JP2741131B2 - 電源監視レコーダ - Google Patents

電源監視レコーダ

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JP2741131B2
JP2741131B2 JP4093788A JP9378892A JP2741131B2 JP 2741131 B2 JP2741131 B2 JP 2741131B2 JP 4093788 A JP4093788 A JP 4093788A JP 9378892 A JP9378892 A JP 9378892A JP 2741131 B2 JP2741131 B2 JP 2741131B2
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知志路 関
敏明 布施川
英二 小暮
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日置電機株式会社
東京電力株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば分電盤内で負荷
電流、漏れ電流および線間電圧の波形を短時間的に記録
し、かつその波形による実効値を長時間的に記録し、同
分電盤を介して使用する電力の供給停止(つまり停電)
の原因を分析、判断するとともに、この判断結果を報知
する電源監視レコーダに関するものである。
【0002】
【従来例】近年、電灯需要や業務用電力需要等を問わ
ず、分電盤を介して電力を使用するようになっており、
図5に示すように,例えば一般家庭で使用される分電盤
1には過負荷遮断器(電流制限器、配線用遮断器)2,
3および漏電遮断器4が設けられている。
【0003】ここに、上記使用する電力が上記電流制限
器2および各配線用遮断器3の許容範囲を越えると、そ
れら電流制限器2、各配線用遮断器3のリレーが作動
し、あるいは漏電が生じると、上記漏電遮断器4のリレ
ーが作動する。
【0004】したがって、定格オーバーや漏電等が生じ
ても、電力の供給が直ちに停止されることから、例えば
火災等の発生を未然に防止することができ、安全性が極
めて高くなっている。
【0005】ところで、上記分電盤1を介して使用する
電力の供給停止、つまり停電の原因を知るにはその電力
の交流電流や交流電圧波形等を常に測定する必要があ
り、この場合例えば電力計や波形記録計等を用いればよ
い。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記測
定に際し、例えば分電盤1による短時間的な波形記録
と、長時間的な実効値記録とを同時に行うことができな
いため、短時間的な波形記録用の装置および長時間的な
波形記録用の装置を必要とし、また負荷電流、漏れ電流
および線間電圧等の調査項目に応じて複数の装置を必要
とし、これら多くの装置を分電盤1の外部装置として配
置しなければならない。
【0007】また、図6の交流電圧および交流電流の波
形図に示すように、上記停電に際してはその停電までの
交流電圧や交流電流の波形(同図a,bに示す)を測定
することが可能であるが、同測定波形から上記停電の原
因、例えば過負荷、漏電、欠相等によるものであるか否
かを判断することが難しく、測定者で、かつ経験者でな
ければその停電の原因を解析ができないという問題点が
ある。なお、図5のaは交流電圧波形で、同図のbは交
流電流波形である。
【0008】この発明は上記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は各チャネルの入力波形の波形判定と同
時に、各チャネルの入力波形データを取込むことがで
き、同波形判定時に電力停止が発生しても、同電力停止
までの波形データを記録しておくことができ、分電盤を
介して使用する電力停止の原因、分析を確実にすること
ができるようにした電源監視レコーダを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の電源監視レコーダは、負荷電流、漏れ電
流を検出する複数の電流クランプおよび線間電圧を検出
する少なくとも1つの電圧クランプと、これら検出電
流、電圧を各チャネル(チャンネル)毎に入力し、同入
力電圧、電流信号を所定サンプリング周期でそれぞれデ
ィジタル変換する入力ユニットと、この各チャネルの入
力ユニットでディジタル変換された波形データを取り込
む波形取込部と、この取り込まれた各チャネルの波形デ
ータを記録し、かつ少なくとも所定波形数分をリング式
に記録する波形データ記録部と、上記取り込まれた波形
データに基づいて実効値を演算して実効値データを得る
