JP2010031958A - 真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の平滑性が高く、長期にわたって高い断熱効果を有する真空断熱材を提供する。
【解決手段】相対向する2つの伝熱面を有する板状の芯材2と、気体吸着物質を含有してなるフィルムを筒状にした吸着剤3と、芯材2と吸着剤3とを覆うガスバリア性を有する外被材4とを備え、外被材4内部を減圧密封した真空断熱材1であって、筒状の吸着剤3の内周の長さは、芯材2の厚さと芯材2の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤3の内面と芯材2の表面が接触していることにより、平滑性の高い薄厚の吸着剤3を使用して真空断熱材1を作製することが可能となるので、表面の平滑性が高く、長期にわたって断熱性能を有する真空断熱材1を提供可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】相対向する2つの伝熱面を有する板状の芯材2と、気体吸着物質を含有してなるフィルムを筒状にした吸着剤3と、芯材2と吸着剤3とを覆うガスバリア性を有する外被材4とを備え、外被材4内部を減圧密封した真空断熱材1であって、筒状の吸着剤3の内周の長さは、芯材2の厚さと芯材2の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤3の内面と芯材2の表面が接触していることにより、平滑性の高い薄厚の吸着剤3を使用して真空断熱材1を作製することが可能となるので、表面の平滑性が高く、長期にわたって断熱性能を有する真空断熱材1を提供可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空断熱材に関するものである。
近年、深刻な地球環境問題である温暖化防止への対策として、家電製品や設備機器並びに住宅などの建物の省エネルギー化を推進する動きが活発となっており、優れた断熱効果を有する真空断熱材が注目されている。
真空断熱材とは、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材で覆い、外被材の内部を真空近くまで減圧密封したものである。ここで、芯材は、外気圧に耐えて高真空空間の形状を保つスペーサとしての役割を担い、ガスバリア性を有する外被材は、外気の侵入を防いで内部の真空度を維持する役割を果たしている。
しかしながら、製造時に芯材や外被材に付着していた残留水分および外被材の表面や密封箇所から侵入してくる大気成分により、経時的に真空断熱材内部の圧力が上昇し、それに伴って真空断熱材の断熱性能も低下していくことが知られている。
よって、一般的な真空断熱材は、長期にわたって高い断熱効果を維持するために、真空断熱材内部の水分やガスを除去する水分吸着剤や気体吸着剤が芯材とともに減圧密封されている。
真空断熱材内部に吸着剤を配置した場合に問題となるのが、吸着剤配置部に発生する真空断熱材表面の凹凸である。
水分吸着剤や気体吸着剤とは通常、通気性を有する包材内部に粒状の吸着物質を封入したものである。
このような吸着剤を外被材と芯材の伝熱面との間に配置すると、粒状の気体吸着物質の形状が、そのまま真空断熱材表面に凹凸として現れる。
断熱材を使用する際、断熱壁面と断熱材との間に空隙が存在すると、断熱材の有する断熱効果が著しく損なわれるが知られている。
吸着剤の使用により真空断熱材表面の平滑性が損なわれると、真空断熱材表面の凹凸部と断熱壁面との間に空隙が発生することから、十分な断熱効果を得ることが出来なくなる。
さらに、真空断熱材表面に凹凸が発生する場合、凹凸部で外被材に負荷がかかることにより外被材にピンホール等の傷つきが発生する。
大気の侵入を防止する外被材が傷ついた場合は、真空断熱材内部への水分およびガス侵入が促進されることになり、真空断熱材の断熱性能を長期にわたって維持することが困難となる。
以上のことから、吸着剤を配置した場合における真空断熱材表面の平滑性の確保が課題とされてきた。
この課題を解決するために、樹脂連続気泡発泡体と、熱プレスによって板状に成形したガス吸着剤とを積層した真空断熱材が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
図4は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材の断面図である。
この真空断熱材11は、樹脂連続気泡発泡体からなる芯材12と吸着剤13とを板状に成形するとともに、これらの芯材12と吸着剤13を交互に積層したものを、2枚の外被材14で覆い、外被材14の内部を真空近くまで減圧密封したものである。
これにより、芯材12と吸着剤13のいずれが最外面に位置していても、これらが板状に形成されているため、真空断熱材11表面の平面性が確保できる。
