JP2010027604A - リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム二次電池に、一般式LiyFe(1−x)CoxPO4(0<x≦0.05、0≦y≦1.2)で表されるリン酸コバルト鉄リチウムを含み、Fe2Pの不純物相が認められない正極活物質を用いることで、Coを含有しないLiyFePO4を用いた場合と比べて、保存性能(特に、高温保存性能)を向上できる。また、上記の正極活物質を用い、電気自動車等、産業用電池に於いて特に長期寿命、高容量化・高出力化が求められる分野への応用に適しているリチウム二次電池を提供することができる。
【選択図】図2
Description
さらに、特許文献1には、「負極活物質としては、リチウム以外にリチウム合金やリチウム化合物、その他ナトリウム、カリウム、マグネシウム等従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属イオンを吸蔵、放出可能な物質、例えば前記金属の合金、炭素材料等が使用できる。」(段落0005)と記載され、負極活物質として用いうる材料として炭素材料についても一行記載がある。しかしながら、上記したいずれの特許文献、非特許文献にも、LiFePO4のFeの一部をCoで置換した正極活物質を用い、負極に炭素材料を用いた電池の具体的記載は無く、LiFePO4のFeの一部をCoで置換した正極活物質を用い、負極に炭素材料を用いた電池の保存後の電池性能(残存容量率および回復容量率)がどのようであるかについての記載も示唆も無い。また、負極にリチウムイオンを吸蔵・放出しうる炭素材料を用いた場合の残存容量率および回復容量率がどのようであるかについては、負極に金属リチウムを用いた電池しか具体的に記載のない上記特許文献、非特許文献からは全く予測できないものである。なぜなら、残存容量率および回復容量率は、負極にカーボンを用いた場合には、正極活物質に存在していたLiの一部が充電によって負極の炭素材料に到達し、その後、放置したのちの放電時に負極の炭素材料から戻ってくることのできるLiの割合を評価したものであるからである。
なお、本発明において、正極活物質が「LiyFePO4(0≦y≦1.2)よりも高温保存性能に優れたこと」とは、後述する実施例の高温保存試験に示されるとおり、特定の正極活物質を用いたリチウム二次電池を45℃の高温で保存した場合、「高温保存前放電容量(mAh)」に対する「高温保存後容量(mAh)」の百分率である「容量維持率」が、LiyFePO4(0≦y≦1.2)を正極活物質に用いたリチウム二次電池よりも大きくなるような性能を特定の正極活物質が有することを意味する。
したがって、非特許文献3には、LiFe(1−x)CoxPO4で表されるリン酸コバルト鉄リチウムにおいて、x=0.2及び0.4のものが記載されているが、上記のように、このリン酸コバルト鉄リチウムを正極活物質としたリチウム二次電池は、放電容量がLiFePO4を正極活物質としたリチウム二次電池と比べて減少するものであり、高温保存後容量が高くなることは予測し得ないから、本発明においては、この非特許文献3に記載されたx=0.2及び0.4のリン酸コバルト鉄リチウムは除かれる。
また、後述する実施例では、y=1のLiFe(1−x)CoxPO4の正極活物質を提案しているが、上記したように活物質の合成過程で特にLi組成については変動し易いことに加え、電池内において該正極物質は充電によって放出されLiが0にまで至り得るものであり、放電によってLiが吸蔵され1.2にまで至り得るものであるから、0≦y≦1.2とする。
(LiFe0.995Co0.005PO4の合成)
蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.995:0.005:1:0.51になるように秤取った。そこにエタノ−ルを加えてペースト状とし、ボ−ルミル(FRITSCH社製プラネタリーミル、ボール径1cm)を用いて2時間湿式混合を行った。
(LiFe0.99Co0.01PO4の合成)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.99:0.01:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.99Co0.01PO4の組成を確認した。
(LiFe0.985Co0.015PO4の合成)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.985:0.015:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.985Co0.015PO4の組成を確認した。
(LiFe0.981Co0.019PO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.981:0.019:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.981Co0.019PO4の組成を確認した。
(LiFe0.98Co0.02PO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.98:0.02:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.98Co0.02PO4の組成を確認した。
(LiFe0.97Co0.03PO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.97:0.03:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.97Co0.03PO4の組成を確認した。
(LiFe0.95Co0.05PO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.95:0.05:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.95Co0.05PO4の組成を確認した。
(LiFePO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が1:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてLiFePO4を得た。
(LiFe0.90Co0.10PO4の作製)
上記正極活物質の作製にあたり、蓚酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト(Co(CH3COO)2・4H2O)とリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.90:0.10:1:0.51になるように秤取ったことを除いては実施例1と同様にしてリチウム二次電池用正極活物質を作製した。なお、ICP発光分光分析により、LiFe0.90Co0.10PO4の組成を確認した。
まず、正極活物質について、電池性能に影響を与える可能性のある要因をできるだけ排除し、リン酸コバルト鉄リチウム化合物自体の特性変化を正確に捉えるため、正極活物質粒子へのカーボンコートを故意に行わずに電池性能評価を行った。
