JPH09274095A - 原子炉出力監視装置 - Google Patents
原子炉出力監視装置Info
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- JPH09274095A JPH09274095A JP8081140A JP8114096A JPH09274095A JP H09274095 A JPH09274095 A JP H09274095A JP 8081140 A JP8081140 A JP 8081140A JP 8114096 A JP8114096 A JP 8114096A JP H09274095 A JPH09274095 A JP H09274095A
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Abstract
ズ等に対する誤動作の防止とパイルアップ識別による計
測範囲を拡大し、原子炉出力監視中の診断と異なる計測
方法を同一ハードウェアで可能とした原子炉出力監視装
置を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る原子炉出力監視
装置は、放射線検出器出力を5nsec〜40nsecで
サンプリングするA/D変換装置16と、このディジタル
信号から出力パルスを識別するパルス識別回路18及びデ
ィジタル信号の一部で2つ以上の周波数帯域で信号パワ
ーを演算するパワー演算回路19と、この両回路18,19の
出力から放射線量を演算して原子炉出力異常時に原子炉
停止信号を発する放射線量演算回路20及び前記両回路1
8,19の出力から放射線検出器の異常診断をする検出器
診断回路21を備えた演算装置17からなることを特徴とす
る。
Description
力監視に係り、特に原子炉圧力容器内または外部に設置
して放射線検出器の出力信号により原子炉起動から出力
及び停止までの監視を行う原子炉出力監視装置に関す
る。
水型原子炉を例にすると、従来より定格出力時を監視す
る出力領域モニタと、起動及び停止時を監視する起動領
域モニタの2種類の原子炉出力監視装置により原子炉の
出力を監視している。
炉の出力は原子炉圧力容器1の内部に6〜10本のSRN
M検出器2(Start up Ranged Neutron Monitor, SRN
M)と、 100〜 200本のLPRM検出器3(Local Power
Range Monitor,LPRM)を設置している。また、その
出力はそれぞれ信号ケーブル4とパルスアンプ5を介し
て起動領域モニタ6に、また信号ケーブル4により出力
領域モニタ7において測定することにより原子炉の出力
監視をしている。
ルの低い領域では約80nsecのパルス幅である検出器
出力パルスの個数を計数すること(以後、パルス計測と
呼ぶ)により、また、放射線レベルが高い領域では、こ
の出力パルスの重なりにより生じるゆらぎのパワーを測
定して(以後、キャンベル計測と呼ぶ)起動及び停止の
原子炉を監視するものである。
では、出力領域モニタ7によって、LPRM検出器3の
直流成分を計測することにより(以後、直流計測と呼
ぶ)、原子炉出力を監視している。
放射線レベルの違いにより3種類の計測方法、すなわ
ち、パルス計測とキャンベル計測及び直流計測を用いて
いるために、それぞれハードウエアである構成の異なる
モニタによって監視が行われている。たとえば起動領域
モニタ6では、パルス計測を行うためにある波高レベル
以上のパルスを検出するパルス波高弁別回路8と、その
回数を監視するパルス演算器9を備えている。
ナログ回路で構成されているために複雑な処理が困難
で、最も単純なパルス波高によりパルス数を検出する方
法がとられている。またキャンベル計測を行う部分は、
測定周波数の帯域を限定すると共に、その帯域内の2乗
平均電圧を演算する回路を有する2乗平均回路10と、そ
の出力からキャンベル出力を演算するキャンベル演算装
置11とから構成されている。
する回路は、通常アナログ回路で実施されているため
に、その測定帯域は1〜2個に制限されている。さらに
出力領域モニタ7では、LPRM検出器3に可変高圧電
源12より高圧電圧を印加して、その出力は電流アンプ13
で増幅された後に、マルチプレクサ14によって複数の検
出器信号を順次切り替えると共に、直流成分演算器15に
よって直流成分の監視を行っている。
装置における第1の課題としては、放射線検出器の出力
パルスをアナログ回路により処置しているために、検出
器出力パルス波形に含まれる情報を十分利用できないこ
とがある。
アナログ回路によりあるレベル以上(以後、ディスクリ
レベルと称す)の波高であるパルス数を計測する従来の
原子炉監視装置では、パルスの重なりによってパルスの
裾野が重なった場合に、ディスクリレベルでは1個のパ