特開平8−159373号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成において、芯材12と吸着剤13のプレス成形体とを積層するため、吸着剤13の厚みが大きくなる程、真空断熱材11の総厚みに対する芯材12の占める割合が減少し、真空断熱材11の断熱効果が著しく低下する。
しかし、粉末の吸着剤を熱プレスしただけでは機械的強度が飛躍的に改善しないため、吸着剤13は自重に耐え切れず割れや欠けが生じて取り扱い性が悪く、吸着剤13を薄くしていくことは困難である。
また、吸着剤13は芯材12と同一の寸法である必要があり、使用する芯材12の伝熱面の面積に合わせて吸着剤13を成形することになるが、芯材12のサイズが変わる度に吸着剤13をプレス成形する冶具の大きさを調整しなければならず、生産効率が悪化する。
また、成形した板状の吸着剤13を使用すると、成形体の端部が外被材14を傷つける可能性がある。
さらに、板状の吸着剤13と芯材12とを単に積層させただけでは製造時のハンドリング等によって吸着剤13と芯材12との位置関係が変化する可能性が高いが、吸着剤13と芯材12の位置関係が変化すると、真空断熱材11表面の平滑性を保つことが不可能となる。
本発明では、上記従来の課題を解決するものであり、表面の平滑性の高く、長期にわたって高い断熱性能を維持できる真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、相対向する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体吸着物質を含有してなるフィルムを筒状にした吸着剤とを備えた真空断熱材であって、筒状の前記吸着剤の内周の長さは、前記芯材の厚さと前記芯材の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、前記吸着剤の内面と前記芯材の表面が接触しているのである。
まず、吸着剤として気体吸着物質を含有したフィルムを用いることにより、吸着剤自身の平滑性が高く、且つ吸着剤が通常品に比べ非常に薄くすることが可能となるため、吸着剤配置部と未配置部における真空断熱材の厚み差が非常に小さくなり、真空断熱材表面に発生する吸着剤起因の凹凸は無視できるほど小さくなる。
さらに、外被材と芯材表面との間に存在している吸着剤の厚みが小さいことから、吸着剤配置部においても真空断熱材の総厚みに対する吸着剤の占める厚みが非常に微小となる。
また、吸着剤はフィルムに成形されており、製造時のハンドリングによる吸着剤の破損が防止される。
しかしながら、フィルムは一般的に大変軽量であり、気体吸着物質を含有したフィルムをそのまま芯材とともに外被材内に収納して減圧密封しようとする場合、真空排気工程において吸着剤が外被材の外側へ排出されてしまう危険性が高いとされていた。
本発明の真空断熱材は、筒状の吸着剤の円周の長さが、芯材の厚さと芯材の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤の内面と芯材の表面が接触していることから、製造時のハンドリングや真空排気工程においても芯材と吸着剤との位置関係がほぼ同じであり、吸着剤が外被材の外側へ排出されることを防止する。
また、吸着剤がフィルムからなるため、裁断によって自由に寸法設計が可能となり、芯材の寸法に合わせて吸着剤のサイズを調整することが容易となる。
さらに、通常、フィルムを筒状に成形する際にはのり代を設けてフィルムの端辺同士を接着する方法がとられるが、のり代幅を調整することによって、芯材の寸法に合わせて吸着剤の内周の長さを調整することも容易となる。
また、フィルムが薄いことから、筒状の吸着剤は、一重の筒状フィルムである必要はなく複重されていても同一の効果が得られるため、気体吸着量に合わせてフィルムの面積を大きくすることが可能となる。
本発明の真空断熱材は、薄くて平滑性の高い吸着剤フィルムを真空断熱材内部に収納できることから、真空断熱材表面の平滑性が高く、長期にわたって高い断熱効果を発揮できる。
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、相対向する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体吸着物質を含有してなるフィルムを筒状にした吸着剤とを備えた真空断熱材であって、筒状の前記吸着剤の内周の長さは、前記芯材の厚さと前記芯材の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、前記吸着剤の内面と前記芯材の表面が接触しているのである。
これにより、芯材と外被材との間に位置する吸着剤が、通常の吸着剤よりも非常に薄厚に成形されていることから、真空断熱材表面には吸着剤に起因する凹凸は無視できる程度にまで微小となり、真空断熱材使用時の断熱効果の低減を防止することが可能となる。
