JP6253039B1 - 薄膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを連続的に投入して表面処理や薄膜形成等の各種の真空処理を連続的に行うことができると共に、ワークに対して高品質且つ高性能な薄膜形成を短時間で実現することが可能な薄膜形成装置を提供する。【解決手段】ロードロックスペース16aと、第1の表面処理スペース16bと、スパッタ処理スペース16cと、第2の表面処理スペース16dとを有するメインチャンバ12と、被処理物を収容するワークチャンバ17a〜17dとを備えた薄膜形成装置を用いた薄膜形成方法において、各ワークチャンバ17a〜17dをメインチャンバ12の蓋部材14に押圧した第1の位置にあるとき、ロードロックスペース16aにおいてワークの導入又は取り出しを行い、各スペース16b〜16dにおいてワークに対して独立して真空処理を行う。【選択図】図5

Description

本発明は、プラスチック成型品等の種々の形状を有するワークを連続的に投入して表面処理や薄膜形成等の各種の真空処理を連続的に行う薄膜形成装置に関する。
例えば、自動車のヘッドランプのリフレクターや計器類は、射出成型されたプラスチック成型品(ワーク)が使用される。これらのワークに対しては、鏡面仕上げや金属質感を持たせる目的から、クロム(Cr)やアルミニウム(Al)等の金属をターゲットとしたスパッタリングによる金属薄膜の形成がなされる。そして、スパッタリングによる薄膜形成後には、金属膜の酸化防止や表面の傷付き等の保護のため、別の薄膜形成装置に搬送され、その装置のチャンバ内でヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等のモノマーガスを利用したプラズマCVDによる酸化シリコン保護膜等が形成される。
このようなワークに対する成膜は、射出成型機によるワークの生産サイクルと連動した形で行うことが好ましい。しかしながら、従来の薄膜生成装置においては、成膜開始前のチャンバ内の圧力を10−3Pa程度の高真空圧まで減圧しない場合に、スパッタリング後のワークの表面の反射率が低下する他、黄変と呼ばれる現象が発生することが知られている。これらの問題は、主として、チャンバ内の酸素又は水分の影響によるものであり、これらを除去するために、減圧に長い時間を要するという問題があった。
そこで、かかる問題を解消すべく、スパッタリングによる薄膜形成とプラズマCVDによる保護膜の形成を同一のチャンバ内で実行する装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。これらの装置は、必要最小限の真空度でスパッタリングにより成膜を行うことから、真空引きに要する時間が短くスパッタリングを早く開始することができ、高速成膜が可能となり、また、短いタクトタイムで高品質・高反射率の金属薄膜を成膜することが可能となる。しかしながら、これらの装置は、スパッタリングによる薄膜形成とプラズマCVDによる保護膜の形成とを、同一のチャンバ内で実行しているため、成膜の高速化には限界がある。
そこで、第1の開口と第2の開口をそれぞれ有する2つのワークチャンバをロードロックスペースとスパッタ処理スペースとの間で順次搬送し、第1の開口を介して被処理物(ワーク)の出し入れを行い、第2の開口を介して真空破壊や排気を適宜行うことが可能な真空処理装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。かかる真空処理装置により、ワークの導入や取り出しと成膜処理とを、同一装置の異なるワークチャンバ内で行うことができるため、真空引きに要する時間を更に短くすることができ、成膜時間の短縮が可能になる。
特開2015−113513号公報 特開2004−288878号公報 特許第4702867号公報
しかしながら、特許文献3に記載の真空処理装置は、被処理物(ワーク)の真空処理時において、ワークが導入されたワークチャンバを搬送機構により真空処理スペースに搬送し、第1の開口と第2の開口の少なくとも何れかをメインチャンバ内に開放した状態で真空処理を実行する。従って、3つ以上のワークチャンバでそれぞれ異なる真空処理を同時に行うと、薄膜の品質や性能が低下することから、特許文献3の真空処理装置に3つ以上のワークチャンバを適用することはできない。また、特許文献3に記載の真空処理装置は、ワークチャンバ内にワークを保持する保持部材を取り外す際には、メインチャンバを大気開放する必要が生じ、真空引きに時間を要することになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、プラスチック成型品等の種々の形状を有するワークを連続的に投入して表面処理や薄膜形成等の各種の真空処理を連続的に行うことができると共に、ワークに対して高品質且つ高性能な薄膜形成を短時間で実現することが可能な薄膜形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、ロードロックスペースと、第1の表面処理スペースと、スパッタ処理スペースと、第2の表面処理スペースとの4つのスペースを、回転対称位置に有するメインチャンバと、前記メインチャンバ内に収容され、前記4つのスペースの何れかに配置される、上下方向に開口した4つのワークチャンバと、前記4つのワークチャンバを、鉛直方向で異なる第1の位置と第2の位置とに移動する移動手段と、前記4つのワークチャンバを保持し、前記4つのワークチャンバが前記第2の位置に移動された場合において、前記4つのワークチャンバを同時に回転して前記4つのスペースの何れかから他の何れかに搬送する搬送手段と、前記メインチャンバ内を排気する排気手段と、前記メインチャンバの上部開口を封止する蓋部材であって、前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記ロードロックスペースに配置する何れかのワークチャンバの上部開口を開放可能とすると共に、他の3つのワークチャンバの上部開口を封止する蓋部材と、前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記4つのワークチャンバの前記上部開口を前記蓋部材で封止した状態で前記4つのワークチャンバの下部開口を介してそれぞれを独立して排気する個別排気手段と、前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースにおいて被処理物に対して個別処理を行う処理手段と、前記スパッタ処理スペースにおいて、被処理物にスパッタ処理を施して均一な金属薄膜を成膜するスパッタ処理手段と、前記スパッタ処理手段において、前記金属薄膜の成膜材料として用いる、銅製のベースプレートと、アルミニウム製のターゲットと、エンボス状の銅板とが接着され、前記エンボス状の銅板が前記銅製のベースプレートと前記アルミニウム製のターゲットとの間に配置されてなるアルミニウムを含むターゲット材と、を備え、前記第1の位置では、前記ロードロックスペースにおいて被処理物の導入又は取り出しが行われ、且つ前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースにおいて被処理物に対して個別処理が行われ、前記第2の位置では、前記4つのワークチャンバの上部開口及び下部開口の両方が前記メインチャンバ内に開放され、前記4つのワークチャンバが前記メインチャンバを介して前記排気手段で排気された状態で、前記搬送手段により搬送可能となることを特徴とする薄膜形成装置にある。