演算手段(CPUの)と、この演算された実効値データ
を記録する実効値データ記録部と、上記入力波形の波形
データと予め生成された比較データ(最大値および最小
値)とを比較して同入力波形が異常状態であるか否かを
判定する判定手段(CPUの)と、使用する電力の商用
電源の各要素の少なくとも1つと基準値とを比較し、同
商用電源を監視する電源監視部と、上記各チャネルの波
形データの取り込みと同時に同取り込まれた波形データ
の入力波形の判定を可能とし、上記使用する電力の供給
停止に際しては少くとも同電力の供給停止までの1波形
分の波形データを上記波形データ記録部から読み出して
実効値を演算し、同各実効値と予め設定した定格値と比
較することにより異常チャネルを検出、表示し、かつ上
記電力の供給停止の原因を判断、報知するとともに、上
記判定手段の判定結果を表示する制御手段とを備えてい
る。
【0010】また、この電源監視レコーダの判定手段は
上記各チャネルの入力波形に応じた比較データ(最大値
および最小値)が生成される比較データ用メモリと、上
記入力波形の波形回数をカウントするカウンタとを備
え、このカウンタのカウント値に応じてその比較データ
用メモリのアドレスを発生する。
【0011】
【作用】上記構成としたので、上記波形データ記録部に
は各チャンネルのクランプおよびプローブによる検出電
流、電圧の波形データが記録されるが、この波形データ
はリング式に短時間的に記録され、一方上記波形データ
に基づいて得た実効値データが実効値データ記録部に長
時間的に記録される。
【0012】このとき、上記取り込まれた波形データが
予め生成された比較データ(最大値および最小値)と比
較され、この比較によって入力波形がその最大値と最小
値の範囲内であるか否かが判定される。
【0013】上記比較データが予め比較データ用メモリ
に生成されており、入力波形の1周期における判定回数
をカウンタでカウントとし、このカウント値によってそ
の比較データ用メモリのアドレスが発生されるため、上
記各チャネルの入力波形の波形データの取り込みを停止
することなく、その入力波形の波形判定ができる。
【0014】これにより、上記各チャネルにおける波形
判定時に、例えば停電が発生した場合であっても、同停
電までの所定波形数分の波形データが確実に波形データ
記録部に記録されている。
【0015】したがって、上記停電までの所定数の波形
のデータが上記波形データ記録部に確実に記録されてい
ることから、同停電の原因解析が可能であり、また上記
実効値データ記録部の記憶容量が少くとも、長期的、例
えば2週間程度に渡って算出された実効値データを記録
することができる。
【0016】
【実施例】この発明の電源監視レコーダは、例えば分電
盤内で負荷電流、漏れ電流および線間電圧の波形データ
を短時間的にリング式に記録し、かつその波形データに
基いて長時間的に演算した実効値データを記録するよう
になっている。
【0017】上記波形データの記録は常時所定波形数の
波形データ(例えば50Hzの場合16波形分、60H
zの場合19.2波形分)について行い、また上記実効
値データの記録は当該電力使用の状況等が観測できるよ
うに、例えば2週間程度行うようになっている。
【0018】ところで、被測定波形(入力波形)のサー
ジノイズ、停電時の波形、その他異常波形を捕らえるた
めに、同入力波形の判定を行おうとした場合、その入力
波形のデータをメモリ上に取り込んだ後、同波形データ
の取り込み動作を停止するとともに、上記取り込んだ波
形データと予め生成された判定用データとを比較して入
力波形を判定し、かつ上記動作を繰り返せばよい。
【0019】しかし、上記入力波形の判定毎に上記波形
データの取り込みを停止すると、同波形判定時に上記分
電盤を介して使用する電力の停止、つまり停電等の異常
事態が発生したとき、同タイミングにおける波形データ
が取込まれず、つまり同停電の原因、分析ができなくな
る。
【0020】そこで、この発明の電源監視レコーダは、
入力波形の1周期(T)について所定回数(t;波形デ
ータのサンプリング周期)波形判定するために、1チャ
ネル(チャンネル)について2×T/n個の比較データ
(最大値および最小値)を予め比較データ用メモリに順
次生成し、上記波形判定の回数をカウンタでカウント
し、このカウント値によって上記比較データ用メモリの
アドレスを発生し、サンプリング周期の間にそのアドレ
スで読み出した比較データ(最大値および最小値)と入
力波形の波形データとを比較して同入力波形を判定し、
入力波形の波形データの取り込みを停止することなく、
その波形判定を可能としている。
