JP2022083401A - 発泡シート、製造物、成形体及び発泡シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な生分解性を有しながら、耐熱性と高発泡倍率を両立した発泡シートを提供する。【解決手段】ポリ乳酸を含む組成物からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸は、該ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であり、該発泡シートにおける有機物の総量に対して前記ポリ乳酸が98質量%以上であり、該発泡シートのかさ密度が0.063g/cm3以上0.125g/cm3以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、発泡シート、製造物、成形体及び発泡シートの製造方法に関する。
プラスチックは、袋、容器など様々な製品形状に加工され広く流通している。しかし、プラスチック製品は、自然界で分解されにくい性質を有しているため、使用後の廃棄処理が問題となっている。近年、環境意識の高まりから、プラスチック製品について、自然界で分解されにくい非生分解性プラスチックから、自然界で分解されやすい生分解性プラスチックへ置き換えるための材料開発が盛んに行われている。
生分解性プラスチックの中でもポリ乳酸は、プラスチックとして従来使用されているポリスチレンなどと性質が似ていることから、非分解性プラスチックの代替材料として注目されている。
ポリスチレンの利用形態の1つに、ポリスチレンを発泡させることで、軽量性、緩衝性、断熱性等の機能を付与した発泡ポリスチレンがあり、広く用いられている。このような発泡ポリスチレンの環境に配慮した代替素材として、生分解性プラスチックであるポリ乳酸を用いた発泡ポリ乳酸も提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。
しかし、一般に、ポリ乳酸はガラス転移温度(約60℃)が低いことに起因して耐熱性が低い事が指摘されている。例えば、ポリ乳酸を食品容器に適用する場合、熱湯への暴露や電子レンジを用いた調理を行った際、ポリ乳酸製食品容器に変形や穴あき等の不具合が起こることがあった。
ポリ乳酸の耐熱性を向上する方法として、例えば、無機クレイとのブレンド(特許文献5)やポリ乳酸の光学異性体のブレンドであるステレオコンプレックス(特許文献6~8)、化学的架橋の導入(特許文献9)、アクリル樹脂との複合化による方法(特許文献10)などが提案されている。また、公知の技術としてポリ乳酸の結晶化度を高めることで耐熱性を向上する手法も知られている。
しかし、特許文献5,9,10に関して、ポリ乳酸製容器が使用後にコンポスト、焼却、リサイクル等の処理をされることを鑑みると、ポリ乳酸性容器の組成は、生分解性プラスチック単体のみからなるか、限りなく生分解性プラスチックのみに近しい組成から製造されることが望ましく、また、架橋構造の導入は生分解性を低下させることから限りなく少ないことが望ましい。したがって、これらの提案は、十分な生分解性と耐熱性を有するポリ乳酸製食品容器を得る方法として満足いくものでは無かった。
また、特許文献6~8に関しては、ステレオコンプレックスを用いる方法は現在のところポリ-(D)-乳酸の価格が非常に高価であり、使い捨ての食品容器等として商業的に提供することができるものでは無かった。
本発明は、十分な生分解性を有しながら、耐熱性と高発泡倍率を両立した発泡シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発泡シートは、ポリ乳酸を含む組成物からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸は、該ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であり、該発泡シートにおける有機物の総量に対して前記ポリ乳酸が98質量%以上であり、該発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.125g/cm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、十分な生分解性を有しながら、耐熱性と高発泡倍率を両立した発泡シートを提供することができる。
温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。 圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。 混練装置の一例を示す概略図である。 発泡シート化装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る発泡シート、製造物及び発泡シートの製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の発泡シートは、ポリ乳酸を含む組成物からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸は、該ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であり、該発泡シートにおける有機物の総量に対して前記ポリ乳酸が98質量%以上であり、該発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.125g/cm以下であることを特徴とする。
従来技術において、結晶性の高いポリ乳酸を用いる方法は、耐熱性に優れる成形物を得るのに有効であることは公知の事実であるが、結晶性が上がると樹脂の剛性が高くなり、そもそも高発泡倍率のシートを得ることは困難だった。発泡シートを食品容器として用いる場合、断熱性や省資源化の観点から、構造体としての強度を保持できる限り、発泡倍率は高い方が望ましく、したがって、ポリ乳酸発泡シートを耐熱食品容器として使用するためには、高発泡倍率と耐熱性を両立することが求められていた。
これに対して本発明によれば、十分な生分解性を有しながら、耐熱性と高発泡倍率を両立した発泡シートを提供することができる。本発明の発泡シートはポリ乳酸を含む組成物からなるため、本発明の発泡シートをポリ乳酸発泡シート、発泡ポリ乳酸組成物シートなどと称してもよい。詳細は後述するが、本発明の発泡シートは良好な耐熱性を有し、例えば耐熱食品容器としても使用することが可能となる。なお、発泡ポリ乳酸組成物シートとは、ポリ乳酸を含む組成物を発泡させ、シート状にしたものを意味する。
(発泡シート)
本発明の発泡シートは、ポリ乳酸を含む組成物からなる。前記組成物はポリ乳酸を含み、その他、フィラー等を含有していてもよく、発泡させる前の状態をいう。組成物はポリ乳酸を含むことから、ポリ乳酸組成物などと称してもよい。前記組成物は、更に必要に応じて架橋剤等のその他の成分を含有する。
発明者らは、上記のような問題を解決すべく検討を行った結果、高光学純度のポリ乳酸(ポリ乳酸系樹脂、ポリ乳酸樹脂などとも称する)を結晶化が緩やかな温度域で適正な粘度に調整し、均一微細発泡することで解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の発泡シートにおいては、高光学純度のポリ乳酸系樹脂を高発泡倍率まで微細発泡させることが好ましい。微細発泡は、気泡表面での伸長変形に伴う伸長結晶化に有効に作用し、耐熱性に優れたシートを得ることが可能となる。また、発泡径の微細化は発泡シートの熱伝導率を低下することからも、耐熱性に優れたシートを得ることが出来る。
なお、一般に、ポリ乳酸は融点近傍での粘度が低く、気泡の合一、破泡が起こりやすいため、発泡径の微細化及び高発泡倍率化はそもそも難しい。特許文献1及び特許文献4にはポリ乳酸発泡シートが記載されているが、従来技術ではこれらの要望を満足できるものではなかった。特に、特許文献4に開示されている微細発泡体は、二酸化炭素を発泡剤として用い、発泡径が1μm以下の発泡体を得ているが、ポリマーの融点以下という条件で発泡させるバッチ装置により製造されたものであり、連続プロセスで工業的に大量生産できるものではなかった。
<ポリ乳酸>
ポリ乳酸樹脂は微生物により生分解されるので、環境に優しい低環境負荷高分子材料として注目されている(「脂肪族ポリエステルの構造、物性、生分解性 高分子 2001年50巻6号 p374-377」参照)。
前記ポリ乳酸としては、例えば、D-乳酸及びL-乳酸の共重合体、D-乳酸(D体)又はL-乳酸(L体)のいずれか一方の単独重合体、D-ラクチド(D体)、L-ラクチド(L体)及びDL-ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドの開環重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリ乳酸としては、適宜合成したものを用いても、市販されているものを用いてもよい。
ポリ乳酸として、D-乳酸及びL-乳酸の共重合体、またはD-ラクチド、L-ラクチド及びDL-ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドの開環重合体を用いる場合、D体及びL体のうち少ない方の光学異性体が減少するにしたがって、結晶性が高くなり融点や結晶化速度が高くなる傾向がある。また、少ない方の光学異性体が増加するにしたがって、結晶性が低くなり、やがて非晶性となる傾向がある。
