JP2000086793A - セルロースアセテート発泡体及びその製造方法 - Google Patents

セルロースアセテート発泡体及びその製造方法

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JP2000086793A
JP2000086793A JP10263406A JP26340698A JP2000086793A JP 2000086793 A JP2000086793 A JP 2000086793A JP 10263406 A JP10263406 A JP 10263406A JP 26340698 A JP26340698 A JP 26340698A JP 2000086793 A JP2000086793 A JP 2000086793A
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foam
cellulose acetate
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mixture
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JP10263406A
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Hiroyuki Mori
裕之 森
Makoto Yoshida
吉田  誠
Yukikage Matsui
亨景 松井
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来の問題点を解消し、生分解速
度をその用途により調整可能にしたセルロースアセテー
ト発泡体及びその製造方法を提案するものであり、さら
に、土壌改質に適した性能を有し、特に、土壌中に空気
を多く含有させて、植物の生育を助長するために使用す
る発泡体を提案することにある。 【解決手段】 セルロースアセテートと発泡核剤との混
合体からなる発泡体であって、該発泡体は発泡セル径が
0.001〜0.8mm、見かけ密度が0.01〜0.
27g/cm3の範囲の発泡特性を有するものであり、
該発泡体を平均粒子径が0.1〜8mmの範囲にある粒
子状に成形したものは、特に、土壌改質用に有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ート発泡体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、
生分解性、及び、易焼却性を有し、断熱材、緩衝材、壁
材、吸音材、及び、各種包装材、さらに、土壌改良材と
して使用可能なセルロースアセテート発泡体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から合成樹脂からなる発泡体は多種
多様なものが製造され、断熱材、緩衝材、食品包装容器
などの幅広い分野で使用されてきた。近年、これら合成
樹脂発泡体の需要は年々増加する傾向にあり、このため
廃棄される量も年々増加して、環境問題、公害問題とし
て大きくクローズアップされてきている。しかし、廃棄
合成樹脂発泡体を再生利用するには社会的規模の様々な
対応が求められ、一方、焼却処分する際には、有毒ガス
の発生防止、高熱発生による熱焼却炉の劣化防止など山
積されている問題が多く、このため廃棄処理の容易な発
泡体の開発が強く求められている。
【0003】このような要求に対して、これらの合成樹
脂(例えば、ポリスチレン)を生分解性樹脂で置き換え
た発泡体が種々提案されている。例えば、特開平6−1
36168号公報、特公平5−65536号公報、特開
平6−335919号公報、特開平8−151469号
公報、特開平8−59892号公報等において、澱粉を
主原料とする生分解性発泡成形物を得る方法が開示され
ている。また、特開平6−15753号公報では、パル
プを主原料とする発泡ビーズを成形枠型内に充填して融
着させ、成形物を得る方法が開示されている。また、特
開平5−320405号公報には非溶液系化学修飾材木
に発泡剤を含有させてなる発泡性木質系樹脂粒子を用い
て主として型内成形により、成形体を得る方法が開示さ
れている。
【0004】また、特開平6−32928号公報には、
非溶液系化学修飾木材に発泡剤を含浸させてなる発泡性
材木系樹脂より発泡性シートを得、容器型の成形物を得
る方法が開示されている。さらに、特開平6−3357
号公報では、アセテート、又は、これを含むものからな
る生分解樹脂と実質的に水分とを少なくとも原料として
投入し、これを加熱・加圧状態とした後、急激に開放し
て、発泡させ、その後成形型により所定の形状に成形す
る方法が開示されている。
【0005】しかしながら、こららの方法で得られた発
泡体は、生分解性能が素材そのものに固有するものであ
り、使用目的によりその生分解速度を調整することは困
難であった。
【0006】また、これらの方法で得られた発泡成形体
を土壌改良用として用いる場合、その形状を小さくする
必要があるが、この用途に用いるためには、従来の発泡
体では一度得られた成形体をカッター等で土壌改良用に
細断する必要があり、粒子径を均一にすることが非常に
困難な上にコスト的にも高くつき実用化が困難であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を解消し、生分解速度をその用途により調整可能にし
たセルロースアセテート発泡体及びその製造方法を提案
するものであり、さらに、土壌改質に適した性能を有
し、特に、土壌中に空気を多く含有させて、植物の生育
を助長するために使用する発泡体を提案することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生分解性
を有する素材としてセルロースを使用して前記の課題を
検討した結果、生分解調整剤として澱粉、及び、澱粉を
主成分とする多糖類を添加することにより本発明に到達
したものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、セルロースア
セテートからなる発泡体において、セルロースアセテー
ト100重量部に対して、発泡核剤が2〜50重量部の
比率で配合された混合体からなり、且つ、発泡セル径が
0.001〜0.8mm、見かけ密度が0.01〜0.