本発明の第2の態様は、前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースに配置するワークチャンバのうちの所定スペースに配置する1つのワークチャンバを排気する前記個別排気手段は、前記排気手段を兼ねており、前記第1の位置では、前記所定スペースに配置する1つのワークチャンバが、前記メインチャンバに連通する前記下部開口を介して前記排気手段で排気され、他の3つのワークチャンバが、前記下部開口に接続された前記個別排気手段で排気され、前記第2の位置では、前記4つのワークチャンバの前記上部開口が前記メインチャンバ内に開放され、且つ前記所定スペースの1つのワークチャンバの前記下部開口が前記メインチャンバ内に開放されると、前記他の3つのワークチャンバの前記下部開口には前記個別排気手段が接続された状態と、前記4つのワークチャンバの前記上部開口及び前記下部開口の両方が前記メインチャンバ内に開放され、前記搬送手段により搬送が可能な状態と、があることを特徴とする第1の態様の薄膜形成装置にある。
本発明の第3の態様は、前記第1の表面処理スペースにおいて、高周波プラズマを用いて前記被処理物に前処理を施す第1の表面処理手段と、前記第2の表面処理スペースにおいて、高周波プラズマを用いて前記被処理物に後処理を施す第2の表面処理手段とを備えることを特徴とする第1の態様又は第2の態様の薄膜形成装置にある。
本発明の第の態様は、前記4つのワークチャンバ内に着脱自在にそれぞれ設けられた、前記被処理物を所定の姿勢で保持する保持部材と、前記ワークチャンバ内で前記保持部材を回転して前記被処理物を所定の姿勢に変更する変更手段とを備えることを特徴とする第1の態様〜第の態様の何れかの薄膜形成装置にある。
本発明の第の態様は、前記スパッタ処理スペースに配置するワークチャンバ内で、前記変更手段による前記被処理物の姿勢の変更に連動して、スパッタ処理用マグネットの駆動速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする第の態様の薄膜形成装置にある。
本発明によれば、プラスチック成型品等の種々の形状を有するワークを連続的に投入して表面処理や薄膜形成等の各種の真空処理を連続的に行うことができると共に、ワークに対して高品質且つ高性能な薄膜形成を短時間で実現することが可能な薄膜形成装置を提供することができる。
図5のA−A′線断面図である。 図5のA−A′線断面図である。 図5のB−B′線断面図である。 図5のB−B′線断面図である。 本実施形態の薄膜形成装置におけるメインチャンバと各ワークチャンバの位置関係を概念的に示した平面図である。 図5に示すA−A′線方向の断面の一部を概念的に示したA−A′線部分断面図である。 図5に示すC−C′線方向の断面を概念的に示したC−C′線断面図である。 図7に示す保持部材に保持したワークを回転駆動させた状態を概念的に示した図である。 (a)は図8に示す保持部材に保持したワークに真空処理を施した状態を概念的に示した図であり、(b)は(a)のワークを図8の矢印D2方向に回転させた図であり、(c)は(a)のワークを図8の矢印D3方向に回転させた図である。
本発明を下記実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の説明は本発明の一態様を示すものであって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更可能である。
(実施形態1)
(薄膜形成装置)
図1は、本発明の実施形態にかかる薄膜形成装置におけるメインチャンバの蓋部材に各ワークチャンバを当接しロードロックスペースのワークチャンバを外部に開放した状態の図5のA−A′線断面図であり、図2は、当該装置を密閉し各ワークチャンバをメインチャンバ内に開放した状態の図5のA−A′線断面図であり、図3は、当該装置におけるメインチャンバの蓋部材に各ワークチャンバを当接した状態の図5のB−B′線断面図であり、図4は、当該装置を密閉し各ワークチャンバをメインチャンバ内に開放した状態の図5のB−B′線断面図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態の薄膜形成装置1は、架台10と、高真空排気ポンプ11と、架台10上に設けられ高真空排気ポンプ11により真空排気されるメインチャンバ12と、メインチャンバ12内の回転対称位置にそれぞれ設けられたロードロックスペース16a、第1の表面処理スペース16b、スパッタ処理スペース16c及び第2の表面処理スペース16dの何れかに配置される4つのワークチャンバ17a〜17dと、当該ワークチャンバ17a〜17dを載置した搬送テーブル18を介して搬送する搬送機構19と、当該ワークチャンバ17a〜17dを鉛直方向で異なる第1の位置(後述する)と第2の位置(後述する)とに移動する移動機構41a〜41d,42a,42b,42dと、メインチャンバ12の上部開口13を封止する蓋部材14と、当該ワークチャンバ17a〜17d内を独立して真空排気する高真空排気ポンプ31,32と、第1の表面処理スペース16b及び第2の表面処理スペース16dで表面処理に用いる高周波電極48,49と、スパッタ処理スペース16cでスパッタ処理に用いる成膜用スパッタ源50とを備えている。また、薄膜形成装置1は、蓋部材14を上下方向に移動させる開閉機構15を有しており、開閉機構15により蓋部材14を上下方向に移動して、メインチャンバ12の上部開口13を開放及び封止することができるようになっている。
図5は、本実施形態の薄膜形成装置におけるメインチャンバと各ワークチャンバの位置関係を概念的に示した平面図である。図5に示すように、メインチャンバ12の内部には、ロードロックスペース16aと、第1の表面処理スペース16bと、スパッタ処理スペース16cと、第2の表面処理スペース16dとが90°毎の回転対称位置に設けられている。メインチャンバ12内には4つのワークチャンバ17a〜17dが収容され、各スペース16a〜16dの何れかに配置されるようになっている。
図1〜図4に示すように、詳細は後述するが、かかる構成により、薄膜形成装置1は、4つのワークチャンバ17a〜17dが第1の位置(図1及び図3参照)にある場合に、ロードロックスペース16aにおいて被処理物(以下、「ワークW」という、図6等参照)の導入又は取り出しを行うことができ、且つ第1の表面処理スペース16b、スパッタ処理スペース16c及び第2の表面処理スペース16dにおいてワークWに対して所定の真空処理を行うことができる。この場合、4つのワークチャンバ17a〜17dは、メインチャンバ12から切り離され、それぞれ独立したチャンバとして機能する。また、各ワークチャンバ17a〜17dが第2の位置(図2及び図4参照)にある場合には、これらの上部開口20a〜20dをメインチャンバ12内に開放し、下部開口30a〜30dを高真空排気ポンプ31,32から離間した状態で、搬送機構19で各スペース16a〜16dにそれぞれ搬送することができる。つまり、搬送機構19は各ワークチャンバ17a〜17dの搬送手段として機能する。
図1及び図2に示すように、メインチャンバ12は、その上面の全領域に亘って外部と連通する上部開口13が設けられており、メインチャンバ12の開閉機構15側の底面の周縁部には、外部と連通する下部開口55cが設けられている。また、メインチャンバ12の底面の架台10側には、メインチャンバ12全体の内部を真空排気する高真空排気ポンプ11が設けられている。高真空排気ポンプ11は、排気管57を介して下部開口55cに接続されており、かかる構成により、メインチャンバ12の内部を真空排気することができる。
図1〜図4に示すように、4つのワークチャンバ17a〜17dは、その上面の全領域に亘って外部と連通する上部開口20a〜20dがそれぞれ設けられている。一方、各ワークチャンバ17a〜17dの底面の各スペース16a〜16dの何れかに対応する位置に、外部と連通する下部開口30a〜30dがそれぞれ設けられている。
