合物を1種以上、及びカーボン含有モノマー化合物を1種以上含む水溶液を製造すること、
−一工程において、前記Li含有橄欖石又はNASICON先駆化合物を沈殿させ、かつ前記モノマー化合物を重合すること、
−Li含有橄欖石又はNASICON結晶相が形成され、かつポリマーがカーボンへ分解されるように、得られた沈殿物を中性又は還元環境で熱処理すること、
からなるカーボン被覆Li含有橄欖石又はNASICON粉末の製造方法。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献1によれば、「本発明は、伝導性のカーボン層で有効に被覆された微細な粒状の粒子の製造を保証する改善された溶液方法を提供する。得られた粉末は、従来技術の粉末と比較して、Li−イオン電池中に使用した場合、非常に優れた性能を示す。本発明は、同様の電極容量及び放電速度のために電極中にはるかにより少量の全カーボンを必要とする粉末を提供する。同様に、本発明は、電極中に同量の全カーボンを使用した場合、より高い容量及び放電速度を提供する粉末を提供する。」(段落0009)との記載がある。特許文献1の実施例には、クエン酸とエチレングリコールの二種のカーボン含有モノマーを含む溶液から合成したリン酸鉄リチウムが例示されている。
特許文献2には、「陰極材料であって、オリビン構造及びNASICON構造のうちの1つを有し且つ粒径範囲が10乃至500nmの金属化合物の結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群と、粒径範囲が1乃至50μmのミクロンサイズの二次粒子群と、からなることを特徴とし、前記ミクロンサイズの二次粒子群の各々は前記結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群からなることを特徴とする陰極材料。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献2によれば、「ミクロンサイズの二次粒子群の各々は結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群からなる。」(第4項第50行)ことによって、「各々が金属化合物の結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群からなる粒径範囲が1乃至50μmのミクロンサイズの二次粒子群を含んだ本発明の陰極材料は改良された比表面積及び容量を有している。」(第10項第5〜7行)との記載がある。特許文献2の実施例には、「ミクロンサイズの二次粒子群の各々はLiFePO4ベースの金属化合物の結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群からなり、これは10乃至500nmの範囲の粒径を有し且つその表面に固着したカーボン粒子を有し、結晶構造のナノメータサイズの一次粒子群の隣接するもの同士の表面の接触部を焼結することによって形成される。」(第7項第11〜15行、第8項第16〜19行)活物質が例示されている。
特許文献3には、「LixV2(PO4)3(0<x≦5)にて表される電極材料の製造方法であって、酸化バナジウム(V)を水酸化リチウムを含む水溶液に溶解し、さらにリン源と炭素および/または不揮発性有機化合物を添加し、得られた原料溶液を乾燥して前駆体を得、この前駆体を不活性雰囲気にて熱処理することにより前記LixV2(PO4)3(0<x≦5)を得ることを特徴とする電極材料の製造方法。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献3によれば、「酸化バナジウム(V)をリン酸を含む水溶液に溶解し、さらにリチウム源と炭素および/または不揮発性有機化合物を添加し、得られた原料溶液を乾燥して前駆体を得、この前駆体を不活性雰囲気にて熱処理するので、高い放電容量、安定した充放電サイクル特性を有するLixV2(PO4)3(0<x≦5)を液相法にて容易に作製することができる。また、安価な酸化バナジウム(V)を用いるので、バナジウム原料にかかるコストを削減することができ、したがって、LixV2(PO4)3(0<x≦5)を安価に作製することができる。」(第4項第44〜第5項第1行)との記載がある。また、原料溶液の乾燥方法として、「乾燥方法としては、どのような乾燥方法を用いてもよいが、中でも、2流体ノズル式や回転ディスク式のスプレードライヤー等を用いた噴霧乾燥法は、液滴にした原料溶液を気流中にて加熱乾燥することにより球状の前駆体を得ることができるので、特に好ましい。」(第6項第30〜32行)との記載がある。特許文献3の実施例には、リチウム源として水酸化リチウム、バナジウム源として酸化バナジウム(V)、リン源としてオルトリン酸及びリン酸アンモニウム、カーボン及び不揮発性有機化合物としてアセチレンブラック及びブドウ糖を使用した溶液を作製し、この溶液を二流体ノズル式の噴霧乾燥機を用いて乾燥した後、窒素雰囲気中、600℃で熱処理することで合成したリン酸バナジウムリチウムが例示されている。しかしながら、スラリードライヤーを用いたリン酸バナジウムリチウムの合成例は示されていない。
特許文献4には、「リチウムリン酸遷移金属化合物の第一の粒子が凝集して形成された第二の粒子と、前記第二の粒子の内部に存在する繊維状カーボンと、を含むリチウムリン酸遷移金属化合物とカーボンとの混合体。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献4によれば、「リチウムリン酸遷移金属化合物の第二の粒子の内部に、アルコールを熱分解して得た繊維状のカーボンを配した場合、カーボンの電子伝導性が非常に高く、かつ繊維状の形状が第一の粒子間の電子伝導ネットワーク形成に優れていることから、第二の粒子の内部の第一の粒子間の電子伝導性が非常に高くなる。その結果、このリチウムリン酸遷移金属化合物とカーボンとの混合体を活物質として用いた電池は、優れた高率充放電性能を備えることになる。」(段落0058)との記載がある。また、繊維状カーボンを配する方法として、「カーボンを配する方法には、主につぎの三つがある。一つ目の方法は、リチウムリン酸遷移金属化合物を焼成炉に入れた後に、焼成炉を高温に昇温してからアルコールを供給する方法である。二つ目の方法は、リチウムリン酸遷移金属化合物の原料を焼成炉に入れた後に、焼成炉を高温に昇温してリチウムリン酸遷移金属化合物を合成し、その後、アルコールを供給する方法である。三つ目の方法は、リチウムリン酸遷移金属化合物の原料を焼成炉に入れた後に、焼成炉を高温に昇温してリチウムリン酸遷移金属化合物を合成しながら、アルコールを供給する方法である。本発明では、上記の三つの方法のいずれを用いてもよい。」(段落0048)との記載がある。また、焼成炉の好ましい温度として、「焼成炉の温度は、アルコールが熱分解する温度以上とする必要がある。さらに、その温度は、リチウムリン酸遷移金属化合物の粒子成長が抑制される750℃以下であることが好ましい。」(段落0054)との記載がなされている。特許文献4の実施例には、固相法により作製したリン酸鉄リチウムの粉末を焼成炉に入れた後に、600℃の焼成炉内に、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを供給しすることによりカーボンを配した、リン酸鉄リチウムが例示されている。
