JP7143929B2 - 発泡シート、製造物及び発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Description
することができる。
一実施形態に係る発泡シートは、ポリ乳酸を含む組成物(ポリ乳酸系組成物)を発泡させて生成したポリ乳酸発泡体であり、緩衝係数が10以下となる時の圧縮応力が0.2Mpa以下であり、シート厚みを2mmとした時の突刺強度が2N以上である。
即ち、圧縮応力の測定装置としては、島津製作所製の万能試験機AG-50X、AGS-5kNX、及び5kNの校正されたロードセルを使用する。
ロール、又はシートから均等に直径50mmの円を、打ち抜き又は切り取りを実施する。シートが薄い場合は、シートを複数枚重ねた場合に25mm~35mm(万能試験機に加圧板と固定した支持板の間に試料を挟み、2.9N~3.0Nの力を加えた場合)となるように必要な枚数を打ち抜き又は切り取りを実施する。シートを加圧板と支持板の間に挟み、速度(100±20)mm/分で試験片の厚さの(40±1)%まで加圧する。応力が0.3Mpaまで到達しない場合は、圧縮量を厚さの70%まで変更してもよい。
また、その時の1回目の圧縮の測定値を元に緩衝係数をJIS Z 0235:2002及びISO4651に準拠して求める。上記を3回繰り返し、3回の平均値を元に緩衝係数を求める。
即ち、試験片は上下面が平行で、50mm四方かつ厚み約25mmの直方体とし、試料が薄い場合には、積み重ねて約25mmの厚さとする。ノギスを用いて、初期厚みを測定する。試験片は3個とする。表面が平滑かつ力を受けても曲がることのない十分な厚さを持つ2枚の平行な平面板と4個以上のボルトとナットからなり、試験片の初期厚みから25%だけ圧縮できる構造の圧縮装置に試験片を挟む。そして、初期厚みから25%圧縮された状態で(23±2)℃、相対湿度(50±5)%下に連続で22時間放置する。その後、圧縮装置から試料を取り外し、(23±2)℃、相対湿度(50±5)%に24時間放置した後、初期厚みを測った箇所と同じ箇所の厚みを測定する。圧縮永久ひずみは、下記式(I)より算出する。
圧縮永久ひずみ=(初期厚み-試験後厚み)/初期厚み×100 ・・・(I)
即ち、試験片を治具で固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を例えば島津製作所製の万能試験機AG-50X、AGS-5kNX及び50Nのロードセルを用いて試験速度(50±5)mm/minで突き刺し、針が貫通するまでの最大力(単位:N)を測定する。試験片の数は5個以上とし、製品の全幅にわたって平均するように採取する。
ポリ乳酸は、脂肪族ポリエステル樹脂の1つであり、乳酸がエステル結合によって重合して形成した高分子である。ポリ乳酸は、微生物により生分解されるので、環境に優しく、環境負荷が低い高分子材料として自然界に残留するマイクロプラスチックとの関係で利用されている。
(測定条件)
・装置:HLC-8320(東ソー製)
・カラム:TSKgel SuperHM-N(東ソー社製)×4本
・検出器:RI
・測定温度:40℃
・移動相:テトラヒドロフラン
・流量:0.6mL/min
(GCMSによる測定)
・GCMS:QP2010 補器 フロンティア・ラボPy3030D、株式会社島津製作所製
・分離カラム:フロンティア・ラボUltra ALLOY UA5-30M-0.25F
・試料加熱温度:300℃
・カラムオーブン温度:50℃(1分保持)~昇温速度15℃/分~320℃(6分保持)
・イオン化法:Electron Ionization(E.I)法
・検出質量範囲:25~700(m/z)
フィラーは、一実施形態に係る発泡シートに含まれる泡の大きさ及び量等を調節する機能を有し、発泡核剤として用いることができる。一実施形態に係る発泡シートは、フィラーを含むことで、発泡シート中の発泡径を細かく均一な状態とすることができるため、突刺強度と緩衝性を両立できる。
その他の成分としては、通常、発泡シートに含有され、かつ生分解性能に影響のない範囲の添加量であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル樹脂、発泡状態を制御する目的で加えるポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)及びポリスチレン等の高分子量ポリマー、架橋剤、その他の目的で添加する添加剤等が挙げられるが、その限りではない。
ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート・アジペート)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤としては、ポリ乳酸の水酸基及び/又はカルボン酸基と反応性を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、エポキシ系架橋剤(エポキシ基を有する架橋剤)又はイソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤)が好ましく用いられる。これらの架橋剤としては、例えば、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤、又は分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが好ましい。ポリ乳酸に分岐構造を導入し、溶融強度を効率的に向上でき、未反応物の残留を少なくできる点から、分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル-スチレン系架橋剤、分子内に3つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートがより好ましい。このような架橋剤を用いると、気泡の合一、破泡を抑制でき、発泡倍率を向上させることができる。
添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
一実施形態に係る発泡シートの物性として、かさ密度、発泡倍率、平均発泡径、シート厚み及び残存揮発成分量について説明する。
一実施形態に係る発泡シートのかさ密度は、0.025g/cm3~0.250g/cm3が好ましく、0.031g/cm3~0.125g/cm3がより好ましく、0.036g/cm3~0.083g/cm3が更に好ましい。かさ密度が上記の好ましい範囲内であれば、一実施形態に係る発泡シートは、シート強度と緩衝性とを優れたバランスで有することができる。
一実施形態に係る発泡シートの発泡倍率は、5倍~50倍が好ましく、10倍~40倍がより好ましく、15倍~35倍がさらに好ましい。発泡倍率が上記の好ましい範囲内であれば、一実施形態に係る発泡シートは、緩衝性能と強度を維持できる。
発泡倍率=真密度(ρ0)/かさ密度(ρ1) ・・・(1)
一実施形態に係る発泡シートの平均発泡径は、かさ密度にもよるが、10μm~200μmが好ましく、より好ましくは20μm~100μmであり、さらに好ましくは30μm~80μmである。
一実施形態に係る発泡シートのシート厚みは、1.0mm~10.0mmが好ましく、1.5mm~7.0mmがより好ましく、2.0mm~5.0mmがさらに好ましい。シート厚みが上記の好ましい範囲内であれば、一実施形態に係る発泡シートは、発泡を微細かつ均一にできるため、一実施形態に係る発泡シートは容易に成形できると共に、十分な緩衝性を有することができる。
一実施形態に係る発泡シートの製造方法は、混練工程と、発泡工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。一実施形態に係る発泡シートの製造方法は、混練工程と発泡工程とを同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
混練工程では、圧縮性流体の存在下において、ポリ乳酸とフィラーとを、ポリ乳酸の融点より低い温度で混練する。混練工程においては、発泡をより効率的に進めるため、ポリ乳酸及びフィラーに加えて、発泡剤を入れることが好ましい。なお、ポリ乳酸、フィラー及び発泡剤を含み、発泡させる前の混合物をポリ乳酸系組成物(マスターバッチ)ともいう。
発泡剤としては、高い発泡倍率の発泡シートが得られ易い点において、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の低級アルカン等の炭化水素類、ジメチルエーテル等のエーテル類、メチルクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類、二酸化炭素、窒素等の圧縮性流体(圧縮性ガスともいう)等の物理発泡剤等が挙げられる。これらの中でも、臭気がなく、安全に取り扱え、環境負荷が低い発泡剤とする点から、二酸化炭素や窒素等の圧縮性流体を用いることが好ましい。これにより、一実施形態に係る発泡シートには、沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物が実質的に含まれない。すなわち、沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物の含有量は、実質0質量%となる。