本発明においては、発泡時の泡成長に伴う結晶化により、充分な耐熱性を付与する必要がある点から、組成物に含まれるポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上である。このようなことから、D体又はL体のどちらか一方の光学異性体のみからなるポリ乳酸を用いてもよい。上記を満たさない場合、良好な耐熱性が得られない。なお、必要に応じて98mol%より大きい範囲としてもよい。
発泡シート中のポリ乳酸において、ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であるかについては、光学活性カラムを用いた液体クロマトグラフィで分析することにより確認することができる。
測定手順は次の通りである。
発泡シートを凍結粉砕し、発泡シートの粉末200mgを三角フラスコに取り、1Nの水酸化ナトリウム水溶液30mlを加える。次に、三角フラスコを振盪しながら65℃に加熱して、ポリ乳酸を完全に溶解させる。続いて、1N塩酸を用いてpHが4~7となるように調整し、メスフラスコを用いて所定の体積に希釈してポリ乳酸溶解液を得る。
次に、上記ポリ乳酸溶解液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、液体クロマトグラフを用いて分析する。得られたチャートに基づいて、D体及びL体由来のピークから面積比を算出し、これを存在比としてD体量及びL体量を算出する。上記操作を3回行って得られた結果の算術平均した値を、発泡シートにおけるポリ乳酸を構成する乳酸のD体量及びL体量とする。
測定装置及び測定条件は下記の通りとする。
HPLC装置(液体クロマトグラフィ):日本分光社製商品名「PU-2085Plus型システム」
カラム:住友分析センター社製商品名「SUMICHIRALOA5000」(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:25℃
移動相:2mMCuSO4水溶液と2-プロパノールとの混合液(CuSO4水溶液:2-プロパノール(体積比)=95:5)
移動相流量:1.0ミリリットル/分
検出器:UV254nm
注入量:20マイクロリットル
発泡シートに対して上記の測定を行い、D体及びL体由来のピークの面積の合計に対して、D体及びL体由来のピークのうちピーク面積が大きい方の面積が98%以上である場合、ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であるといえる。また、光学純度が98%以上であるとポリ乳酸が上記の要件を満たしているといえる。
なお、ここで結晶性とは、結晶化度や結晶化速度のことを広く表現しており、結晶性が高いとは、結晶化度が高い及び/又は結晶化速度が速いことを意味する。
ポリ乳酸の含有割合は、生分解性及びリサイクル性(リサイクルが容易となる)の観点から、発泡シート中の有機物の総量に対して98質量%以上である。98質量%以上であると、ポリ乳酸が生分解しても、生分解しないその他の成分が残存する不具合を防止できる。98質量%未満であると良好な生分解性が得られない。
発泡シート中の有機物としては、主にポリ乳酸が該当し、ポリ乳酸以外としては、例えば有機系核材(有機フィラーなどとも称する)、架橋剤等が挙げられる。フィラーとして無機系核材(無機フィラーなどとも称する)を用いた場合、無機系核材は前記有機物には該当しない。
-ポリ乳酸の含有割合の測定方法-
ポリ乳酸の含有割合は、仕込む材料の割合から算出できる。もし材料比率が不明な場合は、例えば、以下のGCMS分析を行い、既知のポリ乳酸を標準試料とした比較により成分を特定することができる。必要に応じて、NMR測定によるスペクトルの面積比やその他分析方法も組み合わせて算出することが可能である。
[GCMS分析による測定]
・GCMS:株式会社島津製作所製 QP2010 補器 フロンティア・ラボPy3030D
・分離カラム:フロンティア・ラボUltra ALLOY UA5-30M-0.25F
・試料加熱温度:300℃
・カラムオーブン温度:50℃(1分保持)~昇温度15℃/分~320℃(6分)
・イオン化法:Electron Ionization(E.I)法
・検出質量範囲:25~700(m/z)
なお、同様のGCMS分析により、有機フィラーの含有量についても求めることができる。
<<有機物総量、無機フィラー量>>
発泡シート中の有機物総量は灰分(=無機成分量)以外の量として見積もることができる。また、灰分量は、無機フィラーの量と考えることができる。灰分は600℃、4時間燃焼した際の残渣とする。
灰分は以下のようにして測定した。精密天秤で小数点以下第4位まで重量を精秤した100mLのるつぼ中に発泡シートサンプルを3g程度測り入れ、るつぼとサンプルの合計重量を精秤した。るつぼをヤマト科学製マッフル炉FP-310に入れ、600℃で4時間燃焼し、有機成分を燃焼させた。その後、デシケータ内でるつぼを1時間冷却し、再度るつぼの重量を精秤することで、るつぼと灰分の合計重量を測定した。
灰分量すなわち無機フィラー量、及び有機物総量は以下の式により算出されるものである。
無機フィラー量[%]=灰分量[%]=(燃焼・冷却後のるつぼと試料の合計重量[g]-るつぼの重量[g])/(燃焼前のるつぼと試料の合計重量[g]-るつぼの重量[g])×100
有機物総量[%]=100-灰分量[%]
上記測定をn=2で実施し、平均値を求めた。
<フィラー>
前記フィラー(以下「発泡核材」、「発泡核剤」と称することもある)は、発泡シートの気泡径、及び数密度などを調節するほか、結晶性を向上するために含有される。
前記フィラーとしては、無機系核材、有機系核材などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機系核材としては、例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、層状珪酸塩、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
前記有機系核材としては、澱粉、セルロースナノファイバー、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品、またグリセリン化合物、ソルビトール化合物、安息香酸及びその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物などが挙げられる。
これらの中でも、無機系核材としては効率的に分散が可能で添加量を少なくでき、環境負荷を低くできる点から、シリカ、酸化チタン、層状珪酸塩がより好ましい。
また、フィラーとしては、添加量あたりの表面積を大きくでき、添加量を少なくできる観点から短軸方向の長さの個数平均が100nm以下であることが好ましい。
フィラーの含有量としては、発泡シート中、3質量%以下が好ましい。3質量%を超えると、発泡ポリ乳酸組成物シートの物性が硬くもろくなる可能性がある。生分解性のないフィラーの含有量はより少ない方が好ましく、発泡シート中、1質量%以下であることがより好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、通常、発泡シートに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋剤などが挙げられる。
<<架橋剤>>
架橋剤としては、ポリ乳酸の水酸基及び/又はカルボン酸基と反応性を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、エポキシ系架橋剤(エポキシ基を有する架橋剤)又はイソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤)が好ましく用いられる。これらの架橋剤としては、例えば、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤、または分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが好ましい。ポリ乳酸に分岐構造を導入し、溶融強度を効率的に向上でき、未反応物の残留を少なくできる点から、分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤、分子内に3つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートがより好ましい。このような架橋剤を用いると、気泡の合一、破泡を抑制でき、発泡倍率を向上させることができる。
ここで、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤とは、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとスチレンモノマーとを共重合させて得られた重合体である。
エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの1,2-エポキシ基を含有するモノマーが挙げられる。また、スチレンモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤は、その共重合成分にエポキシ基を有しない(メタ)アクリルモノマーを含有していてもよい。このような(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル-2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル-2,6-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、2,4-トルイレンジイソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-イソシアネート、1,5’-ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-イソシアネート-4,4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチロールプロパンと2,4-トルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどジイソシアネートとのアダクト体等のトリイソシアネート化合物、およびグリセリン、ペンタエリストール等の多価アルコールとを前記の脂肪族及び芳香族ジイソシアネート化合物および前記のトリイソシアネート化合物などと反応させて得られる変性ポリイソシアネート化合物などがある。これらは1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
前記架橋剤の添加量は、用いるポリ乳酸の分子量やポリ乳酸の分子量分布によっても異なる。低分子量のポリ乳酸が多くなると、発泡に適した溶融強度を付与するためにより多くの添加量が必要となる傾向がある。しかし、架橋剤の添加量が増えると生分解性、結晶性に劣る傾向があることから、本発明の発泡シートにおいて、架橋剤の配合量は、ポリ乳酸と架橋剤の合計量を100質量%とし、これに対して2質量%以下であることが好ましい。
その他の架橋剤としては、分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物、分子中に2以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド系架橋剤)等も用いることができる。
発泡に適した溶融強度を付与するためのその他の溶融強度の付与手段(溶融張力の付与手段)としては、例えば以下の方法が挙げられる。層状珪酸塩や繊維状の発泡核剤等をナノレベルで分散する方法、架橋剤あるいは架橋助剤等を用いて樹脂組成物を架橋する方法、電子線等により樹脂組成物を架橋する方法、高い溶融張力を有する別の樹脂組成物を添加する方法、発泡温度を低くするといった方法等がある。
<<その他>>
更にその他の成分としては、上記の他にも、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤などの添加剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の成分の含有割合としては、発泡シート中の有機物の総量に対して2質量%以下が好ましい。この場合、リサイクル性がより良好になる。
<発泡シートの物性>
<<かさ密度>>
本発明における発泡シートのかさ密度は、0.063g/cm以上0.125g/cm以下である。かさ密度がこの範囲であると、良好な高発泡倍率が得られているといえ、また良好な強度や耐熱性が得られる。0.063g/cm未満であると耐熱性や強度に劣り、0.125g/cmを超えると高発泡倍率に劣っている。
なお、発泡倍率=真密度/かさ密度とも表すことができ、かさ密度が小さい(発泡倍率が大きい)程、同一の形状であれば成形体の重さを小さくでき、省資源の観点から好ましい。
発泡シートのかさ密度は、0.063g/cm以上0.083g/cm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、構造体としての強度と耐熱性のバランスにより優れた発泡シートを得ることができる。
発泡シートのかさ密度を本発明の範囲にするには、例えば発泡剤の添加量を後述の範囲内で調整する方法や、架橋剤の添加量を調整して例えばメルトフローレートが後述の範囲になるように調整する方法、発泡時の組成物温度を調整する方法等が挙げられる。発泡剤の添加量は、破泡による発泡剤の損失が起こらない範囲内であれば、添加量が多いほどかさ密度を小さくできる傾向にあり、メルトフローレートは後述の範囲内であれば、小さいほど破泡による発泡剤の損失を抑制できる為にかさ密度を小さくできる傾向にあり、発泡時の組成物温度は、結晶化やガラス転移等によって組成物が流動性を失わない範囲内であれば、温度が低いほど破泡による発泡剤の損失を抑制できる為、かさ密度を小さくできる傾向にある。また、メルトフローレートは、架橋剤の添加量が後述の範囲内であれば、架橋剤の添加量を増やすことで小さくなる傾向にある。
本発明における発泡シートのかさ密度は、次のように測定する。発泡シートを温度23℃、相対湿度50%に調整された環境下で24時間以上静置し、50mm×50mmの試験片を切り出す。切り出した試験片に対して、自動比重計(例えば東洋精機製作所製DSG-1)を用い、液中秤量法を用いてかさ密度を求める。これは発泡シート大気中の重量(g)を精秤し、次いで発泡シートの水中での重量(g)を精秤し、以下の式により算出されるものである。
かさ密度[g/cm]=大気中の試料重量[g]/{(大気中の試料重量[g]-液体中の重量[g])×液体密度[g/cm]}
<<坪量>>
本発明における発泡シートの坪量は厚みが一様な発泡シートに対しては以下の式で算出される。発泡シートの厚みが一様でない場合、例えば発泡シートを5cm×5cmに切り取って板状試験片を作成し、重量を測定し、坪量[g/m]=板状試験片の重量[g]/0.025[m]として坪量を測定から求めても良い。その場合、板状試験片は、発泡シートの押出方向に対して垂直方向に等間隔に3点以上を作成し、坪量はそれらの板状試験片から求めた値の平均値を用いることとする。
坪量[g/m]=1000×かさ密度[g/cm]×シート厚み[mm]
本発明の発泡シートを含む袋、包装容器、食器、カトラリー、文房具、及び緩衝材を製造する場合、発泡シートのかさ密度が本発明の範囲である0.063g/cm以上0.125g/cm以下であれば、上式で算出される坪量が900g/m以下、より好ましくは300g/m以下の発泡シートを用いると軽量性に優れ、125g/m以上の発泡シートを用いると断熱性に優れ、200g/m以上、より好ましくは250g/m以上の発泡シートを用いると強度に優れた製造物を得ることができる。
<<生分解性>>
本発明の発泡シートは十分な生分解性を有しており、生分解性は例えばJISK6953-2に準拠して生分解度を求めて評価をすることができる。生分解性としては、6か月間で生分解度60%以上であることが好ましく、45日間で生分解度60%以上であることがより好ましい。
<<揮発成分>>
本発明において、発泡シートには揮発成分が実質含まれないことが好ましい。揮発成分が実質含まれていないことにより、寸法安定性が向上することに加え、人体や環境に与える影響を低減できる。揮発成分として含まれ得るものは、例えば有機溶剤やブタンなどの発泡剤が挙げられる。
本発明では、後述するように、圧縮性流体として用いられる例えば二酸化炭素(CO)や窒素(N)等が発泡剤としての機能も担うことができる。このため、圧縮性流体かつ発泡剤として二酸化炭素や窒素等の圧縮性流体を用いる場合、これらの発泡剤は製造後速やかに発泡シートから大気中へ拡散する為、発泡シートに揮発成分が実質含まれない状態にしやすくなる。実質とは、以下のような分析にて検出下限以下となることである。
発泡シートの一部を試料とし、試料1質量部に2-プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、揮発性成分の抽出液を得る。前記揮発性成分の抽出液をガスクロマトグラフィ(GC-14A、株式会社島津製作所製)で分析し、発泡シート中の揮発成分を定量する。測定条件は以下の通りである。
装置:島津GC-14A
カラム:CBP20-M 50-0.25
検出器:FID
注入量:1μL~5μL
キャリアガス:He 2.5kg/cm
水素流量:0.6kg/cm
空気流量:0.5kg/cm
チャートスピード:5mm/min
感度:Range101×Atten20
カラム温度:40℃
Injection Temp:150℃
すなわち、本発明の発泡シートは、下記測定を行った際に、1atmでの沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物が検出されないことが好ましい。
[測定]
前記発泡シートの一部を溶剤に分散させ、揮発性成分の抽出液を上記条件のガスクロマトグラフィで測定し、前記有機化合物を定量する。
発泡シートに対して上記測定を行った際に有機化合物が検出されないようにするには、上述のように、本実施形態に係る発泡シートは発泡剤にCO等の有機化合物以外を使用でき、例えばこのようにすることで揮発成分の含有量を実質0質量%にできる。有機化合物が検出されない発泡シートにすることで、臭気等を発生することがない。
