JP2004294193A - 放射線出力監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SRNM検出器1の出力信号はプリアンプ2で増幅された後、A/D変換器3でディジタル信号に変換される。このディジタル信号は信号識別部4で1次微分フィルタ処理により波形整形される。その際、両極性のパルスが生じるが、そのうちの後発のパルスを選択して波高弁別する。これにより、アンダーシュートの発生による誤計数を防止して、正確なパルス計測を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば沸騰水型原子炉に用いられる放射線出力監視装置に関するものであり、詳しくは広レンジの監視に用いられるパルス計測方法およびキャンベル計測方法、信号増加率(ペリオド)の監視方法、その耐ノイズ性または計測性能を改善するためのディジタル信号処理手法、さらに、これらを実装するディジタル信号処理素子の信頼性を確保するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、原子炉における放射性を計測する場合に、パルス計測およびキャンベル計測と呼ばれる計測方法が用いられる。このパルス計測およびキャンベル計測は、広いレンジの放射線を測定する場合に併用されるものであって、パルス計測の方は放射線検出器から出力されるパルス数を数えるものであり、そのパルスが重なり合って計数できない状態ではキャンベル計測が用いられる。
【0003】
例えば、最近の沸騰水型原子炉であれば、炉心を内包する原子炉圧力容器の内部に6〜10本のSRNM(Start up Ranged Neutron Monitor)検出器および100〜200本のLPRM(Local Power Ranged Monitor)検出器と呼ばれる放射線測定用の検出器が設置されており、これらの検出器の出力信号をそれぞれ起動領域モニタおよび出力領域モニタによって測定し、約11桁の監視幅で監視している。
【0004】
起動領域モニタは、原子炉起動監視装置などとも呼ばれる。この起動領域モニタは、原子炉出力の低い領域、つまり、検出器の出力パルスを正確に計測することのできる低出力範囲(10−9%〜10−4%)では、パルスの個数を計数する処理(これをパルス計測と呼ぶ)を行う。また、原子炉出力が高い領域、つまり、検出器の出力パルスが重なり合ってパルス数を正確に計測できない高出力範囲(10−5%〜10%)では、その出力パルスの重なりにより生じるゆらぎのパワーを測定する処理(これをキャンベル計測と呼ぶ)を行う。このように、出力範囲に応じてパルス計測とキャンベル計測を適宜切り替えて原子炉の起動時における放射線の出力監視を行っている。
【0005】
従来、このようなパルス計測およびキャンベル計測を用いた原子炉起動監視装置として、例えば特許文献1〜3などが知られている。
【0006】
以下に、特許文献1の「原子炉起動監視装置および炉内出力監視方法」を例にして従来の構成について説明する。
【0007】
図13は従来の原子炉における放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図であり、特許文献1に記載の装置構成に相当する。この原子炉起動監視装置は、SRNM検出器1と、アナログ式のプリアンプ2と、A/D変換器3と、パルス計数部5と、和演算部33と、パワー演算部34と、加算平均部35と、原子炉出力評価部36とから構成されている。
【0008】
SRNM検出器1は、原子炉内の中性子に反応し、中性子束レベルに対応した信号(アナログ)を出力する。この出力信号をプリアンプ2で増幅した後、A/D変換器3にて高速にサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換し、パルス計数部5にてそのパルス数を計数する。一方、A/D変換器3で得られたサンプリング値を和演算部33で加算処理し、キャンベル計測に必要なサンプリングレートまで落とすと共に、ダイナミックレンジを稼ぐために加算処理して等価ビット数の改善を図る。その結果をパワー演算部34でバンドパスフィルタ処理を行った後、2乗演算して、さらに、加算平均部35で平均化処理してキャンベル出力値を算出する。
【0009】
このようにして、パルス計数部5で求められたパルス計数値と加算平均部35で求められたキャンベル値は、それぞれ原子炉出力評価部36に与えられる。原子炉出力評価部36では、パルス計数値とキャンベル値の両情報に基づいて監視対象である原子炉の出力評価を行い、その結果を画面上に表示する。
【0010】
この原子炉起動監視装置では、パルス計数部5によりパルスの波高のみではなく、パルス幅の情報も取り入れた弁別により、広いパルス幅のノイズを除去し、検出器出力信号パルスのみを計数できる。
【0011】
すなわち、例えば100nsパルス幅のSRNM検出器1の出力を25ns間隔でサンプリングする。このサンプリングデータのうち、パルス幅に相当するk−3番からk番目までの4つのサンプリング値[S(k)、S(k−1)、S(k−2)、S(k−3)]を用い、パルス立ち上がり部相当のサンプリング値S(k−3)、立ち下がり部相当のサンプリング値S(k)と、その間の2つのサンプリング値S(k−2)およびS(k−1)から下記のような演算を行い、その結果(Out(k))をパルス弁別の指標とし、予め設定したレベルの範囲内の場合、中性子パルスとして計数するものである。
【0012】
Out(k)=+b×S(k−2)+c×S(k−1)−a×S(k−3)−d×S(k) …(1)
上記(1)式の演算を行うことにより、SRNM検出器1の出力信号パルスとほぼ同じパルス幅の信号のみを計数することが可能となる。つまり、大きなサージ状のノイズに信号パルスが重畳した場合でも、パルスのグランドレベルを差し引くことで正確に計数することが可能となる。なお、このような検出器パルス形状に合致したケースを検出できる指標を複数設けて、ANDをとることによって、この識別性能は向上する。これにより、最もSRNMに混入しやすい数μs幅のサージノイズが混入しても、ほぼ完全に除去し、100ns幅の検出器パルスのみを計数可能である。
【0013】
一方、キャンベル計測に関しては、パワー演算部34により周波数帯域を制限し、2乗平均値を演算する。この構成では、ソフトウエアにより周波数帯域を設定できるため、ノイズが測定帯域と同等の周波数となった場合に測定帯域をソフトにより変更して、ノイズの誘導を低減することができる。
【0014】
また、この加算平均部35に関し、検出器出力信号を第1の時間幅で平滑化する第1の平滑化部と、第1の平滑化部の出力の履歴データから求められる閾値により異常値の部分を除去して補正値に置き換えるデータ平均化部と、このデータ平均化部の出力をさらに平滑化する第2の平滑化部とを備えることで、異常値を除去してキャンベル計測の外来ノイズによる誤動作を防止することが可能である。
【0015】
【特許文献1】
特開2000−162366号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平7−306292号公報
【0017】
【特許文献3】
特公平7−119824号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の監視装置では、以下のような問題があった。
【0019】
(1)第1の課題は、プリアンプ波形に起因するパルスの誤計数である。すなわち、信号ケーブル内の反射などにより放射線検出器から出力される信号のパルス形状にゆがみが生じ、本来のパルスとは反対極性のパルスが所謂アンダーシュートパルスとして発生することがある。通常、このようなアンダーシュートパルスの発生を防止するための工夫がなされているが、アンダーシュートパルスを完全に除くことは非常に困難である。
【0020】
この場合、パルスの波高のみによりパルス計測を行う構成では、パルスの極性のみを監視すれば良いので、アンダーシュートは問題とならない。しかし、ディジタル処理として微分処理を施した場合には、検出器から出力されるパルス(例えば正のパルス)に含まれるアンダーシュート成分(負のパルス)のために、当該パルス信号が両極性信号(正負の信号)に変換されるので、本来計数すべきパルス1個分が、2個に誤計数される可能性がある。
【0021】
この様子を図14に示す。
【0022】
図14はプリアンプ出力と2次微分フィルタ出力を模式的に示した図である。
今、プリアンプ出力を2次微分フィルタ処理して、そのフィルタ出力である信号の負極性のパルス数を計数するものとする。このような場合、アンダーシュート成分による負極正パルスが生成され、本来ピーク位置で生成される1個のパルスのみを計数するものが、このアンダーシュート成分による負極性パルスのために2個として誤計数されることになる。
【0023】
この現象は、検出器出力信号パルスの波高が一定であれば、波高弁別(予め閾値として設定された波高レベルとの比較によって正規パルスを識別する方法)にて対処可能である。しかしながら、パルスの波高は一定でない場合がほとんどであり、大きい波高のアンダーシュート成分が小さいパルスと誤計数される可能性がある。これを防ぐために、検出器に対して不感時間を定める方法が考えられるが、検出器にて計数可能な最大のパルス数が低下するといった問題がある。しかも、ディジタル信号処理の場合、その処理間隔がサンプリング間隔で規定されるため、不感時間もアナログ処理で処理するよりも長くなるという問題があり、改善が求められる。
