JP6810829B1 - 発泡用樹脂組成物及び発泡成形体 - Google Patents

発泡用樹脂組成物及び発泡成形体 Download PDF

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Abstract

本発明は、優れた発泡性、断熱性及び生分解性を有する発泡成形体が得られる発泡用樹脂組成物、及び、該発泡用樹脂組成物から得られる発泡成形体を提供する。本発明の発泡用樹脂組成物は、2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩とを含む発泡用樹脂組成物であって、上記2種以上の生分解性ポリマーは、メルトマスフローレートの差が2g/10min以上である第一及び第二の生分解性ポリマーを含み、上記第一及び第二の生分解性ポリマーの含有量が発泡用樹脂組成物全体に対しいずれも10重量%以上、80重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の含有量が発泡用樹脂組成物全体に対し10重量%以上、40重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の平均粒子径が0.05μm以上、100μm以下であり、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記発泡用樹脂組成物により得られた無発泡樹脂成形体の白色度との差が20%以下である。

Description

本発明は、発泡用樹脂組成物及び発泡成形体に関する。
発泡成形体は、一般的に発泡用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)を発泡させることで得られ、軽量化、コスト削減ができ、また、断熱性をもたせることができる。そのため、食品用容器、日用品、家庭用電化製品等の様々な用途に用いられている。更に、近年、環境に配慮した発泡成形体が注目されており、生分解性樹脂を用いた発泡成形体が検討されている。
例えば、特許文献1では、生分解性樹脂を主成分とする組成物から形成され、充分な機械的強度を有する発泡樹脂シートが開示され、澱粉を主成分とし、その他の材料の配合割合を工夫し、かつ、加工手段を工夫することにより、折り曲げ加工や製袋加工することが可能な発泡樹脂シートおよび発泡樹脂シート成形物が開示されている。また、特許文献2では、剛性を有する生分解性樹脂製樹脂又は発泡粒子に対して、剛性の不足するポリエステル樹脂製樹脂又は発泡粒子を等量以上混合することにより、従来よりも剛性を有するポリエステル樹脂製発泡粒子及び発泡成形体並びにその製造方法が開示されている。
また、特許文献3では、少なくとも1つの天然源のポリマーと、少なくとも2つの二酸−ジオール型の脂肪族−芳香族ポリエステル類とを含む混合物で、少なくとも2つの二酸−ジオール型の脂肪族−芳香族ポリエステル類を特定量混合することで、優れた機械的特性、充分高い融点、充分な晶析速度、改善された生分解特性と共に、時間経過時の安定した物理特性が得られることが開示されている。また、当該混合物は、発泡性ビーズ、発泡製品、及び、食品包装で使用するための発泡シート等に用いられることが開示されている。
特開2010−254859号公報 特開2014−040506号公報 特許第5727497号公報
ここで、発泡成形体は、発泡によって形成された気泡(以下、「発泡粒子」ともいう)がその内部に均一に分布していることが重要であり、発泡粒子の分布が不均一であると、発泡成形体の表面の欠陥、強度の低下等を招く。発泡成形体において、均一に発泡させるためには、発泡させる前の樹脂組成物が均一に分散していることが必要である。ところが、環境への配慮から生分解性ポリマーを用いる場合、樹脂組成物の分散性が良いと考えられる一種類の生分解性ポリマーのみを含有する樹脂組成物を用いて発泡成形体を製造すると、発泡粒子が不均一に分布するだけでなく、その発泡成形体に占める発泡粒子の割合が低いという問題があった。すなわち、発泡性が悪いという問題があった。また、2種以上の生分解性ポリマーを用いる場合、樹脂組成物を均一に分散させることが困難であり、樹脂組成物の分散性を向上させるために更なる検討の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、優れた発泡性、断熱性及び生分解性を有する発泡成形体が得られる発泡用樹脂組成物、及び、該発泡用樹脂組成物から得られる発泡成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、生分解性ポリマーを用いて環境負荷の少ない、成形加工性に優れた発泡成形体を得る方法について検討を行い、互いに溶解しない非相溶のポリマー同士の界面が発泡核としての効果が高いことに着目し、メルトマスフローレートの差が特定の値以上である2種以上の生分解性ポリマーを分散させることで、発泡性に優れた発泡成形体が得られることを見出した。