JP4702867B2 - 真空処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空処理装置に関し、例えばプラスチックス成型品などの種々の形状を有する被処理物を連続的に投入して薄膜形成や表面改質などの各種の真空処理を連続的に行う真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、真空中における薄膜形成、エッチングあるいは表面改質などの様々な処理技術が急速に発達し、幅広い産業分野において各種の真空処理が採用されつつある。しかし、通常の用途において、薄膜形成などの真空処理を施すべき被処理物は、特定の形状、大きさを持ったものには限定されない。このため、被処理物を連続的に真空処理できる装置であって、さらに、様々な形状、大きさの被処理物にも対応できるフレキシブルな真空処理装置が望まれている。
【0003】
さらに、このような真空処理は、自動化できることが望ましい。
【0004】
従来、例えばプラスチックス成型品に薄膜を被覆する真空装置としては、成膜費用の安価なバッチ式の真空蒸着装置またはスパッタリング装置が多く使用されている。
【0005】
図16は、従来のバッチ式真空蒸着装置の構成を概念的に表す断面図である。すなわち、同図に例示した装置は、ベルジャー型の真空チャンバ102と、蒸発源103と、排気ポンプ104と、仕切弁105とを有する。真空チャンバ102を上方矢印の方向に上げた状態でチャンバ102の内部にプラスチックス成型品などの被処理物101を配置した後、チャンバを矢印下方に下げて内部を真空排気した状態で、フィラメントや電子ビーム蒸発源などの蒸発源103から所定の材料を蒸発させて被処理物101の表面に薄膜を形成することができる。
【0006】
しかし、同図に例示したバッチ式の処理装置は、被処理物の供給及びフィラメントや蒸発材料の供給が人手によるところから、自動化が困難であるという問題があった。
【0007】
さらに、被処理物101を一度に大量に真空処理するためには、装置を大型化する必要があり、大量の被処理物をバッチ式で処理するために、生産のフレキシビリティにも乏しい。しかも、作業者200の作業性を確保するためには、ピット110を掘って、装置の下側を埋設する必要があり設置費用が増大するという問題もあった。
【0008】
一方、大量の被処理物を連続的に真空処理する装置のひとつとして、「インライン式」の真空処理装置がある。
【0009】
図17は、インライン式の連続式成膜装置の構成を例示する概念図である。同図に表した装置は、予備チャンバ202A、処理チャンバ205、予備チャンバ202Bが直線状に連結され、これらの間には、仕切弁203、208が設けられている。また、それぞれのチャンバには、排気弁206と真空破壊弁207が適宜設けられている。
【0010】
作業にあたっては、まず、真空破壊弁207により予備チャンバ202Aを大気圧とし、蓋を矢印Bの方向に開けて被処理物101を矢印Aの方向に導入する。しかる後に、排気弁206を開いて予備室202Aを排気し、仕切弁208を開けて被処理物101を処理チャンバ205に導入する。処理チャンバ205には、例えば、スパッタ源204などが設けられ、適宜所定の処理が行われる。被処理物101を処理チャンバ205に導入した後は、予備チャンバ202Aに同様の手続きで新たな被処理物101を導入できる。
【0011】
一方、処理チャンバ205で所定の処理が終了した被処理物101は、仕切弁203を介して予備チャンバ202Bに導入される。しかる後に、仕切弁203を閉め、真空破壊弁207を開けて予備チャンバを大気圧とし、蓋を矢印Cの方向に開けて被処理物101を取り出すことができる。
【0012】
以上説明したように、連続式処理装置においては、被処理物の導入と処理と取り出しとを同時進行的に行うことが可能である。そして、この種の装置の場合は、より生産性を高めることを目的に、処理チャンバは大気に晒すことなく、被処理物を入れ替える技術及び、処理サイクルを早めるため、予備室の容積を最小にする技術が求められている。
【0013】
しかし、図17に例示したようなインライン式の真空処理装置の場合、予備チャンバ、仕切弁、処理チャンバなどを順次連結するため、装置が大型化、複雑化し、装置の製造コストやその装置運転時の電力量が大きく、また、広い設置面積を要するなど、多大な出費が必要である。
【0014】
本発明者らは、この問題を解決しつつ、連続的に真空処理を行う装置を提案した。この真空処理装置を開示した文献としては、例えば、特開2000−64042号公報を挙げることができる。
【0015】
