JP2024065942A - 発泡シート及びその製造方法、並びに、製造物 - Google Patents

発泡シート及びその製造方法、並びに、製造物 Download PDF

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Abstract

【課題】強度、断熱性、及び柔軟性に優れる発泡シートを提供すること。【解決手段】ポリエステル系樹脂を含有する発泡シートであって、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有し、平均厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度d(g/cm3)と真の密度D(g/cm3)との比[D/d]が1.3≦D/d≦2.0を満たす発泡シートである。【選択図】図1A

Description

本発明は、発泡シート及びその製造方法、並びに、製造物に関する。
プラスチック製品は、袋、容器などの様々な形状に加工されて広く流通している。これらの中でも、ポリエステル系樹脂は、高強度であり、加工性及び耐熱性を有しているため、プラスチック製品として一般的に用いられている。また、ポリエステル系樹脂は、発泡させることにより優れた断熱性及び緩衝性が得られ、かつ軽量となることから、ポリスチレン等のプラスチック製品の代替材料として検討され、一部の包装材や食品容器等に用いられている。
しかしながら、ポリエステル系樹脂は単体では高強度であるものの、これを梱包材等に用いられる緩衝材用途の薄い発泡シートとした場合、発泡させることで断熱性を向上することができる反面、強度が低下し、製品を保護する機能が損なわれるという問題があった。
このような問題に対し、例えば、表面に均一な凹凸を有し、機械的強度の高い発泡積層シートを得る目的で、多孔シートと発泡シートが積層された発泡積層シートが提案されている(特許文献1参照)。
本発明は、強度、断熱性、及び柔軟性に優れる発泡シートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の発泡シートは、ポリエステル系樹脂を含有する発泡シートであって、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有し、平均厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度d(g/cm)と真の密度D(g/cm)との比[D/d]が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
1.3≦D/d≦2.0 ・・・ 式(1)
本発明によれば、強度、断熱性、及び柔軟性に優れる発泡シートを提供することができる。
図1Aは、本発明の発泡シートの厚み方向の断面形状の一例を示す概略説明図である。 図1Bは、図1Aにおける山部201及び谷部202の概略説明図である。 図2Aは、図1Aの発泡シートの厚み方向の断面図(b)と、発泡シートの厚み方向と直交する方向の面の上面図(a)との対応関係を示す図である。 図2Bは、本発明の発泡シートの別の一例を示す上面図である。 図3は、本発明の発泡シートの見かけ厚みtの概略説明図(断面図)である。 図4は、本発明の発泡シートの見かけ密度dの概略説明図(断面図)である。 図5は、本発明の発泡シートの製造方法に用いる連続式発泡シート化装置の一例を示す概略図(断面図)である。
(発泡シート及び発泡シートの製造方法)
本発明の発泡シートは、ポリエステル系樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明の発泡シートは、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有し、平均厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度d(g/cm)と真の密度D(g/cm)との比[D/d]が下記式(1)を満たす。
1.3≦D/d≦2.0 ・・・ 式(1)
前記平均厚みt(以下、「見かけ厚みt」と称することがある)は、平滑な台の上にスライドガラス(直径50mm、厚み10±0.6mm、重さ48.1g)を置き、デジマチックインジケータを用いて前記スライドガラス上に端子を乗せ、ゼロ調整を行った後、前記台と前記スライドガラスとの間に、前記発泡シートの厚み方向と直交する方向の面における縦方向(MD方向)10cm、幅方向(TD方向)10cmの大きさの前記発泡シートを1.8Nで厚み方向に挟み、厚みtを5点以上計測して算出される、5点以上の厚みtの平均値である。
前記見かけ密度dは、前記見かけ厚みtと前記発泡シートの坪量とから、下記式(3)に基づき算出される値である。
見かけ密度d(g/cm)=坪量(g/cm)/見かけ厚みt(cm) ・・・ 式(3)
ただし、前記式(3)において、「坪量」は下記式(4)に基づき算出される。
坪量(g/cm)=質量w(g)/面積a(cm) ・・・ 式(4)
ただし、前記式(4)において、「質量w」は、サイズXの場合の前記発泡シートの質量を示し、「面積a」は、前記サイズXの場合の厚み方向と直交する方向の面の前記発泡シートの面積を示す。
前記真の密度Dは、前記発泡シートの質量Wと前記発泡シートの体積Vとから下記式(5)に基づき算出される値である。
真の密度D(g/cm)=質量W(g)/体積V(cm) ・・・ 式(5)
ただし、前記式(5)において、「質量W」は、サイズYの場合の前記発泡シートの質量を示し、「体積V」は、サイズYの場合の前記発泡シートの体積を示す。
本発明の発泡シートの製造方法は、本発明の発泡シートの製造方法であって、少なくともポリエステル系樹脂を溶融する溶融工程と、圧縮性流体の存在下において、前記ポリエステル系樹脂を混練してポリエステル系樹脂組成物を得る混練工程と、前記ポリエステル系樹脂組成物から圧縮性流体を除去し、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させる発泡工程と、前記発泡させた前記ポリエステル系樹脂組成物を、厚み方向の断面形状が波型形状を有するようにシートを成形して前記発泡シートを得る成形工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の発泡シートは、本発明の発泡シートの製造方法により好適に製造される。
特許文献1に記載の発泡積層シートは、発泡シートに多孔シートを重ねることによって、機械的強度が高く、防滑性に優れるものであるが、緩衝材用途を想定した厚みの薄い発泡シートとすることができないという問題があった。また、発泡シートの材料には、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリスチレン系樹脂などを使用しており、ポリエステル系のような硬い樹脂に対して、機械的強度を損なわずに柔軟性を付与することはできないものであった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリエステル系樹脂を使用した発泡シートにおいて、該発泡シートの形状を、厚み方向の断面形状が波型形状を有する構造とし、密度及び厚み、更に好ましくは発泡倍率をコントロールすることで、優れた強度、断熱性、及び柔軟性を両立することができることを見出した。
本発明の発泡シートの用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度、断熱性、及び柔軟性に優れるため、緩衝材用の発泡シートとして好適に用いることができる。
以下、本発明の発泡シート及び本発明の発泡シートの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、又は削除などの当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用及び効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
<発泡シート>
本発明の発泡シートは、少なくともポリエステル系樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
まず、前記発泡シートの特性について説明する。
[波型形状]
前記発泡シートの形状は、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有する。図1Aに、発泡シート200の厚み方向の断面形状の一例を示す。図1Aに示すように、発泡シート200における波型形状は、波線進行方向を発泡シートの厚み方向と直交する方向の面かつ幅方向(TD方向)に沿った一方向に向けた状態となっており、発泡シート200の表面を一方の面(例えば、図1AのX方向、厚み方向と直交する方向の面)から見たとき、山部201と谷部202とが交互に連続する形状である。
図2Aは、図1Aの発泡シート200の厚み方向の断面図(b)と、発泡シート200の厚み方向と直交する方向の面の上面図(a)との対応関係を示す図である。発泡シート200の厚み方向と直交する方向の面の上面図(a)において、発泡シート200の幅方向(TD方向)は波型形状であり、縦方向(MD方向)は山部201又は谷部202が途切れることなく連続する形状である。なお、図2では、山部201及び谷部202を直線で示したが、発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状である限り、山部201又は谷部202が連続してなる領域の形状は、特に制限はなく、曲線状であってもよく、波線状であってもよく、図2Bに示すように途中で分岐していてもよく、これらの組合せからなる形状であってもよい。
図1Bは、山部201及び谷部202の説明図(断面図)である。