ルスとなり、パルス個数の数え落とし(以後、パルスパ
イルアップによる数え落とし)が生じる。
(カウント/秒)以上でパルスの計測ができなくなる。
なお、この場合にパルス波形の情報を利用すれば、重な
ったパルスも認識することが可能ではあるが、これには
アナログ回路として、複雑な回路が必要となることから
現実的ではなかった。
ス数の計測では、SRNM検出器2及びLPRM検出器
3である放射線検出器における放電によって発生する放
電パルス、または、原子炉監視装置の近傍で発生する電
磁誘導によるノイズパルスを計数して、誤った計測を行
う可能性がある。そのために、従来の原子炉出力監視装
置では、信号ケーブル4等に十分なるシールド処理を行
い、外来ノイズの誘導がないように施工に十分な注意を
する必要があった。
は、その波形が信号パルスと異なる場合がほとんどであ
るために、パルスの波高のみではなく、その他の波形の
情報を利用できれば、この誤計測を防止することができ
て、施工時の外来ノイズ対策を軽減することが可能であ
る。
射線検出器内に封入されているガス圧のリーク、または
電極間隔の異常によって変化するために、この波形を監
視することによって、これらの異常を計測中に検出可能
であるが、現状のシステムでは計測及び監視からシステ
ムを除外して(通常、バイパスと呼ぶ)、放射線検出器
の診断等を行う必要があった。
計測とキャンベル計測、またはキャンベル計測とパルス
計測を同時に行うには、それぞれの専用の回路を設ける
必要があり、従って回路規模が大きく、また複雑になる
という支障があった。
的少ない数の起動領域モニタ6は、パルス計測とキャン
ベル計測を切り替えて監視できるようになっているが、
それぞれ専用のパルス波高弁別回路8とパルス演算器9
と、2乗平均回路10及びキャンベル演算装置11とのアナ
ログ処理回路を設けた構成となっている。
処理する出力領域モニタ7では、回路が比較的簡単であ
る直流成分のみで監視しており、しかも、前記起動領域
モニタ6とは全く異なる信号処理部を用いている。すな
わち、従来の原子炉出力監視装置では、異なるハードウ
エアで実施していたために、それぞれの保守及び点検作
業が異なるという支障があった。従って、これを解決す
るためにハードウェア部の共通化、特に信号処理部の共
通化が望まれていた。
より、同一の放射線検出器に異なる原理の測定方法を簡
単に適用できるようになり、通常の一原理で測定してい
た場合より1つの放射線検出器の監視範囲を広くするこ
とができる。
ハードウエア構成を複雑にすることなく、従来行われて
いる直流計測と共にキャンベル計測を実装できれば、モ
ニタの信頼性及びコストはほとんど変わらないにもかか
わらず、原子炉圧力容器1内部のLPRM検出器3の位
置での放射線監視範囲が拡大して、放射線レベルの低い
段階で発生する局部振動を監視できて原子炉の監視性能
が向上する。
であれば、各計測の比率を監視することにより放射線検
出器の発生電荷量を推定でき、放射線検出器の異常診断
が計測中に可能となる。
器の出力パルス波形の情報を用いて、外来ノイズ等に対
する誤動作の防止とパイルアップ識別による計測範囲を
拡大する。さらに、放射線検出器の監視中診断による原
子炉出力監視の信頼性を向上させると共に、異なる計測
方法を同一のハードウェアによって行うことにより保守
点検の簡素化と全体のコストダウンを可能とした原子炉
出力監視装置を提供することにある。
項1記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、原子炉圧
力容器内または外部に設置した放射線検出器と、この放
射線検出器の出力信号を5nsec〜40nsecでサン
プリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置
と、前記ディジタル値から放射線検出器の出力パルスを
識別するパルス識別回路及び前記ディジタル値の一部を
用いて2つ以上の周波数帯域で信号のパワーを演算する
パワー演算回路と、前記パルス識別回路とパワー演算回
路の出力より放射線量を演算して原子炉の出力異常時に
は原子炉停止信号を発する放射線量演算回路及び前記パ
ワー演算回路とパルス識別回路の出力から前記放射線検
出器の異常を診断する検出器診断回路とを備えた演算装
置とからなることを特徴とする。
は、5nsec〜40nsecのサンプリング時間で実施
することにより、放射線検出器の出力パルス波形の特徴
を利用したパルス計測が可能となり、外来ノイズ等によ
る誤計測が防止できる。また、放射線検出器の出力をキ
ャンベル計測する場合においても、複数の周波数帯域の
信号を比較することにより耐ノイズ性を向上することが
できる。
線量演算回路において、放射線検出器の設置位置におけ
る放射線量に換算されると共に、これらの異常変化時に