また、層状ケイ酸塩を添加することで、混合時のせん断力が向上し、2種以上の生分解性ポリマーの分散性が向上し、優れた発泡性が得られることを見出した。さらに、2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩との密着性を高めることにより、発泡粒子の発泡粒子径をより小さくすることができることを見出した。これによって、得られた発泡成形体の発泡性及び断熱性が向上し、優れた生分解性を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明の発泡用樹脂組成物は、2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩とを含む発泡用樹脂組成物であって、上記2種以上の生分解性ポリマーは、メルトマスフローレートの差が2g/10min以上である第一及び第二の生分解性ポリマーを含み、上記第一及び第二の生分解性ポリマーの含有量が上記発泡用樹脂組成物全体に対しいずれも10重量%以上、80重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の含有量が上記発泡用樹脂組成物全体に対し10重量%以上、40重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の平均粒子径が0.05μm以上、100μm以下であり、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記発泡用樹脂組成物により得られた無発泡樹脂成形体の白色度との差が20%以下であることを特徴とする。
上記発泡用樹脂組成物は、フィラーをさらに含み、上記フィラーの含有量が上記発泡用樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上、0.5重量%以下であることが好ましい。
上記フィラーの比重が0.5以上、4.0以下であることが好ましい。
本発明の発泡成形体は、本発明の発泡用樹脂組成物を発泡させて成形したことを特徴とする。
上記発泡形成体は、本発明の発泡用樹脂組成物と超臨界流体とを混合して発泡させたものであることが好ましい。
上記発泡成形体は、本発明の発泡用樹脂組成物を射出成型して得られたことが好ましい。
本発明の発泡用樹脂組成物は、分散性、生分解性及び成形加工性に優れる。本発明の発泡成形体は、上述した特性を有する発泡用樹脂組成物を発泡させて成形したものであり、発泡性、断熱性及び生分解性に優れる。
本発明の発泡成形体の断面模式図である。 発泡成形体の作製に使用する成形装置の一例を説明するための模式図である。
本発明の発泡用樹脂組成物は、2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩とを含む発泡用樹脂組成物であって、上記2種以上の生分解性ポリマーは、メルトマスフローレートの差が2g/10min以上である第一及び第二の生分解性ポリマーを含み、上記第一及び第二の生分解性ポリマーの含有量が上記発泡用樹脂組成物全体に対しいずれも10重量%以上、80重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の含有量が上記発泡用樹脂組成物全体に対し10重量%以上、40重量%以下であり、上記層状ケイ酸塩の平均粒子径が0.05μm以上、100μm以下であり、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記発泡用樹脂組成物により得られた無発泡樹脂成形体の白色度との差が20%以下であることを特徴とする。
2種以上の生分解性ポリマーは、生分解性ポリマーにおけるメルトマスフローレートの差が2g/10min以上である第一及び第二の生分解性ポリマーを含む。第一及び第二の生分解性ポリマーは、互いに相溶性を示さないため、混合しても互いに溶解せず界面が形成される。この界面が発泡核として作用する。しかしながら、2種以上の生分解性ポリマーを混合しただけでは、混合時のせん断力が低いため、2種以上の生分解性ポリマーの分散は不充分である。そこで、更に、層状ケイ酸塩を添加することで、2種以上の生分解性ポリマーの分散性を改善し、発泡用樹脂組成物中に発泡核を高分散させることができる。
2種以上の生分解性ポリマーは、メルトマスフローレート(MFR)の差が2g/10min以上である第一及び第二の生分解性ポリマーを含んでいればよい。
