JP2001194460A - 放射線モニタ - Google Patents

放射線モニタ

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JP2001194460A
JP2001194460A JP2000001859A JP2000001859A JP2001194460A JP 2001194460 A JP2001194460 A JP 2001194460A JP 2000001859 A JP2000001859 A JP 2000001859A JP 2000001859 A JP2000001859 A JP 2000001859A JP 2001194460 A JP2001194460 A JP 2001194460A
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radiation
pulse
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semiconductor sensor
scintillator
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JP2000001859A
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Kenichi Mogi
健一 茂木
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線測定の際の放射線のエネルギーに応じ
た分解能の低下を回避し、測定精度を向上させることの
可能な放射線モニタを得る。 【解決手段】 シンチレータ1と半導体センサ2などか
ら構成された放射線センサと、前記半導体センサ2の出
力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別
して放射線の検出を行いパルス信号を出力するパルス幅
弁別器12と、該パルス幅弁別器12が出力した前記パ
ルス信号をもとに、演算器6で所定の演算処理を行い、
該演算結果を表示器8へ表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば原子力発
電所等で使用して好適な放射線モニタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、原子力発電所においてγ線を測
定対象とした放射線モニタには、従来、NaI(Tl)
シンチレータに光電子増倍管を光学的に結合した検出器
が使用されてきた。しかしながら光電子増倍管は、電源
投入(高圧電源印加)からゲインが安定するまで数時間
を要し、また電源投入時に仮調整を行い、さらにゲイン
安定後に本調整を行うなど2度の調整が必要であった。
さらに光電子増倍管は使用に伴いゲインが劣化するた
め、運転中にもゲインの微調整が必要であった。これら
の調整をなくして安定性の良いモニタを得る目的で、光
電子増倍管の代わりに半導体センサを使用する試みがな
されてきた。
【0003】図15は、従来の放射線モニタの構成を示
すブロック図である。図において、1はシンチレータ、
2は半導体センサ、3はパルス増幅器、4は波高弁別
器、5はカウンタ、6は演算器、7はメモリ、8は表示
器である。また、図16は半導体センサ2の構造を示す
模式図であり、図において、9は検知体、10はマイナ
ス電極、11はプラス電極である。
【0004】次に動作について説明する。シンチレータ
1と半導体センサ2は光学的に結合され、放射線に対し
てシンチレータ1が入射面となるように配置される。シ
ンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収し
て蛍光を発する。その蛍光は光学結合を透過し、半導体
センサ2に入射する。半導体センサ2に入射した蛍光
は、透明なマイナス電極10を透過し、Si半導体から
なる検知体9に入射し、そのエネルギーで電子と正孔を
生成する。生成した電子はプラス電極11へ、正孔はマ
イナス電極10へ収集され、信号電荷として出力され
る。パルス増幅器3はこの信号電荷を入力し、電荷量に
比例した電圧波高のパルスに変換し、更に、その電圧波
高を増幅してアナログ信号パルスを出力する。波高弁別
器4はアナログ信号パルスを入力し、そのアナログ信号
パルスのパルス波高を弁別し、パルス波高が設定値以上
の場合にディジタルパルスを出力し、設定値未満の場合
にノイズとして除去する。カウンタ5は前記ディジタル
パルスを入力して計数する。演算器6は定周期でカウン
タ5のカウント値を読み込み、メモリ7の演算プログラ
ムおよび格納されているデータにより計数率等の演算を
行い、演算結果をメモリ7に格納するとともに表示器8
に表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光電子増倍管を半導体
センサに置き換えた従来の放射線モニタは以上のように
構成されているので、原子力発電所等で要求される50
keV〜7MeVという広範囲のエネルギーを持ったγ
線を測定対象とした場合、半導体センサが本来の機能で
ある光に対して反応(光を電気信号に変換)するととも
に、放射線に対しても反応(放射線を電気信号に変換)
する。すなわち、光を検知する目的の半導体センサは厚
さが薄いため、高エネルギー放射線は透過し易く、シン
チレータと比較してその感度は無視できるが、低エネル
ギーの放射線は吸収される確率が高く、シンチレータと
比較した場合その感度は大きく放射線測定において無視
できなくなり、低エネルギー領域の放射線に対し半導体
センサが放射線を計数してしまうことによるバックグラ
ウンド計数率が大きくなってしまう。
【0006】また、放射線に直接反応する場合と放射線
がシンチレータに吸収されてその蛍光に反応する場合で
は、放射線に直接反応する場合の方が放射線のエネルギ
ーに対して生成される電荷が1桁近く大きいため、シン
チレータでは測定対象外の低エネルギー放射線が半導体
センサで検知され、シンチレータの計測領域にバックグ
ラウンドカウントとして入り込んでしまう。この結果、
低エネルギー領域におけるバックグラウンド計数率が大
きくなり、放射線のエネルギーに応じた測定を行う際の
分解能を低下させるとともに放射線モニタの検出感度を
低下させてしまう課題があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、放射線の測定を行う際の放
射線のエネルギーに応じた分解能の低下を回避し、測定
精度を向上させることの可能な放射線モニタを得ること
を目的とする。
【0008】また、この発明は、良好な温度特性を有し
た放射線モニタを得ることを目的とする。
【0009】さらに、この発明は、高い信頼性を維持す
ることの可能な放射線モニタを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放射線モ
ニタは、シンチレータと半導体センサなどから構成され
た放射線センサと、前記半導体センサの出力から生成さ
れたアナログ信号パルスのパルス幅をもとに放射線の検
出を行いパルス信号を出力する放射線検出処理手段と、
該放射線検出処理手段が出力した前記パルス信号をもと
に、所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示
する信号処理出力手段とを備えるようにしたものであ
る。
【0011】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパル
ス幅とパルス波高とから測定対象とする放射線について
検出を行うようにしたものである。
【0012】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパル
ス幅の弁別結果と、波高についての上限値と下限値とを
規定するウィンドウによるアナログ信号パルスの波高の
分析結果とをもとに、測定対象とする放射線について検
出を行うようにしたものである。
【0013】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパル
ス幅により、測定対象とする放射線について弁別を行
い、当該測定対象とする放射線についての前記アナログ
信号パルスごとの波高ピーク値を分析して出力する放射
線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前
記アナログ信号パルスごとの波高ピーク値をもとに、前
記測定対象とする放射線についてのエネルギー分布を示
すデータをスペクトルデータとしてして求め、表示器に
表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたもので
ある。
【0014】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの出力をもとに生成したアナログ信号パルスのパル
ス幅の弁別結果と、前記半導体センサの出力をもとに生
成したアナログ信号パルスのパルス波高に対し異なる波
高レベル範囲で規定されたウィンドウによる分析結果と