27g/cm3の範囲の発泡特性を有することを特徴と
するセルロースアセテート発泡体にあり、該発泡体を平
均粒子径が0.1〜8mmの範囲にある粒子状に成形し
たものは、特に、土壌改質用に有用である。
【0010】また、かかる発泡体は、セルロースアセテ
ート(A)、可塑剤(B)、発泡核剤(C)、及び、生
分解調整剤(D)の重量部比が、A:B:C:D=(1
00):(0〜80):(2〜50):(0〜100)と
なるようにして配合した混合原料に、該混合原料100
重量部に対して発泡剤としての水を2〜100重量部の
割合で混合した混合物を温度:150〜250℃で溶融
し、120〜220℃の温度で計量した後、剪断速度:
1000〜20000sec-1で押し出すことにより得
られ、さらに、混合物を溶融・押し出した直後に、押し
出された発泡体を切断して粒状形に成形したものは土壌
改質用の発泡体として使用される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡体に使用する生分解性を有する素材とし
て、セルロースアセテートを使用する。該セルロースア
セテートが生分解性を有することは、種々報告されてい
る[(C. M. Buchanan etal., J.Appl. Ploym. Scie.,
47, 1709(1993);ibid., 50, 1739(1993); Ji-Dong Gu e
t al., J.Environ. Polym. Degradation,1(2), 143(199
3)]。
【0012】本発明のセルロースアセテート発泡体は、
該発泡セル径が、0.001〜0.8mm、見かけ密度
が0.01〜0.27g/cm3の範囲、より好ましく
は、0.014〜0.064g/cm3の範囲の発泡特
性を有し、特に、該発泡体を粒子状に成形し、該粒子径
の平均が0.1〜8mmの範囲にあるものは、土壌改質
用に有用である。
【0013】本発明に使用するセルロースアセテート
は、その酢酸エステル化度が、セルロースに結合してい
る酢酸の重量割合で表す酢化度で45%以上、特に好ま
しくは47〜60%(セルロース1単位当たりの結合ア
セチル基の数は1.9〜2.8)のものが好ましい。該
酢化度が45%未満の場合には、溶融温度が高くなりす
ぎるため、安定して発泡体粒子に溶融成形することが困
難となる。
【0014】なお、前記のセルロースアセテートには、
本発明の目的を損なわない範囲で他の物質を配合しても
よく、例えば、可塑剤、生分解性調整剤、熱安定剤、発
泡核剤、発泡助剤等が挙げられる。
【0015】なかでも、可塑剤としは、ポリエチレング
リコール、ポリメチレングリコール、グリセリン等の多
価アルコール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジア
ミン、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸ト
リクレジル等のリン酸エステル、セバシン酸ジエチル、
セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシ
ン酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブチ
ルオクチル、アジピン酸ブチルベンジル等のアジピン酸
エステル、クエン酸トリブチル、クエン酸−2−エチル
ヘキシル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセ
チルトリオクチル等のクエン酸エステル、酒石酸ジイソ
ブチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、大豆
油、ひまし油、樟脳等を例示することができるが、特に
分子量が20000以下のポリアルキレングリコールを
用いるものが好ましい。該分子量が20000を超える
ものを用いた場合には可塑化が充分に行われないことが
ある。また、これらの可塑剤は、それぞれ単独で使用し
てもよく、2種以上を、例えば、ポリアルキレングリコ
ールとグリセリンのように混合して用いてもよい。
【0016】これらの可塑剤を添加する場合には、その
量はセルロースアセテート重量を基準として80重量部
以下、好ましくは、50重量部以下の範囲で使用するも
