JP2004288878A - 真空処理装置及び真空空間の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転テーブル5上には各光ディスク基板4の外周部を支持するために4本一組の支持レバー16が水平方向に回転可能に設置されている。また、ロードロックリフタ8のシール部材18は搬送チャンバ1の上壁部11に圧接するように構成されている。さらに、光ディスク基板4をロードロック室3へ搬出入する際、上昇するロードロックリフタ8のシール部材18と支持レバー16とが干渉しないように支持レバー16を外側に逃がすカムフォロア25が設けられている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板などの被処理物に薄膜形成処理や表面改質処理といった各種の真空処理を施す真空処理技術に係り、特に真空槽から独立して密閉可能なロードロック室を備えた真空処理装置及びそれを用いたロードロック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、真空処理装置は半導体装置や光ディスクの製造工程などに広く利用されている。しかも、環境問題が重視される近年では、鍍金に代表されるウェットプロセスが、真空処理に代表されるドライプロセスに置き換えられている。そのため、真空処理装置の利用分野はさらなる広がりを見せており、需要は増大傾向にある。このような背景により、真空処理装置には優れた生産性と装置稼動の安定性は勿論のこと、さまざまな真空処理にも容易に対応できることが求められている。
【0003】
例えば、生産性を高めることを目的として、被処理物の搬出入に際して真空槽の減圧雰囲気を維持可能であるよう、ロードロック室を備えた真空処理装置が提案されている。この装置の従来例について図8及び図9を用いて説明する。図8は従来の真空処理装置の基本構成を表す一部断面図、図9は図8の拡大一部断面図であり、図示した装置は被処理物としてCD,DVDなどの光ディスク基板4に薄膜を成膜するスパッタ装置である。このスパッタ装置には真空槽である搬送チャンバ1が設けられている。搬送チャンバ1には光ディスク基板4を水平方向に搬送する回転テーブル5が収容されており、回転テーブル5上には光ディスク基板4を支持する支持体としてサセプタ6が複数設置されている。サセプタ6上面の外周部にはOリングなどからなるシール部材10が設けられている。また、サセプタ6は図示しない垂直なガイドに支持されつつ上下方向に移動可能に設定されている。さらに、サセプタ6を支持するガイドにはサセプタ6を回転テーブル5上に付勢する弾性部材(図示せず)が取付けられている。
【0004】
また、搬送チャンバ1の上部両端にスパッタ室2とロードロック室3が形成されている。このうちロードロック室3は搬送チャンバ1の上壁部11に開口されており、上方には開閉自在な上蓋部30が設けられている。この上蓋部30には装置外部との間で光ディスク基板4の搬出入を行う外部搬送機構9が取付けられている。また、スパッタ室2は上方に突出して形成されており、その上壁部内側には成膜物質からなるディスク状のターゲット21が固定されている。ターゲット21の中心部からはセンターマスク22がスパッタ室2内に垂直に懸下されている。
【0005】
スパッタ室2及びロードロック室3の下方で搬送チャンバ1の底壁部付近には、各室内に光ディスク基板4を昇降させて搬送するスパッタリフタ7及びロードロックリフタ8が配置されている。このうちロードロックリフタ8には、その上面外周部にシール部材18が設けられている。また、各リフタ7,8の下面にはシリンダロッド12,13が取付けられている。シリンダロッド12,13は搬送チャンバ1の底壁部を貫通してシリンダ14,15に連結されている。
【0006】
以上のような構成を有する真空処理装置では、回転テーブル5が回転して光ディスク基板4が搬送チャンバ1内を水平方向に搬送し、スパッタ室2の下方あるいはロードロック室3の下方に位置した時点で、シリンダ14,15を動作させる。これにより、シリンダロッド12,13が伸び、スパッタリフタ7及びロードロックリフタ8が光ディスク基板2を押し上げてスパッタ室2及びロードロック室3へと搬入する。
【0007】