<<平均発泡径>>
本発明における発泡シートの平均発泡径としては、発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.083g/cm以下であれば100μm以下であることが好ましく、かさ密度が0.083g/cmよりも大きく0.125g/cm以下であれば200μm以下が好ましい。平均発泡径がこの範囲内であると、耐熱性に優れた発泡シートを得ることができる。
発泡シートの平均発泡径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、発泡シートを鋭利なカミソリ(例えば日新EM社製76カミソリ)を用いて断面切削を行い、KEYENCE社製VE-9800を用いて発泡シート断面のSEM観察を行う。得られた断面SEM写真(倍率50倍)3枚について、画像解析ソフト(例えばmediacy社製Image-Pro Premier)を使用し、気泡に該当する灰色成分と樹脂成分(白色)を二値化し、1mm×1mmの範囲で平均発泡径(フェレ径)を求め、フェレ径0.5μm以上の気泡について平均発泡径を算出する。
平均発泡径の大きさは、分散状態、溶融張力などにより調節することができるが、これらに限定されるものではない。
<<平均厚み>>
本発明の発泡シートの平均厚みとしては、0.1mm以上10mm以下が好ましい。平均厚みが10mm以下であると、発泡シートとして成形しにくくなることを防止でき、
0.1mm以上であると、構造体としての強度を確保することができる。
発泡シートの平均厚みは、ノギス(例えばミツトヨ製デジマチックキャリパー)を用い、10か所の測定値の算術平均を用いる。
<<結晶性>>
発泡シートの結晶性は、結晶溶融ピーク面積及び冷結晶化ピーク面積から求めることができる。これらの面積は、JISK7122 プラスチックの転移熱測定方法に準拠した示差走査熱量(DSC)測定から求められる値とする。
DSC測定は、例えば、示差走査熱量計装置Q-2000型(ティーエイインスツルメント社製)を用いることができる。発泡シートから切り出した5~10mgの試料を、示差走査熱量計装置の容器に入れ、10℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温する。昇温時に、80℃~130℃程度で見られる発熱ピークに対応する面積を冷結晶化ピーク面積とし、それより高温での吸熱ピークに対応する面積を結晶溶融ピーク面積とする。
ただし、充分に結晶化が進行した発泡シートでは、冷結晶化ピークが観察されないことがあり、全く結晶化が進行していない発泡シートでは結晶溶融ピークが観察されないことがある。
本発明のポリ乳酸発泡シートにおいては、示差走査熱量(DSC)測定による結晶溶融ピーク面積から冷結晶化ピーク面積を差し引いた値が20J/g以上であることが好ましく、30J/g以上であることがより好ましい。この場合、発泡シートがより良好な耐熱性を発現することができる。
上記の差し引いた値が20J/g以上となるようにするには、例えば、発泡シートのかさ密度を本発明の範囲である0.063g/cm以上0.125g/cm以下とし、かつ、かさ密度に応じて平均発泡径を下記範囲内とする方法等が挙げられる。例えば、発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.083g/cm以下である場合、平均発泡径を100μm以下とし、発泡シートのかさ密度が0.083g/cmより大きく0.125g/cm以下である場合、平均発泡径を200μm以下とすることが好ましい。また、結晶化を促進することができる点から、前記発泡核剤を添加する方が好ましい。
<<重量平均分子量>>
本発明の発泡シートは、ポリ乳酸と架橋剤とが反応した架橋ポリマーを含むことが好ましく、この場合、前記架橋ポリマー(ポリ乳酸含有架橋ポリマーとも称する)の重量平均分子量(Mw)は、200,000~400,000が好ましく、250,000~350,000がより好ましい。前記重量平均分子量が200,000以上であることで、耐加水分解性が向上し、温水に浸した際の分子量低下を抑制することできる。また、前記重量平均分子量が400,000以下であることで、溶融粘度の上昇を抑制し、溶融樹脂の吐出性が良好となる。
前記架橋ポリマーの重量平均分子量測定方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。例えば、発泡シートをテトラヒドロフラン(THF)溶液に入れて65℃に加熱することでポリ乳酸を溶解させる。次いで、0.45μmのメンブレンフィルターにてろ過し、得られた溶液を測定する。
<組成物の物性>
本発明の発泡シートは、試験温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレート(MFR)が0.3g/10min以上5g/10min以下であることが好ましい。この場合、発泡プロセスにおいて適度な流動性を示すこと、及び発泡時の結晶化の進行に有利になることが挙げられる。気泡の合一、破泡の抑制及び結晶化速度が制御可能となる点から、3g/10min以下であることがより好ましい。
MFRは、例えばメルトフローインデックステスター 120-SAS(安田精機製作所製)を用いて、JIS K7210-1:2014「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部」B法により測定することができる。
測定条件は、以下の通りとする。
発泡シートを凍結粉砕により破砕したサンプルを80℃、4時間真空乾燥させ、測定に供する。測定には3~8gを用い、予熱:300秒、ロードホールド:30秒、試験温度:190℃、荷重:2.16kg(21.18N)の条件で3回測定を行う。測定値の算術平均をMFR(g/10min)の値として用いる。
(製造物)
本発明の発泡シートは、そのまま使用されてもよいし、製造物として使用されてもよい。本発明のシートは軽量性や耐熱性に優れているため、食品用容器、食器として好適に用いられる。また、耐熱性食品容器として好適であるが、このような用途に限定されるものではない。また、本発明の発泡シートにそのまま印字などをして使用してもよい。
本発明の発泡シートを用いた製造物としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。本発明の発泡シートを加工して製造物としてもよいし、本発明の発泡シート及びその他の成分を用いて製造物としてもよい。前記その他の成分としては、通常の樹脂製品に用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の発泡シートの加工としては、特に制限されるものではなく、例えば型を用いて加工して製品を得るプロセスに供してもよい。型を用いたシートの加工方法としては、特に制限はなく、従来公知の熱可塑性樹脂の方法を用いることができ、例えば、真空成型、圧空成型、真空圧空成型、プレス成型などが挙げられる。
前記製造物(「消費材」とも称される)としては、例えば、生活用品として、袋、包装容器、トレー、食器、カトラリー、文房具、他に緩衝材などが挙げられる。この製造物の概念には、製造物を加工するための中間体として、シートをロール状にした原反や、単体としての製造物のみでなく、トレーの取っ手のような製造物からなる部品や、取っ手が取り付けられたトレーのような製造物を備えた製品なども含まれる。
前記袋としては、レジ袋、ショッピングバッグ、ごみ袋などが挙げられる。
前記文房具としては、例えば、クリアファイル、ワッペンなどが挙げられる。
従来の発泡シートは、発泡径が大きく、ばらつきが大きかったため、シートの強度、柔軟性などのシート物性に課題があった。
本発明の発泡シートを用いて成型された製造物は、物性に優れているため、前記生活用品以外の用途としても適用でき、例えば、工業用資材、農業用品、食品用、医薬品用、化粧品等のシート、包装材等の用途として幅広く適用することができる。
本発明の発泡シートは、発泡シートの生分解性を生かせる用途、特に食品に使用する包装材料、化粧品や、医薬品などの医療用シートとして有用であり、薄膜化などにより、より性能向上が期待できる。
<成形体>
また、製造物の一例として成形体としてもよい。本発明の成形体は、本発明の発泡シートを熱成形してなることを特徴とする。本発明の成形体は、良好な生体分解性を有し、更に軽量性及び耐熱性に優れる。
熱成形の温度としては、特に制限されるものではないが、例えば60℃以上300℃以下であることが好ましい。
(発泡シートの製造方法)
本発明の発泡シートの製造方法は、混練工程と、発泡工程とを有し、更に必要に応じてその他の工程を有する。混練工程と発泡工程は、同時に行ってもよく、別々の工程として行ってもよい。
<混練工程>
混練工程は、圧縮性流体の存在下において、ポリ乳酸を該ポリ乳酸の融点より低い温度で混練し組成物を得る工程である。また、前記ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であることが好ましい。なお、98mol%より大きいことが好ましい。