特許文献5には、「電気化学的活性材料となる遷移金属カルコゲン化合物の原材料と溶媒とを含む流体を乾燥・微粉化する装置であって、前記装置は、気体が下方から供給され、上方に排出される乾燥塔を有しており、前記流体を前記乾燥塔内に導入するための手段と、前記乾燥塔内に導入した前記流体を微粉化するための手段とを備えていることを特徴とする電気化学的活性材料用製造装置。」(請求項1)の発明が開示されている。特許文献5によれば、「本発明によれば、遷移金属カルコゲン化合物を含む電気化学的活性材料を安価に量産することのできる電気化学的活性材料用製造装置を提供できる。また、本発明によれば、遷移金属カルコゲン化合物を含む電気化学的活性材料を安価に量産することのできる電気化学的活性材料の製造方法を提供できる。」(段落0014)との記載がある。また、具体的な製造例として、「本発明の乾燥・微粉化する装置に供される流体は、リチウム源と遷移金属源と典型元素源とを少なくとも含有する。前記流体の種類は、合成方法に応じて適宜選択することができ、原料の固形分を溶媒に分散したスラリー状であってもよく、原料を溶媒に溶解した溶液であってもよい。固相法によって合成する場合にスラリー状流体を選択できる。あるいはゾルゲル法によって合成する場合に溶液である流体を選択できる。固相法によって合成する場合については本願明細書の実施例に詳述する。ゾルゲル法によって合成する場合、原料を溶解した溶液を本発明の製造装置に適用すると、溶液は蒸発乾固され、原料の微粉体を得ることができる。」(段落0022)との記載がなされている。特許文献5の実施例には、固形分濃度50質量%に調整した原料スラリーをスラリードライヤーを使用して乾燥することで得られた前駆体粉末をロータリーキルンを用いて焼成することによりLiFePO4粉末を合成する方法が例示されている。
ポリアニオン化合物は、その結晶構造に起因して電気伝導性が低いことから、高率放電性能が良くないというポリアニオン化合物共通の課題を持っている。この課題を解決するために、本明細書内では、ポリアニオン化合物としてリン酸バナジウムリチウムを取り上げて、改善策を検討した。
上記特許文献1及び2のそれぞれの技術を適用して、リン酸バナジウムリチウムの合成を行ったとしても、得られるリン酸バナジウムリチウムはカーボンの備え方が不十分であるため、その正極活物質を用いた電池の高率放電性能は未だ十分なものではないという課題を有する。
また、上記特許文献3をもってしても、前駆体溶液の乾燥に2流体ノズル式のスプレードライヤー等を用いた噴霧乾燥法だけでは、得られるリン酸バナジウムリチウムのカーボンの備え方が不十分であるため、この正極活物質からなる正極を用いた電池は、高率放電性能は未だ十分なものではないという課題を有する。上記特許文献1〜3の技術は、リン酸バナジウムリチウムに限らず、他のポリアニオン化合物であっても十分な改善効果が得られないものと考えられる。
さらに、上記特許文献4の技術を用いて、カーボンを備えたリン酸バナジウムリチウムを作製しても、焼成炉の温度が低いために、生成するリン酸バナジウムリチウムの結晶化度が低く、充放電容量、高率率充放電性能、サイクル性能などの電気化学的特性が劣るものであった。
また、上記特許文献5には、スラリードライヤーに通す流体が、スラリーの場合の実施例は記載されているものの、原料を溶媒に溶解した溶液を通す場合の具体的な例や好ましい条件が記載されていない。このために、この文献の技術だけでは、高率放電性能に優れたリン酸バナジウムリチウムを合成することができなかった。
上記特許文献1及び2のそれぞれの技術を適用して、リン酸バナジウムリチウムの合成を行ったとしても、得られるリン酸バナジウムリチウムはカーボンの備え方が不十分であるため、その正極活物質を用いた電池の高率放電性能は未だ十分なものではないという課題を有する。
また、上記特許文献3をもってしても、前駆体溶液の乾燥に2流体ノズル式のスプレードライヤー等を用いた噴霧乾燥法だけでは、得られるリン酸バナジウムリチウムのカーボンの備え方が不十分であるため、この正極活物質からなる正極を用いた電池は、高率放電性能は未だ十分なものではないという課題を有する。上記特許文献1〜3の技術は、リン酸バナジウムリチウムに限らず、他のポリアニオン化合物であっても十分な改善効果が得られないものと考えられる。
さらに、上記特許文献4の技術を用いて、カーボンを備えたリン酸バナジウムリチウムを作製しても、焼成炉の温度が低いために、生成するリン酸バナジウムリチウムの結晶化度が低く、充放電容量、高率率充放電性能、サイクル性能などの電気化学的特性が劣るものであった。
また、上記特許文献5には、スラリードライヤーに通す流体が、スラリーの場合の実施例は記載されているものの、原料を溶媒に溶解した溶液を通す場合の具体的な例や好ましい条件が記載されていない。このために、この文献の技術だけでは、高率放電性能に優れたリン酸バナジウムリチウムを合成することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高率放電性能に優れた二次電池を提供することのできる二次電池用活物質及びそれを用いた二次電池を提供することを目的としている。
本発明の構成及び作用効果は以下の通りである。但し、本明細書中に記載する作用機構には推定が含まれており、その正否は本発明を何ら制限するものではない。
本発明は、ポリアニオン化合物を含有する二次電池用活物質であって、前記二次電池用活物質は、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることを特徴とする二次電池用活物質である。
近年の電池業界(特にリチウム電池)では、オキソ酸アニオン(PO4、SO4、SiO4、BO3、VO4、MoO4など)やこれらの縮合アニオン(P2O7、P3O10、Si2O6、Mo2O7など)からなる化合物を総じて、ポリアニオン化合物と一般的に呼称している。本発明にいうポリアニオン化合物とは、カチオンとして遷移金属、及び、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等を含むポリアニオン化合物を指す。
近年の電池業界(特にリチウム電池)では、オキソ酸アニオン(PO4、SO4、SiO4、BO3、VO4、MoO4など)やこれらの縮合アニオン(P2O7、P3O10、Si2O6、Mo2O7など)からなる化合物を総じて、ポリアニオン化合物と一般的に呼称している。本発明にいうポリアニオン化合物とは、カチオンとして遷移金属、及び、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等を含むポリアニオン化合物を指す。
本発明における二次電池用活物質の一次粒子とは、活物質粉末を構成する最も小さい粒子のことであり、粒子径が100nm以下のポリアニオン化合物に起因する結晶構造を有する粒子を指す。さらに、この一次粒子が複数個集合(凝集)したμmオーダーの粒子を二次粒子と呼び、この二次粒子が複数個集合したものを三次粒子という。
また、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンとは、一次粒子表面上の一部から他の一次粒子との間に生じている隙間の空間に向かって延びると共に、他の一次粒子の表面上の一部に至っているカーボンの態様をいう。
また、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンとは、一次粒子表面上の一部から他の一次粒子との間に生じている隙間の空間に向かって延びると共に、他の一次粒子の表面上の一部に至っているカーボンの態様をいう。
また、本発明の二次電池用活物質は、ポリアニオン化合物に含まれる元素を含有する原料及びカーボン源となる有機物を溶媒に溶解させた前駆体溶液を、スラリードライヤーにより乾燥させて前駆体粉末を得る乾燥工程を経て製造されるものであることを特徴としている。
さらに、本発明のポリアニオン化合物は、リン酸バナジウムリチウムであるものとすることができる。
本発明においては、ポリアニオン化合物としてリン酸バナジウムリチウムを例に取り上げて本発明の効果を実証している。リン酸バナジウムリチウムは組成式LixV2(PO4)3(0≦x≦5)で表されるものであり、その結晶構造はとしては、単斜晶、菱面体晶、斜方晶が知られている。