第一及び第二の生分解性ポリマーにおけるMFRの差は、100g/min以下であることが好ましい。MFRの差が100g/minを超えると、2種以上の生分解性ポリマーの分散性が悪くなる可能性が生じるためである。なお、MFRは、JIS K7210に準拠し、用いられるポリマーに応じて測定時の温度及び荷重を変更して測定した値である。
上記生分解性ポリマーは、特に限定されず、一般的に用いられる生分解性ポリマーを使用することができる。上記生分解性ポリマーとしては、例えば、澱粉脂肪酸エステル、澱粉ポリエステル、ポリ乳酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ乳酸/ポリカプロラクトン共重合体、ポリグリコール酸、ポリ乳酸/ポリエーテル共重合体、ブタンジオール/長鎖ジカルボン酸共重合体、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート・コ・テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート共重合体(1,4−BD、琥珀酸、アジペート、乳酸)コポリマー、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)及びポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)等を挙げることができる。第一及び第二の生分解性ポリマーは、これらの群より選択されるメルトマスフローレートの差が2g/10min以上の生分解性ポリマーである。2種以上の生分解性ポリマーは、第一及び第二の生分解性ポリマーの他に、異なる生分解性ポリマーを含んでいてもよい。ただし、生分解性ポリマーの種類は、第一及び第二の生分解性ポリマーを含め、4種類以下であることが好ましい。樹脂組成物の取り扱い性が煩雑になるためである。
また、本発明の樹脂組成物に用いられる生分解性ポリマーとして、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート及びポリカプロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種を好適に用いることができ、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートの少なくとも1種をより好適に用いることができる。特に、ポリ乳酸を使用して2成分系の樹脂組成物にすると成形加工性がよいため、特に好適に用いることができる。
上記ポリ乳酸は、特に限定されず、L−乳酸又はD−乳酸の単重合体、L−乳酸及びD−乳酸の共重合体、又は、これらの単重合体及び/又は共重合体の混合物であってよい。乳酸の鏡像異性体比率や、鏡像異性体が共重合する方法(ランダム、ブロック、グラフトなど)や、結晶核剤を添加する方法の使用等に応じて得られる、結晶性が異なるポリ乳酸を適宜選択してよい。
上記ポリブチレンサクシネートは、特に限定されず、コハク酸(HOCOCHCHCOOH)と1,4−ブタンジオール(HO(CHOH)とを原料として脱水重縮合により合成したものや、市販品(例えば、BioPBS(三菱ケミカル社製)等)を用いることができる。
本発明の樹脂組成物に用いられる上記第一及び第二の生分解性ポリマーの含有量は、樹脂組成物全体に対しいずれも10重量%以上、80重量%以下である。
上記第一及び第二の生分解性ポリマーのうちいずれか一方の樹脂組成物全体に対する含有量が10重量%未満、又は、80重量%を超えると、発泡用樹脂組成物を発泡させて成形した発泡成形体の発泡性が不充分となる。第一の生分解性ポリマーの含有量は好ましくは30重量%以上、70重量%以下であり、より好ましくは40重量%以上、60重量%以下である。第二の生分解性ポリマーの含有量は好ましくは10重量%以上、45重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上、36重量%以下である。
なお、上記第一及び第二の生分解性ポリマーの種類及び含有量は、樹脂組成物の流動性、及び、成形加工性を良好にする観点から、上記範囲内で適宜設定することができる。
本発明の樹脂組成物に用いられる生分解性ポリマーの溶融粘度(220℃)は、150Pa・S以上、400Pa・S以下であることが好ましい。上記生分解性ポリマーの溶融粘度のより好ましい下限は、200Pa・Sであり、より好ましい上限は300Pa・Sである。溶融粘度は、例えば、株式会社島津製作所製、フローテスターCFT−500Dを用いて測定することができる。具体的には、測定対象となる樹脂を所定温度に加熱し流動化させ、キャピラリーダイ(内径φ1mm、長さ10mm)を通して、所定面圧を1MPaとしたピストンによってシリンダから押し出し、ピストンの移動量と、かかった時間により粘度特性を評価することができる。