は原子炉停止信号を発生する。また、検出器診断回路で
は、パワー演算回路とパルス識別回路のデータより検出
器の異常診断が行える。
とにより、原子炉出力監視装置に必要なパルス計測とキ
ャンベル計測が数値演算のみによって同時に可能とな
り、原子炉出力監視装置としてハードウエアの統一によ
り装置が小型化できる。
装置は、パルス識別回路が、サンプリングされた前後の
ディジタル値の増減を監視してその増減のパターンより
放射線検出器の出力パルスを識別することを特徴とす
る。パルス識別回路にて正常な信号パルスの増減の特徴
を識別することにより、パイルアップしたパルスの弁別
及びノイズの除去ができる。
装置は、パルス識別回路が、サンプリングされた前後の
ディジタル値の増減を監視してそのサンプリング値があ
る設定増加レベル以上に増加し、かつ前記サンプリング
後にある設定減少レベルに減少するパターンを検索して
パルスのピーク部分を検出するピーク検出手段と、サン
プリング値がある設定レベル以上に連続して増加する回
数を計数する増加幅検出手段とを設けたことを特徴とす
る。
より、入力されたパルスのピーク数を計数して、増加幅
検出手段によってパルスの立ち上がり時間を監視する。
また、これらの特徴を抽出することにより、ノイズパル
スと信号パルスを識別しながら、信号パルスのみの計測
ができる。
装置は、パルス識別回路が、複数のノイズ波形を記憶す
るノイズ波形記憶手段と、正常な検出器波形を記憶する
正常信号記憶手段と、サンプリングしたディジタル値の
パターンを前記ノイズ波形記憶手段及び正常信号記憶手
段とパターン比較を行うパターン比較手段とを設けたこ
とを特徴とする。
段に、予め発生が予想されるノイズ波形を記録する。ま
た正常信号記憶手段には、正常な検出器信号の波形を記
録しておく。この記録した各波形と、A/D変換装置の
出力とピーク形状、及び立ち上がりスピードと立ち下が
りスピードをパターン比較することにより、ノイズ波形
と信号波形の弁別ができる。
装置は、放射線量演算回路が、前記パワー演算回路の出
力である複数の周波数帯域の信号のうちで外来ノイズ等
の前記放射線検出器信号以外のノイズの影響が大きい帯
域を除いて放射線量を演算することを特徴とする。
波数帯域に分割して、その出力を放射線量演算回路に入
力する。放射線量演算回路では、各周波数帯域で信号以
外のノイズの影響の大きい周波数帯域を選定して、その
選定した帯域を除いた周波数帯域の信号から放射線量を
演算して、ノイズに影響されない計測を行う。
装置は、検出器診断回路が、検出パルスと認識されたデ
ィジタル値からパルス幅を演算するパルス幅演算手段
と、そのパルス幅を正常な検出器出力パルス幅と比較す
るパルス幅診断手段とを設けたことを特徴とする。
入力して、検出器診断回路のパルス幅演算手段にてパル
ス波形のパルス幅を演算する。この演算結果は、パルス
幅診断手段にて検出器正常時のパルス幅と比較して、パ
ルス幅の増加等あるレベル以上にパルス幅が増加した場
合は、放射線検出器の異常と診断する。これにより、原
子炉出力の監視を中断することなく放射線検出器の異常
を検出する。
装置は、検出器診断回路が、複数の周波数帯域の信号の
比率を正常時の信号の比率と比較する周波数成分診断手
段を設けたことを特徴とする。
の周波数分布を検出器診断回路の周波数成分診断手段に
入力する。この周波数成分診断手段では、前記信号を正
常時の信号の周波数分布と比較し、各信号成分の比率の
変動を監視して、あるレベル以上に比率が変化した場合
には、放射線検出器の異常と診断する。これにより、原
子炉出力の監視中において放射線検出器の異常を検出す
る。
装置は、原子炉圧力容器内または外部に設置した放射線
検出器と、この放射線検出器に可変電圧を印加する可変
高圧電源と、複数の放射線検出器信号を切り替えて順次
出力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力
を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタ
ル値に変換するA/D変換装置と、前記ディジタル値か
ら2つ以上の周波数帯域にて信号のパワーを演算するパ
ワー演算回路及び前記ディジタル値から放射線検出器の
直流電流を演算する直流成分演算回路と、前記パワー演
算回路と直流成分演算回路の出力より放射線量を演算し
て出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算
回路及び前記パワー演算回路と直流成分演算回路の出力
から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断回路
を備えた演算装置とからなることを特徴とする。
/D変換装置による5nsec〜40nsecのサンプリ
ング時間を採用することで、放射線検出器として出力領
