JP2004292654A - スチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法、スチレン系樹脂、スチレン系樹脂発泡ボード及びスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

スチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法、スチレン系樹脂、スチレン系樹脂発泡ボード及びスチレン系樹脂発泡シート Download PDF

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正樹 斉藤
Yasuhiro Mae
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Abstract

【課題】揮発性有機化合物(VOC)除去効率に優れたスチレン系樹脂のVOC除去方法、該方法により得られたスチレン系樹脂、発泡ボード及び押出発泡シートの提供。
【解決手段】本発明のVOC除去方法は、スチレン系樹脂に、水とヒドロキシ化合物とを加えた混合材料を、ベント口6を有する押出機1に供給し、該押出機内で混合材料を溶融混練し、ベント口から上記水とヒドロキシ化合物とともに、スチレン系樹脂中に含まれるVOCを吸引除去した後、押出機からVOCが減じられたスチレン系樹脂を得ることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン系樹脂中の揮発性有機化合物(以下、VOCと記す。)を効率よく、高率で除去することができるスチレン系樹脂のVOC除去方法、該方法により総揮発性有機化合物(以下、TVOCと記す。)含有量が減じられたスチレン系樹脂、そのスチレン系樹脂を用いて製造されたTVOC含有量及びTVOC放散速度の低いスチレン系樹脂発泡ボード及びスチレン系樹脂発泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅に使用される建材等から室内に発散するVOCにより、人の健康に影響があったとする事例が報告され、いわゆるシックハウス問題(シックハウス症候群)として指摘されている。厚生労働省の「快適で健康的な住宅に関する検討会議・シックハウス問題検討会」は、これまでに13種類のVOCについての室内濃度指針値を公表している。上記13種類のVOCは、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカルブである。また、揮発性有機化合物濃度の合計値(TVOC)の暫定目標値(400μg/m)を公表するとともに、標準的な空気の採取条件と測定方法について手順を公表している。
【0003】
従来より、断熱材や畳芯材等として住宅に使用されるスチレン系樹脂発泡体において、室内に発散される揮発性有機化合物を低減するための種々の提案がなされている。例えば、スチレン系樹脂を加熱溶融し、発泡剤を注入し、これを押出発泡させてなるスチレン系樹脂発泡体において、ベントを有する押出機内で該樹脂をベント内圧力絶対圧600mmHg以下で脱揮して、スチレンモノマー含有量の低いスチレン系樹脂発泡体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また別な方法として、押出機内で加圧下に溶融されたスチレン系樹脂を水と混練した後、有機揮発成分を押出機内から吸引除去し、次いで押出機内に発泡剤を圧入し、さらに混練して発泡性溶融樹脂混合物とした後、定圧下に押出して発泡させることにより、トルエン、エチルベンゼン、スチレンモノマー、キシレンの4種類の有機揮発性成分の総合計量が400ppm未満である押出発泡体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、同様な方法は、食品容器又は包装材料に好適な熱可塑性樹脂発泡シートを製造する方法においても提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−212325号公報
【特許文献2】
特開2002−225104号公報
【特許文献3】
特公昭60−54850号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された方法では、シックハウス症候群の原因物質をスチレンモノマーだけに限定して除去対象としているが、上述したように、現在厚生労働省が策定しているVOCは13品目あり、スチレン系樹脂発泡体中にはトルエン、エチルベンゼンなどが含有されており、これらのVOCについて考慮されていない。従って、この従来技術によってスチレンモノマー以外のVOCが除去できるかどうかは不明である。
また、本発明者らの知見では、ベント口からの真空脱揮のみではVOC除去率が低く、特に多量のVOCを含むスチレン系樹脂の回収再利用材(以下、リサイクル用スチレン系樹脂と記す。)を対象としてVOC除去する場合、十分なVOC除去効果が得られなかった。
さらに、特許文献1では、新規に製造したスチレン系樹脂を対象として、樹脂中のスチレンモノマーの低減化を行っており、リサイクル用スチレン系樹脂の使用は考えられておらず、リサイクル用スチレン系樹脂の使用による環境負荷低減効果が得られない。
【0007】
また特許文献2に開示された方法では、真空吸引の圧力が明確ではなく、真空度が低い(大気圧に近い)場合、VOCの除去効率が下がり、十分なVOC除去効果が得られない可能性がある。また、VOC含有量の多い原料を使用した場合、樹脂に水を加えてベント口から吸引しただけでは大幅なVOC除去効果が得られない。また樹脂中に水が均一に分散しないと気泡生成がうまく行われず、スクリューせん断による気泡破壊、揮発分の逸散というVOC除去プロセスが進行せず、VOC除去効果が十分に得られない可能性がある。
また、この特許文献2においても新規に製造したスチレン系樹脂を対象としており、リサイクル用スチレン系樹脂の使用は考えられておらず、リサイクル用スチレン系樹脂の使用による環境負荷低減効果が得られない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされ、VOC除去率に優れ、リサイクル樹脂のVOC除去に好適なスチレン系樹脂のVOC除去方法、該方法により得られたスチレン系樹脂、該方法により得られたスチレン系樹脂を用いて製造したスチレン系樹脂発泡ボード及びスチレン系樹脂発泡シートの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、スチレン系樹脂に、水とヒドロキシ化合物とを加えた混合材料を、ベント口を有する押出機に供給し、該押出機内で混合材料を溶融混練し、ベント口から上記水とヒドロキシ化合物とともに、スチレン系樹脂中に含まれるVOCを吸引除去した後、押出機からTVOCが減じられたスチレン系樹脂を得ることを特徴とするスチレン系樹脂のVOC除去方法を提供する。