MFRの差が2g/min以上である第一及び第二の生分解性ポリマー同士を混合する方法としては、両成分間に化学結合を形成させる方法、又は、同一ポリマー間で架橋構造を形成させる方法等を用いることができる。
例えば、生分解性ポリマーとしてポリ乳酸を用いて発泡成形体を得る場合には、金属錯体等の合成触媒、ラジカル発生剤等を用いて、ポリ乳酸を合成しながら混練を行う反応押出(リアクティブプロセッシング)が用いられることがある。本発明は、特定の2種以上の生分解性ポリマー間で生じる界面を発泡核として作用させるものであり、ポリ乳酸を合成しながら混練を行う反応押出とは異なり樹脂組成物中に合成触媒、ラジカル発生剤等を添加する必要はない。
なお、ポリ乳酸の反応押出の例としては、例えば、合成触媒として2−エチルへキサン酸スズを用い、酸化防止剤(例えば、チバスペシャルティケミカルズ社のイルガノックス1010)を添加してL−ラクチドとε−カプロラクトンを反応させる方法;ジクミルパーオキサイド等のラジカル発生剤を用いて、ポリ乳酸とポリエチレングリコールを反応させる方法;ラジカル発生剤を用いて、ポリ乳酸にポリカーボネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)等をグラフト重合させる方法等が挙げられる。
上記層状ケイ酸塩としては、特に限定されず、例えば、パイロフィライト、タルク、カオリン(カオリナイト)、モンモリロナイト、魚眼石、マーガライト、プレナイト、又は、マイカ(雲母)等が挙げられ、特に、タルク、カオリン、モンモリロナイト、又は、マイカ(雲母)が好適に用いられる。上記層状ケイ酸塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記層状ケイ酸塩として、タルク及び/又はマイカを用いることが好ましい。
上記層状ケイ酸塩は、樹脂組成物全体に対する含有量が10重量%以上、40重量%以下である。なお、上記層状ケイ酸塩が2種以上併用される場合は、合計含有量が上記範囲内であればよい。
上記層状ケイ酸塩の樹脂組成物全体に対する含有量が、10重量%未満であると混合時のせん断力を向上させる効果が充分に得られないため、2種以上の生分解性ポリマーを充分に分散させることができず、40重量%を超えると、発泡用樹脂組成物の成形性が低下する。
上記層状ケイ酸塩の樹脂組成物全体に対する含有量の好ましい下限は15重量%、好ましい上限は35重量%である。
上記層状ケイ酸塩の平均粒子径は、0.05μm以上100μm以下である。
上記層状ケイ酸塩の平均粒子径が0.05μm未満であると、2種以上の生分解性ポリマーを混合する際のせん断力を向上させる効果が充分に得られないためであり、平均粒子径が100μmを超えると、発泡成形品の強度低下が著しくなるためである。上記層状ケイ酸塩の平均粒子径の好ましい下限は0.5μmであり、より好ましい下限は1μmである。また、上記層状ケイ酸塩の平均粒子径の好ましい上限は80μmであり、より好ましい上限は30μmである。
なお、上記層状ケイ酸塩が2種以上併用される場合、層状ケイ酸塩の平均粒子径は、用いられる2種以上の層状ケイ酸塩が混合された状態で測定される平均粒子径を意味する。
層状ケイ酸塩の平均粒子径は、50%平均粒子径であり、例えば、島津レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD−2000)を用いて測定することができる。
また、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記樹脂組成物により得られた無発泡成形体の白色度との差が20%以下である。層状ケイ酸塩を添加することで、2種以上の生分解性ポリマーの分散性は改善されるが、層状ケイ酸塩と2種以上の生分解性ポリマーとの密着性が悪いと、発泡用樹脂組成物を発泡させて形成される発泡成形体中の発泡粒子が肥大化する。すなわち、発泡成形体内部の発泡粒子の発泡粒子径が大きくなるため、粒子径の小さい発泡粒子を多数発生させた緻密な発泡粒子を有する発泡成形体を作製することが困難となる。
ここで、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記樹脂組成物により得られた無発泡樹脂成形体の白色度との差が20%以下である場合、上記層状ケイ酸塩と上記2種以上の生分解性ポリマーとが混合され樹脂組成物における上記層状ケイ酸塩と上記2種以上の生分解性ポリマーとの密着性が良好であると考えられる。なお、上記白色度の差は、市販の層状ケイ酸塩から極性等の特性を変更することによって調整することができる。
また、上記層状ケイ酸塩の白色度と、上記樹脂組成物により得られた無発泡成形体の白色度との差は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは5%以下である。