のがよい。該添加量が80重量%を超える場合には、押
し出し発泡後の収縮が大きくなり、所望の密度にまで発
泡しない場合がある。
【0017】一方、発泡核剤としては、タルク、酸化ケ
イ酸、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、ケイ酸カルシウム等の無機系微粒子、セルロース粉
末、キチン、キトサン、木粉、ステアリン酸金属塩等の
有機系微粒子などを添加することができ、特にタルク
は、該セルロースアセテートに、より好適な発泡性を付
与することができるので、均一で且つ高度に発泡した発
泡体が容易に得られる。かかる発泡核剤は、各々単独で
使用してもよく、又は、2種以上を混合して使用しても
よい。
【0018】これらの発泡核剤や発泡助剤等の配合量
は、セルロースアセテート:100重量部を基準とし
て、2〜50重量部、より好ましくは、5〜30重量部
の範囲で使用するものが適当である。該発泡核剤の配合
量が2重量部未満では、これらの添加物を配合した効果
が現れず、例えば、発泡核剤の量が少ないと不均一で粗
い発泡セルが形成されやすく、一方、該配合量が50重
量部を超えると、これらの添加物の2次凝集が起こりや
すくなるため、やはり不均一で粗い発泡セルが形成され
やすくなり、また、セルロースアセテートの分率が低下
するため発泡性も低下するので好ましくない。
【0019】次に、本発明に使用する生分解性調整剤と
しては、澱粉、及び、澱粉を主成分とする多糖類混合物
を用いることができる。多糖類としては、グリコーゲ
ン、イヌリン、リケニン、セルロース、キチン、ヘミセ
ルロース、ペクチン等が例示される。
【0020】これら生分解性調整剤のセルロースアセテ
ートに対する配合量は、セルロースアセテート:100
重量部を基準にして0〜100重量部、好ましくは、5
〜80重量部の範囲で使用される。該生分解性調整剤が
100重量部を超えると、混合原料が押出し機内に詰ま
りやすく、また、得られた発泡体の発泡倍率も低下する
ので好ましくない。
【0021】また、原料形態としては、セルロースアセ
テートと各種添加剤、さらには、発泡剤である水を混合
した混合物の形態で使用する場合や、セルロースアセテ
ートと各種添加剤の混合原料から溶融押し出しにより、
まずチップを作り、該チップを原料とする場合のいずれ
の形態でも可能である。該混合原料の場合には、セルロ
ースアセテートはフレークス状、粉体状のいずれでもよ
いがフレークス状の場合には押し出しき機スクリューに
ダルメージを設置したり、2軸押し出し機を使用すると
いった対応をし、混練性を向上させたものが好ましい。
【0022】このようにして調整された混合原料から発
泡体を製造するには、該混合原料を押し出し機を用いて
ノズルより押し出せばよい。すなわち、セルロースアセ
テート、又は、セルロースアセテートと添加物の混合
物:100重量部に対して発泡剤としての水を2〜10
0重量部、好ましくは、5〜50重量部の割合で添加し
たものを用いる。該添加方法については、原料に含浸さ
せる方法、あるいは、押し出し機の原料供給口から吐出
口の間のベント部よりポンプにより注入する方法等を採
用することができる。
【0023】この方法においては、混合原料に対して水
の添加量が、2重量部未満の場合には、発泡倍率が十分
いは上がらず、発泡体をしての特性を充分に発揮させる
ことができない。また、該水の添加量が100重量部を
超える場合には、原料中に添加する際に塊が生じたり、
押し出し機のホッパー口より供給する際、ブリッジが生
じたりしてうまく投入できない。また、ベント部より供
給しても、大きく発泡倍率を向上させる効果はなく、む
しろ、吐出が不安定になるなどの不具合が生じ易くな
る。
【0024】本発明においては、発泡剤として水を使用
するものが最も好ましく例示され、水の蒸発濳熱によ
り、吐出された発泡体は急激に冷却されて固化されるた
め、収縮することことなく発泡形態を維持することがで
きる。
【0025】ここで溶融混練に使用される押し出し機
は、高温・高圧下で、水分を添加したセルロースアセテ
ートを加熱溶融混練できるものであればどのようなタイ
プの押し出し機でもよいが、普通には1軸、若しくは、
2軸のスクリュータイプの押し出し機が用いられる。