さらに、芯材と外被材との間に位置する吸着剤が、通常の吸着剤よりも非常に薄厚に成形されていることから、真空断熱材の総厚みに対する芯材厚みの占有率が非常に高くなり、真空断熱材の断熱性能の低減を抑制できる。
また、平滑性の高いフィルムを使用することから、真空断熱材表面の凹凸が微小になることにより外被材の傷つきが防止され、長期にわたって真空断熱材の断熱性能が維持できる。
また、筒状の吸着剤の円周の長さが、芯材の厚さと芯材の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤の内面と芯材の表面が接触していることにより、軽量の吸着剤フィルムを使用しても、吸着剤と芯材との位置関係が製造工程の間でほぼ同じに保つことができ、不良品の発生を防止できる。
なお、真空断熱材内部における筒状の吸着剤の個数は、特に指定するものではなく、一個であっても複数個であってもよい。
なお、フィルムの厚みは、フィルムとしての成形性や芯材形状への追従性を満たすものであれば、特に指定するものではない。
なお、吸着剤の寸法は、内周の長さ以外は特に指定するものではなく、筒状の吸着剤の軸方向の長さが芯材の伝熱面の幅と等しくても異なっていても良い。
ここで、伝熱面とは、板状の芯材で形成される平面のうち、最大の面積を有する面とその対向する面のことを指す。
また、伝熱面の幅とは、芯材の伝熱面の辺のうち吸着剤と接触している一辺の長さを指す。
なお、吸着剤に含まれる気体吸着物質と気体吸着物質以外の物質との混合比率は特に指定するものではなく、各材料の種類および使用する真空断熱材に求められる必要吸着量に応じて適宜採用すればよいが、吸着剤がフィルムとしての成形性や取り扱い性を十分に満たす比率であることが望ましい。
次に真空断熱材の構成材料について説明する。
外被材に使用するラミネートフィルムは、最内層を熱溶着層とし、中間層にはガスバリア層として金属箔あるいは金属蒸着層や金属酸化物蒸着層を有し、最外層には表面保護層を設けたものが適用できる。
熱溶着層は、外被材同士の熱溶着を可能にし、真空断熱材内部と外部とを遮断する役割を果たすものである。
ガスバリア層は、高いバリア性を有する1種類もしくは2種以上のフィルムから構成される層であり、外被材にガスバリア性を付与するものである。
表面保護層は、外力から外被材の傷つきや破れを防ぎ、真空断熱材内部の真空度を維持する役割を果たすものである。
なお、熱溶着層としては特に指定するものではないが、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等の熱可塑性樹脂あるいはそれらの混合体が使用できる。
また、ガスバリア層としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムへアルミニウムや銅等の金属原子もしくはアルミナやシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルムや、金属原子や金属酸化物を蒸着した面にコーティング処理を施したフィルム等が使用できる。
また、表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等従来公知の材料が使用できる。
芯材は、その種類について特に指定するものではないが、気層比率90%前後の多孔体を平板状に加工したものであり、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォームなどの連続気泡体や、グラスウールやロックウール、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維などの繊維体、パーライトや湿式シリカ、乾式シリカなどの粉体など、従来公知の芯材が利用できる。
吸着剤は、真空包装後に芯材の微細空隙から真空断熱材中へ放出された残留水分や、大気から真空断熱材内へ侵入する水蒸気や気体を吸着除去する役割を果たす。
気体吸着物質は、吸着剤に水蒸気や気体を吸着する性能を付与する役割を果たし、水分吸着剤としては、酸化カルシウムや酸化マグネシウム等の化学吸着剤や、ゼオライト、シリカゲル、アロフェン等の物理吸着剤が使用できる。
気体吸着物質以外で吸着剤に含まれる物質は、気体吸着物質をフィルム形状にする成形助剤の役割を果たすものであり、未加硫ゴムや、アイオノマー、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル等又はこれらの混合物等、従来公知のバインダー樹脂が利用できる。
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明において、吸着剤が、少なくとも気体吸着物質と熱可塑性樹脂を混練してなるものである。
少なくとも気体吸着物質と熱可塑性樹脂を混練したフィルムを用いると、フィルムの端辺同士をのり代部に新たな接着物質を塗布することなく、熱溶着により筒状の吸着剤が作製される。