混練工程においては、フィラーを用いることが好ましい。フィラーを用いることで耐熱性を向上させることができる。フィラーを用いる場合、ポリ乳酸とフィラーとをポリ乳酸の融点より低い温度で混練し組成物を得る。
混練工程においては、架橋剤を用いることが好ましい。特に制限されるものではないが、架橋剤を用いる場合、圧縮性流体の存在下においてポリ乳酸を混練して組成物前駆体を得た後、圧縮性流体の存在下において前記組成物前駆体に架橋剤を添加し混練して組成物を得る。
混練工程において、フィラーと架橋剤を用いる場合、ポリ乳酸、フィラー及び架橋剤を同時に混練して組成物を得てもよいし、ポリ乳酸とフィラーを混練して組成物前駆体とし、組成物前駆体に架橋剤を添加して組成物としても良い。
本実施形態における組成物はポリ乳酸を含み、必要に応じてフィラー、架橋剤等を含むものであり、発泡させる前の状態のものをいう。なお、前記組成物はポリ乳酸を含むため、ポリ乳酸組成物と称してもよい。また、組成物前駆体をマスターバッチと称してもよく、組成物前駆体に対して例えばペレット化等の加工を加えたものをマスターバッチと称してもよい。
混練工程で用いることのできるポリ乳酸、フィラー、架橋剤は、上述したものを用いることができるため、説明を省略する。
<<圧縮性流体>>
ポリ乳酸をはじめとする脂肪族ポリエステルは、融点以降で急激に溶融粘度が低下する性質があるため、フィラー(フィラー)などを混練する際には、フィラーが凝集しやすい。特にフィラーの大きさが小さい場合、その影響は顕著である。
本発明では、圧縮性流体の存在下において、ポリ乳酸を混練する。圧縮性流体を用いて混練することにより、フィラーを用いた場合にポリ乳酸中にフィラーを均一に分散させやすくなる。フィラーとポリ乳酸を混練し、発泡核剤を均一に分散するために、圧縮性流体を用いることが好ましい理由を以下に述べる。
一般的に、圧縮性流体が含浸した樹脂は、溶融粘度が低下することが知られている(「超臨界流体の最新応用技術」NTS社参照)。しかし、混練工程においては、樹脂の溶融粘度が高い方が、発泡核剤に高いせん断応力を作用させることができるため、凝集塊を微細化しやすく、分散の観点では好ましいとされる。
したがって、圧縮性流体の含浸による樹脂の溶融粘度の低下は、混練性の向上と矛盾しているように見える。実際、一般的なフィラーの混練で圧縮性流体を用いないで圧力をかける場合があるが、これは樹脂の自由体積を減少させ、樹脂同士の相互作用の増加(粘度増加)を狙ったものであり、樹脂の可塑化は混練性に対しては逆効果である(「k.Yang.R.Ozisik R.Polymer,47.2849(2006)」参照)。
しかし、本発明者らは、ポリ乳酸の混練、特にポリ乳酸とフィラーとの混練に圧縮性流体が活用できないか鋭意検討した結果、圧縮性流体存在下において、ポリ乳酸の融点より低い温度であれば、ポリ乳酸の粘度を混練に適した粘度とすることができ、フィラーを均一に分散できることを見出した。これまで、ポリ乳酸と発泡核剤の混練に際しては、ポリ乳酸の融点以上の溶融粘度が低い領域でしか混練ができなかったのに対し、本発明では、圧縮性流体を用いてポリ乳酸の融点より低い温度の高粘度状態で混練することができるため、発泡核剤の分散性を一層向上させることができる。
また、圧縮性流体は種類等によって発泡剤としての機能も担うことができる。発泡シートを作製する際には通常、発泡剤を用いるが、ポリ乳酸組成物からなる発泡シートの製造において、二酸化炭素や窒素などの圧縮性流体を発泡剤として使用する場合、混練と発泡を一連のプロセスで実施できるため、環境負荷低減の観点でより製造形態として好ましい。
圧縮性流体の状態で用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、エチレン、ジメチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。これらの圧縮性流体は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ここで、図1及び図2を用いて、本実施形態に用いられる圧縮性流体について説明する。図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図2は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。本実施形態における「圧縮性流体」とは、物質が、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、(3)の何れかの領域に存在するときの状態を意味する。
このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。また、物質が(2)の領域に存在する場合には液体となるが、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、圧力が臨界圧力(Pc)の1/2(1/2Pc)以上の高圧ガスを表す。
樹脂種と圧縮性流体の組み合わせ、温度、圧力によって、圧縮性流体の溶解度が変わるため、圧縮性流体の供給量は適宜調整する必要がある。例えば、ポリ乳酸と二酸化炭素の組み合わせであれば、組成物(ポリ乳酸及び、必要に応じてフィラー、架橋剤等を含む)を100質量部としたとき、二酸化炭素の供給量は2質量%以上30質量%以下が好ましい。二酸化炭素の供給量が2質量%以上であると、可塑化の効果は限定的になるという不具合を防止できる。二酸化炭素の供給量が30質量%以下であると、二酸化炭素とポリ乳酸が相分離し、均一な厚みの発泡シートを得ることができないという不具合を防止できる。
これらの中でも、二酸化炭素や窒素などの圧縮性流体を用いることが好ましい。上述したように、得られた発泡シートには揮発成分が実質含まれないことが好ましく、発泡シートは沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物を実質含まないことが好ましい。なお、実質含まれないとは、上記発泡シートの物性における揮発成分の項目で述べた通りである。二酸化炭素や窒素などの圧縮性流体が発泡剤としての機能を有し、揮発成分としての発泡剤を使用しないことで、臭気がなく、より安全に取り扱える発泡シートとすることができる。
<<その他の発泡剤>>
圧縮性流体とは別にその他の発泡剤を用いてもよい。その他の発泡剤としては、高い発泡倍率の発泡シートを得られやすい点において、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の低級アルカン等の炭化水素類、ジメチルエーテル等のエーテル類、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類、二酸化炭素、窒素等の圧縮性ガスなどの物理発泡剤などが挙げられる。上述したように、二酸化炭素や窒素などの圧縮性流体を発泡剤として用いることが好ましい。
<<混練装置>>
ポリ乳酸組成物の製造に用いられる混練装置としては、連続プロセスを採用することもできるし、回分式プロセスを採用することもできるが、装置効率や製品の特性、品質等を勘案し適宜、反応プロセスを選択することが好ましい。
混練装置としては、混練に好適な粘度に対応できる点から、一軸の押し出し機、二軸の押し出し機、ニーダー、無軸籠型撹拌槽、住友重機株式会社製バイボラック、三菱重工業株式会社製N-SCR、株式会社日立製作所製めがね翼、格子翼又はケニックス式、ズルツァー式SMLXタイプスタチックミキサー具備管型重合槽などを使用できる。色調の点から、セルフクリーニング式の重合装置であるフィニッシャー、N-SCR、二軸軸押し出しルーダーなどが挙げられる。これらの中でも、生産効率、樹脂の色調、安定性、及び耐熱性の点から、フィニッシャー、N-SCRが好ましい。
混練装置の一例を図3に示す。図示される連続式混練装置100としては、例えば2軸押出機(JSW社製)を用いることができる。例えばスクリュー口径42mm、L/D=48とする。本例では、第一の供給部1と第二の供給部2から原材料混合・溶融エリアaに例えばポリ乳酸、フィラー等の原材料が供給され、混合・溶融される。混合・溶融された原材料は圧縮性流体供給エリアbで圧縮性流体供給部3により圧縮性流体が供給される。次いで、混練エリアcにて混練される。次いで、圧縮性流体除去エリアdにて圧縮性流体が除去された後、成型加工エリアeで例えばペレットにされる。このようにして、組成物前駆体としてのマスターバッチを作製することができる。
なお、圧縮性流体(液体材料)は例えば計量ポンプで供給し、また樹脂ペレットやフィラーなどの固体の原材料は例えば定量フィーダーで供給する。
-原材料混合・溶融エリア-
原材料混合・溶融エリアでは、樹脂ペレット、フィラーの混合と昇温を行う。加熱温度は樹脂の溶融温度以上に設定を行い、続く圧縮性流体を供給するエリアで、圧縮性流体と均一に混合できる状態にする。
-圧縮性流体供給エリア-
樹脂ペレットが加温により溶融状態となったところに、圧縮性流体を供給し、溶融樹脂を可塑化させる。
-混練エリア-
フィラーの混練に好適な粘度となるように、混練エリアの温度設定を行う。設定温度は、反応装置の仕様や樹脂種、樹脂の構造、分子量などで変わるため、特に限定するものではなく適宜変更できる。例えば、重量平均分子量(Mw)200,000程度の市販されているポリ乳酸の場合、通常の混練はポリ乳酸の融点+10℃~20℃で行われる。