【0026】また、該セルロースアセテート発泡体を溶
融押し出しする際の温度は、圧縮部において、150〜
250℃の範囲に設定され、より好ましくは、180〜
220℃の範囲にするものがよい。該押し出し温度が1
50℃未満の場合には該セルロースアセテートが溶融せ
ず、また、250℃を超える場合にはセルロースアセテ
ートが炭化しやすくなり好ましくない。一方、計量部に
おいては、その温度は120〜220℃の範囲、より好
ましくは、140〜200℃の範囲とするものがよい。
該計量部での温度が、120℃未満であると押し出し機
中の樹脂の粘度が上がりすぎ、吐出が不安定になりやす
く、得られた発泡体も酢酸を充分に遊離しない。また、
該計量部での温度が、220℃を超えると、吐出後に蒸
発濳熱による樹脂の冷却が不十分となり収縮を引き起こ
し、最終的に得られた発泡体の発泡倍率が低くなる場合
がある。
【0027】また、押し出す際の細孔ノズルの形状は、
丸、三角、四角、矩形、星形、中空等のいずれであって
もよいが、土壌改良用途として用いる場合には、丸形状
のノズルを用いるものでよい。さらに、溶融混練時間
は、単位時間当たりの吐出量、溶融混練温度などにより
決定されるが、該混合物が均一に溶融混練されるのに充
分な時間が設定される。また、吐出部のノズル温度は、
前記の溶融混練温度と同じでもよいが、吐出できる範囲
内でより低い温度にしてもよい。
【0028】さらに、発泡体の発泡セル径を0.001
〜0.8mmの範囲にする必要があるが、このために
は、吐出剪断速度を1000〜20000sec-1の範
囲にすることにより得られる。該吐出剪断速度が、10
00sec-1未満の場合には、セル径が0.8mmを超
えるようになり、また、該吐出剪断速度が、20000
sec-1を超える場合には、吐出孔につまりが発生しや
すくなり、安定して発泡体を得ることができない。
【0029】かくして得られる発泡体は、それ自体単独
で、緩衝材、断熱材、充填材として使用可能である。ま
た、該発泡体の粒子形状のものは、任意の形状をした型
内に詰めて賦形することにより成形物として使用するこ
とができる。該賦形の方法については、特に制限される
ものではなく、しかなる方法でも採用することができ
る。
【0030】例えば、発泡体粒子を熱融着して賦形して
もよいし、また、バインダーを用いて発泡体粒子を接着
して賦形してもよい。なお、バインダーを用いる場合に
は、バインダーを水、アルコールなどの適当な溶媒に溶
かした溶液を、発泡体粒子内部に浸透しない程度に表面
に付着させ、次いで、溶媒を蒸発させることによって発
泡体粒子間を接着してもよい。また、熱融着性樹脂を付
着させ、賦形時の熱処理により接着してもよい。溶媒を
用いる場合には、環境への配慮から水が好ましい。
【0031】このように細孔ノズルを使用して押し出さ
れた発泡体は、任意の形状に成形することができるが、
特に、該発泡体を粒子状に成形する場合には、該ノズル
部から押し出される際に、回転する刃等を使用して発泡
体を切断することにより得られる。吐出直後の発泡体を
切断するには、該ノズル面に接触するか、若しくは、ほ
とんど接触する程度に近づけて設置した回転刃を用いる
ものが好ましく例示され、該回転刃は平板状の複数の刃
からなり、該平板面(刃面)は回転面に対して交差する
方向(好ましくは、回転面に対して直交する方向)に取
り付けられ、且つ、該複数の刃が回転軸を中心にして放
射状に配設されているものを使用するものが好ましい。
さらに、この発泡体切断には、前記の回転刃が吐出ノズ
ル面を通過する回数(すなわち、1個のノズル孔から吐
出された発泡体を切断する回数)が40000〜400
000回/分の範囲となるように回転数を調節するもの
がよい。該通過回数(切断回数)が40000回/分未
満であると、発泡体粒子径が8mmを超えるようにな
り、また、該通過回数(切断回数)が400000回/
分を超えると発泡体粒子径が0.1mm未満となりいず
れも土壌改質用途としては適当でない。
【0032】また、このように回転する複数の刃により
切断され、粒子状に成形された発泡体は、粒子径の分布
が均一なものが得られる。すなわち、土壌改質用に使用
するためには、平均の粒子径が前記の範囲であることが
好ましいが、前記のように発泡体の切断回数を設定して
製造したものは、発泡体の粒子の90%以上が、その平
