JP3085770B2 - 放射線監視装置 - Google Patents

放射線監視装置

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JP3085770B2 JP04043432A JP4343292A JP3085770B2 JP 3085770 B2 JP3085770 B2 JP 3085770B2 JP 04043432 A JP04043432 A JP 04043432A JP 4343292 A JP4343292 A JP 4343292A JP 3085770 B2 JP3085770 B2 JP 3085770B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所における
核計装としての放射線監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は原子炉の起動領域モニタとして用
いられる放射線監視装置の構成図である。放射線検出器
1は原子炉炉心に配置され、γ線、α線、β線、中性子
線等を検出して電気信号に変換するもので、例えばGM
管、SSD、シンチレーション検出器とフォトマルチプ
ライヤとの組合わせ、電離箱等が用いられる。なお、こ
では電離箱を用いて説明する。
【0003】この放射線検出器1にはカップリングコン
デンサ2、前置増幅器3を介して監視装置4が接続され
ている。なお、カップリングコンデンサ2は前置増幅器
3の内部に含まれている。
【0004】この監視装置4には信号処理回路5及びバ
イアス電源6が備えられている。このうち、バイアス電
源6は放射線検出器1に対してバイアス電圧を印加する
ものである。又、信号処理回路5はパルス計数方式を採
用したもので、放射線検出器1からの信号を計数し、放
射線検出器1に入射する放射線の強度から原子炉出力を
求める機能を有している。具体的には図9に示すように
データ収集部7、原子炉出力計算部8及びトリップ判定
出力処理部9から構成されている。
【0005】かかる構成であれば、放射線検出器1には
バイアス電源6から例えば200Vのバイアス電圧が印
加され、10mAのバイアス電流が流れるようになって
いる。この状態に放射線検出器1は放射線を検出し、そ
の放射線量に応じた電気信号を出力する。この電気信号
はカップリングコンデンサ2を通過し、前置増幅器3に
より増幅されて信号処理回路5に入力される。
【0006】この信号処理回路5のデータ収集部7は前
置増幅器3からの信号を増幅・波形整形等により計数処
理し、電圧等の電気信号・ディジタル信号に変換する。
原子炉出力計算部8はデータ収集部7の出力を受け、原
子炉出力や放射線検出器1に入射した中性子束等を求め
る。そして、トリップ判定出力処理部9は原子炉出力計
算部8により求められた原子炉出力等を受けてレコーダ
に記録すると共に指示計に指示し、かつ原子炉出力等が
所定の条件を満たしていない場合に警報を発する。
【0007】かかる装置は原子炉の立ち上げである起動
領域(10-10 %〜数十%)を監視するものであり、こ
の起動領域から出力領域に移れば、放射線検出器1に印
加されるバイアス電圧は低下してバイアス電流が制限さ
れ、放射線検出器1の劣化が防止される。例えば、バイ
アス電圧200Vでバイアス電流10mAが流れている
状態に、原子炉出力の上昇によりバイアス電流20mA
が流れるところ、バイアス電圧を100Vに下げてバイ
アス電流を10mAに制限している。そして、出力領域
にあっては、起動領域モニタとは別の出力領域モニタと
いう監視装置に原子炉出力の監視が移管される。
【0008】このように起動領域及び出力領域ごとに各
監視装置が設けられるのは、監視領域の拡大及び他の監
視装置との重複監視を行って原子力発電の安全性を高め
ることにある。
【0009】ところが、起動領域から出力領域に移った
とき放射線検出器1のバイアス電圧は制限され、原子炉
出力計算部8により求められる原子炉出力は図10に示
すように実際の原子炉出力により低い値を示す。この場
合、出力領域モニタにより正確な原子炉出力が求めら
れ、原子炉の安全性には何等問題がないが、監視領域の
拡大及び重複監視の面から一層の安全性向上が要求さ
れ、出力領域にあっても正確に原子炉出力を求めること
が要求されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように起動領域
から出力領域に移ると、放射線検出器1へのバイアス電
圧は制限されるので、実際の原子炉出力によりも低く求
められ、原子炉出力の監視を継続できない。
【0011】そこで本発明は、放射線検出器の劣化を防
止でき、そのうえバイアス電圧が制限されても原子炉出
力の監視を継続できる放射線監視装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子炉炉心内
に配置されバイアス電圧が印加された放射線検出器の出
力信号を収集して原子炉出力を求め、この原子炉出力が
所定出力以上になった場合に放射線検出器のバイアス電
流を一定とするようにバイアス電圧を制限する放射線監
視装置において、
【0013】予め放射線検出器のプラトー特性を記憶し