【0024】
(2)第2の課題は、計数特性の検出器出力信号の形状依存性である。すなわち、原子炉内に設置されるSRNM検出器は、一般に、高計数率まで計数するために核分裂検出器が用いられており、これはパルス幅が100ns程度と狭く、一定の値となる。しかし、比例計数管、シンチレーション検出器などの他の放射線検出器のプリアンプ出力は、立上がりが早いが、パルスの立下りが非常に遅い場合がある。
【0025】
例えば、立ち上がりの時間幅は数百nsであるに対し、立ち下りの時間幅は数十μsである。測定装置をこれら検出器の測定にも流用するには、パルス幅の狭い信号と共に、パルスの立下り(テイル)の長い信号も同一の信号処理で計測できることが望まれている。
【0026】
(3)第3の課題は、キャンベル計測における異常値の除去方法に関してである。すなわち、異常値処理において、異常値を識別するための閾値を過去の履歴データの整数倍として設定する方法がある。しかし、例えば過去の履歴データの値がゼロの場合には、異常判定値もゼロとなり、正常な異常判定が行われないといった問題がある。従来、このようなデータ値がゼロの場合における対処は何ら行われていない。
【0027】
(4)第4の課題は、キャンベル計測における信号の増加率(ペリオド)の監視方法についてである。特に原子炉の出力監視では、信号増加率は重要であり、信号がe倍(自然対数の底)に増加する時間をペリオドというパラメータで規定して測定を行っている。
【0028】
このペリオド演算方法に関しては、特許文献2の「原子炉の中性子束モニタ方法原子炉起動監視装置および炉内出力監視方法」に記載されているようにディジタルフィルタにより実現する方法が採用されている。また、このペリオドを用いた原子炉の停止信号(スクラム信号)を発生する方法に関しては、特許文献3の「原子炉の起動域過渡状態監視装置およびプラントのスクラムを開始する装置」に記載されている。
【0029】
これら公報に記載の方法は、中性子信号の微分値による直接的な増加率監視ではなく、アナログフィルタを通過した遅延信号を利用したもので、ノイズに強く誤動作しないものとされる。しかしながら、原子炉運転のさらなる自動化と、誤動作の防止のためには、さらにペリオドの応答が速く、本来必要のない微小な過渡変動には応答しないペリオドによる原子炉停止または制御棒操作禁止方法が必要となる。
【0030】
(5)第5の課題としては、放射線出力監視装置の信号処理をディジタル信号処理で行う場合の装置構成に関するものである。つまり、検出器出力信号の波形を直接サンプリングし、それらを信号処理する場合には、高速のデータ通信と、その精度を確保するためにデータ表現に用いる数値のビット幅を大きくする必要がある。
【0031】
しかしながら、装置間または演算素子間またはA/D変換素子と演算素子間などの通信では、高速化に伴い、伝送路内の信号の反射、他の信号との干渉が生じ、伝送エラーが発生しやすくなる。また、データビット数を大きくした場合、そのbit数分の信号線が必要となり、データ間の干渉などによる誤動作が生じやすくなるという問題がある。
【0032】
さらに、原子炉の出力監視では、局所出力監視用の検出器(LPRM検出器)が約200本程度挿入され、それらの信号を信号処理することになる。仮に4台の計測器で処理するものとした場合、1台約50本の信号を処理しなければならない。通常、これらを信号処理するために、各信号を切り替えて、順次処理する方法が用いられているが、さらに高速のAD素子を用いた場合に時分割の設計が難しくなると共に、相互の干渉などの不具合事象が生じた場合に原因を究明することが難しくなることが予想される。つまり、処理が複雑になり、装置内の信号伝送経路が明確でなく、装置の信頼性を確保することが困難となるという問題が生じる。よって、高速のA/D変換を使った場合でも、高い信頼性を確保できる装置構成が望まれる。
【0033】
また、ディジタル演算装置を、プログラムロジックデバイス(PLD)等のスタティックRAMにデータまたは演算情報を格納した素子で実現するような場合、高放射線場では、そのプログラムがビット反転を起こし正常に動作しない場合が生じる。このような高放射線場でも動作不良がない信頼性の高い測定装置が望まる。
【0034】
本発明はかかる従来の事情に鑑みなされたものであり、原子炉内に設置された放射線検出器の出力信号をディジタル信号処理する場合における課題を解消して信頼性の高い放射線出力監視装置を提供することを目的とする。
【0035】
詳しくは、上記課題(1),(2)を解消するべく、ディジタル信号処理を用いたパルス計測に関し、波形のアンダーシュート等によるパルスの誤計数を防止することを目的とするものである。
【0036】
また、上記課題(3),(4)を解消するべく、ディジタル信号処理を用いたキャンベル計測に関し、耐ノイズ性の改善と、ペリオドトリップの応答性を改善することを目的とするものである。
【0037】
また、上記課題(5)を解消するべく、ディジタル信号処理のための装置構成に関し、信号間の干渉による誤動作を低減して高速にディジタルデータを処理できる信頼性の高い装置構成を提供することを目的とするものである。
【0038】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の請求項1に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号を1次微分フィルタ処理により波形整形した際に生じる両極性パルスの後発のパルスを選択してパルス識別処理を行う信号識別手段と、この信号識別手段によって識別されたパルス信号を計数するパルス計数手段とを具備して構成される。
【0039】
このような構成の放射線出力監視装置においては、原子炉内の放射線が放射線検出手段に入射すると内部で反応し、それに応じた電気信号が出力されてA/D変換手段に入力される。A/D変換手段では、この電気信号をディジタル信号に変換する。このディジタル信号は信号識別手段で1次微分フィルタ処理により波形整形される。
【0040】
その際、1次微分フィルタの出力が両極性のパルスとなるが、先に正パルスとなるか負パルスとなるかはフィルタ係数によって異なる。信号識別手段では、この両極性パルスの先行するパルスではなく、後発のパルスを選択し、その後発パルスを波高弁別することで検出器出力信号パルスを識別する。これにより、アンダーシュートによって生じる逆極性パルスによって1つのパルスが2個のパルスとして誤計数されることを防止できる。
【0041】
また、本発明の請求項2に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号を1次微分フィルタ処理により波形整形した際に生じる両極性パルスの先行または後発のパルスを波形特性に応じて選択し、その選択したパルスを波高弁別して識別する信号識別手段と、この信号識別手段によって識別されたパルス信号を計数するパルス計数手段とを具備して構成される。
【0042】
このような構成の放射線出力監視装置においては、放射線検出手段から出力される電気信号がA/D変換手段によりディジタル信号に変換された後、信号識別手段により1次微分フィルタ処理される。その際に、1次微分フィルタの処理結果として両極性のパルスが出力される。
【0043】
ここで、信号識別手段には、この両極性パルスの先行または後発のパルスを波形特性に応じて選択する機能を備えている。したがって、例えばアンダーシュートが大きい場合には上記請求項1の構成のように後発パルスを選択し、また、想定したパルス長よりも長くなる検出器の出力を測定する場合に先行パルスを選択することで正確なパルス計数が可能となる。
【0044】
また、本発明の請求項3に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号を波形整形する波形整形手段と、この波形整形手段の出力信号を所定の波高弁別レベルと比較し、その弁別レベルを超えた場合にパルス識別信号を出力する識別信号発生手段と、この識別信号発生手段から出力される上記パルス識別信号の継続発生時間を監視し、その継続発生時間が所定のパルス幅以上となった場合に上記パルス識別信号をリセットする識別信号リセット手段と、この識別信号リセット手段のリセットタイミングで得られる上記パルス識別信号のパルス数と、継続発生時間が所定のパルス幅未満である場合の上記パルス識別信号のパルス数とを計数するパルス計数手段とを具備して構成される。
【0045】
このような構成の放射線出力監視装置においては、放射線検出手段から出力される電気信号がA/D変換手段によりディジタル信号に変換される。波形整形手段では、このA/D変換手段により得られたディジタル信号(サンプリング値)をもとにディジタル演算によりノイズの除去等を行って波形整形する。識別信号発生手段では、この波形整形手段の出力信号の波高が所定のレベル以上の場合にパルス識別信号を出力する。