このような光ディスク基板4の搬入動作において、ロードロック室3内に光ディスク基板4を搬入する場合、ロードロックリフタ8は光ディスク基板4をサセプタ6ごと、つまりサセプタ6が光ディスク基板4を支持した状態のままで押し上げている。この時、搬送チャンバ1の上壁部11とサセプタ6のシール部材10が圧接し、さらにはサセプタ6の下面61とロードロックリフタ8のシール部材18が圧接する。これにより、ロードロック室3は搬送チャンバ1から遮断され、真空槽である搬送チャンバ1から独立して密閉された状態となる(図9参照)。したがって、搬送チャンバ1を減圧雰囲気に維持したまま、上蓋部30を開けてロードロック室3を大気開放することが可能となる。なお、ロードロック室3を大気開放した後は、外部搬送機構9により光ディスク基板4の搬出入を行うようになっている。
【0008】
上記のようなロードロック室3を備えた真空処理装置によれば、ロードロック室3を大気開放するだけで光ディスク基板4の搬出入が可能であるため、搬送チャンバ1の減圧雰囲気を破ることがない。したがって、真空ポンプの負担を軽減でき、しかもタクトタイムを短縮化できる。その結果、優れた生産性を得ることができる。
【0009】
【特許文献】
特開2000−64042号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術には次のような問題点があった。すなわち、従来ではサセプタ6ごと光ディスク基板4を持ち上げてサセプタ6のシール部材10によりロードロック室3を密閉するため、サセプタ6の外径は単に光ディスク基板4の外径よりも大きくするだけでは足りず、ロードロック室3の内径よりも大きくする必要がある。サセプタ6が大型化すると、搬送速度の高速化が難しくなるだけではなく、回転テーブル5における旋回半径が大きくなり、搬送チャンバ1の大型化を招いた。また、サセプタ6にはこれを回転テーブル5上に戻す弾性部材が取付けられているが、この弾性力に抗してサセプタ6を上昇させなくてはならないのでシリンダ15に大きな駆動力が不可欠であり、これも大型化の要因となっていた。このように真空処理装置が大型化すると、搬送距離が増大するだけではなく、可動部品の重量も増大し、これに比例して搬送時間が長くなる。その結果、生産性を低下させるおそれがあった。
【0011】
また、上記従来例ではロードロック室3を密閉する際に、搬送チャンバ1の上壁部11とロードロックリフタ8とでサセプタ6を挟み込む構造である。そのため、サセプタ6のシール部材10が劣化すると、サセプタ6を搬送チャンバ1の上壁部11に押し付けた時に、シール部材10が上壁部11側に貼り付き、ロードロックリフタ8が下降した後もサセプタ6が回転テーブル5上に下降してこなくなる可能性もある。
【0012】
特に、半導体製造装置のように製造工程において被処理物の加熱処理やエッチング処理を行う場合、サセプタ6も被処理物と共に高熱やプラズマにさらされるので、サセプタ6に設けたシール部材10は急速に劣化することになる。このため、シール部材10によりロードロック室3を密閉する時、シール部材10によるロードロック室3の遮断が不十分となり、搬送チャンバ1を必要な減圧雰囲気下に維持できる時間が短くなってしまう。そこでシール部材10の性能劣化が激しい分野では、ロードロック室3を有する真空処理装置の使用が見合わされており、使用分野が限定されているという問題があった。
【0013】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、コンパクト化及び稼動安定化を図ると共に、真空処理以外の加熱処理などが必要な分野であっても使用可能である生産性に優れた真空処理装置、及びそれに用いられる真空空間形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明は、被処理物を支持する支持体が設置されると共に該真空槽から遮断して密閉可能なロードロック室が形成され、前記真空槽内及び前記ロードロック室間に被処理物を搬送するロードロックリフタが配置され、前記ロードロックリフタには前記ロードロック室を密閉するためのシール部材が取付けられた真空処理装置において、次のような技術的な構成を有している。
【0015】
請求項1の発明は、前記ロードロックリフタは前記支持体ごとではなく、被処理物だけを搬送可能に構成されており、前記ロードロックリフタには前記ロードロック室を密閉するシール部材が設けられ、前記支持体を用いることなく前記シール部材のみで前記ロードロック室を密閉するように構成されたことを特徴としている。