前記正極活物質、導電剤であるアセチレンブラック及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を80:8:12の重量比で含有し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とする正極ペーストを調整した。該正極ペーストをアルミ端子を取り付けたアルミニウムメッシュ集電体上の両面に塗布し、80℃でNMPを除去した後、塗布部分同士が二重に重なり塗布部分の投影面積が半分となるように折り曲げ、折り曲げた後の全体の厚みが400μmになるようにプレス加工を行い、正極とした。正極は150℃で5時間以上の真空乾燥を行い、極板中の水分を除去して使用した。
SUS316端子を取り付けたSUS316メッシュ集電体の両面に厚さ300μmのリチウム金属箔を貼り付けてプレス加工したものを負極とした。
(参照極の作製)
SUS316集電棒に厚さ300μmのリチウム金属箔を貼り付けたものを参照極とした。
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、含フッ素系電解質塩であるLiPF6を1.2mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を作製した。該非水電解質中の水分量は50ppm未満とした。
露点−40℃以下のArボックス中においてガラス製の非水電解質電池を組み立てた。予め容器の蓋部分に導線部を固定した金メッキクリップに正極と負極と参照極とを各1枚ずつ挟んだ後、正・負極が対向するように固定した。参照極は負極から見て正極の裏側となる位置に固定した。次に、一定量の電解液を入れたポリプロピレン製カップをガラス容器内に設置し、そこに正極、負極及び参照極が浸かるように蓋をすることで電池を組み立てた。
まず、上記リチウム二次電池に対して温度25℃において、2サイクルの充放電を行う充放電工程に供した。充電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、電圧3.8V、15時間の定電流定電圧充電とし、放電条件は、電流0.1ItmA(約10時間率)、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。このとき、2サイクル目に得られた放電容量を「高温保存前放電容量(mAh)」として記録した。
実施例2で得られた正極活物質(LiFe0.99Co0.01PO4)とポリビニルアルコール(重合度約1500)とを質量比が1:1になるように秤量した後、ボールミルで乾式混合し、この混合物をアルミナ製の匣鉢に入れ、雰囲気置換式焼成炉にて窒素流通下(1.0リットル/分)で700℃、1時間焼成することでカーボンコートを行った。
実施例4で得られた正極活物質(LiFe0.981Co0.019PO4)について、実施例8と同様にしてカーボンコートを行った。
実施例7で得られた正極活物質(LiFe0.95Co0.05PO4)について、実施例8と同様にしてカーボンコートを行った。
比較例1で得られた正極活物質(LiFePO4)について、実施例8と同様にしてカーボンコートを行った。
比較例2で得られた正極活物質(LiFe0.90Co0.10PO4)について、実施例8と同様にしてカーボンコートを行った。
(LiFe0.995Co0.005PO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト四水和物(Co(CH3COO)2・4H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.995:0.005:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFe0.995Co0.005PO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFe0.995Co0.005PO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFe0.995Co0.005PO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、本発明に係るCoを0.5%置換したリン酸コバルト鉄リチウムA(LiFe0.995Co0.005PO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
上記の方法により製作したリン酸コバルト鉄リチウムA(LiFe0.995Co0.005PO4/C)と導電剤であるアセチレンブラックと結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを質量比87:5:8の割合になるように、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて、充分混練して、正極ペーストを製作した。この正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の両面に塗布し、乾燥した後に、プレス加工をおこなったものを正極板とした。
負極材料である人造黒鉛(平均粒径6μm、X線回折分析による面間隔(d002)0.337nm、c軸方向の結晶の大きさ(Lc)55nm)と結着剤であるPVdFとを質量比94:6の割合になるように、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて、充分混練して、負極ペーストを製作した。この負極ペーストを厚さ10μmの銅箔集電体上の両面に塗布し、乾燥した後に、プレス加工を行ったものを負極板とした。負極板には負極端子を抵抗溶接により溶接した。
(LiFe0.99Co0.01PO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト四水和物(Co(CH3COO)2・4H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.99:0.01:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFe0.99Co0.01PO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFe0.99Co0.01PO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFe0.99Co0.01PO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、本発明に係るCoを1%置換したリン酸コバルト鉄リチウムB(LiFe0.99Co0.01PO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