図1Bに示すように、発泡シート200の断面図における一方の面(発泡シートの表面)において、複数の山部201の頂点を厚み方向と直交する方向の面における幅方向に結んだ線を仮想線lとし、複数の谷部202の底点を厚み方向と直交する方向の面の幅方向に結んだ線を仮想線lとし、仮想線lと仮想線lとの厚み方向の中間点を結ぶ線を中心線lとする。この時、中心線lから仮想線l側に凸となる領域を山部201とし、中心線lから仮想線l側に凹となる領域を谷部202とする。
図2A及び図2Bにおいて、山部201の幅TDと、谷部の幅TDの長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、複数の幅TDは、全て同じ長さであってもよく、それぞれが異なっていてもよい。複数のTDも全て同じ長さであってもよく、それぞれが異なっていてもよい。
幅TDと、幅TDとの比率としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
発泡シートの製造方法は後述するが、発泡シートの波型形状は、製造時の成形工程における金型の温度及びクリアランスと、吐出時のポリエステル系樹脂組成物の樹脂粘度などを調整することで形成することができる。
発泡シート200における波型形状の一の山部201と、他の山部201との繰返しピッチpとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5mm~4.0mmが好ましく、2.0mm~3.0mmがより好ましい。前記ピッチpが、4.0mm以下であると、MD方向に対し好適な柔軟性が得られる。また、1.5mm以上であると、前記発泡シートが対象物(熱源)と接触する場合、該対象物との接触面積が増加しすぎず、空隙部が確保できるため、好適な断熱性が得られる。
[シートの厚み]
本発明の発泡シートの厚みの定義を、図1A及び図3を用いて説明する。
前記発泡シートの厚みは、図1Aに示すように、前記発泡シートを切断した際の厚み方向の断面の高さを「平均厚みT」(以下、「真の厚みT」と称することがある)とする。また、図3に示すように、発泡シート200の断面図における一方の表面において、複数の山部201の頂点を厚み方向と直交する方向の面における幅方向に結んだ仮想線Lと、発泡シート200の他方の表面において、複数の山部201の頂点を厚み方向と直交する方向の面における幅方向に結んだ仮想線Lとの間の、厚み方向の長さを「平均厚みt」(「見かけ厚みt」)とする。前記発泡シートは断面形状が波型形状であるため、見かけ厚みtには図3に示すような空隙Aが含まれる。
-見かけ厚みt-
前記見かけ厚みtは、0.3mm以上1.5mm以下であり、0.6mm以上1.0mm以下が好ましい。前記見かけ厚みtが0.3mm未満であると、突刺し強度が低下し、また前記発泡シートが保温材として使用される場合に重要な熱抵抗値(真の厚みT÷熱伝導率)が得られず、断熱性が損なわれる。また、前記見かけ厚みtが1.5mm超であると、突刺し強度及び断熱性は向上するものの、最小曲げ半径が大きくなり、巻付けが悪くなるため、柔軟性が損なわれる。一方、前記見かけ厚みtを0.3mm以上1.5mm以下とすることにより、突刺し強度を有しながら、柔軟性に優れるため対象物と前記発泡シートとの隙間を抑制でき、更に断熱性にも優れ、0.6mm以上1.0mm以下とすることにより、より突き刺し強度、柔軟性、及び断熱性に優れる。
前記見かけ厚みtは、金型の温度及びクリアランス、吐出時の樹脂粘度などで調整することができる。具体的には、金型の温度を高くすること、若しくはクリアランスを狭くすることで、見かけ厚みtを小さくすることができる。
本発明において、前記発泡シートの見かけ厚みtは、以下の方法で測定した値である。
平滑な台の上にスライドガラス(直径50mm、厚み10mm±0.6mm、重さ48.1g、例えば、アズワン株式会社製の3-2435-05)を置き、デジマチックインジケータ(例えば、ID-C125XB、株式会社ミツトヨ製)を用いて前記スライドガラス上に端子を乗せ、ゼロ調整を行う。続いて前記台と前記スライドガラスとの間に、前記発泡シートを、厚み方向と直交する方向の面における縦方向(MD方向)10cm、幅方向(TD方向)10cmの正方形に切断した測定用サンプルを1.8Nで厚み方向に挟み、サンプルの厚みtを計測する。この際、測定用サンプルは、発泡シートの幅方向(TD方向)全体に渡って、山部と谷部を含めて平均的に測定できるように、TD方向、更に必要に応じでMD方向から5点以上採取する。各測定用サンプルについて測定した厚みtの平均値を算出し、その平均値である平均厚みtを「見かけ厚みt」とする。上述の通り、スライドガラスに挟み込み測定される見かけ厚みtには、図3に示すような空隙Aが含まれる。
なお、測定用サンプルの数は、前記発泡シートの幅に応じて適宜選択することができ、発泡シートの幅方向(TD方向)全体に渡って、山部と谷部を含めて平均的に測定できる数であれば、特に制限はないが、下記式(6)を満たすことが好ましい。
測定対象の発泡シートの幅/(測定用サンプルの幅(10cm)×測定用サンプルの数)×100≧80 ・・・ 式(6)
-真の厚みT-
前記真の厚みTとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.25mm以上0.85mm以下が好ましく、0.35mm以上0.8mm以下がより好ましい。前記真の厚みTが、0.25mm以上であると突刺し強度が向上し、0.85mm以下であると柔軟性が向上する。
前記真の厚みTは、前記見かけ厚みtと同様に、金型の温度及びクリアランス、吐出時の樹脂粘度などで調整することができる。具体的には、金型の温度を高くすること、若しくはクリアランスを狭くすることで、真の厚みTを小さくすることができる。
本発明において、前記発泡シートの真の厚みTは、以下の方法で測定した値である。
前記発泡シートをかみそり刃でTD方向に切断し、断面(発泡シートの厚み方向の断面)を露出させて観察用断面を作製する。この観察用断面を、電子顕微鏡(例えば、リアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-7800、キーエンス株式会社製)を用いて、前記発泡シートの全幅が観察できる最低倍率で撮影する。同様にして、前記発泡シートのMD方向における異なる位置での観察用断面を作製し、合計3か所撮影する。それぞれの撮影像から、電子顕微鏡のスケールバーを用いて発泡シートの厚みを計測し、3か所の平均厚みを「真の厚みT」とする。
-比[t/T]-
前記真の厚みTに対する前記見かけ厚みtの比[t/T]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.4≦t/T≦1.9を満たすことが好ましく、1.5≦t/T≦1.7(式(2))を満たすことがより好ましい。前記比[t/T]が1.4以上であると、波型形状の発泡シートの山部と谷部との高さの差が小さすぎず、前記発泡シートが対象物(熱源)と接触する場合、接触面積が小さくなるため熱伝導率が低くなり、好適に断熱性が得られる。また、前記比[t/T]が1.9以下であると、真のシート厚みTが薄くなりすぎず、好適に突刺し強度が得られる。更に、前記比[t/T]を1.5≦t/T≦1.7とすることで、より好適に突刺し強度を有しながら、断熱性により優れた発泡シートが得られる。
[シートの密度]
本発明の発泡シートの密度の定義を、図1A及び図4を用いて説明する。
前記発泡シートの密度は、図1Aに示すように、前記発泡シート自体の密度を「真の密度D」とする。また、図4に示すように、発泡シート200を一定の大きさに切断した場合に、前記見かけ厚みtの場合と同様に、発泡シート200の断面図における一方の表面において、複数の山部201の頂点を厚み方向と直交する方向の面における幅方向に結んだ仮想線Lと、発泡シート200の他方の表面において、複数の山部201の頂点を厚み方向と直交する方向の面における幅方向に結んだ仮想線Lと、仮想線Lの右端部と仮想線Lの右端部とを発泡シート200の厚み方向に結んだ仮想線Lと、また仮想線Lの左端部と仮想線Lの左端部とを発泡シート200の厚み方向に結んだ仮想線Lとにより、発泡シート200の外周を囲んだ仮想線L、L、及び2本のLで囲まれた領域の密度を「見かけ密度d」とする。
-見かけ密度d-
前記見かけ密度dとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02g/cm以上0.13g/cm以下が好ましく、0.025g/cm以上0.13g/cm以下がより好ましい。前記見かけ密度dが0.02g/cm以上であると、柔軟性が良好であり、0.13g/cm以下であると、断熱性が良好である。
前記見かけ密度dは、前記見かけ厚みtと同様に、金型の温度及びクリアランス、吐出時の樹脂粘度などで調整することができる。具体的には、金型の温度を低くすること、若しくはクリアランスを広げることで、見かけ密度dを小さくすることができる。
本発明において、前記発泡シートの見かけ密度dは、前記平均厚みtと前記発泡シートの坪量とから、下記式(3)に基づき算出した値である。
見かけ密度d(g/cm)=坪量(g/cm)/見かけ厚みt(cm) ・・・ 式(3)
ただし、前記式(3)において、見かけ厚みtは「-見かけ厚みt-」の項目に記載の方法で測定した値を示す。坪量は下記式(4)に基づき算出する。
坪量(g/cm)=質量(g)/面積(cm) ・・・ 式(4)
ただし、前記式(4)において、質量(g)は、前記発泡シートをA4サイズ(縦(MD方向)297mm×横(TD方向)210mm)に切断し、切断した発泡シートの質量(g)を計測した値を示し、面積(cm)は、前記A4サイズの発泡シートの面積を示し、623.7cmである。なお、式(4)の質量及び面積を測定する発泡シートのサイズXは、質量及び面積を同サイズで測定する限り、A4サイズに限られず、適宜選択することができる。
このように、前記発泡シートは断面形状が波型形状であるため、見かけ密度dの算出には、図4に示すような波型形状にて生じる空隙Aの体積が含まれる。
-真の密度D-