【0046】
ここで、識別信号リセット手段では、このパルス識別信号の継続発生時間をモニタして、予め規定された1個のパルス幅相当以上にパルス識別信号が継続した場合には当該信号をリセットする。これにより、複数のパルスが重なって1個の長いパルスして連続して出力された場合でも、識別信号リセット手段によるリセットのタイミングで正しいパルス数に近い値をカウントしてその数を表示することが可能となる。
【0047】
(2)本発明の請求項4に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号の周波数帯域を制限する帯域制限手段と、この帯域制限手段の出力信号のn乗値(n≧2)を算出するn乗値演算手段と、このn乗値演算手段によって得られたn乗値を第1の時間幅で平滑化する第1の平滑化手段と、この第1の平滑化手段の出力信号の履歴データと所定のオフセット値とに基づいて異常判定値を算出し、当該出力信号から上記異常判定値を超える部分を除去するデータ除去手段と、このデータ除去手段の出力信号を第2の時間幅で平滑化する第2の平滑化手段と、この第2の平滑化手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出して評価する評価手段とを具備して構成される。
【0048】
このような構成の放射線出力監視装置においては、放射線検出手段から出力される電気信号がA/D変換手段によりディジタル信号に変換された後、バンドバスフィルタ等からなる帯域制限手段を介してn乗値演算手段に与えられる。n乗値演算手段では、この帯域制限手段の出力信号のn乗値を算出する。このn乗値は第1の平滑化手段で第1の時間幅で平滑化された後、データ除去手段に与えられる。
【0049】
データ除去手段では、第1の平滑化手段の出力信号から異常判定値(異常判定用の閾値)を超える部分を除去する。このとき用いられる異常判定値には、所定のオフセット値が含まれている。したがって、履歴データがゼロの場合に異常判定値もゼロとなって正常な異常判定が行われないといった問題を解消し、キャンベル計測を高精度に行うことができる。
【0050】
また、本発明の請求項5に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、有限長インパルス応答型ディジタルフィルタからなり、上記放射線強度算出手段によって算出された放射線強度を加重平均化処理する加重平均化手段と、この加重平均化手段によって加重平均化された放射線強度と元の放射線強度とを比較し、上記加重平均化された放射線強度よりも上記元の放射線強度が大きい場合にトリップ信号を出力するトリップ判定手段とを具備して構成される。
【0051】
このような構成の放射線出力監視装置においては、放射線検出手段の出力信号はA/D変換手段に入力し、ディジタル信号に変換される。このディジタル信号は、放射線強度算出手段で放射線強度に変換される。この放射線強度は、加重平均化手段によって加重平均化処理されてトリップ判定手段に与えられる。トリップ判定手段では、この加重平均化された放射線強度と元の放射線強度とを比較して上記加重平均化された放射線強度よりも上記元の放射線強度が大きい場合にトリップ信号を出力する。
【0052】
ここで、上記加重平均化手段として、有限長インパルス応答型ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)を用いることで、フィードバックを有する1次遅れのディジタルフィルタに比べてトリップの発生タイミングを安定化させて、その応答特性を改善できる。
【0053】
また、本発明の請求項6では、上記請求項5記載の放射線出力監視装置において、上記ディジタルフィルタのステップ応答の遅延時間がトリップ応答の要求仕様を満たすように、上記加重平均化手段によって放射線強度の加重平均化を行う際の加重値が設定されていることを特徴とする。
【0054】
このような構成の放射線出力監視装置においては、フィルタ設計時の遅延時間を原子炉のトリップ応答で要求される値に設定しておくことで、要求仕様内でトリップを発生させることが可能となる。
【0055】
また、本発明の請求項7に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、1つまたは複数の有限長インパルス応答型ディジタルフィルタからなり、上記放射線強度算出手段によって算出された放射線強度を加重平均化処理する加重平均化手段と、この加重平均化手段の出力信号と上記放射線強度と上記ディジタルフィルタの加算数から決定される遅れ時間に基づいて信号の増加率を算出するペリオド算出手段とを具備して構成される。
【0056】
このような構成の放射線出力監視装置においては、放射線検出手段の出力信号はA/D変換手段に入力し、ディジタル信号に変換される。このディジタル信号は、放射線強度算出手段で放射線強度に変換される。
【0057】
この放射線強度は、有限長インパルス応答型ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)からなる加重平均化手段によって加重平均化処理される。その際、ペリオドの監視範囲を広くするためには、異なる遅延時間を有する複数のFIRフィルタを用いて遅延時間の異なる出力を出力する。
【0058】
ペリオド算出手段では、この加重平均化手段の出力信号と元の放射線線強度とフィルタ加算数(TAP数)を基に信号の増加率(ペリオド)を算出する。この場合、FIRフィルタの遅延時間はTAP数/2で規定され、ランプ型の信号変化では、この遅延時間分遅れた信号が出力される。つまり、遅れ時間をTcとすると、FIRフィルタのTAP数をTc/e(自然対数の底)×2に選定する。
これにより、ペリオドTの逆数をφ/ψ/Tcにより評価することが可能となる。
【0059】
ただし、ペリオド監視範囲はTd以内であるため、複数のFIRフィルタを用意しておき、早いペリオドに対してはTdの短いFIRフィルタを用い、遅いペリオドである信号に対してはTdの長いFIRフィルタを用いることが好ましい。このように、フィードバックを有する1次遅れのディジタルフィルタに比べ、応答の速いトリップの表示が可能となる。
【0060】
(3)本発明の請求項8に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する複数の放射線検出手段と、これらの放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、これらのA/D変換手段の出力信号をディジタル信号処理して放射線強度を算出する放射線強度算出手段とを備え、上記各A/D変換手段と上記放射線強度算出手段との間をシリアル伝送で接続したことを特徴とする。
【0061】
このような構成の放射線出力監視装置においては、原子炉内に設置された複数の放射線検出手段の出力信号をA/D変換手段によりディジタル信号に変換した後、放射線強度算出手段によりそのディジタル信号を処理して放射線強度を算出する。この場合、これらのA/D変換手段と放射線強度算出手段との間がシリアル伝送で接続されているため、他の放射線検出手段の有無に関係なく、個別の接続を可能とし、他の信号との相互干渉を防止してディジタル信号処理を高速かつ高精度に実行できるようになる。
【0062】
また、本発明の請求項9に係る放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、このA/D変換手段の出力信号をディジタル信号処理して放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、この放射線強度算出手段によるディジタル信号処理のためのロジック構成を再構成する再構成手段と、この再構成手段による再構成後の動作を検証する動作検証手段とを具備して構成される。
【0063】
このような構成の放射線出力監視装置においては、原子炉内に設置された複数の放射線検出手段の出力信号をA/D変換手段によりディジタル信号に変換した後、放射線強度算出手段によりそのディジタル信号を処理して放射線強度を算出する。
【0064】
ここで、例えばLANまたはその他の信号線から再構成の命令があると、再構成手段によって放射線強度算出手段によるディジタル信号処理のためのロジック構成が再構成される。また、動作検証手段により、その再構成後の動作が検証される。これにより、放射線環境下で生じるディジタル信号処理の誤動作を防止し、信頼性の高い測定が可能となる。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の放射線出力監視装置について説明する。
【0066】
なお、本発明の放射線出力監視装置は、原子炉の起動時における放射線の出力監視を行うものであり、特に放射線検出器の出力信号をディジタル信号処理することで、その出力監視を行うものである。以下では、ディジタル信号処理を用いたパルス計測、キャンベル計測、そして、ディジタル信号処理を行う場合の装置構成について各実施形態に分けて説明する。