また、請求項2の発明は、上記請求項1に記載の真空処理装置において、前記シール部材が前記ロードロック室を密閉する時、前記支持体は前記シール部材の動作領域から退避するように可動式としたことを特徴としている。
さらに、請求項3の発明は、上記請求項1または2に記載の真空処理装置において、前記真空槽には被処理物を水平方向に搬送するテーブルが配置され、前記テーブルに前記支持体が設置され、前記支持体動作手段は、前記ロードロックリフタに取付けられたカムと、このカムに接して前記支持体を退避方向に移動させるカムフォロアとから構成され、前記支持体には該支持体を初期位置に復帰させる弾性部材が設置されたことを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1つの発明による真空処理装置に用いられる真空空間形成方法であって、前記ロードロックリフタが前記支持体ごとではなく、被処理物だけを搬送するロードロック搬送ステップと、前記シール部材だけで前記ロードロック室を密閉するロードロック室密閉ステップとを含むことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項4に記載の真空空間形成方法であって、前記支持体を前記シール部材の動作領域から退避可能に構成し、前記ロードロック搬送ステップを実施する前に前記シール部材と干渉しないように前記支持体を退避させる支持体退避ステップを含むことを特徴としている。
【0017】
以上のような本発明では、ロードロックリフタが被処理物だけをロードロック室へ搬送し、支持体を用いることなくシール部材だけでロードロック室を密閉するので、ロードロック室における真空空間維持用の構成部品として支持体側にOリングなどのシール部材を設ける必要がない。しかも、請求項2の発明では支持体を可動式としたことで、シール部材と支持体との干渉をスムーズに回避することができる。このため、シール部材は支持体にぶつかることなく真空槽の内壁に直に圧接し、ロードロック室を密閉することができる。つまり、本発明においては、従来のようにロードロックリフタが支持体ごと被処理物を持ち上げ支持体を挟むようにしてロードロック室の密閉を行うのではなく、ロードロックリフタが被処理物だけを持ち上げ、シール部材のみでロードロック室を密閉することができる。したがって、支持体がロードロック室を覆って密閉する必要がなく、被処理物を支持する大きさだけで足りることになる。このため、構成の小型化が容易である。
【0018】
特に、支持体をテーブルに設置する構成である請求項3の発明では、支持体搬送速度の高速化及びテーブルの旋回半径の縮小化が可能となり、真空槽のコンパクト化と生産性の向上に寄与することができる。しかも、カムとカムフォロアという簡単な組み合わせで支持体押圧手段を構成することができ、装置のコンパクト化をいっそう進めることができる。しかも、弾性部材により支持体を初期位置に復帰させるので、ロードロックリフタから支持体への被処理物の受け渡しを確実に行うことができ、稼動時の安定性を確保することができる。
【0019】
また、ロードロック室を密閉する際に、真空槽とロードロックリフタとの間に支持体を挟み込むことがないので、支持体にシール部材を設けた場合に生じる真空槽内壁への貼り付きを防止でき、安定した稼動が実現する。さらに、ロードロックリフタは常にロードロック室に近接して位置しており、いかなる真空処理を実施する場合であっても被処理物と共に高熱やプラズマにさらされることがない。したがって、ロードロックリフタのシール部材は長期にわたって劣化することがない。このため、ロードロック室を有する真空処理装置を加熱処理やエッチング処理といった分野で使用することができ、様々な分野で生産性の向上を図ることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
〔代表的な実施形態の構成〕
請求項1〜5記載の発明に対応する実施形態を、図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施形態の基本構成を表す一部断面図、図2及び図3は本実施形態の要部一部断面図、図4は本実施形態の要部斜視図、図5は本実施形態の要部拡大側面図である。なお、本実施形態は図8及び図9に示した従来例と同様、光ディスク基板4に薄膜を成膜するスパッタ装置であり、同一の部材に関しては同一の符号を付して説明は省略する。