【0021】そのため、上記電源監視レコードは、図1
に示す構成をしている。なお、図中、図5と同一部分に
は同一符号を付し重複説明を省略する。
【0022】図1において、この発明の電源監視レコー
ダは、少なくとも分電盤内での負荷電流、漏れ電流およ
び線間電圧を測定するため、同分電盤1内の所定被測定
体に接続可能とする少なくとも1つの電圧プローブ(セ
ンサ)10および複数の電流クランプ(センサ)11
と、これら電圧プローブ10および電流クランプ11に
よる各チャネルの検出信号をそれぞれ入力可能とし、か
つ所定サンプリング周期で取り込み可能にディジタル変
換する複数の入力ユニット12と、これらディジタル変
換した波形データを取り込む波形取込部(メモリコント
ローラ)13と、上記分電盤1を介している電力ライン
(商用電源)を監視する電源監視部14と、上記波形取
込部13で取り込んだ波形データを短時間的にリング式
に記録するとともに、この波形データの取り込みタイミ
ングの間(サンプリング周期の間)にその取り込まれた
波形データと予め生成された比較データとを比較して入
力波形の波形を判定し、かつ上記取り込まれた波形デー
タに基づいて実効値データを算出し、その波形データお
よび実効値データに基づいて測定波形および測定実効値
の表示処理等を行うCPU15と、上記波形データを記
録するための波形データ記録部16と、上記演算した実
効値データを記録するための実効値データ部17とを備
えている。
【0023】また、この電源監視レコーダは、測定結果
(停電の原因、分析結果)等を表示、印字するモニタ
(LCD)18およびプリンタ19と、キーボード20
とからなる入出力装置21とを備えている。
【0024】さらに、上記各チャネルの入力ユニット1
2は電流および電圧を入力可能とするアンプ、A/D変
換器およびフォトカプラで構成されている。さらにま
た、上記電源監視部14は分電盤1を介して使用する電
力(商用電源)の各要素の少なくとも1つと基準値(例
えばスレッショルド電圧;60V乃至70V)とを比較
し、その各要素の少なくとも1つが基準値以下になった
ときにトリガを発生する構成になっており、かつ当該電
源監視レコーダの測定器内部に設けられている。
【0025】次に、上記構成の電源監視レコーダの動作
を図2の波形図、図3の比較データ用メモリの模式図お
よび図4のフローチャート図を参照して詳しく説明す
る。
【0026】まず、上記分電盤1を介して電力が使用さ
れており、同分電盤1の電流制限器2、配線用遮断器3
や漏電遮断器4が作動していないものとする。
【0027】このとき、上記各チャネルの電圧クランプ
10および電流クランプ11が分電盤1内の所定箇所に
取り付けられ、同分電盤1内で負荷電流、漏れ電流およ
び線間電圧が検出されている。この各チャネルの検出信
号が上記各入力ユニット12に入力されて所定サンプリ
ング周期で当該電源監視レコーダの処理可能な波形デー
タとされ、この各チャネルの波形データが波形取込部1
3に取込まれることになる。
【0028】ここに、上記入出力装置21にて任意の測
定項目(測定パターン)が選択され、また各チャネルの
レンジ設定が行われて当該電源監視レコーダが測定状態
にされ、図2の実線曲線に示す波形が入力されている
と、例えば上記取込まれた波形データが短時間的に波形
データ記録部16に記録され、かつその波形データによ
り算出した実効値データが長時間的に実効値データ記録
部17に記録される。
【0029】上記測定に際しては、例えば図2に示す入
力波形の1周期(T)についてt回判定するものとする
と、1チャネル当り(T/t)×2個(最大値および最
小値)の比較データ(図2の破線に示す)が比較データ
用メモリ上に生成される。なお、tは入力波形の波形デ
ータを取り込むタイミング、つまりサンプリング周期に
相当している。
【0030】この場合、図3に示すように、1チャネル
の入力波形の正側に対してはT/2t個の最大値および
最小値が生成され、かつ同入力波形の負に対してはT/
2t個の最大値および最小値が生成される。また、例え
ばnチャネルの入力波形を判定する場合にはその比較デ
ータの最大値および最小値がn倍必要となり、このn倍
の比較データがその比較データ用メモリに順次生成され
ることになる。なお、上記比較データは分電盤1を介し
て使用する電力等の波形が予め分かっていることから容
易に生成することができる。
【0031】上記比較データ用メモリの比較データを用
いて入力波形を判定する場合、CPU15にて入力波形
のゼロクロスが検出されると(ステップST1)、ゼロ
クロスフラグ(ZCS)がセットされ、同入力波形の波
形データの時間的零位置と比較データの時間的零位置と