以上により、生産効率の低下および材料コストを抑制しつつ、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
ここで、熱可塑性樹脂とは特に指定するものではないが、アイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル等、又はこれらの混合物といって従来公知の樹脂が使用できる。
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または2に記載の発明において、芯材がガラス繊維からなるものであり。
芯材が、ガラス繊維である場合、真空断熱材内部から外被材へガラス繊維による傷つきが発生しやすい。
外被材のガスバリア層として金属箔を使用している場合は、芯材のガラス繊維による貫通ピンホールが発生しやすい。
よって、芯材がガラス繊維よりなる真空断熱材は、外被材のガスバリア層における貫通ピンホールや傷つきによって、外気の侵入促進が懸念事項とされていた。
本発明では、芯材と外被材との間に気体吸着物質を含有したフィルムが配置されていることから、吸着剤と接触した芯材部分からの貫通ピンホールや傷つきの発生が防止される。
特に、筒状の吸着剤の軸方向の長さが芯材の伝熱面の幅と略等しい場合は、芯材の繊維による外被材への貫通ピンホールや傷つきの発生を芯材の伝熱面全体で防止可能となる。
ところで、外被材の熱溶着層は、外被材同士を溶着する役割を果たすほかに、芯材のガラス繊維による外被材の傷つきやピンホールの発生を抑制する役割がある。
しかしながら、外被材の密封箇所から熱溶着層を透過して水分および気体が真空断熱材内部に侵入するため、外被材のガスバリア層の保護の為に熱溶着層を厚くすることは好ましくない。
本発明の真空断熱材のうち、筒状の吸着剤の軸方向の長さが芯材の伝熱面の幅と略等し真空断熱材は、吸着剤により貫通ピンホールの発生が抑制されることにより、その分だけ熱溶着層の厚みを薄くすることが可能となる。
これにより、外被材のピンホールの発生を増加させることなく、真空断熱材端部から水分および気体の侵入量を抑制することが可能となる。
以上により、表面の平滑性が高く且つ長期にわたって高い断熱性能を有する真空断熱材を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、は先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図であり、図2は、図1における真空断熱材を構成している芯材および吸着剤の立体図である。
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図であり、図2は、図1における真空断熱材を構成している芯材および吸着剤の立体図である。
図1において、真空断熱材1は、グラスウールからなる板状の芯材2と、酸化カルシウム粒子からなる気体吸着物質と熱可塑性樹脂とを混練したフィルムを筒状にした吸着剤3と、ガスバリア性を有するラミネートフィルムからなる外被材4とを備え、吸着剤3の内周の長さが芯材2の厚さと芯材2の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤3の内面と芯材2の表面が接触した状態のものを2枚の外被材4で覆って、外被材4の内部を減圧密封したものである。
以上のように構成された真空断熱材1について、以下その動作、作用を説明する。
まず、吸着剤3は、気体吸着物質と熱可塑性樹脂とを含むフィルムを筒状に成形したものであり、真空包装後に芯材2の微細空隙から真空断熱材1中へ放出された残留水分や、真空断熱材1内へ浸入する水蒸気や気体を吸着除去する役割を果たすものである。
芯材2は、真空断熱材1の骨材として微細空間を形成する役割を果たし、真空排気後の真空断熱材1の断熱部を形成するものである。
外被材4は、熱可塑性樹脂や金属箔やプラスチックフィルム等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、真空断熱材1内部に空気や水分の侵入を抑制する役割を果たすものである。
以上のように、本実施の形態においては、気体吸着物質を含有したフィルムを筒状に成形した吸着剤3が芯材2と外被材5との間に配置されていることから、真空断熱材1表面の凹凸の発生が抑制されることによる真空断熱材1表面の平滑性の確保が可能となる。
また、筒状のフィルム吸着剤3の円周の長さが、芯材2の厚さと芯材2の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、吸着剤3の内面と芯材2の表面が接触していることにより、軽量のフィルム吸着剤3を使用しても、吸着剤3と芯材2との位置関係が製造工程の間でほぼ同じに保たれ、不良品の発生を防止できる。
(実施例1)