本発明の方法において、上記ヒドロキシ化合物は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールまたはこれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。
また、上記水とヒドロキシ化合物との混合比率が、質量比2:8〜8:2の範囲であることが好ましい。
さらに、上記水とヒドロキシ化合物との合計添加量が、スチレン系樹脂100質量部に対し3〜10質量部の範囲とするのが好ましい。
また、上記ベント口から混合材料中のVOCを吸引除去する際に、ベント口内真空度を−0.04MPaよりも真空側の減圧雰囲気とすることが好ましい。
また本発明は、上記VOC除去方法によりTVOC含有量が減じられたスチレン系樹脂を提供する。
本発明のスチレン系樹脂において、VOC除去率が50%以上であることが好ましい。
さらに本発明は、上記スチレン系樹脂を原料樹脂の一部又は全部として用い、押出機内で上記原料樹脂に発泡剤を加え、押出機の吐出口から押出発泡させてなるスチレン系樹脂発泡ボードを提供する。
本発明のスチレン系樹脂発泡ボードにおいて、TVOC放散速度が100μg/mh以下であることが好ましい。また、TVOC含有量が700ppm以下であることが好ましい。
また本発明は、スチレン系樹脂を原料樹脂の一部又は全部として用い、押出機内で上記原料樹脂に発泡剤を加え、押出機の吐出口から押出発泡させてなるスチレン系樹脂発泡シートを提供する。
本発明のスチレン系樹脂発泡シートにおいて、TVOC含有量が700ppm以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明においてはVOC(揮発性有機化合物)の定義として、後述するTVOC(総揮発性有機化合物)含有量の測定方法によって測定される化学物質が対象となり、厚生労働省が策定している13品目以外の化学物質も含まれる。ただし、発泡体製造に用いる発泡剤は除外する。
【0011】
図1は、本発明に係るスチレン系樹脂のVOC除去方法を実施するのに使用される押出機の一例を示す図である。この押出機1は、シリンダ2と、該シリンダ2内に回転可能に挿入されたスクリュー3と、シリンダ2の樹脂流れ方向上流側に配置されたホッパー4と、シリンダ2の吐出口に取り付けられたダイ5と、シリンダ2の途中に設けられたベント口6に接続され、VOCトラップ7を介してベント口6からシリンダ2内を真空吸引する真空ポンプ8とを備えて構成されている。シリンダ2の外周には、シリンダ2内を流れる樹脂を加熱溶融するためのヒータが取り付けられている。
【0012】
なお、図1は押出機の一例として、単軸押出機を例示しているが、異方向二軸押出機、同方向二軸押出機、3軸以上の多軸押出機等を用いることもできる。
また、ベント口6はシリンダ2に1箇所あればよいが、シリンダ2の長手方向に沿って2箇所以上設けることもできる。
また、ベント口6に接続される真空ポンプ8は、ベント口6内真空度を−0.04MPa(ゲージ圧)よりも真空側の減圧雰囲気とすることができる真空排気能力を備えた真空ポンプが用いられる。
また、ベント口6と真空ポンプ8の間に設けられたVOCトラップ7は、ベント口6からの排気ガスを冷却トラップに当てて、ガス中のVOCを凝縮して捕捉するか、あるいは活性炭などの適当なVOC吸着剤を通してガス中のVOCを除去するようになっている。
【0013】
この押出機1を用い、本発明の係るスチレン系樹脂のVOC除去方法を実施するには、まず、ホッパー4内に原料のスチレン系樹脂に、水とヒドロキシ化合物とを添加、混合した混合材料を入れ、押出機1と真空ポンプ8を駆動させる。本発明で用いられるスチレン系樹脂は特に限定されるものではなく、新規に製造されたスチレン系樹脂、リサイクル用スチレン系樹脂、それらの混合物が挙げられる。
【0014】
新規に製造されたスチレン系樹脂としては、スチレン単量体のみから得られるポリスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な他のモノマーあるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変成ポリスチレンなどが挙げられる。スチレンと共重合可能なモノマーとしては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ジビニルベンゼンなどのビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリルなどの不飽和化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0015】
また上記リサイクル用スチレン系樹脂は、種々の分野において用いられた発泡ポリスチレンを、再利用のために回収した材料からなるものである。
近年、環境負荷低減、エコロジーの観点から、再利用材料を多く配合した建設資材等が望まれている。発泡ポリスチレンの用途として、食品トレー、家電製品の梱包材、魚箱等が挙げられ、これらを回収し、再利用することが進められている。しかし、再利用可能にペレット化したリサイクル用スチレン系樹脂は、発泡体に付着して残留した接着剤などの影響により、TVOC含有量が非常に高く、このリサイクル用スチレン系樹脂を多く使用して発泡断熱材を製造した場合、発泡断熱材中のTVOC含有量が上昇してしまい、この発泡断熱材を建材や畳芯材などとして使用すると、VOCが多量に室内に放散されてしまうおそれがある。本発明は、TVOC含有量が非常に高いリサイクル用スチレン系樹脂であっても、VOCを効率よく除去することができ、それによってリサイクル用スチレン系樹脂の有効利用を可能としている。
【0016】
スチレン系樹脂に添加されるヒドロキシ化合物としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールまたはこれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましく、特にエチルアルコールが好ましい。
またスチレン系樹脂に添加される水とヒドロキシ化合物(以下、アルコール、又はエチルアルコールと言う。)は混合物として添加するのが望ましい。水とアルコールとの混合比率は、質量比2:8〜8:2の範囲が好ましく、3:7〜7:3の範囲がより好ましく、1:1程度が最も好ましい。水とアルコールとの混合比率が上記範囲を外れると、VOC除去率が低下する。
【0017】
また上記水とアルコールとの合計添加量は、スチレン系樹脂100質量部に対し3〜10質量部の範囲が好ましく、4〜8質量部がより好ましい。この合計添加量が上記範囲未満であると、特にVOC含有量の高いスチレン系樹脂を処理する場合にVOC除去効率が低下してしまう。また合計添加量が上記範囲を超えると、樹脂から水とアルコールを除去するためにベント口が複数必要となり、長尺、大型の押出機が必要となり、吸引に手間と時間がかかり、製造コストが上昇してしまう。水とアルコールをスチレン系樹脂に添加する方法は特に限定されないが、粉砕したスチレン系樹脂に水とアルコールの混合液を所定量加えて混ぜ合わせ、ホッパー4から供給するか、押出機1内で溶融したスチレン樹脂に水とアルコールの混合液を所定量圧入し混練する方法などが好ましい。
