JP5102241B2 - 発泡体用ペレット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡体の製造に用いる紙粉と澱粉とを主成分とするペレットの製造技術に関する。
合成樹脂を原料とする発泡体は、緩衝材、保温材、あるいは断熱材として広く使用されている。しかしながら合成樹脂を主体とする発泡体製品は、自然界に存在する微生物に分解される生分解性に乏しいという問題、及び、焼却時の発熱量が大きいため焼却炉を傷める問題等が指摘されている。そこで近年、生分解性を有し燃焼カロリーが少ない発泡体の開発が進められ、紙粉、コーンスターチ等の澱粉、及び、ポリプロピレン又は生分解性樹脂を原料とする発泡体が実用化されている。例えば特許文献1に、紙粉と澱粉と熱可塑性合成樹脂とを原料とし、これらを水と共に押出機へ供給して加熱混練したのち、溶融混合物を押出機から押し出す時に水蒸気圧で発泡させることにより、発泡体を製造することが記載されている。
また前記原料を押出機内で加熱混練する際、原料の均一分散化を促進するため、紙粉と澱粉とをあらかじめペレット化する技術が特許文献2に記載されている。特許文献2には、澱粉に代表される植物系親水性天然高分子から成る第1微粉体と、紙又はパルプから成る第2微粉体と、タルク等の無機化合物から成る第3微粉体とに水を加え、混練機でこれらを混練して流動性混合物となした後、この混合物を押出式造粒機で先端のパンチングプレートから押し出すという手法で湿式造粒し、これを乾燥させることにより、長さ10mm以下、直径5mm以下、水分含有量が5〜30%の範囲にあるペレットを製造する技術が記載されている。
さらに特許文献3及び4には、ペレットの造粒手段については特許文献2とほぼ共通とし、発泡体の製造原料となるペレットを、親水性高分子(P1)から成る第1微粉体と、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂(P2)・植物繊維(P3)・無機化合物(P4)の少なくとも一つから成る第2微粉体とで製造する技術について記載されている。そして、P1としては澱粉等の植物系天然高分子又はポリビニルアルコール(PVA)等の合成高分子の少なくとも一方、P2としてはポリプロピレン又はポリエチレン、P3としては紙又はパルプ、P4としては酸化チタンやタルク等を用いることができると記載されている。
特開2000−273800号公報 特許第3831687号公報 特開2004−18603号公報 特開2005−199531号公報
前記特許文献2〜4に記載された技術は、特許文献1に記載した紙粉と澱粉と合成樹脂とを主成分とする発泡体を製造するにあたり、押出機内で混練する原料の均一分散を促進する目的で提案されたものであるが、それぞれ以下のような問題を有している。特許文献2のペレットは、澱粉等の植物系親水性天然高分子(第1微粉体)と、紙又はパルプ等の植物繊維(第2微粉体)と、タルク等の無機化合物(第3微粉体)とに水を加え、これらを混練した後、湿式造粒し乾燥させて製造するものである。そして、植物系親水性天然高分子が、植物繊維と無機化合物とを接着するバインダーとして機能するとされている。しかるに、植物系親水性天然高分子(代表として澱粉が挙げられる)だけでは、所望するバインダー機能が発揮されず、形状の安定したペレットを製造するのが難しいという問題がある。
そこで造粒時の成形圧力を高めることにより、ペレット形状を安定化させることが考えられる。しかし高圧で成形したペレットは、乾燥後に緻密で硬い組織となり、吸水速度が遅くなるため、押出機に投入して混練したときに容易に崩壊せず、澱粉の糊化が遅くなったり未糊化部分を生じさせたりして、未崩壊粒子を残存させるおそれがある。また高圧で成形することにより、ペレット原料中の澱粉が加熱されて一部が糊化してしまい、それが造粒後の乾燥工程により乾燥糊化澱粉粒子としてペレット中に存在することがある。乾燥した糊化澱粉は吸水性が悪く溶解しにくい。これら未崩壊のペレット粒子は、押出機に連設したダイ装置の開孔に目詰まりを引き起こしたり、発泡体中に残留して性状不良を招いたりするという欠点を有する。