【0021】
本実施形態の特徴は、光ディスク基板4の支持体である支持レバー16がロードロックリフタ8のシール部材18の動作領域から退避可能に構成され、ロードロックリフタ8がロードロック搬送動作を行う時、シール部材18と支持レバー16が干渉することなく、シール部材18だけで搬送チャンバ1の上壁部11に圧接してロードロック室3を密閉する点にある。回転テーブル5上にはロードロックリフタ8が通過可能な開口部51が形成されており、その外周部に支持レバー16が4本一組で水平方向に回転可能に設置されている。また、支持レバー16を外側に回転させて開口部51から退避させる支持体動作手段として、ロードロックリフタ8の外周部に形成された外側に向かって広がるテーパー状のカム24(図5に図示)と、このカム24に接して各支持レバー16を外側に押圧する水平方向に回転自在なカムフォロア25とが設けられている。カムフォロア25は支持レバー16に近接して水平方向に回転自在に配置されている。なお、支持レバー16にはそれぞれ、光ディスク基板4を支持可能な初期位置に支持レバー16を復帰させるバネ26が設置されている。
【0022】
〔代表的な実施形態の作用効果〕
以上のような構成を有する本実施形態の作用効果は次の通りである。所定の真空処理を施された光ディスク基板4は、支持レバー16に支持された状態で回転テーブル5によりロードロック室3の下方に搬送される。続いて、ロードロック搬送ステップとなり、ロードロックリフタ8が上昇してロードロックリフタ8が回転テーブル5の開口部51を通過して光ディスク基板4を支持レバー16から受け取る。この直後に、カム24がカムフォロア25に接触し、支持レバー16を外側に押し出す力が発生する。この力によりカムフォロア25は支持レバー16を外側に開くように回転させる(支持体退避ステップ)。これによりロードロックリフタ8は支持レバー16と干渉することなく、上昇動作を続けることができる。なお、支持レバー16はロードロックリフタ8が下降動作を行い、再度通過するまでは開口部51から退避した状態を維持するようになっている。
【0023】
ロードロック室3に光ディスク基板4が搬入された時点で、ロードロックリフタ8のシール部材18が搬送チャンバ1の上壁部11に圧接し、ロードロック室3は搬送チャンバ1から遮断された状態となる(ロードロック室密閉ステップ)。このため、搬送チャンバ1の減圧雰囲気を維持したまま、ロードロック室3を大気開放することが可能となる。大気開放後、外部搬送機構9により、真空処理済みの光ディスク基板4をロードロック室3から搬出し、新しい光ディスク基板4をロードロック室3内に搬入する。
【0024】
新しい光ディスク基板4を搬入後、ロードロック室3は再び減圧雰囲気とされる。ロードロック室3が所定の圧力に達すると、光ディスク基板4を載置したままロードロックリフタ8は下降動作を開始する。下降するロードロックリフタ8の動きに同期して、ロードロックリフタ8のカム24がカムフォロア25を滑っていき、カムフォロア25により外側に開かれていた支持レバー16はバネ26の弾性力を受けて徐々に引き戻されて閉じるように回転していく。そして、ロードロックリフタ8が支持レバー16よりも下降した時点で支持レバー16は元の位置に戻り、ロードロックリフタ8から光ディスク基板4を受け取る。ロードロックリフタ8の下降動作が完了すると、回転テーブル5が回転し、新しい光ディスク基板4をスパッタ室2の下方へと搬送する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態においては、ロードロックリフタ8の上昇動作時に支持レバー16を外側に回転させることで、ロードロックリフタ8の通過領域である開口部51から支持レバー16を退避させ、両者の干渉を防いでいる。このため、ロードロックリフタ8は支持レバー16にぶつかることなく光ディスク基板4を持ち上げていき、ロードロックリフタ8のシール部材18が搬送チャンバ1の上壁部11に圧接してロードロック室3を密閉可能である。したがって、支持レバー16は従来のサセプタ6のようにロードロック室3を密閉すべく外径を大きくする必要もなく、シール部材10も不要である。その結果、支持レバー16は小型簡略化が容易となり、搬送速度の高速化、回転テーブル5の旋回半径の縮小化、さらには搬送チャンバ1のコンパクト化に寄与することができる。