【0018】
スチレン系樹脂に水とアルコールとを添加した混合材料は、押出機1のシリンダ2内で加熱溶融され、スクリュー3で混練されながら、樹脂流れ方向(図1において右側から左側への流れ方向)下流側に送られる。スチレン系樹脂に、水とアルコールとの混合液を加えることで、樹脂に水のみを添加する場合よりも混合液の分散均一性が良好となり、水とアルコールの混合液は樹脂全体にわたり均一に混合される。この混合材料が、シリンダ2の途中に設けられ減圧雰囲気になっているベント口6に近づくと、混合材料中の揮発成分、すなわち添加した水とアルコール、及びスチレン系樹脂中に含まれるVOCが共沸し、気泡となる。この気泡は混練されている樹脂及びスクリュー3によって圧壊され、上記揮発成分を含むガスが樹脂から離脱し、ベント口6から吸引される。この揮発成分の分離によって、スチレン系樹脂からVOCが高率で除去される。
【0019】
スチレン系樹脂に含まれるVOCとしては、スチレンモノマーやトルエンのみならず、沸点が異なる多数の有機化合物が含まれる可能性があり、これらのVOCを含む樹脂を単に加熱溶融し、減圧雰囲気下で混練しただけでは、VOC除去率は低く、特に高沸点成分が残留しやすい。また、樹脂に水だけを添加して加熱溶融し、減圧雰囲気下で混練した場合、高沸点成分が水と共沸して樹脂から抜け出し易くなり、VOC除去率はある程度上昇する。しかし、水は樹脂と相溶性がないため、水を樹脂全体に均一に分散させることは極めて困難であり、水が行き渡らない樹脂部分ではVOC除去率が悪くなることから、樹脂全体としてみれば、VOC除去率は僅かに改善される程度である。一方、本発明の方法は、水とアルコールの混合液をスチレン系樹脂に添加するので、水とアルコールとを樹脂全体に均一に行き渡らせることができる。そしてベント口6に近接して減圧雰囲気となった混合材料中では、水、アルコール及びVOCが共沸することによって、残留しやすい高沸点VOCを容易に除去することができるので、高いVOC除去率を達成することができる。VOC除去率としては、50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。50%未満ではTVOCがまだ半分以上の量残在しており、効果的に除去されているとはいえない。
【0020】
ベント口6から混合材料中の水、アルコール及びVOCを含むガスを吸引除去する際、ベント口6内の真空度は、−0.04MPa(ゲージ圧)よりも真空側の減圧雰囲気とすることが好ましい。ベント口6内の真空度が−0.04MPaよりも大気圧(ゲージ圧0Pa)側であると、水、アルコール及びVOCを含むガスを吸引する効率が低下してVOC除去率が低下し、得られるスチレン系樹脂中のTVOC含有量が高くなってしまう。ベント口6から吸引された水、アルコール及びVOCを含むガスは、真空ポンプ8に至る途中に設けたVOCトラップ7に入り、ここで冷却凝縮され又は吸着剤により吸着除去される。
【0021】
ベント口6を通過し、水、アルコール及びVOCが吸引除去されたスチレン系樹脂は、樹脂流れ方向下流側に移送され、押出機1の吐出口に接続されたダイ5に圧入され、ダイ5のノズルから押し出される。ダイ5のノズル形状は、製造するスチレン系樹脂の形態に応じて適宜設定される。例えば、スチレン系樹脂ペレットを製造する場合には、所望の太さのストランド状に引き出し、放冷または水冷した後、適宜な長さに裁断する。
【0022】
以上の通り処理して得られるVOC除去済みのスチレン系樹脂は、原料としたスチレン系樹脂中に含まれるTVOC含有量が大幅に低減されている。特に、本発明の方法では、TVOC含有量が非常に高いリサイクル用スチレン系樹脂であっても、TVOC含有量を大幅に低減できる。一例として、後述する実施例4においては、原料としてTVOC含有量が3077ppmのリサイクルペレットを用い、これに本発明のVOC除去方法を行ったところ、TVOC含有量が615ppm(VOC除去率は約80%)のスチレン系樹脂ペレットを製造することができた。
【0023】
本発明に係るスチレン系樹脂は、原料樹脂に上述したVOC除去方法を施して得られたことを特徴としている。このスチレン系樹脂中の発泡剤以外のTVOC含有量は、スチレン系樹脂原料の種類及びVOC除去の処理条件に応じて変化し、TVOC含有量が低い新規に製造したスチレン系樹脂では、TVOC含有量が150ppm以下となり、一方TVOC含有量が高いリサイクル用スチレン系樹脂にあっては、600〜1500ppm程度となる。また、本発明のスチレン系樹脂は、新規に製造したスチレン系樹脂と、リサイクル用スチレン系樹脂とを任意の割合で混合し、VOC除去方法を施して得られたものも含まれる。このようにTVOC含有量の異なる2種以上のスチレン系樹脂をブレンドしてVOC除去方法を施して得られたもののTVOC含有量は、上述した両方のスチレン系樹脂のTVOC含有量の間の範囲となる。
【0024】
図2は、本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造するために好適な製造装置の第1の例を示す図である。この装置は、上述した図1に示す押出機1において、シリンダ2のベント口6よりも樹脂流れ方向下流側に、VOC除去を終えたスチレン系樹脂中に発泡剤を注入する発泡剤注入部10が設けられ、吐出口にボード製造用のダイ11が取り付けられ、且つこのダイ11から押し出された発泡剤添加樹脂を発泡させると共にボード状に成形するガイド部12が設けられている。
【0025】
上記発泡剤としては、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル等の塩素化炭化水素、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)等のクロロフルオロカーボン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン(HFC−32)等のフルオロカーボン、各種アルコール、二酸化炭素、水、及び窒素などの物理発泡剤が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を併用して使用することができる。
【0026】
本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを得るため、上記物理発泡剤の添加量は、使用する発泡剤の種類や、得ようとする発泡ボードの密度等により適宜調整されるが、通常は、スチレン系樹脂100質量部に対して5〜15質量部程度である。
【0027】
本発明のスチレン系樹脂発泡ボードには、必要に応じてスチレン系樹脂中に発泡核剤(気泡調整剤)、帯電防止剤、難燃剤、流動性向上剤、着色剤、熱安定剤、充填剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。
上記発泡核剤としては、例えばタルク、クレー、二酸化チタン、シリカ等の無機化合物の微粉末、或いは加熱により分解又は化学反応を起こしてガスを発生する化合物、例えば多価カルボン酸又はその塩、炭酸塩又は重炭酸塩とを組み合わせたものなどが挙げられる。
