JP3275163B2 - 制御棒制御装置及び制御棒操作方法 - Google Patents
制御棒制御装置及び制御棒操作方法Info
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Description
WR)を自動的に起動・停止する制御棒自動制御装置に
係り、特に、短時間で安全に起動するのに好適な制御棒
制御装置及び制御棒操作方法に関する。
においては、炉心内に挿入されている制御棒を順次徐々
に引き抜いて、原子炉の出力を上昇させる。この過程
は、原子炉出力の小さい順に、 (1)未臨界の炉心を臨界にする臨界近接モ−ド (2)原子炉圧力と炉水温度を定格値まで上昇させる昇温
昇圧モ−ド (3)炉心で発生した蒸気を発電機に送らずにバイパスさ
せる原子炉出力制御モ−ド (4)発生蒸気を発電機に送り定格出力まで出力を増加さ
せる発電機出力モ−ドに大別できる。これらの各過程の
制御棒操作は、従来、運転員によって行われている。
作量が多く且つ操作に注意を要するモ−ドは、1番目の
「臨界近接モ−ド」である。この臨界近接モードでは、
運転員は、原子炉に急激な反応度を与えないように、予
め与えられた制御棒操作手順に従って制御棒を操作しな
ければならない。ここで「制御棒操作手順」とは、どの
制御棒をどの順番でどれだけ引き抜いたら、次にまた、
どの制御棒をどの順番でどれだけ引き抜くかを示したも
のであり、通常、起動ごとに用意される制御棒引抜きシ
ーケンスにて規定される。
φの絶対値でおよその未臨界度(臨界からの隔たり)を
把握し、その情報と中性子束の時間変化率を表す原子炉
周期(ペリオド)τとによって制御棒を操作するタイミ
ング及び操作量(引抜く対象の制御棒グループは、制御
棒引抜きシーケンスにて規定されている。)を判断し、
原子炉を安全に臨界にしている。
を目的として、上記のような制御棒操作を自動化する方
法が考案されている。制御棒操作自動化技術の公知例と
して、特開昭60-179689号公報記載のものがある。この
従来技術では、一点動特性方程式を用いて炉心反応度を
推定し、操作すべき制御棒本数や制御棒位置から引き抜
き速度を設定している。また、日本原子力学会誌Vol.34
p161に掲載の「沸騰水型原子力発電プラント起動時の
制御棒操作自動化方式」には、推定した炉心反応度をも
とに適切な引き抜き速度を計算し、連続引き抜き開始、
連続引き抜き中止とノッチ引き抜き開始のタイミングを
判定する方法が記載されている。
一点動特性方程式を解いて当該制御棒グループの制御棒
操作量を計算している。しかし、一点動特性方程式で
は、中性子束情報として、中性子束検出器の信号を利用
するが、中性子束検出器は、臨界近接モード時はパルス
カウント方式であり、特性上5%程度のノイズが生じる。
また、原子炉内の中性子束空間分布は、制御棒,中性子
源,検出器の位置関係により、空間的に複雑な分布をし
ており、中性子束の時間的変化も、臨界度及び制御棒に
て炉心内に投入された反応度に依って、制御棒停止後も
一定時間上昇する特性がある。
点に集約した)一点動特性方程式では計算誤差の拡大が
予想される。また、空間3次元動特性方程式の導入は計
算時間の観点より困難である。一点動特性方程式を用い
て炉心反応度を推定し、操作すべき制御棒本数や制御棒
位置から引き抜き速度を設定する方法では、計算誤差の
拡大時の引き抜き速度に対する対策をとる必要がある。
即ち、万が一、臨界近傍付近で計算誤差が拡大すると、
(計算した引き抜き速度が大きすぎることにより)制御
棒の過引抜きを起こし、炉周期短(最悪の場合スクラム
する。)を発生させる事態が考えられ、これに対する対
策を考慮する必要がある。
で安全に原子炉を起動(臨界操作も含めて)できる制御
棒制御装置及び制御棒操作方法を提供することにある。
に、制御棒位置と、該制御棒位置から制御棒を引抜いた
場合に炉心に投入される反応度が所定値以下となるステ
ップ数とが、対応づけて設定されており、炉心固有値が