また、上記層状ケイ酸塩の白色度、及び、上記無発泡成形体の白色度は、日本電色工業株式会社製の分光色差計SE6000を用いて測定することができる。
また、上記無発泡成形体は、例えば、上記2種の生分解性ポリマーと上記層状ケイ酸塩とを混合した後、溶融混錬後、金型に移し冷却することで得ることができ、3mm以上、6mm以下の厚さを有する平板状に成形されたものである。従って、白色度を測定する際の無発泡成形体は、3mm以上、6mm以下の厚さを有する平板状無発泡成形体である。
また、上記層状ケイ酸塩の白色度を測定する場合、上記層状ケイ酸塩を、圧延してシートの状態にして白色度を測定する。また、層状ケイ酸塩が2種以上併用される場合、用いられる2種以上の層状ケイ酸塩が混合された状態での白色度を測定する。
本発明の発泡用樹脂組成物は、フィラーをさらに含むことが好ましく、上記フィラーの含有量が樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上、0.5重量%以下であることが好ましい。
上記フィラーの樹脂組成物全体に対する含有量が、0.01重量%未満であるとフィラーの添加によって2種の生分解性ポリマーの分散性、及び、得られる発泡成形体の発泡性を向上する効果が充分に得られず、0.5重量%を超えると得られる発泡成形体の発泡性が低下するおそれがある。
上記フィラーの樹脂組成物全体に対する含有量の好ましい上限は、0.3重量%である。
上記フィラーは、上記層状ケイ酸塩の密度に対して0.20g/cm以上異なる密度を有するものが好ましく、発泡用樹脂組成物に含まれる他の成分、すなわち2種以上の生分解性ポリマー、層状ケイ酸塩とは異なる化合物であれば、無機材料から構成される無機フィラーであってもよく、有機材料から構成される有機フィラーであってもよく、これらの混合物であってもよい。
上記フィラーと、上記層状ケイ酸塩との密度の差は、0.25g/cm以上であることがより好ましく、0.30g/cm以上であることが更に好ましい。また、上記フィラーの密度は、上記層状ケイ酸の密度より大きくてもよいし、小さくてもよい。上記フィラーの密度及び上記層状ケイ酸塩の密度は、ピクノメーター法により測定することができる。
上記無機フィラーとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、炭酸カルシウム、シリカ、シリカゲル、ゼオライト、窒化ホウ素、及び、アルミナ等を含むフィラーが挙げられる。
上記有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン、電子線架橋型ポリエチレン、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、炭化ケイ素、アクリル樹脂、フェノール樹脂、及び、メラミン樹脂等を含むフィラーが挙げられる。なお、上記超高分子量ポリエチレン及び電子線架橋型ポリエチレンは、融点以上に加熱し溶融状態となっても極めて流動性が低いため、メルトマスフローレート(MFR)測定では数値評価ができない。
上記フィラーは比重が0.5以上、4.0以下であることが好ましい。ブレンド時、ポリマーとの衝突及びフィラー同士の衝突により高い分散性が得られやすいためである。
なお、フィラーの比重は、フィラーの密度と基準物質となる水の密度との比であり、ピクノメーター法により測定した密度を用いて算出することができる。
本発明の発泡用樹脂組成物の製法は特に限定されるものではないが、公知の方法を用いることができる。例えば、単軸又は多軸の各種押出機により各成分の混合物を溶融混練する方法が挙げられる。各成分を一括で混練してもよく、任意の成分を混練した後、残りの成分を添加して混練してもよい。
上記発泡用樹脂組成物を発泡させて成形することで、発泡成形体が得られる。上記発泡用樹脂組成物は、特定の層状ケイ酸塩が添加され、2種以上の生分解性ポリマーの分散性が向上され、さらに、2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩との密着性が向上されていることから、これを発泡させて得られた発泡成形体の内部には、微細な気泡を均一に存在させることができる。このため、上記発泡成形体は、生分解性に加え、断熱性、強度及び軽量性に優れている。
上記発泡成形体の表面にランダムな模様、色彩又は文字等を施す場合、上記発泡用樹脂組成物に顔料フィラー、カラーマスターバッチ等を添加してもよい。