たプラトー特性記憶手段と、バイアス電圧に制限が加わ
った場合、プラトー特性に従って補正係数を求め、この
補正係数を用いて原子炉出力を補正演算する補正処理手
段とを備えて上記目的を達成しようとする放射線監視装
置である。
【0014】
【作用】このような手段を備えたことにより、原子炉出
力が所定出力以上になった場合、放射線検出器のバイア
ス電流を一定とするようにバイアス電圧が制限される。
この場合、補正処理手段によってプラトー特性に従って
補正係数が求められ、この補正係数を用いて原子炉出力
が補正演算される。この結果、放射線検出器の劣化が防
止され、そのうえバイアス電圧が制限されても原子炉出
力の監視が継続される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図面を参
照して説明する。なお、図8及び図9と同一部分には同
一符号を付してその詳しい説明は省略する。図1は原子
炉の起動領域モニタとして用いられる放射線監視装置の
構成図である。原子炉出力計算部10にはプラトー測定
結果記憶部11が接続されている。
【0016】このプラトー測定結果記憶部11には図2
に示す放射線検出器1のプラトー測定特性、つまりバイ
アス電圧を変化させたときの放射線検出器1の効率変化
を原子炉出力計算部10で演算し求め、この演算結果を
プラトー測定特性として記憶している。このプラトー測
定特性は、例えばバイアス電圧200Vのときの放射線
検出器1の感度変化を1.00と規格化し、これに対し
てバイアス電圧100Vのときの放射線検出器1の感度
変化を補正係数1/0.56として記憶している。図3
は原子炉出力に対する補正係数の関係を示している。
【0017】原子炉出力計算部10は放射線検出器1の
バイアス電圧に制限が加わった場合、プラトー測定特性
に従って補正係数を求め、この補正係数を用いて原子炉
出力を補正演算する機能を有している。ところで、デー
タ収集部7、原子炉出力計算部10及びトリップ判定出
力処理部9は実際には図4に示す構成となっている。
【0018】データ収集部7は波形整形回路71、波高
弁別回路72及び計数回路73から構成されている。波
形整形回路71は前置増幅器3からの電気信号を入力
し、その波形を微分、積分、増幅等を行って処理しやす
い波形に整形するものであり、波高弁別回路72は波形
整形された信号を受けて放射線パルスによる波形とノイ
ズや低エネルギーの放射線による波形とを弁別して放射
線パルスによる波形を通過させるものである。計数回路
73は波高弁別回路72により弁別された放射線パルス
を計数するものである。
【0019】演算処理装置10は、原子炉出力計算部1
0としての機能を有するもので、CPU又はマイクロコ
ンピュータにより構成され、原子炉出力演算プログラム
及び補正プログラムを実行し、上記の如く原子炉出力や
放射線検出器1に入射した中性子束等を求め、かつバイ
アス電圧に制限が加わった場合、プラトー測定特性に従
って補正係数を求め、この補正係数を用いて原子炉出力
を補正演算する機能を有している。次に上記の如く構成
された装置の作用について説明する。
【0020】原子炉出力が起動領域にある場合、放射線
検出器1にはバイアス電源6から例えば200Vのバイ
アス電圧が印加され、10mAのバイアス電流が流れ
る。この状態に放射線検出器1は放射線を検出し、その
放射線量に応じた電気信号を出力する。この電気信号は
カップリングコンデンサ2を通過し、前置増幅器3によ
り増幅されて波形整形回路71に入力される。
【0021】この波形整形回路71は前置増幅器3から
の電気信号を入力し、その波形に対して微分、積分、増
幅等を行って処理しやすい波形に整形する。波高弁別回
路72は波形整形された信号を受けて放射線パルスによ
る波形とノイズや低エネルギーの放射線による波形とを
弁別し、放射線パルスによる波形を通過させる。計数回
路73は波高弁別回路72により弁別された放射線パル
スを入力して計数する。
【0022】演算処理装置10は、計数回路73の計数
値を受け、放射線検出器1に入射した放射線の強度から
原子炉出力を求めるとともに放射線検出器1に入射した
中性子束等を求める。そして、トリップ判定出力処理部
9は原子炉出力計算部8により求められた原子炉出力等
を受けてレコーダに記録すると共に指示計に指示し、か
つ原子炉出力等が所定の条件を満たしていない場合に警
報を発する。
【0023】原子炉出力が起動領域から出力領域に移る
と、演算処理装置10はバイアス電源6の出力電圧を制
限し、放射線検出器1に印加するバイアス電圧を低下し
てバイアス電流を制限する。例えば、バイアス電圧20
0Vでバイアス電流10mAが流れている状態に、原子
炉出力が上昇すると、放射線検出器1の感度効率は図2
に示すプラトー特性に従って高くなり、バイアス電圧2
00Vでバイアス電流20mAが流れるようになる。こ
のため、演算処理装置10はバイアス電源6によるバイ
アス電圧を100Vに下げてバイアス電流を10mAに
制限する。そして、原子炉出力が上昇するに従って、放
射線検出器1のバイアス電圧は図5に示すようにバイア
ス電圧v1、v2、…v4と低下する。
【0024】このとき、演算処理装置10は放射線検出