一般的に、リン酸鉄リチウムやリン酸マンガンリチウムがオリビン型構造と呼ばれるのに対して、リン酸バナジウムリチウムはNASICON型構造と呼ばれている。
一般的に、リン酸鉄リチウムやリン酸マンガンリチウムがオリビン型構造と呼ばれるのに対して、リン酸バナジウムリチウムはNASICON型構造と呼ばれている。
本発明のリン酸バナジウムリチウムの粒子中に含まれるカーボンの割合は、粒子の質量に対して0.5〜3.0質量%であることが好ましい。
本発明は、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えたポリアニオン化合物を二次電池用活物質として含有する二次電池用電極である。
また、本発明は、上記二次電池用活物質からなる電極と、その電極と対を成す対極と、電解質とを備えた二次電池である。
本発明の二次電池用活物質は、非水系、水系のどちらにも適用可能である。従って、本発明の二次電池用活物質からなる電極を備えた二次電池は、非水電解質二次電池又は水系二次電池のどちらにおいても優れた高率放電性能を発揮する。
本発明によれば、高率放電性能に優れた二次電池用活物質及びその製造方法、並びに、その二次電池用活物質を含有する二次電池用電極を用いた高率放電性能に優れた二次電池を提供することができる。
本発明に係る二次電池用活物質は、その二次粒子又は三次粒子の内部又は表面或いはその両方にカーボンを備えている。このカーボンは、粒子表面に部分的に担持していても良く、全体を被覆するように担持されていても良く、複数のカーボンにより形成される複数の層として存在していても良い。さらに、このカーボンは上記ポリアニオン化合物の一次粒子あるいは一次粒子表面に担持したカーボンの間を架橋するように繋ぐ繊維状のカーボンを含んでいる。この一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンとは、カーボンを備えていないポリアニオン化合物の一次粒子又はカーボンを表面に備えたポリアニオン化合物の一次粒子の表面上の一部から一次粒子間に生じている隙間の空間に向かって延びると共に、他のカーボンを備えていないポリアニオン化合物の一次粒子又はカーボンを表面に備えたポリアニオン化合物の一次粒子の表面上の一部に至っているカーボンのことをいう。このようなカーボンを備えることによって、ポリアニオン化合物本来の性能を引き出すことが可能となり、高率放電性能が向上する効果が得られる。また、粒子全体に備えるカーボン量は、この活物質を用いた電極の作製工程や、その電極の取り扱いやすさ、及びその電極を用いた二次電池のエネルギー密度への寄与を考慮すると、活物質全体の質量に対して10質量%以下である事が好ましく、3質量%以下であればより好ましい。また、カーボン量が少なすぎると、カーボンが担持されていない一次粒子が現れるために、高率放電性能が低下する原因となることから、活物質全体の質量に対して0.5%以上であることが好ましい。
本発明に係るポリアニオン化合物の合成方法については、活物質に含まれる元素を含有する原料を溶媒に溶解させて沈殿物の無い前駆体溶液作製し、その前駆体溶液をスラリードライヤーにより乾燥させて前駆体粉末を得た後、所定の温度において不活性雰囲気或いは還元性雰囲気中において焼成することにより製造されるものが好ましい。
本来、スラリードライヤーは、固形分を含むスラリー状の物質から粒径の小さな乾燥粉末を得るための装置である。しかしながら、ポリアニオン化合物を合成しようとする場合、ポリアニオン化合物を構成する元素のを含む原料を混合してスラリー状とした混合物を、スラリードライヤーにより乾燥させた前駆体粉末を用いても、十分な高率放電性能を得ることはできなかった。しかしながら、原料を全て溶媒に溶解させた前駆体溶液を、スラリードライヤーにより乾燥させることにより得られる前駆体粉末から焼成したポリアニオン化合物は、その粒子内部に上記のような一次粒子あるいは一次粒子表面に担持したカーボンの間を架橋するように繋ぐ繊維状のカーボンという特異的な特徴が存在することがわかった。特に、カーボン源を含む前駆体溶液を調製し、その溶液をスラリードライヤーを使用して乾燥を行い、前駆体粉末を得る方法が好適に用いられる。また、カーボン源としては、不活性雰囲気或いは還元性雰囲気中の熱分解によりカーボンを生成する有機化合物のうち、前駆体溶液と同じ溶媒に可溶であれば特に限定されることは無く、ショ糖、ラクトース一水和物、マルトース一水和物、アスコルビン酸、エチレングリコール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
本来、スラリードライヤーは、固形分を含むスラリー状の物質から粒径の小さな乾燥粉末を得るための装置である。しかしながら、ポリアニオン化合物を合成しようとする場合、ポリアニオン化合物を構成する元素のを含む原料を混合してスラリー状とした混合物を、スラリードライヤーにより乾燥させた前駆体粉末を用いても、十分な高率放電性能を得ることはできなかった。しかしながら、原料を全て溶媒に溶解させた前駆体溶液を、スラリードライヤーにより乾燥させることにより得られる前駆体粉末から焼成したポリアニオン化合物は、その粒子内部に上記のような一次粒子あるいは一次粒子表面に担持したカーボンの間を架橋するように繋ぐ繊維状のカーボンという特異的な特徴が存在することがわかった。特に、カーボン源を含む前駆体溶液を調製し、その溶液をスラリードライヤーを使用して乾燥を行い、前駆体粉末を得る方法が好適に用いられる。また、カーボン源としては、不活性雰囲気或いは還元性雰囲気中の熱分解によりカーボンを生成する有機化合物のうち、前駆体溶液と同じ溶媒に可溶であれば特に限定されることは無く、ショ糖、ラクトース一水和物、マルトース一水和物、アスコルビン酸、エチレングリコール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
以下の実施例においては、ポリアニオン化合物としてリン酸バナジウムリチウムを例に取り上げて本発明の効果を実証している。以下にリン酸バナジウムリチウムについての好ましい形態を記載するが、当然のことながら、本発明はリン酸バナジウムリチウムに限られるものではなく、他のポリアニオン化合物でにおいても、適用することができる。
リン酸バナジウムリチウムの合成方法としては、リチウム、バナジウム、リンの各元素を含む化合物とカーボン源となる有機化合物を水に溶解させた前駆体溶液を作製し、この前駆体溶液をスラリードライヤーを使用して乾燥を行い、前駆体粉末を得た後、所定の温度において焼成する方法が適している。
前駆体溶液を作製する際に、白色の浮遊物の存在が認められる場合があるため、前駆体溶液は、スラリードライヤーによる乾燥を行う前に、一度濾過することが好ましい。また、カーボン源を含む前駆体溶液を作製する場合には、カーボン源の種類によっては、時間の経過に伴って沈澱が発生することもあるので、スラリードライヤーによる乾燥を行う直前にカーボン源を溶解させた水溶液を前駆体溶液に加えることが好ましい。また、そのようなカーボン源を使用する場合には、沈澱が生じる前にスラリードライヤーによる乾燥が終了するようにすることが好ましい。
リン酸バナジウムリチウムを合成する際のカーボン源は、焼成工程においてバナジウムの還元反応のために消費されるカーボンよりも多くすると共に、リン酸バナジウムリチウム全体の質量に対して0.5質量%以上のカーボンが含まれるようにすることが好ましい。また、リン酸バナジウムリチウムに含まれるカーボンが多すぎるとタップ密度の低下に繋がるため、リン酸バナジウムリチウムに含まれるカーボン量は、リン酸バナジウムリチウム全体の質量に対して3質量%以下であることが好ましい。
