JP2023110831A - 発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高発泡倍率であっても発泡径並びに表面の均一性に優れる発泡シートを提供する。【解決手段】脂肪族ポリエステル樹脂を含む発泡シートであって、前記発泡シートは、発泡核剤と、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)とを含有し、かつ前記発泡シートは、前記発泡核剤を0.05質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする発泡シート。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡シートに関する。
プラスチック製品は、袋、容器などの様々な形状に加工されて広く流通している。なかでもプラスチックを発泡させた発泡シートは、優れた断熱性や緩衝性を有し、かつ軽量であることから、緩衝材や食品容器等に大量に用いられている。
従来技術において、CO超臨界流体を用いたプラスチック発泡シートの製造が検討されているが、高発泡倍率のシートを製造しようとすると、金型内部でのCOの急激な体積膨張によりコルゲート(折りたたまれ構造)が発生し、発泡径が不均一であるとともにシート表面も凹凸を有する不均一な状態となるという問題点がある。発泡径やシート表面が不均一であると、成形加工時にシートの破れ等が発生する原因となる。
特許文献1(特許第6265597号公報)には、その請求項1を参照すると、生物分解性又は生物再生可能性フォームであって、ポリ乳酸組成物と、二酸化炭素と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf);trans-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(trans-HFO-1234ze)及びそれらの混合物からなる群から選択される共発泡剤とを含む発泡剤組成物とから形成される、生物分解性又は生物再生可能性フォームが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術においても、発泡径やシート表面が不均一であり、成形加工時にシートの破れ等が発生するという問題点は解消されていない。
したがって本発明の目的は、高発泡倍率であっても発泡径並びに表面の均一性に優れる発泡シートを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)脂肪族ポリエステル樹脂を含む発泡シートであって、
前記発泡シートは、発泡核剤と発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)とを含有し、かつ
前記発泡シートは、前記発泡核剤を0.05質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする発泡シート。
本発明によれば、高発泡倍率であっても発泡径並びに表面の均一性に優れる発泡シートを提供することができる。
図1は、脂肪族ポリエステル樹脂を含む組成物の製造に用いる連続式混練装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の発泡シートの製造に用いる連続発泡装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
本発明の発泡シートは、脂肪族ポリエステル樹脂を含み、発泡核剤と、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)とを含有し、かつ前記発泡核剤の含有量が0.05~2質量%であることを特徴としている。
本発明の発泡シートの製造では、例えば押出成形において、発泡剤としてCO2及びHFOを混合し、さらに発泡核剤を添加することで、発泡径が均一であり、かつ表面が均一なシートを提供することができる。発泡剤としてのCO2は拡散しやすくまた発泡速度が速いため、ダイ内部で発泡し、ダイ内部で折りたたまれ構造(コルゲート構造)が発生するが、HFOを加えることでCO2が拡散し抜けた段階においても、樹脂を柔らかく保つことができるため、コルゲート構造の発生を抑制できる。また、発泡核剤を添加することで、発泡核剤を起点とした発泡が行われ、微細かつ発泡径が均一な発泡シートを提供できる。また好適な形態において、架橋剤を添加することでCO2を含んだ状態であっても樹脂の粘度が上昇し、高発泡倍率のシートを製造することが可能となる。したがって本発明では、高発泡倍率であっても発泡径並びに表面の均一性に優れる発泡シートを提供することができる。
(脂肪族ポリエステル樹脂組成物)
本発明の発泡シートは、脂肪族ポリエステル樹脂組成物を発泡させてなる。
前記組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂、発泡核剤と、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)とを少なくとも含有する。
(脂肪族ポリエステル樹脂)
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)等の脂肪族ポリエステル樹脂を挙げることができる。
なかでも、微生物により生分解される生分解性樹脂であり、環境に優しい低環境負荷高分子材料である脂肪族ポリエステル樹脂が好ましく、特にカーボンニュートラルな材料であり、かつ比較的安価であるポリ乳酸が更に好ましい。
[ポリ乳酸]
ポリ乳酸は、脂肪族ポリエステル樹脂の1つであり、乳酸がエステル結合によって重合して形成した高分子である。ポリ乳酸は、微生物により生分解されるので環境に優しく、環境負荷が低い高分子材料として注目されている(「脂肪族ポリエステルの構造、物性、生分解性 高分子 2001年50巻6号 p374-377」参照)。
ポリ乳酸を構成する乳酸は、D-体(D-乳酸)及びL-体(L-乳酸)のいずれか一方又は両方でもよい。
