JPH07306292A - 原子炉の中性子束モニタ方法及び装置、並びに、それを利用した制御棒操作制御システム - Google Patents

原子炉の中性子束モニタ方法及び装置、並びに、それを利用した制御棒操作制御システム

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JPH07306292A
JPH07306292A JP6100855A JP10085594A JPH07306292A JP H07306292 A JPH07306292 A JP H07306292A JP 6100855 A JP6100855 A JP 6100855A JP 10085594 A JP10085594 A JP 10085594A JP H07306292 A JPH07306292 A JP H07306292A
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節男 有田
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裕一 東川
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉の制御棒制御システムの短縮した起動
に適し、応答が早くかつ過渡的なペリオドの影響が少な
い修正原子炉周期信号を出力する中性子束モニタ。 【構成】 中性子束の検出器101〜10Kからの信号
は、対応する中性子束モニタ2a1〜2aKのそれぞれの前
置増幅器3aで増幅され、波高弁別回路4aに入力され
る。波高弁別回路4aは中性子の個数に対応したパルス
を対数計数率回路5aへ出力する。対数計数率回路5a
は、対数計数率信号lnφを中性子束信号として外部に
出力すると共に、この対数計数率信号lnφをさらに原
子炉周期演算器6aへ入力する。この原子炉周期演算器
6aは、時定数Tcの一次遅れ回路61、比例回路62、
時定数Tdの一次遅れ回路63からなり、上記対数計数
率信号lnφと、それを時定数Tcで一次遅れ処理した出
力信号ηとの差を比例回路62に入力して一般的な原子
炉周期τの逆数を得、さらに、時定数Tdの一次遅れ回
路63で処理し、修正原子炉周期の逆数(1/τ’)を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉出力の時間変化
率に対応する原子炉周期信号に基づいて制御棒を操作
し、原子炉を自動的に起動する制御棒操作制御システ
ム、及び、かかる制御棒操作制御システムに適した原子
炉周期の算出を行うための中性子束モニタ装置とその方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力プラントの起動において
は、炉心内に挿入されている制御棒を順次徐々に引き抜
いて、原子炉の出力を上昇させるが、通常、この操作は
これまで運転員によって行われている。この場合、運転
員は原子炉に急激な反応度を与えないようにするため
に、中性子束φ及び中性子束の時間変化率を表す原子炉
周期(ペリオド)τなどを監視しながら、制御棒を1本
ずつ操作している。なお、この中性子束φと原子炉周期
τとの関係は、次式で表すことができる。
【数1】
【0003】近年、原子炉運転の省力化や起動時間の短
縮などを目的として、複数の制御棒を同時に操作し、ま
た、その制御棒操作を自動化することが要望されてい
る。例えば、特開昭63−286793号公報の「制御
棒操作システム」は、このような要望に応えるものであ
る。すなわち、この従来技術になる制御棒操作システム
では、原子炉を未臨界状態から臨界状態にする場合に、
制御棒の引き抜き総量と、前回操作した制御棒の引き抜
き量と、原子炉周期とを基にして制御棒の次の引き抜き
量を決定し、この情報に従って制御棒を操作することが
示されている。このように、原子炉周期信号τは制御棒
操作を自動化するにあたっての重要な指標であるが、運
転員が参考としていたときの信号と比べて、自動化に使
用するときの原子炉周期信号τには、いくつかの制約が
ある。運転員は、多少、原子炉周期信号τが揺れていて
も全体的な傾向を容易に認識することが出来、また、か
かる原子炉周期信号τが制御棒操作に直結しているわけ
ではないので直接その揺らぎによる影響を受けることは
ない。しかしながら、自動制御では、原子炉周期信号τ
を一つの指標にするため、ノイズ等に起因した原子炉周
期信号τの振れが異常な制御棒操作を誘引する可能性が
ある。一方、原子炉周期信号τのもとになる中性子計数
率には、本来、1/f揺らぎやその他の雑音信号が入
る。従って、制御棒操作制御システムは、それらのノイ
ズに対して充分堅牢なシステムである必要がある。
【0004】また、制御棒操作制御システムで必要とす
る中性子計測方式に関しては、従来のアナログ処理に替
わって、信頼性が高く、保守も容易なデジタル処理が主
流になってきている。さらに、原子炉内でかかる中性子