【0026】
また、本実施形態のロードロックリフタ8は光ディスク基板4を載置した状態で支持レバー16のバネ26に抗しながら上昇動作を行っている。つまり、回転テーブル5上に戻すための弾性部材に抗しながらサセプタ6ごと光ディスク基板4を上昇させていた従来例に比べて、低い駆動力のシリンダ15で済む。しかも、バネ26に対する動作力はカム24を利用しているので、負荷は軽くて済む。さらには、ロードロック室3を密閉する際に、搬送チャンバ1の上壁部11とロードロックリフタ8との間にサセプタ6を挟み込まないので、サセプタ6が上壁部11側に貼り付いて回転テーブル5上に下降してこなくなるといった不具合が起きる心配がなく、優れた動作信頼性を得ることができる。
【0027】
ところで、ロードロックリフタ8は常にロードロック室3の下方に常に位置し、動くことがないので、加熱処理やエッチング処理を行う場合でも、光ディスク基板4と共に高熱やプラズマにさらされるのは支持レバー16だけである。つまり、本実施形態ではロードロックリフタ8のシール部材16は劣化し難い環境下に置いておくことができる。このため、ロードロック室3を有する真空処理装置を加熱処理やエッチング処理を行う分野で使用することができ、優れた生産性を発揮できる装置を様々な分野に適用可能である。
【0028】
さらに、本実施形態では、ロードロックリフタ8に一体的に設けたカム24と、これに対応するカムフォロア25という簡単な組み合わせで、支持体動作手段を構成したことで、装置のコンパクト化を実現している。しかも、バネ26の働きにより、ロードロックリフタ8の下降動作に同期しつつ支持レバー16をスムーズに初期位置に復帰させることができる。これにより、ロードロックリフタ8から支持レバー16へ光ディスク基板4を確実に受け渡すことが可能であり、稼動時の安定性が向上する。
【0029】
〔他の実施形態〕
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、各部材の構成や材質、配置数などは適宜選択可能である。例えば、上記実施形態において、支持レバー16の形状や配置数、レバー16による支持枚数などは適宜変更可能であり、さらには支持レバー16を動作させる駆動方法もカムだけではなく、また退避した支持レバー16を保持しておく手段にしても様々なチャッキング構成を採用することができる。
【0030】
図7に示した実施形態は、ロードロック室3と5つの真空処理室31〜35を設け、半導体ウェハにUBM(アンダー・バンプ・メタル)を成膜する真空処理装置に適用した例である。この装置では、ロードロック室3より搬送チャンバ1内に運び込まれた半導体ウェハは回転テーブル5により第1の真空処理室31へと搬送される。ここでは、前工程で残った水分あるいは大気中で吸着した水分を半導体ウェハから蒸発させるために300℃にて加熱処理を行う。次に第2の真空処理室32では、半導体ウェハの成膜面を洗浄するためにエッチング処理を行う。続いて、第3〜第5の真空処理室33〜35にてUBM用の金属膜をスパッタリングにより成膜する。金属膜の種類は、まずTi、TiW、Cu、Niなどを成膜した後にAuを成膜するのが一般的である。そこで、Tiのようにスパッタリングレート(成膜速度)が低い金属膜をスパッタリングする場合は、第3及び第4の真空処理室33、34にてTiを成膜し、第5の真空処理室35にてAuを成膜する。このような実施形態によれば、複数の真空処理室を備えたことによりタクトタイムの短縮化が可能であり、さらに装置の生産性が向上することになる。
【0031】
さらに、本発明を、光触媒膜を成膜する真空処理装置に適用することも可能である。光触媒膜とは、汚染物質の分解、防臭、抗菌、防汚、防曇に効果を発揮するものである。このため、サイドミラーの曇り止め用のフィルム、自動車のボディーコーティング、抗菌タイル、空気清浄機、トンネルの照明など、様々な商品に利用されている。ここではスパッタリングにより自動車用のサイドミラーに光触媒膜を成膜する真空処理装置を例にとる。すなわち、ロードロック室3より搬送チャンバ1内に運び込まれたミラー37はスパッタ室へと搬送される。この時、図7に示すようなサセプタ36をカラーとして使用しており、2枚のミラー37を7本の位置保持ピン38により固定している。なお、位置保持ピン38の取付位置はミラー37の大きさや形状に合わせて変更可能としている。