から測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射線を
それぞれ検出し、シンチレータが検知した前記エネルギ
ーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号を出力す
る放射線検出処理手段と、該放射線検出処理手段が出力
した前記エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパ
ルス信号をもとに所定の演算処理を行い、前記エネルギ
ーレベルの異なる放射線にそれぞれ対応する演算結果を
表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにし
たものである。
【0015】この発明に係る放射線モニタは、シンチレ
ータが放射線を検知することにより出力される信号パル
スのパルス幅の範囲を基準に設定された第1のウィンド
ウと、半導体センサが直接放射線を吸収することにより
出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定さ
れた第2のウィンドウとをもとに分析したアナログ信号
パルスのパルス幅と、低エネルギーレベルの放射線に対
応したウィンドウと、高エネルギーレベルの放射線に対
応したウィンドウとをもとに分析したアナログ信号パル
スのパルス波高とから測定対象とするエネルギーレベル
の異なる放射線をそれぞれ検出し、前記シンチレータが
検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射
線に対応するパルス信号を出力する放射線検出処理手段
と、該放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータ
が検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放
射線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行
い、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体セ
ンサが直接吸収した放射線にそれぞれ対応する演算結果
を表示器へ表示する信号処理出力手段とを備えるように
したものである。
【0016】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス
幅を弁別し、その弁別結果と、前記半導体センサの出力
から生成されたアナログ信号パルスのパルス波高の弁別
結果とをもとに、シンチレータが検知した放射線と前記
半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス信
号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出処理
手段の出力した前記シンチレータが検知した放射線と前
記半導体センサが直接吸収した放射線に対応するパルス
信号をもとに所定の演算処理を行い、該演算結果を表示
器へ表示する信号処理出力手段とを備えるようにしたも
のである。
【0017】この発明に係る放射線モニタは、放射線が
入射する入射面側に配置されたシンチレータと、前記シ
ンチレータの裏面側に配置されている半導体センサとを
備えるようにしたものである。
【0018】この発明に係る放射線モニタは、放射線が
入射する入射面側に配置された半導体センサと、前記半
導体センサの裏面側に配置されているシンチレータとを
備えるようにしたものである。
【0019】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの検知体として化合物半導体を使用したものであ
る。
【0020】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサの検知体としてCdTeまたはCdZnTeを使用
したものである。
【0021】この発明に係る放射線モニタは、半導体セ
ンサとシンチレータなどから構成される放射線センサの
健全性を確認するための放射線センサ健全性確認手段を
備えるようにしたものである。
【0022】この発明に係る放射線モニタは、シンチレ
ータに設けられ、光パルスを入射するための光パルス入
射窓と、該光パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光
パルス発生器とを放射線センサ健全性確認手段が備える
ようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態に
ついて説明する。 実施の形態1.図1は、この実施の形態1の放射線モニ
タの構成を示すブロック図であり、図において、1はシ
ンチレータ(放射線センサ)、2は半導体センサ(放射
線センサ)、3はパルス増幅器、5はカウンタ(信号処
理出力手段)、6は演算器(信号処理出力手段)、7は
メモリ、8は表示器、12はパルス幅弁別器(放射線検
出処理手段)である。符号Aは、パルス増幅器3の出力
側とパルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノー
ド、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側とカウンタ5
の入力側との接続点であるノードを示す。
【0024】次に動作について説明する。シンチレータ
1と半導体センサ2は光学的に結合され、放射線に対し
てシンチレータ1が入射面となるように配置されてい
る。シンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを
吸収して蛍光を発する。その蛍光は光学結合を透過し、
半導体センサ2に入射する。半導体センサ2に入射した
蛍光は、図16に示す透明なマイナス電極10を透過
し、半導体センサ2のSi半導体からなる検知体9に入
射し、そのエネルギーで電子と正孔を生成する。生成し
た電子はプラス電極11へ、正孔はマイナス電極10へ
収集され、信号電荷として出力される。パルス増幅器3
はこの信号電荷を入力し、電荷量に比例した電圧波高の
パルスに変換し、更に、その電圧波高を増幅してアナロ
グ信号パルスを出力する。
【0025】パルス幅弁別器12は、入力された前記ア
ナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果に
応じてディジタルパルスを出力する。カウンタ5は前記
ディジタルパルスを入力して計数する。演算器6は定周
期でカウンタ5のカウント値を読み込み、メモリ7の演
算プログラムおよび格納されているデータにより計数率
等の演算を行い、演算結果をメモリ7に格納するととも
に表示器8に表示する。
【0026】図2は、図1のパルス増幅器3の出力側と
パルス幅弁別器12の入力側との接続点であるノードA
と、パルス幅弁別器12の出力側とカウンタ5の入力側
との接続点であるノードBにおける信号波形を示す信号
波形図であり、パルス幅弁別器12は、パルス増幅器3
からノードAへ出力されたアナログ信号パルスaを入力
し、パルス幅を弁別してそのパルス幅bが設定値c以上
の場合に、ノードBにディジタルパルスdを出力する。
eはパルス幅弁別器12のコモン電圧、fはパルス幅弁
別器12の弁別開始電圧、gはパルス幅弁別器12の弁
別終了電圧であり、アナログ信号パルスaの振幅が符号
fで示す弁別開始電圧を超えてから、符号gで示す弁別
終了電圧を下回るまでの時間がパルス幅bとなる。この
場合、弁別終了電圧gは弁別開始電圧fよりコモン電圧
eに近接するようにして、弁別終了電圧gと弁別開始電
圧fとの間に幅を設定しヒステリシスを持たせ、符号h
で示すノイズにより誤動作しないように設定される。
【0027】パルス幅弁別器12は、入力されたアナロ
グ信号パルスaが弁別開始電圧fに達するとパルス幅の
弁別を開始し、その後、弁別終了電圧gを下回るとパル
ス幅の弁別を終了し、この結果得られたパルス幅bがパ
ルス幅b>設定値cを満たす場合のみHighレベルの
ディジタルパルスdを出力する。
【0028】これは、シンチレータ1に放射線が入射す
ることにより出力される信号パルスのパルス幅は、シン
チレータ1に放射線が入射して蛍光を発した時の減衰時
間と、その蛍光が半導体センサ2に入射して電子と正孔
が生成され、その電荷が移動して電極に収集される時間
の和に依存し、また、半導体センサ2が直接放射線を吸
収することにより出力される信号パルスのパルス幅は、
半導体センサ2が放射線を吸収することにより生成され
る電子と正孔が電極に移動して収集される時間に依存
し、この結果、シンチレータ1で検知した放射線の信号
パルスは、半導体センサ2で検知した放射線の信号パル
スよりパルス幅が大きいという見地から設定されたもの
である。
【0029】従って、この場合、設定値cは、(半導体
センサ2が直接放射線を検知した場合のパルス幅)<設
定値c<(半導体センサ2がシンチレータ1の光を検知
して間接的に放射線を検知した場合のパルス幅)となる
ように設定される。
【0030】図2において、アナログ信号パルスaはシ
ンチレータ1が放射線に反応した場合のパルス増幅器3