計測を行う中性子束計測装置に関しては、例えば、特開
昭62−50694号公報により「中性子計測装置」が
知られている。ここでは、対数中性子信号(lnφ)か
ら、一次遅れ処理によって対数中性子指示値ηと原子炉
周期信号の逆数(1/τ)を得ている。この関係を数式で
表すと以下の式になる。ここでTcは、一次遅れフィル
タの時定数である。
【数2】
【数3】
【0005】この従来技術では、中性子束信号として対
数中性子信号(lnφ)を利用しているが、これに代え
て、一般の中性子束信号φを利用することも可能であ
る。そのときには、一次遅れ処理を施した中性子束指示
値Ψと原子炉周期信号τの関係は次式で表せる。
【数4】
【数5】 なお、上記数2のτと、上記数4のτは、ほぼ、等価で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の数3
と数5の一次遅れ処理は、計測した中性子束信号φに必
然的に含まれる高周波の雑音成分を除去し、平滑化した
信号を得るために必要である。例えば、時定数Tcが3
0秒から40秒と充分に長い場合には、上記の数2や数
4で充分平滑な原子炉周期信号τが得られる。ところ
で、原子炉周期信号τが安定化するまでには、時定数程
度(数十秒)の時間が必要になるため、起動時間の短縮
などを目的とした制御棒操作制御システムでは、原子炉
周期信号τの時定数を上記のような数十秒のオーダでは
なく、数秒のオ−ダ−にする必要がある。しかしなが
ら、このように時定数を数秒オーダーに短くすると、応
答が早まるが、他方、原子炉周期信号τの平滑化が不十
分になり、自動化システムの信号として不適切になる可
能性がある。
【0007】また、制御棒操作制御システムで時定数の
短い(数秒オーダーの)原子炉周期信号τを採用するこ
とに伴うもう一つの問題点として、安定ペリオドに到達
するまでに、より短い過渡的なペリオドを計測すること
がある。図2は、反応度フィ−ドバックがない条件で、
臨界状態から制御棒を引き抜いて反応度を投入したとき
の中性子束変化φ/φ0と原子炉周期(ペリオド)τの
変化を示した模式図である。この図からも明らかなよう
に、引き抜き直後では、中性子束φの増加率が大きい
(すなわち、中性子束変化φ/φ0の傾斜が大きい)
が、遅発中性子先行核種の濃度が変化して、約1秒後に
は中性子束φの増加率(中性子束変化φ/φ0の傾斜)
がほぼ一定になる。また、図2の点線は、このときの中
性子束変化から直接求めたペリオドτの変化であるが、
引き抜き直後の原子炉周期τが短く、その後、一定の原
子炉周期(安定ペリオド)に移行する。なお、図の一点
鎖線は、時定数Tcを充分長くして数2あるいは数4で
求めた原子炉周期τであるが、過渡的な短いペリオド
(制御棒の引き抜き直後1秒程度の間の原子炉周期)を
計測せず、安定ペリオドに漸近する。
【0008】一方、制御棒操作制御システムでは、安全
性の観点から、原子炉周期τが短くなり過ぎた(1/τ
信号が大きくなり過ぎた)と判定したときには、制御棒
の引き抜き操作を中止する。このような過渡的な短いペ
リオドは安全性の観点からは問題はないが、しかしなが
ら、この信号により、不要な制御棒の引き抜き停止判定
が増える可能性がある。したがって、制御棒操作制御シ
ステムにとっては、応答性が良く、かつ、過渡的な短い
ペリオドを検出しにくい平滑な原子炉周期信号τが、望
まれている。
【0009】そこで、本発明では、上記の従来技術にお
ける問題点に鑑みて、特に、制御棒制御システムに適し
た、応答が早くしかも平滑化された原子炉周期信号を得
ることが出来る、すなわち、制御棒制御システムに望ま
れる、応答が早く過渡的なペリオドの影響の少ない原子
炉周期信号を提供することが可能な中性子束モニタ、及
び、それを利用した制御棒操作制御システムを提供する
ことをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
本発明の目的を達成するため、まず、原子炉内の炉心に
配置された中性子束検出器からの計数率信号から、前記
計数率信号の高周波成分を除去する時定数Tcの一次遅
れフィルタを通した信号を演算し、その信号から原子炉
周期あるいは中性子束変化率を表す信号を演算し、さら
に、前記原子炉周期あるいは中性子束変化率を表す信号
から、遅発中性子先行核濃度変化の影響を低減するため
の時定数Tdの一次遅れフィルタを通すことにより、修
正された原子炉周期を算出して出力する原子炉の中性子
束モニタ方法が提案されている。
【0011】また、やはり上記の目的を達成するため、
本発明によれば、原子炉内の炉心に配置された中性子束
検出器からの高周波成分を含む計数率信号から、中性子
束変化率を表す信号及び原子炉周期信号を算出して出力
する原子炉の中性子束モニタ装置であって、少なくと
も、前記計数率信号の高周波成分を除去するための時定
数Tcの一次遅れフィルタと、遅発中性子先行核濃度変
化の影響を低減するための時定数Tdの一次遅れフィル