【0067】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態として、ディジタル信号処理を用いたパルス計測において、特に検出器出力信号を1次微分フィルタ処理したときに生じるアンダーシュートの補正方法について説明する。
【0068】
図1は本発明の第1の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。この放射線出力監視装置は、SRNM検出器1と、プリアンプ2と、A/D変換器3と、信号識別部4と、パルス計数部5とからなる。
【0069】
SRNM検出器1は、炉心を内包する原子炉圧力容器の内部に設置される放射線検出器であって、原子炉出力つまり炉内の中性子束を監視するために用いられる。このSRNM検出器1は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2に出力する。プリアンプ2は、このSRNM検出器1からの信号を増幅してA/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、プリアンプ2にて増幅されたSRNM検出器1の出力信号を高速にサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0070】
信号識別部4は、1次微分フィルタを有し、A/D変換器3にてディジタル信号に変換された検出器出力信号を1次微分フィルタ処理により波形整形する。また、本実施形態では、この信号識別部4は、そのフィルタ出力である両極性パルスのうちの後発のパルスを用いて検出器出力信号を識別する機能を有する。パルス計数部5は、信号識別部4によって識別されたパルスを計数する。
【0071】
なお、上記SRNM検出器1は、パルス出力が得られる核分裂検出器であるが、他のパルス出力が得られる電離箱等の放射線検出器でも適用可能である。
【0072】
このような構成において、SRNM検出器1に中性子が入射し、内部で核分裂すると電流パルス(アナログ信号)が出力される。このときの電流パルスの時間幅は100ns程度である。この電流パルスはプリアンプ2に入力され、増幅される。プリアンプ2には、SRNM検出器1へ電圧を印加するなどの機能も備えられている。
【0073】
プリアンプ2にて増幅された電流パルスは、A/D変換器3に入力され、ここで例えば25ns間隔等のサンプリング時間間隔でサンプリングされ、ディジタル信号に変換される。このサンプリング間隔は短いほど波形の情報を多く抽出でき、他の誤信号、例えば外来ノイズによる信号を除いて検出器出力信号パルスのみを正確に計数することが可能となる。なお、A/D変換器3では、サンプリング前に、サンプリング処理に必要な周波数帯域に制限するバンドパスフィルタ処理も行っている。A/D変換器3にてディジタル化された検出器出力信号は信号識別部4に入力され、1次微分フィルタ処理により波形整形される。
【0074】
ここで、A/D変換器3の出力信号(ディジタル化された検出器出力信号)を1次微分フィルタ処理した場合に、当該信号が両極性のパルス信号(正負のパルス信号)に変換される。このため、波高弁別レベルによってノイズ分の弁別を行っても、本来計数すべきパルス1個分が2個のパルスとして出力される可能性がある。
【0075】
そこで、本実施形態では、信号識別部4において、上記両極性パルスのうちの後発のパルスを本来のパルスとして用い、これを所定の波高弁別レベルにて識別処理する。
【0076】
具体的に説明すると、例えば25ns毎にサンプリングしたサンプル値4つを時間の早い順に、S(k−3)、S(k−2)、S(k−1)、S(k)とした場合において、
Out(k)=−1×S(k−3)−1×S(k−2)+1×S(k−1)+1×S(k) …(2)
といった1次微分フィルタ相当の処理を行うものとする。
【0077】
このときの1次微分フィルタ演算結果を波形で表すと、図2(a)のようになる。図2(a)はプリアンプ出力波形と上記(2)式の1次微分フィルタ演算結果とを比較して示した図であり、図中の一点鎖線で示す波形が1次微分フィルタ演算結果である。
【0078】
すなわち、上記(2)式による1次微分フィルタ処理を行うと、本来の出力パルス(負極性のパルス)とは反対の正極性のパルスがはじめに発生し、その後に続いて負極性のパルスが発生する。したがって、後発の負側のパルスを選択すれば、誤計数を防止することができる。そこで、信号識別部4において、後発の負極性パルスに着目し、その波高を予め設定された弁別レベルと比較し、その波高の電圧が弁別レベルよりもマイナス電圧であれば、検出器出力信号パルスであると判定してパルス計数部5に出力する。
【0079】
一方、以下のような演算を行った場合には図2(b)のようになる。
【0080】
Out(k)=1×S(k−3)+1×S(k−2)−1×S(k−1)−1×S(k) …(3)
上記(3)式による演算結果では、後発が正極性パルスとなって重なる。したがって、この重なった後発パルスに対して波高弁別を行うことで、アンダーシュートによる誤計数を防止することができる。さらに、この後発パルスに対して2乗演算した後に、波高弁別するなどの手法も適用可能である。
【0081】
なお、正と負のパルスのどちらを用いるのかは、そのときのフィルタ係数に応じて決められる。
【0082】
このように、検出器出力信号に対するディジタル信号処理に1次微分フィルタを採用した場合において、そのときに生じる両極性のパルスのうちの後発パルスの方を本来の出力パルスとして選択して波高弁別することで、アンダーシュートによる誤計数を防止して正確なパルス数を計測することができる。また、これにより、波高弁別のレベルを下げることが可能となり、小さな信号まで正確に計測できるようになる。
【0083】
次に、SRNM検出器1から出力されるパルスの波形が長い場合での信号処理方法について説明する。
【0084】
図3にSRNM検出器1のパルス形状の立下りが長い場合の1次微分フィルタ出力を上記(2)式および上記(3)式で処理した結果を示す。図3(a)が上記式2で処理した結果、同図(b)が上記式3で処理した結果に対応しており、図中の一点鎖線で示す波形が1次微分フィルタ出力である。いずれも、1次微分フィルタ処理の先行パルスを波高弁別することで、検出器出力信号の立ち上がり部を計数できる。
【0085】
ここで、1次微分フィルタの出力である両極性パルスの先行パルスまたは後発パルスを選択できる機能を上述した信号識別部4に設けておき、検出器出力パルスの波形特性に応じて、例えば予め想定されているパルス幅よりも長い波形となる場合には先行パルスを選択し、また、アンダーシュートが大きい信号となる場合には後発パルスを選択するものとする。どのような波形特性となるのかは検出器の種類に決まる。したがって、例えば検出器の機種別に先行パルスまたは後発パルスを選択するように予め設定しておくことで対応できる。また、その都度、検出器の出力波形を分析して適切な方のパルスを自動的に選択するといった構成も可能である。
【0086】
このように、信号識別部4に先行パルス/後発パルスの選択機能を設けたことで、例えば出力パルスの立ち下り部分が長い検出器を用いた場合であっても、本ロジックをそのまま適用でき、正確なパルス計数を実現できる。
【0087】
また、両者の計数分布を比較することによって、アンダーシュートの影響を評価することが可能となる。
【0088】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2実施形態として、ディジタル信号処理を用いたパルス計測において、特にパイルアップの補正方法について説明する。
【0089】
図4は本発明の第2の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。この放射線出力監視装置は、SRNM検出器1と、プリアンプ2と、A/D変換器3と、波形整形部6と、識別信号発生部7と、識別信号リセット部8と、パルス計数部5とからなる。
【0090】
これらのうち、SRNM検出器1、プリアンプ2、A/D変換器3については上記第1の実施形態(図1)と同様である。すなわち、SRNM検出器1は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2に出力する。プリアンプ2は、このSRNM検出器1からの信号を増幅してA/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、プリアンプ2にて増幅された検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0091】
ここで、第2の実施形態では、A/D変換器3の後段に識別信号発生部7、識別信号リセット部8、パルス計数部5が設けられている。
【0092】
波形整形部6は、A/D変換器3にてディジタル信号に変換された検出器出力信号をフィルタ処理により波形整形する。識別信号発生部7は、波形整形部6の出力信号を予め設定された波高弁別レベルと比較して、所定の条件を満たす場合にパルス識別信号を発生する。識別信号リセット部8は、識別信号発生部7から出力されるパルス識別信号の発生時間をモニタし、その継続時間が所定のパルス幅以上となった場合に当該パルス識別信号をリセットする。パルス計数部5は、識別信号リセット部8のリセットタイミングで得られるパルス識別信号のパルス数と、継続発生時間が所定のパルス幅未満であり、リセットされなかった場合のパルス数との両方を計数する。