の出力波形であり、アナログ信号パルスa’は半導体セ
ンサ2が放射線に直接反応した場合のパルス増幅器3の
出力波形であり、これらアナログ信号パルスaとアナロ
グ信号パルスa’に対応してパルス幅弁別器12で弁別
されたパルス幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合
のみパルス幅弁別器12はディジタルパルスdを出力す
るため、シンチレータ1が放射線に反応した場合のパル
ス増幅器3が出力するアナログ信号パルスaに対しては
ディジタルパルスdを出力し、半導体センサ2が放射線
に反応した場合のパルス増幅器3が出力するアナログ信
号パルスa’に対してはディジタルパルスdを出力しな
い。
【0031】従って、パルス増幅器3が出力したアナロ
グ信号パルスのパルス幅を弁別し、半導体センサ2が直
接放射線を検知したときのパルス増幅器3が出力する信
号を排除し、シンチレータ1を介して間接的に検知した
信号のみを測定できる。
【0032】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、半導体センサ2が放射線を直接検知したときのパル
ス増幅器3が出力するアナログ信号パルスを排除して、
シンチレータ1を介して間接的に検知したときのパルス
増幅器3が出力するアナログ信号パルスのみを測定する
ことができるため、低エネルギー領域におけるバックグ
ラウンド計数率を小さく出来、この結果、エネルギー分
解能の低下、放射線モニタの検出感度の低下を回避でき
る放射線モニタが得られる効果がある。
【0033】実施の形態2.図3は、この実施の形態2
の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図3に
おいて図1と同一または相当の部分については同一の符
号を付し説明を省略する。図において、4はパルス増幅
器3から入力されたアナログ信号パルスの波高を弁別
し、その弁別結果に応じてディジタルパルスを出力する
波高弁別器(放射線検出処理手段)、13は前記実施の
形態1で説明したパルス幅弁別器12からディジタルパ
ルスdが出力された期間機能し、そのパルス幅弁別器1
2から出力されたディジタルパルスdと、波高弁別器4
から出力されたディジタルパルスとの論理積を演算し出
力するゲート回路(放射線検出処理手段)である。な
お、波高弁別器4から出力されたディジタルパルスは、
ゲート回路13の一方の入力端子へ供給され、パルス幅
弁別器12から出力されたディジタルパルスdは、ゲー
ト回路13の他方の入力端子へ供給される。
【0034】符号Aは、パルス増幅器3の出力側と、波
高弁別器4およびパルス幅弁別器12の入力側との接続
点であるノード、符号Cは波高弁別器4の出力側とゲー
ト回路13の前記一方の入力端子との接続点であるノー
ド、符号Bはパルス幅弁別器12の出力側とゲート回路
13の前記他方の入力端子との間の接続点であるノー
ド、符号Dはゲート回路13の出力側とカウンタ5の入
力側との接続点であるノードである。
【0035】次に動作について説明する。図4は、図3
の各ノードA〜Dの信号波形を示す信号波形図である。
この実施の形態2においても、シンチレータ1と半導体
センサ2は光学的に結合され、放射線に対してシンチレ
ータ1が入射面となるように配置されている。シンチレ
ータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収して蛍光
を発する。その蛍光は光学結合を透過し、半導体センサ
2に入射する。半導体センサ2に入射した蛍光は、図1
6に示す透明なマイナス電極10を透過し、半導体セン
サ2のSi半導体からなる検知体9に入射し、そのエネ
ルギーで電子と正孔を生成する。生成した電子はプラス
電極11へ、正孔はマイナス電極10へ収集され、信号
電荷として出力される。パルス増幅器3はこの信号電荷
を入力し、電荷量に比例した電圧波高のパルスに変換
し、更に、その電圧波高を増幅してアナログ信号パルス
を波高弁別器4とパルス幅弁別器12へ出力する。
【0036】パルス幅弁別器12は、入力された前記ア
ナログ信号パルスのパルス幅を前記実施の形態1で説明
したように弁別し、その弁別結果に応じてノードBへデ
ィジタルパルスdを出力する。このパルス幅弁別器12
が出力するディジタルパルスdは、ゲート回路13の前
記他方の入力端子へ出力される。
【0037】一方、波高弁別器4は、入力された前記ア
ナログ信号パルスのパルス高を弁別し、その弁別結果に
応じてHighレベルのディジタルパルスiをノードC
へ出力する。この波高弁別器4が出力するディジタルパ
ルスiはゲート回路13の前記一方の入力端子へ供給さ
れる。
【0038】ゲート回路13は、パルス幅弁別器12か
らディジタルパルスdが出力されている期間、すなわち
他方の入力端子へHighレベルが与えられている期間
に限り、波高弁別器4から出力されたディジタルパルス
iの通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12から
出力された前記ディジタルパルスdと、前記波高弁別器
4から出力されたディジタルパルスiとの論理積を演算
し、ゲート回路13の出力側のノードDにHighレベ
ルのディジタルパルスjを出力する。
【0039】この場合、図4に示すように、符号kは波
高弁別器4の弁別開始電圧、符号gは波高弁別器4の弁
別終了電圧であり、波高弁別器4からノードCへ出力さ
れるディジタルパルスiは、パルス増幅器3の出力側の
ノードAへ出力されたアナログ信号パルスaが弁別開始
電圧kに達すると反転してHighレベルになり、弁別
終了電圧gに戻ると復帰しLowレベルになる信号であ
る。そして、波高弁別器4の弁別開始電圧kは、パルス
幅弁別器12の弁別開始電圧fに対して、弁別開始電圧
k>弁別開始電圧fとなるように設定され、また、波高
弁別器4の弁別終了電圧gは、パルス幅弁別器12の弁
別終了電圧gと同じレベルに設定されている。
【0040】カウンタ5は前記ディジタルパルスjを計
数する。演算器6は定周期でカウンタ5のカウント値を
読み込み、メモリ7の演算プログラムおよび格納されて
いるデータにより計数率等の演算を行い、その演算結果
をメモリ7に格納するとともに表示器8に表示する。
【0041】従って、前記実施の形態1では、パルス幅
弁別精度を確保するため必然的にパルス幅の弁別開始電
圧fを低く抑える必要があったが、この実施の形態2で
は、波高の弁別開始電圧kを測定対象の放射線のエネル
ギーに応じて設定できるため、図4の符号a”で示すア
ナログ信号パルスのように、測定対象の放射線のエネル
ギーを、その波高により分別して、例えば弁別開始電圧
kを超えない波高として得られる放射線についてはカウ
ンタ5で計測されないようにすることで、シンチレータ
1が反応した放射線のエネルギーに応じた測定が可能に
なる。
【0042】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、パルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスのパ
ルス幅をもとに半導体センサ2が放射線を直接検知した
ときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パルスを
排除して、シンチレータ1を介して放射線を間接的に検
知したときのパルス増幅器3が出力するアナログ信号パ
ルス信号のみを測定し、さらに前記測定した前記アナロ
グ信号パルスの波高をもとに放射線のエネルギーを分別
して検出するようにしたので、前記実施の形態1の効果
に加え、さらに、シンチレータ1が反応した放射線のう
ちであるエネルギー以上の放射線のみを測定しようとす
る場合に、そのエネルギーを下回るエネルギーの放射線
は測定にかからないようにして、目的とするエネルギー
を有した放射線の測定を、ノイズによる影響を排除して
容易に行えるなど、測定対象とする放射線のエネルギー
に応じた、信頼性の高い測定を実現できる放射線モニタ
が得られる効果がある。
【0043】実施の形態3.図5は、この実施の形態3
の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図5に
おいて図1と同一または相当の部分については同一の符
号を付し説明を省略する。図において、14は第1の波
高弁別器(放射線検出処理手段)、15は第2の波高弁
別器(放射線検出処理手段)である。16はパルス幅弁
別器12がノードBへ出力したHighレベルのディジ
タルパルスを反転し、ノードEへ出力する反転回路(放
射線検出処理手段)である。
【0044】17は第1の波高弁別器14が出力したH
ighレベルのディジタルパルスが供給される一方の入
力端子、およびパルス幅弁別器12が出力したHigh
レベルのディジタルパルスが供給される他方の入力端子
を備えた第1のゲート回路(放射線検出処理手段)であ
る。この第1のゲート回路17では、パルス幅弁別器1
2から前記ディジタルパルスが出力されている期間に限
り、第1の波高弁別器14から出力されたディジタルパ