タとを備えている原子炉の中性子束モニタ装置が提起さ
れている。
【0012】さらに、本発明によれば、上記の目的を達
成するためのシステムとして、原子炉内の炉心に配置さ
れた中性子束検出器と、前記中性子束検出器からの計数
率信号から、中性子束変化率を表す信号及び原子炉周期
信号を算出して出力する原子炉の中性子束モニタ装置
と、前記中性子束モニタ装置からの中性子束計数率と原
子炉周期に基づいて原子炉内の炉心の制御棒の引抜と挿
入操作を制御する制御棒制御装置とを備えた原子炉の制
御棒操作制御システムにおいて、前記中性子束モニタ装
置は、少なくとも、前記計数率信号の高周波成分を除去
するための時定数Tcの一次遅れフィルタと、遅発中性
子先行核濃度変化の影響を低減するための時定数Td
一次遅れフィルタとを備え、修正した原子炉周期信号を
出力する原子炉の制御棒操作制御システムを起案する。
【0013】
【作用】上記の本発明になる原子炉の中性子束モニタ方
法及び原子炉の中性子束モニタ装置によれば、時定数T
cの一次遅れフィルタにより計数率信号の高周波成分を
除去するだけでなく、さらに、遅発中性子先行核濃度変
化の影響を低減するための時定数Tdの一次遅れフィル
タを通すことにより、応答が早くなるにもかかわらず、
しかも、遅発中性子先行核濃度変化による過渡的な原子
炉周期の影響の少ない、修正された原子炉周期信号を得
ることが可能になる。そのため、この修正された原子炉
周期信号を、原子炉内の炉心の制御棒の引抜と挿入操作
を制御する制御棒制御装置を備えた原子炉の制御棒操作
制御システムに採用することにより、起動時間の短縮を
実現することを可能とすると同時に、反応度投入直後の
遅発中性子先行核濃度変化による過渡的な原子炉周期
(ペリオド)を検出することによる不要な制御棒の操作
中止がなく、良好な制御棒操作性を備えた原子炉の制御
棒操作制御システムとすることが出来る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照しながら、詳細に説明する。しかしながら、本発
明の実施例の詳細を述べる前に、本発明のより良い理解
のために、まず、本発明における原理を説明する。
【0015】すなわち、上記の従来技術における課題を
解決するための手段として、本発明では、中性子束信号
の高周波成分を除去する数秒のオ−ダ−の時定数Tc
用いて、上記数2及び数3、あるいは、数4及び数5な
どで算出した原子炉周期信号τ、または原子炉周期信号
τと1対1に対応する信号に、さらに、原子炉の過渡的
なペリオドの影響を低減するための上記時定数Tcとは
異なる、時定数Tdの一次遅れ処理を施して修正された
原子炉周期信号τ'を演算し、制御棒操作制御システム
の原子炉周期信号として利用する。具体的には、原子炉
周期信号τの逆数1/τをPとし、一方、修正原子炉周
期信号τ’の逆数1/τ'をQとして次式で計算する。
【数6】
【0016】かかる本発明の作用を、図3を用いて説明
する。いま、中性子束信号φとして、図3aに示すよう
に、初期値1が時刻0でステップ状に2になるような信
号を考える。上記の数5で計算される、時定数Tcの一
次遅れ信号Ψは、同じ図の点線により示すようになる。
一方、図3bには、この時の原子炉周期(ペリオド)の
逆数1/τの時間変化を示す。この図において、実線
は、上記数4で計算した原子炉周期τの逆数1/τであ
る。これによれば、時刻0での原子炉周期はTcであ
り、その後、徐々に安定ペリオド(t=∞)に漸近して
いく。また、図3bの破線は、原子炉周期信号τに時定
数Tdの一次遅れ処理を施して得た、本発明による修正
された原子炉周期信号τ'の逆数1/τ’である。この
本発明による修正された原子炉周期信号τ’は、急激な
原子炉周期信号τの変化に追随しないので、短い原子炉
周期信号を出力しない。また、時定数Tdとしては、上
記図2の中性子束変化φ/φ0の傾向が約1秒で変わる
ことから、最低で1秒、または、それ以上の値を利用す
れば良い。
【0017】ここで、修正された原子炉周期信号τ'の
時定数をTcとTdとする。修正された原子炉周期信号
τ'の等価的な時定数は、急激な反応度変化の直後を除
けば、ほぼTc+Tdとみなせる。したがって、Tc+Td
=Tとすれば、反応度変化直後の短い過渡ペリオドを検
出しにくく、時定数Tの原子炉周期信号τと同様な原子
炉周期信号が得られる。
【0018】このように、本発明は、反応度を投入した
ときの中性子変化率が、遅発中性子先行核濃度の変化に
より、反応度投入直後と反応度投入数秒後以降で変わる
特性に着目し、制御棒操作制御システムに適した原子炉
周期信号τを提供するものである。
【0019】次に、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。図1は、本発明の一実施例である中性子束モニタの
構成を示したものである。原子炉圧力容器1内には、原
子炉1の出力を制御する複数(本実施例ではN本)の制