ポリ乳酸としては、例えば、D-乳酸の単独重合体、L-乳酸の単独重合体、D-乳酸とL-乳酸との共重合体(DL-乳酸);D-ラクチド、L-ラクチド及びDL-ラクチドからなる群から選択される一又は二以上のラクチドの開環重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリ乳酸として、D-乳酸及びL-乳酸の共重合体を用いた場合、D-乳酸及びL-乳酸の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。D-乳酸及びL-乳酸の共重合体において、少ない方の光学異性体が減少するにしたがって、結晶性が高くなり融点やガラス転移点が高くなる傾向がある。また、少ない方の光学異性体が増加するにしたがって、結晶性が低くなり、やがて非結晶となる傾向がある。結晶性は、発泡シートの耐熱性及び発泡の成形温度に関連するため、用途に応じて使い分ければよく、特に限定されない。
なお、結晶性とは、結晶化度や結晶化速度のことを意味する。結晶性が高いとは、結晶化度が高いこと、及び結晶化速度が速いことの少なくとも一方を意味する。
ポリ乳酸は、適宜合成したものでもよいし、市販品でもよい。
ポリ乳酸の含有量は、生分解性及びリサイクル性の観点から、一実施形態に係る発泡シート中の有機物の全量に対して、98質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましい。ポリ乳酸の含有量が98質量%以上であると、ポリ乳酸が生分解しても、生分解しないその他の成分が残存するのを抑制できる。
ポリ乳酸に含まれる乳酸の含有量は、ポリ乳酸を形成する材料の割合から算出できる。材料比率が不明な場合は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)を用いた分析を行い、既知のポリ乳酸を標準試料とした比較により成分を特定できる。必要に応じて、NMR測定によるスペクトルの面積比やその他分析方法も組み合わせて算出できる。GC-MSを用いる場合、ポリ乳酸の含有割合は、例えば、以下の条件で測定できる。
(GCMSによる測定)
・GCMS:QP2010 補器 フロンティア・ラボPy3030D、株式会社島津製作所製
・分離カラム:フロンティア・ラボUltra ALLOY UA5-30M-0.25F
・試料加熱温度:300℃
・カラムオーブン温度:50℃(1分保持)~昇温速度15℃/分~320℃(6分保持)
・イオン化法:Electron Ionization(E.I)法
・検出質量範囲:25~700(m/z)
なお本発明では必要に応じて、ポリスチレン、ポリ-p-メチルスチレン等のスチレン系単独重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体等のスチレン系共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物等のスチレン系樹脂を適宜使用することも可能である。
(発泡核剤)
前記発泡核剤(以下、フィラーと称することもある)は、発泡シートの発泡状態(泡の大きさ、及び量、配置)などを調節するために含有される。
前記フィラーとしては、無機系フィラー、有機系フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機系フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、層状珪酸塩、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
前記有機系フィラーとしては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品、またソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物などが挙げられる。
これらの中でも、後述する圧縮性流体との親和性が高い点から、無機系核剤であるシリカが好ましい。また、シリカ以外のフィラーをベースとして用いる場合は、シリカで表面処理されたフィラーが好ましい。
シリカは、SiOで表される二酸化ケイ素を主成分とするものである。シリカ粒子の製造方法により大別して、乾式法シリカと湿式法シリカの2つに分けられるが、本発明では、いずれの方法で製造されたものも用いることができる。
シリカは、必要に応じてシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、オルガノシロキサン等の反応性化合物によって、表面処理がなされていることが好ましい。
特にシランカップリング剤は、シリカ粒子の表面処理に好適に用いることができ、シランカップリング剤の具体例として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリカの含有割合としては、シリカで表面処理されたフィラーを用いる場合、シリカとシリカ以外のフィラーとの併用の場合のいずれにおいても、発泡シート中の無機物の全量に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。シリカの含有割合が、50質量%以上であると、発泡が均一かつ微細になる。なお、フィラーの含有割合の下限としては、発泡シート中の無機物の全量に対して20質量%以上が好ましい。
フィラーの個数平均粒子径としては、5nm(0.005μm)以上100nm(0.1μm)以下が好ましく、0.01μm以上0.08μm以下がより好ましい。個数平均粒子径が、平均粒子径が5nm(0.005μm)以上であると、分散性が良好となり、得られる発泡シートは衝撃強度等のシート物性が向上する。また個数平均粒子径が100nm(0.1μm)以下であることにより、得られる発泡シートの表面外観が向上する。
フィラーの平均粒子径は、便宜的にフィラーを真球と仮定してBET比表面積で表しても構わない。その際のBET比表面積は23m/g~230m/gとなる。
(BET比表面積(m/g)=粒子一つの比表面積/粒子一つの重さ=3/(平均径/2)×真比重=3/(平均径/2)/(真比重×10
*粒子1つの重さ:(平均径/2)×4/3×3.14×真比重(2.65)×10(g/個)
*粒子1つの比表面積(平均径/2)×4×3.14
フィラーの個数平均粒子径の標準偏差(σ)としては、個数平均粒子径に対し、3倍以下が好ましく、2倍以下がより好ましい。標準偏差(σ)が、前記範囲内であれば、発泡シートの発泡が均一である。
なお、フィラーの標準偏差と、発泡の標準偏差とは相関がある。即ち、フィラーの標準偏差が上記範囲内であれば、発泡が均一であると言える。
粒子径10μm以上であるフィラーの粗大粒子の割合としては、発泡シート1gあたり100個以下が好ましく、40個以下がより好ましい。粗大粒子数が100個以下であると、発泡径は微細であり、外観、強度等の物性が良好である。