メインチャンバ12の中央周辺には回転機構である搬送機構19が設けられており、搬送機構19の回転軸に搬送テーブル18が設けられている。搬送テーブル18には4つの開口54a〜54dが設けられ、開口54a〜54dの周縁部上にワークチャンバ17a〜17dが載置されている。ワークチャンバ17a〜17dの下部開口30a〜30dは、搬送テーブル18の開口54a〜54dよりも口径が小さく、開口54a〜54d内に下部開口30a〜30dの周縁部が露出している。詳細は後述するが、この下部開口30a〜30dの周縁部の露出した部分に、移動機構41a〜41d,42a,42b,42dが当接して、ワークチャンバ17a〜17dを鉛直方向で異なる第1の位置と第2の位置とに移動することができる。
薄膜形成装置1は、各ワークチャンバ17a〜17dが搬送テーブル18上に載置された状態で、搬送機構19により各スペース16a〜16dの何れかに配置できるようになっている。具体的には、図5に示すように、搬送テーブル18上に載置された各ワークチャンバ17a〜17dを、搬送機構19により矢印D1の方向に90°回転させて、何れかのスペース16a〜16dに搬送することで、各ワークチャンバ17a〜17dの配置換えを同時に行うことができる。
図1〜図4に示すように、メインチャンバ12の底面には、4つのワークチャンバ17a〜17dを鉛直方向の異なる第1の位置と第2の位置とに移動する移動手段が設けられている。かかる移動手段は、搬送テーブル18上に載置された各ワークチャンバ17a〜17dの下部開口30a〜30dの周縁部の露出した部分に当接して、これらを上昇又は下降させる所謂リフトである。具体的にこのリフトは、各ワークチャンバ17a〜17dの底面の周縁部の所定の位置に当接可能となるようにメインチャンバ12の底面に設けられた移動機構41a〜41d,42a,42b,42dである。なお、移動機構41cは、1台でワークチャンバ17cを上下方向に移動できるようになっている。
移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dは、それらの上下方向の他端側に伸縮部43a,43b,43d,44a,44b,44dが伸縮自在に設けられている。伸縮部43a,43b,43d,44a,44b,44dの他端側には、ワークチャンバ17a,17b,17dの底面に当接する当接板40a,40b,40dが設けられている。当接板40a,40b,40dは、搬送テーブル18の開口54a,54b,54dの口径よりも小さい幅を有しており、開口54a,54b,54dを通り抜けられるようになっている。そして、移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dにより各ワークチャンバ17a,17b,17dを持ち上げることにより、開口54a,54b,54dを通って、各ワークチャンバ17a,17b,17dの下部開口30a,30b,30dの周縁部の露出した部分に当接することができる(図1及び図3参照)。かかる構成により、移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dと、伸縮部43a,43b,43d,44a,44b,44dの上下方向の動きに連動して、当接板40a,40b,40dが上下に移動可能となる。
移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dを駆動すると、伸縮部43a,43b,43d,44a,44b,44dに連動して当接板40a,40b,40dが上昇し、これらが搬送テーブル18の開口54a,54b,54dを通って搬送テーブル18上の各ワークチャンバ17a,17b,17dの下部開口30a,30b,30dの周縁部の露出した部分に当接する。そして、当接板40a,40b,40dが各ワークチャンバ17a,17b,17dを持ち上げてメインチャンバ12の蓋部材14に圧接する。このときの各ワークチャンバ17a,17b,17dのメインチャンバ12内の位置が第1の位置である(図1及び図3参照)。一方、移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dを駆動して、各ワークチャンバ17a,17b,17dを搬送テーブル18上に降ろすことも可能である。このときの各ワークチャンバ17a,17b,17dのメインチャンバ12内の位置が第2の位置である(図2及び図4参照)。
図1及び図2に示すように、移動機構41cは、伸縮部43cを有する構成は移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dが伸縮部43a,43b,43d,44a,44b,44dを有する構成と同様であるが、伸縮部43c上に設けられた貫通孔を有しない調整板46と、調整板46上に設けられた当接部材47とを有しており、調整板46のワークチャンバ17c側の面には、下部開口30cの周囲を囲む枠状の当接部材47が設けられて構成されている。調整板46上の当接部材47は、搬送テーブル18の開口54cの口径よりも小さい幅を有しており、開口54cを通り抜けられるようになっている。そして、開口54cを通って、ワークチャンバ17cの下部開口30cの周縁部の露出した部分に当接し、移動機構41cによりワークチャンバ17cを持ち上げることができる。かかる構成により、移動機構41cは、移動機構41a等と同様にして、ワークチャンバ17cを持ち上げて蓋部材14に圧接して第1の位置(図1参照)とし、ワークチャンバ17cを搬送テーブル18上に降ろして第2の位置(図2参照)とすることができる。
図1〜図4に示すように、蓋部材14には、各スペース16a〜16dの何れかに対応する位置に、ワークチャンバ17a〜17dの上部開口20a〜20dと略同一形状を有し、外部と連通する開口部56a〜56dがそれぞれ設けられている。また、蓋部材14は、上部開口20a〜20dと開口部56a〜56dとを封止するための開閉蓋21a〜21dを有しており、蓋部材14上の各スペース16a〜16dに対応する位置に、それぞれ配置されている。これらにより、上部開口20a〜20dと開口部56a〜56dとを封止することができる。なお、開閉蓋21a〜21dは、駆動手段(不図示)により上下方向に移動して、上部開口20a〜20dを開放及び封止することができる。
薄膜形成装置1は、蓋部材14及び開閉蓋21a〜21dにより、メインチャンバ12の上部開口13,20a〜20dが封止され、ワークチャンバ17a〜17dを上述の第1の位置に移動させた状態で高真空排気ポンプ31,32を連結することにより、ワークチャンバ17a,17b,17d内を、それぞれ独立して真空排気することができる。なお、詳細は後述するが、ワークチャンバ17cは、高真空排気ポンプ11により真空排気される。
図1及び図2に示すように、高真空排気ポンプ31は、メインチャンバ12の架台10側の底面の、ロードロックスペース16aに対応する位置に設けられており、排気管34及び蛇腹排気管33aを介して下部開口30aに接続されている。かかる構成により、高真空排気ポンプ31は、ロードロックスペース16aに搬送された各ワークチャンバ17a〜17dの何れかの内部を排気することができる。即ち、高真空排気ポンプ31は、ロードロックスペース16a内の各ワークチャンバ17a〜17dの個別排気手段として機能する。一方、図3及び図4に示すように、高真空排気ポンプ32は、メインチャンバ12の架台10側の底面の、第1の表面処理スペース16bに対応する位置に設けられており、排気管35,36及び蛇腹排気管33b,33dを介して下部開口30b,30dに接続されている。排気管36は、排気管35に接続されて高真空排気ポンプ32に接続されている。高真空排気ポンプ32を用いて、第1の表面処理スペース16b及び第2の表面処理スペース16dに搬送された各ワークチャンバ17b,17dの何れかの内部を真空排気するように構成されている。即ち、高真空排気ポンプ32は、第1の表面処理スペース16b及び第2の表面処理スペース16d内の各ワークチャンバ17b,17dの個別排気手段として機能する。