また、押出機で発泡体を製造する場合、押出機にペレットとポリプロピレン等の合成樹脂粉とを投入し、加熱混練して溶融混合物と成したのち、これを押出機から押し出すことにより水蒸気で発泡させて発泡体を製造する。特許文献2におけるペレットは、澱粉等の第1微粉体と紙又はパルプから成る第2微粉体のほかに、タルク等の無機化合物を第3微粉体として必ず含んでいる。特許文献2のペレットにおいて無機化合物から成る第3微粉体を加える目的は、このペレットから製造される発泡材の燃焼カロリーを低下させることであるが、本発明者らは、無機化合物の粉体が、押出機から原料を押し出して発泡させるときの発泡倍率を低下させることを見いだした。すなわち、無機化合物粉体の存在により、原料押出時の発泡作用が阻害され、発泡倍率の高い製品を得るのが困難になっている。
特許文献3又は4の技術は、その記載内容に基づけば、発泡体製造用ペレットの原料として、親水性高分子(P1)を必須とし、これと、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂(P2)・植物繊維(P3)・無機化合物(P4)の全部、又は、P2〜P4の任意の組合わせを用いることができるとされている。しかしながら特許文献3,4において、親水性高分子に対し、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂・植物繊維・無機化合物を任意に組み合わせて、実際に、発泡体の製造原料として有用なペレットを製造できるかどうかは疑問であり、特許文献3,4に、これを裏付ける実施例の記載は存在しない。すなわち、特許文献3又は4に記載の技術は、その実用性について不明である。
本発明は、押出機内で混練したときに容易に崩壊し、押出機から押し出したときの発泡性に優れた発泡体用ペレットの製造方法を提供するものであって、その特徴とするところは、紙粉60〜20重量%と澱粉40〜80重量%とを混合して得た第1混合物100重量部に対し、濃度0.2〜2.0重量%の浸透剤を含む濃度2〜5重量%のポリビニルアルコール(以下、PVAと言う)水溶液50〜70重量部を添加して全体を均一に混合して第2混合物となし、この第2混合物を造粒機を用いて細く短い紐状の成形体を成形したのち、前記成形体を含水率10〜22%となるように乾燥させることである。
本発明に使用する紙粉は、紙・板紙を細かく破砕したもの、あるいは、紙・板紙の解繊物であるが、古紙を使用すれば原料コストを下げることができる。また一般に、回収された古紙はほとんどが製紙原料に使用されているが、製紙原料にならないもの(いわゆる低級古紙)も、本発明の紙粉用材料に使用できる。
紙粉の大きさは、特に限定されるものではないが、粒子径20〜100μmとするのが望ましい。このような紙粉を製造する手段として、特許第3738367号に記載する粉砕機を用いればよい。
本発明において使用する澱粉は、コーンスターチを用いるのが原料コストの面から見て有利であるが、他に馬鈴薯澱粉・小麦澱粉・タピオカ澱粉等、異なる植物由来の澱粉を用いることも妨げない。
本発明に基づき紙と澱粉とを用いた発泡体用ペレットを製造するにあたり、紙粉の重量比率を澱粉よりも大きくすることを妨げるものではないが、紙粉の重量比率が澱粉よりも大きくなると、製品の発泡性が悪くなり気泡形状も荒くなる傾向にある。そこで紙粉比率を澱粉よりも低く抑えることが望ましく、具体的には紙粉:澱粉=2:8〜4:6(重量比)の範囲に設定するとよい。なお、紙粉比率を低くすると弾力性が高まるので、建築材に適用したときの施工性が向上する利点も得られる。
PVA水溶液の濃度を2〜5重量%とした理由は、PVAの濃度が2%より低い場合、紙粉及び澱粉から成る原料粉体の結合力が弱くなって、ペレットが脆くなりやすい。反対にPVA濃度が5%を超えると、ペレット表面の粘着性が高くなり、ペレットが硬くなりやすくなるからである。
またPVA水溶液の添加量を50〜70重量部とした理由は、PVA水溶液の添加量が50重量部より少ない場合は、造粒時のペレットの結合力が弱くなって、押し出されたペレットが脆くなる可能性がある。反対に、PVA水溶液の添加量が70重量部を超えると、水分過多のため、造粒機から押し出したペレットがくっつきやすくなり、固まりを発生させる可能性があるからである。
なお前記特許文献3,4に記載するように、PVA粉末を紙粉や澱粉に添加したのち、水を加えて混練する方法では、PVAは常温では溶けにくいため、原料混合物中でPVAはあまり溶解していないと考えられ、造粒時のバインダーとしてPVAは有効に機能していないと推測される。その結果、造粒に強い圧力が必要となるため、得られたペレットは、硬く崩壊しにくくなると思われる。