前記真の密度Dとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.04g/cm以上0.18g/cm以下が好ましく、0.05g/cm以上0.16g/cm以下がより好ましい。前記真の密度Dが0.04g/cm以上であると、高発泡により発泡の膜厚が薄くなることを防止し、好適な突刺し強度が得られる。また、前記真の密度Dが0.18g/cm以下であると、前記発泡シート内の気泡率が増加し、樹脂密度が下がるため、前記発泡シートの熱伝導率が下がり、好適な断熱性が得られる。更に、前記真のシート密度Dを0.05g/cm以上0.16g/cm以下とすることで、より優れた突刺し強度及び断熱性を有する発泡シートが得られる。
前記真の密度Dは、前記見かけ厚みtと同様に、金型の温度及びクリアランス、吐出時の樹脂粘度などで調整することができる。具体的には、金型の温度を低くすること、若しくはクリアランスを広げることで、真の密度Dを小さくすることができる。
本発明において、前記発泡シートの真の密度Dは、以下のようにして測定した値である。
前記発泡シートをMD方向1cm×TD方向2.5cmの長方形に切断し、測定用サンプルとする。この測定用サンプルの質量W(g)を測定する。質量W測定後に、測定用サンプルの水中での体積を測定する。具体的には、10mLのメスシリンダーに純水を8mLまで入れる。そこに、質量W測定後の測定用サンプルを入れ、メスシリンダーの増量した体積V(cm)を読み取る。目盛りは0.1mLまであるため、0.01mL単位で読み取る。この際、「mL」は「cm」に換算する。真の密度D(g/cm)は、下記式(5)に基づき算出することができる。なお、式(5)の質量W及び面積Vを測定する発泡シートのサイズYは、質量W及び面積Vを同サイズで測定する限り、MD方向1cm×TD方向2.5cmの長方形に限られず、適宜選択することができる。
真の密度D(g/cm)=質量W(g)/体積V(cm) ・・・ 式(5)
-比[D/d]-
前記真の密度Dに対する前記見かけ密度dの比[D/d]は、1.3≦D/d≦2.0(式(1))を満たし、1.3≦D/d≦1.7を満たすことが好ましい。前記比[D/d]が1.3未満であると、前記発泡シートの形状がより板状に近くなり、前記発泡シートが対象物(熱源)と接触する場合、接触面積が大きくなるため熱伝導率が高くなり、断熱性が損なわれる。また、前記比[D/d]が2.0超であると、真のシート厚みが低下するため、突刺し強度が得られなくなり、また剛性が増すため柔軟性が損なわれる。前記比[D/d]が1.3≦D/d≦2.0を満たすことで、優れた突刺し強度を有し、かつ断熱性及び柔軟性に優れた発泡シートが得られる。
なお、仮に前記発泡シートが板状の場合は、該発泡シートに空隙が生じず、見かけ密度d及び真の密度Dは同一となるため、比[D/d]=1.0となる。したがって、本発明の発泡シートにおける前記比[D/d]は、波型形状と、前記仮想線Lで囲まれた領域との間の空隙の度合いの指標となる。
[平均発泡径]
前記発泡シートの平均発泡径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上350μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。前記発泡シートの平均発泡径が5μm以上であると、気泡の膜厚が薄くなることを防止し、好適な突刺し強度が得られる。また、前記発泡シートの平均発泡径が350μm以下であると、膜厚が厚くなりすぎず、熱伝導率が下がるため、好適な断熱性がえっれる。また、前記発泡シートの平均発泡径が10μm以上100μm以下であると、より突き刺し強度及び断熱性に優れた発泡シートが得られる。
前記発泡シートの発泡径は、前記発泡シートを製造する際の発泡剤の供給量、フィラー量、金型の温度などで調整することができる。具体的には、発泡剤(例えば、二酸化炭素)の供給量を増や、フィラー量を増やす、金型の温度を低くすることで、前記発泡シートの平均発泡径を小さくすることができる。
本発明において、前記平均発泡径は、以下のようにして測定した値である。
前記発泡シートをかみそり刃でTD方向に切断し、断面(発泡シートの厚み方向の断面)を露出させて観察用断面を作製する。この観察用断面を、電子顕微鏡(例えば、リアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-7800、キーエンス株式会社製)を用いて選択した領域を撮影する。なお、この際、撮影する領域は、前記真の厚みTに基づき、前記発泡シートの両表面から厚み方向に100μmまでの領域は測定対象外とし、前記発泡シートの内部を選択する。また、500μmを超えるようなイレギュラーに存在する空隙も、測定対象外とする。
得られた断面SEM写真(倍率は、例えば、3,000倍とする)を、ソフトウエア(Image-Pro Premier、mediacy社製)を使用して、発泡(空隙)に該当する灰色成分と、樹脂成分に該当する白色成分とに二値化する。次いで、所定の範囲内(例えば、35μm×20μm)における発泡に該当する灰色成分の平均粒子径(フェレ径)を求める。フェレ径が0.5μm以上の灰色成分(発泡)のみの平均値を算出することで、平均発泡径を算出することができる。
[突刺し強度]
本発明の発泡シートは、突刺し強度に優れるものである。本発明者らは、発泡シートの坪量(g/m)を抑えるためには発泡倍率が高い方が望ましいが、発泡倍率を高くすると、突刺し強度が劣るため、坪量と発泡倍率とにはトレードオフの関係があることを知見した。これに対し、本発明者らは、鋭意検討を行い、発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状とすることにより、低坪量化(低密度化)を実現できると共に、突刺し強度が向上することを見出した。
前記発泡シートの突刺し強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.50N以上が好ましく、2.00N以上がより好ましく、2.50N以上が更に好ましい。
前記発泡シートの突刺し強度は、JIS Z 1707:2019に準拠して測定することができる。
[断熱性]
本発明の発泡シートは、断熱性に優れるものである。緩衝材用途や梱包用途を想定した場合、厚みの薄い発泡シートが望ましいが、厚みを薄くすると断熱性に劣る。これに対し、本発明者らは、鋭意検討を行い、発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状とすることにより、薄い厚みを実現できると共に、断熱性が向上することを見出した。
[柔軟性]
本発明の発泡シートは、柔軟性に優れるものである。緩衝材用途や梱包用途を想定した場合、柔軟性に優れることが望ましいが、柔軟性を重視すると、突刺し強度に劣るため、柔軟性と発泡倍率とにはトレードオフの関係があることを知見した。これに対し、本発明者らは、鋭意検討を行い、発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状とすることにより、優れた柔軟性を実現できると共に、突刺し強度が向上することを見出した。
なお、本発明において、「柔軟性」とは、対象物に巻き付けた場合、ひびや、折れ曲がりや、隙間の発生などが生じにくいことを意味する。
<<ポリエステル系樹脂>>
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、軽量で高強度であり、かつ耐熱性に優れるポリエステル系樹脂が好ましく、脂肪族ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂が、微生物により分解されるため、環境に優しい低環境負荷高分子材料として注目されており(例えば、「脂肪族ポリエステルの構造、物性、生分解性」、井上 義夫、高分子、2001年、50巻、6号、p374-377参照)、好ましい。
前記脂肪族ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、これらの混合樹脂であってもよい。これらの中でも、物理的強度や耐熱性向上の効果の観点、更に生分解性樹脂であり、カーボンニュートラルな材料である観点から、ポリ乳酸樹脂が好ましい。
また、前記ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリマーブレンドであってもよい。
前記ポリマーブレンドとしては、例えば、ポリ乳酸と、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(ブチレンサクシネート)、又はこれらのモノマーとの共重合体;ポリ乳酸と、可撓性付与のためのポリアルキレン樹脂との共重合体;ポリ乳酸と、透明核剤成分としてのカルボジイミド化合物との共重合体;ポリ乳酸と、ポリシロキサンとの共重合体;ポリ乳酸と、脂肪族カルボン酸アミドとの共重合体;ポリ乳酸と、脂肪族カルボン酸との共重合体;ポリ乳酸と、脂肪族アルコールとの共重合体;ポリ乳酸と、脂肪族カルボン酸エステルとの共重合体;ポリ乳酸と、耐熱性向上のための(ポリ)エチレンオキシド付加ビスフエノールAをアミド化触媒の存在下でイソシアネート系化合物によりウレタン化架橋させてなる変性ポリラクチドとの共重合体;ポリ乳酸中に、ポリエチレン(PET)樹脂又はポリブチレン(PBT)樹脂をブレンドしてなる樹脂アロイ;ポリ乳酸と、衝撃性向上のためのポリシロキサン/アクリル系複合ゴムをブレンドした樹脂アロイ;ポリ乳酸-アクリレート-ポリシロキサンのグラフト共重合体;ビニルポロリドン/L-乳酸共重合体;スクロース/L-乳酸共重合体;グリコール酸/L-乳酸共重合体;グリコリド/L-ラクチド共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
-ポリ乳酸樹脂-