粗大粒子の割合の測定としては、発泡シート50mgを再溶融して10μmの薄膜状とし、光学顕微鏡(ニコン社製、FX-21、倍率100倍)で、粒子径10μm以上の大きさのフィラーに起因する粗大粒子の個数を数えることで測定できる。
フィラーの疎水化度としては、例えば50wt%(質量%)以上であり、60wt%以上が好ましい。ここでの疎水化度とは、メタノール疎水化度のことを指す。疎水化度が、50wt%以上であることにより、吸湿性が抑制され脂肪族ポリエステル樹脂中でのフィラーの凝集を防止でき、また、フィラーを脂肪族ポリエステル樹脂に導入する際に、水分によって脂肪族ポリエステル樹脂が加水分解を受けるなどの副作用を抑制できる。
疎水化度は、1gのフィラーが、50mlの純水表面に浮遊した状態に、攪拌しながらメタノール滴下し、全量のフィラーを純水中に懸濁させるのに要したメタノール量を重量%で求めることにより測定できる。
フィラーのpHとしては、例えば6.5以下であり、3.5以上6.5以下が好ましく、4以上6以下がより好ましい。ここでのフィラーのpHとは、フィラーの4%分散液(水:メタノール=1:1)中で求めるフィラー表面のpHを指す。pHが6.5以下であることにより、フィラー同士が凝集を防止できる。pHが3.5以上であることにより、脂肪族ポリエステル樹脂の分解を防止できる。
フィラーのpHが、上記の範囲の理由は以下のものによる。二酸化炭素を発泡剤として使用する際に、二酸化炭素をフィラーの分散媒としてみると、フィラー分散液の(等電点)では粒子が凝集しやすくなると考えられる。二酸化炭素のイオン化ポテンシャル13.7eV,電子親和力3.8eVという値が示すようにCOは本質的に求電子的であるため、分散に最適なフィラーの表面状態が存在すると考えられたためである。
フィラーのpHは、発泡核剤4%の懸濁液(水/メタノール=1:1vol/vol)を調製し、調製した懸濁液のpHを測定することで得られる。
上記の疎水化度、pHなどのフィラーの評価は、発泡シートの製造後であっても、発泡シートを溶剤で溶解し、脂肪族ポリエステル樹脂成分を濾別して、フィラーを取り出し、得られたフィラーを分析することでも得られる。
また、得られた発泡シートのフィラーを評価する場合は、発泡シートを電気炉などで燃やし、灰分として取り出す事前操作を行ってもよい。
フィラーの含有量としては、発泡シートの物性を損なわない限り、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡シート全体に対して、0.05質量%以上2質量%以下が好ましく、0.1~1質量%がより好ましい。フィラーの含有量が、0.05~2質量%であると、フィラー同士が凝集するという不具合を防止できる。
(架橋剤)
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、架橋剤を含有することができる。
架橋剤としては、ポリ乳酸との反応性が高くモノマーが残り難く、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基若しくはビニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
これらの具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、またこれらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体でもよく、さらにブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
架橋剤を含有することで、溶融張力を付与でき、発泡シートの発泡倍率を調整できる。溶融張力を付与手段として、層状珪酸塩等の発泡核剤をナノレベルで分散する方法、架橋剤又は架橋助剤等を用いて樹脂組成物を架橋する方法、電子線等により樹脂組成物を架橋する方法、高い溶融張力を有する別の樹脂組成物を添加する方法等がある。また、架橋剤を加えシートへ高い溶融張力有するシートとすることで、成形加工時にシートの伸びが良化し、シートの破れ等が改善する。
架橋剤は、脂肪族ポリエステル樹脂組成物中、例えば0.1~2.0質量%、好ましくは0.3~1.5質量%含有させることができる。
(発泡シートの製造方法)
本発明の発泡シートの製造方法は、混錬工程と、発泡工程等を有し、更に必要に応じてその他の工程を有する。
混錬工程と、発泡工程とは、同時に行ってもよく、別々の工程として行ってもよい。
<混錬工程>
混錬工程は、脂肪族ポリエステル樹脂と発泡核剤とを、混錬する工程である。
混錬工程においては、発泡をより効率的に進めるため、発泡剤を加えてもよい。
成形品の用途に応じて、架橋剤、酸化防止剤、着色剤、各種光線の吸収剤、帯電防止剤、導電材を混錬してもよい。
発泡をより効率的に進めるため、あるいは混錬をより効率的に進めるため、圧縮性流体の存在下において、実施してもよい。
なお、プラスチック、フィラー、及び最終成形品を得る過程の中間工程で発生する混合物のことをプラスチック組成物、マスターバッチと称することがある。
<発泡剤>
発泡剤としては、高い発泡倍率のプラスチック発泡シートを得られ易い点において、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の低級アルカン等の炭化水素類、ジメチルエーテル等のエーテル類、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類、圧縮性ガスなどの物理発泡剤などが挙げられる。
これらの中でも、臭気がない、安全に取り扱える、環境負荷が低いという観点で、下記で説明する圧縮性ガスを用いることが好ましい。また、上記を共発泡剤と混合し使用することも可能である。
ハロゲン炭化水素類の中でも、本発明ではハイドロフルオロオフレフィンの使用を必須とする。ハイドロフルオロオレフィンは、オゾン層破壊係数(ODP)が約0、地球温暖化係数(GWP)が約20以下と非常に環境性に優れており、沸点が30℃以下であり、常温常圧(30℃、1気圧)で気体であるが、冷却により常圧で液体として取り扱うことができる不燃性の化合物である。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ジクロロ-フッ化プロペン、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン、又はこれらのシス体及びトランス体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、常圧で液体の状態を取りやすい点で、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、が好ましい。