図18は、この真空処理装置の構成を表す概念図である。同図に例示した装置は、CD(Compact Disk)などのディスク基板に薄膜を堆積するスパッタ装置であり、略円筒状の基板搬送チャンバ312と、ほぼ円筒状のスパッタチャンバ311とが連結した構成を有する。被処理物であるディスク基板301は、円盤のサセプタ302の上に載置され、さらにこれが搬送アーム310の上に載置された状態で、回転機構303を矢印Cの方向に回転することにより、基板搬送チャンバ312内を搬送される。
【0016】
ディスク基板301の出し入れは、搬送チャンバ開口部306から行うが、この際に、ディスク基板301はサセプタ302とともにサセプタプッシャ308により矢印Bの方向に持ち上げられる。すると、サセプタ302により、ディスク基板301は、搬送チャンバ312から遮蔽された状態となり、搬送チャンバ312を真空状態に維持したまま、基板301を大気中で出し入れすることができる。この際に、仕切弁305を適宜開閉して、真空破壊、真空粗引きを実施することができる。
【0017】
一方、スパッタリングの際には、ディスク基板301は回転機構303によりスパッタチャンバ311の下に搬送され、サセプタプッシャ309により矢印Dの方向に持ち上げられる。この状態でスパッタ源307を動作させることにより、基板301の上に所定の薄膜を堆積することができる。
【0018】
図18に表した装置においては、被処理物であるディスク基板301を搬送するサセプタ302に「仕切弁」の役割も与えることにより、搬送チャンバ312やスパッタリングチャンバ311を真空状態に維持したまま、開口部306から基板301の出し入れができる。
【0019】
図18に表した装置は、CDのディスク基板のように、被処理物の厚さが薄い定形物に対しては、非常に生産性よく連続的に成膜することができる。
【0020】
しかし、非定形で、厚さのあるプラスチックス成型品などへの成膜に対応させるためには、その構造上、被処理物の厚さ以上の距離をサセプタプッシャ308、309により移動させた後に、スパッタチャンバ311への搬送する必要があるため、大がかりな装置となる。特に、真空内で上下動を行わせるサセプタプッシャ308、309の可動部分には、ベローズや磁気結合機構などの気密機構が必要とされ、上下動のストロークが長くなることは装置構成を複雑化する要因となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
以上、図16乃至図18を参照しつつ説明したように、厚みがあり、非定形の非処理物を連続的に真空処理し、且つ、省労働力、省スペース、省エネルギーを実現するためには、新たな発想に基づく装置構成が必要とされている。
【0022】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、非定形の厚みのある被処理物であっても連続的に真空処理でき、且つ、コンパクトで装置構成も簡略な真空処理装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の真空処理装置は、被処理物を真空処理する真空処理装置であって、ロードロックスペースと真空処理スペースとを有し大気よりも減圧された雰囲気を維持可能なメインチャンバと、前記メインチャンバ内に収容され、第1の開口と第2の開口とを有する複数のワークチャンバと、前記メインチャンバ内において前記ワークチャンバを搬送する搬送機構と、前記メインチャンバ内において移動可能な排気管と、を備え、
被処理物の導入または取り出しの時は、前記搬送機構により前記ワークチャンバのいずれかを前記ロードロックスペースに搬送し、前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接し且つ前記排気管をそのワークチャンバの前記第2の開口に接続した状態とすることにより、そのワークチャンバの内部空間を前記メインチャンバの内部空間から遮断して被処理物をそのワークチャンバ内に導入または取り出し可能とし、
前記被処理物の真空処理の時は、前記被処理物が導入されたワークチャンバを前記搬送機構により前記真空処理スペースに搬送し、前記第1の開口と前記第2の開口の少なくともいずれかを前記メインチャンバ内に開放した状態で真空処理を実行可能としたことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、非定形の被処理物を真空処理できるフレキシビリティが得られ、しかも、圧接部のシール機構を損傷しない程度の微少のストロークでワークチャンバを移動させることにより各スペース間を搬送できるために、装置をコンパクトかつ信頼性の高いものとすることができる。
【0025】
ここで、前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接し且つ前記排気管をそのワークチャンバの前記第2の開口に接続した状態とした時に、圧接部の気密を維持するOリングなどのシール機構を与えることが望ましい。
【0026】