御棒C1〜CN、及び、原子炉起動時の中性子束φを検出
する複数(本実施例ではK個)の中性子源領域中性子束
モニタ(SRM)用の検出器101〜10Kが配置されて
いる。
【0020】そして、これらの検出器101〜10Kから
の出力は、それぞれ、中性子源領域中性子束モニタ(S
RM)2a1〜2aK入力されているが、これらの中性子源
領域中性子束モニタ(SRM)2a1〜2aKは同一の構成
である。この中性子源領域中性子束モニタ(SRM)の
内部構成を説明すると、一例として、例えば、中性子束
検出器101の出力信号は、中性子源領域中性子束モニ
タ(SRM)2a1の前置増幅器3aに入力される。この
前置増幅器3aは、中性子源領域中性子束モニタ(SR
M)2a1からの入力信号を増幅し、出力信号を波高弁別
回路4aに入力する。この波高弁別回路4aでは、入力信
号のなかから、上記の検出器101に入射した中性子に
よる信号を選別し、中性子の個数に対応したパルスを発
生する。さらに、対数計数率回路5aでは、入力された
パルスを計数し、対数計数率信号lnφを出力する。こ
の対数計数率信号lnφは、上記の中性子源領域中性子
束モニタ(SRM)2a1の出力信号になると共に、続い
て説明する原子炉周期演算器6aの入力ともなる。そし
て、この原子炉周期演算器6aからは、本発明で言うと
ころの修正された原子炉周期(以下、修正原子炉周期)
τ’の逆数の信号(1/τ’)が出力される。
【0021】ところで、本発明の特徴は、特に、この原
子炉周期演算器6aの構成にある。すなわち、この原子
炉周期演算器6aは、時定数Tcの一次遅れ回路61、比
例定数1/Tcの比例回路62、そして、時定数Tdの一
次遅れ回路63とから構成されている。対数計数率信号
lnφと、それを入力にした一次遅れ回路61の出力信
号ηの差を入力にした比例回路62の出力が、一般的な
原子炉周期τの逆数(1/τ)になる。さらに、本発明
では、上記の対数計数率信号lnφを入力とした一次遅
れ回路63の出力信号を、修正原子炉周期τ’の逆数
(1/τ’)として出力する。
【0022】上述のような本発明の効果は、一般的に、
一次遅れ回路61の時定数Tcが数秒(1秒<Tc<10
秒)のオ−ダ−のときに大きい。これは、時定数Tc
数秒のときには、過渡的な短いペリオドを計測し易いか
らである。なお、本実施例における一次遅れ回路61の
時定数Tcの値は4秒から6秒であり、他の一次遅れ回
路63の時定数の値Tdは1秒である。このTcの値は、
本発明の修正原子炉周期τ’を利用した制御棒操作制御
システムにおいて、制御棒を操作してから次の制御棒の
操作を判定するための期間、Twが約10秒である仕様
から定めた。また、Tdの値は、図2に示したように、
過渡的なペリオドが1秒程度であることから定めたもの
である。
【0023】次に、図4は、本発明の他の実施例である
デジタル処理方式の中性子束モニタの構成を示したもの
である。この他の実施例では、検出器10bの出力信号
が、まず、中性子束モニタ2bを構成する前置増幅器3b
に入力される。この前置増幅器3bは入力信号を増幅
し、その出力信号を波高弁別回路4bに入力する。そし
て、この波高弁別回路4bでは、入力信号のなかから検
出器10bに入射した中性子による信号を選別し、中性
子の個数に対応したパルスを発生することは上記図1の
実施例と同様である。さらに、この他の実施例では、上
記波高弁別回路4bの後段に、線形計数率回路7bを設
け、この波高弁別回路4bで入力されたパルスを計数
し、線形計数率信号φを出力するようにさせる。この線
形計数率信号φは、さらに、サンプラ8bでサンプリン
グされ、続いて、0次ホ−ルド回路9bにてサンプリン
グ間隔Δtで離散化され、中性子計数率信号φnが出力
される。この中性子計数率信号φnは、中性子束モニタ
2bの出力信号になると共に、やはり、原子炉周期演算
器6bの入力にもなっている。
【0024】ここで、上記の原子炉周期演算器6b内に
おいて、いわゆるデジタル処理によって算出する修正原
子炉周期τ'の算出方法を以下に示す。なお、中性子計
数率φや原子炉周期τをサンプリング間隔Δtで離散化
したものをφn、τnとすると、上記の数4、数5及び数
6をデジタル処理する方法は、例えば、以下の数式によ
って示すようになる。
【数7】
【数8】
【数9】 すなわち、上記の原子炉周期演算器6bでは、上記の数
7により中性子束指示値であるΨnを、上記の数8によ
り原子炉周期の逆数であるPn(=(1/τ)n)を、そ
して、上記の数9により修正原子炉周期τ’の逆数Qn
(=(1/τ’)n)を演算し、その出力としてQnを出
力する。
【0025】続いて、図5及び図6を参照しながら、上
記の他の実施例による効果を説明する。まず、図5は、
中性子源領域中性子束モニタ(SRM)用の検出器10
bにより計測される中性子束の時間変化、すなわち、S
RM指示値の時間変化の一例である。このグラフによれ
ば、約75秒で制御棒を引き抜き、反応度を投入したた