帯電防止剤としては、ステアリン酸モノグリセリドなどの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン付加物などが挙げられる。
難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン化炭化水素、リン酸エステルなどが挙げられる。
【0028】
図2に示す製造装置を用いてスチレン系樹脂発泡ボードを製造するには、押出機1及び真空ポンプ8を駆動し、原料のスチレン系樹脂と、必要に応じて添加される上記添加剤と、水とアルコールとを混合し、ホッパー4に供給する。ホッパー4内の原料は、押出機1のシリンダー2内に入り加熱溶融され、スクリュー3で混練されながら樹脂流れ方向下流側に移送される。上述した通り、スチレン系樹脂に含まれるVOCは、水とアルコールと共沸し、それらを含むガスが樹脂から離脱し、ベント口6から吸引除去される。VOC除去されたスチレン系樹脂は、ベント口6よりも樹脂流れ方向下流側に移送され、発泡剤供給部10から発泡剤が注入される。発泡剤添加済みスチレン系樹脂は、押出機1の吐出口からダイ11に圧入され、ダイ11のノズルから細板状に押し出される。ノズルから押し出された樹脂は、ガイド部12内で発泡させ、これをボード状に成形し、冷却賦形の後、裁断し、所定寸法のスチレン系樹脂発泡ボード13とする。
【0029】
図3は、本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造するために好適な製造装置の第2の例を示す図である。この装置は、上述した図1に示す押出機1(以下、1段目押出機と記す。)の吐出口に連結管路14を接続し、この1段目押出機1においてVOC除去したスチレン系樹脂を2段目押出機15に供給し、この2段目押出機15において発泡剤を注入し、その吐出口に取り付けたダイ11から押し出し、ガイド部12内で発泡させ、ボード状に成形してスチレン系樹脂発泡ボード13を製造するためのタンデム押出機を例示している。1段目押出機1と2段目押出機15とをつなぐ連結管路14には、1段目押出機1から吐出したスチレン系樹脂と混合するスチレン系樹脂および/または各種添加剤を供給するための供給部16が接続されている。
【0030】
図3に示す製造装置を用いてスチレン系樹脂発泡ボードを製造するには、VOC除去するスチレン系樹脂と、水とアルコールとを混合し、ホッパー4に供給する。ホッパー4内の原料は、1段目押出機1のシリンダー2内に入り加熱溶融され、スクリュー3で混練されながら樹脂流れ方向下流側に移送される。このスチレン系樹脂に含有されたVOCは、水とアルコールと共沸してガスとなり、樹脂から離脱し、ベント口6から吸引除去される。VOC除去されたスチレン系樹脂は、1段目押出機1の吐出口から連結管路14を通して2段目押出機15に送られる。連結管路14を通して送られたスチレン系樹脂と、供給部16から必要に応じて供給された材料(別のスチレン系樹脂および/または添加剤)とは、2段目押出機15内に供給され、この中で混練された混合材料に発泡剤供給部10から発泡剤が注入される。発泡剤添加済みのスチレン系樹脂は、2段目押出機15の吐出口からダイ11に圧入され、ダイ11のノズルから細板状に押し出される。ノズルから押し出された樹脂は、ガイド部12内で発泡させ、これをボード状に成形し、冷却賦形の後、裁断し、所定寸法のスチレン系樹脂発泡ボード13とする。
【0031】
図4は、本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造するために好適な製造装置の第3の例を示す図である。この装置は、上述した図3に示すタンデム押出機の2段目押出機15に、連結管路17によって3段目押出機18を接続し、2段目押出機15から連結管路17を通して3段目押出機18に供給された発泡剤添加樹脂を、3段目押出機18の吐出口に取り付けたダイ11から押し出し、ガイド部12内で発泡させ、ボード状に成形してスチレン系樹脂発泡ボード13を製造するためのタンデム押出機を例示している。
【0032】
図4に示す製造装置を用いてスチレン系樹脂発泡ボードを製造するには、VOC除去するスチレン系樹脂と、水とアルコールとを混合し、ホッパー4に供給する。ホッパー4内の原料は、1段目押出機1のシリンダー2内に入り加熱溶融され、スクリュー3で混練されながら樹脂流れ方向下流側に移送される。このスチレン系樹脂に含有されたVOCは、水とアルコールと共沸してガスとなり、樹脂から離脱し、ベント口6から吸引除去される。VOC含有量が低減されたスチレン系樹脂は、1段目押出機1の吐出口から連結管路14を通して2段目押出機15に送られる。連結管路14を通して送られたスチレン系樹脂と、供給部16から必要に応じて供給された材料(別のスチレン系樹脂および/または添加剤)とは、2段目押出機15内に供給され、この中で混練された混合材料に発泡剤供給部10から発泡剤が注入される。2段目押出機15から吐出した発泡剤添加樹脂は、連結管路17を通って3段目押出機18に供給され、発泡適性樹脂温度まで冷却される。3段目押出機18の吐出口からダイ11に圧入された発泡剤添加樹脂は、ダイ11のノズルから細板状に押し出される。ノズルから押し出された樹脂は、ガイド部12内で発泡させ、これをボード状に成形し、所定寸法に裁断してスチレン系樹脂発泡ボード13が得られる。
【0033】
上述した通り製造される本発明のスチレン系樹脂発泡ボードは、本発明のVOC除去方法によってVOCが高率で除去されたスチレン系樹脂を原料樹脂の一部又は全部として用いているので、VOC含有量が低く、建材や畳芯材として利用した場合に室内に放散するTVOC放散速度が小さく、放散したTVOCによるシックハウス症候群などの人体への悪影響を減らすことができる。
また、本発明によれば、VOC含有量が非常に多いリサイクル用スチレン系樹脂であっても、VOCを効率よく除去することができるので、リサイクル用スチレン樹脂にVOC除去を施した原料を、スチレン系樹脂原料の一部として再利用してスチレン系樹脂発泡ボードを製造することができ、リサイクル樹脂の使用による環境負荷低減効果に優れている。
【0034】
現在、TVOCの室内濃度の目安としては厚生労働省の「快適で健康的な住宅に関する検討会議・シックハウス問題討論会」により室内濃度指針値が公表されている。それによるとTVOCの室内の暫定目標値は400μg/mとなっている。本発明においては、スチレン系樹脂発泡ボードにおけるTVOCの上限を、TVOC放散速度の値により判断しており、本発明のスチレン系樹脂発泡ボードとしては、JIS A 1901(2003)建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法−小型チャンバー法に準じて測定されたTVOC放散速度が100μg/mh以下であることが好ましい。TVOC放散速度が100μg/mh以下であれば、そのスチレン系樹脂発泡ボードを建材(例えば、断熱材、吸音材、軽量盛土材)として用いた場合に、該ボードから放散されるTVOCの量が少なくなり、このボードを使用することで安全性を高めることができる。また、TVOC含有量は700ppm以下が好ましく、安全性を高めることができる。より好ましくは400ppm以下、さらに好ましくは200ppm以下である。