参照)。
圧縮性流体の状態で用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、エチレン、ジメチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であること等の点から好ましい。これらの圧縮性流体は、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリ乳酸系組成物の製造に用いられる混練装置としては、連続プロセスを採用することもできるし、回分式プロセスを採用することもできるが、装置効率、及び製品の特性、品質等を勘案し、適宜、反応プロセスを選択することが好ましい。
原材料混合及び溶融エリアaでは、ポリ乳酸、フィラーの混合と昇温を行う。加熱温度はポリ乳酸の溶融温度以上に設定して、ポリ乳酸を溶融させ、溶融したポリ乳酸内にフィラーを含むポリ乳酸系組成物とする。これにより、続く圧縮性流体供給エリアbで押出機11内に供給される圧縮性流体とポリ乳酸系組成物を均一に混合できる状態にする。
圧縮性流体供給エリアbでは、押出機11内に圧縮性流体を供給して、ポリ乳酸系組成物に含まれる溶融状態のポリ乳酸を可塑化させる。
混練エリアcでは、フィラーの混練に好適な粘度となるように、混練エリアcの温度を設定する。設定温度は、連続式混練装置10の仕様、ポリ乳酸の種類、構造、分子量等で変動するため、適宜調整される。例えば、ポリ乳酸の重量平均分子量Mwが200000程度である場合、混練は一般にポリ乳酸の融点よりも+10℃~+20℃で行われていた。これに対して、本実施形態は、ポリ乳酸の融点より低い温度でも、ポリ乳酸系組成物は比較的高い粘度を有するため、ポリ乳酸系組成物をポリ乳酸の融点より低い温度で混練できる。
圧縮性流体除去エリアdでは、押出機11に設けた圧力弁14を開放して、押出機11内の圧縮性流体を外部に排出する。
成形加工エリアeでは、ポリ乳酸系組成物を、ペレット等の適宜任意の形状を有するポリ乳酸系組成物に成形加工する。
発泡工程は、ポリ乳酸系組成物に含まれる圧縮性流体を除去して、ポリ乳酸系組成物を発泡させる。
その他の工程としては、通常の発泡シートの製造において行われる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ乳酸発泡体を発泡シートに加工する成形工程、発泡シートの表面に印字等を施す印字工程等が挙げられる。
一実施形態に係る製造物は、一実施形態に係る発泡シートを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。その他の成分としては、通常の樹脂製品に用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
[発泡シートの作製]
発泡シートは、図3に示す連続式混練装置10及び図4に示す連続式発泡シート化装置を用いて行ったため、図3及び図4を参照して説明する。
ポリ乳酸系組成物は、図3に示す連続式混練装置10を用いて行った。まず、ポリ乳酸(Revode110、HISUN社製、融点160℃)と、フィラー(発泡核剤)である酸化チタン(TTO-55(C)、石原産業株式会社製、平均粒子径0.004μm)とを、フィラーの流量が合計で10kg/hとなるように、原材料混合・溶融エリアaに供給した。ポリ乳酸の流量は9.7kg/hとし、フィラーの流量は0.3kg/hとした。次に、圧縮性流体である二酸化炭素を流量0.99kg/h(対ポリ乳酸で10質量%相当)で圧縮性流体供給エリアbに供給した。次に、ポリ乳酸及びフィラーと圧縮性流体とを混練エリアcにおいて混練を行い、3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸系組成物を得た。次いで、圧縮性流体除去エリアdで押出機11内の圧縮性流体を排気し、成形加工エリアeで3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸系組成物をストランド状に押出して冷却した後、カッターでペレタイズした。これにより、3質量%のフィラーを含有するポリ乳酸発泡体(3質量%フィラー含有マスターバッチ)を得た。