め、中性子束の変化率が変わる。また、計測値は1/f
ゆらぎなどの影響で細かく振動している。
【0026】図6には、上記の数7、数8及び数9を用
いて算出した、50秒から100秒までの修正原子炉周
期(ペリオド)τ'nの逆数Qnを示す。ここでは、数7
でΨnを計算するための時定数Tcは4秒、サンプリング
間隔Δtは0.1秒とし、数9のQnを計算するための時
定数Tdを0.1秒、0.5秒、1.0秒として、3つのケ
−スを示した。(i)Tdを0.1秒としたとき(点線で
示す)には、原子炉周期τに中性子束の低周波の振動に
起因する振動がみられる。(ii)Tdを0.5秒とした
とき(実線で示す)、及び、(iii)Tdを1.0秒に
したケ−ス(破線で示す)では、原子炉周期に顕著な振
動がみられない。Tdは過渡的な短いペリオドの影響を
除去するために設けているが、一方で、ペリオド信号を
平滑化する効果もある。
【0027】ところで、上述の本発明の効果は、特に、
この他の実施例のように、原子炉周期演算器6bがデジ
タル処理方式であるときに著しい。これは、アナログ処
理では設計では意図しない高周波フィルタが入ってしま
い、これが信号を平滑化しやすいのに比べて、デジタル
処理のときにはペリオドの高周波成分をそのまま保存し
やすく、時定数Tcを短くすると、一般的な方法で算出
した原子炉周期τが高周波のペリオド成分に反応して振
動しやすいからである。すなわち、この図6に示された
比較結果からは、修正原子炉周期τ’を計算するための
時定数であるTdを0.5秒以上にすると信号を平滑化す
る効果も得られることがわかるが、さらに、本発明では
過渡的なペリオドの除去を主目的とするため、好ましく
はTdは1秒以上とする。
【0028】また、上記の図6からは、制御棒操作後の
15秒間ほどは、過渡的な短いペリオドの影響を受けて
いることもわかる。したがって、過渡的な短いペリオド
の影響を完全に除去するには、一般的に、一次遅れ時定
数を15秒以上にする必要があることが分かる。しか
し、制御棒操作制御システムのアルゴリズムによって
は、それが実現できない場合がある。
【0029】そこで、本発明の中性子束モニタを採用し
た制御棒操作制御システムでは、制御棒の引き抜き操作
を中止した後、再び、制御棒を引き抜くまでに、強制的
にTwの期間、この制御棒を引き抜く操作を禁止するア
ルゴリズムを用いるようにする。その場合、この期間T
wの間に、次の制御棒を引き抜くか否かを判断する必要
がある。このとき、原子炉周期信号の時定数(Tc
d)が期間Tw以上(Tc+Td>Tw)では、応答が遅
くなり、正しく判断することが難しい。そのため、この
時定数(Tc+Td)を期間Tw以下(Tc+Td<Tw)、
できれば、Twの1/2(Tc+Td=Tw/2)程度にす
ることが望ましい。すなわち、中性子束の検出器の計数
率φから原子炉周期τを演算する時に利用するフィルタ
の時定数Tcと、原子炉周期τから修正原子炉周期τ’
を演算する時に利用するフィルタの時定数Tdとを、少
なくとも、以下の式で示される関係を満足するように設
定する必要がある。
【数10】 例えば、Twを10秒としたときには、Tc+Tdを7秒
とする。
【0030】なお、上記の時定数TcとTdの値を入れ替
えても、修正された原子炉周期τ’の特性はほぼ一致す
る。図7は、このことを示しており、Tc=6秒、Td
1秒とした修正原子炉周期(ペリオド)τ’の逆数(実
線で示す)と、他方、Tc=1秒、Td=6秒とした修正
原子炉周期(ペリオド)τ’の逆数(破線で示す)であ
る。これらは、グラフからも明らかなように、ほぼ同じ
特性を示している。これは、時定数Tcを1秒より大き
くすると、中性子束変化の高周波成分だけでなく、遅発
中性子束先行核濃度の変化による比較的低周波の成分
も、付随的に、同時に低減するためである。例えば、期
間Twを10秒としたとき、時定数Tc=1秒で中性子束
の高周波成分を除去し、時定数Td=6秒で遅発中性子
束先行核濃度の変化の影響を低減した修正原子炉周期
τ’を利用することも可能である。
【0031】上記の実施例では線形計数率信号φをもと
にした処理方法を示したが、本発明はこれだけに限定さ
れることなく、離散化した対数計数率信号(lnφ)n
用いて、修正原子炉周期τ’に対応する信号を得ること
も可能である。
【0032】図8は、本発明のさらに他の実施例である
広域中性子束モニタの構成を示したものである。この中
性子束モニタでは、検出器101の出力信号は、広域中
性子束モニタ2c1の前置増幅器3cに入力される。この
前置増幅器3cは入力信号を増幅し、その出力信号を対
数キャンベル回路11、及び、対数計数率回路4cに入
力する。対数キャンベル回路11は、キャンベルの定理
に従った対数キャンベル信号を切替回路12に出力す
る。一方、対数計数率回路4cは、対数計数率信号ln
φを上記の切替回路12に出力する。
【0033】切替回路12は、入力される両信号の値に
応じて、いずれかの一方を選択し、計数率信号φを出力