ルスの通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12か
ら出力された前記ディジタルパルスと、前記第1の波高
弁別器14から出力されたディジタルパルスとの論理積
を演算し、その演算結果に応じて第1のゲート回路17
の出力側のノードDにディジタルパルスを出力する。
【0045】18は反転回路16の出力が供給される一
方の入力端子、および第2の波高弁別器15が出力した
Highレベルのディジタルパルスが供給される他方の
入力端子を備えた第2のゲート回路(放射線検出処理手
段)である。この第2のゲート回路18は、パルス幅弁
別器12からHighレベルのディジタルパルスが出力
されていない場合、すなわち他方の入力端子がHigh
レベルである期間に限り、第2の波高弁別器15からノ
ードFへ出力されたHighレベルのディジタルパルス
の通過を許すように動作し、パルス幅弁別器12から出
力された前記ディジタルパルスを反転する反転回路16
の出力と、前記第2の波高弁別器15から出力されたデ
ィジタルパルスとの論理積を演算し、その演算結果に応
じてノードGにHighレベルのディジタルパルスを出
力する。19は第1のカウンタ(信号処理出力手段)、
20は第2のカウンタ(信号処理出力手段)である。
【0046】また、この実施の形態3では、半導体セン
サ2が放射線入射面になるように、シンチレータ1は半
導体センサ2の裏面側に配置した構成である。
【0047】ノードAはパルス増幅器3の出力側と、第
1の波高弁別器14、パルス幅弁別器12および第2の
波高弁別器15の入力側との接続点であるノード、ノー
ドBはパルス幅弁別器12の出力側と、第1のゲート回
路17および反転回路16の入力側との接続点であるノ
ード、ノードCは第1の波高弁別器14の出力側と第1
のゲート回路17の前記一方の入力端子との接続点であ
るノード、ノードDは第1のゲート回路17の出力側と
第1のカウンタ19の入力側との接続点であるノード、
ノードEは反転回路16の出力側と第2のゲート回路1
8の前記一方の入力端子との接続点であるノード、ノー
ドFは第2の波高弁別器15の出力側と第2のゲート回
路18の前記他方の入力端子との接続点であるノード、
ノードGは第2のゲート回路18の出力側と第2のカウ
ンタ20の入力側との接続点であるノードである。
【0048】次に動作について説明する。図6は、図5
に示した各ノードA〜Gの信号波形を示す信号波形図で
ある。図において、符号k1は第1の波高弁別器14に
おける弁別開始電圧、符号gは弁別終了電圧を示してい
る。また、第2の波高弁別器15では、前記第1の波高
弁別器14の弁別開始電圧k1と同レベルの弁別開始電
圧k1と弁別終了電圧k2が設定されている。そして、
第2の波高弁別器15の内部では、パルス増幅器3のノ
ードAへ出力したアナログ信号パルスaが前記第2の波
高弁別器15の弁別開始電圧k1に達するとセットさ
れ、また前記アナログ信号パルスaが弁別終了電圧k2
に戻るとリセットされもとの状態に復帰するディジタル
パルスが生成され、さらにこのディジタルパルスの立ち
下がりでディジタルパルスnが発生しノードFに出力さ
れる。
【0049】図6に示すように、パルス増幅器3からア
ナログ信号パルスaまたはアナログ信号パルスa’が出
力されると、パルス幅弁別器12は前記実施の形態1で
説明したように、前記アナログ信号パルスに対しパルス
幅を弁別し、そのパルス幅bがパルス幅b>設定値cを
満たす場合のみHighレベルのディジタルパルスdを
ノードBへ出力する。
【0050】従って、パルス増幅器3からアナログ信号
パルスaが出力された場合には、前記実施の形態1で説
明したようにパルス幅弁別器12はノードBへHigh
レベルのディジタルパルスdを出力し、パルス増幅器3
からアナログ信号パルスa’が出力された場合には、前
記実施の形態1で説明したようにパルス幅弁別器12は
ノードBへHighレベルのディジタルパルスdは出力
しない。
【0051】パルス増幅器3からアナログ信号パルスa
が出力された場合、反転回路16は、パルス幅弁別器1
2がノードBへ出力したHighレベルのディジタルパ
ルスdを反転させ、反転したLowレベルのディジタル
パルスmをノードEへ出力する。第2のゲート回路18
では、反転回路16がノードEへLowレベルのディジ
タルパルスmを出力している期間には、第2の波高弁別
器15がノードFへ出力したディジタルパルスnの通過
を許可せず、Highレベルのディジタルパルスpをノ
ードGへ出力することはなく、ノードGはLowレベル
の状態を維持する。
【0052】一方、パルス増幅器3からアナログ信号パ
ルスa’が出力された場合には、パルス幅弁別器12は
ノードBへディジタルパルスdを出力しないため、反転
回路16はノードBのLowレベルを反転したHigh
レベルをノードEへ出力し第2のゲート回路18の他方
の入力端子へ供給する。この結果、第2のゲート回路1
8では、この他方の入力端子へHighレベルが供給さ
れている期間、第2の波高弁別器15が出力するHig
hレベルのディジタルパルスnの通過を許容し、前記他
方の入力端子へ供給されているHighレベルと前記デ
ィジタルパルスnの論理積を演算する結果、第2のゲー
ト回路18からはノードGへHighレベルのディジタ
ルパルスpが出力される。そして、第2のゲート回路1
8がノードGへ出力したディジタルパルスpは、第2の
カウンタ20に入力され計数される。
【0053】一方、第1のゲート回路17では、パルス
幅弁別器12がノードBへHighレベルのディジタル
パルスdを出力している期間だけ、第1の波高弁別器1
4がノードCへ出力したHighレベルのディジタルパ
ルスiの通過を許可し、ディジタルパルスdとディジタ
ルパルスiの論理積として、Highレベルのディジタ
ルパルスjをノードDへ出力する。
【0054】従って、パルス増幅器3からアナログ信号
パルスaが出力された場合、パルス幅弁別器12はノー
ドBへHighレベルのディジタルパルスdを出力する
ため、第1のゲート回路17はこの期間だけ第1の波高
弁別器14がノードCへ出力したHighレベルのディ
ジタルパルスiの通過を許可し、ディジタルパルスdと
ディジタルパルスiの論理積として、Highレベルの
ディジタルパルスjをノードDへ出力する。
【0055】一方、パルス増幅器3からアナログ信号パ
ルスa’が出力された場合、パルス幅弁別器12はノー
ドBへHighレベルのディジタルパルスdを出力しな
いため、第1のゲート回路17は第1の波高弁別器14
がノードCへ出力したHighレベルのディジタルパル
スiの通過を許可せず、ノードDはLowレベルを維持
する。
【0056】そして、第1のゲート回路17がノードD
へ出力したディジタルパルスjは、第1のカウンタ19
に入力され計数される。
【0057】演算器6は、第1のカウンタ19と第2の
カウンタ20のカウント値を定周期でそれぞれ入力し、
計数率等の演算を行う。
【0058】半導体センサ2は厚さが薄いため、高エネ
ルギー放射線は透過し易いが、低エネルギーの放射線は
吸収される確率が高い。また、半導体センサ2は、放射
線に直接反応する場合と放射線がシンチレータ1に吸収
されてその蛍光に反応する場合を比較すると、放射線に
直接反応する場合の方が放射線のエネルギーに対して生
成される電荷が1桁近く大きい。従って、半導体センサ
2は低エネルギーに対して感度が高く、シンチレータ1
は高エネルギーに対して感度が高い。
【0059】このようなことから、半導体センサ2を放
射線の入射面に配置し、その裏側にシンチレータ1を配
置し、低エネルギーの放射線がシンチレータ1へ達する
前に半導体センサ2で吸収してしまい、この低エネルギ
ーの放射線をシンチレータ1が吸収する可能性を小さく
することで、半導体センサ2が低エネルギーの放射線を
直接検知したときに、前記低エネルギーの放射線をシン
チレータ1が吸収することによるバックグラウンドカウ
ントを排除する。この状態で、パルス幅を弁別して半導
体センサ2が直接放射線を検知した信号とシンチレータ
1を介して間接的に検知した信号を識別し、それぞれの
信号を別々のカウンタで計測することにより、半導体セ
ンサ2で検知した低エネルギーの放射線を、また同時
に、シンチレータ1で検知した高エネルギーの放射線
を、それぞれ高感度で測定する。
【0060】なお、この実施の形態3における半導体セ
ンサ2とシンチレータ1との構成は、前記実施の形態
1、前記実施の形態2および、後述する実施の形態4か
ら実施の形態10の放射線モニタに適用できる。
【0061】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、低エネルギーの放射線と高エネルギーの放射線につ
いての測定を別々に、かつ並行して行い、さらに低エネ
ルギーの放射線を半導体センサ2が直接検知したときの
バックグラウンドカウントを排除することが可能にな
り、半導体センサ2で検出した低エネルギーの放射線
と、シンチレータ1で検出した高エネルギーの放射線
を、それぞれ高感度、高精度で測定できる放射線モニタ
が得られる効果がある。
【0062】実施の形態4.前記実施の形態1から実施
の形態3においては、半導体センサ2の検知体9として