図1〜図4に示すように、メインチャンバ12の底面の各スペース16a,16b,16dに対応する位置には、外部と連通する下部開口55a,55b,55dがそれぞれ設けられている。下部開口55a,55b,55dには、それらの上方の略中央に、厚さ方向に貫通して設けられた貫通孔37a,37b,37dを有する当接板38a,38b,38dが固定され、貫通孔37a,37b,37dを閉塞するように蛇腹排気管33a,33b,33dが連結されている。蛇腹排気管33a,33b,33dの端部には、略中央に厚さ方向に貫通して設けられた貫通孔39a,39b,39dを有する当接板40a,40b,40dが固定されている。移動機構41a,41b,41d,42a,42b,42dにより、当接板40a,40b,40dが蓋部材14の方向に持ち上げられると、それらに連動して蛇腹排気管33a,33b,33dが伸縮する。そして、当接板40a,40b,40dがワークチャンバ17a,17b,17dの底面に当接されると、これらの下部開口30a,30b,30dと、当接板40a,40b,40dの貫通孔39a,39b,39dと、当接板38a,38b,38dの貫通孔37a,37b,37dと、メインチャンバ12の下部開口55a,55b,55dとが連通する。
そして、この下部開口55a,55b,55dに、排気管34〜36の端部が連結されると、仕切弁(不図示)を介して高真空排気ポンプ31,32に接続され、各ワークチャンバ17a〜17dの何れかの内部を真空排気することができる。また、排気管34〜36には、真空破壊弁45a,45b,45dも並列して接続されていることから、各ワークチャンバ17a〜17dの何れかの内部の真空を破壊することもできる。
図1及び図2に示すように、メインチャンバ12の底面には、外部と連通する下部開口55cが設けられており、この下部開口55cに排気管57が接続されることにより、高真空排気ポンプ11は、スパッタ処理スペース16cに配置された各ワークチャンバ17a〜17dの何れかの内部を独立して真空排気することができる。即ち、高真空排気ポンプ11は、メインチャンバ12の排気手段と、スパッタ処理スペース16cに配置された各ワークチャンバ17a〜17dの何れかの排気手段を兼ねるものである。そして、スパッタ処理スペース16c内の各ワークチャンバ17a〜17dの個別排気手段として機能する。
図2及び図4に示すように、薄膜形成装置1は、各ワークチャンバ17a〜17dが搬送テーブル18上に載置され第2の位置に移動させた状態では、上部開口20a〜20dがメインチャンバ12の蓋部材14から離間し、且つ下部開口30a〜30dから高真空排気ポンプ31,32が離間する。この状態では、各ワークチャンバ17a〜17dは、メインチャンバ12内に開放されるため、独立して真空排気されずに上述の高真空排気ポンプ11によりメインチャンバ12と共に排気される。
図1〜図4に示すように、第1の表面処理スペース16b及び第2の表面処理スペース16dでは、高周波電極48,49を用いて表面処理を行い、両者は高周波の出力値が異なること以外は同様の処理であるので、共通の高真空排気ポンプ32を用いて排気処理を行ったとしても、処理精度に影響は無い。1台の高真空排気ポンプ32で2つのワークチャンバ17b,17d内を真空排気できるので、装置のコンパクト化を実現することができる。また、高真空排気ポンプ11は、メインチャンバ12の真空排気を行うと共に、スパッタ処理スペース16cの何れかのワークチャンバ17a〜17dの真空排気も独立して行えるようになっている。一方、高真空排気ポンプ32は、ワークチャンバ17b,17dの真空排気をそれぞれ独立して行うように構成されているが、この構成に限定されない。例えば、メインチャンバ12とワークチャンバ17a〜17dの真空排気を独立して行えるように、任意の排気手段を設けてもよい。
ロードロックスペース16aでワークWの導入又は取り出しを行い、且つそれ以外の各スペース16b〜16dで独立してそれぞれ真空処理を行う場合には、各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動して行う。各スペース16b〜16dにおける個別の真空処理は、以下の処理手段を用いて行う。
メインチャンバ12上の、各スペース16b〜16dの何れかに対応する位置に、ワークWに対して独立してそれぞれ真空処理を行う処理手段が設けられている。かかる処理手段は、第1の表面処理スペース16bにおいて、高周波プラズマを用いてワークWの表面に前処理を施す第1の表面処理手段であり、スパッタ処理スペース16cにおいて、ワークWの表面にスパッタ処理を施すスパッタ処理手段であり、第2の表面処理スペース16dにおいて、高周波プラズマを用いてワークWの表面に後処理を施す第2の表面処理手段である。第1の表面処理手段及び第2の表面処理手段は、少なくとも開閉蓋21b,21dの下面に設けられた高周波電極48,49を含むものである。また、スパッタ処理手段は、開閉蓋21cの下面に設けられた成膜用スパッタ源50と、開閉蓋21cの上面に設けられた成膜用マグネット51と、成膜用マグネット51を矢印Eの方向に移動させることが可能なマグネット駆動機構52と、マグネット駆動機構52の駆動を制御する制御部53とを含むものである。これらの処理手段により、各スペース16b〜16dにおいて、ワークWに各表面処理を施すことができ、或いは、ワークWにスパッタ処理を施して均一な金属薄膜を成膜することができる。なお、前処理及び後処理については後述する。
また、ロードロックスペース16a以外の各スペース16b〜16dでワークWの姿勢を変更する場合には、各ワークチャンバ17b,17dを第2の位置に移動して行う。各スペース16b〜16dにおけるワークWの姿勢の変更作業は、以下の変更手段を用いて行う。
図6は、本実施形態の薄膜形成装置におけるワークチャンバに保持部材を介してワークを導入した状態について図5のA−A′線部分断面図であり、図7は、当該装置におけるワークチャンバに保持部材を介してワークを導入した状態について図5のC−C′線断面図である。図6及び図7に示すように、ワークチャンバ17a〜17dの内部には、処理対象であるワークW(後述する)を導入して処理に応じた姿勢を保持させるための保持部材22a〜22dが、それぞれ着脱自在に設けられている。保持部材22a〜22dは任意の形状を有し、ワークWを保持することが可能であれば特に限定されず、ワークWの形状や処理条件等に応じて適宜選択できる。また、任意の素材を適宜選択することができ、例えば、ステンレス等の金属を適用することができる。本実施形態においては、保持部材22a〜22dは、金属薄板の両端を折り曲げて所謂コの字状に成形し、その略中央を厚さ方向に貫通して貫通孔221a〜221dを設け、この貫通孔221a〜221dにワークWを嵌合して固定できるようにした部材である。また、保持部材22a〜22dの両端は、各ワークチャンバ17a〜17dの内壁に凹設された係合凹部23a〜23d,24a〜24dに係合可能な係合凸部25a〜25d,26a〜26dに、それぞれ螺子留めされ、各ワークチャンバ17a〜17dに固定できるようになっている。本実施形態では、係合凹部23a〜23d,24a〜24dの底面(各ワークチャンバ17a〜17dの内壁側)に板バネ(不図示)が接合されており、係合凸部25a〜25d,26a〜26dを各ワークチャンバ17a〜17dの内壁側に押し込んで両者を係合することで、各保持部材22a〜22dを各ワークチャンバ17a〜17dにワンタッチで装着することができる。また、係合凸部25a〜25d,26a〜26dを再度押し込むことで、各保持部材22a〜22dをワンタッチで取り外すことができる。