1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、HFO-1233zd(E)(セントラル硝子株式会社製)などが挙げられる。ハイドロフルオロオレフィンの合成方法としては、例えば、特許第4864714号公報に記載している方法などが挙げられる。
ハイドロフルオロオレフィンは、常温常圧で気体の状態であるが、僅かな冷却により常圧でも液体として取り扱えることから耐圧機構などの重厚な設備を必要とせず、簡易な設備で取り扱うことができる。 また、加温した液体として扱う場合においても、僅かな耐圧機構を有する簡易な設備で取り扱うことができる。例えば、HFO-1233zd(E)の場合、60℃での蒸気圧は0.4MPa程度である。
ハイドロフルオロオレフィンの使用量は、脂肪族ポリエステル樹脂に対して、例えば1質量%以上15質量%以下であり、好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
<<有機物総量、無機発泡核剤量>>
発泡シート中の有機物総量は灰分(=無機成分量)以外の量として見積もることができる。また、灰分量は、無機発泡核剤の量と考えることができる。灰分は600℃、4時間燃焼した際の残渣とする。
灰分は以下のようにして測定した。精密天秤で小数点以下第4位まで重量を精秤した100mLのるつぼ中に発泡シートサンプルを3g程度測り入れ、るつぼとサンプルの合計重量を精秤した。るつぼをヤマト科学製マッフル炉FP-310に入れ、600℃で4時間燃焼し、有機成分を燃焼させた。その後、デシケータ内でるつぼを1時間冷却し、再度るつぼの重量を精秤することで、るつぼと灰分の合計重量を測定した。
灰分量すなわち無機発泡核剤量、及び有機物総量は以下の式により算出されるものである。
無機発泡核剤量[%]=灰分量[%]=(燃焼・冷却後のるつぼと試料の合計重量[g]-るつぼの重量[g])/(燃焼前のるつぼと試料の合計重量[g]-るつぼの重量[g])×100
有機物総量[%]=100-灰分量[%]
上記測定をn=2で実施し、平均値を求めた。
<圧縮性ガス>
圧縮性ガスの状態で用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、エチレン、ジメチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。これらの圧縮性流体は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
樹脂種と圧縮性流体の組み合わせ、温度、圧力によって、圧縮性流体の溶解度が変わるため、圧縮性流体の供給量は適宜調整する必要がある。
例えば、ポリ乳酸、フィラー、二酸化炭素及びハイドロフルオロオレフィンの組み合わせであれば、二酸化炭素の供給量は、ポリ乳酸とフィラーの合計量に対して2質量%以上30質量%以下が好ましい。前記供給量が2質量%以上であると、可塑化の効果は限定的になるという不具合を防止できる。二酸化炭素の供給量が30質量%以下であると、二酸化炭素とポリ乳酸とが相分離し、均一な厚みの発泡シートを得ることができないという不具合を防止できる。
二酸化炭素対ハイドロフルオロオレフィンの重量比は、好ましくは(1:0.5)から(1:0.01)までであり、より低コストでの製造を考えた場合は、例えば(1:0.25)から(1:0.01)である。
<混錬装置>
脂肪族ポリエステル樹脂組成物の製造に用いられる混錬装置としては、連続プロセスを採用することもできるし、回分式プロセスを採用することもできるが、装置効率や製品の特性,品質等を勘案し適宜、反応プロセスを選択することが好ましい。
混練装置としては、混練に好適な粘度に対応できる点から、一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、無軸籠型撹拌槽、住友重機株式会社製バイボラック、三菱重工業株式会社製N-SCR、株式会社日立製作所製めがね翼、格子翼又はケニックス式、ズルツァー式SMLXタイプスタチックミキサー具備管型重合槽などを使用できる。色調の点から、セルフクリーニング式の重合装置であるフィニッシャー、N-SCR、二軸軸押し出しルーダーなどが挙げられる。これらの中でも、樹脂の色調、安定性、及び耐熱性の点では、フィニッシャー、N-SCRが好ましい。生産効率の点では、一軸押出機、多軸押出機が好ましい。
ここで、一実施形態として、図1に示すように、連続式混練装置100として2軸押出機(JSW社製、スクリュー口径42mm、L/D=48)を用い、原料供給装置1および2から各種原料を原材料混合・溶融エリアaに供給し、続いて圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体を圧縮性流体供給エリアbに供給し、混練エリアcにて各種原料を混練し、混練が完了し、次の発泡工程において、圧縮性流体を圧縮性流体除去エリアdから除去し発泡を行い、成形加工エリアeを経て工程が完了する。
<<原材料混合・溶融エリア>>
原材料混合・溶融エリアでは、樹脂ペレット、フィラーの混合、昇温を行う。加熱温度は樹脂の溶融温度以上に設定を行い、続く圧縮性流体を供給するエリアで、圧縮性流体と均一に混合できる状態にする。
<<圧縮性流体供給エリア>>
樹脂ペレットが加温により溶融状態となり、フィラーを濡らした状態にて、圧縮性流体を供給し、溶融樹脂を可塑化させる。
<<混練エリア>>
フィラーの混練に好適な粘度となるように、混練エリアの温度設定を行う。設定温度は、反応装置の仕様、樹脂種、樹脂の構造、分子量などで変わるため、特に限定するものではないが、重量平均分子量(Mw)200,000程度の市販されているポリ乳酸の場合、通常の混練はポリ乳酸の融点+10℃~20℃で行われる。これに対して、圧縮性流体とともに混錬することで、ポリ乳酸の融点より低い温度で混錬することができる。融点より低い温度での比較的高い粘度で混錬することが可能である。具体的には、-20℃~-80℃、より好ましくは-30℃~-60℃である。簡便的には装置の撹拌動力の電流値などを目安に温度設定することができる。