また、前駆体溶液の好ましい態様としては、液比重約1.2g/cc、液粘度約30mPa・sであり、この前駆体溶液を、φ2mmのジルコニア製ボールを備えたスラリードライヤーにより、熱風温度135℃〜145℃、排気温度(出口温度)105〜125℃、前駆体溶液供給速度10g〜50g/minの条件で乾燥することにより、焼成後の粒子において、一次粒子間を繋ぐ繊維状カーボンが生成しやすくなるため、好ましい。より好ましい排風温度の範囲は105℃〜115℃である。なお、上記のスラリードライヤーの装置に関する数値は、装置種類や装置の大きさによって変化することはいうまでも無い。
上記焼成温度としては、リン酸バナジウムリチウムが生成すると共に、カーボン源が熱分解により炭化する温度が求められるが、温度が低すぎるとLiVOPO4等の目的とは異なる化合物が生成すること、温度が高すぎるとリン酸バナジウムリチウムの性能が低下することから、上記焼成温度は600℃〜950℃が好ましい。より好ましくは650℃〜850℃である。
また、上記前駆体粉末の焼成において、ロータリーキルンを用いて、メタノール等のアルコール蒸気と、不活性或いは還元性ガスとの混合気体を流しながら加熱することでも、一次粒子あるいは一次粒子表面に担持したカーボンの間を架橋するように繋ぐ繊維状のカーボンを備えたリン酸バナジウムリチウムを合成することができる。この方法を用いた場合、炉内に導入されたアルコールの加温、炭化反応に熱が吸収されることから、炉内の温度が下がりやすくなる傾向があることから、上記の焼成温度よりも高くすることが必要となり、750℃〜900℃が好ましい。
上記リン酸バナジウムリチウムにおいて、リチウム、バナジウム、リン、酸素の一部が他の元素で置換されていることを妨げるものではない。置換する他の元素としては例えば、リチウムの場合は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属が、バナジウムの場合は、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、インジウム、アルミニウム等の金属が、リンの場合は、ケイ素、ホウ素、硫黄等が、酸素の場合はフッ素、塩素等が挙げられる。また、上記リン酸バナジウムリチウムの結晶構造としては、主に単斜晶と菱面体晶及び斜方晶の三つの存在が知られているが、その内の如何なる構造のリン酸バナジウムリチウムを用いても本発明の効果を得ることが可能である。また、リン酸バナジウムリチウムの性能を損なわない範囲において、意図的に不純物を共存、或いは、意図せず不純物が混入していてもよく、そのような場合にも本発明の効果を得ることが可能である。
また、リン酸バナジウムリチウムがリチウム原子、バナジウム原子、リン原子、酸素原子などを含んでいること及びその量は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により確認することができる。また、金属原子が互いに固溶していること及びその結晶構造は、粉末X線回折分析(XRD)により確認することができる。カーボンの形状については、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡観察(TEM)、収束イオンビーム(FIB)、走査イオン顕微鏡(SIM)、エネルギー分散X線分光法(EDX)を併用することにより、判別が可能である。他にも走査電顕X線分析(EPMA)、及び高分解能電子顕微鏡分析(HRAEM)などの分析機器を併用することにより、詳細な分析を行うことが可能である。
また、上記の製造方法では主に単斜晶のリン酸バナジウムリチウムが生成する。リン酸バナジウムリチウムには、菱面体晶及び斜方晶の結晶構造を有するものも存在する。菱面体晶リン酸バナジウムリチウムは、前駆体溶液作製時にリチウム源の代わりに水溶性のナトリウム化合物を用いて、上記製造方法によりリン酸バナジウムナトリウムを合成し、これを化学的或いは電気化学的手法を用いて、ナトリウムとリチウムをイオン交換することにより得ることが出来る。斜方晶リン酸バナジウムリチウムは、前駆体溶液作製時にバナジウム源の一部をジルコニウム等を含む水溶性の化合物に取替えた後、上記製造方法に従って合成を行うことにより得ることが出来る。このようにして生成した両結晶構造を有するリン酸バナジウムリチウムも、その粒子表面に一次粒子間を繋ぐ繊維状カーボンが存在している限り、本発明の範疇に属するものである。
また、本発明においては、カーボンを備えたポリアニオン化合物の粒子の表面に、さらに、アルコール、ポリビニルアルコール、ショ糖、アスコルビン酸等の有機物の熱分解により生成したカーボンを担持させても良い。
本発明において、カーボンを備えたポリアニオン化合物は、二次粒子の平均粒子サイズ100μm以下の粉体として二次電池用活物質に用いることが好ましい。特に、二次粒子の平均粒子径は0.1〜50μmがより好ましく、前記二次粒子を構成する一次粒子の粒径は1〜500nmであることが好ましい。また、粉体粒子の流動法窒素ガス吸着法によるBET比表面積は電極の高率充放電性能を向上させるためにある程度大きい方が良く、1〜100m2/gが好ましい。より好ましくは5〜50m2/gである。粉体を所定の形状で得るため、粉砕機や分級機を用いることができる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等を用いることができる。粉砕時には水、あるいはアルコール、ヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いても良い。分級方法としては、特に限定はなく、必要に応じて篩や風力分級機などを乾式、或いは湿式にて用いることができる。
更に、二次電池用活物質にその性能の向上を目的として意図的に不純物や異種元素を共存させてもよい。
本発明の二次電池活物質を用いてリチウム二次電池用電極を作製するに当たり、前記二次電池用活物質の他に、ポリフッ化ビニリデン、シリコンブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース等の周知の結着剤や、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバー等の周知の導電剤を周知の処方で用いることができる。仮に、本発明の二次電池用活物質を用いた二次電池用電極に上記アセチレンブラック等が混在している場合であっても、本発明の二次電池用活物質が備える繊維状カーボンと、上記アセチレンブラック等のカーボンとは、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡観察(TEM)、収束イオンビーム(FIB)、走査イオン顕微鏡(SIM)、エネルギー分散X線分光法(EDX)を併用することにより、判別が可能である。
本発明の二次電池用活物質を非水電解質中で用いる場合には、電極中に含まれる水分量は少ない方が好ましく、具体的には1000ppm未満であることが好ましい。水分量を減少させる手段としては、高温・減圧環境において電極を乾燥する方法や、電極に含まれる水分を電気化学的に分解する方法が適している。
また、電極合材層の厚さは電池のエネルギー密度との兼ね合いから本発明を適用する電極合材層の厚みは10〜500μmであることが好ましい。
本発明電池の対極は、何ら限定されるものではなく、リチウム金属、リチウム合金(リチウム―アルミニウム、リチウム―鉛、リチウム―錫、リチウム―アルミニウム―錫、リチウム―ガリウム、およびウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(Li4Ti5O12等)、ポリリン酸化合物、ポリアニオン化合物、リチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられる。これらを、二次電池に用いる電解質の種類に応じて使用することができる。