が合わせられる(ステップST2)。
【0032】この場合、図2の実線に示す入力波形が負
から正に切り替わるゼロクロス点であれば上記比較デー
タ用メモリの先頭アドレスがMEM−HEADに設定さ
れ、その入力波形の正から負に切り替わるゼロクロス点
であれば同比較データ用メモリのアドレスがMEM−H
EAD2に設定される。
【0033】このとき、1回目の波形判定を行うため
に、当初カウンタTcntが“1”にされていることか
ら、ステップST3からステップST4に進み入力波形
の波形判定処理が開始される。
【0034】この波形判定処理においては、波形判定の
チャネル数に応じてアドレスを増加する処理が行われ、
例えば1チャネル目の入力波形の波形判定に際しては比
較データ用メモリのアドレスが(MEM−HEAD)お
よび(MEM−HEAD)+1にされるが、上記カウン
タTcntのカウント値が同じ“1”であっても、2チ
ャネル目の入力波形の波形判定に際してはアドレスが
(MEM−HEAD)+2および(MEM−HEAD)
+3にされ、以下各チャネルの入力波形の波形判定に際
してはアドレスが増加される。
【0035】続いて、上記カウンタTcntのカウント
値“1”に応じたアドレスによって読み出された比較デ
ータ(最大値および最大値)と上記取り込まれた入力波
形の波形データとが比較され、その波形データが最大値
および最小値の範囲内におさまっているか否かが判断さ
れる(ステップST5)。
【0036】続いて、上記カウンタTcntが“2”に
され、当該判定処理ルーチンが終了されるが、この判定
処理ルーチンは入力波形の1周期の間にt回繰り返され
ることになる。
【0037】また、2回目の波形判定においては、入力
波形がゼロクロス点でないことから、ステップST1か
らST4に進み、上記波形判定処理のステップが実効さ
れる。この場合、上記カウンタTcnt“2”に対応す
るアドレスの比較データ(最大値および最小値)が読み
出され、この比較データと上記取り込まれた入力波形の
波形データとが比較され、その波形データが最大値およ
び最小値の範囲内におさまっているか否かが判断され
る。
【0038】ここに、上記カウンタTcnt“2”に対
応するアドレスの比較データを読み出す際、nチャネル
の入力波形について最大値および最小値の比較データが
生成されている場合、1チャネル目の入力波形に対して
はアドレスが(MEM−HEAD)+2n+1および
(MEM−HEAD)+2n+2となる。すなわち、カ
ウンタTcnt“1”においては2n個の比較データ
(最大値および最小値)が生成されているからである。
【0039】したがって、2チャネル目の入力波形につ
いて波形判定が行われる場合にはその比較データ用メモ
リのアドレスが(MEM−HEAD)+2n+3および
(MEM−HEAD)+2n+4となり、以下各チャネ
ルについても同様のアドレスが設定される。
【0040】このようにして比較データ用メモリのアド
レスを設定することにより必要なチャネルの比較データ
(最大値および最小値)が読み出され、この比較データ
と上記と取り込んだ波形データとが比較され、同波形デ
ータがその最大値と最小値の範囲内におさまっているか
否かが判断される。
【0041】上記取り込まれた入力波形の波形判定がT
/2t回行われると、次の比較タイミングが入力波形の
ゼロクロス点(正から負に切り替わる時点)ということ
になる。
【0042】すると、上記ゼロクロス点の検出によりC
PU15内のゼロクロスフラグ(ZCS)が立てられ
(ステップST1)、上記同様に比較データの時間的零
位置と入力データの時間的零位置とを合わせる処理、つ
まり比較データ用メモリのアドレスが(MEM−HEA
D2)にされる(ステップST2)。なお、nチャネル
の入力波形について波形判定を行う場合、上記アドレス
(MEM−HEAD2)は(MEM−HEAD)+T/
2t(2n)ということになる。
【0043】ところで、上記ゼロクロス点においては、
上記カウンタTcntのカウント値がT/2tであれば
入力波形に周波数変動が生じてないものとみなすことが
できるが、そのカウント値がかならずしもT/2tに一
致しない場合もある。
【0044】そこで、上記カウンタTcntの値がT/
2t−αとT/2t+αとの範囲内にあるか否かを判断
し、その範囲内にあればその入力波形が許容周波数内と
判定し、その範囲外であればその入力波形が当該波形判
定における周波数と異なると判定する(ステップST
7)。なお、図3に示すように、上記周波数変動用デー
タαは上記比較データの生成と同時に比較データ用メモ
リ上に生成される。
【0045】上記入力波形が許容周波数内におさまって