また、前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段をさらに備え、前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記第2の開口を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えるものとすれば、真空処理をさらに充実させることができる。
【0027】
または、前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段をさらに備え、前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記第1の開口を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えるものとすれば、真空処理をさらに充実させることができる。
【0028】
前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段と、前記ワークチャンバの側壁にシール機構を介して設けられた動力伝達機構と、をさらに備え、前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記動力伝達機構を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えるものとしてもよい。
【0029】
または、前記ワークチャンバは、その内部に収容された被処理物に運動を与える駆動手段を有するものとすれば、真空処理をさらに充実させることができる。
前記被処理物に与える前記運動として、具体的には、前記被処理物の回転、回動、振動及び揺動のいずれかを挙げることができ、薄膜形成やエッチングなどの各種の真空処理を均一に実施することができる。
【0030】
また、前記真空処理の際に、前記ワークチャンバ内に所定のガスを導入しつつ前記第2の開口を介して前記ワークチャンバ内を排気することにより、差動排気を容易に実施することができる。
【0031】
また、前記メインチャンバは、複数の真空処理スペースを有し、前記ロードロックスペースと前記複数の真空処理スペースは、略同心円状に配置されたものとすれば、前処理や後処理なども含めた複数の真空処理をコンパクトな装置構成で連続的に実施することができる。
【0032】
また、前記真空処理スペースは、成膜、エッチング、表面加工、表面改質及び評価のいずれかを実行するものとすることができる。
【0033】
ここで、前記搬送機構は、回転可能な搬送テーブルと上下機構とを有し、前記搬送テーブル上に前記ワークチャンバを載置した状態で前記ワークチャンバを前記ロードロックスペースまたは前記真空処理スペースに搬送し、前記上下機構により前記ワークチャンバを上昇させることにより前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接させるものとすることができる。
【0034】
また、前記ロードロックスペースにおいて、前記排気管の移動により前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接するものとすれば、上下機構を省略することができる。
【0035】
また、前記搬送機構は、複数の搬送アームを有し、前記搬送アームを回転軸の周りに回転させることにより前記ワークチャンバを前記ロードロックスペースまたは前記真空処理スペースに搬送し、前記搬送アームを前記回転軸の方向に移動することにより前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接させることができる。
【0036】
さらに、前記ワークチャンバのそれぞれを、前記搬送アームのそれぞれに固定されたものとすれば、いわゆる垂直型の真空処理装置も実現が容易である。
【0037】
また、前記ワークチャンバは、前記第1の開口を介して脱着可能な防着板を有するものとすることができ、ワークチャンバの内壁などの汚染を防いでロードロックの開口から容易に防着板の交換などのメンテナンスができるようになる。
【0038】
なお、本願明細書において、「真空処理」とは、大気よりも減圧の雰囲気において被処理物に実施されるあらゆる処理を意味し、例えば、成膜、エッチング、表面加工、表面改質、評価などの各種の処理を含むものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の真空処理装置の構成を概念的に例示する断面図である。すなわち、同図は、本発明をスパッタリング装置に適用した例を表す。
【0040】
架台30の上には排気ポンプ15により真空排気されるメインチャンバ3が設けられている。そして、メインチャンバの内部には、複数のワークチャンバ2A、2Bが設けられている。これらのワークチャンバ2A、2Bは、上部開口(第1の開口)4と下部開口(第2の開口)5とをそれぞれ有する。後に詳述するように、ワークチャンバの数は2つには限定されず、3つあるいはそれ以上を設けることができる。