域モニタに用いられるLPRM検出器の直流計測と共
に、キャンベル計測を行うことが可能となる。
器を用いて広い出力領域の監視をすることができる。ま
た、直流計測とキャンベル計測の演算を数値演算のみで
行えるので、例えば前記請求項1の原子炉出力監視装置
とハードウエアの共通化が可能となる。さらに、パワー
演算回路の出力と直流成分演算回路の出力の比率を検出
器診断回路で比較して、あるレベル以上に変化した場合
には、放射線検出器の異常として検出する。
装置は、可変高圧電源がA/D変換のサンプリング周期
に同期した可変電圧を放射線検出器に印加すると共に、
演算装置にA/D変換装置の出力であるサンプリングデ
ータを前記印加電圧ごとに区別するデータ選別手段を設
けたことを特徴とする。
タイミングは、データ識別回路に入力されてデータ識別
手段では、A/D変換装置からのディジタル値を検出器
ごと及び印加電圧の値ごとに区別して、複数の印加電圧
に対する各々の検出器信号を測定する。これにより、そ
れぞれの放射線検出器の複数の印加電圧での信号を同時
に得ることで、通常の測定では発見できない放電開始電
圧の低下等という異常を早期に検出する。
面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ
構成部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1実施の形態は請求項1及び請求項2に係り、図1の
ブロック構成図に示すように原子炉出力監視装置は、図
示しない炉心を形成する燃料棒からの中性子等の放射線
を検出するSRNM検出器2を原子炉圧力容器1内また
は外部に設置している。
より、パルス信号を増幅整形するパルスアンプ5に接続
されている。また、このパルスアンプ16は、入力したパ
ルス信号を5nsec〜40nsecでサンプリングして
ディジタル値に変換するA/D変換装置16と接続してい
る。さらに、前記A/D変換装置16は演算装置17に接続
されて構成されている。
らSRNM検出器2の出力パルスを識別するパルス識別
回路18と、前記ディジタル値の一部を用いて2つ以上の
周波数帯域で信号のパワーを演算するパワー演算回路19
を備えている。さらに、前記パルス識別回路18とパワー
演算回路19の出力より放射線量を演算して原子炉の出力
異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路20
と、前記パルス識別回路18とパワー演算回路19との出力
から前記SRNM検出器2の異常を診断する検出器診断
回路21とから構成されている(請求項1)。
る。なお、ここでは演算装置17におて、約80nsecの
パルス幅を有する中性子パルスが2個重なり合ったパル
ス信号の処理を例にして説明する。SRNM検出器2の
出力はパルスアンプ5において増幅整形されると共に、
5〜40nsecのサンプリング時間を有するA/D変換
装置16によってディジタル値に変換される。
間については、SRNM検出器2の約80nsecの出力
パルス幅を考慮して評価した結果から、1パルスを認識
するのに最低2個のサンプリングが必要であることが分
かった。また、下限は通常のパルスの立ち上がりが5〜
10nsec程度であるために、その立ち上がりを検出す
るために選定しているが、パルスの種類及び演算時間等
を考慮して、5〜40nsec内のサンプリング時間に任
意に設定する。
グされたディジタルデータは、演算装置17に入力される
が、図2の特性曲線図は、曲線22のパルス信号をここで
選定した5〜40nsec範囲内の約10nsecのサンプ
リング時間でサンプリングした状態を示す。
のディスクリレベル23を越えるパルスは1個であるた
め、一つのパルスとして計数される。しかしながら、パ
ルス識別回路18では、サンプリングされたデータの差を
監視して2個のパルスとして検出する。
リング点Sの変化率kに対して、(1)S4 −S5 <
k,(2)S5 −S6 >kまたはS6 −S7 >kの2条
件(ピーク検出条件)を満たしているため、1つのパル
スとして計測する。同様に、S9 〜S12についても上記
判定に当てはまるため、別の1パルスとして検出され
る。なお、変化率kの値は従来のディスクリレベル電圧
に相当し、一定または時間により可変の値である。
リアルタイムの処理が可能となり、従来1パルスとして
認識していたS3 〜S13のパルスパイルアップを、2パ
ルスと正確に識別してパルスの数え落としを減少させる
ことができる。これにより、パルスの数え落としにより
決まっていたパルス計測の測定範囲を広くすることがで
きる。
パルスは、図2に示すような約80nsecと短パルス幅
であるのに対して、通常の外来ノイズパルスは、図3の
特性曲線図の曲線24に示すように正負に振動するサージ