【0093】
このような構成において、SRNM検出器1に中性子が入射し、内部で核分裂すると電流パルス(アナログ信号)が出力される。この電流パルスはプリアンプ2にて増幅された後、A/D変換器3に与えられる。A/D変換器3では、この電流パルスを例えば25ns間隔等のサンプリング時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する。A/D変換器3にてディジタル化された検出器出力信号は、波形整形部6にてフィルタ処理されて波形整形されてから識別信号発生部7に与えられる。
【0094】
ここで、識別信号発生部7は、波形整形部6の出力信号と予め設定された波高弁別レベルとを比較して、出力信号が波高弁別レベルを超える場合にパルス識別信号を発生する。識別信号リセット部8は、このパルス識別信号の継続発生時間(つまりパルス幅)を監視し、それがSRNM検出器1の種類によって決まる所定のパルス幅以上となった場合にリセット信号を識別信号発生部7に対して出力する。これにより、識別信号発生部7では、このリセット信号が入力されたときにパルス識別信号をある一定の時間だけリセットした後、再び波形整形部5の出力信号を処理して上記同様にしてパルス識別信号を発生する。
【0095】
図5にこれらの処理を模式的に示す。
【0096】
図5はパルス識別信号のリセット処理を説明するための図であり、波形整形部5から複数のパルスが波高弁別レベルを超えて重なり合った状態で出力された場合を示している。このような場合、通常のパルス計数では、図中のパルス識別信号のように1つの連続した出力となり、この信号を計数すると1個のパルスとしてカウントされる。
【0097】
本実施形態では、SRNM検出器1によって規定されるパルス幅を基準として、このパルス幅以上のパルス識別信号が連続的に出力された場合に当該パルス識別信号を一時的にリセットする。つまり、上記SRNM検出器1のパルス幅を基準にしてリセット信号を出力することで、パルス識別信号を所定のパルス幅単位で分割する。これにより、複数のパルスが重なり合った状態で出力されている場合でも、ほぼ正しいパルス数を得ることができる。
【0098】
図5の例では、パルス識別信号が3つに分解されている。つまり、本来5個の中性子パルスが発生している本ケースにおいて、3個のパルスとして計数されることになり、パルスのパイルアップによる計数損失を低減することが可能となる。
【0099】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、ディジタル信号処理を用いたパルス計測において、出力信号に含まれる異常値の除去方法について説明する。
【0100】
図6は本発明の第3の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。この放射線出力監視装置は、SRNM検出器1と、プリアンプ2と、A/D変換器3と、バンドパスフィルタ9と、n乗演算装置10と、第1の平滑部11と、データ除去平均装置12と、第2の平滑部13と、中性子評価装置14とからなる。
【0101】
これらのうち、SRNM検出器1、プリアンプ2、A/D変換器3については上記第1の実施形態(図1)と同様である。すなわち、SRNM検出器1は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2に出力する。プリアンプ2は、このSRNM検出器1からの信号を増幅してA/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、プリアンプ2にて増幅された検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0102】
ここで、第3の実施形態では、A/D変換器3の後段にバンドパスフィルタ9、n乗演算装置10、第1の平滑部11、データ除去平均装置12、第2の平滑部13、中性子評価装置14が設けられている。
【0103】
バンドパスフィルタ9は、A/D変換器3にてディジタル信号に変換された検出器出力信号の周波数帯域を制限して波形整形する。n乗演算装置10は、このバンドパスフィルタ9の出力信号のn乗演算(n≧2)を行う。第1の平滑部11は、このn乗演算装置10によって算出されたn乗値を平滑化する。データ除去平均装置12は、第1の平滑部11の出力信号に含まれる異常値を除去する。
第2の平滑部13は、このデータ除去平均装置12によって異常値が除去された信号を平滑化する。中性子評価装置14は、キャンベル計測のための評価処理を行うものであり、第2の平滑部13の出力信号を放射性強度(中性子束)に換算して評価する。
【0104】
また、上記データ除去平均装置12は、4bitシフト器15と、オフセット加算器16と、比較器17と、補正値設定装置18と、信号選択器19とから構成される。
【0105】
4bitシフト器15は、第1の平滑部11の出力信号の履歴データを8倍する。オフセット加算器16は、4bitシフト器15の出力値に一定のオフセット値を加算する。このオフセット加算器16によってオフセット値を加算した値が異常判定値(異常判定のための閾値)として用いられる。比較器17は、第1の平滑部11の出力と異常判定値とを比較する。補正値設定装置18は、第1の平滑部11の出力から異常値が検出された場合に置き換える補正値を設定する。
信号選択器19は、比較器17の比較結果に応じて第1の平滑部11の出力または補正値設定装置18の出力(補正値)を選択する。
【0106】
このような構成において、SRNM検出器1に中性子が入射し、内部で核分裂すると電流パルス(アナログ信号)が出力される。この電流パルスはプリアンプ2にて増幅された後、A/D変換器3に与えられる。A/D変換器3では、この電流パルスを例えば25ns間隔等のサンプリング時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する。A/D変換器3にてディジタル化された検出器出力信号は、バンドパスフィルタ9によって信号の帯域が制限されてn乗演算装置10に与えられる。なお、A/D変換器3にバンドパスフィルタ9の帯域制限機能を持たせても良い。
【0107】
ここで、n乗演算装置10では、バンドパスフィルタ9の出力信号をn次のモーメント値に変換する。例えばn=2の場合には、帯域制限された周波数範囲のパワー値に相当する値となる。このモーメント値は第1の平滑部11で平滑化された後、データ除去平均装置12に与えられる。そして、このデータ除去平均装置12によって当該信号の異常判定値を超える部分が除去された後、第2の平滑部13でさらに平滑された後、中性子評価装置14で放射性強度(中性子束)に換算される。
【0108】
データ除去平均装置12内では、過去の第1の平滑部11の履歴データの約8倍の値を4bitシフト器15で算出した後、その値にオフセット加算器16にて所定のオフセット値(>0)を加算した値を異常判定値として算出する。そして、比較器17において、最新の第1の平滑部11の出力値と異常判定値とを比較する。その結果、第1の平滑部11の出力値が異常判定値を超える場合には、その異常判定値を超える部分を信号選択器19にて補正値設定装置18で算出された値に置き換えて第2の平滑部13に出力する。
【0109】
このように、異常判定値を算出する際に、過去の履歴データの整数倍のみを用いるのではなく、そこにオフセット値を加えておくことで、履歴データがゼロの場合に異常判定値もゼロとなって正常な異常判定が行われないといった問題を解消することができる。これにより、キャンベル計測における突発的なノイズを除去する際の処理動作の安定性を確保して高精度な計測を可能とする。
【0110】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、ディジタル信号処理を用いたパルス計測において、ペリオドトリップの応答性能について説明する。
【0111】
図7は本発明の第4の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。この放射線出力監視装置は、SRNM検出器1と、プリアンプ2と、A/D変換器3と、中性子強度評価装置20と、FIRフィルタ・増幅装置21と、トリップ判定装置22とからなる。
【0112】
これらのうち、SRNM検出器1、プリアンプ2、A/D変換器3については上記第1の実施形態(図1)と同様である。すなわち、SRNM検出器1は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2に出力する。プリアンプ2は、このSRNM検出器1からの信号を増幅してA/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、プリアンプ2にて増幅された検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0113】