前記ポリ乳酸樹脂としては、例えば、乳酸のD体(D-乳酸)と乳酸のL体(L-乳酸)との共重合体(DL-乳酸);D-乳酸又はL-乳酸のいずれか一方の単独重合体;ラクチドのD体(D-ラクチド)、ラクチドのL体(L-ラクチド)、及びDL-ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドの開環重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記ポリ乳酸としては、適宜合成したものを用いても、市販されているものを用いてもよい。
前記ポリ乳酸樹脂において、その構成モノマー単位として乳酸のD体及び乳酸のL体のいずれか一方(以下、「光学純度」と称することがある)の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリ乳酸樹脂として、D-乳酸とL-乳酸との共重合体(DL-乳酸)、又はD-ラクチド、L-ラクチド、及びDL-ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドの開環重合体を用いる場合、D体及びL体のうち少ない方の光学異性体が減少するに従って、結晶性が高くなり融点や結晶化速度が高くなる傾向がある。また、D体及びL体のうち少ない方の光学異性体が増加するに従って、結晶性が低くなり、やがて非晶性となる傾向がある。前記ポリ乳酸樹脂の結晶性は、前記発泡シートに用いた場合、該発泡シートの耐熱性や、発泡の成形温度に関連する。
前記ポリ乳酸樹脂の構成モノマー単位である乳酸のD体及び乳酸のL体のいずれか一方の含有量は、光学活性カラムを用いた液体クロマトグラフィー(LC-MS)で分析することにより確認することができる。LC-MSによる測定手順、測定装置、及び測定条件は次の通りである。
前記発泡シートにおける前記ポリエステル系樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生分解性及びリサイクル性の観点から、前記発泡シートの全質量に対して、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。前記ポリエステル系樹脂の含有量が80質量%以上であると、良好な生分解性が得られる。更に、前記ポリエステル系樹脂自体の強度が前記発泡シートへ反映され、該発泡シートの突刺し強度を保持することができる。
前記ポリエステル系樹脂における前記ポリ乳酸樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生分解性及びリサイクル性の観点から、前記発泡シートの全質量に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。前記ポリエステル系樹脂における前記ポリ乳酸樹脂の含有量が90質量%以上であると、更に良好な生分解性が得られ、またポリ乳酸樹脂が生分解しても、生分解しないその他の成分が残存してしまうという不具合を防止できる。更に、前記ポリ乳酸樹脂自体の強度及び硬度が前記発泡シートへ反映され、該発泡シートの突刺し強度を更に向上することができる。
<<その他の成分>>
前記発泡シートにおける前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、発泡シートに一般的に用いられる成分の中から適宜選択することができ、例えば、架橋剤、フィラー、添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記発泡シートは、架橋剤、フィラーを含有することが好ましい。
-架橋剤-
前記架橋剤は、前記発泡シートを製造する際の前記ポリエステル系樹脂の粘度調整のために含有することが好ましい。また、前記架橋剤は、隣同士のポリエステル系樹脂末端が反応で結びつくため、末端封鎖の効果があり、水分吸着量が減少し、加水分解による分解生成物抑制の効果もある。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリエステル系樹脂との反応性の観点から、エポキシ系架橋剤が好ましく、アクリル樹脂を変性したエポキシ系架橋剤がより好ましい。
-フィラー-
前記フィラーは、前記発泡シートの発泡状態(泡の大きさ、及び量、配置)などを調節する目的や、低コスト化の目的、強度向上の目的で含有される。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、結晶化による耐熱性や分散性の向上などの目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系フィラー、有機系フィラーなどが挙げられる。
--無機系フィラー--
前記無機系のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、層状珪酸塩、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
--有機系フィラー--
前記有機系フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然に存在するポリマーやこれらの変性品、ソルビトール化合物、安息香酸及びその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記天然に存在するポリマーとしては、例えば、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマなどが挙げられる。
これらの中でも、前記フィラーとしては、無機系フィラーが好ましく、増粘効果や発泡核材としての効果の観点からマイカが好ましい。
前記フィラーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細発泡や増粘効果の観点から、0.1μm以上100μm以下が好ましい。
前記フィラーの粒径は、レーザー回折/散乱法式粒子径分布測定装置(例えば、Partica LA-960、株式会社堀場製作所製)により測定することができる。
前記フィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記発泡シートの全質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記フィラーの含有量が、0.3質量%以上であると、発泡核材としての効果が得られ、好適に微細発泡することができ、5質量%以下であると、該フィラーが凝集しにくく、好適に微細発泡することができる。
-添加剤-
前記添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤、各種光線の吸収剤、帯電防止剤、導電材、可塑剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記発泡シートの全質量に対して、2質量%以下が好ましい。前記添加剤の含有量が、前記発泡シートの全質量に対して2質量%以下であると、リサイクル性がより良好になる。
<発泡シートの製造方法>
前記発泡シートの製造方法は、前記溶融工程と、前記混練工程と、発泡工程と、成形工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。なお、前記混練工程と前記発泡工程とは、同時に行ってもよく、別々の工程として行ってもよい。
前記発泡シートの製造方法には、押出し混練成形、射出成型などがあるが、前記発泡シート製造方法では、押出し混練成形が好適に用いられる。
<<溶融工程>>
前記溶融工程は、少なくともポリエステル系樹脂を溶融する工程であり、前記発泡シートの原材料として、前記ポリエステル系樹脂以外のその他の成分を含む場合は、前記ポリエステル系樹脂と、前記その他の成分とを溶融及び混合する工程である。したがって、前記溶融工程は、「原材料混合及び溶融工程」とも称することがある。
前記溶融工程は、前記ポリエステル系樹脂を昇温して溶融する。
前記溶融工程における加熱温度としては、前記ポリエステル系樹脂を溶融することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリエステル系樹脂の溶融温度以上であることが好ましい。前記溶融工程における加熱温度を前記ポリエステル系樹脂の溶融温度以上とすることで、前記ポリエステル系樹脂を溶融することができる。これにより、次の混練工程において、前記ポリエステル系樹脂を圧縮性流体と均一に混合できる状態にすることができる。
前記溶融工程において、前記ポリエステル系樹脂に添加し得る前記ポリエステル系樹脂以外のその他の成分としては、例えば、フィラーを添加してもよく、発泡をより効率的に進めるために、発泡剤を添加してもよい。また、前記発泡シートの成形品の用途に応じて、本発明の効果を損なわない限り、架橋剤、各種添加剤(例えば、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤、各種光線の吸収剤、帯電防止剤、導電材、可塑剤など)などのその他の成分を添加してもよい。
前記フィラー、前記架橋剤、及び前記添加剤は、前記<発泡シート>の<<その他の成分>>の項目で説明したものを用いることができるため、これらの説明を省略する。また、発泡剤については、後述する<<混練工程>>において詳述する。
なお、前記ポリエステル系樹脂、更に必要に応じて、前記その他の成分を添加した混合物、あるいは最終成形品を得る過程の中間工程で発生する混合物のことを、ポリエステル系樹脂組成物、マスターバッチなどと称することがある。
-架橋剤-
前記発泡シートにおける前記架橋剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%以上2.5%質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記架橋剤の添加量が、0.5質量%以上であると、前記ポリエステル系樹脂の末端の封鎖を十分に行うことができ、加水分解し難く、架橋が十分となる。また、前記架橋剤の添加量が、2.5質量%以下であると、余剰な架橋剤により発泡を抑制することがなく、粘度低下により生産安定性が向上する。また植物由来の樹脂比率も増加する。