これに対して、本発明では、ポリ乳酸の融点より低い温度で混練することを特徴とし、融点より低い温度での比較的高い粘度で混練することが可能である。具体的には、融点から0℃~-60℃、より好ましくは-10℃~-40℃である。簡便的には、装置の撹拌動力の電流値などを目安に温度設定すればよいが、これらの設定値は本発明でなければ通常到達しえない領域であると言える。
<<発泡シート化装置>>
次に、発泡シート化装置により発泡シートを作製する。発泡シート化装置としては、例えば上記の混練装置で例示した装置を使用することができる。混練装置と発泡シート化装置を1つの装置としてもよいし、別々の装置としてもよい。
発泡シート化装置の一例を図4に示す。連続式発泡シート化装置110としては、上記と同様に例えば2軸押出機を用いることができる。連続式発泡シート化装置110では、例えば第一の供給部1と第二の供給部2から原材料混合・溶融エリアaにマスターバッチ、ポリ乳酸、架橋剤等の原材料が供給され、混合・溶融される。混合・溶融された原材料は圧縮性流体供給エリアbで圧縮性流体供給部3により圧縮性流体が供給される。
次いで、混練エリアcで混練され、組成物を得る。次いで、加熱エリアdに供給され、加熱エリアdでは加熱、混練を行い、その後、例えば大気開放することにより押出発泡させる。押出発泡された発泡シート4をマンドレル上に沿わせて巻き取る。
連続式発泡シート化装置110において、原材料混合・溶融エリアa、圧縮性流体供給エリアb、混練エリアcを第一押出機とも称し、加熱エリアdを第二押出機とも称する。本例では、混合、溶融、混練された原材料が第一押出機により第二押出機に押し出され、第二押出機により発泡シートが押出発泡される。第二押出機では、例えばサーキュラーダイを用いることができる。
本例では、混練装置と発泡シート化装置の第一押出機により混練工程を行い、発泡シート化装置の第二押出機により後述の発泡工程を行っている。しかし、本発明ではこのような構成に制限されるものではない。例えば混練工程と発泡工程を行う領域を適宜変更することができる。
<発泡工程>
発泡工程は、圧縮性流体を除去して前記組成物(ポリ乳酸組成物)を発泡させる工程である。
圧縮性流体は大気下では徐々に空気と置換され、発泡シートから除去することができる。例えば組成物を大気に開放することにより、圧縮性流体を除去することができる。発泡工程の際の温度としては、ポリ乳酸樹脂の融点近傍に加温することが好ましい。
発泡工程においては、組成物に溶解していた圧縮性流体が、減圧や加温など圧縮性流体の溶解度を低下し過飽和とする操作に対して、主としてフィラーとの界面で発泡核を形成し、前記発泡核に、組成物に溶解している圧縮性流体が拡散することで前記発泡核が気泡へと成長し、発泡体が得られるものと理解されている。フィラーを起点に発泡するため、フィラーがポリ乳酸中に均一に分散されて初めて、均一かつ微細な発泡を有する発泡シートを製造できる。フィラーを用いない場合であっても、混練エリアで生じた少量の結晶が実質的に発泡核剤として作用するという理由により、均一かつ微細な発泡を有する発泡シートを製造できる。しかし、過度に結晶化が進行すると組成物の流動性を低下させ、発泡そのものが困難となる可能性があることから、発泡核剤を添加する方が好ましい。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限されるものではなく、通常の発泡シートの製造において行われる工程等が挙げられる。例えば、シートに加工する成形工程などが挙げられる。
前記成形工程としては、例えば、真空成型、圧空成形、プレス成型などが挙げられる。前記成形工程により、シート成形物が得られる。また、発泡シートを熱成形して成形体にする工程などが挙げられる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
<発泡シートの作製>
<<マスターバッチの作製>>
図3に示す連続式混練装置100を用い、ポリ乳酸(REVODE190、HISUN社製)9.7kg/hrと、フィラーとしてのシリカ(QSG-30、信越化学工業株式会社製)0.3kg/hrと、圧縮性流体としての二酸化炭素0.99kg/h(対ポリ乳酸で10質量%相当)とを圧縮性流体供給エリアbに供給し、混練エリアcにおいて混練を行った。次いで、圧縮性流体除去エリアdにおいて圧縮性流体を除去した。これにより、[3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸組成物前駆体]とした。
次いで、成型加工エリアeにおいて、[3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸組成物前駆体]を水浴中に向かってストランド状に押出し、水冷後にストランドカッターでペレタイズした。これにより、組成物前駆体として、3質量%のフィラーを含有するマスターバッチ([3質量%フィラーマスターバッチ])を得た。
各ゾーンの温度は下記の通りとした。
原材料混合・溶融エリアa及び圧縮性流体供給エリアb:190℃
混練エリアc:150℃
圧縮性流体除去エリアd:190℃
成型加工エリアe:190℃
各ゾーンの圧力は下記の通りとした。
圧縮性流体供給エリアbから混練エリアcまで:7.0MPa
圧縮性流体除去エリアd:0.5MPa
<<発泡シートの作製>>
図4に示す連続式発泡シート化装置110に、フィラーの含有量がポリ乳酸と発泡核剤の総量に対して0.5質量%になるように、[3質量%フィラーマスターバッチ]1.67kg/hr、ポリ乳酸(REVODE190、HISUN社製)8.33kg/hrの比率で第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。次いで、エポキシ系架橋剤(BASF社 Joncryl 4368C)0.05kg/hr(ポリ乳酸と発泡核剤の合計量を100質量部とした際に、0.5質量部相当)を第一押出機の原材料混合・溶融エリアaに供給した。次いで、二酸化炭素0.99kg/h(ポリ乳酸、発泡核剤、架橋剤の合計量に対して10質量%相当)を第一押出機の圧縮性流体供給エリアbに供給した。これらを混合、溶融、混練し、第二押出機に供給した。
次いで、第二押出機の加熱エリアdにおいて混練し、組成物(ポリ乳酸組成物)とした。次いで、第二押出機の先端に取り付けたスリット口径70mmのサーキュラーダイから、組成物を吐出量10kg/h、樹脂温度150℃まで冷却させ、大気開放することにより押出発泡させた。押出発泡された筒状のポリ乳酸系樹脂発泡シートを、冷却されているマンドレル上に沿わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却し、回転刃式カッターによりシートを切開して、平坦なシート状発泡体を得た。このようにして、本実施例のポリ乳酸発泡シートを作製した。
各ゾーンの温度は下記の通りとした。
第一押出機の原材料混合・溶融エリアa:190℃
第一押出機の圧縮性流体供給エリアb:190℃
第一押出機の混練エリアc:150℃
第二押出機の加熱エリアd:140℃
各ゾーンの圧力は下記の通りとした。
第一押出機の圧縮性流体供給エリアb:7.0MPa
第一押出機の混練エリアc:7.0MPa
第二押出機の加熱エリアd:7.0MPa
得られたポリ乳酸発泡シートの物性を表1に示す。なお、表1中、有機成分量中のポリ乳酸の割合、架橋剤の割合は上記の処方に基づくものである。すなわち、仕込んだ材料の割合から算出したものである。また、L体比率により、ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のmol%が本発明の範囲を満たしているかを確認している。表2、表3についても同様である。
(実施例2)
実施例1の発泡シートの作製において、[3質量%フィラーマスターバッチ]の代わりにポリ乳酸(REVODE190、HISUN社製)とし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表1の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例3)
実施例1の発泡シートの作製において、架橋剤量を表1のように変更し、第二押出機の加熱エリアdを150℃にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表1の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例4)
実施例1の発泡シートの作製において、架橋剤量を表1のように変更し、第二押出機の加熱エリアdを155℃にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表1の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例5)
実施例1の発泡シートの作製において、架橋剤種をイソシアネート系架橋剤(旭化成株式会社 デュラネート TPA-100)にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表1の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例6)