Si半導体を使用する例について説明したが、これに限
ることはなく、化合物半導体のCdTeを用いて検知体
9を形成してもよい。一般的にγ線の光電吸収は、原子
番号の5乗に比例する。Siの原子番号は14であるの
に対し、CdTeは実効原子番号は50である。図7は
SiとCdTeの光電吸収を示す特性図であり、光子エ
ネルギーが比較的小さい場合は、CdTeはSiに対し
て2桁以上感度が良いことがわかる。
【0063】従って、検知体9としてCdTeを用いる
ことにより、低エネルギーの放射線を、更に高感度で測
定できる放射線モニタが得られる効果がある。
【0064】実施の形態5.図8は、検知体9が化合物
半導体のCdTeと、同じく化合物半導体のCdZnT
eとでそれぞれ形成される半導体センサ2にγ線を照射
し、検出効率の温度特性を比較したものであり、CdT
eは50℃以上の温度で検出効率が低下し始め、実用的
に要求される±10%特性を満たすのは約60℃までで
ある。SiもCdTeと概ね同様の温度特性を示す。
【0065】これに対して、CdZnTeは約100℃
まで検出効率が安定している。例えば、前記実施の形態
3の放射線モニタを用いて、原子力発電所において主蒸
気管中のXe−133から放射される低エネルギーγ線
とN−16から放射される高エネルギーγ線を同時に測
定する場合に、半導体センサ2は主蒸気管近傍に設置さ
れるため、常温から約100℃まで温度特性が良好であ
ることが要求されるが、検知体9にCdZnTeを用い
ることにより、温度の高い環境下で要求される良好な温
度特性の放射線モニタを容易に実現できる効果がある。
【0066】実施の形態6.図9は、この実施の形態6
の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図9に
おいて図3と同一または相当の部分については同一の符
号を付し説明を省略する。この実施の形態6の放射線モ
ニタは、前記実施の形態2における波高弁別器4に替え
てシングルチャネル波高分析器を用いるようにしたもの
である。図において、21はシングルチャネル波高分析
器(放射線検出処理手段)であり、パルス増幅器3が出
力したアナログ信号パルスの波高値が、設定されたウィ
ンドウの範囲内に入った後、前記ウィンドウの下限を規
定する閾値を下回ったタイミングでディジタルパルスを
出力する。このシングルチャネル波高分析器21に設定
されたウィンドウを規定する上限および下限の閾値は、
シンチレータ1における放射線の検知を、ノードAに出
力されるアナログ信号パルスの波高値をもとに識別可能
なように設定される。
【0067】図10は、図9のブロック図で示した放射
線モニタの各部の信号波形を示す信号波形図であり、図
4と同一の部分については同一の符号を付し説明を省略
する。符号Aはパルス増幅器3の出力側と、シングルチ
ャネル波高分析器21およびパルス幅弁別器12の入力
側との接続点を示すノード、符号Bはパルス幅弁別器1
2の出力側とゲート回路13の他方の入力端子との接続
点を示すノード、符号Iはシングルチャネル波高分析器
21の出力側とゲート回路13の一方の入力端子との接
続点を示すノード、Jはゲート回路13の出力側とカウ
ンタ5の入力側との接続点を示すノードである。
【0068】また、k1とk2は、シングルチャネル波
高分析器21に設定されたウィンドウを規定する閾値で
あり、k1は下限を規定する閾値、k2は上限を規定す
る閾値である。
【0069】次に動作について説明する。ゲート回路1
3は、パルス幅弁別器12がノードBへ出力するディジ
タルパルスdの信号期間だけ、シングルチャネル波高分
析器21がノードIへ出力したディジタルパルスtの通
過を許可し、ノードJにディジタルパルスuを出力す
る。シングルチャネル波高分析器21は、パルス増幅器
3がノードAへ出力する符号aで示すアナログ信号パル
スの波高値が閾値k1と閾値k2で規定されるウィンド
ウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する閾値を
下回ったタイミングでノードIにディジタルパルスtを
出力する。
【0070】従って、シンチレータ1で検知した放射線
について、前記閾値k1と閾値k2で規定されるウィン
ドウで波高を選択することで識別して計測することによ
り、対象とするエネルギーレベルの放射線のみを正確に
測定できる。
【0071】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、半導体センサ2が直接放射線を検知した信号とシン
チレータ1を介して間接的に検知した信号をパルス幅に
より弁別し、前記パルス幅で弁別した放射線について、
更にシングルチャネル波高分析器21の前記ウィンドウ
で波高を分析し計測することにより、対象とするエネル
ギーを有した放射線を選択的により正確に測定できる放
射線モニタが得られる効果がある。
【0072】実施の形態7.図11は、この実施の形態
7の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図9
と同一または相当の部分については同一の符号を付し説
明を省略する。図において、22はマルチチャネル波高
分析器(放射線検出処理手段)である。このマルチチャ
ネル波高分析器22は、前記実施の形態1で説明したパ
ルス幅弁別器12からディジタルパルスdが出力された
期間機能し、パルス増幅器3がノードAへ出力したアナ
ログ信号パルスの波高のピーク値をホールドしてA/D
変換する。A/D変換されたデータは、パルス幅弁別器
12が出力するディジタルパルスをトリガ信号として演
算器6に伝送される。
【0073】演算器6は前記A/D変換されたデータを
読み込み、演算を行い、例えば前記アナログ信号パルス
について同一の波高値を示す当該アナログ信号パルスを
カウントしてその計数を求め、前記波高値に対する前記
計数の分布を示すデータをスペクトルデータとしてメモ
リに格納し、割り込み要求により、または定期的に、表
示器8に表示する。
【0074】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、半導体センサ2が直接放射線を検知した信号とシン
チレータ1を介して間接的に検知した信号をパルス幅に
より弁別し、更に、前記弁別したシンチレータ1を介し
て間接的に検知した信号のエネルギースペクトル(波高
に対する計数値の分布)を測定することにより、精度の
高い波高分析を行うことが出来る放射線モニタが得られ
る効果がある。
【0075】実施の形態8.図12は、この実施の形態
8の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図5
または図9と同一または相当の部分については同一の符
号を付し説明を省略する。図において、23は第1のシ
ングルチャネル波高分析器(放射線検出処理手段)、2
4は第2のシングルチャネル波高分析器(放射線検出処
理手段)である。符号Aはパルス増幅器3の出力側と、
第1のシングルチャネル波高分析器23、第2のシング
ルチャネル波高分析器24およびパルス幅弁別器12の
入力側との接続点であるノード、符号Bはパルス幅弁別
器12の出力側と、第1のゲート回路17および第2の
ゲート回路18の入力側との接続点であるノード、符号
Iは第1のシングルチャネル波高分析器23の出力側と
第1のゲート回路17の入力側との接続点であるノー
ド、符号Jは第1のゲート回路17の出力側と第1のカ
ウンタ19の入力側との接続点であるノード、符号Mは
第2のシングルチャネル波高分析器24の出力側と第2
のゲート回路18の入力側との接続点であるノード、符
号Nは第2のゲート回路18の出力側と第2のカウンタ
20の入力側との接続点であるノードを示す。
【0076】第1のシングルチャネル波高分析器23
は、パルス増幅器3がノードAへ出力するアナログ信号
パルスの波高値が第1のエネルギーレベルに対応した下
限を規定する閾値と上限を規定する閾値で規定されるウ
ィンドウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する
前記閾値を下回ったタイミングでノードIにディジタル
パルスを出力する。
【0077】第2のシングルチャネル波高分析器24
は、パルス増幅器3がノードAへ出力するアナログ信号
パルスの波高値が第2のエネルギーレベルに対応した下
限を規定する閾値と上限を規定する閾値で規定されるウ
ィンドウに入った後、前記ウィンドウの下限を規定する
前記閾値を下回ったタイミングでノードMにディジタル
パルスを出力する。
【0078】また、第2のシングルチャネル波高分析器
24の前記ウィンドウは、第1のシングルチャネル波高
分析器23の前記ウィンドウより波高的に高いレベルに
設定されている。
【0079】次に動作について説明する。パルス増幅器
3からアナログ信号パルスが出力されると、パルス幅弁
別器12は前記実施の形態1で説明したように、前記ア
ナログ信号パルスに対しパルス幅を弁別し、そのパルス
幅bがパルス幅b>設定値cを満たす場合のみHigh
レベルのディジタルパルスをノードBへ出力する。
【0080】従って、パルス増幅器3からアナログ信号