一般的に、二次電池の形態としては、正極、負極、電解質塩が溶媒に含有された電解質から構成され、一般的には、正極と負極との間に、セパレータとこれらを包装する外装体が設けられる。
溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネ−ト等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエ−テル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等からなる非水溶媒や水を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
電解質塩としては、例えば、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2等のイオン性化合物が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。また、リチウム以外の電解質塩を含ませることも可能であり、例えば、NaClO4等が挙げられる。電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池性能を有する二次電池を確実に得るために、0.5mol/l以上5mol/l以下が好ましく、さらに好ましくは、1mol/l以上2.5mol/l以下である。
以下に、実施例を例示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(Li3V2(PO4)3の合成)
(実施例1)
まず、イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加え、濾紙を用いて濾過を行った。これとは別に、ラクトース一水和物(ナカライテスク株式会社製)をイオン交換水に溶解させた溶液を用意した。この二つの溶液をスラリードライヤーで乾燥させる直前に混合することで前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lであった。この前駆体溶液をφ2mmのジルコニア製ボールを備えたスラリードライヤー(株式会社大川原製作所製SFD−ミニR)を用いて乾燥した。乾燥条件は、熱風温度140℃〜145℃、出口(排風)温度105℃〜110℃、液供給速度20g/minとした。得られた乾燥粉末10gをアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(株式会社デンケン製卓上真空ガス置換炉KDF−75、内容積2400cm3)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0 l/min)で仮焼成と焼成を連続して行った。仮焼成温度は350℃とし、仮焼成時間(前記仮焼成温度を維持する時間)は3時間とした。仮焼成の後、炉内の温度を下げることなく、焼成へと移行し、焼成温度850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。なお、昇温速度は仮焼成及び焼成を通じて5℃/min、降温は自然放冷とした。なお、焼生物の取り出しは、その酸化を防ぐために、炉内温度が50℃以下の状態で行った。また、窒素ガスは粉末を炉内に導入した後、取り出すまで常に一定の流速で流し続けた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a1とする。
(実施例1)
まず、イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加え、濾紙を用いて濾過を行った。これとは別に、ラクトース一水和物(ナカライテスク株式会社製)をイオン交換水に溶解させた溶液を用意した。この二つの溶液をスラリードライヤーで乾燥させる直前に混合することで前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lであった。この前駆体溶液をφ2mmのジルコニア製ボールを備えたスラリードライヤー(株式会社大川原製作所製SFD−ミニR)を用いて乾燥した。乾燥条件は、熱風温度140℃〜145℃、出口(排風)温度105℃〜110℃、液供給速度20g/minとした。得られた乾燥粉末10gをアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(株式会社デンケン製卓上真空ガス置換炉KDF−75、内容積2400cm3)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0 l/min)で仮焼成と焼成を連続して行った。仮焼成温度は350℃とし、仮焼成時間(前記仮焼成温度を維持する時間)は3時間とした。仮焼成の後、炉内の温度を下げることなく、焼成へと移行し、焼成温度850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。なお、昇温速度は仮焼成及び焼成を通じて5℃/min、降温は自然放冷とした。なお、焼生物の取り出しは、その酸化を防ぐために、炉内温度が50℃以下の状態で行った。また、窒素ガスは粉末を炉内に導入した後、取り出すまで常に一定の流速で流し続けた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a1とする。
(実施例2)
イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加えることにより前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/lであった。この前駆体溶液をφ2mmのジルコニア製ボールを備えたスラリードライヤー(株式会社大川原製作所製)を用いて乾燥した。乾燥条件は、熱風温度140℃〜145℃、出口(排風)温度105℃〜110℃、液供給速度20g/minとした。得られた乾燥粉末1000gをロータリーキルン(株式会社栗本鐵工所製バッチ式ロータリーキルン)に移し、ここに、気化メタノール/窒素混合ガスを炉内に流しながら焼成を行った。焼成温度は850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。昇温速度は10℃/min、降温は自然放冷とした。気化メタノール/窒素混合ガスは、恒温槽内で40〜45℃に加温したメタノール10L中に流速5.0 l/minの窒素をバブリングさせることで調製し、この気体を昇温過程及び焼成過程の間、ロータリーキルン内に送り込んだ。降温過程は窒素ガスのみを流速5.0 l/minでロータリーキルン内に流通させた。なお、焼成後メタノールは約5 l程度残っていた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a2とする。
イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加えることにより前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/lであった。この前駆体溶液をφ2mmのジルコニア製ボールを備えたスラリードライヤー(株式会社大川原製作所製)を用いて乾燥した。乾燥条件は、熱風温度140℃〜145℃、出口(排風)温度105℃〜110℃、液供給速度20g/minとした。得られた乾燥粉末1000gをロータリーキルン(株式会社栗本鐵工所製バッチ式ロータリーキルン)に移し、ここに、気化メタノール/窒素混合ガスを炉内に流しながら焼成を行った。焼成温度は850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。昇温速度は10℃/min、降温は自然放冷とした。気化メタノール/窒素混合ガスは、恒温槽内で40〜45℃に加温したメタノール10L中に流速5.0 l/minの窒素をバブリングさせることで調製し、この気体を昇温過程及び焼成過程の間、ロータリーキルン内に送り込んだ。降温過程は窒素ガスのみを流速5.0 l/minでロータリーキルン内に流通させた。なお、焼成後メタノールは約5 l程度残っていた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a2とする。