実施例1のマスターバッチの作製において、フィラーとしてのシリカを酸化チタン(TTO-55(C)、石原産業株式会社製)にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表1の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例7)
実施例1において、ポリ乳酸種としてLX-575(Corbion製)を用いる、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例8)
実施例1において、[3質量%フィラーマスターバッチ]とポリ乳酸(REVODE190、HISUN社製)の比率を変更し、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例9)
実施例1の発泡シートの作製において、架橋剤量を表2のように変更し、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例10)
実施例1の発泡シートの作製において、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例11)
架橋剤量を表2のように変更し、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(実施例12)
実施例1の発泡シートの作製において、架橋剤量および発泡核剤量を表2のように変更し、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表2の値となるように変更する以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例1)
実施例1において、[3質量%フィラーマスターバッチ]の代わりにポリ乳酸(REVODE190、HISUN社製)を用い、架橋剤を用いず、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更すること以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例2)
実施例1において、第二押出機の加熱エリアdを155℃にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例3)
比較例3は、架橋剤量を表3のように変更し、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例4)
比較例4は、ポリ乳酸としてREVODE110(HISUN製)を用い、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例5)
比較例5は、ポリ乳酸としてLX-175(Corbion製)を用い、第二押出機加熱エリアdを130℃にし、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(比較例6)
比較例6は、ポリ乳酸としてREVODE190(HISUN製)の代わりにL-175(Corbion社製)を用い、サーキュラーダイのリップ間隔を、発泡シートの厚みが表3の値となるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸発泡シートを作製した。
(測定及び評価)
得られた発泡シートについて、かさ密度、生分解性、揮発性物質量、平均発泡径、平均厚み、結晶化の程度、MFR、耐熱性を測定した。測定結果を表1~表3に示す。
<かさ密度>
発泡シートを温度23℃、相対湿度50%に調整された環境下で24時間以上静置し、50mm×50mmの試験片を切り出す。切り出した試験片に対して、自動比重計(例えば東洋精機製作所製DSG-1)を用い、液中秤量法を用いてかさ密度を求めた。液中秤量法においては、発泡シート大気中の重量(g)を精秤し、次いで発泡シートの水中での重量(g)を精秤し、以下の式により算出した。
かさ密度[g/cm]=大気中の試料重量[g]/{(大気中の試料重量[g]-液体中の重量[g])×液体密度[g/cm]}
<生分解性>
生分解性は、JISK6953-2に準拠して生分解度を求めて評価した。評価基準を以下とした。
[評価基準]
◎:45日間で生分解度60%以上
〇:6か月間で生分解度60%以上
×:6か月間で生分解度60%未満
<揮発成分量>
発泡シートを5mm角に裁断したものを試料とし、この試料の1質量部に2-プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、揮発性成分の2-プロパノール抽出液を得た。前記揮発性成分の2-プロパノール抽出液をガスクロマトグラフィ(GC-14A、株式会社島津製作所製)を用いて下記条件で分析し、発泡シート中の揮発成分を定量した。測定条件は以下の通りである。定量された揮発成分が検出下限以下であれば、すなわち本測定で揮発成分が検出されない場合は「〇」とし、検出された場合は「×」とした。
装置:島津GC-14A
カラム:CBP20-M 50-0.25
検出器:FID
注入量:1μL~5μL
キャリアガス:He 2.5kg/cm
水素流量:0.6kg/cm
空気流量:0.5kg/cm
チャートスピード:5mm/min
感度:Range101×Atten20
カラム温度:40℃
Injection Temp:150℃
<平均発泡径>
得られた発泡シートを、日新EM社製76カミソリを用いて断面切削を行い、KEYENCE社製VE-9800を用いて発泡シート断面のSEM観察を行った。得られた断面SEM写真(倍率50倍)3枚について、画像解析ソフト(mediacy社製Image-Pro Premier)を使用し、気泡に該当する灰色成分と樹脂成分(白色)を二値化し、1mm×1mmの範囲で平均発泡径(フェレ径)を求め、フェレ径0.5μm以上の気泡について平均発泡径を算出した。平均発泡径としては、以下の範囲を満たすことが好ましい。
発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.083g/cm以下である場合、100μm以下
発泡シートのかさ密度が0.083g/cmより大きく0.125g/cm以下である場合、200μm以下
<平均厚み>
発泡シートの平均厚みは、ミツトヨ製デジマチックキャリパーを用い、10か所の測定値の算術平均を用いた。
<L体とD体の比率>
得られた発泡シートを凍結粉砕し、発泡シートの粉末200mgを三角フラスコに取り、1Nの水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、三角フラスコを振盪しながら65℃に加熱して、ポリ乳酸を完全に溶解させた。続いて、1N塩酸を用いてpHが7となるように調整し、メスフラスコを用いて所定の体積に希釈してポリ乳酸溶解液を得た。
次に、上記ポリ乳酸溶解液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、液体クロマトグラフを用いて分析し得られたチャートに基づいて、D体及びL体由来のピークから面積比を算出し、これを存在比としてD体量比及びL体量比を算出した。上記操作を3回行って得られた結果の算術平均した値を、ポリ乳酸系樹脂のD体量比及びL体量比とした。
測定装置及び測定条件は下記の通りである。
HPLC装置(液体クロマトグラフィ):日本分光社製商品名「PU-2085Plus型システム」
カラム:住友分析センター社製商品名「SUMICHIRALOA5000」(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:25℃
移動相:2mMCuSO4水溶液と2-プロパノールとの混合液(CuSO4水溶液:2-プロパノール(体積比)=95:5)
移動相流量:1.0ミリリットル/分
検出器:UV254nm
注入量:20マイクロリットル
<結晶化の程度>
結晶溶融ピーク面積および冷結晶化ピーク面積をJISK7122 プラスチックの転移熱測定方法に準拠して求めた。DSC測定には、示差走査熱量計装置 Q-2000型(ティーエイインスツルメント社製)を用い、下記条件で行った。
・試料量:5~10mg
・測定温度範囲:10℃~200℃
・昇温速度:10℃/min
・パージガス:窒素を用い、流量は50mL/min
<MFR(メルトフローレート)>
得られた発泡シートを凍結粉砕により破砕し、得られたサンプルを80℃、4時間真空乾燥させ、測定に供した。メルトフローインデックステスター 120-SAS(安田精機製作所製)を用いて、JIS K7210-1:2014「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部」B法により測定を行った。3回測定を行い、測定値の算術平均をMFR(g/10min)の値として用いた。
・試料量:3~8g
・予熱:300秒
・ロードホールド:30秒
・試験温度:190℃
・荷重:2.16kg(21.18N)
<分子量>
得られた発泡シートに対して以下の測定を行った。
装置:GPC(東ソー社製)
検出器:RI
測定温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
流量:0.6mL/min.