<発泡工程>
発泡工程は、圧縮性流体を除去して、脂肪族ポリエステル樹脂組成物を発泡させる工程である。
圧縮性流体は、圧を開放させることで、除去することができる。
発泡工程の際の温度としては、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の融点以上に加温することが好ましい。
発泡工程においては、脂肪族ポリエステル樹脂組成物に溶解していた圧縮性流体およびハイドロフルオロオレフィンがフィラーとの界面で気化し、析出することで発泡が起きる。フィラーを起点に発泡するため、フィラーが脂肪族ポリエステル樹脂中に均一に分散されて初めて、均一かつ微細な発泡を有する発泡シートを製造できる。
なお発泡工程にプラスチック組成物を流動させるための駆動力としては、前述の混錬装置からの圧力を利用してもよいし、発泡工程のために別途1軸または多軸の押出機やシリンダーなどの機械装置を用いてもよい。
ハイドロフルオロオレフィンを発泡剤として添加することにより、樹脂の柔軟性が維持されつつ混練および発泡が行われ、また発泡核剤の添加により発泡径を小さくかつ均一に制御できるため、得られる発泡シートの発泡径および表面の優れた均一性が得られる。
<その他の工程>
その他の工程としては、通常のプラスチック発泡シートの製造において行われる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シートに加工する成形工程などが挙げられる。
前記成形工程としては、例えば、真空成形、圧空成形、プレス成形などが挙げられる。前記成形工程により、シート成形物が得られる。
発泡シートの発泡倍率は、コストの観点から高発泡倍率のものほど優れており、例えば5倍以上、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは20倍以上、より好ましくは30倍以上、特に好ましくは40倍以上である。発泡倍率が45倍以上であると、強度低下の観点から梱包材などの用途に限定される。梱包材用途においても均一な緩衝性を担保するためには発泡シート表面の均一性が望まれる。また発泡シートを使い捨て容器やブリスターパック等の2次成形に供する用途においては、発泡倍率は1倍から30倍とすることが好ましく、より好ましくは1倍から10倍、さらに好ましくは1倍から3倍である。この用途においても発泡シート表面の均一性が望まれる。発泡シートの表面が不均一であると、加工時のシートの破れや2次成形不良が発生する。以上より梱包材用途においては、発泡倍率が1倍から30倍の間でシート表面が均一であることが特に好ましい。
発泡シートの発泡倍率の制御方法としては混錬温度、滞留時間、雰囲気、発泡剤濃度、発泡剤種類、発泡剤均一性、プラスチック分子量分布、吐出速度等が挙げられ、いずれかまたは複数の方法を組み合わせて調整して構わない。
前記のように製造された本発明の発泡シートは、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)を例えば150ppm以上、好ましくは300ppm以上2200ppm以下含有する。
また本発明の発泡シートの厚みは、断熱性に優れるという観点から、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上が望ましく、加工性の観点より4mm以下であるのがさらに好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
<実施例1>
<発泡シートの作製>
<<マスターバッチの作製>>
図1に示す連続式混練装置100を用い、ポリ乳酸(Revode110、HISUN社製、融点160℃)9.7kg/hrと、発泡核剤としての表面処理シリカ(アエロジル社製、R202)0.3kg/hrとを、ポリ乳酸と発泡核剤の流量が合計で10kg/hrとなるように、原材料混合・溶融エリアaに供給した。次いで、圧縮性流体として二酸化炭素を1.00kg/hr(対組成物で10質量%相当)を圧縮性流体供給エリアbに供給し、混練エリアcにおいて混練を行った。これにより、[3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸組成物前駆体」を得た。
なお、上記の二酸化炭素の供給量において、「対組成物」とあるのは、ここでは、ポリ乳酸と発泡核剤の合計量を意味する。
次いで、成形加工エリアeにおいて、[3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸組成物前駆体]を水浴中に向かってストランド状に押出し、水浴中で冷却後にストランドカッターでペレタイズすることで、組成物前駆体として、3質量%のフィラーを含有するマスターバッチ([3質量%フィラーマスターバッチ])を得た。
上記マスターバッチの作製において、各ゾーンの温度は下記の通りとした。
原材料混合・溶融エリアa及び圧縮性流体供給エリアb:190℃
混練エリアc:150℃
圧縮性流体除去エリアd:190℃
成形加工エリアe:190℃
各ゾーンの圧力は下記の通りとした。
圧縮性流体供給エリアbから混練エリアcまで:7.0MPa
圧縮性流体除去エリアd:0.5MPa
<発泡シートの作製>
図2に示す連続式発泡シート化装置110を準備した。
連続式発泡シート化装置110は、2軸押出機を2台連結したものであり、第一押出機は、原材料混合・溶融エリアa、圧縮性流体供給エリアbおよび混練エリアcを有する。第二押出機は、圧縮性流体除去エリアdを有し、所定の形状に成形可能なスリット口径70mmのサーキュラー金型を備えた押出成形部5(成形加工エリアe)を有する。