所定値に達しているとき、前回の制御棒操作から所定時
間経過した時点における中性子束に基いて制御棒操作指
令を出力するか否かを判断し、制御棒操作指令を出力す
る場合、引抜かれる制御棒の制御棒位置に対応する前記
ステップ数ずつ制御棒を引抜くように制御棒操作指令を
出力する、ことによって達成される。
位置に対応づけて設定されたステップ数に対応する引抜
量を1回で引抜かせる操作モードをサブステップモード
とし、該サブステップモード時の制御棒操作量を制御棒
引抜きシーケンスに含めることにより、投入反応度を上
記の値以下に保証することが可能となる。また、操作モ
ードとしては、炉心固有値が所定値になるまで操作対象
グループの制御棒の引抜きを行う連続モードとサブステ
ップモードの2つの操作モード、又は、更に制御棒の最
小操作単位の引抜量で引抜くステップモードを加えた3
つの操作モードを使って制御棒を操作することも可能で
ある。更に前回の制御棒操作から所定時間経過した時点
における中性子束に基づいて、前述の制御棒操作指令を
出力するか否かを判断するのが好適である。
は、臨界近くまでは高速に制御棒を引き抜き、臨界近く
になってからは、制御棒操作により炉心に投入される投
入反応度を制限し、かつ中性子束を監視しながら慎重な
制御棒操作をして、臨界に到達させる必要がある。
る連続モードが適している一方、逆増倍率法等を利用し
て、炉心が臨界近傍であると判定してからは、制御棒の
過引抜きによる炉周期短の発生を防ぐには、連続モード
からサブステップモードに移行する。即ち、サブステッ
プモード1回の制御棒操作により炉心に投入される投入
反応度が制限されるため、制御棒の過引抜きによる炉周
期短の発生を防ぐことができる。また、次の制御棒操作
を行う際には、炉心が臨界に到達していないことを確認
する必要もある。このために、制御棒操作終了後に、例
えば炉周期を監視して、中性子束が落ち着いたのを確認
してから、次の制御棒操作を引き抜く。
御棒引抜きシーケンスに含めることでサブステップモー
ドを定義し、停止信号を出して制御棒を停止させる場合
に発生する制御棒オーバーランをなくす。これにより、
投入反応度を規定値以下に保証することが可能となる。
を参照して説明する。まず、具体的実施形態の説明に先
立ち、本発明の原理を図2を用いて説明する。図2は、
未臨界の炉心を臨界にする臨界近接モ−ドでの制御棒操
作方法を示した模式図である。横軸は制御棒引き抜き開
始後の時間である。縦軸は、炉心固有値keffであり、
固有値“1”が臨界を示し、“1”未満が未臨界、
“1”を超えると超臨界状態である。制御棒全挿入時
(点A)から臨界判定(点D)までの操作を実現するの
が臨界近接モ−ドである。
の特徴であるサブステップモードと、ステップモードと
の3つの操作モ−ドを使って制御棒を操作する。尚、ス
テップモードの代わりにサブステップモードを用い連続
モードとサブステップモードの2つの操作モードで制御
することも可能である。3つの操作モ−ド(連続モー
ド,サブステップモード,ステップモード)を利用する
場合は、図2におけるA点〜B点、B点〜C点、C点〜
D点を夫々のモードで制御する。2つの操作モ−ド;連
続モード、サブステップモードを利用する場合は、図2
におけるA点〜B点、B点〜D点を各モードで制御す
る。
点〜D点)を、臨界近傍と定義する。点Bまでは未臨界
度が比較的大きく、臨界を超える心配が少ないため、中
性子束検出器信号から導出したペリオドが小さくならな
いように、比較的速い操作モードである連続モードで予
め決められた複数本の制御棒を同時に引き抜くことがで
きる。ペリオド信号は原子炉の安全系に組み込まれてお
り、設定値より短くなると制御棒の引き抜きを阻止した
り(例えば、ペリオド20秒)、スクラムしたりする
(例えば、ペリオド10秒)。点Aから点Bの間でペリ
オドτが小さくなるのは、制御棒が中性子検出器の近く
を通過し、局所的に中性子束φが増加するときである。
そこで、連続モ−ドでは、ペリオドτが短くなると予め