(LiFe0.981Co0.019PO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト四水和物(Co(CH3COO)2・4H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.981:0.019:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFe0.981Co0.019PO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFe0.981Co0.019PO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFe0.981Co0.019PO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、本発明に係るCoを1.9%置換したリン酸コバルト鉄リチウムC(LiFe0.981Co0.019PO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
(LiFe0.98Co0.02PO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト四水和物(Co(CH3COO)2・4H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.98:0.02:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFe0.98Co0.02PO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFe0.98Co0.02PO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFe0.98Co0.02PO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、本発明によるCoを2%置換したリン酸コバルト鉄リチウムD(LiFe0.98Co0.02PO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
(LiFe0.95Co0.05PO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、酢酸コバルト四水和物(Co(CH3COO)2・4H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が0.95:0.05:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFe0.95Co0.05PO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFe0.95Co0.05PO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFe0.95Co0.05PO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、本発明によるCoを5%置換したリン酸コバルト鉄リチウムE(LiFe0.95Co0.05PO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
(LiFePO4/Cの製作)
まず、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)と、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、炭酸リチウム(Li2CO3)とをモル比が1.00:1.00:0.51になるように計り取ったのちに、これらを窒素雰囲気下において溶媒にアルコールを用いて、ボールミルで2時間、粉砕・混合をおこないLiFePO4前駆体を得た。つぎに、そのLiFePO4前駆体を乾燥させたのちに、ロータリーキルンに投入し、気化させたメタノールと窒素との混合ガスを、メタノールの熱分解により生成するカーボン量がLiFePO4の2質量%になるように供給しながら、700℃、6時間の条件で焼成して、Coを置換していないリン酸鉄リチウムF(LiFePO4/C)を製作した。なお、そのキルンの回転速度は1r.p.m.とした。また、気化させたメタノールと窒素との混合ガスは、45℃に保持したメタノール溶液を密閉容器に封入し、キャリアガスとして窒素を用いてバブリングさせることによって製作した。
組み立てたリチウム二次電池A〜Fに対して、初期充放電を25℃で行った。初期充電は、1It(約1時間率、500mA)定電流で3.6Vまで、さらに3.6Vの定電圧で、合計3時間の定電流定電圧充電とした。続く初期放電は、1It(約1時間率、500mA)定電流で2.0Vまでの定電流放電とし、このときの放電電気量を「初期放電容量(mAh)」として記録した。つづいて、1It(約1時間率、500mA)定電流で3.6Vまで、さらに3.6Vの定電圧で、合計3時間の定電流定電圧充電を25℃で行ったのちに、その電池を60℃で10日間保存した。その後、1It(約1時間率、500mA)定電流で2.0Vまでの定電流放電を25℃でおこない、このときの放電電気量を「残存放電容量(mAh)」として記録した。続いて、1サイクルの充放電を25℃で行った。その充電は、1It(約1時間率、500mA)定電流で3.6Vまで、さらに3.6Vの定電圧で、合計3時間の定電流定電圧充電とした。続く放電は、1It(約1時間率、500mA)定電流で2.0Vまでの定電流放電とし、このときの放電電気量を「回復放電容量(mAh)」として記録した。また、前記「初期放電容量(mAh)」に対する前記「残存放電容量(mAh)」の百分率を「残存容量率(%)」として算出した。結果を表3及び図2に示す。さらに、前記「初期放電容量(mAh)」に対する前記「回復放電容量(mAh)」の百分率を「回復容量率(%)」として算出した。結果を表4及び図3に示す。
Claims (7)
- 一般式LiyFe(1−x)CoxPO4(0<x≦0.05、0≦y≦1.2)で表されるリン酸コバルト鉄リチウムを含み、Fe2Pの不純物相が認められないことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
- 一般式LiyFe(1−x)CoxPO4(0<x≦0.05、0≦y≦1.2)で表されるリン酸コバルト鉄リチウムを含み、LiyFePO4(0≦y≦1.2)よりも高温保存性能に優れたことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
- 前記xが、x<0.02であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- 一般式LiyFe(1−x)CoxPO4(0<x≦0.05、0≦y≦1.2)で表されるリン酸コバルト鉄リチウムを含む正極活物質を用いた正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる炭素材料を含む負極と、非水電解質を備えたリチウム二次電池。
- 前記正極活物質は、Fe2Pの不純物相が認められないことを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池。
- LiyFePO4(0≦y≦1.2)を含む正極活物質を用いたリチウム二次電池よりも高温保存性能に優れたことを特徴とする請求項4又は5に記載のリチウム二次電池。
- 前記正極活物質のxが、x<0.02であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
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