この連続式発泡シート化装置110における原料供給装置1および2を用い、3質量%フィラーマスターバッチ、ポリ乳酸樹脂および架橋剤を供給した。具体的には、3質量%フィラーマスターバッチおよびポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)の流量が合計で10kg/hrとなるように、かつフィラーが0.5質量%になるように、得られた3質量%フィラーマスターバッチ1.67kg/hr、及びポリ乳酸(REVODE110、HISUN社製、融点160℃)8.33kg/hrの比率として、架橋剤としてグリシジル化合物(BASF社製、Joncryl ADR4368C)を0.07kg/hr(有機成分量に対して0.7質量%相当)として第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。続いて、圧縮性流体として二酸化炭素0.66kg/hr(対組成物で6.66質量%相当)を圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体供給エリアbに供給し、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)0.33kg/h(対組成物で3.33質量%相当) を供給システム4により混練エリアcに供給し、混練エリアcにて混練を行った。次に、第二押出機における圧縮性流体除去エリアdで樹脂温度を140℃まで冷却させることで圧縮流体を除去し、押出発泡を行い、押出成形部5において発泡シートを成形した。押出成形部5の金型における吐出量は10kg/hr、樹脂温度は167℃とした。続いて、上記のようにして得られた発泡シートを冷却されているマンドレル上に沿わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却成形し、カッターにより切開して、平坦状のシートを得た。このようにして本実施例の発泡シートを得た。
なお、上記発泡シートの作製において、各ゾーンの温度は下記の通りとした。
原材料混合・溶融エリアa及び圧縮性流体供給エリアb:190℃
混練エリアc:150℃
各ゾーンの圧力は下記の通りとした。
圧縮性流体供給エリアbから混練エリアcまで:7.0MPa
<発泡シートの評価方法>
発泡シートの発泡倍率は、下記式(1)の通り、発泡シートを構成している組成物の密度(真密度ρ0)をかさ密度(ρ1)で除することで、求めることができる。
発泡倍率=真密度(ρ0)/かさ密度(ρ1) ・・・(1)
なお、ここでの真密度は、最終的なプラスチック組成物として残存するプラスチック組成物の密度であり、文献値や非発泡コンパウンドペレットを実測しても構わない。ポリ乳酸の場合はおおよそ1.25g/cm3である。
かさ密度の測定方法は、特に限定されるものではなく適宜任意のかさ密度の測定方法を用いることができ、例えば、次のような方法で測定できる。温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡シートの外形寸法を測定し、かさ体積を求める。次いで、この発泡シートの重量を測定する。発泡シートの重量をかさ体積で除することにより、発泡シートのかさ密度を求める。
<平均厚み>
平均厚みは、ノギス(ミツトヨ製デジマチックキャリパー)を用い、10か所の測定値を平均して算出した。
<フィラーの個数平均粒子径>
発泡シートをイオンミリング装置にて断面加工を行い、断面のSEM観察を行った。
得られた断面SEM写真(倍率10,000倍)は、Image-Pro Premier(mediacy社製)のソフトを使用し、フィラーに該当する白色成分とポリ乳酸成分を二値化し、10μm×7μmの範囲で粒子径(フェレ径)を求め、フェレ径0.005μm以上の白色成分(フィラー)について、個数平均粒子径、及び標準偏差(σ)を算出した。
<フィラーのpH、疎水化度>
上述の方法にしたがい測定した。
〈HFOの定量〉
測定対象となる発泡シートを粉砕し、得られた粉砕発泡シートの1質量部に、2-プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日間以上保存し、粉砕発泡シート中の有機溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィー(GC-14A、株式会社島津製作所製)で分析し、粉砕発泡シート中のHFOを定量することにより、残留HFO量を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
・装置:島津GC-14A
・カラム:CBP20-M 50-0.25
・検出器:FID
・注入量:1μL~5μL
・キャリアガス:He 2.5kg/cm
・水素流量:0.6kg/cm
・空気流量:0.5kg/cm
・チャートスピード:5mm/min
・感度:Range101×Atten20
・カラム温度:40℃
・Injection Temp :150℃
<成形性>
成形性を以下の方法で評価した。まず、発泡シートから一辺300mmの平面正方形状の試験片を切り出した。この試験片をクリアランス2mm、温度127℃の平行熱板の間で30秒間加熱し、次に、底面が縦180mm×横100mmの平面長方形状で深さが28mmの皿状の金型で10秒間挟み込み成形した。そして、成形品の角部が正確に成形されており、破断も見られなかったものを「○」、部分的に薄くなっているが成形できているものを「△」、破断などが見られるものを「×」として、成形性を目視観察にて判断した。「○」、「△」評価が合格である。
結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.80kg/hr(対組成物で8質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)を0.2kg/hr(対組成物で2質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.90kg/hr(対組成物で9質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)を0.10kg/hr(対組成物で1質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.95kg/hr(対組成物で9.5質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)を0.05kg/hr(対組成物で0.5質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.98kg/hr(対組成物で9.8質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)を0.02kg/hr(対組成物で0.2質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.66kg/hr(対組成物で6.66質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:Z)-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン)を0.33kg/hr(対組成物で3.33質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.9kg/hr(対組成物で9質量%相当)ハイドロフルオロオレフィン(HFO:1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン)を0.1kg/hr(対組成物で1.0質量%相当)としたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例8>