-フィラー粗大粒子数-
マスターバッチ50mgを再溶融して10μmの薄膜状とした。得られた薄膜を光学顕微鏡(ニコン社製、FX-21、倍率100倍)で、粒子径10μm以上の大きさのフィラーに起因する粗大粒子の個数を数えた。この操作を5回分行い、平均値をフィラー粗大粒子数とした。
次に、図4に示す連続式発泡シート化装置20を用いた。連続式発泡シート化装置20は、第1押出機21Aと、第2押出機21Bとを直列に接続して備える。(マスターバッチの作製)で、図3に示す連続式混練装置10で得られた3質量%フィラー含有マスターバッチを定量フィーダー22Aに供給し、ポリ乳酸(Revode110、HISUN社製、融点160℃)を定量フィーダー22Bに供給した。そして、3質量%フィラー含有マスターバッチとポリ乳酸を、これらの流量が合計で10kg/hrとなるように、第1押出機21Aの原材料混合・溶融エリアaに供給した。フィラーの流量が0.5質量%になるように、得られた3質量%フィラー含有マスターバッチの流量は1.67kg/hとし、ポリ乳酸の流量は8.33kg/hとした。
実施例1において、フィラー量を表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行い、実施例2及び3の発泡シートを作製した。
実施例1において、フィラーの種類をシリカ(QSG-30、信越化学工業株式会社製、平均粒子径0.004μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして行い、発泡シートを作製した。
実施例1において、架橋剤の種類をグリシジルエステル含有架橋剤(Joncryl 4368C、BASF社)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行い、発泡シートを作製した。
実施例1において、フィードを8kg/Hrに変更したこと以外は実施例1と同様にして行い、厚みが0.8mmの発泡シートを作製した。
実施例1において、フィラー及び架橋剤を含めなかったこと以外は、実施例1と同様にして行い、発泡シートを作製した。
実施例1において、フィラーを重質炭酸カルシウム(ソフトン2200、白石カルシウム株式会社製、個数平均粒子径1.000μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして行い、発泡シートを作製した。なお、混練後のフィラーの個数平均粒子径は、0.420μmであった。
実施例5において、架橋剤の含有量を変更したこと以外は、実施例5と同様にして行い、発泡シートを作製した。
得られた発泡シートの物性として、かさ密度、平均発泡径、シート厚み、緩衝係数及び突刺強度を測定した。測定結果を表1に示す。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡シートの外形寸法からかさ体積を求めた。次いで、この発泡シートの重量(g)を精秤した。下記式(2)の通り、発泡シートの重量をかさ体積で除することにより、かさ密度を求めた。
かさ密度=発泡シートの重量/発泡シートのかさ体積 ・・・(2)
得られた発泡シートをイオンミリング装置にて断面加工を行い、断面のSEM観察を行った。得られた断面SEM写真(倍率3000倍)は、Image-Pro Premier(mediacy社製)のソフトを使用し、発泡(空隙)に該当する灰色成分と樹脂成分(白色)を二値化し、35μm×20μmの範囲で平均粒子径(フェレ径)を求め、フェレ径0.5μm以上の灰色成分(発泡)について、平均発泡径を算出した。平均発泡径は、3箇所の発泡の平均値とした。
得られた発泡シートをイオンミリング装置にて断面加工を行い、断面のSEM観察を行った。得られた断面SEM写真(倍率100倍)にて、Image-Pro Premier(mediacy社製)のソフトを使用した。そして、1視野として1mmの範囲を10回測定して、1視野の平均値を算出した。これを3視野で行い、3視野の平均値を、シート厚みとした。
得られた発泡シート1質量部に2-プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、組成物中の揮発成分を抽出した。保存した分散物の上澄み液をガスクロマトグラフィー(GC-14A、株式会社島津製作所製)で分析し、組成物中の揮発成分を定量して測定した。リファレンスとして、ポリ乳酸樹脂(Revode110)を同様の手順にて測定し、リファレンス以下であれば検出下限とみなす。揮発成分が検出下限値以下の場合には〇と評価し、揮発成分が検出下限値を超えた場合には×と評価した。