【0035】
また本発明は、上述した図2〜4の製造装置において、ダイ11として押出発泡シート製造用の従来周知のダイ(例えば、Tダイ、サーキュラーダイ)を用い、上述したスチレン系樹脂発泡ボードの製造におけると同様の方法によって、包装材、食品容器、トレーなどとして使用されるスチレン系樹脂押出発泡シートを提供することができる。本発明のスチレン系樹脂押出発泡シートは、TVOC含有量が700ppm以下が好ましく、より好ましくは400ppm以下、さらに好ましくは200ppm以下である。本発明のスチレン系樹脂押出発泡シートは、TVOC含有量が低く、トレーや食品容器に適用した際に食品等に移行するTVOC量を低減でき、安全性を高めることができる。
また、本発明によれば、TVOC含有量が非常に多いリサイクル用スチレン系樹脂であっても、VOCを効率よく除去することができるので、リサイクル用スチレン樹脂にVOC除去を施した原料を、スチレン系樹脂原料の一部として再利用してスチレン系樹脂押出発泡シートを製造することができ、リサイクル樹脂の使用による環境負荷低減効果に優れている。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を実証する。
なお、以下の実施例、比較例において、TVOC含有量、発泡体密度、平均気泡径、TVOC放散速度、VOC除去率は以下の方法で測定した。
【0037】
(TVOC含有量)
本発明においてTVOC(総揮発性有機化合物)含有量は、以下に示す三種類の測定法によって得られた値の合計量で求める。ただし、発泡体製造に用いられる発泡剤の値は合計量に加えない。すなわち、本発明におけるVOC(揮発性有機化合物)は、以下に示す三種類の測定法で測定される化学物質が対象となり、厚生労働省が策定している13品目以外の化学物質も含まれる。ただし、発泡体製造に用いられる発泡剤は含まれない。
1.(炭素数5以下の炭化水素化合物の測定)
原料樹脂又は発泡体から切り出した所定量の試料を180℃の熱分解炉に入れ、揮発した炭化水素をガスクロマトグラフィーにて測定する。
ガスクロマトグラフィー(GC):島津製作所社製 GC−14B
熱分解炉:島津製作所社製 PYR−1A
カラム:ボラパックQ 80/100(3mmφ×1.5m)
カラム温度:100℃
検出器(FID)温度:120℃
2.(炭素数6以上の炭化水素であって、ガスクロマトグラムに現れるスチレンのピークまでの炭化水素の測定)
前記と同様に原料樹脂又は発泡体から切り出した所定量の試料をジメチルホルムアミドに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)を加えてGCにより測定する。ただし、特定できないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量する。
GC:島津製作所社製 GC−14A
カラム:PEG−20M PT25% 60/80(2.5m)
カラム温度:105℃
検出器(FID)温度220℃
3.(ガスクロマトグラムに現れるスチレンの次のピークから炭素数16(n−ヘキサデカン)までの炭化水素の測定)
前記と同様に原料樹脂又は発泡体から切り出した所定量の試料をクロロホルムに溶解し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)にて測定する。ただし、試験片を溶解しない溶剤のみの空試験を行い、空試験の検出物質量を差し引く。更に、特定できないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量する。
GCMS:島津製作所社製 QP5000
カラム:J&W Scientific社製 DB−1
(1μm×0.25mmφ×60m)
測定条件:カラム温度
(60℃で1分間保持した後、10℃/分で300℃まで昇温)
スプリット比:10
キャリアーガス:He(1ml/分)
インターフェイス温度:260℃
【0038】
(発泡体密度)
JIS A 9511:1995「発泡プラスチック保温板」記載の方法で測定した。10×10×試料厚み(cm)の試験片を発泡後24時間以上経過した試料から切り出し、次式により算出する。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
【0039】
(平均気泡径)
ASTEM D2842−69 の試験方法に準拠し測定した。すなわち試験体をMD方向(押出方向)、TD方向(面方向にあった押出方向に直行する方向)及びVD方向(厚み方向)に沿って切断し、それぞれの切断面のカット面外側より1/10〜9/10以上内側を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)で17〜20倍(場合により200倍)に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙上に4画像づつ印刷し、夫々の方向に平行な任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出した。但し任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は6ヶ所とした。
平均弦長 t=60/(気泡数×写真の倍率)
そして次式により各方向における気泡径を算出した。
D=t/0.616
さらにそれらの算術平均を平均気泡径とした。
平均気泡径(mm)=(DMD+DTD+DVD)/3
また、試験片厚みが薄く、VD方向に60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。
【0040】
(TVOC放散速度)
発泡体試料(165mm×165mm×25mm)を用い、JIS A 1901(2003)に記載の方法に準じて行なった。測定装置、測定条件は以下の通りである。
1.放散試験チャンバー法
空気捕集装置:ADPAC−SYSTEM3(W)(アドテック社製)
試験温度:28±1.0℃
相対湿度:50±5%
捕集管:Tenax TA
空気捕集量:3.2L(換気開始20時間後から空気採取)
換気回数(n):0.5回/h
換気量(Q):167ml/分=0.01m/h
試験片面積(A):432cm=0.0432m
チャンバー内容積(V):20L=0.020m
試料負荷率(L):2.16m/m
2.VOC定量分析(パージアンドトラップGCMS法)
測定装置:GCMS QP5000(島津製作所社製)
パージアンドトラップサンプラ(日本分析工業社製)
カラム:DB−1(1μm×0.25mmφ×60m、J&W社製)
測定条件:カラム温度(40℃で3分間保持した後、15℃/分で200℃まで昇温、次に25℃/分で300℃まで昇温、300℃で3.5分保持)、キャリアーガス(He)、He流量(1ml/分)、注入口温度(240℃)、インターフェース温度(260℃)、スプリット比(10)。