本実施形態では、保持部材22a〜22dとして上述した部材を用いたが、処理に応じてワークWの姿勢を保持することができれば限定されず、例えば、ワークWを載置可能で貫通孔が設けられていない金属板や、ワークWを狭持して保持する1組の金属棒、或いは内部にワークWを載置するカゴ状の部材等であってもよい。また、ワークチャンバ17a〜17dに対して保持部材22a〜22dの着脱を自在に行うことができれば、係合凹部23a〜23d,24a〜24d及び係合凸部25a〜25d,26a〜26dの構造は上記に限定されない。これらの構造によれば、ロードロックスペース16aの各ワークチャンバ17a〜17dにおけるワークWの取り出しにおいて、各ワークチャンバ17a〜17d内の真空を破壊して開閉蓋21aを開け、各保持部材22a〜22dを取外して処理後のワークWを容易に回収することができる(図1等参照)。例えば、従来の保持部材がワークチャンバ内に螺子留めされる構成の薄膜形成装置では、ワークチャンバだけでなくメインチャンバ内の真空を破壊して蓋部材を開けてからでないと、螺子を外して保持部材及び処理後のワークを取り出すことができない。このような場合、新たなワークに処理を行う際に、メインチャンバの真空引きに時間を要するため、作業効率が低下してコスト高になる。
ワークWは、例えば、自動車のヘッドランプのリフレクターや計器類に利用される、射出成型されたプラスチック成型品等の種々の形状を有するものである。本実施形態では、ワークWに各真空処理を行う場合に、保持部材22a〜22d上にワークWを載置し、ワークWについて、必要な領域に各真空処理を行うことが可能な姿勢を保持した。
図1〜図4に示すように、搬送テーブル18の中央には、ワークチャンバ17a〜17d内の保持部材22a〜22dを回転駆動させることにより、ワークWを所定の姿勢に変更する回転駆動機構27が配置されている。回転駆動機構27は、ワークチャンバ17a〜17dが搬送テーブル18上に載置されている第2の位置(図2及び図4参照)で、回転軸部材28b〜28dがワークチャンバ17b〜17dの外壁(回転駆動機構27側)に設けられた接続部材29b〜29dを介して保持部材22b〜22dに接続されると、回転軸部材28b〜28dを回転駆動することができる。なお、ロードロックスペース16aでは、ワークWの導入及び取り出しを行うだけで回転させる必要がないことから、回転軸部材は設けられていない。ただし、ロードロックスペース16aに配置された何れかのワークチャンバ17a〜17dが、他のスペース16b〜16dに配置されて各真空処理を行う際に、ワークWを回転させて所定の姿勢に変更する必要がある。このため、全てのワークチャンバ17a〜17dの外壁(回転駆動機構27側)に、接続部材29a〜29dが設けられている。
図8は、図7に示す保持部材に固定したワークを回転駆動させた状態を概念的に示した図である。図8に示すように、回転駆動機構27により回転軸部材28b〜28dを回転駆動させると、それに連動して保持部材22b〜22dも矢印D2又はD3の方向へ回転駆動し、それに追随してワークチャンバ17b〜17d内の保持部材22b〜22dに固定したワークWも回転する。これにより、ワークWを、所定の姿勢、即ち真空処理が必要な領域に各真空処理を行うことが可能な姿勢に変更することができる。
図9の(a)は図8に示す保持部材に固定したワークに真空処理を施した状態を概念的に示した図であり、(b)は(a)のワークを図8の矢印D2方向に回転させて真空処理を施した状態を概念的に示した図であり、(c)は(a)のワークを図8の矢印D3方向に回転させて真空処理を施した状態を概念的に示した図である。図9(a)に示すように、保持部材22b〜22dを回転駆動させずに真空処理を行った場合には、保持部材22b〜22dの下方側のワークWの底面の領域S1に処理がなされ、所定の表面処理層又は薄膜F1が形成される。また、図9(b)及び(c)に示すように、矢印D2又はD3方向にそれぞれ回転駆動させて真空処理を行った場合には、ワークWの何れかの壁面の領域S2及びS3に、所定の表面処理層(又は薄膜)F2及びF3がそれぞれ形成される。
図1〜図4に示すように、本実施形態では、高真空排気ポンプ11,31,32として、ロータリーポンプ(RP)と、ターボ分子ポンプ(TMP)又はメカニカルブースターポンプ(MBP)とを組み合わせて使用したが、各種真空処理に必要とされる真空度を保持することができればこれらの組み合わせに限定されない。例えば、これらのポンプの他に、油拡散ポンプやクライオポンプ等の高真空排気ポンプを用いてもよい。また、本実施形態では、各真空処理に応じて、上記各ポンプを単独で使用してもよいし、各ポンプを複数組み合わせて使用してもよい。
本実施形態においては、ワークチャンバ17a〜17dの上部開口20a〜20dの周囲に、Oリング等のシール機構(不図示)をそれぞれ設けて、ワークチャンバ17a〜17dが蓋部材14に当接された第1の位置(図1及び図3参照)において、これらのシール機構により内部の気密を保持した。ただし、シール機構は、必ずしもワークチャンバ17a〜17dの側に設けられる必要はなく、例えば、メインチャンバ12の蓋部材14側に設けられてもよい。真空処理時にワークチャンバ17a〜17dの何れかが高温で加熱される場合には、シール機構が劣化するおそれがあるため、シール機構をメインチャンバ12側に設けることが望ましい。
薄膜形成装置1において、メインチャンバ12内で必要とされる各ワークチャンバ17a〜17dの上下動のストロークは、各ワークチャンバ17a〜17dとメインチャンバ12とのOリング等のシール機構(不図示)を切り離して搬送が可能となると共に、当該シール機構に損傷を与えない程度の幅であればよく、5mm〜10mmの極めて短いストロークとすることができる。本実施形態では、5mmのストロークとした。これにより、メインチャンバ12のサイズを最小に抑えることが可能となる。従って、薄膜形成装置1の大きさをコンパクトに抑えることができ、装置コスト、設置コスト、及びランニングコストを大幅に改善することができる。
本実施形態では、制御部53によりマグネット駆動機構52の動きを制御して、ワークWの形状に応じて成膜用マグネット51の位置や移動速度を変更することで、薄膜の膜厚の均一性を保持した。なお、上述の回転駆動機構27によるワークWの姿勢の変更に応じて、制御部53により成膜用マグネット51の位置や移動速度を変更し、複雑な形状を有するワークWであっても、薄膜の均一性を保持して成膜するように構成されてもよい。
例えば、スパッタ処理スペース16cにおいて、ワークWの領域S1に成膜処理(スパッタ処理)を施して薄膜F1を形成する場合(図9(a)参照)には、成膜用スパッタ源50とワークWの領域S1との距離(所謂T−S距離)が、他の領域S2,S3(図9(b)及び(c)参照)と比較して長くなるため、薄膜F2,F3の膜厚よりも薄膜F1の膜厚の方が薄くなる傾向にある。そこで、本実施形態では、制御部53により成膜用マグネット51の移動速度を落とすことで、ワークWの領域S1上に発生させるプラズマの密度を上昇させて、他の領域S2,S3との膜厚の差を小さくすることができる。一方、ワークWの壁面を含む領域S2,S3に成膜処理(スパッタ処理)を施して薄膜F2,F3を形成する場合には、回転駆動機構27によりワークWを所定の角度に傾けた状態で、ワークWの形状に応じて制御部53により成膜用マグネット51の移動速度に変動を加えることで、ワークWの領域S2,S3上に発生させるプラズマの密度を調整する。これにより、ワークWの形状に応じて薄膜F2,F3の膜厚を制御し均一性を保持することができる。