する。また、計数率信号φは、数十秒の時定数で上記の
数2及び数3を用いて算出した第1の原子炉周期信号τ
(具体的には、原子炉周期信号の逆数1/τ)を出力す
る。この第1の原子炉周期信号(1/τ)が初期の設定
値より短くなったときには、制御棒の引き抜きを停止す
るロッドブロック信号や、あるいは、スクラム信号を発
生する。また、計数率信号φからは、本発明を用いた短
い時定数Tcの修正された第2の原子炉周期信号τ’
(具体的には、修正原子炉周期信号の逆数1/τ’)を
出力する。この信号τ’は、制御棒操作制御システムの
制御棒操作の判定、あるいは、運転員の参考用に利用さ
れる。なお、この第2の原子炉周期信号τ’の算出方法
としては、上記の図1や図4に示した修正原子炉周期演
算器の方法が利用できる。
【0034】最後に、図9は、本発明のさらに他の実施
例である制御棒操作制御システムの構成を示したもので
ある。このさらに他の実施例では、原子炉圧力容器1内
に、原子炉の出力を制御するN本の制御棒C1〜CN、及
び、原子炉起動時の中性子束を検出する中性子束モニタ
用のK個の検出器101〜10Kが配置されている。これ
らの制御棒C1〜CNは、制御棒駆動源M1〜MNにより位
置が調整され、制御棒の位置は制御棒位置検出器P1
Nによって検出される。この図9に示す実施例では、
上記制御棒C1〜CNの駆動源としてモータを用いている
が、これに代えて、例えば水圧によって制御棒を駆動す
る水圧駆動源を用いても良い。
【0035】上記の検出器101〜10Kからの出力は、
それぞれ、中性子束モニタ2d1〜2dK入力されている
が、これらの中性子束モニタ2d1〜2dKは同一の構成で
ある。なお、これらの中性子束モニタ2d1〜2dKからの
出力信号は、本発明による修正原子炉周期τ’ではな
く、上述の従来技術で説明した数2や数4で算出した、
いわゆる、一般の原子炉周期τの逆数1/τである。中
性子束モニタ2d1〜2dKからの中性子計数率信号φと原
子炉周期信号(原子炉周期τの逆数1/τ)は、他の入
力信号と共に、炉出力制御装置16dに入力される。
【0036】また、この炉出力制御装置16dでは、上
記制御棒C1〜CNの挿入あるいは引き抜き操作を判定
し、指令を制御棒制御装置18に出力する。この制御棒
制御装置18は、上記制御棒C1〜CNの位置を検出して
出力する位置検出器P1〜PNからの制御棒位置信号を参
照しつつ、上記制御棒C1〜CNを上下に駆動する駆動装
置191〜19Nに制御信号を出力し、制御棒駆動源M1
〜MNにより各制御棒C1〜CNの位置を調整する。
【0037】上記図9に示した、さらに他の実施例によ
る特徴は、炉出力制御装置16d内に、他の信号と共に
入力した上記一般の原子炉周期信号(原子炉周期τの逆
数1/τ)を入力とする、時定数Tdの一次遅れ回路1
7を設け、この炉出力制御装置16d内の一次遅れ回路
17により、本発明の特徴となる修正された原子炉周期
信号1/τ’を得る、この修正原子炉周期信号1/τ’
を上記制御棒C1〜CNの挿入や引き抜き操作の判定に利
用することである。この様な、さらに他の実施例になる
制御棒操作制御システムによれば、従来タイプの原子炉
周期信号1/τを使えるので、既存の中性子束モニタを
そのまま利用できるため、中性子束モニタを新たに交換
する必要がなく、経済的であるという利点がある。
【0038】また、上記のさらに他の実施例では、炉出
力制御装置16dにはK個の原子炉周期信号1/τ’が
得られるが、これに代えて、下記の式により得られる空
間平均した原子炉周期信号(1/τ’)TOT
【数11】 を制御棒操作の判定に使うこともできる。この空間平均
した原子炉周期信号は、個々の検出器101〜10Kの信
号より平滑化されており、そのため、制御棒操作システ
ムの制御棒操作を判定する信号としては、平均化されて
いない信号よりも適しているという利点がある。
【0039】
【発明の効果】上記の本発明の詳細な説明からも明らか
なように、本発明になる原子炉の中性子束モニタ方法及
び装置によれば、起動時間の短縮などを目的とした制御
棒制御システムに適した、すなわち、応答が早く、か
つ、反応度投入直後の遅発中性子先行核濃度変化による
過渡的な原子炉周期(ペリオド)の影響が少ない、平滑
化された(修正された)原子炉周期信号を得ることが出
来る。かかる、応答が早くかつ過渡的な原子炉周期(ペ
リオド)の影響が少ない修正原子炉周期信号を原子炉の
制御棒制御システムに適用することにより、不要な制御
棒の操作中止がなく、従来、難しかった起動時間の短縮
を実現する原子炉の制御棒操作制御システムを提供する
ことが可能になると言う優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である原子炉の制御棒操作制
御システムに利用する中性子束モニタの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】反応度投入時の中性子束変化とペリオド変化の