予想される位置に、制御棒シーケンス上で引抜きリミッ
トを設定して制御棒操作を一時停止させ、中性子束が落
ち着いてから、再引抜きを始めるようにする。B点〜C
点またはB点〜D点までは、サブステップモードによ
り、予め決められた複数本の制御棒を引き抜く。サブス
テップモードは、投入反応度が、操作モード1回の制御
棒操作により炉心に投入される投入反応度が臨界近傍
で、制御棒の過引抜きによる炉周期短を防げる値以下と
なる引き抜き操作モ−ドである。制御棒の反応度は、燃
料特性や制御棒の位置によって大きく異なるため、制御
棒の物理的な最小操作単位である1ステップで1サブス
テップを構成することもあれば、20ステップで1サブ
ステップになることもある。1サブステップに相当する
引き抜き量は、予め計算により求めておき、例えば引抜
きシーケンス内にデ−タとして与える。1サブステップ
当りの反応度は、0.05%Δk程度以下(ペリオド12
0秒以上に相当)が適切である。予め決められた複数本
の制御棒を1サブステップ引き抜いたあとで、必ず一定
期間(例えば15秒間)以上制御棒を停止させ、中性子
束が落ち着き、まだ臨界に達していないことを確認して
から、次の引抜き操作を行う。このように、サブステッ
プモードを利用した制御棒引抜き及び制御棒停止後の中
性子束監視を行うことにより、臨界近接モード時に、制
御棒の過引抜きによる炉周期短を防げる制御システムが
可能となる。1サブステップ当りの反応度を0.05%
Δk以下とすると、サブステップモードへ移行したとき
の固有値はおよそ0.99であるから、約20回のサブ
ステップ引き抜きを行うと、臨界に到達する。
に移行する点Bに達したか否かの判定法としては、制御
棒全挿入時の中性子束φ0とその時点の中性子束φとの
比(φ/φ0)で判定する方法や、一点動特性方程式を
解く方法等が考えられる。どの方法にしても、サブステ
ップ移行判定に要求される精度は、以下の理由により厳
しくない。即ち、0.99のサブステップ移行点に100%
の誤差が生じる、即ち0.98〜0.995程度にずれても、サ
ブステップは0.0005Δk以下の反応度なので問題はな
い。また、固有値が0.99になる制御棒引き抜き位置
は、炉水の温度や燃料の燃焼の進み具合、サマリウムや
キセノン等の量によっても変わるため、事前の精度よい
予測は困難である。本発明は、判定法がおよそ0.99
になる固有値を予測するものでも問題ないような制御棒
自動制御装置を検討した結果、サブステップモードを利
用した制御棒引抜き及び制御棒停止後の中性子束監視の
重要性を認識して生まれたものである。
では、3つの操作モ−ドを利用する場合には、微小な反
応度の調整が可能なステップモードを利用する。一方、
2つの操作モ−ドの場合、そのままサブステップモード
で行う。基本的に、制御棒自動制御装置としては、どち
らでも問題なく、より高速な起動を目指す場合には、2
つの操作モ−ドを採用し、臨界をステップモードにて慎
重に達成したい場合に、3つの操作モ−ドを採用する。
臨界近接モ−ドにおいて、炉心の固有値が小さい(未臨
界度が大きい)場合には、連続モ−ドで制御棒を引き抜
き、臨界に近くなった場合には、サブステップモ−ドを
利用する。各操作モ−ドの切り替えは、中性子束を利用
して判断できる。連続モ−ドとサブステップモ−ドの制
御棒操作手順は予め決まっており、かつモ−ドの切り替
えが簡単なため、安全及び高速な起動が実現できること
になる。
る。図1は、本発明の一実施形態に係る臨界近接モード
時の制御棒自動制御装置の構成図である。また、図7
は、ABWRの全体概略図である。図7において、原子
炉圧力容器1内の炉心2には、原子炉の出力を制御する
複数の制御棒3が配置されている。各制御棒3は、制御
棒駆動機構5と、制御棒3を動かすモ−タ6により駆動
される。また、各制御棒3には、制御棒位置検出器8が
設置されている。炉心2には、原子炉起動時の中性子束
を検出する中性子束検出器(SRNM)4が配置されて
いる。中性子束検出器4は、中性子束情報を、制御棒自
