JP2014025494A - 断熱材、断熱材の製造方法及び断熱材を用いた断熱箱 - Google Patents

断熱材、断熱材の製造方法及び断熱材を用いた断熱箱 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱性能を向上させた断熱材、断熱材の製造方法及び断熱材を用いた断熱箱を提供することを目的としている。
【解決手段】樹脂繊維をシート状に形成した樹脂繊維集合体を有する芯材と、当該芯材を収容する外包材とを有し、外包材の内部を減圧密封した断熱材において、芯材の樹脂繊維集合体は、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下のスチレン系樹脂繊維である。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材、断熱材の製造方法及び断熱材を用いた断熱箱に関するものである。
従来、冷蔵庫などの断熱材として用いられている断熱材には、芯材にポリスチレン繊維を用いた内包材を減圧状態で外包材に収容したものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2010−25182号公報(たとえば、図1及び図2参照)
特許文献1に記載の技術のように、断熱材の芯材に用いられるポリスチレン繊維は、スパンボンド法やメルトブロー法などによって製造される。このポリスチレン繊維には、スチレンモノマーやエチルベンゼンなどの有機揮発性成分が、300(μg/g)以上含まれている。このため、特許文献1に記載の技術は、有機揮発性成分が断熱材内部で揮発して断熱材内部の真空度が低下し、断熱性能の高い断熱材を得ることができないという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、断熱性能を向上させた断熱材、断熱材の製造方法及び断熱材を用いた断熱箱を提供することを目的としている。
本発明に係る断熱材は、樹脂繊維をシート状に形成した樹脂繊維集合体を有する芯材と、当該芯材を収容する外包材とを有し、外包材の内部を減圧密封した断熱材において、芯材の樹脂繊維集合体は、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下のスチレン系樹脂繊維である。
本発明に係る断熱材によれば、芯材の樹脂繊維集合体が、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下であるため、外包材内に有機揮発性成分が放出されることが抑制され、真空度の悪化を抑制することができ、断熱性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る断熱材を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る樹脂繊維集合体の製造方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る樹脂繊維集合体中のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量と熱伝導率の関係を示す実験結果である。 本発明の実施の形態2に係る樹脂繊維集合体の製造方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係る断熱箱を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る真空断熱材1を示す断面図である。なお、以下の図面の説明において、各寸法の比率などは実際とは異なる。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌した上で判断するとともに、図相互間においても互いの寸法の関係や比率が実際の場合とは異なることもある。
本実施の形態1に係る真空断熱材1は、真空断熱材1の真空度の悪化を抑制し、断熱性能を向上させることを可能とする改良が加えられたものである。
[真空断熱材1の構成説明]
真空断熱材1は、複数枚のシート状の樹脂繊維集合体2を有する芯材3と、この芯材3を被覆するガスバリア性を有する外包材4と、外包材4の内部の水分を吸着して経時劣化を抑制する水分吸着剤5とを備えている。なお、ガスバリア性とは、水や空気などを透過させにくいことを指す。
(芯材3)
芯材3は、大気圧下において真空断熱材1が受ける圧力により、真空断熱材1が変形しないよう、真空断熱材1の形状を保持するものである。芯材3は、複数枚のシート状の樹脂繊維集合体2が積層されて構成されたものであり、図1の芯材3は4枚のシート状の樹脂繊維集合体2が積層されて構成されている場合を例に示している。なお、芯材3は、所定の厚みを確保することができるなら、1枚の樹脂繊維集合体2で構成してもよいし、或いは、たとえば5枚以上の樹脂繊維集合体2を積層して構成してもよい。