いる場合には当該測定が継続されるが、その入力波形が
許容周波数内におさまっていない場合には例えば同入力
波形の周波数が異常である旨の報知が行われる。
【0046】続いて、上記カウンタTcntが“1”に
され(ステップST8)、上記ステップST4,ST
5,ST6の波形判定処理が行われる。また、この波形
判定の回数がカウンタTcntでカウントされ、このカ
ウント値に応じたアドレスの比較データが読み出される
ことから、上記入力波形の正側と同様に、同入力波形の
負側についても波形判定がT/2t回行われる。
【0047】なお、上記実施例では、各チャネルの入力
波形の周期が同一となることが条件である。
【0048】このように、入力波形の1周期(T)につ
いて2T/t個の比較データ(最大値および最小値)を
予め比較データ用メモリに生成しておき、同入力波形の
波形データと比較データとを比較して波形判定するとと
もに、同判定回数をカウンタTcntでカウントし、こ
のカウント値により比較データ用メモリのアドレスを発
生するようにしたので、各チャネルの入力波形の波形デ
ータの取り込みを停止しなくとも、上記各チャネルの入
力波形の波形判定を行うことができる。
【0049】したがって、上記入力波形の判定時に、例
えば使用電力の停止(停電)が発生したとしても、その
停電の原因解析に必要な波形データを取り取り逃すとい
うこともない。
【0050】ここで、なんらかの原因(例えば停電)に
より分電盤1のブレーカ(電流制限器2あるいは配線用
遮断器3)が降りると、同分電盤1を介している電力の
商用電源の各要素の少なくとも1つが基準値以下となる
ため、上記電源監視部14からは信号(トリガ)が発生
される。
【0051】このとき、上記トリガにより当該電源監視
レコーダにおける測定が停止されるが、上記波形データ
記録部16には上記停電までの320msの波形分の波
形データが記録されてる。
【0052】したがって、上記停電の後、当該電源監視
レコーダの電源が再投入されることにより、停電原因の
分析、表示ルーチンが実行され、上記停電以前に測定が
行われているか否かの判断が行われる。
【0053】上記波形データ記録部16には入力波形の
所定波形数分の波形データが記録されていることから、
各チャネルについてそれぞれ1波形分の波形データによ
り停電時までの1波形分における実効値が演算される。
【0054】続いて、上記演算した各チャネルの実効値
と予め設定した定格値(測定前に入力している定格値)
とがそれぞれ比較される。この定格値は各ブレーカ2,
3の定格電流値、漏電遮断器4の感度電流値および固定
の線間定格電圧値(120V)である。
【0055】例えば、上記電圧クランプ10による検出
波形データの実効値(線間電圧の測定値)と上記線間電
圧値(120V)とが比較され、上記複数の電流クラン
プ11による検出波形データ(漏れ電流および負荷電
流)の実効値と感度電流値および定格電流値とがそれぞ
れ比較される。
【0056】上記比較の結果により、上記線間電圧の測
定値(実効値)が120Vを越えている場合には欠相と
判断され、上記漏れ電流の測定値(実効値)が感度電流
を越えている場合には漏電と判断され、上記負荷電流の
測定値(実効値)が定格電流を越えている場合には過負
荷と判断される。
【0057】また、各チャネルにおける入力波形の波形
データと上記比較データ用メモリの比較データ(最大値
および最小値)とが比較され、同入力波形の判定が行わ
れるが、同入力波形の波形データが記録されていること
から、上記停電が波形判定時に発生したとしても、その
停電までの所定波形数をその波形データ部17に確実に
記録することができ、停電の原因、分析が可能となる。
【0058】さらに、上記波形データ記録部16に記録
している波形データに基づいて、目的に応じた波形の分
析、例えば高調波解析を行うことができ、かつ実効値デ
ータ記録部17に記録している実効値データに基づいて
実効値の表示、印字処理を行うことができ、例えば各家
庭における長期的な使用電力をLCD18に表示、プリ
ンタ19でプリントアウトすることにより、その家庭の
長期的な電力使用状況を容易に知ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電源監
視レコーダによれば、分電盤内で負荷電流、漏れ電流お
よび線間電圧を複数の電流クランプ、電圧プローブで検
出し、各チャネルの検出信号をそれぞれディジタル変換
した波形データを短時間的にリング式に記録し、かつ同
波形データによる実効値データを長時間的に記録すると
ともに、上記入力波形の波形データと予め比較データ用
メモリに生成されている比較データ(最大値および最小