これに対し本発明では、あらかじめPVAを完全に溶解させた水溶液とし、これを紙粉及び澱粉の混合物に添加する手順を採用しているので、PVAを高濃度としなくても、PVAを原料粒子全体に浸透させてバインダー機能を確実に発揮させることが可能である。それ故、比較的弱い力でペレット粒子を成形可能であるから、押出発泡時にシリンダー内で確実に崩壊するペレットを得ることができる。
ところでPVAについては、重合度が500〜2000、ケン化度が86〜90モル%のものを用いると、水に対する溶解性が良好であり、水溶液を作りやすいという利点が得られる。
PVA水溶液に添加する浸透剤は、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤を用いることができる。前者のアニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキルナフタレンスルホン酸塩・ジアルキルスルホコハク酸塩などが用いられ、後者のノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどが使用可能である。
なお浸透剤の濃度を0.2〜2.0%とした理由は、濃度が0.2%よりも小さいと、ペレットに十分な吸水性を与えるのが難しくなり、押出機内で未溶融のペレットを発生させやすくなる。反対に、浸透剤濃度が2%を超えると、ペレットの吸水性能は確保されるが、発泡性能に悪影響を及ぼして発泡倍率を低下させるおそれがあるからである。
また前記成形体を乾燥させて、その含水率を10〜22%となるように調整する。含水率を上記範囲とする理由は、含水率が10%未満であると、押出発泡工程において、押出機内で十分に吸水せずに溶融しないペレットが発生しやすくなる。反対に含水率が22%を超えると、押出発泡工程において水分過多となり、発泡が不十分になったり、発泡体が収縮したりする可能性がある。また含水率が高くなると、ペレットの保存性が悪くなる傾向があるからである。
本発明では、紙粉と澱粉とを混合して得た第1混合物に対し、PVA水溶液を加えて混合した第2混合物を、造粒機を用いて短い紐状の成形体に成形するが、その長さは10〜100mm、太さは1.5〜2.5mmの範囲とするのが望ましい。その理由は、押出機ではシリンダー内の背圧により入口側への空気の逆流が発生しており、ペレットが小さいと、逆流する空気でペレットが押し戻されて浮き上がる現象を生じる。それ故、ペレットの太さが1.5mm未満のときは、上に述べた浮き上がり現象のため、押出発泡工程において押出機内へのペレットの供給量が低下し、発泡性が悪くなる可能性があるからである。反対に、ペレットが大きすぎると、ペレット製造時の乾燥工程に長時間を要するので、ペレットの生産性が低下する可能性がある。その上、大型のペレットは、押出機内へ投入したのち、吸水して溶融するまでに時間がかかるため、発泡体中に未溶融のペレットを残留させやすくなるという問題を生じさせる。このような理由から、ペレット太さは2.5mm以下とするのが望ましい。
前記の如くして得られた紐状の成形体に、乾燥処理を施すことにより、目的とするペレットが得られる。紐状成形体は、乾燥工程やその他の処理工程中に適当に切断され、最終的に、長さ3〜20mm、太さ1.5〜2.5mmの発泡体用ペレットとなる。
ところで、前記ペレットの製造方法において、PVA水溶液の代わりに、カルボキシメチルセルロース水溶液を使用することが考えられる。この場合、カルボキシメチルセルロース水溶液は、濃度0.2〜2.0重量%の浸透剤を含む濃度1〜4%のものを用い、これを前記第1混合物100重量部に対し、50〜70重量部を添加するものとする。
本発明では、紙粉と澱粉とを混合して得た第1混合物に、浸透剤を含むPVA水溶液を添加して全体を均一に混合する。PVA水溶液は適度の粘性を有するから、紙粉と澱粉とを接合するバインダーとして機能する。PVA水溶液に添加した浸透剤は、紙粉及び澱粉とPVA水溶液との馴染みを良好にして、これらの分散を促進する。しかも、第1混合物に対するPVA水溶液の配合比率は、比較的大きい。故に第2混合物は、紙粉と澱粉とが均一に分散し、且つ、PVAの有する粘性で緩やかに連結されて、所要の保形性を備える成形材料となる。よって、この第2混合物を造粒機で造粒することにより、高い圧力を付与することなく、形状の安定した成形体を容易に得ることができる。