<<混練工程>>
前記混練工程は、発泡剤の存在下において、前記ポリエステル系樹脂を混練してポリエステル系樹脂組成物を得る工程であり、圧縮性流体の存在下において、前記ポリエステル系樹脂を混練してポリエステル系樹脂組成物を得る工程であることが好ましい。前記混練工程を前記圧縮性流体の存在下で行うことで、発泡をより効率的に進めることができ、また混練をより効率的に進めることができる。
-発泡剤-
前記発泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高い発泡倍率の発泡シートを得易い点から、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の低級アルカン等の炭化水素類;メチルエーテル等のエーテル類;メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、窒素等の圧縮性ガスなどの物理発泡剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記発泡剤としては、臭気がなく、安全に取り扱うことができ、環境負荷が低いという観点で、二酸化炭素、窒素等の圧縮性ガスを用いることが好ましく、圧縮性流体を用いることがより好ましい。
--圧縮性流体--
一般的に、圧縮性流体によって樹脂は可塑化され、樹脂の溶融粘度が下がることが知られている(「超臨界流体の最新応用技術」NTS社参照)。しかし、前記混練工程においては、前記ポリエステル系樹脂組成物の溶融粘度が高い方が、前記架橋剤等のその他の成分に高いせん断応力を作用させることができるため、凝集塊を微細化しやすく、分散の観点から好ましい。
したがって、圧縮性流体の含浸による前記ポリエステル系樹脂組成物の溶融粘度の低下は、混練性の向上と矛盾しているように見える。実際、一般的な発泡核材の混練で圧縮性流体を用いないで圧力をかける場合があるが、これは樹脂の自由体積を減少させ、樹脂同士の相互作用の増加(粘度増加)を狙ったものであり、樹脂の可塑化は逆効果である(「k.Yang.R.Ozisik R.Polymer,47.2849(2006)」参照)。
しかし、本発明者らは、前記ポリエステル系樹脂組成物と前記架橋剤等のその他の成分との混練に圧縮性流体が活用できないか鋭意検討した結果、圧縮性流体存在下において、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度、具体的には、前記ポリエステル系樹脂の融点-60℃以上かつ融点+120℃以下の温度範囲であれば、ポリ乳酸の粘度を混練に適した粘度とすることができ、架橋剤等のその他の成分を均一に分散できることを見出した。本発明では、圧縮性流体を用いてポリ乳酸の融点より低い温度の高粘度状態で混練することができるため、架橋剤等のその他の成分の分散性を一層向上させることができる。
また、圧縮性流体は種類等によって発泡剤としての機能を担うことができる。樹脂発泡体を作製する際には、通常発泡剤を用いるが、前記ポリエステル系樹脂組成物からなる前記発泡シートの製造において、二酸化炭素や窒素等の圧縮性流体を発泡剤として使用できることを見出した。前記圧縮性流体を発泡剤として用いる場合、混練と発泡を一連のプロセスで実施できるため、環境負荷低減の観点でより製造形態として好ましい。
前記圧縮性流体の状態で用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、エチレン、ジメチルエーテルなどが挙げられる。これらの圧縮性流体は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。
前記溶融状態となった前記ポリエステル系樹脂組成物の原材料への前記圧縮性流体の供給量としては、前記ポリエステル系樹脂の種類と前記圧縮性流体との組合せ、温度、圧力などによって、前記圧縮性流体の前記ポリ乳酸への溶解度が変わるため、特に制限はなく、適宜調整することができる。例えば、前記ポリエステル系樹脂と前記二酸化炭素の組合せであれば、前記ポリエステル系樹脂組成物の原材料を100質量部とした場合、前記二酸化炭素の供給量は、2質量部以上20質量部以下が好ましい。前記ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対して、前記二酸化炭素の供給量が2質量部以上であると、前記ポリエステル系樹脂組成物の可塑化効果が限定的になるという不具合を防止できる。また、前記ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対して、前記二酸化炭素の供給量が20質量部以下であると、前記二酸化炭素と前記ポリエステル系樹脂組成物が分離することがなく、均一に反応することができる。
前記二酸化炭素を圧縮性流体として用いる場合、反応の効率化やポリマー転化率等を考慮すると、その圧力としては、3.7MPa以上が好ましく、5MPa以上がより好ましく、臨界圧力の7.4MPa以上が更に好ましい。また、二酸化炭素を圧縮性流体として用いる場合、同様の理由により、その温度は25℃以上であることが好ましい。
本実施形態において、圧縮性流体の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<発泡工程>>
前記発泡工程は、前記発泡剤を膨張させ、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させる工程であり、好ましくは、前記ポリエステル系樹脂組成物から圧縮性流体を除去し、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させる工程である。
前記発泡工程において、前記圧縮性流体以外の発泡剤を使用する場合は、該発泡剤を膨張させ、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させることができる。
また、前記発泡工程において、前記圧縮性流体を使用する場合は、該圧縮性流体の圧を開放させることで、前記ポリエステル系樹脂組成物を膨張させ、これと同時に前記圧縮性流体を除去することができる。
前記発泡工程の際の温度としては、前記ポリエステル系樹脂組成物が押出し可能な範囲で可塑化されるような温度に加温することが好ましい。
なお、前記発泡工程において、前記ポリエステル系樹脂組成物を流動させるための駆動力としては、前記混練工程に用いられる混練装置からの圧力を利用してもよいし、前記発泡工程のために別途1軸又は多軸の押出機やシリンダー等の機械装置を用いてもよい。
前記発泡工程における前記ポリエステル系樹脂組成物を吐出する際の樹脂温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、125℃以上170℃以下が好ましく、130℃以上160℃以下がより好ましい。前記ポリエステル系樹脂組成物を吐出する際の樹脂温度が、130℃以上160℃以下であると、好適に波型形状の発泡シートが得られる。
前記発泡工程における前記ポリエステル系樹脂組成物を吐出する際の樹脂温度は、金型温度で調整することができる。
<<成形工程>>
前記成形工程は、前記発泡させた前記ポリエステル系樹脂組成物を、厚み方向の断面形状が波型形状を有するようにシートを成形して前記発泡シートを得る工程である。
ここで得られる発泡シートの特徴は、前記<発泡シート>の項目に記載の通りである。
前記成形工程としては、例えば、真空成型法、圧空成形法、プレス成形法などが挙げられる。前記成形工程により、シート状の成形物を得ることができる。
前記成形工程に用いる金型の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SCM440にクロムメッキを施したもの、S45C、S50C、SS400、SCM440、SUS316、SUS304、及びそれらと同等の材質などが挙げられる。これらの中でも、SCM440にクロムメッキを施したものが好ましい。
また、耐久性向上の目的で、前記金型は、ハードクロムメッキ等の各種メッキを施してもよいし、熱伝導率向上の目的でC2810、A5052、アルミナ等を選択してもよいし、分析目的で石英ガラス等を用いてもよいし、離型性向上の目的で鏡面研磨仕上げとしてもよい他、ブラスト仕上げとしてもよいし、離型剤を塗工してもよい。
また、前記金型の構造が可変となる金型を用いても構わない。
前記成形工程における前記金型の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、130℃以上160℃以下が好ましく、135℃以上146℃以下がより好ましい。前記金型の温度が、130℃以上160℃以下であると、好適に波型形状の発泡シートが得られる。
<<その他の工程>>
その他の工程としては、通常のプラスチック発泡シートの製造において行われる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
--混練装置--
前記発泡シートの製造方法において、前記ポリエステル系樹脂組成物を製造するために、前記原材料混合及び溶融工程、並びに前記混練工程は、例えば、混練装置を使用して行うことができる。
前記ポリエステル系樹脂組成物の製造に用いられる混練装置としては、連続式プロセスを採用することもできるし、回分式プロセスを採用することもできるが、装置効率や製品の特性、品質等を勘案し、適宜反応プロセスを選択することが好ましい。
前記混練装置としては、特に制限はないが、混練に好適な粘度に対応できる点から、1軸押出機、多軸押出機、フィニッシャー、ニーダー、無軸籠型撹拌槽、バイボラック(住友重機械工業株式会社製)、N-SCR(三菱重工業株式会社製)、めがね翼(株式会社日立製作所製)、格子翼又はケニックス式、ズルツァー式SMLXタイプスタチックミキサー具備管型重合槽などを使用できる。これらの中でも、前記ポリエステル系樹脂組成物の色調の点から、セルフクリーニング式の混練装置である、フィニッシャー、N-SCR、2軸押し出しルーダーなどが挙げられる。また、前記ポリエステル系樹脂組成物の色調、安定性、耐熱性、賦形性などの点から、前記混練装置としては、フィニッシャー、N-SCRが好ましい。混練性及び生産効率の点からは、1軸押出機や、多軸押出機を使用するのが特に好ましい。