樹脂繊維集合体2は、スチレン系樹脂6で構成されているものである。樹脂繊維集合体2のスチレン系樹脂6の繊維中には、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分が含有されているが、この含有量は、100(μg/g)以下のものである。
スチレン系樹脂6は、たとえば、ポリスチレン(PS)樹脂を採用するとよい。その他に、スチレン系樹脂6として、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン (ABS)樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合(AS)樹脂などを採用してもよい。
(外包材4)
外包材4は、内部に芯材3及び水分吸着剤5が収容されているものである。外包材4の内部は、1〜3Pa(パスカル)の真空度に減圧されている。そして、外包材4を減圧させる際に利用される開口部(図示省略)についてはヒートシールなどにより塞がれ、外包材4が密封されている。なお、本実施の形態1では、外包材4が、積層された樹脂繊維集合体2の周囲を被覆するように樹脂繊維集合体2を収容している場合を例に説明したが、それに限定されるものではない。たとえば、外包材4は、個々の樹脂繊維集合体2を、それぞれ被覆するようなものであってもよい。
外包材4は、既存の真空断熱材に使用されている外包材であり、多層構造を有するものである。外包材4は、たとえば、内側の層からポリエチレン層、アルミ蒸着層、ポリエチレンテレフタレート層、そして、最外層に延伸ナイロン層が形成されてなるものである。
(水分吸着剤5)
水分吸着剤5は、外包材4の内部の水分を吸着して経時劣化を抑制するものであり、たとえば、通気性の良い袋に挿入された酸化カルシウム(CaO)などで構成されるものである。水分吸着剤5は、図1に示すように、たとえば樹脂繊維集合体2の外側面と、外包材4の内側面との間に挟まれるように設けられている。
[真空断熱材1の樹脂繊維集合体2の製造方法]
図2は、本実施の形態1に係る樹脂繊維集合体2の製造方法を示す模式図である。図2を参照して、実施の形態1に係る真空断熱材1の製造装置100の構成及び製造方法について説明する。なお、この図2の説明では、樹脂繊維集合体2の製造方法について説明するものとし、樹脂繊維集合体2以外である芯材3などの製造方法については省略する。
[製造装置100の構成説明]
製造装置100は、スチレン系樹脂6が投入される樹脂繊維紡糸装置7と、樹脂繊維紡糸装置7から吐出される繊維を搬送するコンベア8と、コンベア8から搬送された繊維を樹脂繊維集合体2に加工するエンボス熱ローラー9と、エンボス熱ローラー9から搬送された樹脂繊維集合体2を巻き取る巻き取りローラー12とを有している。
(樹脂繊維紡糸装置7)
樹脂繊維紡糸装置7は、スチレン系樹脂6のペレットが投入されると、このペレットを加熱させて溶融し、その後、樹脂繊維集合体2の元となる繊維を吐出する。
なお、樹脂繊維紡糸装置7は、樹脂繊維集合体2の繊維径が5〜20μmとなるように設定されていることが好ましく、また、樹脂繊維紡糸装置7の条件設定により、たとえば繊維径が10μmとしてもよい。これは、樹脂繊維集合体2の繊維径が5μm未満となると、紡糸時に糸切れが発生しやすくなる一方、樹脂繊維集合体2の繊維径が20μmを超えると、断熱性能が低下することを考慮したためである。したがって、紡糸性と断熱性能とのバランスを考慮すると、樹脂繊維集合体2の繊維径は5〜20μmとするのが好ましい。
(コンベア8)
コンベア8は、樹脂繊維紡糸装置7から吐出された繊維を、エンボス熱ローラー9側に搬送(図2の矢印A方向に搬送)するものである。
(エンボス熱ローラー9)
エンボス熱ローラー9は、加熱される上下2つのローラーからなる。すなわち、エンボス熱ローラー9は、上部ローラー10及び下部ローラー11を有し、コンベア8を介して搬送される繊維を熱融着させて樹脂繊維集合体2を生成するものである(サーマルボンド法)。
なお、上部ローラー10が図中矢印B方向に回転し、下部ローラー11が図中矢印C方向に回転しながら樹脂繊維をシート状の樹脂繊維集合体2に加工して送り出す。ここで、エンボス熱ローラー9の温度は、樹脂繊維集合体2を熱融着させることができる温度、たとえば100℃に設定されている。
(巻き取りローラー12)
巻き取りローラー12は、上部ローラー10及び下部ローラー11との間を通過して熱融着されたシート状の樹脂繊維集合体2を、図中矢印D方向に回転して巻き取るものである。
[製造装置100の動作説明]
スチレン系樹脂6のペレットを樹脂繊維紡糸装置7で加熱して溶融させる。溶融させたスチレン系樹脂6のペレットは、樹脂繊維紡糸装置7から吐出落下して紡糸され、コンベア8で捕集される。これにより、スチレン系樹脂6からなる樹脂繊維が連続的に得られる。