上述した通り、本実施形態では、第1の表面処理スペース16bにおいて前処理としてワークWの表面の不要物を除去して粗面化し、スパッタ処理スペース16cにおいてスパッタ処理を行ってワークWの表面に金属薄膜を形成し、第2の表面処理スペース16dにおいて後処理としてプラズマ重合成膜処理を行ってワークWの表面に保護膜を形成し、回転駆動機構27の駆動と制御部53による成膜用マグネット51の位置や移動速度の変更を連動して行ったが、この構成に限定される訳ではない。例えば、ワークWの形状に応じて、これらを個別に制御してもよいし、ワークWの姿勢の変更又は成膜用マグネット51の位置や移動速度の制御の何れかを行ってもよい。なお、ロードロックスペース16aでは、ワークWのローディング(導入)やアンローディング(取り出し)を行った。
(薄膜形成方法)
次に、図1〜図4を参照しつつ、薄膜形成装置1の基本的な動作について説明する。
まず、搬送機構19により搬送テーブル18を回転駆動して、各スペース16a〜16dに各ワークチャンバ17a〜17dをそれぞれ配置し、各移動機構41a〜41d,42a,42b,42dにより、各ワークチャンバ17a〜17dを蓋部材14に当接して第1の位置に移動する(図1及び図3参照)。かかる第1の位置においては、各ワークチャンバ17a〜17dがメインチャンバ12から隔離され、内部の気密がそれぞれ確保される。
次に、ロードロックスペース16aにおいて、真空破壊弁45aを開放してワークチャンバ17aの真空を破壊した後、ワークチャンバ17aの開閉蓋21aを持ち上げて保持部材22aを取り外し、ワークWを保持部材22aに固定し、その状態でワークチャンバ17a内に装着する(図6及び図7参照)。そして、開閉蓋21aでワークチャンバ17aの上部開口20aを封止し、真空破壊弁45aを封止してから高真空排気ポンプ31を作動して内部を所定の真空度、即ちメインチャンバ12と同等の真空度になるまで排気する。これにより、ロードロックスペース16aにおけるワークWの導入が完了する。なお、ワークチャンバ17b〜17d内には、まだワークWが導入されていない。
次に、各移動機構41a〜41d,42a,42b,42dにより各ワークチャンバ17a〜17dを搬送テーブル18上に載置して第2の位置に移動する(図2及び図4参照)。そして、当接板40a,40b,40d及び調整板46の当接部材47が各下部開口55a〜55dを通って搬送テーブル18の下方側に移動する。かかる第2の位置においては、各ワークチャンバ17a〜17dの上部開口20a〜20d及び下部開口30a〜30dがメインチャンバ12内に開放され、メインチャンバ12に設けられた高真空排気ポンプ11によって、各ワークチャンバ17a〜17d内が所定の真空度になるまで排気される。
メインチャンバ12内の各ワークチャンバ17a〜17dの位置を、上述の第1の位置及び第2の位置の何れかに切り替えることで、ワークWの導入作業及び各真空処理を容易に且つ連続して行うことができる。以下、第1の表面処理スペース16b、スパッタ処理スペース16c及び第2の表面処理スペース16dにおいて行う各真空処理について説明する。
ロードロックスペース16aにおけるワークWの導入作業の後に、第2の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを搬送機構19により回転駆動して、ロードロックスペース16aのワークチャンバ17aを第1の表面処理スペース16bに搬送する。このとき、第1の表面処理スペース16bのワークチャンバ17bを次のスパッタ処理スペース16cに搬送し、スパッタ処理スペース16cのワークチャンバ17cを次の第2の表面処理スペース16dに搬送し、第2の表面処理スペース16dのワークチャンバ17dを最初のロードロックスペース16aに搬送する。
各ワークチャンバ17a〜17dの搬送が完了した後に、第2の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動する。これにより、各スペース16a〜16dでは、所定の作業又は真空処理を行うことができるようになる。第1の表面処理スペース16bにおいては、搬送したワークチャンバ17a内にアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを所定のガス供給手段(不図示)により導入し、平板型カソード等の高周波電極48に接続された高周波電源(不図示)を動作させ、ワークWの表面に前処理を施す。具体的には、ワークWの表面の不要物を除去して粗面化する。当該処理により、この後に行うスパッタ処理において、不要物の少ない良質の金属薄膜を形成することができる。
なお、第1の表面処理スペース16bで前処理を行っている間に、ロードロックスペース16aにおいては、上記と同様にして、ワークチャンバ17d内にワークWを導入する。
第1の表面処理スペース16bでの前処理及びロードロックスペース16aでのワークWの導入作業の後に、第1の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第2の位置に移動する。そして、各ワークチャンバ17a〜17dを搬送機構19により回転駆動して、第1の表面処理スペース16bのワークチャンバ17aをスパッタ処理スペース16cに搬送する。また、上述の通り、他のワークチャンバ17b〜17dも、各スペース16a,16b,16dにそれぞれ搬送する。
各ワークチャンバ17a〜17dの搬送が完了した後に、第2の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動する。そして、スパッタ処理スペース16cにおいては、搬送したワークチャンバ17a内にアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを所定のガス供給手段(不図示)により導入し、成膜用スパッタ源50に接続された電源(不図示)を動作させ、成膜用マグネット51を矢印Eの方向に動かすことによってプラズマを生じさせ、ワークWの表面にアルミニウム(Al)等の金属材料を堆積して金属薄膜を形成する。
本実施形態では、成膜用スパッタ源50として、ベースプレートである銅(Cu)製の基材(Cu基材)と、金属材料であるAl材(スパッタ源)と、エンボス状に加工したCu板(エンボスCu板)とが接着されてなるターゲット材を用いた。このような構成のターゲット材を用いることで、エンボスCu板がスパッタ処理時の発熱によりAl材がCu基材に溶着することを抑制して、ターゲット材の交換時に溶着したAl材を削って除去する作業を無くすことができる。その結果、作業効率を向上させてコスト性を高めることができる。勿論、本実施形態では、一般的な構成のターゲット材を適用することもできる。
なお、スパッタ処理スペース16cでスパッタ処理(金属薄膜の成膜処理)を行っている間に、第1の表面処理スペース16bにおいては、ワークチャンバ17d内で前処理を行うと共に、ロードロックスペース16aにおいては、ワークチャンバ17c内にワークWを導入する。
スパッタ処理スペース16cでのスパッタ処理、第1の表面処理スペース16bでの前処理及びロードロックスペース16aでのワークWのローディング作業の後に、第1の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第2の位置に移動する。そして、各ワークチャンバ17a〜17dを搬送機構19により回転駆動して、スパッタ処理スペース16cのワークチャンバ17aを第2の表面処理スペース16dに搬送する。また、上述の通り、他のワークチャンバ17b〜17dも、各スペース16a〜16cにそれぞれ搬送する。
各ワークチャンバ17a〜17dの搬送が完了した後に、第2の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動する。そして、第2の表面処理スペース16dにおいては、搬送したワークチャンバ17a内に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)ガス等の成膜ガスを所定のガス供給手段(不図示)により導入し、平行平板電極等の高周波電極49に接続された高周波電源(不図示)を動作させてプラズマ重合を行うことにより、ワークWの表面にHMDSOポリマーからなる保護膜を形成する。