図2に示す連続式発泡シート化装置110における原料供給装置1および2を用い、3質量%フィラーマスターバッチ、ポリ乳酸樹脂および架橋剤を供給した。具体的には、3質量%フィラーマスターバッチおよびポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)の流量が合計で10kg/hrとなるように、かつフィラーが0.05質量%になるように、得られた3質量%フィラーマスターバッチ0.167kg/hr、及びポリ乳酸(REVODE110、HISUN社製、融点160℃)9.833kg/hrの比率として、架橋剤としてグリシジル化合物(BASF社製、Joncryl ADR4368C)を0.07kg/hr(有機成分量に対して0.7質量%相当)として第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。続いて、圧縮性流体として二酸化炭素0.9kg/hr(対組成物で9質量%相当)を圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体供給エリアbに供給し、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)0.1kg/hr(対組成物で1.0質量%相当)を供給システム4により混練エリアcに供給し、混練エリアcにて混練を行った。
それ以外は実施例1と同様の方法で発泡シートを作成し、評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例9>
図2に示す連続式発泡シート化装置110における原料供給装置1および2を用い、3質量%フィラーマスターバッチ、ポリ乳酸樹脂および架橋剤を供給した。具体的には、3質量%フィラーマスターバッチおよびポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)の流量が合計で10kg/hrとなるように、かつフィラーが2質量%になるように、得られた3質量%フィラーマスターバッチ6.66kg/hr、及びポリ乳酸(REVODE110、HISUN社製、融点160℃)3.33kg/hrの比率として、架橋剤としてグリシジル化合物(BASF社製、Joncryl ADR4368C)を0.07kg/hr(有機成分量に対して0.7質量%相当)として第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。続いて、圧縮性流体として二酸化炭素0.9kg/hr(対組成物で9.0質量%相当)を圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体供給エリアbに供給し、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)0.02kg/hr(対組成物で1.0質量%相当) を供給システム4により混練エリアcに供給し、混練エリアcにて混練を行った。
それ以外は実施例1と同様の方法で発泡シートを作成し、評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例10>
図2に示す連続式発泡シート化装置110における原料供給装置1および2を用い、3質量%フィラーマスターバッチ、ポリ乳酸樹脂および架橋剤を供給した。具体的には、3質量%フィラーマスターバッチおよびポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)の流量が合計で10kg/hrとなるように、かつフィラーが0.5質量%になるように、得られた3質量%フィラーマスターバッチ1.67kg/hr、及びポリ乳酸(REVODE110、HISUN社製、融点160℃)8.33kg/hrの比率として、架橋剤としてグリシジル化合物(BASF社製、Joncryl ADR4368C)を0.07kg/hr(有機成分量に対して0.7質量%相当)として第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。続いて、圧縮性流体として二酸化炭素0.90kg/hr(対組成物で9質量%相当)を圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体供給エリアbに供給し、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)0.33kg/hr(対組成物で3.33質量%相当)を供給システム4により混練エリアcに供給し、混練エリアcにて混練を行った。次に、第二押出機における圧縮性流体除去エリアdで樹脂温度を145℃まで冷却させることで圧縮流体を除去した。
それ以外は実施例1と同様の方法で発泡シートを作成し、評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例11>
図2に示す連続式発泡シート化装置110における原料供給装置1および2を用い、3質量%フィラーマスターバッチ、ポリ乳酸樹脂および架橋剤を供給した。具体的には、3質量%フィラーマスターバッチおよびポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)の流量が合計で10kg/hrとなるように、かつフィラーが0.5質量%になるように、得られた3質量%フィラーマスターバッチ1.67kg/hr、及びポリ乳酸(REVODE110、HISUN社製、融点160℃)8.33kg/hrの比率として、架橋剤としてグリシジル化合物(BASF社製、Joncryl ADR4368C)を0.07kg/hr(有機成分量に対して0.7質量%相当)として第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。続いて、圧縮性流体として二酸化炭素0.90kg/hr(対組成物で9質量%相当)を圧縮性流体供給装置3から圧縮性流体供給エリアbに供給し、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)0.33kg/hr (対組成物で3.33質量%相当) を供給システム4により混練エリアcに供給し、混練エリアcにて混練を行った。次に、第二押出機における圧縮性流体除去エリアdで樹脂温度を135℃まで冷却させることで圧縮流体を除去した。