動制御装置12に出力する。本実施形態の制御棒駆動制
御装置11は、制御棒引抜きシーケンス9及び制御棒ギ
ャンググループ10(ギャンググループとは、同時に操
作する複数本の制御棒のグループ)の情報をもとに、制
御棒自動制御装置12の制御棒操作指令により、制御棒
を操作する。
界近接モ−ドの場合の御棒棒の動作を説明する。臨界近
接モ−ドの場合、制御棒自動制御装置12は、中性子束
検出器4からの中性子束信号(情報)に対して、平均,
フィルタ処理,炉周期(ペリオド)計算をし、制御棒操
作モードの判定(サブステップモード判定及び臨界近接
判定)及び制御棒引抜き許可の判定を行う。制御棒駆動
制御装置11は、図6に示す制御棒ギャンググループ1
0(図6で、ギャンググループは、1,2,3〜10D,1
0Eと定義されている。)を基に、二百本以上ある制御棒
から操作する制御棒のグループを選択し、引き抜き指令
や挿入指令と、制御棒到達目標位置とを、選択した制御
棒のモ−タ駆動制御装置7に指示する。モ−タ駆動制御
装置7は、制御棒位置検出器8の指示値と制御棒到達目
標位置を比較して、制御棒3が目標位置で停止するよう
にモ−タ6の回転数を制御し、目標位置に到達したとき
には、制御棒駆動制御装置11に、目標位置に到達した
信号を送信する。
置7から目標位置到達信号を受信した制御棒駆動制御装
置11は、制御棒自動制御装置12に目標位置到達信号
(制御棒操作情報)を送信する。この信号を受けた制御
棒自動制御装置12は、再び、次の操作の操作モ−ドを
判定し、制御棒操作指令を出す。以上の構成により、上
述した3つの操作モ−ドを用いた臨界近接方法で制御棒
を安全に自動操作することができる。
の行なう引抜き許可判定アルゴリズムを示す図である。
現在、制御棒が停止中であり、前回引抜き完了後所定時
間(この例では15秒)以上経過し、且つ制御棒停止中
のペリオドが充分大きい(この例では200秒)場合に
は、制御棒引き抜き許可信号を出し、制御棒の引抜きを
行う。但し、制御棒が動作中であり、ペリオドが小さい
(この例では50秒以下)場合には、制御棒引き抜き停
止信号を出し、制御棒の引抜きを停止する。また、臨界
判定された場合には、制御棒操作を行わない。
ドは、図4に示すように、“臨界近接判定”及び“サブ
ステップモード判定”の結果により決定される。操作モ
ードには、前述したように、連続モード、サブステップ
モード及びステップモードの3つがある。
御棒引抜きシーケンスを例に説明する。この実施形態で
は、図6に示すように複数の制御棒がグル−プ1,2,
3,〜,10D,10Eをつくり、同一グル−プに属する制御
棒は同時に操作される。図5中のギャンググループはこ
の制御棒グル−プを表し、各欄中の上段に“引抜きリミ
ット位置”/“サブステップモード時の操作ステップ
数”が示され、下段に“引抜き順序”が示されている。
制御棒位置は、0(ステップ)が全挿入を、200(ス
テップ)が、制御棒全引き抜き位置を表す。制御棒引抜
きは、“引抜き順序”に従って、対応するギャンググル
ープ(表中の左端)を、“引抜きリミット位置”まで引
抜いてから、次の引抜きが行われる。例えば、図5の表
の左上隅の引抜き順序“1”番の「60/0」は、0〜
60ステップまでを1回で引き抜き、次の順序“2”番
の「68/0」は、60〜68ステップまでを1回で引
き抜くことを示す。
リミット位置”まで、連続に引抜かれて停止し、図3に
示す処理にて引抜き許可判定が出ると、次の引抜き操作
を行う。連続モ−ドの制御棒引抜きシーケンスは、中性
子束検出器が設置されペリオドが小さくなりやすい75
ステップ位置を中心に制御棒停止位置(“引抜きリミッ
ト位置”)が設定されている。一時停止位置は、事前に
三次元の炉心特性解析コ−ドで評価して決定する。ま
た、中性子束が落ち着くまで停止していることは、サブ
ステップ移行判定等に利用されている逆増倍率法の精度
を上げるうえでも有効である。即ち、逆増倍率法は、中
性子束が安定(落ち着いている)状態にて成立する式で