上記発泡成形体は、上記発泡用樹脂組成物と超臨界流体とを混合して発泡させたものであることが好ましい。上記発泡用樹脂組成物は、互いに溶解しない2種以上の生分解性ポリマーの高分散化によって形成された微細な界面を有する。そのため、超臨界流体を用いた発泡において上記界面が発泡起点となり、発泡成形体の内部に微細な気泡を均一に存在させることができ、断熱性、強度及び軽量性等の特性が充分に発揮される。上記超臨界流体としては、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、及び、ヘリウム等の不活性ガスの超臨界流体が挙げられる。なかでも、二酸化炭素、又は、窒素の超臨界流体が好ましく、窒素の超臨界流体がより好ましい。
上記超臨界流体を用いた発泡成形体の製造方法は、まず、溶解した発泡用樹脂組成物に高圧力下で超臨界流体を注入し攪拌することで、発泡用樹脂組成物と超臨界流体との単一相溶解物を得る。次に、減圧することで、単一相溶解物中の超臨界流体が気体へ相転移するため、気泡が発生する。発泡起点が均一に多数存在する場合には、微細な発泡粒子を多数含む発泡成形体となる。これにより、発泡用樹脂組成物が発泡し、微細な発泡粒子を有する発泡成形体が得られる。
上記発泡成形体は、上記発泡用樹脂組成物を射出成形して得られたことが好ましい。特に、上記発泡成形体は、上記発泡用樹脂組成物に超臨界流体を含浸しながら射出成形を行なう方法(以後、超臨界射出成形ともいう。)により得られたことが好ましい。上記発泡用樹脂組成物は、超臨界射出成形により、上記発泡成形体を精密な形状、及び、多彩な形状に加工することができる。中でも、超臨界射出成形において、金型の空洞部分(キャビティ)内に上記発泡用樹脂組成物を溶融した状態で充填した後、冷却固化が進行する前に金型の一部を動かすことによってキャビティを強制的に広げ急激な圧力減少を引き起こす方法(以後、コアバック法)により発泡させることが好ましく、コアバック法を用いることにより、発泡量を大幅に増大させることができる。
図1は、本発明の発泡成形体の断面模式図である。本発明の発泡用樹脂組成物と超臨界流体とを混合し、その後射出成形して発泡させることで、図1に示した発泡成形体10が得られる。発泡成形体10は、発泡層12の両面にスキン層(外皮層)11を有する。発泡層12は、均一な発泡粒子を有する領域をいい、スキン層11は、発泡成形体の表面側に発泡粒子が形成されていない領域をいう。発泡成形体10は、表面がスキン層11であるため、発泡成形体10の強度を高くすることができ、また、表面を平滑にすることができる。更に、中心部分が発泡層12であるため、軽量化できるだけではなく、熱が伝わり難くなるため、発泡成形体10の断熱性が向上する。
上記発泡成形体の厚さは、0.2〜3.0mmであることが好ましい。上記発泡成形体の厚さが0.2mm未満であると、発泡しないことがあり、3.0mmを超えると表面に凹凸が生じ、外観を損なうことがある。本発明の発泡用樹脂組成物によれば、従来の発泡用樹脂組成物よりも発泡性及び成形性に優れるので、従来よりも薄くしても、実用上充分な断熱性及び強度が確保された発泡成形体を製造することができる。
上記発泡層は、発泡成形体の断面を観察した場合に、発泡層の1mm×1mmの範囲に発泡粒子を100個以上有することが好ましく、任意に選択した100個の発泡粒子の平均粒子径が100μm以下であることが好ましい。発泡粒子の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)で行うことができ、例えば、株式会社日立ハイテクノジーズ製、S−4800等を用いることができる。
上記発泡用樹脂組成物と上記超臨界流体とを混合すること、及び、上記発泡用樹脂組成物を発泡させて成形することは、例えば、射出成形機と超臨界流体発生機とが連結された装置を用いて行うことができる。射出成形機と超臨界流体発生機とが連結された装置としては、例えば、MuCell射出成形機(MuCellはTrexel.co.Ltdの登録商標)等が挙げられる。
図2は、発泡成形体の作製に使用する成形装置の一例を説明するための模式図である。図2に示すように、成形装置20は、材料を投入するホッパ21、スクリュ23を備えた加熱シリンダ22、ノズル24を備える射出成形機に、注入制御部27を介してボンベ25及び超臨界流体発生部26が接続されている。
製法の具体例としては、まず、2種以上の生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネート)、層状ケイ酸塩を200℃以上の設定温度とした二軸押出機で溶融混合させ、ペレット状の発泡用樹脂組成物を作製する。次に、得られた上記ペレット状の発泡用樹脂組成物をホッパ21に投入し、一般的な射出成形の手順に従ってスクリュ23を回転させ上記ペレット状の発泡用樹脂組成物を溶解及び計量する。ペレット状の発泡用樹脂組成物の溶解及び計量中に、ボンベ25及び超臨界流体発生部26に接続された注入制御部27を介して、シリンダ22内に超臨界流体を注入し、スクリュ23を回転させることで、発泡用樹脂組成物の溶融物に超臨界流体を混合及び含浸することで、単一相溶解物とする。計量された上記単一相溶解物をスクリュ23でノズル24側に搬送し、金型28に射出する。金型28内での圧力損失により、超臨界流体は臨界圧力に達した時点で気体への相転移が引き起こされ気泡が発生する。更に、上記単一相溶解物を金型28に射出する際に、キャビティを広げることで金型28内での圧力減少を加速させ発泡量を増大させる方法もある。