こうして得られた成形体を乾燥させれば目的とするペレットが製造されるが、上に述べた如く、第2混合物の成形には高い圧力を作用させる必要がないため、乾燥後に得られるペレットは、軟質で密度が小さく、且つ隙間の多い多孔質組織となる。また従来のように、加熱により澱粉の一部が糊化して、糊化澱粉粒子を生成することもない。要するに本発明により製造されるペレットは、通常の状態では形状が安定しており、押出機に水と共に投入して混練すると、優れた吸水性と崩壊性とを発揮して、紙粉は均一に分散し、澱粉はその全部を確実に糊化させることが可能である。それ故、このペレットを用いて発泡体を製造すれば、押出機やダイ装置に目詰まりを引き起こすおそれがなく、発泡体製品中に未崩壊粒子を存在させることがない。また本発明では、発泡作用を阻害する無機化合物原料を使用しないから、高い発泡倍率を容易に得ることができる。
本発明に係るペレットの製造方法の一例を以下に説明する。
まず、原料となる紙粉と澱粉とを準備する。紙粉は、古紙等の紙製品を、例えば特許第3738367号に記載した粉砕機を用いて、20〜100μmの大きさに微粉砕したものを用いる。澱粉は、例えばコーンスターチを用いる。
上記紙粉60〜20重量部と、澱粉40〜80重量部とを混合機で予め均一に混合し、第1混合物とする。
この第1混合物100重量部に対し、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤から成る浸透剤を濃度0.2〜2.0重量%含む、濃度2〜5重量%に調整したPVA水溶液を50〜70重量部添加し、均一になるよう混合する。PVAには、重合度500〜2000、ケン化度86〜90モル%のものを使用する。これにより、紙粉及び澱粉が均一に分散し、且つ、これら粉体粒子がPVAにより比較的緩やかに連結されて適度の保形性を発揮する第2混合物が得られる。
続いて上記第2混合物を、例えば押出式造粒機に投入して造粒する。押出式造粒機は、内蔵されたスクリューで原料を先端方向へ運び、先端部に取り付けた多孔板の多数の開孔から原料を押し出すことにより、細い紐状の成形体を押出成形するものである。紙粉・澱粉・PVA水溶液を前述の比率で配合して成る第2混合物は、それほど強い結合力も粘性も持たないから、押出式造粒機の先端部に取り付けた多孔板の開孔から細い紐状に押し出すと、開孔から押し出された後、自重により10〜100mm程度の長さに切断される。
こうして得られた短い紐状の成形体を、乾燥機又は自然乾燥(風乾)により乾燥させ、水分率10〜22%程度に調整することにより、目的とする発泡体用ペレットを製造することができる。
このペレットは、乾燥工程やその他の処理工程中に適当に切断される結果、長さ約3〜20mm、太さ約1.5〜2.5mmとなる。また、嵩比重は0.3〜0.5である。
ところで、押出式造粒機における多孔板の開孔の直径は、1.5〜2.5mm程度に設定される。開孔径が小さ過ぎる場合、混合物を押し出す際に高圧が作用し、押出成形したペレットが硬くなって吸水速度が遅くなる。また、スクリューの剪断力によって発生する熱で混合物が加熱され、澱粉の一部を糊化させる可能性がある。いずれにしても、造粒したペレットが未崩壊粒子を生成するおそれがある。
反対に開孔径が大きすぎる場合は、造粒されるペレットの直径が太くなり、体積の大きいペレットとなるため、乾燥に長時間を要するという問題を招く。また、体積が大きいペレットは、押出機内で混練する際に崩壊しにくいので、未崩壊粒子を残存させるおそれがある。
前記の方法により製造されたペレットは、押出機を用いた発泡体の製造に使用される。押出機には、例えば、シリンダーに水を注入できる水添加装置(例えば液添加ポンプ等)が付属した汎用の2軸押出機が用いられる。押出機に、当該ペレットとポリプロピレン等の合成樹脂原料と水とを投入し、これらを加熱混練する。ペレットは水を吸収して崩壊し、ペレット中の紙粉は分散し、澱粉は水と加熱されて糊化し、合成樹脂は熱により融解する。こうして溶融して均一化された原料混合物は、押出機先端部に取り付けたダイ装置から押し出される。溶融混合物は、押し出されると同時に水蒸気圧で発泡して膨張したのち、直ちに気化熱の放出により冷却されて固化し、発泡体製品となる。