JIS A 1901(2003)に記載の測定方法に準じて測定した結果を、次式に代入し単位面積当たりのTVOC放散速度(μg/mh)を算出した。
Figure 2004292654
Ct:時間tのときの濃度、
Ctb,t:時間tのときのトラベルブランク濃度
【0041】
(VOC除去率)
VOC除去率は、VOC除去処理前の試料のTVOC含有量(ppm)をα、VOC除去処理後の試料のTVOC含有量(ppm)をβとし、次式により求めた値(単位%)である。
VOC除去率=(α−β)/α×100
【0042】
[実施例1]
ポリスチレン樹脂[東洋スチレン社製、HRM18(スチレンモノマー含有量330ppm、TVOC含有量450ppm、MI:4.8)]100質量部に対して、水とエチルアルコール混合物(質量比1:1)を6質量部添加したものを、図1に示すベント口付き押出機に供給した。この押出機内で樹脂を加熱溶融し、混練しながら吐出口に向けて移送し、その途中に設けられたベント口から−0.06MPa(ゲージ圧)の真空度で樹脂中の揮発分(水、アルコール及びVOC)を吸引除去した。その後押出機先端に取り付けた30mm角の金型から樹脂を押出し、溝付きドラムロール及び水槽を通して冷却してからペレタイザーでペレット化し、スチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は115ppmであった。VOC除去率は74%であった。
【0043】
[実施例2]
ポリスチレン樹脂[東洋スチレン社製、HRM18(スチレンモノマー含有量330ppm、TVOC含有量450ppm、MI:4.8)]100質量部に対して、水とエチルアルコール混合物(質量比1:1)を6質量部添加したものを、図4に示すタンデム押出機のベント口付き1段目押出機に供給し、この押出機内で樹脂を加熱溶融し、混練しながら吐出口に向けて移送し、その途中に設けられたベント口から−0.06MPa(ゲージ圧)の真空度で樹脂中の揮発分(水、アルコール及びVOC)を吸引除去した。その後、連結された2段目押出機に樹脂を供給するとともに、発泡核剤としてタルク粉末を0.5質量部、帯電防止剤としてステアリン酸モノグリセリド(SMG)を0.06質量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロデカン(HBCD)を3.0質量部の混合物を2段目押出機の供給口より供給した。2段目押出機内でこの混合物を溶融混練し、さらに発泡剤としてブタン:塩化メチル=5:5(質量比)を8.7質量部圧入し、発泡剤注入後スクリューで発泡剤とスチレン系樹脂を混練し、これを3段目押出機に供給した。3段目押出機で発泡適性樹脂温度まで冷却した後、これらの混合物を3段目押出機の吐出口に装着したダイの口金(リップ:幅W=500mm、厚さt=10mm)より大気中に押出した。押出された発泡体を口金先端に密接に取り付けられた2枚の板を向き合わせたガイド部を通過させ、賦形と同時に冷却して成形し、厚み30mm、幅950mmの板状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0298g/cmであり、平均気泡径が0.51mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は170ppm、またTVOC放散速度は35μg/mhであった。VOC除去率は62%であった。
【0044】
[実施例3]
1段目押出機に供給する樹脂を、ポリスチレン樹脂[東洋スチレン社製、HRM18(スチレンモノマー含有量330ppm、TVOC含有量450ppm、MI:4.8)]50質量部と、魚箱、家電梱包材等の発泡スチロール回収品から作製されたリサイクルペレット(TVOC含有量3077ppm、スチレンモノマー1087ppm、MI:17)50質量部の混合樹脂(TVOC含有量1763.5ppm)100質量部とした以外は、実施例2と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0287g/cmであり、平均気泡径が0.52mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は365ppm、TVOC放散速度は58μg/mhであった。VOC除去率は79%であった。
【0045】
[実施例4]
押出機に供給する樹脂を、魚箱、家電梱包材等の発泡スチロール回収品から作製されたリサイクルペレット(TVOC含有量3077ppm、スチレンモノマー1087ppm、MI:17)100質量部とした以外は、実施例1と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は615ppmであった。VOC除去率は80%であった。
【0046】
[実施例5]
魚箱、家電梱包材等の発泡スチロール回収品から作製されたリサイクルペレット(TVOC含有量3077ppm、スチレンモノマー1087ppm、MI:17)50質量部に対して、水とエチルアルコール混合物(質量比1:1)を6質量部添加したものを、図4に示すタンデム押出機のベント口付き1段目押出機に供給し、この押出機内で樹脂を加熱溶融し、混練しながら吐出口に向けて移送し、その途中に設けられたベント口から−0.06MPa(ゲージ圧)の真空度で樹脂中の揮発分(水、アルコール及びVOC)を吸引除去した。その後、連結された2段目押出機にこの樹脂を供給するとともに、ポリスチレン樹脂[東洋スチレン社製、HRM18(スチレンモノマー含有量330ppm、TVOC含有量450ppm、MI:4.8)]50質量部、発泡核剤としてタルク粉末0.5質量部、帯電防止剤としてステアリン酸モノグリセリド(SMG)0.06質量部、難燃剤としてヘキサブロモシクロデカン(HBCD)3.0質量部の混合物を2段目押出機の供給口より供給した。2段目押出機内でこの混合物を溶融混練し、さらに発泡剤としてブタン:塩化メチル=5:5(質量比)を8.7質量部圧入し、発泡剤注入後スクリューで発泡剤とスチレン系樹脂を混練し、これを3段目押出機に供給した。3段目押出機で発泡適性樹脂温度まで冷却した後、これらの混合物を3段目押出機の吐出口に装着したダイの口金(リップ:幅W=500mm、厚さt=10mm)より大気中に押出した。押出された発泡体を口金先端に密接に取り付けられた2枚の板を向き合わせたガイド部を通過させ、賦形と同時に冷却して成形し、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0285g/cmであり、平均気泡径が0.53mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は670ppm、TVOC放散速度は96μg/mhであった。
【0047】
[実施例6]