【0041】
これらのワークチャンバは、上下機構10によって上方に持ち上げられ、メインチャンバ上蓋9の下面に圧接可能とされている。図1は、ワークチャンバが上下機構10により上方に持ち上げられた状態を表し、図2は、ワークチャンバが下方に降ろされた状態を表す。
【0042】
図2に表したように、ワークチャンバ2A、2Bは、下方に降ろされた時に、アーム状の搬送テーブル8の上に載置された状態となる。そして、この状態で、矢印方向に回転する回転式搬送機構7によって、メインチャンバ3の内を回転搬送可能とされている。
【0043】
一方、メインチャンバ3の上蓋9には、開閉式蓋13と成膜用スパッタ源14とが設けられている。開閉式蓋13の部分は、被処理物のロードロックスペース3Aであり、スパッタ源14の下の部分は、スパッタ処理スペース3Bとして作用する。
【0044】
図3は、搬送テーブル8と、ロードロックスペース3A、スパッタ処理スペース3Bとの平面的な位置関係を例示する概念図である。同図に例示したように、ワークチャンバ2A、2Bは、搬送テーブル8の上に載置された状態で、回転式搬送機構7により矢印の方向に回転搬送され、これらのいずれかのスペースに移動可能とされている。なお、図3においては、各スペース3A、3B及びワークチャンバ2A、2Bの平面形状をそれぞれ略正方形状としたが、本発明はこれに限定されず、略円形状、略楕円形状、多角形状などの各種の平面形状を同様に与えることも可能である。
【0045】
ワークチャンバ2A、2Bの上部開口4の周囲には、Oリングなどのシール機構22が設けられている。そして、図1に表したように、ワークチャンバが上蓋8に圧接された状態では、シール機構22により気密が得られるようにされている。但し、このシール機構22は、必ずしもワークチャンバの側に設けられる必要はなく、逆に、メインチャンバの上蓋9の側に設けてもよい。被処理物に対して必要とされる真空処理の際に、ワークチャンバがかなり加熱されるような場合には、Oリングなどのシール機構22が劣化するおそれもある。このような場合には、シール機構22をメインチャンバ側に設けることが望ましい。
【0046】
一方、開閉式蓋13の下方には、ワークチャンバを排気するための排気管11が設けられている。排気管11は、仕切弁16を介して図示しない排気ポンプに接続され、また真空破壊弁17も並列接続されている。さらに、排気管11は、排気管駆動機構12によって上下に可動とされている。
【0047】
次に、図1乃至図3を参照しつつ、この真空処理装置の基本的な動作について説明する。
【0048】
まず、図1に表したようにロードロックスペース3Aに配置されたワークチャンバ2Aにおいて、被処理物1のローディング(導入)やアンローディング(取り出し)を行う。具体的には、回転機構7によってワークチャンバ2Aをロードロックスペース3Aに搬送する。そして、上下機構10によりワークチャンバを持ち上げて上蓋9に圧接した状態とする。こうすると、シール機構22により気密が確保される。
【0049】
さらに、上下機構12によって排気管11を持ち上げ、ワークチャンバ2Aの下部開口5に接続する。排気管とワークチャンバとの間には、Oリングなどのシール機構23が設けられているので、ここでも気密が得られる。このため、メインチャンバ3の真空状態を維持したまま、真空破壊弁17を開けてワークチャンバの真空を破壊できる。
【0050】
しかる後に、上蓋9の開閉式蓋13を矢印Aの方向に開放して、被処理物1をワークチャンバ内に導入する。そして開閉式蓋13を閉じ、排気管11を通してワークチャンバを排気する。
【0051】
被処理物1をローディングしたワークチャンバ2Aを所定の真空度まで排気したら、図2に表したように、上下機構12により排気管11を降下させてワークチャンバから切り離し、さらに上下機構10によってワークチャンバを搬送テーブル8の上に降ろす。
【0052】
本発明によれば、必要とされるワークチャンバの上下動のストロークは、ワークチャンバとメインチャンバ3との真空シール機構22を切り離して搬送が可能となればよく、概ね1mm〜10mm程度の極めて短いストロークとすることができる。
【0053】
このようにして搬送テーブル8の上に載置された状態では、ワークチャンバ2Aの上部開口4がメインチャンバ3に解放された状態となり、かつワークチャンバの下部開口5も搬送テーブル8の開口Hを介してメインチャンバに解放される。そして、これら2つの開口により、ワークチャンバ内および被処理物1の周辺雰囲気はメインチャンバの高真空状態の空間に結合され、メインチャンバに設けられた油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、メカニカルブースターポンプなどの排気ポンプ15によって高真空まで排気することができる。