あり、制御棒停止直後のような中性子束上昇中の値を用
いると精度が落ちる。
ブステップモ−ド時の操作ステップ数”だけ引き抜かれ
る毎に停止する。“操作ステップ数”引抜かれた際の制
御棒投入反応度は、0.05%Δk以下なるように設定
しておく。反応度0.05%Δkは、ペりオド約120秒
に相当するため、サブステップモードにて、臨界に到達
しても、過引抜きによるペリオド短を防ぐことができる
(通常の臨界時のペリオドは、80〜150秒が望まし
い)。なお、ステップモ−ドでは、最小操作量である1
ステップ毎に一時停止する。尚、この制御棒引抜きシー
ケンス9は、1燃料サイクルが終了して新しい燃料と古
い燃料の交換を実施する度に、新しいデ−タを入力する
必要がある。
逆増倍率法を利用した中性子束比で判定する方法が考え
られる。その原理を以下に簡単に示す。外部中性子源強
度をS、炉心固有値keffとすると、未臨界の原子炉の
中性子束レベルφは次の数1
BWRプラントでは、この時の固有値は一般に0.88
〜0.92なので、数1から、固有値が0.99のとき
の中性子束φ1は、
ドへの移行は、中性子束レベルφにより判定でき、本実
施形態ではQ=8としている。なお、サブステップモ−
ドに移行したときには、同時に制御棒引き抜き停止信号
を出す。
場合、現在の操作モ−ドがサブステップモ−ドの時に
は、逆増倍法を利用したステップモ−ドへの移行判定
(図4では、臨界近接判定と定義している。)を行う。
逆増倍法によれば、現在位置から臨界点までの予想引き
抜きステップ数Δmは、現在までの総引き抜きステップ
数をm1、前回制御棒操作までの総引き抜きステップ数
をm0、現在の中性子束レベルをφ1、前回制御棒操作時
の中性子束レベルをφ0とすると、次の数3
プとして
プモ−ドへの移行条件)にする。固有値ではなく、臨界
までの予想引き抜きステップ数でステップモ−ドへ移行
する利点は、ステップモ−ドにおける制御棒操作回数が
ほぼ一定になることにある。ステップモ−ドに移行した
後には、制御棒停止後ペリオドが200秒以下の持続時
間を計測し、その時間が120秒を超えたならば臨界に
到達したと判定する。
制御棒自動制御装置を利用して自動化運転したときの、
臨界近接モ−ドを評価した結果を図8に示す。連続モ−
ドからサブステップモ−ドへの切り替え条件は、数2の
φ≧8×φ0、サブステップモ−ドからステップモ−ド
への切り替え条件は数3のΔm≦12ステップを利用
し、図5,図6に示した制御棒引抜きシーケンス及び制
御棒グループピングを利用している。図8の横軸は制御
棒引き抜き開始後の時間を表し、縦軸は制御棒引き抜き
総量(ステップ)とペリオドの逆数(1/秒)を表す。
3の48ステップ)まで制御棒を引き抜く。Gr.3を
48ステップ引き抜いたときに、中性子束レベルφが数
2のφ≧8×φ0を満たしサブステップモ−ドに移行す
る。サブステップモ−ドでは、Gr.3の72ステップ
位置で数3のΔm≦12ステップの条件を満たし、ステ
ップモ−ドに移行する。ステップモ−ドでは、82ステ
ップ位置で臨界に達する。このようにサブステップモー
ドを設けることにより、臨界に30分以内で到達でき、
臨界到達までの時間として充分短い。
を昇温昇圧モ−ドに適用した場合の一実施形態を示す図
である。昇温昇圧モ−ドでは、炉水温度変化率が目標炉
水温度変化率と一致するように制御棒を操作するが、こ
の実施形態では、目標炉水温度変化率と実際に計測した
炉水温度変化率の差から炉水温度変化率偏差信号を求
め、それに比例定数Kp、積分時定数TのPI制御を施
した信号にて、目標中性子束を得る。
子束との差からPI制御目標中性子束との偏差信号(Δ
φ)を求める。中性子束偏差信号Δφは、図10に示す
PI制御操作判定にて、事前に設定した正数aより大き
く、かつ制御棒停止後15秒間以上経過しているときに
は制御棒引き抜き許可信号を発生する。また、中性子束
偏差信号Δφが事前に設定した負数bより小さく、かつ
制御棒停止後15秒間以上経過しているときには制御棒