このようにして得られた樹脂繊維は、エンボス熱ローラー9に向かって図中矢印A方向にコンベア8によって搬送される。そして、上部ローラー10が図中矢印B方向に回転し、下部ローラー11が図中矢印C方向に回転しながら樹脂繊維を、シート状の樹脂繊維集合体2に加工して送り出す。
上部ローラー10と下部ローラー11との間を通過した樹脂繊維は、熱融着されてシート状の樹脂繊維集合体2に加工され、その後、巻き取りローラー12によって巻き取られる。
なお、本実施の形態1の真空断熱材の製造方法によれば、樹脂繊維集合体2の繊維結合加工として、エンボス熱ローラー9の熱により結合させる「サーマルボンド法」を用いたが、接着剤により結合させる「ケミカルボンド法」、かえしのある針を突き刺して機械的に結合させる「ニードルパンチ法」、高圧水流により繊維を絡み合わせる「スパンレース法」、加熱蒸気により結合させる「スチームジェット法」など、繊維を結合させるものであれば、特に限定されるものではない。
また、本発明の実施の形態1の真空断熱材の製造方法は、コンベアと紡糸装置とにより連続的に製造する方法に限定されず、繊維を紙のようにすいて樹脂繊維集合体を製造し、製造した樹脂繊維集合体を熱融着により一体化するなどのバッチ処理のような製造方法によっても製造可能である。
[製造装置100における加工後の処理について]
製造装置100における加工の後に、巻き取りローラー12によって巻き取られた樹脂繊維集合体2が任意の大きさに切り取られる。任意の大きさに切り取られた樹脂繊維集合体2は、加熱炉において加熱処理が行われ、この処理によって、スチレン系樹脂6により構成されている樹脂繊維集合体2は、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下になる。
ここで、加熱炉の温度は、樹脂繊維集合体2が含有しているスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量を、100(μg/g)以下にすることができる温度、たとえば80(℃)に設定されている。
また、加熱処理の時間は、樹脂繊維集合体2が含有しているスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量を、100(μg/g)以下にすることができる時間、たとえば10時間に設定されている。
なお、加熱炉の中は、乾燥空気が循環する機構を備えていてもよいし、炉内を大気圧下に減圧できる機構を備えていてもよく、樹脂繊維集合体2の、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量を同様に100(μg/g)以下にすることができる装置であれば、上記に限定されるものではない。
なお、樹脂繊維集合体2の、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)や、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)によって測定することができる。
そして、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下になった樹脂繊維集合体2を有する芯材3と、内部の水分を吸着して経時劣化を抑制する水分吸着剤5とをガスバリア性の外包材4に挿入し、外包材4の内部が1〜3Pa(パスカル)の真空度に減圧された状態で開口部がヒートシールなどにより密封されることにより、真空断熱材1を得ることができる。
[有機揮発性成分の総含有量と熱伝導率の関係]
図3は、実施の形態1に係る樹脂繊維集合体中のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量と熱伝導率の関係を示す実験結果である。図3の横軸は、樹脂繊維集合体2中の有機揮発性成分の含有量に対応し、図3の縦軸は、熱伝導率に対応している。
真空断熱材1の樹脂繊維集合体2には、スチレン系樹脂からなる樹脂繊維集合体中のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分を含有しているが、その総含有量が100(μg/g)以下である。これにより、樹脂繊維集合体2から揮発される有機揮発性成分を抑制することができ、真空断熱材1の真空度が悪化することを抑制することができる。そして、真空断熱材1の真空度の悪化を抑制することができる分、真空断熱材1の熱伝導率を低下させることができる。具体的には、熱伝導率を0.0020(W/(m・K))程度まで低下させることができる。
[実施の形態1に係る真空断熱材1及びその製造方法の有する効果]
従来の樹脂繊維集合体を芯材とする真空断熱材では、スチレンモノマーやエチルベンゼンなどの有機揮発性成分が、たとえば300(μg/g)以上含まれている。このような、真空断熱材では、真空断熱材内部で揮発される有機揮発性成分が多くなる分、真空断熱材内部の真空度が低下し、断熱性能の高い真空断熱材を得ることができない。