それ以外は実施例1と同様の方法で発泡シートを作成し、評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例12>
実施例3において、発泡核剤としての表面処理シリカを、AEROSIL NY50(日本アエロジル社製)に変更したこと以外は、実施例3を繰り返した。
結果を表1に示す。
<実施例13>
実施例3において、発泡核剤としての表面処理シリカを、QSG-100(信越化学工業株式会社製)
に変更したこと以外は、実施例3を繰り返した。
結果を表1に示す。
<実施例14>
実施例3において、発泡核剤としての表面処理シリカを、AEROSIL R816(日本アエロジル社製)に変更したこと以外は、実施例3を繰り返した。
結果を表1に示す。
<実施例15>
実施例1において、圧縮性流体として二酸化炭素を0.981kg/h(対組成物で9.9質量%相当)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO:トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロぺン)を0.0995kg/h(対組成物で0.1質量%相当)で供給したこと以外は実施例1を繰り返した。
<実施例16>
実施例1において、ハイドロフルオロオレフィンとしてシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを用いたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例17>
実施例3において、ハイドロフルオロオレフィンとしてシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを用いたこと以外は、実施例3を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例18>
実施例1において、ハイドロフルオロオレフィンとしてトランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを用いたこと以外は、実施例1を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<実施例19>
実施例3において、ハイドロフルオロオレフィンとしてトランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを用いたこと以外は、実施例3を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、HFOの添加をせずに、かつ、圧縮性流体として二酸化炭素を0.99kg/hr(対組成物で10質量%相当)で供給したこと以外は実施例1を繰り返した。
結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例3において、フィラー及び架橋剤を用いなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
結果を表1に示す。
<実施例20>~<実施例21>
実施例3において、架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例3を繰り返し、発泡シートを得た。
結果を表1に示す。
Figure 2023110831000002
1、2 原料供給装置
3 圧縮性流体供給装置
4 供給システム
5 押出成形部
110 連続式発泡シート化装置
a 原材料混合・溶融エリア
b 圧縮性流体供給エリア
c 混練エリア
d 圧縮性流体除去エリア
e 成形加工エリア
特許第6265597号公報

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル樹脂を含む発泡シートであって、
    前記発泡シートは、発泡核剤と、発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO)とを含有し、かつ
    前記発泡シートは、前記発泡核剤を0.05質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする発泡シート。
  2. さらに架橋剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡シート。
  3. 前記発泡シートは、前記ハイドロフルオロオレフィン(HFO)を150ppm以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の発泡シート。
  4. 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡シート。
  5. 前記発泡シートの厚みが0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の発泡シート。
  6. 発泡倍率が5倍以上30倍以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の発泡シート。
  7. 前記発泡核剤がフィラーであり、前記フィラーの疎水化度が50質量%以上であり、かつ前記フィラーのpHが6.5以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の発泡シート。
  8. 前記フィラーのpHが3.5以上6.5以下であることを特徴とする請求項7に記載の発泡シート。
  9. 前記フィラーの個数平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の発泡シート。

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