ここで、前記発泡シートの製造方法に用いられる前記混練装置の一実施形態として、連続式混練装置について図面を用いて説明するが、前記混練装置はこれに限られるものではない。
図5に示すように、連続式発泡シート化装置110は、例えば、2軸押出機(例えば、JSW社製、スクリュー口径42mm、L/D=48)を用いることができ、原材料混合及び溶融部a(第1の供給部1及び第2の供給部2を含む)、圧縮性流体供給部b(圧縮性流体供給タンク3を含む)、混練部c、調温搬送部dなどから構成される。圧縮性流体(液体材料)は、圧縮性流体供給タンク3から計量ポンプで供給する。前記ポリエステル系樹脂のペレットや、フィラー等の固体の原材料や、架橋剤等のその他の成分は、第1の供給部1及び第2の供給部2から定量フィーダーで供給する。これにより、ポリエステル系樹脂の発泡シートが得られる。
なお、第1の供給部1から前記ポリエステル系樹脂組成物を供給し、第2の供給部2から架橋剤を供給するなど、原材料を個別に原材料混合及び溶融部aに供給してもよく、前記ポリエステル系樹脂組成物、フィラー、架橋剤等の原材料を予め混合した混合物を第1の供給部1から原材料混合及び溶融部aに供給し、第2の供給部2は使用しなくてもよい。
--原材料混合及び溶融部a--
原材料混合及び溶融部aでは、前記ポリエステル系樹脂の樹脂ペレット、更に必要に応じて、フィラー等のその他の成分との混合と昇温を行う。加熱温度は、前記ポリエステル系樹脂の溶融温度以上に設定を行い、続く圧縮性流体供給部bで、圧縮性流体と均一に混合できる状態にする。
--圧縮性流体供給部b--
前記ポリエステル系樹脂の樹脂ペレットが加温により溶融状態となり、更に必要に応じて、前記フィラーを濡らした状態にて、圧縮性流体を供給し、溶融樹脂を可塑化させる。
--混練部c--
混練部cにて、前記ポリエステル系樹脂と、フィラー等のその他の成分が混練されたポリエステル系樹脂組成物が得られる。
前記ポリエステル系樹脂組成物の混練に好適な粘度となるように、混練部cの温度設定を行う。
設定温度は、反応装置の仕様や樹脂種、樹脂の構造、分子量などで変わるため、特に限定するものではないが、重量平均分子量(Mw)200,000程度の市販されているポリエステル系樹脂の場合、通常の混練はポリ乳酸の融点+10℃~20℃で行われる。これに対して、前記発泡シートの製造方法において、圧縮性流体と共に混練することで、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度で混練することができる。これにより、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度での比較的高い粘度で混練することが可能である。具体的には、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度としては、前記ポリエステル系樹脂の融点の-30℃~+80℃が好ましい。簡便的には、前記発泡シート化装置の撹拌動力の電流値などを目安に温度設定することができる。
--調温搬送部d--
調温搬送部dの温度は、圧縮性流体によりポリエステル系樹脂が可塑化されるため、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度で混練することができ、押出機先端の金型出口で圧縮性流体が樹脂から溶出されることで粘度が上昇するため、高い発泡倍率の発泡シートを得ることができる。具体的には、調温搬送部dの設定温度において、前記ポリエステル系樹脂の融点より低い温度としては、前記ポリエステル系樹脂の融点の-20℃~-80℃が好ましく、前記ポリエステル系樹脂の融点の-30℃~-60℃がより好ましい。簡便的には、前記発泡シート化装置の撹拌動力の電流値などを目安に温度設定することができる。
調温搬送部dの先端に取り付けた金型4から前記ポリエステル系樹脂組成物を吐出し、該ポリエステル系樹脂組成物から圧縮性流体を除去することにより前記ポリエステル系樹脂組成物を押出発泡させ、金型から押出発泡された発泡シートが得られる。
(製造物)
本発明の製造物の一実施形態は、本発明の発泡シートを含有するものである。これは、本発明の発泡シートからなる製造物であってもよく、更に必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
また、本発明の製造物の別の一実施形態は、本発明の発泡シートを成形してなるものであり、更に必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
前記その他の成分としては、通常の樹脂製品に用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
一実施形態に係る製造物(「消費材」とも称される)としては、例えば、生活用品として、袋、包装容器、トレー、食器、カトラリー、文房具、緩衝材などが挙げられる。この製造物の概念には、製造物を加工するための中間体として、前記発泡シートをロール状にした原反や、単体としての製造物のみでなく、トレーの取っ手のような製造物からなる部品や、取っ手が取り付けられたトレーのような製造物を備えた製品なども含まれる。
前記袋としては、例えば、レジ袋、ショッピングバッグ、ごみ袋等が挙げられる。
前記文房具としては、例えば、クリアファイル、ワッペンなどが挙げられる。
また、前記製造物は、前記生活用品以外の用途としても適用でき、例えば、工業用資材、日用品、農業用品、食品用、医薬品用、化粧品等のシート、包装材等の用途として幅広く適用することができる。
これらの中でも、前記製造物は、本発明の発泡シートを含有する、あるいは、本発明の発泡シートを成形してなるものであり、強度、断熱性、及び柔軟性に優れるものであるため、特に緩衝材に好適に用いられる。
前記発泡シートを成形してなる製造物の製造方法は、本発明の発泡シートを原材料として使用する限り特に制限はなく、本発明の発泡シートを所望の形状に成形する成形工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
このような製造物においては、前記発泡シートの性状を維持していない場合もあるが、前記発泡シートを原材料として使用している限り、本発明の範囲内である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、別段の断りない限り、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
<原材料混合及び溶融工程>
図5に示す連続式発泡シート化装置110を用い、ポリ乳酸樹脂(Revode110、HISUN社製)87質量%、ポリブチレンアジペートテレフタレート(ecoflex(登録商標) F Blend C1200、BASF社製)10質量%、架橋剤(Joncryl(登録商標) ADR4468C、BASF社製)1質量%、及びフィラー(M-XF、株式会社レプコ製)2質量%をヘンシェルミキサー(FM75、日本コークス工業株式会社製)にて1,500rpmにて5分間混合した後、第1の供給部1から前記混合物を20kg/時間の流量となるように、第一押出機の原材料混合及び溶融部aに供給した。
<混練工程>
次に、圧縮性流体供給部3から圧縮性流体として二酸化炭素8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)を第一押出機の圧縮性流体供給部bに供給した。これらを第一押出機の混練部cで混合、溶融、及び混練し、第二押出機に供給した。
<押出成形工程>
次いで、第二押出機の調温搬送部dに供給し、調温搬送部dにおいて混練及び調温し、ポリ乳酸樹脂組成物とした。
<発泡工程>
次いで、第二押出機の調温搬送部dの先端に取り付けた外径70mmの金型4からポリ乳酸樹脂組成物を吐出量20kg/時間で吐出し、該ポリ乳酸樹脂組成物から圧縮性流体を除去することによりポリ乳酸樹脂組成物を押出発泡させ、金型から押出発泡された発泡シート1を得た。
このとき、金型温度を135℃とし、金型の流路先端にて標準開口面積を得るためクリアランスの調整を行った。
なお、実施例1において、各部の温度条件は、下記の通りとした。
・ 第一押出機の原材料混合及び溶融部a:170℃
・ 第一押出機の圧縮性流体供給部b:170℃
・ 第一押出機の混練部c:170℃
・ 第二押出機の調温搬送部d:150℃
(実施例2)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から150℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の発泡シート2を得た。
(実施例3)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から146℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の発泡シート3を得た。
(実施例4)
実施例1の発泡工程において、第二押出機の調温搬送部dの温度を150℃から157℃に変更し、金型の温度を135℃から138℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の発泡シート4を得た。
(実施例5)
実施例1の原材料混合及び溶融工程において、ポリ乳酸(Revode110)の添加量を87質量%から97質量%に変更し、ポリブチレンアジペートテレフタレートを添加せず、発泡工程において、金型の温度を135℃から143℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5の発泡シート5を得た。