一方、本実施の形態1の真空断熱材1は、樹脂繊維集合体2のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下である。このため、有機揮発性成分の揮発量を抑制することができ、真空断熱材1の真空度が悪化することを抑制することができる。そして、真空断熱材1の真空度の悪化を抑制することができる分、真空断熱材1の熱伝導率を低下させることができ、断熱性能を向上させることができる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る樹脂繊維集合体2の製造方法を示す模式図である。本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
本実施の形態2に係る製造装置200は、樹脂繊維紡糸装置7内で発生する蒸気や揮発性成分を除去するためのベント13が設けられている。すなわち、ベント13により、発生した蒸気や揮発性成分は、樹脂繊維紡糸装置7内から樹脂繊維紡糸装置7外に吸い出され、樹脂繊維紡糸装置7から排出されるようになっている。
製造装置200では、スチレン系樹脂6のペレットを樹脂繊維紡糸装置7で加熱して溶融させた後、溶融したスチレン系樹脂6に水を加えてさらに混練する。この混練時には、水が蒸発するとともに、スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンなどの有機揮発性成分が蒸発することとなる。製造装置200は、ベント13を介して、この水及び有機揮発性成分を排出することができるようになっている。
そして、溶融したスチレン系樹脂6に水を加えてさらに混練する工程において、スチレン系樹脂6のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下となるようにしている。これは、たとえば、溶融したスチレン系樹脂6に水を加えて混練する工程の時間や、スチレン系樹脂6を加熱する温度などを調整することで実現することができる。
これにより、実施の形態1で説明した製造装置100における加工後の処理の工程について省略することができる。すなわち、実施の形態2では、巻き取りローラー12によって巻き取られた後に、加熱炉において加熱処理を行う必要がない。このため、真空断熱材1の製造工程時間を短縮することができるので、生産性が高く、かつ断熱性能の高い真空断熱材1を得ることができる。
なお、本実施の形態2の真空断熱材1の製造方法によれば、巻き取りローラー12によって巻き取られた後に、加熱炉において加熱処理を行う必要はないが、樹脂繊維集合体2中のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量をさらに下げる目的で、好ましくは50(μg/g)以下とする目的で、加熱炉において加熱処理を行ってもよい。すなわち、本実施の形態2においても、樹脂繊維集合体2中のスチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量をさらに下げるための工程を別途設けてもよい。
[実施の形態2に係る真空断熱材1及びその製造方法の有する効果]
実施の形態2に係る真空断熱材1及びその製造方法は、実施の形態1に係る真空断熱材1及びその製造方法の有する効果を奏することに加えて以下の効果を奏する。すなわち、巻き取りローラー12によって巻き取られた後に、加熱炉において加熱処理を行う必要がないため、生産性が高く、かつ断熱性能の高い真空断熱材1を得ることができる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る断熱箱20を示す模式図である。本実施の形態3では、実施の形態1、2との相違点を中心に説明するものとする。なお、図5は、断熱箱20の水平断面図である。実施の形態1、2では、真空断熱材1及びその製造方法について説明してきたが、この真空断熱材1を使用することで断熱性能の優れた断熱箱20を提供することができる。なお、本実施の形態3では、この断熱箱20が冷蔵庫に用いられる場合を例にして説明する。
断熱箱14は、たとえば冷蔵庫の扉の開閉などに伴って庫内温度が変化するような状況にあっても、断熱箱20の有する断熱性によって、断熱箱14内の貯蔵品の温度が変化してしまうことを抑制可能としている。
断熱箱14は、内箱15及び外箱16を有し、真空断熱材1が内箱15と外箱16との間に配置されている。なお、内箱15と外箱16との間の空間において、真空断熱材1以外の部分には発泡ウレタン真空断熱材17が充填されている。その他の冷蔵庫の部分は、一般的な冷蔵庫に用いられている部分と違いがないため、図示及び説明を省略する。
内箱15及び外箱16は、水平断面形状が、たとえば略四角形の箱状部材である。そして、内箱15は、その内部に食料品などの貯蔵品が収容される空間を有している。また、外箱16は、断熱箱20の外郭の少なくとも一部を構成しているものである。