(実施例3)
二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムの作製において、バナジウム源として五酸化バナジウム(V2O5)に代えて、バナジン酸アンモニウム(NH4VO3)(太陽鉱工株式会社、AT−2)を使用したこと、前駆体溶液中の原料のモル濃度を、LiOH・H2O=2.83mol/l、NH4VO3=1.88mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lとしたことを除いては、実施例1と同様にリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a3とする。
二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムの作製において、バナジウム源として五酸化バナジウム(V2O5)に代えて、バナジン酸アンモニウム(NH4VO3)(太陽鉱工株式会社、AT−2)を使用したこと、前駆体溶液中の原料のモル濃度を、LiOH・H2O=2.83mol/l、NH4VO3=1.88mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lとしたことを除いては、実施例1と同様にリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを本発明活物質a3とする。
(比較例1)
上記活物質の作製にあたり、イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、クエン酸一水和物(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。さらに、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加えて一晩静置することにより、沈殿物を含む前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、クエン酸一水和物=1.5mol/lであった。こうして、前駆体溶液を調製したことを除いては実施例1と同様にして二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを比較活物質b1とする。
上記活物質の作製にあたり、イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、クエン酸一水和物(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。さらに、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)を加えて一晩静置することにより、沈殿物を含む前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、クエン酸一水和物=1.5mol/lであった。こうして、前駆体溶液を調製したことを除いては実施例1と同様にして二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを比較活物質b1とする。
(比較例2)
イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)、ラクトース一水和物(ナカライテスク株式会社製)を順に加えることで前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lであった。次に、140℃のホットスターラー上に温水を入れたステンレス製バットを置き、その温水中に前駆体溶液を入れたビーカーを設置して、攪拌子による攪拌と加熱を行いながら前駆体溶液中の水を蒸発させた。そうして、ビーカーの底に得られた固形分を乳鉢に移し、自動乳鉢で1時間粉砕した後、この粉末10gをアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(株式会社デンケン製卓上真空ガス置換炉KDF−75、内容積2400cm3)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0 l/min)で仮焼成と焼成を連続して行った。仮焼成温度は350℃とし、仮焼成時間(前記仮焼成温度を維持する時間)は3時間とした。仮焼成の後、炉内の温度を下げることなく、焼成へと移行し、焼成温度850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。なお、昇温速度は仮焼成及び焼成を通じて5℃/min、降温は自然放冷とした。なお、焼生物の取り出しは、その酸化を防ぐために、炉内温度が50℃以下の状態で行った。また、窒素ガスは粉末を炉内に導入した後、取り出すまで常に一定の流速で流し続けた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを比較活物質b2とする。
イオン交換水に水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(ナカライテスク株式会社製)を溶解させた。その溶液に五酸化バナジウム(V2O5)(太陽鉱工株式会社、VT−2)を加えて溶解させた後、リン酸(H3PO4)(ナカライテスク株式会社製)、ラクトース一水和物(ナカライテスク株式会社製)を順に加えることで前駆体溶液を調製した。前駆体溶液中の原料のモル濃度は、LiOH・H2O=2.83mol/l、V2O5=0.94mol/l、H3PO4=3.32mol/l、ラクトース一水和物=0.12mol/lであった。次に、140℃のホットスターラー上に温水を入れたステンレス製バットを置き、その温水中に前駆体溶液を入れたビーカーを設置して、攪拌子による攪拌と加熱を行いながら前駆体溶液中の水を蒸発させた。そうして、ビーカーの底に得られた固形分を乳鉢に移し、自動乳鉢で1時間粉砕した後、この粉末10gをアルミナ製の匣鉢(外形寸法90×90×50mm)に入れ、雰囲気置換式焼成炉(株式会社デンケン製卓上真空ガス置換炉KDF−75、内容積2400cm3)を用いて、窒素ガスの流通下(流速1.0 l/min)で仮焼成と焼成を連続して行った。仮焼成温度は350℃とし、仮焼成時間(前記仮焼成温度を維持する時間)は3時間とした。仮焼成の後、炉内の温度を下げることなく、焼成へと移行し、焼成温度850℃、焼成時間(前記焼成温度を維持する時間)6時間の焼成を行った。なお、昇温速度は仮焼成及び焼成を通じて5℃/min、降温は自然放冷とした。なお、焼生物の取り出しは、その酸化を防ぐために、炉内温度が50℃以下の状態で行った。また、窒素ガスは粉末を炉内に導入した後、取り出すまで常に一定の流速で流し続けた。このようにして、二次電池用活物質であるリン酸バナジウムリチウムを作製した。これを比較活物質b2とする。
(TEM観察)
また、本発明活物質a1及び比較活物質b1について、電解放出型分析透過電子顕微鏡(FE−TEM)(株式会社トプコンテクノハウス製 EB002BF)観察を行った。この観察において得られた本発明活物質a1の画像を図1に、比較活物質bの画像を図2にそれぞれ示す。