リサイクルペレットとして、TVOC含有量2099ppm、スチレンモノマー750ppm、MI:14のものを50質量部用いた以外は、実施例5と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0283g/cmであり、平均気泡径が0.53mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は550ppm、TVOC放散速度は82μg/mhであった。
【0048】
[実施例7]
リサイクルペレットの混合割合を65質量部とし、2段目押出機で加えるポリスチレン樹脂(HRM18)の混合割合を35質量部とした以外は、実施例5と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0278g/cmであり、平均気泡径が0.60mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は580ppm、TVOC放散速度は94μg/mhであった。
【0049】
[実施例8]
水:アルコール比率を7:3とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1015ppmであった。VOC除去率は67%であった。
【0050】
[実施例9]
水:アルコール比率を3:7とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1354ppmであった。VOC除去率は56%であった。
【0051】
[実施例10]
混合液添加量を4質量部とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は770ppmであった。VOC除去率は75%であった。
【0052】
[実施例11]
混合液添加量を4質量部とし、水:アルコール比率を7:3とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1170ppmであった。VOC除去率は62%であった。
【0053】
[実施例12]
混合液添加量を4質量部とし、水:アルコール比率を3:7とした以外は実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1385ppmであった。VOC除去率は55%であった。
【0054】
[実施例13]
混合液添加量を8質量部とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は892ppmであった。VOC除去率は71%であった。
【0055】
[実施例14]
混合液添加量を8質量部とし、水:アルコール比率を7:3とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1292ppmであった。VOC除去率は58%であった。
【0056】
[実施例15]
混合液添加量を8質量部とし、水:アルコール比率を3:7とした以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1415ppmであった。VOC除去率は54%であった。
【0057】
[比較例1]
水とエチルアルコール混合物を添加せず、さらにベント口を大気中に開放し、真空引きは行なわなかった以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は2830ppmであった。VOC除去率は8%であった。
【0058】
[比較例2]
水とエチルアルコール混合物を添加しなかった以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は2001ppmであった。VOC除去率は35%であった。
【0059】
[比較例3]
ベント口を大気中に開放し、真空引きは行なわなかった以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は2215ppmであった。VOC除去率は28%であった。
【0060】
[比較例4]
水とエチルアルコール混合物の添加ではなく、水を6質量部添加した以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1785ppmであった。VOC除去率は42%であった。
【0061】
[比較例5]
水とエチルアルコール混合物の添加ではなく、エチルアルコールを6質量部添加した以外は、実施例4と同じ方法でスチレン系樹脂ペレットを得た。得られたペレットのTVOC含有量は1969ppmであった。VOC除去率は36%であった。
【0062】
[比較例6]
水とエチルアルコール混合物を添加せず、さらにベント口を大気中に開放し、真空引きは行なわなかった以外は、実施例3と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0285g/cmであり、平均気泡径が0.52mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は1728ppm、TVOC放散速度は306μg/mhであった。VOC除去率は2%であった。
【0063】
[比較例7]
水とエチルアルコール混合物を添加しなかった以外は、実施例3と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0284g/cmであり、平均気泡径が0.52mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は1181ppm、TVOC放散速度は184μg/mhであった。VOC除去率は33%であった。
【0064】
[比較例8]
ベント口を大気中に開放し、真空引きは行わなかった以外は、実施例3と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0285g/cmであり、平均気泡径が0.53mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は1322ppm、TVOC放散速度は208μg/mhであった。VOC除去率は25%であった。
【0065】
[比較例9]
水とエチルアルコール混合物の添加ではなく、水を6質量部添加した以外は、実施例3と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0286g/cmであり、平均気泡径が0.53mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は1056ppm、TVOC放散速度は165μg/mhであった。VOC除去率は40%であった。
【0066】
[比較例10]
水とエチルアルコール混合物の添加ではなく、エチルアルコールを6質量部添加した以外は、実施例3と同様にして、厚み30mm、幅950mmのボード状発泡体を得た。得られた発泡体は密度が0.0285g/cmであり、平均気泡径が0.54mmであった。得られた発泡体中のTVOC含有量は1146ppm、TVOC放散速度は181μg/mhであった。VOC除去率は35%であった。
【0067】
実施例1〜15,比較例1〜10の各測定結果を表1〜4にまとめて示す。
【0068】