本発明に係るペレットの製造方法では、紙粉及び澱粉に対するPVA水溶液の配合比率を高く設定したので、造粒時に混合物に作用する圧力を弱くでき、その結果、ペレットは、軟質で隙間が多く吸水速度の速い組織となる。また、PVA水溶液中に添加した浸透剤が、吸水作用を促進する働きを持つ。よって本発明に係るペレットによれば、押出機内へ投入して混練したときに、効率よく水を吸収して容易に崩壊するから確実に溶解し、ダイ装置の目詰まりを引き起こしたり、発泡体中に未崩壊粒子を残したりするおそれがない。
[ペレット製造工程]
(1)古紙を粉砕して粒径を約20〜100μmとした紙粉40重量部と、コーンスターチ60重量部とを混合機に投入し、均一に混合して第1混合物とする。
(2)上記第1混合物100重量部に対し、浸透剤0.5重量%を含む濃度3.5重量%PVA水溶液65重量部を加え、十分に混合して、第2混合物とする。
用いたPVAの重合度は1000、ケン化度は86〜90モル%であった。
浸透剤にはノニオン性界面活性剤(エマルゲン709:花王株式会社製)を用いた。
(3)得られた第2混合物を押出式造粒機に投入し、先端部に取り付けた多孔板から押し出すことにより、長さ10〜100mmの細い紐状の成形体を湿式造粒した。多孔板の開孔の直径は2mmであった。
(4)引き続き、造粒により得られた成形体を乾燥させて水分率12〜18%に調整し、目的とするペレットを得た。(なお上記水分率は、株式会社ケット科学研究所製の赤外線水分計を用いて測定したウェットベースの値である。)
[発泡体製造工程]
2軸押出機(株式会社ティエスピー社製MTE77)を使用し、これに前記ペレット及びポリプロピレン粉末とを、ペレット52重量%に対しポリプロピレン48重量%の配合比率で投入し、これら100重量部に対し、水5.5重量部を注入する。
引き続き、押出機におけるシリンダーの最高部分温度175°C、スクリュー回転数260rpmに設定して、前記原料を加熱混練しつつ、先端部に設置したダイ装置から溶融混合物を押し出す。これにより、溶融混合物内の水蒸気が即座に膨張して発泡し、ダイ装置で規定される断面形状の発泡体が製造される。
本発明に係るペレットは、押出機内で容易に崩壊して確実に溶融する。それ故、押出成形した発泡体の性状や外観が、未崩壊粒子で損なわれるおそれがない。
また、ダイ装置に装着した多孔板から発泡体を押出成形する場合、未崩壊粒子が存在すると、それで多孔板の開孔が目詰まりを起こし、その個所で発泡体中に空洞が生じ、この空洞が製品外観を損ねたり、発泡体を断熱材に適用する場合の断熱性能を低下させたりするという問題が有った。しかるに本発明によれば、未崩壊粒子を残存させるおそれがないから、上記の問題が解消される。

Claims (4)

  1. 押出発泡体の製造原料となるペレットを製造するための方法であって、
    紙粉60〜20重量%と澱粉40〜80重量%とを混合して得た第1混合物100重量部に対し、
    濃度0.2〜2.0重量%の浸透剤を含む濃度2〜5重量%のポリビニルアルコール水溶液50〜70重量部を添加して全体を均一に混合して第2混合物となし、
    前記第2混合物を造粒機を用いて細く短い紐状の成形体を成形したのち、
    前記成形体を含水率10〜22%となるように乾燥させることを特徴とする発泡体用ペレットの製造方法。
  2. 前記ポリビニルアルコールは重合度が500〜2000、ケン化度が86〜90モル%である請求項1に記載する発泡体用ペレットの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法において、前記第1混合物100重量部に対し、前記ポリビニルアルコール水溶液に代え、濃度0.2〜2.0重量%の浸透剤を含む濃度1〜5重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50〜70重量部を添加して前記第2混合物となすことを特徴とする発泡体用ペレットの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造された長さ3〜20mm、太さ1.5〜2.5mmの発泡体用ペレット。
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