なお、第2の表面処理スペース16dでプラズマ重合成膜処理を行っている間に、上記と同様にして、スパッタ処理スペース16cにおいては、ワークチャンバ17d内でスパッタ処理を行い、第1の表面処理スペース16bにおいては、ワークチャンバ17c内で前処理を行い、ロードロックスペース16aにおいては、ワークチャンバ17b内にワークWを導入する。
第2の表面処理スペース16dでのプラズマ重合成膜処理、並びに各スペース16a〜16cでのワークWのローディング作業及び各真空処理の後に、第1の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第2の位置に移動する。そして、各ワークチャンバ17a〜17dを搬送機構19により回転駆動して、第2の表面処理スペース16dのワークチャンバ17aをロードロックスペース16aに搬送する。また、上述の通り、他のワークチャンバ17b〜17dも、各スペース16b〜16dにそれぞれ搬送する。
各ワークチャンバ17a〜17dの搬送が完了した後に、第2の位置にある各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動する。そして、ロードロックスペース16aにおいては、搬送したワークチャンバ17a内のワークWを上述した通りに取り出して、新しいワークWを導入する。また、ロードロックスペース16aでワークWの導入及び取り出しを行っている間に、各スペース16b〜16dで、上述した通りに各真空処理を行う。
このように、薄膜形成装置1においては、上述したワークWの導入や取出しを行う場合や、ワークWに対して各真空処理を行う場合に、各ワークチャンバ17a〜17dを第1の位置に移動し、各ワークチャンバ17a〜17dを各スペース16a〜16dに搬送する場合に、第2の位置に移動する。これにより、薄膜形成装置1は、各ワークチャンバ17a〜17dのメインチャンバ12内の鉛直方向の位置を変更するだけで、ワークWを連続的に投入して表面処理や薄膜形成等の各種の真空処理を連続的に行うことができる。
薄膜形成装置1は、保持部材22a〜22dに固定してワークチャンバ17a〜17dに収容できる形状及び寸法を有するワークWであれば、非定形の様々なワークWを連続的に各真空処理することができる。また、薄膜形成装置1は、保持部材22a〜22dの装着や取り外しをワンタッチで容易に行うことができ、また、メインチャンバ12を大気開放せずに行うことができるので、ワークWに対して高品質且つ高性能な薄膜形成を短時間で実現することができる。これにより、薄膜形成装置1のフレキシビリティが大幅に改善され、1台で様々の製品を処理できるようになる。更に、薄膜形成装置1は、移動機構41a〜41d,42a,42b,42dに設けられた各気密機構も簡便なもので済むため、コストを抑えると共に信頼性を高いものとすることができる。
上述した通り本発明に係る薄膜形成装置の優れた効果は、例えば、特許文献1〜特許文献3の真空処理装置では実現することができない。即ち、特許文献1及び特許文献2の真空処理装置は、スパッタリングによる薄膜形成とプラズマCVDによる保護膜の形成を同一のチャンバ内で実行するものであるので、複数のワークチャンバを各処理スペースに適宜搬送して所定の処理を行うことができず、成膜の高速化には限界がある。
特許文献3の真空処理装置は、第1の開口と第2の開口をそれぞれ有する2つのワークチャンバをロードロックスペースとスパッタ処理スペースとの間で順次搬送し、第1の開口を介して被処理物(ワーク)の出し入れを行い、第2の開口を介して真空破壊や排気を適宜行うことが可能なものである。しかしながら、この装置は、真空処理時にワークが導入されたワークチャンバを搬送機構により真空処理スペースに搬送し、第1の開口と第2の開口の少なくとも何れかをメインチャンバ内に開放した状態で真空処理を実行するため、3つ以上のワークチャンバでそれぞれ異なる真空処理を同時に行うと、薄膜の品質や性能が低下するおそれがある。従って、この装置は、4つのワークチャンバを各処理スペースに適宜搬送して異なる処理を行うことは困難である。
また、特許文献3に記載の真空処理装置は、ワークチャンバ内にワークを固定する保持部材を取外す際には、メインチャンバを大気開放する必要が生じ、真空引きに時間を要することになる。従って、この装置は、保持部材の装着や取り外しをワンタッチで行うことができず、作業時間の短縮やコスト削減を図ることが困難になる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、各スペース及びワークチャンバの平面視した形状をそれぞれ略正方形状としたが、この形状に限定されず、略円形状、略楕円形状、多角形状等の各種の平面視の形状としてもよい。
上述した実施形態では、4つのワークチャンバが設けられた薄膜形成装置としたが、本発明はこれに限定されず、ワークチャンバの数は、3つあるいは5つ以上であってもよい。また、各ワークチャンバの平面形状も、図示したような四角形状には限定されず、円形状、楕円形状、多角形状等の種々の形状を与えることが可能であり、ワークの外形や装置の構成等に応じて適宜決定することができる。
本実施形態では、各スペースにおいてそれぞれ移動機構を用いて各ワークチャンバを蓋部材側に持ち上げたが、本発明は、このような移動機構を用いずに、例えば、蛇腹排気管や排気管等によって各ワークチャンバをそれぞれ持ち上げるようにしてもよい。或いは、メインチャンバ内の各ワークチャンバの上下方向の移動(例えば5mmのストローク)を、例えば、LMガイド(登録商標)等のリニアガイドを用いて行い、各当接板の上下方向の移動(例えば10mmのストローク)を、上述した移動機構を用いて行うようにしてもよい。各ワークチャンバをリニアガイドで上下方向に移動させる場合には、このリニアガイドを各ワークチャンバの外壁(回転駆動機構側)に配置し、リニアガイドを介して搬送テーブルの周縁部に各ワークチャンバを固定すればよい。この場合、搬送テーブルの幅(外径)を、各ワークチャンバの外壁(回転駆動機構側)の間の領域に収まるサイズであって、周縁部が各当接板の端縁部に接触しないサイズに成形したものを用いる。このような搬送テーブルは、開口を設ける必要が無いため、各当接板の上下方向の移動を、更にスムーズに行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
上述した実施形態では、真空処理の一例として、表面処理では前処理(不要物の除去及び粗面化)及び後処理(プラズマ重合成膜処理)を、成膜処理ではスパッタ処理を、それぞれ挙げたが本発明はこれに限定されない。例えば、表面処理としては、例えば、逆スパッタ処理、イオン打ち込み処理、電子線照射処理、真空加熱処理、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)等を挙げることができ、成膜処理としては、例えば、蒸着、化学気相成長、イオンプレーティング等を挙げることができる。また、これら以外に、エッチング・表面加工処理としては、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)、化学ドライエッチング(Chemical Dry Etching:CDE)、イオンミリング(Ion Milling:IM)、収束イオンビームエッチング(Focused Ion Beam etching:FIB)、反応性イオンビームエッチング等を挙げることができる。
また、スパッタ処理においては、金属材料としてアルミニウム(Al)を用いた例を挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、クロム(Cr)、スズ(Sn)、インジウム(In)等であってもよい。