得られた発泡シートをテトラヒドロフラン(THF)溶液に入れて65℃に加熱することでポリ乳酸を溶解させた。次いで、0.45μmのメンブレンフィルターにてろ過し、得られた溶液を測定した。これにより、発泡シートに含まれるポリ乳酸含有架橋ポリマーの重量平均分子量を求めた。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、夫々、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布である。なお、カラムはTSKgel SuperHM-N(東ソー社製)のものを直列に4本繋いだものを使用した。
<耐熱性>
得られた発泡シートについて、下記条件で室温(25℃)における貯蔵弾性率G’(25℃)、熱湯を想定して80℃における貯蔵弾性率G’(80℃)を測定し、下記評価基準に従って評価を行った。
[評価基準]
◎:G’(80℃)がG’(25℃)の1/10以上
○:G’(80℃)がG’(25℃)の1/50以上1/10未満
×:G’(80℃)がG’(25℃)の1/50未満
発泡シートの測定条件は下記とした。
・サンプル形状:発泡シートを長さ50mm、幅10mmの短冊状に切り出して測定に供した
・装置:ティーエイインスツルメント社製「ARES-G2」
・治具:長方形トーションフィクスチャー
・変形モード:振動
・振幅:0.05%~1%の間で可変とし、トルクが200mN・mを超えないようにフィードバック制御した
・角周波数:6.28rad/sec
・測定温度範囲:20℃~200℃
・昇温速度:5℃/分
<耐加水分解性>
発泡シートを95℃の温水に5時間浸し、この試料を採取して水分を除去した後に、GPCにより重量平均分子量の測定を行う。重量平均分子量の測定は、<分子量>の記載のようにした。浸水前後の重量平均分子量より、重量平均分子量の保持率(重量平均分子量の保持率=浸水後の重量平均分子量/浸水前の重量平均分子量×100)を算出し、以下評価基準にて分類した。
[評価基準]
〇:75%より大きく、100%以下
△:50%より大きく、75%以下
×:50%以下
Figure 2022083401000002
Figure 2022083401000003
Figure 2022083401000004
上記実施例に示されるように、本発明の発泡シートは十分な生分解性を有しながら、耐熱性と高発泡倍率を両立することができる。なお、発泡シートの耐熱性については、評価項目の耐熱性に加えて、平均発泡径も考慮される。発泡シートの平均発泡径が細かい程、発泡シートの熱伝導率が小さくなり、結果として耐熱性は向上する傾向にある。例えば比較例1は、評価項目の耐熱性は「〇」になっているが、平均発泡径が好ましい範囲から外れているため、発泡シートの耐熱性としては満足のいく結果になっていないといえる。また、比較例1~3では、かさ密度の値が大きく、発泡倍率が良好な発泡シートが得られていないことがわかる。また、比較例2では、発泡倍率の不足により、発泡に伴う伸長結晶化があまり起こらず、その結果、結晶化度(18J/g)が低く、耐熱性に劣る結果となった。また、比較例6では、発泡シートのかさ密度が範囲外になり、高発泡のシートが得ることができていないことがわかる。
(実施例13)
実施例1で得た発泡シートを、上下のプレヒーターと成形型を備えたマッチモールドタイプの成形機で熱成形し本実施例の成形体を得た。プレヒーターの温度は250℃とし、20秒のプレヒートを行った後、80℃に設定した成形型で発泡シートを挟み込むことで熱成形した。
本実施例により得られた成形体について、熱湯浸漬時の面積変化率を以下のようにして求めた。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した本実施例の成形体について、上下面が平行な箇所を長さ5cm、幅5cmの正方形になるように切り出してサンプルとし、92℃の熱湯300mlに3分間浸漬した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で1時間放置したものの面積を求め、次の式により面積変化率を算出した。
面積変化率={(加熱保管前面積-加熱保管後面積)/加熱保管前面積}×100
本実施例で得られた成形体の面積変化率は6%と良好な結果が得られた。
(比較例7)
比較例3で得られた発泡シートに対して実施例13と同様にして成形体を作製し、実施例13と同様の評価を行ったところ、面積変化率は15%であり、実施例13と比較して劣る結果であった。
1 第一の供給部
2 第二の供給部
3 圧縮性流体供給部
4 発泡シート
100 連続式混練装置
110 連続式発泡シート化装置
特開2007-46019号公報 特許第5207277号公報 特許第5454137号公報 特開2006-328225号公報 特開2004-244457号公報 特表2015-514819号公報 特開2012-017393号公報 特開2010-247510号公報 特開2013-199640号公報 特開2012-77151公報

Claims (16)

  1. ポリ乳酸を含む組成物からなる発泡シートであって、
    前記ポリ乳酸は、該ポリ乳酸を構成する乳酸のD体又はL体のどちらか一方が該ポリ乳酸中98mol%以上であり、
    該発泡シートにおける有機物の総量に対して前記ポリ乳酸が98質量%以上であり、
    該発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.125g/cm以下であることを特徴とする発泡シート。
  2. 前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm以上0.083g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡シート。
  3. 前記発泡シートは、試験温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレートが0.3g/10min以上5g/10min以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡シート。
  4. 前記発泡シートは、示差走査熱量(DSC)測定による結晶溶融ピーク面積から冷結晶化ピーク面積を差し引いた値が20J/g以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発泡シート。
  5. 前記発泡シートは、下記測定を行った際に、1atmでの沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物が検出されないことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の発泡シート。
    [測定]
    前記発泡シートの一部を溶剤に分散させ、分散物の上澄み液をガスクロマトグラフィで測定し、前記有機化合物を定量する。
  6. 前記発泡シートの平均厚みが0.1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の発泡シート。
  7. 前記発泡シートは、ポリ乳酸と架橋剤とが反応した架橋ポリマーを含み、
    前記架橋ポリマーの重量平均分子量が250,000~350,000であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の発泡シート。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の発泡シートを含むことを特徴とする製造物。
  9. 袋、包装容器、食器、カトラリー、文房具、及び緩衝材から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の製造物。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の発泡シートを熱成形してなることを特徴とする成形体。
  11. 圧縮性流体の存在下において、ポリ乳酸を該ポリ乳酸の融点より低い温度で混練し組成物を得る混練工程と、
    前記圧縮性流体を除去して前記組成物を発泡させる発泡工程と、を有することを特徴とする発泡シートの製造方法。
  12. 請求項11に記載の発泡シートの製造方法であって、前記発泡シートが請求項1~7のいずれかに記載の発泡シートであることを特徴とする発泡シートの製造方法。
  13. 前記圧縮性流体が二酸化炭素であることを特徴とする請求項11又は12に記載の発泡シートの製造方法。
  14. 前記混練工程は、前記ポリ乳酸とフィラーとを混練することを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載の発泡シートの製造方法。
  15. 前記混練工程は、前記ポリ乳酸とフィラーと架橋剤とを混練することを特徴とする請求項14に記載の発泡シートの製造方法。
  16. 前記架橋剤は、エポキシ系架橋剤又はイソシアネート系架橋剤であることを特徴とする請求項15に記載の発泡シートの製造方法。
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