パルスが出力され、前記実施の形態1で説明したように
パルス幅弁別器12からノードBへHighレベルのデ
ィジタルパルスが出力された場合、第2のゲート回路1
8では、他方の入力端子へ前記Highレベルのディジ
タルパルスが供給されている期間、第2のシングルチャ
ネル波高分析器24がノードMへ出力するHighレベ
ルのディジタルパルスの通過を許容し、前記ディジタル
パルス両者間の論理積を演算し、その演算結果をノード
Nへ出力する。そして、第2のゲート回路18のノード
Nへの出力は第2のカウンタ20に入力され計数され
る。
【0081】一方、第1のゲート回路17でも、パルス
幅弁別器12がノードBへHighレベルのディジタル
パルスを出力している期間だけ、第1のシングルチャネ
ル波高分析器23がノードIへ出力したHighレベル
のディジタルパルスの通過を許可し、前記ディジタルパ
ルス両者間の論理積を演算し、その演算結果をノードJ
へ出力する。
【0082】また、パルス増幅器3から出力されたアナ
ログ信号パルスがパルス幅b>設定値cの条件を満たし
ていない場合、パルス幅弁別器12はノードBへHig
hレベルのディジタルパルスを出力しないため、第1の
ゲート回路17はノードJをLowレベルに維持し、ま
た第2のゲート回路18もノードNをLowレベルに維
持する。
【0083】そして、第1のゲート回路17がノードJ
へ出力したディジタルパルスは、第1のカウンタ19に
入力され計数され、また、第2のゲート回路18がノー
ドNへ出力したディジタルパルスは、第2のカウンタ2
0に入力され計数され、演算器6は、第1のカウンタ1
9と第2のカウンタ20のカウント値を定周期でそれぞ
れ入力し、計数率等の演算を行う。
【0084】従って、パルス幅を弁別して半導体センサ
2が直接放射線を検知した信号を排除し、シンチレータ
1を介して間接的に検知した信号のみを識別し、さらに
前記識別した信号について所望の複数のそれぞれエネル
ギーレベルの異なるウィンドウで波高を分析することに
より、例えば、原子力発電所において主蒸気管中の放射
性希ガスから放射される比較的低エネルギーのγ線とN
−16から放射される高エネルギーγ線を同時に測定す
る場合、第1のシングルチャネル波高分析器23の低エ
ネルギーに対応するウィンドウにより前記比較的低エネ
ルギーのγ線についてバックグラウンドカウントを抑制
しながら測定できるとともに、また第2のシングルチャ
ネル波高分析器24の高エネルギーに対応するウィンド
ウにより前記高エネルギーγ線については良好な分解能
で測定できる放射線モニタが得られる効果がある。
【0085】実施の形態9.図13は、この実施の形態
9の放射線モニタの構成を示すブロック図であり、図1
2と同一または相当の部分については同一の符号を付し
説明を省略する。図において、25は1個以上のウィン
ドウを有するパルス幅分析器(放射線検出処理手段)で
ある。また、符号B1は、パルス幅分析器25に設定さ
れた第1のパルス幅の範囲を規定する後述する第1のウ
ィンドウにより分析されたアナログ信号パルスに対応し
てディジタルパルスが出力されるノード、符号B2はパ
ルス幅分析器25に設定された後述する第2のパルス幅
の範囲を規定する第2のウィンドウにより分析されたア
ナログ信号パルスに対応してディジタルパルスが出力さ
れるノードを示す。パルス幅分析器25以外の構成およ
び動作は前記実施の形態8と同じであるため説明を省略
する。
【0086】パルス幅分析器25において、第1のウィ
ンドウは、シンチレータ1に放射線が入射することによ
り出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定
される。このときの信号パルスのパルス幅は、前記実施
の形態1でも述べたようにシンチレータ1に放射線が入
射して蛍光を発した時の減衰時間と、その蛍光が半導体
センサ2に入射して電子と正孔が生成され、その電荷が
移動して電極に収集される時間の和に依存する。
【0087】また、第2のウィンドウは、半導体センサ
2が直接放射線を吸収することにより出力される信号パ
ルスのパルス幅の範囲を基準に設定される。このときの
信号パルスのパルス幅は、前記実施の形態1でも述べた
ように半導体センサ2が放射線を吸収することにより生
成される電子と正孔が電極に移動して収集される時間に
依存する。このようなことからシンチレータ1で検知し
た放射線の信号パルスは、半導体センサ2で検知した放
射線の信号パルスよりパルス幅が大きい。従って、(第
1のウィンドウの下限)>(第2のウィンドウの上限)
となるように設定される。また、ウィンドウの幅は、パ
ルス幅が波高値に依存して変動する要素および回路に依
存して変動する要素を包含するように設定される。
【0088】次に動作について説明する。シンチレータ
1が放射線を検知したときにパルス増幅器3からノード
Aへ出力されたアナログ信号パルスは、そのパルス幅が
パルス幅分析器25の第1のウィンドウにより分析され
識別され、この結果、ノードB1へHighレベルのデ
ィジタルパルスが出力される。一方、第1のシングルチ
ャネル波高分析器23では、ノードAへ出力されたアナ
ログ信号パルスの波高値を低エネルギーレベルに対応し
たウィンドウで分析し識別し、この結果、ノードIへH
ighレベルのディジタルパルスが出力される。第1の
ゲート回路17は、ノードIへ出力されたHighレベ
ルのディジタルパルスとノードB1へ出力されたHig
hレベルのディジタルパルスとの論理積演算結果をノー
ドJへ出力し、第1のカウンタ19はシンチレータ1が
検知した放射線についての計数を行う。
【0089】また、半導体センサ2が放射線を直接検知
した場合には、パルス増幅器3からノードAへ出力され
たアナログ信号パルスは、パルス幅分析器25の第2の
ウィンドウにより、そのパルス幅から半導体センサ2が
放射線を直接検知したときのアナログ信号パルスと分析
され識別され、この結果、ノードB2へHighレベル
のディジタルパルスが出力される。一方、第2のシング
ルチャネル波高分析器24では、ノードAへ出力された
前記アナログ信号パルスの波高値を、高エネルギーレベ
ルに対応したウィンドウで分析し識別し、この結果、ノ
ードMへHighレベルのディジタルパルスが出力され
る。第2のゲート回路18は、ノードMへ出力されたH
ighレベルのディジタルパルスとノードB2へ出力さ
れたHighレベルのディジタルパルスとの論理積演算
結果をノードNへ出力し、第2のカウンタ20は半導体
センサ2が直接検知した放射線についての計数を行う。
【0090】この結果、パルス幅分析器25でパルス幅
を分析することにより、半導体センサ2が直接放射線を
検知したときの信号とシンチレータ1を介して間接的に
検知したときの信号の識別精度を高めることが可能であ
り、さらにパルス幅分析器25の第1のウィンドウおよ
び第2のウィンドウにより、正規の信号よりパルス幅の
小さいものおよび大きいものをノイズとして排除できる
など、測定対象とする放射線の測定精度を向上できる放
射線モニタが得られる効果がある。また、半導体センサ
2が直接検知した放射線、およびシンチレータ1を介し
て間接的に検知した放射線などの、エネルギーの異なる
放射線を同時に測定できる放射線モニタが得られる効果
がある。
【0091】実施の形態10.図14は、この実施の形
態10の放射線モニタにおけるシンチレータ1と半導体
センサ2などからなる放射線センサ30の構造を示す構
成図であり、図において、26は光パルス入射窓(放射
線センサ健全性確認手段)、27は反射材、28は光パ
ルス発生器(放射線センサ健全性確認手段)である。シ
ンチレータ1は、半導体センサ2との接合面および光パ
ルス入射窓26を除いて反射材27で覆われており、反
射材27は、シンチレータ1の蛍光を反射して半導体セ
ンサ2へ導入することが可能なように構成されている。
【0092】遠隔テスト操作により、光パルス発生器2
8はホトダイオードを定周波数で発光させ、光パルス入
射窓26から光パルスを入射する。これにより放射線セ
ンサ30の健全性を容易に確認することができる。ま
た、光パルスにより発生する信号の波高が放射線の測定
エネルギー範囲外になるように光パルスの強度を設定す
ることにより、オンラインで放射線モニタの健全性を確
認できる。
【0093】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、シン
チレータと半導体センサなどから構成された放射線セン
サと、前記半導体センサの出力から生成されたアナログ
信号パルスのパルス幅をもとに放射線の検出を行いパル
ス信号を出力する放射線検出処理手段と、該放射線検出
処理手段が出力した前記パルス信号をもとに、所定の演
算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示する信号処理
出力手段とを備えるようにしたので、前記半導体センサ
の出力から生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を
もとに測定対象とする放射線の検出を非測定対象の放射
線の検出と区別することができ、エネルギー分解能の低
下、放射線モニタの検出感度の低下を回避でき、測定精