挿入許可信号を発生する。また、昇温昇圧の初期におい
ては、初期制御操作を行い、安全かつ迅速に中性子束を
上昇させ、炉水の加熱に十分な中性子束レベルまで上昇
させ(PI制御移行判定)、スムーズにPI制御に移行
させる。
を操作モ−ドの判定にも利用する。中性子束偏差信号Δ
φの絶対値が、事前に設定した正数cより大きいとき、
即ちc<|Δφ|の時には、サブステップモ−ドを選択
する(但し、a<c) 。中性子束偏差信号Δφの絶対
値が、|Δφ| <cなる関係にある場合には、ステッ
プモ−ドを選択する。定数a,b,cは、制御系や原子
炉の応答特性に依存するが、シミュレ−ションにより事
前に最適値を設定することができる。PI制御におい
て、制御棒操作は基本的にステップ操作であるが、目標
との偏差が大きくなった場合には、サブステップモード
を用いる。これは、制御棒の価値が軸方向位置で大きく
異なるため、安全かつ迅速に中性子束を上昇させるため
に、ある程度の投入反応度が期待できるサブステップモ
ードを利用するものである。
した結果を図11に示す。同図より、サブステップモー
ドを利用することにより、炉水温度変化率はよく目標値
に追従できることが分かる。また、原子炉出力制御モ−
ドや発電機出力制御モ−ドにおいても、連続モード,サ
ブステップモード(更に、ステップモードの追加)の考
え方は、原子炉を安全に且つ高速に起動するために有効
である。制御棒の価値は、軸方向位置いおいて大きく変
化しており、サブステップ情報を利用することで、その
価値を均一化できるためである。
棒の自動操作により原子炉を起動することができる。
制御棒自動制御装置の構成図である。
近接モ−ド時の制御棒操作方法を説明する模式図であ
る。
き許可判定処理アルゴリズムの一例を示す図である。
モード処理アルゴリズムの一例を示す図である。
きシーケンスの一例を示す図である。
ーピング図である。
制御棒自動制御装置を適用した全体概略図である。
ドの解析結果を示す図である。
制御棒自動制御装置の構成図である。
温昇圧時のPI制御操作判定アルゴリズムの一例を示す
図である。
−ドの解析結果を示す図である。
子束検出器、5…制御棒駆動機構、6…モ−タ、7…モ
−タ駆動制御装置、8…制御棒位置検出器、9…制御棒
引抜きシーケンス、10…制御棒ギャンググループ、1
1…制御棒駆動制御装置、12…制御棒自動制御装置。
Claims (5)
- 【請求項1】 原子炉内に配置された複数の制御棒を予
め設定されたシーケンスに基づいて操作する制御棒駆動
制御装置に対して、制御棒操作指令を出力する制御棒制
御装置において、 前記シーケンスには、制御棒位置と、該制御棒位置から
制御棒を引抜いた場合に炉心に投入される反応度が所定
値以下となるステップ数とが、対応づけて設定されてお
り、炉心固有値が所定値に達しているとき、前回の制御棒操
作から所定時間経過した時点における中性子束に基いて
制御棒操作指令を出力するか否かを判断し、制御棒操作
指令を出力する場合、 引抜かれる制御棒の制御棒位置に
対応する前記ステップ数ずつ制御棒を引抜くように制御
棒操作指令を出力することを特徴とする制御棒制御装
置。 - 【請求項2】 原子炉内に配置された複数の制御棒を予
め設定されたシーケンスに基づいて操作する制御棒駆動
制御装置に対して、制御棒操作指令を出力する制御棒制
御装置において、 前記シーケンスには、制御棒位置と、該制御棒位置から
制御棒を引抜いた場合に炉心に投入される反応度が所定
値以下となるステップ数とが、対応づけて設定されてお
り、 制御棒全挿入時の中性子束と現時点での中性子束との比
が所定値に達しているとき、前回の制御棒操作から所定
時間経過した時点における中性子束に基づいて制御棒操
作指令を出力するか否かを判断し、制御棒操作指令を出
力する場合、引抜かれる制御棒の制御棒位置に対応する
前記ステップ数ずつ制御棒を引抜くように制御棒操作指
令を出力することを特徴とする制御棒制御装置。 - 【請求項3】 前記反応度に対する所定値は、該所定値