酸化カルシウム粒子とポリエチレン樹脂とを混錬することによって厚み0.08mm、質量が0.005g/cm2のフィルムを得た。厚み5mmの板状の芯材に、フィルムが筒状になるよう巻きつけ、フィルムの端辺同士を熱溶着した。このとき、筒状の吸着剤の内面と芯材の表面が接触していた。この芯材と吸着剤とを、アルミニウム箔を有する外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。
酸化カルシウム粒子とポリエチレン樹脂とを混錬することによって厚み0.08mm、質量が0.005g/cm2のフィルムを得た。厚み5mmの板状の芯材に、フィルムが筒状になるよう巻きつけ、フィルムの端辺同士を熱溶着した。このとき、筒状の吸着剤の内面と芯材の表面が接触していた。この芯材と吸着剤とを、アルミニウム箔を有する外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。
この真空断熱材における吸着剤配置部の厚みをMitutoyo製デジマチックインジケータID−Cで測定したところ、吸着剤で覆われていない芯材部の厚み4.8mmに対して、4.8〜5.0mmであった。
この真空断熱材をクリアランス4.0mmに設定したローラーを用いて、速度およそ300mm/秒でロールプレスを付与したが、外被材に破れは発生しなかった。また、ロールプレス後に真空断熱材を解体し、外被材の傷をサンコウ電子製ピンホール探知器TRS−110で調査したところ、外被材の傷つきは見られなかった。
(比較例1)
酸化カルシウム粒子とポリエチレン樹脂とを混錬することによって厚さ0.08m、質量が0.005g/cm2のフィルムを得た。グラスウールからなる厚み5mmの板状の芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態で、アルミニウム箔を有する外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。
酸化カルシウム粒子とポリエチレン樹脂とを混錬することによって厚さ0.08m、質量が0.005g/cm2のフィルムを得た。グラスウールからなる厚み5mmの板状の芯材とともに、芯材の伝熱面と接触した状態で、アルミニウム箔を有する外被材の3辺を熱溶着した袋内へ挿入し、真空包装機を用いて真空断熱材を作製した。
このとき、真空排気工程において吸着剤が外被材内部から排出され、この真空断熱材は内部に吸着剤が収納されていなかった。
以上、実施例1および比較例1より、本実施の形態1における真空断熱材1は、例えロールプレス加工を付与しても外被材4の破れおよびガスバリア層の傷つきを防止することができ、なおかつ、製造工程の間で芯材2と吸着剤3との位置関係がほぼ同じに保たれることから不良品の発生を防止することができるので、表面の平滑性の高い、長期にわたって高い断熱性能を有する真空断熱材1の作製が実現できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図である。
図3は、本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図である。
図3において、真空断熱材1は、ガラス繊維からなる板状の芯材2と、気体吸着物質と熱溶着樹脂とを混練したフィルムを筒状にした吸着剤3と、アルミニウム箔を有する外被材4とを備え、吸着剤3の内周の長さが芯材2の厚さと芯材2の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、且つ筒状の吸着剤の軸方向の長さと芯材の伝熱面の幅とが略等しく、吸着剤3の内面と芯材2の表面が接触した状態のものを2枚の外被材4で覆って、外被材4の内部を減圧密封したものである。
以上のように構成された真空断熱材1の動作、作用については、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
芯材2がガラス繊維であると、真空断熱材1の内部のガラス繊維によって、外被材4が有するガスバリア層に貫通ピンホールや傷つきが発生する場合がある。本実施の形態において、芯材2と外被材4との間に樹脂フィルムが配置されていることから、吸着剤3配置部における真空断熱材1内部からの貫通ピンホールの発生が緩和される。
通常、芯材2のガラス繊維から外被材4のガスバリア層への貫通ピンホール抑制の手段として、外被材4の最内層として用いられる熱溶着層の厚みを増加させる方法が知られている。
しかし、この手段では、熱溶着層の厚み増加に伴い、真空断熱材1の端部から熱溶着層を透過して真空断熱材1内部に侵入する大気ガス量が増加するために好ましくない。
よって、気体吸着物質と熱可塑性樹脂を混練したフィルム状の吸着剤3で芯材2を覆うことにより、熱溶着層の厚みを増加させることなく、貫通ピンホールを抑制することが可能となる。
それだけでなく、吸着剤3によって貫通ピンホールが抑制された分だけ、熱溶着層を薄くすることができるため、真空断熱材1端部からのガス侵入を抑制可能となる。