(実施例6)
実施例1の発泡工程において、第二押出機の調温搬送部dの温度を150℃から157℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6の発泡シート6を得た。
(実施例7)
実施例1の原材料混合及び溶融工程において、第1の供給部1から第一押出機の原材料混合及び溶融部aへの混合物の供給量を20kg/時間から18kg/時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7の発泡シート7を得た。
(実施例8)
実施例1の混練工程において、二酸化炭素の供給量を8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)から8.5質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8の発泡シート8を得た。
(実施例9)
実施例1の混練工程において、二酸化炭素の供給量を8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)から9.5質量%(対ポリ乳酸樹脂、20g/時間)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例9の発泡シート9を得た。
(実施例10)
実施例1の原材料混合及び溶融工程において、ポリ乳酸(Revode110)の添加量を87質量%から84質量%に変更し、フィラー(M-XF)の添加量を2質量%から5質量%に変更し、混練工程において、二酸化炭素の供給量を8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)から9.5質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例10の発泡シート10を得た。
(実施例11)
実施例1の混練工程において、二酸化炭素の供給量を8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)から8.5質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)に変更し、金型の温度を135℃から140℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例11の発泡シート11を得た。
(実施例12)
実施例1の混練工程において、二酸化炭素の供給量を8.0質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)から8.5質量%(対ポリ乳酸樹脂、20kg/時間)に変更し、第二押出機の調温搬送部dの温度を150℃から148℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例12の発泡シート12を得た。
(実施例13)
実施例1において、第一押出機の原材料混合及び溶融部aの温度を170℃から180℃に変更し、圧縮性流体供給部bの温度を170℃から180℃に変更し、発泡工程において、金型の温度を135℃から146℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例13の発泡シート13を得た。
(実施例14)
実施例1において、第一押出機の原材料混合及び溶融部aの温度を170℃から180℃に変更し、圧縮性流体供給部bの温度を170℃から180℃に変更し、発泡工程において、金型の温度を135℃から140℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例14の発泡シート14を得た。
(比較例1)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から130℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の発泡シート15を得た。
(比較例2)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から155℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の発泡シート16を得た。
(比較例3)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から145℃に変更し、金型の流路先端の開口面積を15%広げるためにクリアランスを調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3の発泡シート17を得た。
(比較例4)
実施例1の発泡工程において、金型の温度を135℃から130℃に変更し、金型の流路先端の開口面積を20%小さくするためにクリアランスを調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4の発泡シート18を得た。
<物性の評価>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の見かけ厚みt、真の厚みT、見かけ密度d、真の密度D、及び平均発泡径を以下の方法で測定した。結果は下記表1に示した。
<<見かけ厚みt>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の見かけ厚みtは、以下のようにして測定した。
平滑な台の上にスライドガラス(直径50mm、厚み10mm±0.6mm、重さ48.1g、株式会社アズワン製の3-2435-05)を置き、デジマチックインジケータ(ID-C125XB、株式会社ミツトヨ製)を用いて前記スライドガラス上に端子を乗せ、ゼロ調整を行った。続いて前記台と前記スライドガラスとの間に、発泡シートを、厚み方向と直交する方向の面における縦方向(MD方向)10cm、幅方向(TD方向)10cmの正方形に切断した測定用サンプルを1.8Nで厚み方向に挟み、サンプルの厚みtを計測した。なお、測定用サンプルは、発泡シートの幅方向(TD方向)全体に渡って、山部と谷部を含めて平均的に測定できるように、5個採取した。各測定用サンプルについて測定した厚みtの平均値を算出し、その平均値を「見かけ厚みt」とした。
<<真の厚みT>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の真の厚みTは、以下のようにして測定した。
発泡シートをかみそり刃でTD方向に切断し、断面(発泡シートの厚み方向の断面)を露出させて観察用断面を作製した。この観察用断面を、電子顕微鏡(リアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-7800、キーエンス株式会社製)を用いて、発泡シートの全幅が観察できる最低倍率(50倍)で撮影した。同様にして、発泡シートのMD方向における異なる位置での観察用断面を作製し、合計3か所撮影した。それぞれの撮影像から発泡シートの厚みを計測し、3か所の平均厚みを「真の厚みT」とした。
<<見かけ密度d>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の見かけ密度dは、下記式(3)に基づき算出した。
見かけ密度d(g/cm)=坪量(g/cm)/見かけ厚みt(cm) ・・・ 式(3)
ただし、前記式(3)において、見かけ厚みは<<見かけ厚みtの測定>>の項目に記載の方法で測定した値を示す。坪量は下記式(4)に基づき算出した。
坪量(g/cm)=質量(g)/面積(cm) ・・・ 式(4)
ただし、前記式(4)において、質量(g)は、発泡シートをA4サイズ(縦(MD方向)297mm×横(TD方向)210mm)に切断し、切断した発泡シートの質量(g)を計測した値を示し、面積(cm)は、前記A4サイズの発泡シートの面積を示し、623.7cmであった。
<<真の密度D>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の真の密度Dは、以下のようにして測定した。
発泡シートをMD方向1cm×TD方向2.5cmの長方形に切断し、測定用サンプルとした。この測定用サンプルの質量W(g)を測定した。質量W測定後に、測定用サンプルの水中での体積を測定した。具体的には、10mLのメスシリンダーに純水を8mLまで入れた。そこに、質量W測定後の測定用サンプルを入れ、メスシリンダーの増量した体積V(cm)を読み取った。目盛りは0.1mLまであるため、0.01mL単位で読み取った。この際、「mL」は「cm」に換算した。真の密度D(g/cm)は、下記式(5)に基づき算出した。
真の密度D(g/cm)=質量W(g)/体積V(cm) ・・・ 式(5)
<<平均発泡径>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の平均発泡径は、以下のようにして測定した。
発泡シートをかみそり刃でTD方向に切断し、断面(発泡シートの厚み方向の断面)を露出させて観察用断面を作製した。この観察用断面を、電子顕微鏡(リアルサーフェスビュー顕微鏡 VE-7800、キーエンス株式会社製)を用いて500倍で選択した領域を撮影した。なお、この際、撮影する領域は、前記方法で測定した真の厚みTに基づき、発泡シートの両表面から厚み方向に100μmまでの領域は測定対象外とし、発泡シートの内部を選択した。また、発泡径が500μmを超えるようなイレギュラーに存在する空隙の大きいものも、測定対象外とした。
得られた断面SEM写真(倍率:3,000倍)を、ソフトウエア(Image-Pro Premier、mediacy社製)を使用して、発泡(空隙)に該当する灰色成分と、樹脂成分に該当する白色成分とに二値化した。次いで、所定の範囲内(35μm×20μm)における発泡に該当する灰色成分の平均粒子径(フェレ径)を求めた。フェレ径が0.5μm以上の灰色成分(発泡)のみの平均値を算出することで、平均発泡径を算出した。