均粒子径の0.5倍から1.5倍の範囲に分布する粒子
径を有するようになり均一性に優れたものとなり、土壌
改質用として極めて有用である。
【0033】
【発明の効果】かくして得られる発泡体は、セルロース
アセテートがらなるものであり、生分解が可能であり、
また、焼却も容易であり、断熱材、緩衝材、壁材、吸音
材、及び各種包装材に使用され、さらに、粒子状に成形
されたものは土壌改質用に有用であり、その発泡体粒子
径が、平均粒子径を中心とする狭い範囲に分布するため
に、均質な土壌改質剤として優れた効果を奏するもので
ある。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各評価項目は下記の頬うに従
い測定したものである。
【0035】(1)見かけ密度 ストランド状に得られた発泡体を高さ:1cmの円柱状
にカットし、該円柱の径を測定して体積を求め、円柱の
重量を測定して前記の体積とにより密度を算定する。
【0036】(2)発泡セル径 得られた発泡体を剃刀にて切断し、その切断面を顕微鏡
にて拡大写真を撮り、無作為の10個所について、その
セル径を測定し平均値を算出する。
【0037】(3)発泡倍率 前記(1)により測定した見かけ密度を原料の元密度で
除して、原料密度の倍率に対する見かけ密度の倍率を求
めて発泡倍率として表す。
【0038】(4)生分解性 発泡体粒子を充分な量の腐葉土に埋設し、6ヶ月後の重
量を測定して、埋設前の重量に対する重量減少率を算出
し、これを生分解性の代用値とした。
【0039】(5)植物の育成状況 普通の土を用いた場合と、その土とセルロースアセテー
ト発泡体を体積比で9:1で混合したものを使用した場
合とを比較し、3ヶ月後の植物の成長状況を観察し、土
だけの場合よりも良好なものを「○」として評価し、効
果が認められないものを「×」、効果が僅かに認められ
るものを「△」として評価した。
【0040】[実施例1〜19、比較例1〜7]セルロ
ースアセテート(帝人(株)製、アセテートフレーク
ス)、ポリエチレングリコール(日本油脂(株)製、P
EG)、タルク(富士タルク工業(株)製、LMR−2
00)、生分解性調整剤、及び、水を表1、及び表2に
示す割合で混合し、2軸押出し機(プラスチック工学研
究所製、BT−30−2)を用いて、溶融・混練し、口
径:1.5mmのノズルから押出した。その際、ノズル
の吐出口に、バネ鋼板からなる厚さ:0.3mmの刃3
6枚を有し、先端が220mmφの軌跡を描くように1
800rpmで回転する切断装置を設置して吐出された
発泡体を切断して粒子状発泡体を得た。得られた発泡体
粒子の評価結果を表1、2に併せて示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】[実施例20〜36、比較例8〜14]セ
ルロースアセテート(帝人(株)製、アセテートフレー
クス)、ポリエチレングリコール(日本油脂(株)製、
PEG)、タルク(富士タルク工業(株)製、LMR−
200)、及び、水を表3、及び表4に示す割合で混合
し、2軸押出し機(プラスチック工学研究所製、BT−
30−2)を用いて、溶融・混練し、口径:1.0mm
のノズルから押出した。その際、ノズルの吐出口に、実
施例1で使用したと同様の切断装置を設置して吐出され
た発泡体を切断して粒子状発泡体を得た。得られた発泡
体粒子を土壌改良用の粒子として評価しその評価結果を
表3、4に併せて示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 C08L 1:00 (72)発明者 吉田 誠 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 松井 亨景 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 中西 幹育 静岡県清水市宮加三789番地 鈴木総業株 式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA02 AA03 AA76 AA98 AC32 AG02 CA22 DA02 DA03 4F201 AA01 AB01 AB02 AB07 AC01 AE02 AE07 AG20 AH48 AR06 AR09 AR12 AR15 AR19 BA02 BC01 BC02 BC12 BC17 BC19 BC37 BD05 BL09 BL37 BM06 4F212 AA01 AB02 AB07 AC04 AE02 AE06 AE07 AG20 AH01 AH48 UA10 UC05 UC06 UF06 UF21 UW23