関係を示すグラフである。
【図3】本発明の原理を説明するため、ステップ状の中
性子束φとΨの変化、及び、これに対応したペリオドの
逆数1/τ、1/τ’の変化状況を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例である中性子束モニタの構
成を示すブロック図である。
【図5】中性子束計測値φの時間変化の一例を示すグラ
フである。
【図6】上記図4の実施例になる中性子束モニタによ
る、時定数Tdを変化した時のペリオド演算結果を示す
グラフである。
【図7】上記図6のペリオド演算結果において、時定数
dと時定数Tcを入れ替えた場合のペリオド演算結果を
グラフである。
【図8】本発明のさらに他の実施例である広域中性子束
モニタの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例である中性子束モニ
タの構成と、それを利用した原子炉の制御棒操作制御シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 中性子束モニタ 3 前置増幅器 4 波高弁別回路 5 対数計数率回路 6 原子炉周期演算器 61 一次遅れ回路 62 比例回路 63 一次遅れ回路 7 線形計数率回路 8 サンプラ 9 ホ−ルド回路 10 検出器 11 対数キャンベル回路 12 切替回路 13 第1の原子炉周期演算回路 14 ロッドブロック、スクラム判定回路 15 第2の原子炉周期演算回路 16 炉出力制御装置 17 一次遅れ回路 18 制御棒制御装置 19 駆動装置 20 原子炉周期演算器 P1〜PN 制御棒位置検出器 M1〜MN モータ C1〜CN 制御棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東川 裕一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 石井 一彦 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉内の炉心に配置された中性子束検
    出器からの計数率信号から、前記計数率信号の高周波成
    分を除去する時定数Tcの一次遅れフィルタを通した信
    号を演算し、その信号から原子炉周期あるいは中性子束
    変化率を表す信号を演算し、さらに、前記原子炉周期あ
    るいは中性子束変化率を表す信号から、遅発中性子先行
    核濃度変化の影響を低減するための時定数Tdの一次遅
    れフィルタを通すことにより、修正された原子炉周期を
    算出して出力することを特徴とする原子炉の中性子束モ
    ニタ方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1の原子炉の中性子束モニタ
    方法において、前記遅発中性子先行核濃度変化の影響を
    低減するための一次遅れフィルタの時定数Tdは、前記
    原子炉の前記遅発中性子先行核濃度変化に基づく過渡的
    な原子炉周期に基づいて決定されることを特徴とする原
    子炉の中性子束モニタ方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項2の原子炉の中性子束モニタ
    方法において、前記遅発中性子先行核濃度変化の影響を
    低減するための一次遅れフィルタの時定数Tdは、1秒
    以上に設定されることを特徴とする原子炉の中性子束モ
    ニタ方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3の原子炉の中性子束モニタ
    方法において、前記計数率信号の高周波成分を除去する
    一次遅れフィルタの時定数Tcは、 1秒<Tc<10秒 の関係に設定されていることを特徴とする原子炉の中性
    子束モニタ方法。
  5. 【請求項5】 原子炉内の炉心に配置された中性子束検
    出器からの高周波成分を含む計数率信号から、中性子束
    変化率を表す信号及び原子炉周期信号を算出して出力す
    る原子炉の中性子束モニタ装置であって、少なくとも、
    前記計数率信号の高周波成分を除去するための時定数T
    cの一次遅れフィルタと、遅発中性子先行核濃度変化の
    影響を低減するための時定数Tdの一次遅れフィルタと
    を備えていることを特徴とする原子炉の中性子束モニタ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項5の原子炉の中性子束モニタ
    装置において、前記時定数Tcの一次遅れフィルタによ
    って高周波成分を除去した計数率信号を、さらに、前記
    時定数Tdの一次遅れフィルタによって処理して修正原
    子炉周期信号を算出することを特徴とする原子炉の中性