パルスである。この外来ノイズが従来の原子炉出力監視
装置に誘導された場合には、3つの山を3パルスとして
誤計数することになる。従って、従来はこれらの外来ノ
イズ誘導が起こらないように、信号ケーブル4にシール
ドを十分に施すことにより対処していた。
の曲線24のようなパルスの特徴を検出し、誤計数がない
ようにすることができる。すなわち、曲線24のパルスは
立ち上がり1μsec程度であり、サンプリング点S20
〜S30の差を監視していると、連続10個サンプリング値
の差が増加を示す。従って、図3の曲線24のパルスのよ
うに連続して増加した後に、前記のピーク検出条件を満
たしても、パルスとして計数しないようにすることによ
り、このような誤った計測を行わない(請求項2)。
回路18にて中性子パルスと認識されたデータから、パル
ス幅を推定して正常時のパルス幅との比較を行う。これ
によりSRNM検出器2の封入ガスがリークした場合に
は、パルス幅が変動することから放射線検出器の異常が
検出できる。
ほとんど重なり、パルスが計測できなくなるため、通常
はキャンベル計測を行う。しかし本第1実施の形態にお
いて、サンプリング時間で再現できる信号の周波数は12
MHz以下となり、SRNM検出器2の信号帯域の10M
Hzより十分高く、このサンプリングデータのみでキャ
ンベル計測が可能となる。
り周波数を制限した信号のパワーを測定して、放射線量
を演算するものであるが、その帯域にノイズが誘導した
場合には除去することができず、そのために十分なノイ
ズ対策が必要であった。しかしながらこのノイズ対策と
しては、特開平5-215860号「中性子検出器出力の監視装
置」記載の方法が知られており、本第1実施の形態にお
いては容易に実施可能である。
ィジタルバンドパスフィルタを有しており、それぞれ異
なる周波数帯域のパワーを出力することができる。ま
た、放射線量演算回路20では、これらの異なる帯域の信
号をそれぞれの検出感度で補正した後に平均処理を行っ
て放射線量を演算する。
た場合は、放射線量演算回路20において、各周波数帯域
の信号比率を監視して比率の異常な帯域をノイズの誘導
した帯域と判定して、放射線量を演算する平均処理から
前記帯域を除去する。これにより、ノイズの影響の少な
い計測が可能となる。
計測を行う場合にサンプリング時間を5〜40nsecに
選定したことによりパルスパイルアップによるパルスの
数え落としが減少して、パルス計測の上限を広げること
ができる。また、中性子パルスの波形の特徴を用いて、
外来ノイズを計数せずに耐ノイズ性の高い計測が可能と
なる。また、この測定中にパルス幅の検査が可能である
ことから、使用している放射線検出器の異常を早期に検
出できる。
波数に対するパワー分布を測定できることから、その分
布の変化によりノイズの除去と、放射線検出器の診断が
可能となり測定の信頼性が向上する。なお、それぞれの
処理をディジタル演算によって行えるために、専用のア
ナログ処理回路を必要としないので装置の小型化が可能
となる。
ディジタル演算のみで行われるので、ハードウェアを一
般に市販されている大型高速計算機等を使用しても実現
できることから、システムの汎用化が可能で装置全体の
コスト低減により、経済性を向上することができる。
出力監視装置における演算装置17のパルス識別回路18
に、図示しないピーク検出手段及び増加幅検出手段を設
けて構成する。この構成により、入力されたパルス信号
から、ピーク検出手段によりパルスのピーク数を係数
し、増加幅検出手段にてパルスの立上がり時間の監視を
する。次にこれらの特徴を抽出することにより、ノイズ
パルスと信号パルスを識別しながら、信号パルスのみを
計測することができる。
出力監視装置における演算装置17のパルス識別回路18
に、複数のノイズ波形を記憶する図示しないノイズ波形
記憶手段と、正常な検出器波形を記憶する正常信号記憶
手段、さらにサンプリングしたディジタル値のパターン
を前記ノイズ波形記憶手段及び正常信号記憶手段とパタ
ーン比較を行うパターン比較手段とを設けて構成する。
回路18のノイズ波形記憶手段に発生が予想されるノイズ
波形を、また正常信号記憶手段には正常な検出器信号の
波形を記録しておくことにより、これら予想されるノイ
ズ波形及び正常な検出器信号の波形と、A/D変換装置
16からの出力波形とピーク形状や立ち上がりスピード、
及び立ち下がりスピード等をパターン比較手段におい
て、パターン比較することによって、ノイズ波形と信号
波形の弁別を行うことができる。
演算速度が向上した場合に、中性子パルスの複数のパタ
ーンを正常信号記憶手段に記憶しておき、検出信号との
特徴比較を行うことによって、中性子パルスとノイズパ
ルスの弁別を行うことも可能である。
出力監視装置における演算装置17の放射線量演算回路20
は、パワー演算回路19の出力である複数の周波数帯域の