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアセテートからなる発泡体に
    おいて、該発泡体がセルロースアセテートの100重量
    部に対して、発泡核剤が2〜50重量部の比率で配合さ
    れた混合体からなり、且つ、発泡セル径が0.001〜
    0.8mm、見かけ密度が0.01〜0.27g/cm
    3の範囲の発泡特性を有することを特徴とするセルロー
    スアセテート発泡体。
  2. 【請求項2】 混合体がセルロースアセテートの100
    重量部に対して、80重量部以下の割合で配合された可
    塑剤を含んでいる請求項1に記載されたセルロースアセ
    テート発泡体。
  3. 【請求項3】 混合体がセルロースアセテートの100
    重量部に対して、100重量部以下の割合で配合された
    生分解調整剤を含んでいる請求項1、又は、請求項2に
    記載されたセルロースアセテート発泡体。
  4. 【請求項4】 生分解調整剤が澱粉、又は、澱粉を主体
    とする多糖類混合物である請求項3に記載されたセルロ
    ースアセテート発泡体。
  5. 【請求項5】 セルロースアセテートからなる発泡体に
    おいて、該発泡体がセルロースアセテートの100重量
    部に対して、発泡核剤が2〜50重量部の比率で配合さ
    れた混合体からなり、且つ、発泡セル径が0.001〜
    0.8mm、見かけ密度が0.01〜0.27g/cm
    3の範囲の発泡特性を有し、平均粒子径が0.1〜8m
    mの範囲にある粒子状に成形されていることを特徴とす
    るセルロースアセテート発泡体。
  6. 【請求項6】 混合体がセルロースアセテートの100
    重量部に対して、80重量部以下の割合で配合された可
    塑剤を含んでいる請求項5に記載されたセルロースアセ
    テート発泡体。
  7. 【請求項7】 混合体がセルロースアセテートの100
    重量部に対して、100重量部以下の割合で配合された
    生分解調整剤を含んでいる請求項5、又は、請求項6に
    記載されたセルロースアセテート発泡体。
  8. 【請求項8】 発泡体粒子の90%以上が該発泡体粒子
    の平均粒子径の0.5〜1.5倍の範囲に分布する粒子
    径を有する請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載さ
    れたセルロースアセテート発泡体。
  9. 【請求項9】 セルロースアセテート(A)、可塑剤
    (B)、発泡核剤(C)、及び、生分解調整剤(D)の
    重量部比が、A:B:C:D=(100):(0〜8
    0):(2〜50):(0〜100)となるようにして
    配合した混合原料に、該混合原料100重量部に対して
    発泡剤としての水を2〜100重量部の割合で混合した
    混合物を温度:150〜250℃で溶融し、120〜2
    20℃の温度で計量した後、剪断速度:1000〜20
    000sec-1で押し出すことを特徴とするセルロース
    アセテート発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 混合物を溶融・押し出した直後に、押
    し出された発泡体を切断して粒状形に成形する請求項9
    に記載されたセルロースアセテート発泡体の製造方法。
  11. 【請求項11】 発泡体の切断を押し出し吐出面直下で
    回転する平板状の刃群により行い、該刃群が吐出面を通
    過する回数が40000〜400000回/分の範囲に
    ある請求項10に記載されたセルロースアセテート発泡
    体の製造方法。
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