ここで、第4の実施形態では、A/D変換器3の後段に中性子強度評価装置20、FIRフィルタ・増幅装置21、トリップ判定装置22が設けられている。
【0114】
中性子強度評価装置20は、A/D変換器3にてディジタル信号に変換された検出器出力信号に基づいて第1の中性子強度(放射線強度)信号を算出する。FIRフィルタ・増幅装置21は、中性子強度評価装置20によって得られた第1の中性子強度信号を増幅した後、予め設計・評価した加重値に基づいて加算平均処理(FIRフィルタ処理)を行うことで第2の中性子強度信号を算出する。トリップ判定装置22は、第2の中性子強度信号より第1の中性子強度信号の方が大きくなった場合にトリップ信号を発生する。
【0115】
このような構成において、SRNM検出器1に中性子が入射し、内部で核分裂すると電流パルス(アナログ信号)が出力される。この電流パルスはプリアンプ2にて増幅された後、A/D変換器3に与えられる。A/D変換器3では、この電流パルスを例えば25ns間隔等のサンプリング時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する。A/D変換器3にてディジタル化された検出器出力信号は、中性子強度評価装置20に与えられる。
【0116】
中性子強度評価装置20では、A/D変換器3の出力信号(ディジタル化された検出器出力信号)に基づいて第1の中性子強度(放射線強度)信号を算出した後、これをFIRフィルタ・増幅装置21およびトリップ判定装置22に出力する。
【0117】
ここで、FIRフィルタ・増幅装置21では、第1の中性子強度信号のk番目のサンプリング順をS(k)とし、加算する個数をmとし、その加算時のn番目の加重値をa(n)とし、また、増幅度をGとした場合に下記のような増幅・加算処理を行って第2の中性子強度信号を算出する。
【0118】
FOUT(k)=G×(S(k)×a(m)+S(k−1)×a(m−1)+…+S(k−m+1)×a(1)) …(4)式
これら加重値は一般的なFIRフィルタの設計方法に従うものとする。
【0119】
(4)式によって算出された第2の中性子強度信号はトリップ判定装置22に与えられる。トリップ判定装置22では、この第2の中性子強度信号より第1の中性子強度信号の方が大きくなった場合にトリップ信号を発生して原子炉の起動を停止制御する。
【0120】
なお、このフィルタ部をアナログ信号処理での1次遅れフィルタで処理した場合、その伝達関数は、
1/(1+T・s)
T:時定数 …(5)式
となり、ディジタルフィルタで実現した出力をフィードバックするフィルタで構成される。
【0121】
これに対して、一般にFIR(finite impulse response:有限長インパルス応答)フィルタはフィードバックを有せず、伝達関数としては極点を有しないものであり、ディジタル信号処理特有のものである。本実施形態では、このFIRフィルタをペリオド演算に適用するものである。
【0122】
図8および図9に中性子束変化に対する1次遅れフィルタの出力とFIRフィルタの出力を比較して示す。この出力は、例えば特公平7−119824号公報に記載されるスクラム基準に相当する。このスクラム基準を1次遅れフィルタとFIR型フィルタで比較した場合、信号の最終的な追従性はFIRフィルタの方が早いが、信号の立ち上がりの初期はFIRフィルタの方が遅く立ち上がるといった特長がある。
【0123】
トリップ信号は、このフィルタ出力であるスクラム基準と元の増幅しない中性子信号との比較により元の中性子信号が大きい場合に出力される。図8(a)、(b)に示すように、中性子信号の変化が少ない場合には、1次遅れフィルタとFIRフィルタの各出力は中性子信号よりも大きいため、トリップを発生しない。
【0124】
一方、図9(a)、(b)に示すように、中性子信号の変化が大きくなるとトリップを発生する。この場合、図9(a)に示すような信号変化では、FIRフィルタを用いた場合には信号増加開始の約15秒後にトリップを発生するが、1次遅れフィルタを用いた場合には、信号増加開始の約40秒後でトリップを発生する。また、図9(b)のような急激な信号変化では、1次遅れフィルタとFIRフィルタの両方のシステムでトリップが発生する。この発生時間などは、フィルタの設計、信号の増加の仕方によって異なるが、FIR型フィルタを用いた場合には以下のメリットがあることがわかる。
【0125】
つまり、初期遅延のため、応答時間の変動が少ないことである。中性子束の変化は、累乗に増加する場合があり、また、出力のフィードバックがかかったシステムであり、その応答はアナログのフィードバックのかかったフィルタで近似しやすい。FIR型フィルタは、異なる応答形状を有しており、初期遅延が多い点である。この初期遅延の結果、図8、図9のような信号変化に対しては、トリップが生じる場合は、ほとんど信号変化開始から0〜30秒でトリップを発生する。これに対し、従来の1次遅延フィルタでは、0〜45秒など信号の変化によって応答時間が大きく異なる。
【0126】
一般には、信号変化が少ない場合は、応答が遅くとも信号は増加しないため、問題とならず、逆に過度なトリップを発生しない点で有利な場合もある。この初期の遅延時間をフィルタ設計で調整することで、トリップの必要な信号をほぼ同じ時間で応答できるというメリットがある。
【0127】
また、中性子信号とFIRフィルタ出力が交差する領域は、初期の立ち上がり遅れ部分である。つまり、この初期立ち上がりの遅延時間がトリップ応答の要求仕様を満たすように、FIRフィルタによって放射線強度の加重平均化を行う際の加重値を設定しておくことで、確実に要求仕様内でトリップを発生させることが可能となる。
【0128】
これらにより、トリップ発生が必要な信号変化に対しては、外来ノイズの除去特性を従来と同等とした条件で、信号変化からトリップ発生までの遅延時間を短くすることができる。
【0129】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、ディジタル信号処理を用いたパルス計測において、FIRフィルタを用いたペリオド表示方法について説明する。
【0130】
図10は本発明の第5の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。この放射線出力監視装置は、SRNM検出器1と、プリアンプ2と、A/D変換器3と、中性子強度評価装置20と、複数のFIRフィルタ23a,23b…と、ペリオド表示装置24とからなる。
【0131】
これらのうち、SRNM検出器1、プリアンプ2、A/D変換器3については上記第1の実施形態(図1)と同様である。すなわち、SRNM検出器1は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2に出力する。プリアンプ2は、このSRNM検出器1からの信号を増幅してA/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、プリアンプ2にて増幅された検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0132】
ここで、第4の実施形態では、A/D変換器3の後段に中性子強度評価装置20、複数のFIRフィルタ23a,23b…、ペリオド表示装置24が設けられている。
【0133】
中性子強度評価装置20は、A/D変換器3にてディジタル信号に変換された検出器出力信号に基づいて第1の中性子強度(放射線強度)信号を算出する。FIRフィルタ23a,23b…は、それぞれに異なる遅延時間を有し、中性子強度評価装置20から出力される放射線強度信号の加重平均化処理を行う。ペリオド表示装置24は、これらのフィルタ出力と元の中性子強度信号(放射線強度信号)とFIRフィルタの加算数(TAP数)から決定される遅れ時間に基づいて信号の増加率を算出して表示する。
【0134】
このような構成において、SRNM検出器1に中性子が入射し、内部で核分裂すると電流パルス(アナログ信号)が出力される。この電流パルスはプリアンプ2にて増幅された後、A/D変換器3に与えられる。A/D変換器3では、この電流パルスを例えば25ns間隔等のサンプリング時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する。A/D変換器3にてディジタル化された検出器出力信号は、中性子強度評価装置20に与えられる。
【0135】
中性子強度評価装置20では、A/D変換器3の出力信号(ディジタル化された検出器出力信号)に基づいて中性子強度(放射線強度)信号を算出した後、これを複数(ここでは2つの)FIRフィルタ23a,23b…およびペリオド表示装置24に出力する。この中性子強度評価装置20によって得られた中性子強度信号は、FIRフィルタ23a,23b…にて複数の異なる遅延時間に従って加重平均化処理されてペリオド表示装置24に出力される。
【0136】
ペリオド表示装置24では、これらのFIRフィルタ出力と元の中性子強度信号とFIRフィルタの加算数(TAP数)を基にして信号の増加率(ペリオド)を算出して画面上に表示する。
【0137】