真空断熱材1は、内箱15に対して密着し、内箱15の側面に沿うように断熱箱14に設けられている。そして、真空断熱材1は、内箱15の4つの側面にそれぞれ設けられている。
なお、断熱箱14は、図5に示すように、内箱15に真空断熱材1が密着しているものを示したが、外箱16に真空断熱材1が密着していてもよい。また、スペーサなどを用いて内箱15と外箱16との間に真空断熱材1が配置されていてもよい。
また、実施の形態1、2で示した真空断熱材1を冷蔵庫に用いた場合を示したが、これに限定するものでなく、たとえば、保温庫、車輌空調機、給湯器などの冷熱機器又は温熱機器、さらには、所定の形状を備えた箱体に代えて、変形自在な外袋及び内袋を備えた断熱袋、断熱容器にも用いてもよい。
なお、実施の形態1〜3は、適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
[実施の形態3に係る断熱箱20の有する効果]
実施の形態3に係る断熱箱20は、真空度の悪化を抑制することができる真空断熱材1を有しているので、断熱性能を向上させることができる。
1 真空断熱材、2 樹脂繊維集合体、3 芯材、4 外包材、5 水分吸着剤、6 スチレン系樹脂、7 樹脂繊維紡糸装置、8 コンベア、9 エンボス熱ローラー、10 上部ローラー、11 下部ローラー、12 巻き取りローラー、13 ベント、14 断熱箱、15 内箱、16 外箱、17 発泡ウレタン断熱材、20 断熱箱、100 製造装置、200 製造装置。

Claims (8)

  1. 樹脂繊維をシート状に形成した樹脂繊維集合体を有する芯材と、当該芯材を収容する外包材とを有し、前記外包材の内部を減圧密封した断熱材において、
    前記芯材の樹脂繊維集合体は、
    スチレンモノマー、エチルベンゼン及びトルエンの3種類の有機揮発性成分の総含有量が100(μg/g)以下のスチレン系樹脂繊維である
    ことを特徴とする断熱材。
  2. 前記芯材の樹脂繊維集合体は、
    前記樹脂繊維の直径が5μm以上20μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記芯材は、
    前記樹脂繊維集合体が複数積層されて構成された
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱材。
  4. 前記外包材には、
    当該外包材内部の水分を吸着するための水分吸着剤が収容されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の断熱材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱材の前記芯材は、
    スチレン系樹脂を加熱溶融する工程と、
    加熱溶融した前記スチレン系樹脂を混練する工程と、
    加熱溶融した前記スチレン系樹脂を紡糸して前記樹脂繊維とする工程と、
    前記紡糸した前記樹脂繊維をシート状に形成して前記樹脂繊維集合体とする工程と、
    前記シート状にした前記樹脂繊維集合体を加熱処理して、当該樹脂繊維集合体に含まれる前記有機揮発性成分の総含有量を100(μg/g)以下にする工程とを経て得られる
    ことを特徴とする断熱材の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱材の前記芯材は、
    スチレン系樹脂を加熱溶融する工程と、
    加熱溶融した前記スチレン系樹脂を水と混練する工程と、
    前記スチレン系樹脂を水と混練する工程で生成された蒸気及び前記有機揮発性成分を除去し、前記スチレン系樹脂の前記有機揮発性成分の総含有量を100(μg/g)以下にする工程と、
    前記スチレン系樹脂を紡糸して前記樹脂繊維とする工程と、
    前記紡糸した前記樹脂繊維をシート状に形成して前記樹脂繊維集合体とする工程とを経て得られる
    ことを特徴とする断熱材の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱材と、
    外郭を構成する外箱と、
    前記外箱内に設けられ、貯蔵品が設置される空間を有する内箱と、
    を有し、
    前記断熱材は、
    前記外箱と前記内箱との間であって、前記内箱の外側面に沿うように設けられた
    ことを特徴とする断熱箱。
  8. 請求項5又は6に記載の断熱材の製造方法によって得られた断熱材と、
    外郭を構成する外箱と、
    前記外箱内に設けられ、貯蔵品が設置される空間を有する内箱と、
    を有し、
    前記断熱材は、
    前記外箱と前記内箱との間であって、前記内箱の外側面に沿うように設けられた
    ことを特徴とする断熱箱。
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