以下、本発明について実施例を掲げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(配合原料)
下記の実施例及び比較例において、発泡用樹脂組成物を調製するために使用した配合原料を下記表1に示した。
Figure 0006810829
(実施例1)
生分解性ポリマーであるポリブチレンサクシネート(PBS)64.5重量%及びポリ乳酸(PLA)10.5重量%と、層状ケイ酸塩であるタルク25重量%とをドライブレンドし、二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30)を使って温度設定220℃で混練し、ペレット状の発泡用樹脂組成物を得た。
次に、超臨界射出成形機(東芝機械社製)に得られたペレット状の発泡用樹脂組成物を投入し、シリンダ温度210℃で発泡用樹脂組成物を溶解させながら超臨界流体を含浸し、超臨界射出成形を用いてコアバック法により発泡成形体を得た。超臨界流体には窒素の超臨界流体を使用し、充填量0.1重量%、充填圧力130MPaとした。成形条件は、スクリュ背圧15MPa、射出速度100mm/秒、金型温度50℃とした。縦80mm、横80mm、厚さ2mmの板形状に成形し、発泡成形体とした。なお超臨界流体の充填量(単位:重量%)は、下記式(1)で計算することができる。
[(超臨界流体の流量×超臨界流体の流入時間×換算係数27.8)÷発泡用樹脂組成物の重量]×100 (1)
得られた発泡成形体は、図1に示したように、発泡層の両面にスキン層を有する発泡成形体であった。
(実施例2〜15)
各配合原料及びその配合量を下記表2に示した配合原料及び配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜15に係る発泡用樹脂組成物及び発泡成形体を作製した。表2には、各配合原料の発泡用樹脂組成物全体に対する含有量、用いられたポリマーにおけるMFRの差、層状ケイ酸塩の平均粒子径、及び、層状ケイ酸塩の白色度と樹脂組成物から得られた無発泡成形体の白色度との差を記載した。
(比較例1〜12)
各配合原料及びその配合量を下記表3に示した配合原料及び配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1〜12に係る発泡用樹脂組成物及び発泡成形体を作製した。表3には、各配合原料の発泡用樹脂組成物全体に対する含有量、用いられたポリマーにおけるMFRの差、層状ケイ酸塩の平均粒子径、及び、層状ケイ酸塩の白色度と樹脂組成物から得られた無発泡成形体の白色度との差を記載した。
実施例及び比較例で使用した層状ケイ酸塩及び粒状ケイ酸塩の平均粒子径は、下記手順により測定した。また、層状ケイ酸塩の白色度と樹脂組成物から得られた無発泡成形体の白色度は下記方法で測定した。
(層状ケイ酸塩及び粒状ケイ酸塩の平均粒子径の測定)
層状ケイ酸塩及び粒状ケイ酸塩の平均粒子径は、50%平均粒子径であり、島津レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD−2000)を用いて測定した。
(層状ケイ酸塩及び樹脂組成物から得られた無発泡成形体の白色度の測定)
ケイ酸塩粉末及び樹脂組成物から得られた無発泡成形体の表面を日本電色工業株式会社製の分光色差計SE 6000を用いて測定した。無発泡成形体については厚み3mm以上の板状無発泡成形体を10mm×10mmにカットしたものを用いた。
Figure 0006810829
Figure 0006810829
(発泡用樹脂組成物及び発泡成形体の評価)
実施例及び比較例で作製した発泡用樹脂組成物について、成形加工性、発泡性、断熱性及び生分解性を評価した。結果を下記表4に示した。
(1)発泡用樹脂組成物の成形加工性
発泡用樹脂組成物の成形加工性は、射出成形時の流動性、及び、射出成形後の冷却固化性で評価した。射出成形時の流動性及び射出成形後の冷却固化性がよい場合を○、射出成形時の流動性又は射出成形後の冷却固化性のいずれかが悪い場合を×とした。
射出成形時の流動性の評価は、発泡用樹脂組成物を射出圧力100MPa以下で20回射出し、未充填が確認されなかった場合に流動性がよいと判断し、未充填が1回以上確認された場合に流動性が悪いと判断した。射出成形後の冷却固化性の評価は、50℃に設定した金型で1分間冷却し、発泡成形体を金型から取り出す際に目視で変形を確認し、変形が確認されなかった場合に冷却固化性がよい、変形が確認された場合に冷却固化性が悪いと判断した。なお、流動性の評価及び冷却固化性の評価には共に、縦80mm、横80mm、厚さ2mmの板形状の金型を用いた。