値)とを比較して同入力波形の波形判定を可能とし、か
つ使用している電力(商用電源)を監視し、使用電力の
供給停止(停電)時に同停電までの所定波形数の波形デ
ータを記録し、上記停電までの1波形の波形データに基
づいて実効値を算出し、同実効値と予め設定した種々定
格値(感電流値、定格電流値、線間電圧値)とを比較
し、この比較結果により上記停電の原因を判定し、かつ
異常チャネルおよびその停電の原因をLCD等の画面に
表示するようにしたので、上記入力波形の波形判定と同
時に波形データの取込みを可能とすることができ、同波
形判定時に上記分電盤を介している電力の供給停止、停
電が発生しても、同停電までの波形データを確実に記録
することができることから、同波形データによりその停
電の原因解析が可能であり、この解析結果によりその電
力供給停止の原因を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す電源監視レコーダの
概略的ブロック線図である。
【図2】図1に示す電源監視レコーダの動作を説明する
概略的波形図である。
【図3】図1に示す電源監視レコーダに用いる比較デー
タ用メモリの模式図である。
【図4】図1に示す電源監視レコーダの動作を説明する
フローチャート図である。
【図5】分電盤の概略的ブロック線図である。
【図6】図5に示す分電盤を介して使用する電力の交流
電圧、交流電流の概略的波形図である。
【符号の説明】
1 分電盤 2 電流制限器 3 配線用遮断器 4 漏電遮断器 10 電圧プローブ 11 電流クランプ 12 入力ユニット 13 波形取込部(メモリコントローラ) 14 電源監視部 15 CPU 16 波形データ記録部 17 実効値データ記録部 18 モニタ(LCD) 19 プリンタ 20 キーボード 21 入出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小暮 英二 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−202023(JP,A) 特開 平1−160317(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷電流、漏れ電流を検出する複数の電
    流クランプおよび線間電圧を検出する少なくとも1つの
    電圧クランプと、 該検出電流、電圧を各チャネル毎に入力し、同入力電
    圧、電流信号を所定サンプリング周期でそれぞれディジ
    タル変換する入力手段と、 該各チャネルの入力手段でディジタル変換された波形デ
    ータを取り込む取込手段と、 該取り込まれた各チャネルの波形データを記録し、かつ
    少なくとも所定波形数分をリング式に記録する波形デー
    タ記録手段と、 前記取り込まれた波形データに基づいて実効値を演算し
    て実効値データを得る演算手段と、 該演算された実効値データを記録する実効値データ記録
    手段と、 前記入力波形の波形データと予め生成された比較データ
    (最大値および最小値)とを比較して同入力波形の波形
    判定を行う判定手段と、 使用する電力の商用電源の各要素の少なくとも1つと基
    準値とを比較し、同商用電源を監視する電源監視手段
    と、 前記各チャネルの波形データの取り込みととともに、同
    波形データの入力波形の判定を可能とし、前記使用する
    電力の供給停止に際しては少くとも同電力の供給停止ま
    での1波形分の波形データを前記波形データ記録手段か
    ら読み出して同波形データにより実効値を演算し、同各
    実効値と予め設定した定格値と比較することにより異常
    チャネルを検出、表示し、かつ前記電力の供給停止の原
    因を判断、報知するとともに、前記判定手段の判定結果
    を表示する制御手段とを備えたことを特徴とする電源監
    視レコーダ。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は前記各チャネルの入力波
    形に応じた比較データ(最大値および最小値)が生成さ
    れる比較データ用メモリと、前記入力波形の波形回数を
    カウントするカウンタとを備え、該カウンタのカウント
    値に応じて前記比較データ用メモリのアドレスを発生
    し、同カウント値に基づいて入力波形のゼロクロス点に
    おいて同入力波形の周波数変動を検出する請求項1記載
    の電源監視レコーダ。
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