信号のうちで、外来ノイズ等のSRNM検出器2の信号
以外のノイズの影響が大きい帯域を除いて、放射線量を
演算する構成としている。
にてSRNM検出器2からの信号を複数の周波数帯息に
分割すると共に、その出力を放射線量演算回路20におい
て、各周波数帯域で信号以外のノイズの影響の大きい周
波数帯域を選定する。さらに、その選定した帯域を除い
た周波数帯域の信号から放射線量を演算する。これによ
り、ノイズに影響されない計測を行うことができる。
出力監視装置における演算装置17の検出器診断回路21
に、検出パルスと認識されたディジタル値からパルス幅
を演算する図示しないパルス幅演算手段と、そのパルス
幅を正常な検出器出力パルス幅と比較するパルス幅診断
手段とを設けた構成としている。
回路18の出力信号を検出器診断回路21に入力して、パル
ス幅演算手段にてパルス波形のパルス幅を演算し、この
演算結果をパルス幅診断手段においてSRNM検出器2
が正常の時のパルス幅と比較する。これにより、パルス
幅の増加等があるレベル以上に増加した場合には、SR
NM検出器2の異常と診断することにより、原子炉出力
の監視を中断することなく放射線検出器の異常検出をす
ることができる。
出力監視装置における演算装置17の検出器診断回路21
に、複数の周波数帯域の信号の比率を正常時の信号の比
率と比較する図示しない周波数成分診断手段を設けた構
成としている。
にて計算した検出信号のパワーの周波数分布を、検出器
診断回路21の周波数成分診断手段に入力して前記検出信
号を正常時の検出信号の周波数分布と比較する。さら
に、この各信号成分の比率の変動を監視して、あるレベ
ル以上に比率が変化した場合にはSRNM検出器2の異
常と診断する。これにより、放射線検出器の異常を原子
炉出力の監視中に検出することができる。
ブロック構成図に示すように原子炉出力監視装置は、図
示しない炉心を形成する燃料棒からの中性子等の放射線
を検出するLPRM検出器3を原子炉圧力容器1内また
は外部に設置している。このLPRM検出器3は信号ケ
ーブル4により、可変の高圧を供給する可変高圧電源12
及び、検出信号を増幅する電流アンプ13に接続されてお
り、この電流アンプ13は、複数の検出器出力を順次切り
換えて出力するマルチプレクサ14と接続されている。
グ信号を5nsec〜40nsecでA/D変換するA/
D変換装置25と接続していて、A/D変換装置25には、
その出力するディジタル値を入力する演算装置26が接続
されて構成している。なお、前記演算装置26は、2つ以
上の周波数帯域にて信号のパワーを演算するパワー演算
回路27と、前記ディジタル値からLPRM検出器3の直
流電流を演算する直流成分演算回路29が備えられてい
る。
算回路29の出力より放射線量を演算して、出力異常時に
は原子炉停止信号を発する放射線量演算回路28と、前記
パワー演算回路27と直流成分演算回路29の出力からLP
RM検出器3の異常を診断する検出器診断回路30とから
構成されている。
る。LPRM検出器3は通常原子炉の中に 100〜 200本
設置されているが、これらは監視の冗長性を考慮して複
数に分割され、それぞれ異なる出力領域モニタによって
監視されている。すなわち、最低の4分割の場合でも、
一つのモニタで最高約50本程度の処理が必要であり、通
常は、さらに冗長化を行うために、約10〜30本のLPR
M検出器3を同一のモニタで処理することが一般であ
る。
LPRM検出器3には、それぞれの可変高圧電源12から
可変の高圧が印加されると共に、各LPRM検出器3の
出力信号は電流アンプ13により増幅されてマルチプレク
サ14に入力される。
器出力を順次切り換えてA/D変化装置25に出力し、A
/D変化装置25では5〜40nsecでアナログデータを
ディジタル値に変換して演算装置26に出力する。なお、
この時に可変高圧電源12の電圧は、マルチプレクサ14の
切り替え周期およびA/D変化装置25におけるサンプリ
ング周期に同期して変化させる。
グ時間が5nsec〜40nsecであるために、各LP
RM検出器3の信号は50nsec〜 1.2μsecとな
る。また、LPRM検出器3の出力信号において、イオ
ンと電子両方による信号は約 300kHz以下であり、こ
の信号成分を再現するのに必要なサンプリング周波数は
1/(2× 300kHz)= 1.6μsecとなる。
センサーの 300kHz以下のパワーが測定可能であるこ
とからキャンベル計測が可能となる。このサンプリング
したデータは、演算装置26で演算処理されて原子炉内の
放射線量に変換される。すなわち、パワー演算回路27に
より、複数の周波数帯域におけるパワーが演算されてキ
ャンベル出力が計算される。また、直流成分演算回路29
においては、ローパスフィルタにより高周波成分および
ノイズ成分が除かれて、従来と同じ直流電流値の計測が