ここで、例えば特開平7―306292号公報の「原子炉中性子束モニタ方法原子炉起動監視装置および炉内出力監視方法」に記載されているように、原子炉の増加率を示す指標であるペリオド信号τ(原子炉周期信号)は、
1/τ=(dΦ/dt)/Φ …(A)
τ:原子炉周期
Φ:中性子信号
で規定される。
【0138】
また、ディジタルフィルタを用いた場合は、
1/τ=(Φ/Ψ)/Tc …(B)
τ:原子炉周期
Φ:中性子信号
Ψ:1次遅れフィルタ出力
Tc:1次遅れフィルタ時定数
から算出される。
【0139】
上記(B)式の1次遅れフィルタとして、アナログフィルタと応答の異なるFIRフィルタを検討した結果、以下のことがわかった。
【0140】
まず、第1に設計方法に関し、上記(B)式における1次遅れフィルタの時定数の代わりに、以下の値を用いることで、上記(A)式と同じペリオドを表示可能なことである。なお、1次遅れフィルタの時定数は上記(5)式のTであり、ステップ応答において信号の63%を示す時間相当である。
【0141】
つまり、FIRフィルタの遅延時間は、フィルタ中の加算数(TAP数)の1/2にサンプリ時間をかけた値で一定である点に着目した。正確には対称な加重係数を用いたFIR型フィルタであるが、一般の設計手法では、中心対称の加重係数である。
【0142】
ここで、以下のような関係が成り立つものと仮定する。
【0143】
Φ=C×Td×Ψ
Φ:中性子信号
Ψ:1次遅れフィルタ出力
Td:FIRフィルタ遅延時間
C:増倍率
ペリオドτは、e倍(自然対数の底)の増加する時間で定義されているため、C=e/τとすると、
1/τ=(Φ/Ψ)/(e×Td) …(C)
τ:原子炉周期
Φ:中性子信号
Ψ:1次遅れフィルタ出力
Td:FIRフィルタ遅延時間
e:自然対数の底
となる。
【0144】
つまり、フィルタの加算数(TAP数)が決まれば、遅延時間Tdが決定し、上記(C)式からペリオドが算出できる。上記(A)式の微分による演算で算出されたペリオドと上記(C)式のFIRフィルタによる演算で算出されたペリオドを表示すると(図示せず)、信号変化後約10秒以降で、同一のペリオドを示すことが確認できる。
【0145】
ただし、信号のペリオドがTd以上の場合には本手法は適用できないため、この手法を用いる場合は、図10に示すように、遅延時間Tdの異なる複数のFIRフィルタ23a,23b…を設けておき、これらのペリオド値の中から最適なものを選択するといった方法を用いる。これにより、すべてのペリオドの信号範囲で監視可能となる。
【0146】
また、図11に上記(B)式の1次遅れフィルタで求めたペリオドと上記(C)式のFIRフィルタで求めたペリオドの表示例を示す。なお、上記(B)式の1次遅れの時定数は、上記(5)におけるT(時定数)と同じ値を用いている。
この図11から上記(C)式を用いた方が正しいペリオドを表示できることがわかる。
【0147】
ペリオド表示の精度は、信号の増加率によって変わるが、ペリオドの範囲がTd以内であれば、上記(B)式の方が上記(A)式のペリオドに近い値を示すことを確認できる。また、ペリオド表示の応答も、上記(C)式の方が約30秒と追従しており、これはフィルタの設計で決まる「e×Td」で追従することを示している。一方、上記(B)式では、最終的に指示値が安定するには50〜60秒程度必要となっており、上記(C)式の方が応答を早くすることが可能である。
【0148】
このように、従来のフィードバック型の1次遅れのディジタルフィルタを用いたペリオド表示装置に比べ、FIRフィルタを用いた本方式により応答の速いペリオド表示が可能となる。よって、ペリオドを用いて原子炉を自動制御する場合に、その制御スピードを向上することができる。
【0149】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態として、ディジタル信号処理のための装置構成について説明する。
【0150】
図12は本発明の第6の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図である。
【0151】
この放射線出力監視装置は、複数のSRNM検出器1a,1b…、これらのSRNM検出器1a,1b…に対して設けられたプリアンプ2a,2b…とA/D変換器3a,3b…、また、複数のLPRM検出器25a,25b…、これらのLPRM検出器25a,25b…に対して設けられたA/D変換器3c,3d…を備えると共に、これらの検出器出力信号をディジタル処理するためのSRNM監視装置26と中性子束監視用のPLD(プログラムロジックデバイス)27、そして、データ保存装置28、中性子束監視PLD27内に設けられたLANインターフェイス29、信号源32などを備える。
【0152】
SRNM検出器1a,1b…は、炉内の放射線(中性子)に反応してそのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をプリアンプ2a,2b…に出力する。プリアンプ2a,2b…は、それぞれに対応する検出器出力信号を増幅してA/D変換器3a,3b…に出力する。A/D変換器3a,3b…は、プリアンプ2a,2b…にて増幅された検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0153】
LPRM検出器25a,25b…は、SRNM検出器と同様に放射線検出器として用いられるものであるが、SRNM検出器とはその仕様が異なる。すなわち、このLPRM検出器25a,25b…は出力領域で使用され、炉内の局部的な中性子束レベルを検出して、そのレベルに対応した電気信号(アナログ信号)をA/D変換器3c,3d…に出力する。A/D変換器3c,3d…は、それぞれに対応する検出器出力信号をサンプリングしてディジタルのパルス信号に変換する。
【0154】
SRNM監視装置26は、A/D変換器3aによってディジタル化された検出器出力信号に基づいて中性子束(放射線強度)を算出する。中性子束監視PLD27は、SRNM検出器1bおよびLPRM検出器25a,25bの各信号をディジタル処理して中性子束を監視する。データ保存装置28は、中性子束監視PLD27によるディジタル信号処理のためのロジック構成データ(PLD内の信号処理素子の配置データ)を保存する。
【0155】
A/D変換器3a,3c,3d、中性子束監視PLD27、SRNM監視装置26はそれぞれシリアル差動伝送で接続される。SRNM監視装置26は、内部機能をPLD1、PLD2などの複数のPLDで構成され、これらも内部でシリアル差動伝送で接続される。
【0156】
このような構成において、SRNM検出器1aの出力信号は、プリアンプ2aで増幅された後、A/D変換器3aでサンプリングされてディジタル信号に変換される。そして、高速のシリアル差動伝送によりSRNM監視装置26に与えられ、中性子束(放射線強度)信号に変換される。このSRNM監視装置26内は第1のPLD30、第2のPLD31などの複数のプログラムロジックデバイスで構成されるが、これらはシリアル差動伝送による情報を交換する。
【0157】
同様にして、SRNM検出器1bの出力信号は、プリアンプ2bで増幅された後、A/D変換器3bでサンプリングされてディジタル信号に変換される。また、LPRM検出器25a,25bの出力信号は、それぞれA/D変換器3c,3dでディジタル信号に変換される。これらのディジタル信号は、シリアル差動伝送またはパラレル伝送で中性子束監視PLD27に与えられる。
【0158】
ここで、例えばA/D変換器3a〜3dのbit数が12bitで、SRNM監視装置26および中性子束監視PLD27D内のデータ表示のbit数が32bitであるとした場合、そのbit数分の配線が必要となると共に、PLDの出力ボートもその分確保する必要がある。また、PLD間の通信をバス型した場合には32bitの信号線をそれぞれ共有し、時間分割して、ぞれぞれの通信相手とデータ交換をする必要がある。
【0159】
これに対し、本実施形態のように各デバイス間にシリアル伝送を採用した場合には、数本の制御線と2本の信号線で通信できるため、信号線の大幅な削減が可能となる。また、バス型通信と異なり、専用線によるシリアル伝送を行うことで、信号の経路が明確となり、他の信号との相互干渉を防止できる。さらに、信号線が少なくなることでGRAND側の信号も専用の信号線を設けることができる。これにより、差動伝送が可能となり、外来からのノイズ誘導をほぼ完全に除去できると共に他の信号線からの誘導による誤動作を低減可能となる。
【0160】
一方、中性子束監視PLD27内には、LANインターフェイス29などの外部との通信機能を有する。また、中性子束監視PLD27内のロジック構成データ(信号処理素子の配置データ)はデータ保存装置28に保存されており、そのデータは書き換え可能な部分と書き換え不可の部分で構成される。データ保存装置28内のデータの書き換え要求が生じた場合に、LANインターフェイス29経由で書き換え可能な部分が書き換えられる。
【0161】
また、LANインターフェイス29経由でPLD自体のロジックを変更する要求がなされた場合には、上記データ保存装置28からロジックデータを読み込み、その読み込み終了後にPLD自体をリセットする。そして、新しい信号処理を実行するように中性子束監視PLD27の信号処理が変更される。