(2)発泡性
発泡成形体の断面を、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察し、発泡層における発泡粒子の状態を確認した。
発泡性の評価は、発泡成形体を断面から観察し、発泡層の縦1mm、横1mmの範囲に、発泡粒子が100個以上存在し、かつ、任意に選択した100個の発泡粒子の平均粒子径が60μm未満である場合を◎とし、60μm以上80μm未満である場合を〇とし、80μm以上100μm以下である場合を△とし、発泡粒子の平均粒子径が100μmより大きい場合を×とした。
(3)断熱性
板状の発泡成形体(150mm×150mm)に、黒体スプレー(タスコジャパン株式会社製、「THI−1B」)を吹き付けた後、黒体スプレーに含まれる溶剤を室内で12時間以上24時間以下の条件で乾燥し、黒く着色された板状の測定用試料を作製した。そして、測定用試料を90℃に設定されたホットプレート上に載置し、3分後に測定用試料のホットプレート接触面とは反対側の表面温度を、測定用試料の中心からφ80mmの範囲で、放射率0.94に調整した赤外放射温度計(日本アビオニクス株式会社製の「TVS−200」)を用いて測定した。
測定された表面温度が60℃以下であった場合を◎とし、60℃より高く65℃以下であった場合を○とし、65℃より高かった場合を×とした。
(4)生分解性
発泡成形体の生分解性を、ISO14855(JISK6953)に準拠した方法にて評価した。微生物活性な土壌に10mm×10mmの板状発泡成形体を180日間埋設し、外観観察、質量測定を行った。培養温度は58℃±2℃とした。評価後の板状発泡成形体の質量が、評価前の板状発泡成形体の質量の90%以下であれば、評価結果を〇とし、評価前の板状発泡成形体の質量の90%を超える場合の評価結果を×とした。
Figure 0006810829
10 発泡成形体
11 スキン層(外皮層)
12 発泡層
20 成形装置
21 ホッパ
22 シリンダ
23 スクリュ
24 ノズル
25 ボンベ
26 超臨界流体発生部
27 注入制御部
28 金型

Claims (7)

  1. 2種以上の生分解性ポリマーと層状ケイ酸塩とを含む発泡用樹脂組成物であって、
    前記2種以上の生分解性ポリマーは、メルトマスフローレートの差が2g/10min以上であるポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートを含み、
    前記ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートの含有量が前記発泡用樹脂組成物全体に対しいずれも10重量%以上、80重量%以下であり、
    前記層状ケイ酸塩の含有量が前記発泡用樹脂組成物全体に対し10重量%以上、40重量%以下であり、
    前記層状ケイ酸塩の平均粒子径が0.05μm以上、100μm以下であり、
    前記層状ケイ酸塩の白色度と、前記発泡用樹脂組成物により得られた無発泡樹脂成形体の白色度との差が20%以下であることを特徴とする発泡用樹脂組成物。
  2. 前記層状ケイ酸塩は、タルクを含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡用樹脂組成物。
  3. フィラーをさらに含み、前記フィラーの含有量が前記発泡用樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上、0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡用樹脂組成物。
  4. 前記フィラーの比重が0.5以上、4.0以下であることを特徴とする請求項に記載の発泡用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡用樹脂組成物を発泡させて成形したことを特徴とする発泡成形体。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡用樹脂組成物と超臨界流体とを混合して発泡させたものであることを特徴とする請求項に記載の発泡成形体。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡用樹脂組成物を射出成型して得られたことを特徴とする請求項又はに記載の発泡成形体。
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