以上により、真空断熱材1表面の平滑性を損なうことなく、長期にわたって優れた断熱性能を有する真空断熱材1を提供できる。
(実施例2)
熱溶着層として厚み30μmの直鎖低密度ポリエチレンフィルム、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを内側から順に積層した4層のラミネートフィルム外被材と酸化カルシウム粒子とポリエチレンとを混錬することによって作製した厚さ80μmのフィルムとを重ね合わせた場合、吸着剤側からの突刺し強度は、50.4Nであった。
熱溶着層として厚み30μmの直鎖低密度ポリエチレンフィルム、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを内側から順に積層した4層のラミネートフィルム外被材と酸化カルシウム粒子とポリエチレンとを混錬することによって作製した厚さ80μmのフィルムとを重ね合わせた場合、吸着剤側からの突刺し強度は、50.4Nであった。
ただし、突刺し強度は、先端形状0.5Rの針を測定スピード50mm/minで突刺し時の強度を用いた。
また、上記の外被材を使用して作製した真空断熱材の熱溶着層からの大気ガス透過度は、30℃において9.97×10-15mol/m2/s/Paであった。
(比較例2)
熱溶着層として厚み30μmの直鎖低密度ポリエチレンフィルム、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを内側から順に積層した4層のラミネートフィルム外被材について、熱溶着層側からの突刺し強度は、37.8Nであった。
熱溶着層として厚み30μmの直鎖低密度ポリエチレンフィルム、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを内側から順に積層した4層のラミネートフィルム外被材について、熱溶着層側からの突刺し強度は、37.8Nであった。
ただし、突刺し強度は、先端形状0.5Rの針を測定スピード50mm/minで突刺し時の強度を用いた。
(比較例3)
熱溶着層として厚み80μmの直鎖低密度ポリエチレン、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを使用した4層のラミネートフィルム外被材と粒度分布が0.5mm以下である酸化カルシウムとポリエチレンとを混錬することによって作製した厚さ80μmのフィルムとを重ね合わせた場合、吸着剤側からの突刺し強度は、49.8Nであった。
熱溶着層として厚み80μmの直鎖低密度ポリエチレン、ガスバリア層として厚み6μmのアルミニウム箔、表面保護層に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み15μmのナイロンフィルムを使用した4層のラミネートフィルム外被材と粒度分布が0.5mm以下である酸化カルシウムとポリエチレンとを混錬することによって作製した厚さ80μmのフィルムとを重ね合わせた場合、吸着剤側からの突刺し強度は、49.8Nであった。
ただし、突刺し強度は、先端形状0.5Rの針を測定スピード50mm/minで突刺し時の強度を用いた。
また、上記の外被材を使用して作製した真空断熱材の熱溶着層からの大気ガス透過度は、30℃において2.68×10-14mol/m2/s/Paであった。
以上(表1)の結果より、本発明の実施の形態における真空断熱材1は、芯材2のガラス繊維からの耐ピンホールおよび真空断熱材1端部からのガス透過抑制に関して、効果があることが確認された。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、真空断熱材にフィルム吸着剤を使用していることにより真空断熱材の表面における平滑性が高く、冷蔵庫用断熱材や自動販売機、建造物用断熱材、自動車用断熱材、保冷ボックス、また住宅等の建物などにも適用できる。
1 真空断熱材
2 芯材
3 吸着剤
4 外被材
2 芯材
3 吸着剤
4 外被材
Claims (3)
- 相対向する2つの伝熱面を有する板状の芯材と、気体吸着物質を含有してなるフィルムを筒状にした吸着剤とを備えた真空断熱材であって、筒状の前記吸着剤の内周の長さは、前記芯材の厚さと前記芯材の伝熱面の一辺の長さとの和の2倍に略等しく、前記吸着剤の内面と前記芯材の表面が接触していることを特徴とする真空断熱材。
- 吸着剤が、少なくとも気体吸着物質と熱可塑性樹脂を混練してなることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 芯材がガラス繊維からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空断熱材。
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