行われる。
装置28の機能は、上記の第1実施の形態で述べた内容と
ほぼ同じ機能である。従って、このような構成において
は、LPRM検出器3のキャンベル計測が容易に可能と
なり、LPRM検出器3の監視範囲を広くすることがで
きる。
範囲の点線31はLPRM検出器3によるキャンベル計測
をしたもので、実線32はLPRM検出器3による直流計
測、また実線33はSRNM検出器2によるパルス計測、
さらに実線34はSRNM検出器2によるキャンベル計測
の場合を示す。
RM検出器3の出力をキャンベル計測することで、従来
6〜10本のSRNM検出器2で監視していた起動領域の
うちで、高中性子束レベルの範囲は、炉心の約 100〜 2
00箇所に挿入されている多数のLPRM検出器3の位置
で監視できるようになり、原子炉における監視性能が向
上する。
1実施の形態の原子炉出力監視装置とほぼ同じ構成で実
現できるために保守の簡素化が可能となる。また、検出
器診断回路30では、第1実施の形態における周波数スペ
クトルによる診断と共に、直流電流とキャンベル出力の
比を簡単に比較することができて、LPRM検出器3の
診断が可能となる。
1 号公報「中性子検出器出力の監視法と装置」において
も開示されている。また、LPRM検出器3に印加する
可変高圧電源12は可変電圧発生器であるために、LPR
M検出器3からさまざまな電圧に対する検出器信号を得
ることが可能である。
放電、抵抗低下等の診断が可能となる。この診断方法の
一例は、特開平5-27040 号公報「放射線計測装置」に開
示されている。
は、放射線検出器内で発生する電荷量が多く、印加電圧
に集め切れないことによって決定しているが、その対策
としてパルス電圧で電荷を収集した後に測定を行うとい
う方法が、文献「GAMMA COMPENSATED PULSE IONIZATION
CHAMBER WIDE RANGE NEUTRON/REACTOR POWER MEASUREM
ENT SYSTEM」、「IEEE Trans.Nucl.Sci.NS20,1,639-648
(1973)」に記載されており、本第7実施の形態による構
成により測定も可能である。
およびキャンベル計測を数値演算のみで実施できるため
に、従来の出力領域モニタの直流計測(実線32)に、キ
ャンベル計測(点線31)を簡単に追加することができ
る。これにより、原子炉起動時の中性子束をLPRM検
出器3の設置されている原子炉の 100〜 200箇所で測定
できて、原子炉出力の監視性能が向上する。また、キャ
ンベル計測と直流計測の比率を用いた検出器診断が可能
であり、原子炉監視装置の信頼性を向上できる。
7実施の形態の原子炉出力監視装置における放射線検出
器であるLPRM検出器3に対して、可変高圧電源12か
らA/D変換装置25のサンプリング周期に同期した可変
電圧を出力させると共に、演算装置26に前記A/D変換
装置25の出力であるサンプリングデータを、印加電圧ご
とに区別するデータ選別手段を設けて構成している。
源12よりA/D変換装置25のサンプリング周期に同期し
た可変電圧をLPRM検出器3に印加すると共に、この
印加電圧の周期であるタイミングを演算装置26内のデー
タ識別回路に入力する。データ識別手段では、A/D変
換装置からのディジタル値をLPRM検出器3ごと、及
び印加電圧の値ごとに区別して、複数の印加電圧に対す
る各々の検出器信号を測定する。
複数の印加電圧での信号を同時に得ることが可能とな
り、通常の測定では発見できなかった放電開始電圧の低
下等という異常も早期に検出することができる。
力パルス形状を用いたパルス計測が行えると共に、放射
線検出器の性能診断を原子炉出力監視中に実施可能なの
で、耐ノイズ性が良好で計測範囲が広く得られる。ま
た、放射線検出器の異常を早期に検出できることから、
原子炉出力監視装置における監視機能と信頼性が向上す
る。
ス計測やキャンベル計測、及び直流計測を数値演算のみ
で実施できるので、共通のハードウエアによる原子炉出
力監視装置が構成できるので保守性と共に経済性が向上
する。
装置のシステム構成図。
た検出器出力の特性曲線図。
装置のシステム構成図。
M検出器、4…信号ケーブル、5…パルスアンプ、6…
起動領域モニタ、7…出力領域モニタ、8…パルス波高
弁別回路、9…パルス演算器、10…2乗平均回路、11…
キャンベル演算回路、12…可変高圧電源、13…電流アン
プ、14…マルチプレクサ、15,29…直流成分演算器、1
6,25…A/D変換装置、17,26…演算装置、18…パル
ス識別回路、19,27…パワー演算回路、20,28…放射線
量演算回路、21,30…検出器診断回路、22…パルス信号
の曲線、23…ディスクリレベル、24…サージパルスの曲
線、31…LPRM検出器によるキャンベル計測、32…L