度を向上できる効果がある。
【0094】この発明によれば、半導体センサの出力を
もとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅とパルス
波高とから測定対象とする放射線について検出を行うよ
うに構成したので、測定対象の放射線をその波高によ
り、前記放射線のエネルギーで分別して検出でき、測定
対象の放射線のエネルギーに応じた測定が可能になり、
測定精度を向上できる効果がある。
【0095】この発明によれば、半導体センサの出力を
もとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結
果と、波高についての上限値と下限値とを規定するウィ
ンドウによるアナログ信号パルスの波高の分析結果とを
もとに、測定対象とする放射線について検出を行うよう
に構成したので、測定対象の放射線の波高を前記ウィン
ドウにより分析し、前記放射線のエネルギーで分別して
検出でき、対象とするエネルギーを有した放射線を前記
アナログ信号パルスのパルス幅とパルス波高から選択的
により正確に測定でき、測定精度を向上できる放射線モ
ニタが得られる効果がある。
【0096】この発明によれば、半導体センサの出力を
もとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅により、
測定対象とする放射線について弁別を行い、当該測定対
象とする放射線についての前記アナログ信号パルスごと
の波高ピーク値を分析して出力する放射線検出処理手段
と、該放射線検出処理手段が出力した前記アナログ信号
パルスごとの波高ピーク値をもとに、前記測定対象の放
射線についてのエネルギー分布を示すデータをスペクト
ルデータとしてして求め、表示器に表示する信号処理出
力手段とを備えるように構成したので、測定対象の放射
線の波高のピーク値を分析し、前記測定対象の放射線に
ついてエネルギーごとに分別して検出でき、対象とする
放射線についてのエネルギー分布を前記アナログ信号パ
ルスのパルス幅とパルス波高から選択的により正確に測
定でき、測定精度を向上できる放射線モニタが得られる
効果がある。
【0097】この発明によれば、半導体センサの出力を
もとに生成したアナログ信号パルスのパルス幅の弁別結
果と、前記半導体センサの出力をもとに生成したアナロ
グ信号パルスのパルス波高に対し異なる波高レベル範囲
で規定されたウィンドウによる分析結果とから測定対象
とするエネルギーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出
し、シンチレータが検知した前記エネルギーレベルの異
なる放射線に対応するパルス信号を出力する放射線検出
処理手段と、該放射線検出処理手段が出力した前記エネ
ルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号をも
とに所定の演算処理を行い、前記エネルギーレベルの異
なる放射線にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示
する信号処理出力手段とを備えるように構成したので、
測定対象の放射線の波高を異なる波高レベル範囲で規定
されたウィンドウにより分析することで、前記測定対象
の放射線についてエネルギーごとに分別して検出でき、
対象とする放射線のエネルギーに応じた検出を前記アナ
ログ信号パルスのパルス幅とパルス波高から選択的に正
確に測定でき、測定精度を向上できる放射線モニタが得
られる効果がある。
【0098】この発明によれば、シンチレータが放射線
を検知することにより出力される信号パルスのパルス幅
の範囲を基準に設定された第1のウィンドウと、半導体
センサが直接放射線を吸収することにより出力される信
号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第2のウ
ィンドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパル
ス幅と、低エネルギーレベルの放射線に対応したウィン
ドウと、高エネルギーレベルの放射線に対応したウィン
ドウとをもとに分析したアナログ信号パルスのパルス波
高とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる放射
線をそれぞれ検出し、前記シンチレータが検知した放射
線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応する
パルス信号を出力する放射線検出処理手段を備えるよう
に構成したので、半導体センサが直接放射線を検知した
ときの信号とシンチレータを介して間接的に検知したと
きの信号の識別精度を高めることが可能であり、さらに
パルス幅分析器の第1のウィンドウおよび第2のウィン
ドウにより、正規の信号よりパルス幅の小さいものおよ
び大きいものをノイズとして排除できるなど測定精度を
向上できる効果がある。
【0099】この発明によれば、半導体センサの出力か
ら生成されたアナログ信号パルスのパルス幅を弁別し、
その弁別結果と、前記半導体センサの出力から生成され
たアナログ信号パルスのパルス波高の弁別結果とをもと
に、シンチレータが検知した放射線と前記半導体センサ
が直接吸収した放射線に対応するパルス信号を出力する
放射線検出処理手段を備えるように構成したので、前記
半導体センサが低エネルギーの放射線を検知する際のバ
ックグラウンドを排除しながら、前記半導体センサが検
知した低エネルギーの放射線と前記シンチレータが検知
した高エネルギー放射線とを精度良く測定できる効果が
ある。
【0100】この発明によれば、放射線が入射する入射
面側に配置されたシンチレータと、前記シンチレータの
裏面側に配置されている半導体センサとを備えるように
構成したので、前記半導体センサの出力から生成された
アナログ信号パルスのパルス幅やパルス波高をもとに、
エネルギー分解能の低下、放射線モニタの検出感度の低
下を回避して、測定精度を向上できる効果がある。
【0101】この発明によれば、放射線が入射する入射
面側に配置された半導体センサと、前記半導体センサの
裏面側に配置されているシンチレータとを備えるように
構成したので、前記半導体センサで低エネルギーの放射
線を検知したときのバックグラウンドカウントを排除で
き、低エネルギーの放射線について測定精度を向上でき
る効果がある。
【0102】この発明によれば、半導体センサの検知体
として化合物半導体を使用するように構成したので、低
エネルギーの放射線を高い感度で高精度で側定できる効
果がある。
【0103】この発明によれば、半導体センサの検知体
としてCdTeまたはCdZnTeを使用するように構
成したので、低エネルギーの放射線を高い感度で高精度
で側定できる効果がある。
【0104】この発明によれば、半導体センサとシンチ
レータなどから構成される放射線センサの健全性を確認
するための放射線センサ健全性確認手段を備えるように
構成したので、欠側を発生させずに放射線センサの健全
性を容易に確認できる効果がある。
【0105】この発明によれば、シンチレータに設けら
れ、光パルスを入射するための光パルス入射窓と、該光
パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光パルス発生器
とを放射線センサ健全性確認手段が備えるように構成し
たので、前記光パルス発生器により欠側を発生させずに
放射線センサの健全性を容易に確認できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の放射線モニタの構
成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の放射線モニタの各
ノードにおける信号波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態2の放射線モニタの構
成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の放射線モニタの各
ノードにおける信号波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の放射線モニタの構
成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の放射線モニタの各
ノードにおける信号波形図である。
【図7】 この発明の実施の形態4の放射線モニタを説
明するためのSiとCdTeの光電吸収を示す特性図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態5の放射線モニタを説
明するための半導体センサにおけるγ線の検出効率の温
度特性図である。
【図9】 この発明の実施の形態6の放射線モニタの構
成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態6の放射線モニタの
各ノードにおける信号波形図である。
【図11】 この発明の実施の形態7の放射線モニタの
構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態8の放射線モニタの