<評価>
以下の方法で、実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の突刺し強度、断熱性、及び柔軟性の評価を行い、これらに基づき総合評価を行った。結果は、下記表2に示す通りであった。
<<突刺し強度>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の突刺し強度は、JIS Z 1707:2019に準拠して測定した。この測定値より、下記評価基準に基づき評価した。
具体的には、発泡シートを直径20mmの円形に切断した測定用サンプルをジグで固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を試験速度50±5mm/分間で突き刺し、針が貫通するまでの最大力(N)を測定した。なお測定用サンプルは、発泡シートの幅方向(TD方向)全体に渡って凹部と凸部を含めて平均的に測定できるように、5個以上採取した。各測定用サンプルについて測定した最大値(N)の平均値を算出し、その平均値から、下記評価基準に基づき評価した。
-突刺し強度の評価基準-
◎:突刺し強度の平均値が、2.50N以上
〇:突刺し強度の平均値が、2.00N以上2.50N未満
△:突刺し強度の平均値が、1.50N以上2.00N未満
×:突刺し強度の平均値が、1.50N未満
<<断熱性>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の断熱性は、熱源を包装した際の発泡シートの表面温度を測定して評価した。
具体的には、発泡シートをTD方向に5cm幅に切断した帯状の測定用サンプルをプラスチックカップ(210mL容量、HEIKO社製)の全周に巻き付け、プラスチックカップ内に80℃のお湯150mLを注ぎ、1分間後の発泡シートの表面温度を熱電対温度計 Kタイプ(株式会社エー・アンド・デイ製)で測定し、下記評価基準に基づき評価した。
-断熱性の評価基準-
◎:発泡シートの表面温度が、40℃以下
〇:発泡シートの表面温度が、40℃超50℃以下
△:発泡シートの表面温度が、50℃超60℃以下
×:発泡シートの表面温度が、60℃超
<<柔軟性>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18の柔軟性は、以下の方法で評価した。
具体的には、縦(MD方向)20cm×横(TD方向)20cmの正方形に切断した測定用サンプルを、専門評価者1名が、MD方向及びTD方向それぞれについて、直径6cmの円筒容器に巻き付けて、その追従性を目視にて確認し、下記評価基準に基づき評価した。なお、評価結果は、MD方向及びTD方向でより悪い方(〇、△、及び×の順で悪くなる)の評価結果を採用し、下記表2に示した(例えば、MD方向が△又は〇であった場合でも、TD方向が×である場合は、その発泡シートの評価結果は×とした)。
-柔軟性の評価基準-
〇:発泡シートが円筒容器に対し隙間なく密着して巻き付いた
△:発泡シートに1点の折れ曲がりがあり、円筒容器と発泡シートとの間に隙間ができた
×:発泡シートに2点以上の折れ曲がりがあり、円筒容器と発泡シートとの間に隙間ができた、及び/又は発泡シートにひびが生じた
<<総合評価>>
実施例1~14及び比較例1~4で得られた発泡シート1~18について、突刺し強度、断熱性、及び柔軟性の評価結果に基づき、以下の評価基準に基づき総合評価を行った。
-総合評価の評価基準-
◎:3つの評価結果が◎又は○である
〇:3つの評価結果に△が1つ又は2つあり、他は◎又は○である
△:3つの評価結果が全て△である
×:3つの評価結果の中に×が1つ以上ある
Figure 2024065942000002
Figure 2024065942000003
表2の結果より、見かけ厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度dと、真の密度Dとの比[D/d]が1.3以上2.0以下である実施例1~14の発泡シートは、突刺し強度、断熱性、及び柔軟性に優れるものであった。これに対し、見かけ厚みtが0.3mm未満である比較例1の発泡シートは突刺し強度及び柔軟性に劣るものであり、見かけ厚みtが1,5mm未超である比較例2の発泡シートは断熱性に劣るものであり、比[D/d]が1.0に近い(即ち、板状に近い)比較例3は断熱性に劣るものであり、比[D/d]が2.0超である比較例4は突刺し強度に劣るものであった。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> ポリエステル系樹脂を含有する発泡シートであって、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有し、平均厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度d(g/cm)と真の密度D(g/cm)との比[D/d]が下記式(1)を満たすことを特徴とする発泡シートである。
1.3≦D/d≦2.0 ・・・ 式(1)
<2> 前記ポリエステル系樹脂が、ポリ乳酸樹脂を90質量%以上含有する、前記<1>に記載の発泡シートである。
<3> 前記密度Dが、0.05g/cm以上0.16g/cm以下である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の発泡シートである。
<4> 平均発泡径が10μm以上100μm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の発泡シートである。
<5> 前記平均厚みtと、前記発泡シートの厚み方向の断面の電子顕微鏡像から計測した平均厚みTとの比[t/T]が下記式(2)を満たす、前記<1>から<4>のいずれかに記載の発泡シートである。
1.5≦t/T≦1.7 ・・・ 式(2)
<6> 前記平均厚みtが0.6mm以上1.0mm以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の発泡シートである。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の発泡シートの製造方法であって、
少なくともポリエステル系樹脂を溶融する溶融工程と、
圧縮性流体の存在下において、前記ポリエステル系樹脂を混練してポリエステル系樹脂組成物を得る混練工程と、
前記ポリエステル系樹脂組成物から圧縮性流体を除去し、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させる発泡工程と、
前記発泡させた前記ポリエステル系樹脂組成物を、厚み方向の断面形状が波型形状を有するようにシートを成形して前記発泡シートを得る成形工程と、
を含むことを特徴とする発泡シートの製造方法である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の発泡シートを含有することを特徴とする製造物である。
<9> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の発泡シートを成形してなることを特徴とする製造物である。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の発泡シート、前記<7>に記載の発泡シートの製造方法、及び前記<8>又は<9>に記載の製造物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
200 発泡シート
201 山部
202 谷部
p ピッチ
仮想線
仮想線
中心線
TD 山部の幅
TD 谷部の幅
仮想線
仮想線
仮想線
A 空隙
110 連続式発泡シート化装置
1 第1の供給部
2 第2の供給部
3 圧縮性流体供給部
4 金型
a 原材料混合及び溶融部
b 圧縮性流体供給部
c 混練部
d 調温搬送部
e 押出部
特開2002-210851号公報

Claims (9)

  1. ポリエステル系樹脂を含有する発泡シートであって、前記発泡シートの厚み方向の断面形状が波型形状を有し、平均厚みtが0.3mm以上1.5mm以下であり、見かけ密度d(g/cm)と真の密度D(g/cm)との比[D/d]が下記式(1)を満たすことを特徴とする発泡シート。
    1.3≦D/d≦2.0 ・・・ 式(1)
  2. 前記ポリエステル系樹脂が、ポリ乳酸樹脂を90質量%以上含有する、請求項1に記載の発泡シート。
  3. 前記真の密度Dが、0.05g/cm以上0.16g/cm以下である、請求項1に記載の発泡シート。
  4. 平均発泡径が10μm以上100μm以下である、請求項1に記載の発泡シート。
  5. 前記平均厚みtと、前記発泡シートの厚み方向の断面の電子顕微鏡像から計測した平均厚みTとの比[t/T]が下記式(2)を満たす、請求項1に記載の発泡シート。
    1.5≦t/T≦1.7 ・・・ 式(2)
  6. 前記平均厚みtが0.6mm以上1.0mm以下である、請求項1に記載の発泡シート。
  7. 請求項1に記載の発泡シートの製造方法であって、
    少なくともポリエステル系樹脂を溶融する溶融工程と、
    圧縮性流体の存在下において、前記ポリエステル系樹脂を混練してポリエステル系樹脂組成物を得る混練工程と、
    前記ポリエステル系樹脂組成物から圧縮性流体を除去し、前記ポリエステル系樹脂組成物を発泡させる発泡工程と、
    前記発泡させた前記ポリエステル系樹脂組成物を、厚み方向の断面形状が波型形状を有するようにシートを成形して前記発泡シートを得る成形工程と、
    を含むことを特徴とする発泡シートの製造方法。
  8. 請求項1に記載の発泡シートを含有することを特徴とする製造物。
  9. 請求項1に記載の発泡シートを成形してなることを特徴とする製造物。
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