また、本発明活物質a1及び比較活物質b1について、電解放出型分析透過電子顕微鏡(FE−TEM)(株式会社トプコンテクノハウス製 EB002BF)観察を行った。この観察において得られた本発明活物質a1の画像を図1に、比較活物質bの画像を図2にそれぞれ示す。
(カーボン量の測定)
本発明活物質a1、a2、a3と比較活物質b1、b2について、活物質中に含まれるカーボン含有量を炭素・硫黄分析装置(HORIBA製 炭素・硫黄分析装置EMIA−320V)により測定した。その結果、各活物質のカーボン含有量(質量比率)は、本発明活物質a1は1.0%、a2は1.5%、a3は1.1%、比較活物質b1は7.8%、b2は1.2%であった。
本発明活物質a1、a2、a3と比較活物質b1、b2について、活物質中に含まれるカーボン含有量を炭素・硫黄分析装置(HORIBA製 炭素・硫黄分析装置EMIA−320V)により測定した。その結果、各活物質のカーボン含有量(質量比率)は、本発明活物質a1は1.0%、a2は1.5%、a3は1.1%、比較活物質b1は7.8%、b2は1.2%であった。
(正極の作製)
実施例1の二次電池用活物質、導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を84:8:8の質量比で含有し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調製した。該正極ペーストを、アルミ端子を取り付けたアルミニウムメッシュ集電体上の両面に塗布し、80℃でNMPを除去した後、塗布部分同士を二重に重ね、塗布部分の投影面積が半分になるように折り曲げ、折り曲げた後の厚みが400μmになるようにプレス加工を行い、本発明正極とした。折り曲げた後の活物質の塗布面積は2.25cm2、塗布質量は0.070gである。正極は150℃で5時間以上の減圧乾燥を行い、極板中の水分を除去して使用した。
実施例1の二次電池用活物質、導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を84:8:8の質量比で含有し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調製した。該正極ペーストを、アルミ端子を取り付けたアルミニウムメッシュ集電体上の両面に塗布し、80℃でNMPを除去した後、塗布部分同士を二重に重ね、塗布部分の投影面積が半分になるように折り曲げ、折り曲げた後の厚みが400μmになるようにプレス加工を行い、本発明正極とした。折り曲げた後の活物質の塗布面積は2.25cm2、塗布質量は0.070gである。正極は150℃で5時間以上の減圧乾燥を行い、極板中の水分を除去して使用した。
(負極の作製)
ステンレス鋼(品名:SUS316)製の端子を取り付けたステンレス鋼(品名:SUS316)製のメッシュ集電体の両面に、厚さ300μmのリチウム金属箔を貼り合わせてプレス加工したものを負極とした。
ステンレス鋼(品名:SUS316)製の端子を取り付けたステンレス鋼(品名:SUS316)製のメッシュ集電体の両面に、厚さ300μmのリチウム金属箔を貼り合わせてプレス加工したものを負極とした。
(参照極の作製)
リチウム金属片をステンレス鋼(品名:SUS316)製の集電棒の先端に貼り付けたものを参照極とした。
リチウム金属片をステンレス鋼(品名:SUS316)製の集電棒の先端に貼り付けたものを参照極とした。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1:1の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1.0mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1:1の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1.0mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
(電池の組み立て)
露点−40℃以下のArボックス中においてガラス製のリチウムイオン二次電池を組み立てた。予め容器の蓋部分に導線部を固定した金メッキクリップに正極と負極と参照極とを各1枚ずつ挟んだ後、正・負極が対向するように固定した。参照極は負極から見て正極の裏側となる位置に固定した。次に、一定量の電解液を入れたポリプロピレン製カップをガラス容器内に設置し、そこに正極、負極及び参照極が浸かるように蓋をすることで電池を組み立てた。この電池を本発明電池A1とする。
露点−40℃以下のArボックス中においてガラス製のリチウムイオン二次電池を組み立てた。予め容器の蓋部分に導線部を固定した金メッキクリップに正極と負極と参照極とを各1枚ずつ挟んだ後、正・負極が対向するように固定した。参照極は負極から見て正極の裏側となる位置に固定した。次に、一定量の電解液を入れたポリプロピレン製カップをガラス容器内に設置し、そこに正極、負極及び参照極が浸かるように蓋をすることで電池を組み立てた。この電池を本発明電池A1とする。
同様にして、実施例2、3及び比較例1、2のそれぞれの活物質を用いて正極を作製し、上記の手順にてリチウム二次電池を組み立てた。本発明活物質a2、a3及び比較活物質b1、b2を用いた正極を使用したリチウム二次電池を、それぞれ本発明電池A2、A3比較電池B1、B2とする。
(初期活性化)
上記のようにして作製した本発明電池A1、A2、A3及び、比較電池B1、B2を温度20℃において、3サイクルの充放電を行う初期活性化工程に供した。充電条件は、電流0.94mA、充電電圧4.5V、15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.94mA、放電終止電圧2.7Vの定電流放電とした。
上記のようにして作製した本発明電池A1、A2、A3及び、比較電池B1、B2を温度20℃において、3サイクルの充放電を行う初期活性化工程に供した。充電条件は、電流0.94mA、充電電圧4.5V、15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.94mA、放電終止電圧2.7Vの定電流放電とした。
(高率放電容量試験)
上記初期活性化工程に続いて、本発明電池A1、A2、A3及び、比較電池B1、B2に対して、温度20℃において、充電電流0.94mA、充電電圧4.5V、15時間の定電流定電圧充電を行った後、放電電流18.8mA、放電終止電圧2.7Vの定電流放電を行った。上記初期活性化工程の3サイクル目の放電容量に対して、高率放電容量試験時に得られた放電容量の比率を「高率放電率(%)」として記録した。その値を表1に示す。
上記初期活性化工程に続いて、本発明電池A1、A2、A3及び、比較電池B1、B2に対して、温度20℃において、充電電流0.94mA、充電電圧4.5V、15時間の定電流定電圧充電を行った後、放電電流18.8mA、放電終止電圧2.7Vの定電流放電を行った。上記初期活性化工程の3サイクル目の放電容量に対して、高率放電容量試験時に得られた放電容量の比率を「高率放電率(%)」として記録した。その値を表1に示す。
表1からわかるように、本発明電池A1、A2、A3は、比較電池B1、B2と比較して、高い高率放電率が得られている。この電池性能の違いは、正極に含まれる活物質に由来するものと考えられる。本発明活物質a1及び比較活物質b1について、その粒子内部のTEM観察を行った図1、図2のTEM画像から、本発明活物質a1については、活物質粒子内部に一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンの存在が確認できる。一方、比較活物質b1には一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンは確認できない。ここには示さないが、本発明活物質a2、a3には本発明活物質a1と同様の一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンの存在を確認しており、比較活物質b2には、比較活物質b1と同じく一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンは確認していない。