(測定条件)
・装置:GC-14A(島津製作所製)
・カラム:CBP20-M 50-0.25
・検出器:FID
・注入量:1μL~5μL
・キャリアガス:He 2.5kg/cm2
・水素流量:0.6kg/cm2
・空気流量:0.5kg/cm2
・チャートスピード:5mm/min
・感度:Range101×Atten20
・カラム温度:40℃
・Injection Temp:150℃
得られた発泡シートの緩衝性を緩衝係数により評価した。
緩衝係数を求めるに当たり、まず、圧縮応力を測定した。圧縮応力の測定装置としては、万能試験機(AG-50X、島津製作所製)と5kNの校正されたロードセルを使用した。シートから均等に直径50mmの円を打ち抜いた。このとき、万能試験機に加圧板と固定した支持板の間に試料を挟んで2.9N~3.0Nの力を加えた場合にシートの厚みが25mm~35mmとなるように、必要な枚数を打ち抜いた。シートを加圧板と支持板の間に挟み、速度(100±20)mm/分で試験片の厚さの(40±1)%まで加圧した。なお、応力が0.3Mpaまで到達しない場合は、圧縮量を厚さの70%まで変更した。そして、その時の1回目の圧縮応力の測定値を元に、緩衝係数を、JIS Z 0235:2002及びISO4651に準拠して求めた。上記操作を3回繰り返し、緩衝係数の3回の平均値を求めた。求めた3回の緩衝係数の平均値を発泡シートの緩衝係数として、下記評価基準により評価した。緩衝係数は、圧縮応力が0.02MPa超えて0.05MPa以下である場合(圧縮応力A)と、0.05MPa超えて0.2MPa以下である場合(圧縮応力B)と、圧縮応力が0.2MPa超えて0.3MPa以下である場合(圧縮応力C)とで測定した。
緩衝係数=圧縮応力/単位体積当たりの圧縮エネルギー ・・・(3)
(評価基準)
◎:圧縮応力A、B及びCで緩衝係数が何れも10以下
〇:圧縮応力A、Bで緩衝係数が10以下であるが、圧縮応力Cで緩衝係数が10以下でない
△:圧縮応力Aで緩衝係数が10以下であるが、圧縮応力B及びCで緩衝係数が10以下でない
×:圧縮応力A、B及びCで緩衝係数が何れも10以下でない
発泡シートのシート厚みを2mmとしたサンプルを用いて、JIS Z 1707に準拠して突刺強度を求めた。突刺強度より発泡シートのシート強度を評価した。
20 連続式発泡シート化装置
Claims (13)
- ポリ乳酸及びフィラーを含み、
緩衝係数が10以下となる時の圧縮応力が、0.2Mpa以下であり、
シート厚みを2mmとした時の突刺強度が、2N以上である発泡シート。 - 前記圧縮応力が、0.05Mpa以下である請求項1に記載の発泡シート。
- 前記突刺強度が、5N以下である請求項1又は2に記載の発泡シート。
- 前記突刺強度が、3N以上である請求項1~3の何れか一項に記載の発泡シート。
- シート厚みが、1mm~10mmである請求項1~4の何れか一項に記載の発泡シート。
- かさ密度が、0.025g/cm3~0.250g/cm3である請求項1~5の何れか一項に記載の発泡シート。
- 沸点が-20℃以上150℃未満の有機化合物を実質的に含まない請求項1~6の何れか一項に記載の発泡シート。
- 前記ポリ乳酸の含有量が、前記発泡シート中の有機物の全量に対して、98質量%以上である請求項1~7の何れか一項に記載の発泡シート。
- 前記フィラーの含有量が、0.1質量%~5.0質量%である請求項1~8の何れか一項に記載の発泡シート。
- 請求項1~9の何れか一項に記載の発泡シートを含む製造物。
- 袋、包装容器、食器、カトラリー、文房具及び緩衝材から選択される少なくとも1種である請求項10に記載の製造物。
- 圧縮性流体の存在下において、ポリ乳酸とフィラーとを、前記ポリ乳酸の融点より低い温度で混練してポリ乳酸系組成物を得る混練工程と、
前記ポリ乳酸系組成物から圧縮性流体を除去するときに前記ポリ乳酸系組成物を発泡させて発泡シートを得る発泡工程と、
を含み、
前記発泡シートが、請求項1~9の何れか一項に記載の発泡シートである発泡シートの製造方法。 - 前記圧縮性流体が、二酸化炭素である請求項12に記載の発泡シートの製造方法。
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