から求められる炉周期が制御棒阻止信号を発生させる炉
周期以上となるような値が設定されることを特徴とする
請求項1又は2記載の制御棒制御装置。 - 【請求項4】 前記反応度に対する所定値は、0.05
%Δk以下の値であることを特徴とする請求項1又は2
記載の制御棒制御装置。 - 【請求項5】 原子炉内に配置された複数の制御棒を予
め設定されたシーケ ンスに基づいて操作する制御棒操作
方法において、 前記シーケンスには、制御棒の引抜きリミット位置が予
め設定されており、 原子炉起動時に、制御棒をリミット位置まで連続的に引
抜く連続モード、制御棒をリミット位置まで炉心に投入
される反応度が所定値を超えないように設定されたステ
ップ数ずつ引抜くサブステップモード、及び制御棒をリ
ミット位置まで1ステップずつ引抜くステップモードと
を設定し、前回の制御棒操作から所定時間経過した時点
における中性子束に基づいて制御棒を引抜くか否かを判
断することを特徴とする制御棒操作方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18502696A JP3275163B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 制御棒制御装置及び制御棒操作方法 |
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JP18502696A JP3275163B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 制御棒制御装置及び制御棒操作方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1031087A JPH1031087A (ja) | 1998-02-03 |
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Family Applications (1)
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JP18502696A Expired - Lifetime JP3275163B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 制御棒制御装置及び制御棒操作方法 |
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JP (1) | JP3275163B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011038809A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子炉出力制御装置及び原子炉出力制御方法 |
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---|---|---|---|---|
JP7374140B2 (ja) * | 2021-01-20 | 2023-11-06 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 制御棒自動制御装置および制御棒自動制御方法 |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP18502696A patent/JP3275163B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011038809A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子炉出力制御装置及び原子炉出力制御方法 |
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