【表1】
Figure 2004292654
【0069】
【表2】
Figure 2004292654
【0070】
【表3】
Figure 2004292654
【0071】
【表4】
Figure 2004292654
【0072】
表1〜4に示した結果から、本発明のVOC除去方法を用いて、新規に製造されたスチレン系樹脂にVOC除去を施した実施例1では、TVOC含有量が115ppmと非常に低いスチレン系樹脂を製造することができた。また、TVOC含有量の多い(3077ppm)リサイクルペレットについて本発明のVOC除去方法を施した実施例4では、TVOC含有量が615ppm、VOC除去率が80%のスチレン系樹脂を得ることができ、これをスチレン系樹脂の一部(又は全部)として用いてスチレン系樹脂発泡ボードを製造することが可能となり、リサイクル用スチレン系樹脂を再利用できることが実証された。
【0073】
また、新規に製造されたスチレン系樹脂を用い、本発明のVOC除去方法を施した後に押し出し成形して得られた実施例2のスチレン系樹脂発泡ボードは、発泡体のTVOC含有量が170ppm、TVOC放散速度が35μg/mh、VOC除去率が62%であり、非常に低いTVOC放散性の発泡ボードが得られた。また、リサイクルペレットを半分混合してVOC得られた実施例3の除去方法を施した後に押し出し成形して得られた実施例3のスチレン系樹脂発泡ボードは、発泡体のTVOC含有量が365ppm、TVOC放散速度が58μg/mh、VOC除去率が79%であり、本発明においてTVOC放散速度の上限とした100μg/mhをかなり下回っており、実用上十分に使用できるスチレン系樹脂発泡ボードが得られた。
【0074】
さらに、実施例8〜15の結果から、本発明のVOC除去方法において、水とアルコールの混合比が3:7〜7:3、その添加量が4〜8質量部の範囲内で、少なくとも50%以上のVOC除去率が得られることがわかった。
【0075】
一方、比較例1〜5において製造したスチレン系樹脂は、実施例4に比べてTVOC含有量が格段に高い値を示し、VOC除去率が格段に低い値を示した。また、比較例6〜10において製造したスチレン系樹脂発泡ボードは、実施例3に比べて発泡体のTVOC含有量、TVOC放散速度とも格段に高い値を示し、VOC除去率は格段に低い値を示した。
【0076】
【発明の効果】
本発明のVOC除去方法は、スチレン系樹脂に含まれるVOCを効率よく除去することができ、TVOC含有量の低いスチレン系樹脂を製造することができる。
また本発明のスチレン系樹脂発泡ボードは、TVOC含有量及びTVOC放散速度が非常に低くすることができるので、室内に放散されるTVOCに起因する人体への悪影響の少ない、安全性の高いものとなる。
さらに、本発明によれば、TVOC含有量が非常に高いリサイクル用スチレン樹脂であっても、TVOCを高い除去率で除去することができ、建材用断熱材等として利用可能なスチレン系樹脂を得ることができるので、リサイクル用スチレン系樹脂を再利用することで、環境負荷低減効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTVOC除去方法を実施するのに使用される押出機の一例を示す側面断面図である。
【図2】本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造する装置の第1の例を示す側面断面図である。
【図3】本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造する装置の第2の例を示す構成図である。
【図4】本発明のスチレン系樹脂発泡ボードを製造する装置の第3の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…押出機、2…シリンダ、3…スクリュー、4…ホッパー、5…ダイ、6…ベント口、7…VOCトラップ、8…真空ポンプ、9…スチレン系樹脂、10…発泡剤供給部、11…ダイ、12…ガイド部、13…スチレン系樹脂発泡ボード、14…連結管路、15…2段目押出機、16…供給部、17…連結管路、18…3段目押出機。

Claims (12)

  1. スチレン系樹脂に、水とヒドロキシ化合物とを加えた混合材料を、ベント口を有する押出機に供給し、該押出機内で混合材料を溶融混練し、ベント口から上記水とヒドロキシ化合物とともに、スチレン系樹脂中に含まれる揮発性有機化合物を吸引除去した後、押出機から揮発性有機化合物が減じられたスチレン系樹脂を得ることを特徴とするスチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法。
  2. 上記ヒドロキシ化合物が、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールまたはこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のスチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法。
  3. 上記水とヒドロキシ化合物との混合比率が、質量比2:8〜8:2の範囲である請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法。
  4. 上記水とヒドロキシ化合物との合計添加量が、スチレン系樹脂100質量部に対し3〜10質量部の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法。
  5. 上記ベント口から混合材料中の揮発性有機化合物を吸引除去する際に、ベント口内真空度を−0.04MPaよりも真空側の減圧雰囲気とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂の揮発性有機化合物除去方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の揮発性有機化合物除去方法により総揮発性有機化合物含有量が減じられたスチレン系樹脂。
  7. 揮発性有機化合物除去率が50%以上である請求項6に記載のスチレン系樹脂。
  8. 請求項6又は7に記載のスチレン系樹脂を原料樹脂の一部又は全部として用い、押出機内で上記原料樹脂に発泡剤を加え、押出機の吐出口から押出発泡させてなるスチレン系樹脂発泡ボード。
  9. 総揮発性有機化合物放散速度が100μg/mh以下である請求項8に記載のスチレン系樹脂発泡ボード。
  10. 総揮発性有機化合物含有量が700ppm以下である請求項8又は9に記載のスチレン系樹脂発泡ボード。
  11. 請求項6又は7に記載のスチレン系樹脂を原料樹脂の一部又は全部として用い、押出機内で上記原料樹脂に発泡剤を加え、押出機の吐出口から押出発泡させてなるスチレン系樹脂発泡シート。
  12. 総揮発性有機化合物含有量が700ppm以下である請求項11に記載のスチレン系樹脂発泡シート。
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