    子束モニタ装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項5の原子炉の中性子束モニタ
    装置において、前記時定数Tcの一次遅れフィルタ及び
    前記時定数Tdの一次遅れフィルタは、ディジタル処理
    によるフィルタから構成されていることを特徴とする原
    子炉の中性子束モニタ装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項5の原子炉の中性子束モニタ
    装置において、さらに、前記中性子束検出器からの計数
    率信号を、前記時定数Tcの一次遅れフィルタ及び前記
    時定数Tdの一次遅れフィルタのいずれか一方に切り替
    えるための切替回路を備えていることを特徴とする原子
    炉の中性子束モニタ装置。
  9. 【請求項9】 原子炉内の炉心に配置された中性子束検
    出器と、前記中性子束検出器からの計数率信号から、中
    性子束変化率を表す信号及び原子炉周期信号を算出して
    出力する原子炉の中性子束モニタ装置と、前記中性子束
    モニタ装置からの中性子束計数率と原子炉周期に基づい
    て原子炉内の炉心の制御棒の引抜と挿入操作を制御する
    制御棒制御装置とを備えた原子炉の制御棒操作制御シス
    テムにおいて、前記中性子束モニタ装置は、少なくと
    も、前記計数率信号の高周波成分を除去するための時定
    数Tcの一次遅れフィルタと、遅発中性子先行核濃度変
    化の影響を低減するための時定数Tdの一次遅れフィル
    タとを備え、修正した原子炉周期信号を出力することを
    特徴とする原子炉の制御棒操作制御システム。
  10. 【請求項10】 前記請求項9の原子炉の制御棒操作制
    御システムにおいて、前記遅発中性子先行核濃度変化の
    影響を低減するための一次遅れフィルタの時定数T
    dは、1秒以上に設定されることを特徴とする原子炉の
    制御棒操作制御システム。
  11. 【請求項11】 前記請求項10の原子炉の制御棒操作
    制御システムにおいて、前記計数率信号の高周波成分を
    除去する一次遅れフィルタの時定数Tcは、 1秒<Tc<10秒 の関係に設定されることを特徴とする原子炉の制御棒操
    作制御システム。
  12. 【請求項12】 前記請求項9の原子炉の制御棒操作制
    御システムにおいて、前記制御棒制御装置は、制御棒の
    引抜・挿入操作を行ってから次の制御棒の操作を判定す
    るための所定の期間Twを有し、かつ、前記前記計数率
    信号の高周波成分を除去するための時定数Tcの一次遅
    れフィルタの時定数と、前記遅発中性子先行核濃度変化
    の影響を低減するための時定数Tdの一次遅れフィルタ
    の時定数とを、それぞれ、Tc、Tdとしたとき、 Tc+Td<Tw の関係を満足するように設定されていることを特徴とす
    る原子炉の制御棒操作制御システム。
  13. 【請求項13】 前記請求項10の原子炉の制御棒操作
    制御システムにおいて、前記制御棒制御装置の所定の期
    間Twは、前記時定数TcとTdの和(Tc+Td)のほぼ
    2倍程度に設定されていることを特徴とする制御棒操作
    制御システム。
  14. 【請求項14】 前記請求項9の原子炉の制御棒操作制
    御システムにおいて、さらに、前記中性子束モニタ装置
    から得られる複数の修正した原子炉周期信号を平均化し
    た信号に基づいて前記制御棒の引抜・挿入操作を判定す
    る炉出力制御装置を設けたことを特徴とする原子炉の制
    御棒操作制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004294193A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Toshiba Corp 放射線出力監視装置
JP2009150704A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 冷温臨界試験方法および試験装置
WO2017164961A3 (en) * 2016-01-15 2017-11-23 Westinghouse Electric Company Llc In-containment ex-core detector system
RU2779607C1 (ru) * 2021-05-31 2022-09-12 Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" (Госкорпорация "Росатом) Способ и устройство контроля плотности потока нейтронов

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