構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態9の放射線モニタの
構成を示すブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態10の放射線モニタ
における放射線センサの構造を示す構成図である。
【図15】 従来の放射線モニタの構成を示すブロック
図である。
【図16】 従来の放射線モニタにおける半導体センサ
の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 シンチレータ(放射線センサ)、2 半導体センサ
(放射線センサ)、4波高弁別器(放射線検出処理手
段)、5 カウンタ(信号処理出力手段)、6演算器
(信号処理出力手段)、8表示器、12 パルス幅弁別
器(放射線検出処理手段)、13 ゲート回路(放射線
検出処理手段)、14 第1の波高弁別器(放射線検出
処理手段)、15 第2の波高弁別器(放射線検出処理
手段)、16 反転回路(放射線検出処理手段)、19
第1のカウンタ(信号処理出力手段)、20 第2の
カウンタ(信号処理出力手段)、21 シングルチャネ
ル波高分析器(放射線検出処理手段)、22 マルチチ
ャネル波高分析器(放射線検出処理手段)、23 第1
のシングルチャネル波高分析器(放射線検出処理手
段)、24 第2のシングルチャネル波高分析器(放射
線検出処理手段)、25パルス幅分析器(放射線検出処
理手段)、26 光パルス入射窓(放射線センサ健全性
確認手段)、28 光パルス発生器(放射線センサ健全
性確認手段)、30 放射線センサ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンチレータと半導体センサなどから構
    成された放射線センサと、 前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パ
    ルスのパルス幅をもとに放射線の検出を行いパルス信号
    を出力する放射線検出処理手段と、 該放射線検出処理手段が出力した前記パルス信号をもと
    に、所定の演算処理を行い、該演算結果を表示器へ表示
    する信号処理出力手段と、 を備えた放射線モニタ。
  2. 【請求項2】 放射線検出処理手段は、 半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パル
    スのパルス幅とパルス波高とから測定対象とする放射線
    について検出を行うことを特徴とする請求項1記載の放
    射線モニタ。
  3. 【請求項3】 放射線検出処理手段は、 半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パル
    スのパルス幅の弁別結果と、波高についての上限値と下
    限値とを規定するウィンドウによるアナログ信号パルス
    の波高の分析結果とをもとに、測定対象とする放射線に
    ついて検出を行うことを特徴とする請求項2記載の放射
    線モニタ。
  4. 【請求項4】 放射線検出処理手段は、 半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パル
    スのパルス幅により、測定対象とする放射線について弁
    別を行い、当該測定対象とする放射線についての前記ア
    ナログ信号パルスごとの波高ピーク値を分析して出力
    し、 信号処理出力手段は、 前記放射線検出処理手段が出力した前記アナログ信号パ
    ルスごとの波高ピーク値をもとに、前記測定対象とする
    放射線についてのエネルギー分布を示すデータをスペク
    トルデータとしてして求め、表示器に表示することを特
    徴とする請求項3記載の放射線モニタ。
  5. 【請求項5】 放射線検出処理手段は、 半導体センサの出力をもとに生成したアナログ信号パル
    スのパルス幅の弁別結果と、前記半導体センサの出力を
    もとに生成したアナログ信号パルスのパルス波高に対し
    異なる波高レベル範囲で規定されたウィンドウによる分
    析結果とから測定対象とするエネルギーレベルの異なる
    放射線をそれぞれ検出し、シンチレータが検知した前記
    エネルギーレベルの異なる放射線に対応するパルス信号
    を出力し、 信号処理出力手段は、 前記放射線検出処理手段が出力した前記エネルギーレベ
    ルの異なる放射線に対応するパルス信号をもとに所定の
    演算処理を行い、前記エネルギーレベルの異なる放射線
    にそれぞれ対応する演算結果を表示器へ表示することを
    特徴とする請求項2記載の放射線モニタ。
  6. 【請求項6】 放射線検出処理手段は、 シンチレータが放射線を検知することにより出力される
    信号パルスのパルス幅の範囲を基準に設定された第1の
    ウィンドウと、半導体センサが直接放射線を吸収するこ
    とにより出力される信号パルスのパルス幅の範囲を基準
    に設定された第2のウィンドウとをもとに分析したアナ
    ログ信号パルスのパルス幅と、低エネルギーレベルの放
    射線に対応したウィンドウと、高エネルギーレベルの放
    射線に対応したウィンドウとをもとに分析したアナログ
    信号パルスのパルス波高とから測定対象とするエネルギ
    ーレベルの異なる放射線をそれぞれ検出し、前記シンチ
    レータが検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収
    した放射線に対応するパルス信号を出力し、 信号処理出力手段は、 前記放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが
    検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射
    線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行
    い、前記シンチレータが検知した放射線と前記半導体セ
    ンサが直接吸収した放射線にそれぞれ対応する演算結果
    を表示器へ表示することを特徴とする請求項2記載の放
    射線モニタ。
  7. 【請求項7】 放射線検出処理手段は、 前記半導体センサの出力から生成されたアナログ信号パ
    ルスのパルス幅を弁別し、その弁別結果と、前記半導体
    センサの出力から生成されたアナログ信号パルスのパル
    ス波高の弁別結果とをもとに、シンチレータが検知した
    放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射線に対応
    するパルス信号を出力し、 信号処理出力手段は、 前記放射線検出処理手段の出力した前記シンチレータが
    検知した放射線と前記半導体センサが直接吸収した放射
    線に対応するパルス信号をもとに所定の演算処理を行
    い、該演算結果を表示器へ表示することを特徴とする請
    求項2記載の放射線モニタ。
  8. 【請求項8】 シンチレータは放射線が入射する入射面
    側に配置され、半導体センサは前記シンチレータの裏面
    側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求
    項7のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。
  9. 【請求項9】 半導体センサは放射線が入射する入射面
    側に配置され、シンチレータは前記半導体センサの裏面
    側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求
    項7のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。
  10. 【請求項10】 半導体センサの検知体として化合物半
    導体を使用したことを特徴とする請求項1から請求項9
    のうちのいずれか1項記載の放射線モニタ。
  11. 【請求項11】 半導体センサの検知体としてCdTe
    またはCdZnTeを使用したことを特徴とする請求項
    10記載の放射線モニタ。
  12. 【請求項12】 半導体センサとシンチレータなどから
    構成される放射線センサの健全性を確認するための放射
    線センサ健全性確認手段を備えていることを特徴とする
    請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の放
    射線モニタ。
  13. 【請求項13】 放射線センサ健全性確認手段は、 シンチレータに設けられ、光パルスが入射される光パル
    ス入射窓と、 該光パルス入射窓へ前記光パルスを入射する光パルス発
    生器とを備えたことを特徴とする請求項12記載の放射
    線モニタ。
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