器1のバイアス電圧に応じた補正係数をプラトー測定特
性に従って求め、この補正係数を用いて原子炉出力を補
正演算する。例えば、原子炉出力100%付近におい
て、バイアス電圧が200Vから100Vに低下し、原
子炉の測定出力が55%となった場合、上記の如くバイ
アス電圧100Vのときの放射線検出器1の感度変化を
補正係数1/0.56としているので、測定出力55%
に補正係数1/0.56を乗算し、補正した原子炉の測
定出力98%を求める。この結果、演算処理装置10に
より補正し求められた原子炉の測定出力は、図6に示す
ように真の原子炉出力に近似した値を示す。
【0025】このように上記第1実施例によれば、出力
領域において放射線検出器1へのバイアス電圧を制限し
て放射線検出器1の劣化を防止でき、このバイアス電圧
の制限があっても起動領域モニタ用の放射線検出器1を
用いて原子炉出力を正確に求めることができ、原子炉出
力の監視を継続できる。従って、監視領域の拡大及び重
複監視の面における安全性を確保できる。
【0026】次に本発明の第2実施例について図7に示
す起動領域モニタ用の放射線監視装置の構成図を参照し
て説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付し
てその詳しい説明は省略し、異なるところを説明する。
【0027】この放射線監視装置は、放射線検出器1か
らの電気信号の交流成分の二乗平均電圧を測定して放射
線検出器1に入射した放射線の強度を求めるキャンベル
法を採用したものである。前置増幅器3の出力端子に対
してフィルタ増幅器81を介して二乗平均回路82が接
続され、この二乗平均回路82にAD変換回路83を介
して演算処理装置10が接続されている。
【0028】フィルタ増幅器81はキャンベル法を適用
するための帯域制限フィルタ及び増幅器からなり、二乗
平均回路82はフィルタ増幅器81の出力を二乗平均処
理して実効電圧を求める機能を有している。
【0029】かかる構成であれば、前置増幅器3により
増幅された放射線検出器1からの電気信号はフィルタ増
幅器81を通って二乗平均回路82に入力する。この二
乗平均回路82は電気信号の交流成分の二乗平均処理し
て実効電圧を求めて出力する。そして、この実効電圧は
A/D変換回路83でディジタル化されて演算処理装置
10に送られる。
【0030】この演算処理装置10は上記同様にディジ
タルの実効電圧を受けて放射線検出器1に入射した放射
線の強さから原子炉出力を求めるとともに放射線検出器
1に入射した中性子束等を求める。又、原子炉出力が起
動領域から出力領域に移ると、演算処理装置10は放射
線検出器1のバイアス電圧に応じた補正係数をプラトー
測定特性に従って求め、この補正係数を用いて原子炉出
力を補正演算する。このように上記第2実施例によれ
ば、上記第1実施例と同様の効果を奏することは言うま
でもない。なお、本発明は上記各実施例に限定されるも
のでなくその要旨を変更しない範囲で変形してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、放
射線検出器の劣化を防止でき、そのうえバイアス電圧が
制限されても原子炉出力の監視を継続できる放射線監視
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる放射線監視装置の第1実施例を
示す構成図。
【図2】同装置における放射線検出器のプラトー測定特
性を示す図。
【図3】同装置における原子炉出力の補正係数を示す
図。
【図4】同装置の具体的な構成図。
【図5】同装置における出力領域のバイアス電圧変化を
示す図。
【図6】同装置により求めた原子炉出力の結果を示す
図。
【図7】本発明に係わる放射線監視装置の第2実施例を
示す構成図。
【図8】従来装置の構成図。
【図9】同装置の信号処理回路の具体的な構成図。
【図10】同装置により求めた原子炉出力の結果を示す
図。
【符号の説明】
1…放射線検出器、3…前置増幅器、6…バイアス電
源、7…データ収集部、9…トリップ判定出力処理部、
10…原子炉出力計算部、11…プラトー測定結果記憶
部、71…波形整形回路、72…波高弁別回路、73…
計数回路、81…フィルタ増幅器、82…二乗平均回
路、83…AD変換回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉炉心内に配置されバイアス電圧が
    印加された放射線検出器の出力信号を収集して前記原子
    炉出力を求め、この原子炉出力が所定出力以上になった
    場合に前記放射線検出器のバイアス電流を一定とするよ
    うに前記バイアス電圧を制限する放射線監視装置におい
    て、 予め前記放射線検出器のプラトー特性を記憶したプラト
    ー特性記憶手段と、前記バイアス電圧に制限が加わった
    場合、前記プラトー特性に従って補正係数を求め、この
    補正係数を用いて前記原子炉出力を補正演算する補正処
    理手段とを具備したことを特徴とする放射線監視装置。
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