PRM検出器による直流計測、33…SRNM検出器によ
るパルス計測、34…SRNM検出器によるキャンベル計
測。
Claims (9)
- 【請求項1】 原子炉圧力容器内または外部に設置した
放射線検出器と、この放射線検出器の出力信号を5ns
ec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変
換するA/D変換装置と、前記ディジタル値から放射線
検出器の出力パルスを識別するパルス識別回路及び前記
ディジタル値の一部を用いて2つ以上の周波数帯域で信
号のパワーを演算するパワー演算回路と、前記パルス識
別回路とパワー演算回路の出力より放射線量を演算して
原子炉の出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線
量演算回路及び前記パワー演算回路とパルス識別回路の
出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断
回路とを備えた演算装置とからなることを特徴とする原
子炉出力監視装置。 - 【請求項2】 前記パルス識別回路が、サンプリングさ
れた前後のディジタル値の増減を監視してその増減のパ
ターンより放射線検出器の出力パルスを識別することを
特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。 - 【請求項3】 前記パルス識別回路が、サンプリングさ
れた前後のディジタル値の増減を監視してそのサンプリ
ング値がある設定増加レベル以上に増加し、かつ前記サ
ンプリング後にある設定減少レベルに減少するパターン
を検索してパルスのピーク部分を検出するピーク検出手
段と、サンプリング値がある設定レベル以上に連続して
増加する回数を計数する増加幅検出手段とを設けたこと
を特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。 - 【請求項4】 前記パルス識別回路が、複数のノイズ波
形を記憶するノイズ波形記憶手段と、正常な検出器波形
を記憶する正常信号記憶手段と、サンプリングしたディ
ジタル値のパターンを前記ノイズ波形記憶手段及び正常
信号記憶手段とパターン比較を行うパターン比較手段と
を設けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監
視装置。 - 【請求項5】 前記放射線量演算回路が、前記パワー演
算回路の出力である複数の周波数帯域の信号のうちで外
来ノイズ等の前記放射線検出器信号以外のノイズの影響
が大きい帯域を除いて放射線量を演算することを特徴と
する請求項1記載の原子炉出力監視装置。 - 【請求項6】 前記検出器診断回路が、検出パルスと認
識されたディジタル値からパルス幅を演算するパルス幅
演算手段と、そのパルス幅を正常な検出器出力パルス幅
と比較するパルス幅診断手段とを設けたことを特徴とす
る請求項1記載の原子炉出力監視装置。 - 【請求項7】 前記検出器診断回路が、複数の周波数帯
域の信号の比率を正常時の信号の比率と比較する周波数
成分診断手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の
原子炉出力監視装置。 - 【請求項8】 原子炉圧力容器内または外部に設置した
放射線検出器と、この放射線検出器に可変電圧を印加す
る可変高圧電源と、複数の放射線検出器信号を切り替え
て順次出力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサ
の出力を5nsec〜40nsecでサンプリングしてデ
ィジタル値に変換するA/D変換装置と、前記ディジタ
ル値から2つ以上の周波数帯域にて信号のパワーを演算
するパワー演算回路及び前記ディジタル値から放射線検
出器の直流電流を演算する直流成分演算回路と、前記パ
ワー演算回路と直流成分演算回路の出力より放射線量を
演算して出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線
量演算回路及び前記パワー演算回路と直流成分演算回路
の出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診
断回路を備えた演算装置とからなることを特徴とする原
子炉出力監視装置。 - 【請求項9】 前記原子炉出力監視装置において、可変
高圧電源はA/D変換のサンプリング周期に同期した可
変電圧を放射線検出器に印加すると共に、演算装置にA
/D変換装置の出力であるサンプリングデータを前記印
加電圧ごとに区別するデータ選別手段を設けたことを特
徴とする請求項8記載の原子炉出力監視装置。
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