このような実施形態によれば、光触媒膜をスパッタリング、真空蒸着法により成膜することができ、量産性に優れ、しかも小型且つ短タクトである枚葉式成膜装置を実現することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理物をロードロック室へ搬送後、支持体を用いることなく、ロードロックリフタのシール部材にてロードロック室を密閉することができるため、支持体側のシール部材が不要となるので、コンパクト化及び稼動安定化を進めることができ、さらには真空処理以外の加熱処理などが必要な分野であっても使用可能である生産性に優れた真空処理装置及びそれに用いられる真空空間形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る代表的な実施形態の基本構成を表す一部断面図。
【図2】本実施形態の要部一部断面図。
【図3】本実施形態の要部一部断面図。
【図4】本実施形態の要部斜視図。
【図5】本実施形態の要部拡大側面図。
【図6】本発明に係る他の実施形態の基本構成を示す平面図。
【図7】本発明に係る他の実施形態におけるサセプタの平面図。
【図8】従来の真空処理装置の基本構成を表す一部断面図。
【図9】図8の拡大一部断面図。
【符号の説明】
1…搬送チャンバ
2…スパッタ室
3…ロードロック室
4…光ディスク基板
5…回転テーブ
6,36…サセプタ
7…スパッタリフタ
8…ロードロックリフタ
9…外部搬送機構
10,18…シール部材
11…搬送チャンバの上壁部
12,13…シリンダロッド
14,15…シリンダ
16…支持レバー
21…ターゲット
22…センターマスク
24…カム
25…カムフォロア
26…バネ
30…上蓋部
31〜35…第1〜第5の真空処理室
37…ミラー
38…位置保持ピン38
Claims (5)
- 減圧雰囲気を維持可能な真空槽が設けられ、前記真空槽には被処理物を支持する支持体が設置されると共に該真空槽から遮断して密閉可能なロードロック室が形成され、前記真空槽内及び前記ロードロック室間に被処理物を搬送するロードロックリフタが配置された真空処理装置において、
前記ロードロックリフタは前記支持体ごとではなく、被処理物だけを搬送可能に構成されており、
前記ロードロックリフタには前記ロードロック室を密閉するシール部材が設けられ、
前記支持体を用いることなく前記シール部材のみで前記ロードロック室を密閉するように構成されたことを特徴とする真空処理装置。 - 前記シール部材が前記ロードロック室を密閉する時、前記支持体は前記シール部材の動作領域から退避するように可動式としたことを特徴とする請求項1に記載の真空処理装置。
- 前記真空槽には被処理物を水平方向に搬送するテーブルが配置され、
前記テーブルに前記支持体が設置され、
前記支持体を動作させる手段として、前記ロードロックリフタに取付けられたカムと、このカムに接して前記支持体を退避方向に移動させるカムフォロアとが設けられ、
前記支持体には該支持体を初期位置に復帰させる弾性部材が設置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の真空処理装置。 - 減圧雰囲気を維持可能な真空槽が設けられ、前記真空槽には被処理物を支持する支持体が設置されると共に該真空槽から遮断して密閉可能なロードロック室が形成され、前記真空槽内及び前記ロードロック室間に被処理物を搬送するロードロックリフタが配置され、このロードロックリフタに前記ロードロック室を密閉するシール部材が設けられた真空処理装置において、前記ロードロック室内の真空空間を形成する方法であって、
前記ロードロックリフタが前記支持体ごとではなく、被処理物だけを搬送するロードロック搬送ステップと、
前記シール部材だけで前記ロードロック室を密閉するロードロック室密閉ステップとを含むことを特徴とする真空空間形成方法。 - 前記支持体を前記シール部材の動作領域から退避可能に構成し、前記ロードロック搬送ステップを実施する前に前記シール部材と干渉しないように前記支持体を退避させる支持体退避ステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の真空空間形成方法。
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