【0162】
また、リセットされたとき、外部の校正用信号源32または中性子束監視PLD27内に生成された信号源からの信号により中性子束監視PLD27の動作を検証する。これにより、書き込み後の動作の検証が可能となる。
【0163】
動作検証の方法としては、再構成後のデータの再読み込みと元データの比較、または、模擬信号に対する出力信号の期待値との比較などがある。このような動作検証の結果、ロジックデータの正常書き込みが行われていなかった場合、または、校正信号で異常が発生した場合には、自動的にデータ保存装置28内の書き込み不可部分のデータを読み込み、LANインターフェイス29からの命令を受け付けるような状態に復帰するものとする。
【0164】
このように構成することにより、例えば放射線場の強い場所にPLDを設置した場合など、その内部のロジックデータがbitエラーで正しく動作しない条件においても、再書き込みにより正常な信号処理が可能となり、信頼性の高い信号処理が可能となる。
【0165】
このように、高速のA/D変換素子を用いた場合でも、また、多数の信号を処理する場合でも、信号処理を行うPLD間、または、A/D変換素子とPLD間の信号線数を低減できる。また、伝送経路が明確となることにより外来ノイズまたは信号自体の干渉を防止でき、しかも、故障などが生じた場合、その影響を分離することが容易に可能となる。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、原子炉の放射線を検出する検出器の出力信号をディジタル信号処理する場合における課題を解消して信頼性の高い放射線出力監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】プリアンプ出力波形と1次微分フィルタ演算結果による波形とを比較して示す図。
【図3】プリアンプ出力波形とパルス幅の長い信号における1次微分フィルタ演算結果による波形とを比較して示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図5】パルス識別信号のリセット処理を説明するための図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図8】中性子束変化に対する1次遅れフィルタの出力とFIRフィルタの出力を比較して示す図。
【図9】中性子束変化に対する1次遅れフィルタの出力とFIRフィルタの出力を比較して示す図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図11】1次遅れフィルタで求めたペリオドとFIRフィルタで求めたペリオドの表示例を示す図。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図13】従来の原子炉における放射線出力監視装置の概略構成を示すブロック図。
【図14】プリアンプ出力と2次微分フィルタ出力の波形図であり、従来構成によるアンダーシュートの問題を説明するための図。
【符号の説明】
1…SRNM検出器、2…プリアンプ、3…A/D変換器、4…1次微分フィルタ、5…パルス計測部、6…波形整形部、7…識別信号発生部、8…識別信号リセット部、9…バンドパスフィルタ、10…n乗演算部、11…第1の平滑部、12…データ除去平均装置、13…第2の平滑部、14…中性子評価装置、15…4bitシフト器、16…オフセット加算器、17…比較器、18…補正値設定装置、19…信号選択器、20…中性子強度評価装置、21…FIRフィルタ・増幅装置、22…トリップ判定装置、23a,23b…FIRフィルタ、24…ペリオド表示装置、25…LPRM検出器、26…SRNM監視装置、27…中性子束監視PLD、28…データ保存装置、29…LANインターフェイス、30,31…PLD、32…信号源。
Claims (9)
- 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号を1次微分フィルタ処理により波形整形した際に生じる両極性パルスの後発のパルスを選択してパルス識別処理を行う信号識別手段と、
この信号識別手段によって識別されたパルス信号を計数するパルス計数手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号を1次微分フィルタ処理により波形整形した際に生じる両極性パルスの先行または後発のパルスを波形特性に応じて選択し、その選択したパルスを波高弁別して識別する信号識別手段と、
この信号識別手段によって識別されたパルス信号を計数するパルス計数手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号を波形整形する波形整形手段と、
この波形整形手段の出力信号を所定の波高弁別レベルと比較し、その弁別レベルを超えた場合にパルス識別信号を出力する識別信号発生手段と、
この識別信号発生手段から出力される上記パルス識別信号の継続発生時間を監視し、その継続発生時間が所定のパルス幅以上となった場合に上記パルス識別信号をリセットする識別信号リセット手段と、
この識別信号リセット手段のリセットタイミングで得られる上記パルス識別信号のパルス数と、継続発生時間が所定のパルス幅未満である場合の上記パルス識別信号のパルス数とを計数するパルス計数手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号の周波数帯域を制限する帯域制限手段と、
この帯域制限手段の出力信号のn乗値(n≧2)を算出するn乗値演算手段と、
このn乗値演算手段によって得られたn乗値を第1の時間幅で平滑化する第1の平滑化手段と、
この第1の平滑化手段の出力信号の履歴データと所定のオフセット値とに基づいて異常判定値を算出し、当該出力信号から上記異常判定値を超える部分を除去するデータ除去手段と、
このデータ除去手段の出力信号を第2の時間幅で平滑化する第2の平滑化手段と、
この第2の平滑化手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出して評価する評価手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、
有限長インパルス応答型ディジタルフィルタからなり、上記放射線強度算出手段によって算出された放射線強度を加重平均化処理する加重平均化手段と、
この加重平均化手段によって加重平均化された放射線強度と元の放射線強度とを比較し、上記加重平均化された放射線強度よりも上記元の放射線強度が大きい場合にトリップ信号を出力するトリップ判定手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 上記ディジタルフィルタのステップ応答の遅延時間がトリップ応答の要求仕様を満たすように、上記加重平均化手段によって放射線強度の加重平均化を行う際の加重値が設定されていることを特徴とする請求項5記載の放射線出力監視装置。
- 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換するA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号に基づいて放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、
1つまたは複数の有限長インパルス応答型ディジタルフィルタからなり、上記放射線強度算出手段によって算出された放射線強度を加重平均化処理する加重平均化手段と、
この加重平均化手段の出力信号と上記放射線強度と上記ディジタルフィルタの加算数から決定される遅れ時間に基づいて信号の増加率を算出するペリオド算出手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する複数の放射線検出手段と、
これらの放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、
これらのA/D変換手段の出力信号をディジタル信号処理して放射線強度を算出する放射線強度算出手段とを備え、
上記各A/D変換手段と上記放射線強度算出手段との間をシリアル伝送で接続したことを特徴とする放射線出力監視装置。 - 原子炉の起動時における放射線の出力レベルを監視する放射線出力監視装置において、
原子炉内の放射線に反応してそのレベルに応じた電気信号を出力する放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力信号を所定の時間間隔でサンプリングしてディジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、
このA/D変換手段の出力信号をディジタル信号処理して放射線強度を算出する放射線強度算出手段と、
この放射線強度算出手段によるディジタル信号処理のためのロジック構成を再構成する再構成手段と、
この再構成手段による再構成後の動作を検証する動作検証手段とを具備したことを特徴とする放射線出力監視装置。
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