【0054】
一方、上述したローディング作業と同時に、あるいはこれと前後して、スパッタ処理スペース3Bにおいては、ワークチャンバ2Bにより所定の真空処理が行われる。図1に例示した装置では、ワークチャンバ2B内に所定のガスを導入(図示せず)し、スパッタ源14に接続された電源40を動作させ、マグネット20を矢印Bの方向に動かすことによってマグネトロンスパッタリングを生じさせ、被処理物1の表面に所定の材料を堆積することができる。
【0055】
このスパッタリング処理は、図1に表したように、スパッタ処理スペース3Bにあるワークチャンバ2Bを上方に持ち上げた状態で行うことができる。このようにすれば、シール機構22の表面にスパッタ堆積物が飛来してシール特性が損なわれることを防げる。
【0056】
また、図1に表したように、ワークチャンバ2Bを上方に持ち上げた状態では、ワークチャンバの内部空間は下部開口5を介してメインチャンバ3と通じた状態となる。従って、下部開口5を介してワークチャンバ2Bの内部を差動排気することが可能となる。例えば、図1に例示したようなスパッタリング装置の場合、スパッタリング空間にアルゴンなどの所定のガスを導入して所定のスパッタリング圧力にする必要がある。一方で、メインチャンバ3の内部は、高真空に維持することが望ましい。本発明によれば、ワークチャンバ2Bの内部は下部開口5を介して排気ポンプ15により差動排気されているので、ワークチャンバ2Bの内部に所定のスパッタリングガスを導入して所定のスパッタリング圧力としつつ、メインチャンバ3の内部は高真空状態を維持することができる。その結果として、スパッタリング前後の被処理物1の表面を清浄に維持し、さらには、メインチャンバ内で他の高真空処理を平行して実施することも可能となる。
【0057】
以上説明したようにスパッタ処理スペース3Bにおいて所定の成膜処理が終了したら、上下機構10によりワークチャンバ2Bを搬送テーブル8の上に降ろす。そして、回転機構7によりこのワークチャンバ2Bをロードロックスペース3Aの位置に搬送し、前述したローディング・アンローディング手続きによって、成膜済みの被処理物1を取り出し、新しい被処理物1を導入することができる。また、これと平行して、被処理物1が導入されたワークチャンバ2Aは、スパッタ処理スペース3Bに搬送され、前述したようにスパッタリング処理を行うことができる。
【0058】
なお、図1及び図2においては、ロードロックスペース3Aとスパッタ処理スペース3Bとにおいて、いずれのワークチャンバも持ち上げた状態か、搬送テーブルに降ろした状態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0059】
図4は、ロードロックスペース3Aのワークチャンバ2Aは搬送テーブル8上に降ろされ、スパッタ処理スペース3Bのワークチャンバ2Bは、上方に持ち上げられた状態を表す。これは、例えば、スパッタ処理スペース3Bにおいては、成膜工程が進行中であり、一方、ロードロックスペース3Aにおいては、被処理物1の取り出しと導入が終了して高真空排気を始めた状態に対応する。
【0060】
これとは逆に、図5は、ロードロックスペース3Aのワークチャンバ2Aは上方に持ち上げられ、スパッタ処理スペース3Bのワークチャンバ2Bは、搬送テーブル8上に降ろされた状態を表す。これは、例えば、ロードロックスペース3Aにおいて被処理物1の取り出しや導入を実行しつつ、スパッタ処理スペース3Bにおいては、成膜処理を実行する前あるいは後の待機状態に対応する。あるいは、スパッタ処理スペース3Bにおいて、ワークチャンバ2Bを搬送テーブル8上に降ろした状態のままで成膜を実行している状態の場合もある。
一方、ロードロックスペース3Aにおいては、上下機構10を用いずに排気管11によってワークチャンバを持ち上げるようにしても良い。
【0061】
図6は、このような装置の構成を例示する概念図である。すなわち、ロードロックスペース3Aにおいては、図1に例示したような上下機構10が省略されている。そして、ワークチャンバは、上下機構12により上下方向に駆動される排気管11によって上方に持ち上げられる。
【0062】
以上図1乃至図6を参照しつつ説明したように、本発明によれば、2つ以上のワークチャンバをロードロックスペースとスパッタ処理スペースとの間で順次搬送することができ、被処理物の導入、取り出しと、スパッタリング処理とを連続的に行うことができる。
【0063】
しかも、ワークチャンバに収容できる形状、寸法を有するものであれば、非定形の様々な被処理物を連続的に真空処理することも可能となる。従って、装置のフレキシビリティが大幅に改善され、1台の真空処理装置で様々の製品を処理できるようになる。
【0064】