上述した実施形態では、各ワークチャンバの下部開口が、ワークの導入及び取り出しの際には、真空破壊、真空粗引き口として作用し、各ワークチャンバを搬送テーブルの上に降ろした状態においては、高真空排気口として作用する構成の薄膜形成装置としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各下部開口を、ワークの回転、揺動、振動等のための動力の導入口として利用してもよい。
上述した実施形態では、最も簡便な構成を例示したが、本発明はこれには限定されない。即ち、本発明によれば、各スペースにおいて、各下部開口を介して動力を各ワークチャンバ内に導入し、ワーク或いはそれ以外の要素に対して回転、回動、振動、揺動、平行移動、垂直移動等の各種の運動を適宜与えることができる。例えば、スパッタ処理スペースにおいて、スパッタリングの代わりにエッチングを行う場合に、ワークのエッチング位置を調節したり、エッチングマスクを配置するための動力を、ワークチャンバの下部開口を介して導入したりすることができる。
上述した実施形態では、各係合凹部及び係合凸部を用いて各保持部材を回転駆動機構に連結する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カム機構や歯車機構等を用いてワークWが回転、回動、振動又は揺動するように構成してもよい。
本発明は、自動車のヘッドランプのリフレクターや計器類等に利用される、プラスチック成型品等の種々の形状を有するワークを作製する際に利用することができる。
1 薄膜形成装置
10 架台
11,31,32 高真空排気ポンプ
12 メインチャンバ
13,20a〜20d 上部開口
14 蓋部材
15 開閉機構
16a ロードロックスペース
16b 第1の表面処理スペース
16c スパッタ処理スペース
16d 第2の表面処理スペース
17a〜17d ワークチャンバ
18 搬送テーブル
19 搬送機構
21a〜21d 開閉蓋
22a〜22d 保持部材
23a〜23d,24a〜24d 係合凹部
25a〜25d,26a〜26d 係合凸部
27 回転駆動機構
28b〜28d 回転軸部材
29a〜29d 接続部材
30a〜30d,55a〜55d 下部開口
33a,33b,33d 蛇腹排気管
34〜36,57 排気管
37a,37b,37d,39a,39b,39d,221a〜221d 貫通孔
38a,38b,38d,40a,40b,40d 当接板
41a〜41d,42a,42b,42d 移動機構
43a〜43d,44a,44b,44d 伸縮部
45a,45b,45d 真空破壊弁
46 調整板
47 当接部材
48,49 高周波電極
50 成膜用スパッタ源
51 成膜用マグネット
52 マグネット駆動機構
53 制御部
54a〜54d 開口
56a〜56d 開口部
W ワーク

Claims (5)

  1. ロードロックスペースと、第1の表面処理スペースと、スパッタ処理スペースと、第2の表面処理スペースとの4つのスペースを、回転対称位置に有するメインチャンバと、
    前記メインチャンバ内に収容され、前記4つのスペースの何れかに配置される、上下方向に開口した4つのワークチャンバと、
    前記4つのワークチャンバを、鉛直方向で異なる第1の位置と第2の位置とに移動する移動手段と、
    前記4つのワークチャンバを保持し、前記4つのワークチャンバが前記第2の位置に移動された場合において、前記4つのワークチャンバを同時に回転して前記4つのスペースの何れかから他の何れかに搬送する搬送手段と、
    前記メインチャンバ内を排気する排気手段と、
    前記メインチャンバの上部開口を封止する蓋部材であって、前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記ロードロックスペースに配置する何れかのワークチャンバの上部開口を開放可能とすると共に、他の3つのワークチャンバの上部開口を封止する蓋部材と、
    前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記4つのワークチャンバの前記上部開口を前記蓋部材で封止した状態で前記4つのワークチャンバの下部開口を介してそれぞれを独立して排気する個別排気手段と、
    前記4つのワークチャンバが前記第1の位置に移動された場合において、前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースにおいて被処理物に対して個別処理を行う処理手段と
    前記スパッタ処理スペースにおいて、被処理物にスパッタ処理を施して均一な金属薄膜を成膜するスパッタ処理手段と、
    前記スパッタ処理手段において、前記金属薄膜の成膜材料として用いる、銅製のベースプレートと、アルミニウム製のターゲットと、エンボス状の銅板とが接着され、前記エンボス状の銅板が前記銅製のベースプレートと前記アルミニウム製のターゲットとの間に配置されてなるアルミニウムを含むターゲット材と、を備え、
    前記第1の位置では、前記ロードロックスペースにおいて被処理物の導入又は取り出しが行われ、且つ前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースにおいて被処理物に対して個別処理が行われ、
    前記第2の位置では、前記4つのワークチャンバの上部開口及び下部開口の両方が前記メインチャンバ内に開放され、前記4つのワークチャンバが前記メインチャンバを介して前記排気手段で排気された状態で、前記搬送手段により搬送可能となることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記ロードロックスペース以外の3つの処理スペースに配置するワークチャンバのうちの所定スペースに配置する1つのワークチャンバを排気する前記個別排気手段は、前記排気手段を兼ねており、
    前記第1の位置では、前記所定スペースに配置する1つのワークチャンバが、前記メインチャンバに連通する前記下部開口を介して前記排気手段で排気され、他の3つのワークチャンバが、前記下部開口に接続された前記個別排気手段で排気され、
    前記第2の位置では、前記4つのワークチャンバの前記上部開口が前記メインチャンバ内に開放され、且つ前記所定スペースの1つのワークチャンバの前記下部開口が前記メインチャンバ内に開放されると、前記他の3つのワークチャンバの前記下部開口には前記個別排気手段が接続された状態と、前記4つのワークチャンバの前記上部開口及び前記下部開口の両方が前記メインチャンバ内に開放され、前記搬送手段により搬送が可能な状態と、があることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記第1の表面処理スペースにおいて、高周波プラズマを用いて前記被処理物に前処理を施す第1の表面処理手段と
    前記第2の表面処理スペースにおいて、高周波プラズマを用いて前記被処理物に後処理を施す第2の表面処理手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記4つのワークチャンバ内に着脱自在にそれぞれ設けられた、前記被処理物を所定の姿勢で保持する保持部材と、
    前記ワークチャンバ内で前記保持部材を回転して前記被処理物を所定の姿勢に変更する変更手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記スパッタ処理スペースに配置するワークチャンバ内で、前記変更手段による前記被処理物の姿勢の変更に連動して、スパッタ処理用マグネットの駆動速度を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項に記載の薄膜形成装置。
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