このように、同じスラリードライヤーを用いて前駆体溶液の乾燥を行ったとしても、前駆体溶液が固形分を含むものと含まないものにより、二次粒子内部のカーボンの状態が変化している。この要因については次にように考えている。前駆体溶液中に含まれる化合物が完全に溶解している場合は、溶液が乾燥する際に、各元素が原料の仕込みモル数比率に従って均一に含まれた乾燥粉体となっているものと考えられる。そのことにより、スラリードライヤー中の粉砕用ボールにより衝撃を与えられてもその組成は変わらず、各原料が均一に分布した前駆体粉末が得られると考えられる。よって、カーボン源の分布も均一であることから、このような前駆体乾燥粉末を焼成すると、一次粒子間を繋ぐカーボンのネットワークが構築されていることから、優れた高率放電性能を示すと考えられる。これに対して、前駆体溶液が沈殿物を含む場合は、沈殿物中の元素組成と溶液中の元素組成が異なっているために、沈殿物からの乾燥粉末と溶液からの乾燥粉末中の元素組成も異なっている。これがスラリードライヤー中の粉砕用ボールにより衝撃を加えられた時に、沈殿物起因の乾燥粉末同士、溶液起因の乾燥粉末同士が接触することにより、各粒子間の組成ずれが大きくなり、その結果、不均一性の高い前駆体粉末が得られてしまうと推察される。即ち、カーボン源の分布も不均一であることから、このような前駆体乾燥粉末を焼成しても、一次粒子間の空隙を架橋する繊維状カーボンは生成しないものと考えられる。それ故に、高率放電性能が低下しているものと推察される。また、比較活物質b2のように、前駆体溶液をビーカー内で蒸発させて得られた前駆体粉末では、比較活物質b1と同じような状態の前駆体粉末が得られることは上記記載から類推できるところであり、結果として高率放電性能が低下している。
このように、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンの生成条件は、スラリードライヤーを用いた乾燥工程において、完全溶解した前駆体溶液用いることが重要と考えられる。従って、リン酸バナジウムリチウムをはじめとするポリアニオン化合物からなる二次電池用活物質は、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることで本発明の効果が奏される。
このように、同じスラリードライヤーを用いて前駆体溶液の乾燥を行ったとしても、前駆体溶液が固形分を含むものと含まないものにより、二次粒子内部のカーボンの状態が変化している。この要因については次にように考えている。前駆体溶液中に含まれる化合物が完全に溶解している場合は、溶液が乾燥する際に、各元素が原料の仕込みモル数比率に従って均一に含まれた乾燥粉体となっているものと考えられる。そのことにより、スラリードライヤー中の粉砕用ボールにより衝撃を与えられてもその組成は変わらず、各原料が均一に分布した前駆体粉末が得られると考えられる。よって、カーボン源の分布も均一であることから、このような前駆体乾燥粉末を焼成すると、一次粒子間を繋ぐカーボンのネットワークが構築されていることから、優れた高率放電性能を示すと考えられる。これに対して、前駆体溶液が沈殿物を含む場合は、沈殿物中の元素組成と溶液中の元素組成が異なっているために、沈殿物からの乾燥粉末と溶液からの乾燥粉末中の元素組成も異なっている。これがスラリードライヤー中の粉砕用ボールにより衝撃を加えられた時に、沈殿物起因の乾燥粉末同士、溶液起因の乾燥粉末同士が接触することにより、各粒子間の組成ずれが大きくなり、その結果、不均一性の高い前駆体粉末が得られてしまうと推察される。即ち、カーボン源の分布も不均一であることから、このような前駆体乾燥粉末を焼成しても、一次粒子間の空隙を架橋する繊維状カーボンは生成しないものと考えられる。それ故に、高率放電性能が低下しているものと推察される。また、比較活物質b2のように、前駆体溶液をビーカー内で蒸発させて得られた前駆体粉末では、比較活物質b1と同じような状態の前駆体粉末が得られることは上記記載から類推できるところであり、結果として高率放電性能が低下している。
このように、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンの生成条件は、スラリードライヤーを用いた乾燥工程において、完全溶解した前駆体溶液用いることが重要と考えられる。従って、リン酸バナジウムリチウムをはじめとするポリアニオン化合物からなる二次電池用活物質は、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることで本発明の効果が奏される。
なお、この実施例においては、炭素源としてラクトース一水和物を使用した例を挙げて、本発明の効果を説明したが、この他に、マルトース一水和物、ショ糖を使用した場合においても、本発明と同様の効果が得られることを確認している。また、リン源については、リン酸の代わりに、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)を、リチウム源及びリン源として、リン酸二水素リチウム(LiH2PO4)を用いても良く、この場合も本発明の効果を得ることができる。
さらに、この実施例においては、ポリアニオン化合物としてリン酸バナジウムリチウムを例に挙げて、本発明の効果を説明したが、当然のことながら、本発明の効果はリン酸バナジウムリチウムに限られるものではなく、電気伝導度が低いという共通の課題を抱える他のポリアニオン化合物であっても、同様な効果を奏する。
さらに、この実施例においては、ポリアニオン化合物としてリン酸バナジウムリチウムを例に挙げて、本発明の効果を説明したが、当然のことながら、本発明の効果はリン酸バナジウムリチウムに限られるものではなく、電気伝導度が低いという共通の課題を抱える他のポリアニオン化合物であっても、同様な効果を奏する。
本発明の二次電池用活物質は、高率放電性能に優れるので、高率放電性能及び出力性能に優れた二次電池を提供することができる。本発明の二次電池は、高率放電性能及び出力性能に優れるので、今後の展開が期待されるハイブリッド自動車及び電気自動車等の産業用電池において特に高出力化が求められる分野への応用に適しており、産業上の利用可能性は極めて大きい。
Claims (6)
- ポリアニオン化合物を含有する二次電池用活物質であって、前記二次電池用活物質は、一次粒子間を繋ぐ繊維状のカーボンを備えることを特徴とする二次電池用活物質。
- 前記二次電池用活物質は、前記ポリアニオン化合物に含まれる元素を含有する原料及びカーボン源となる有機物を溶媒に溶解させた前駆体溶液を、スラリードライヤーにより乾燥させて前駆体粉末を得る乾燥工程を経て製造されるものであることを特徴とする請求項1記載の二次電池用活物質。
- 前記ポリアニオン化合物は、リン酸バナジウムリチウムであることを特徴とする請求項1〜2記載の二次電池用活物質。
- 前記リン酸バナジウムリチウムの粒子中に含まれるカーボンの割合は、粒子の質量に対して0.5〜3.0質量%であることを特徴とする請求項3記載の二次電池用活物質。
- 請求項1〜4記載の二次電池用活物質を含有する二次電池用電極。
- 請求項5記載の二次電池用活物質からなる電極と、その電極と対を成す対極と、電解質とを備えた二次電池。
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