また、ワークチャンバの上下動のストロークは、Oリングなどのシール機構22に損傷を与えない程度の幅であればよく、1mm〜10mm程度と極めて短い。従って、メインチャンバのサイズを最小に抑えることが可能となる。従って、真空処理装置の大きさもコンパクトに抑えることができ、装置コスト、設置コスト、ランニングコストも大幅に改善できる。
【0065】
さらに、上下機構10の気密機構も簡便なもので済むため、装置のコストを抑えるとともに、信頼性を高いものとすることができる。
【0066】
ところで、本発明においては、ワークチャンバの下部開口5が被処理物のローディング・アンローディングの際には、真空破壊、真空粗引き口として作用し、搬送テーブル8の上に降ろした状態においては、高真空排気口として作用し、さらに、スパッタ処理などの際には、差動排気の排気口としても作用することを前述したが、下部開口5はまた、被処理物1の回転、揺動、振動などのための動力の導入口としても利用することができる。
【0067】
図7は、スパッタ処理スペース3Bにおいて、被処理物を回転する機構を付加した装置を例示する概念図である。同図については、図1乃至図6に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】
図7に表した装置においては、ワークチャンバ内の被処理物1がテーブル34の上に載せられている。そして、スパッタ処理スペース3Bの下方に回転上下機構32が設けられ、そこから伸びたシャフト(駆動軸)33が搬送テーブル8の開口Hとワークチャンバ2Bの下部開口5を介して、被処理物1のテーブル34に結合されている。そして、スパッタ中に、被処理物1を矢印Dの方向に連続的な回転させあるいは不連続に回動させることができる。あるいはカム機構などを利用して被処理物を振動させたり揺動させることもできる。
【0069】
また、スパッタ処理中のシャフト33の動作は、矢印Dの方向の回転には限らず、矢印Cに対して平行な上下方向の動作であってもよい。あるいは、シャフト33の動作は、回転と平行移動とを組み合わせたものであってもよい。
【0070】
回転上下機構32は、スパッタ処理をしている間はシャフト33を図示したようにテーブル34まで伸ばしているが、スパッタ処理が終了すると、シャフト33を矢印Cの方向に下げる。従って、搬送テーブル8がワークチャンバを搬送する際には、シャフトが干渉することはない。
【0071】
なお、テーブル34が単一平板状であると、ロードロックスペース3Aにおいて、下部開口5を塞いでしまう虞がある。これに対しては、テーブル34には、図示しない開口や下方に伸びる突出部などを設ければ、下部開口5を介した排気コンダクタンスを確保することができる。
【0072】
なお、図7においては、説明の簡単のためにメインチャンバ3の排気ポンプを省略したが、排気ポンプは他の上下機構や回転機構と干渉しない位置に適宜設けることができる。
【0073】
また、図7には最も簡便な構成を例示したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、本発明によれば、スパッタ処理スペース3Bにおいて、下部開口5を介して動力をワークチャンバ内に導入し、被処理物1あるいはそれ以外の要素に対して回転、回動、振動、揺動、平行移動、垂直移動などの各種の運動を適宜与えることができる。
【0074】
例えば、処理スペース3Bにおいて、スパッタリングの代わりにエッチングを行う場合に、被処理物のエッチング位置を調節したり、エッチングマスクを配置するための動力を下部開口5を介して導入することができる。
【0075】
ところで、被処理物の回転や揺動のための動力は、ワークチャンバの上部開口4を介して導入することもできる。
【0076】
図8は、スパッタ処理スペース3Bにおいて、被処理物1に運動を与える機構を付加した装置を例示する概念図である。同図については、図1乃至図7に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
図8に例示した装置においては、スパッタ処理スペース3Bにおいて上蓋9の上方に回転上下機構32が設けられ、そこから伸びたシャフト(駆動軸)33がワークチャンバ2Bの上部開口4を介して、被処理物1のテーブル34に結合されている。そして、そして、スパッタ中に、被処理物1を矢印Dの方向に連続的な回転させあるいは不連続に回動させ、あるいはカム機構などを利用して被処理物を振動させたり揺動させることもできる。
【0078】
また、本具体例においても、被処理物に運動を与えるためのシャフト33の動作は、矢印Dの方向の回転や回動には限定されず、矢印Cに対して平行な平行移動動作であっても良く、回転と平行移動を組み合わせた動作であっても良い。
【0079】
回転上下機構32は、スパッタ処理をしている間はシャフト33を図示したようにテーブル34まで伸ばしているが、スパッタ処理が終了すると、シャフト33を矢印Cの方向に上げる。従って、搬送テーブル8がワークチャンバを搬送する際には、シャフトが干渉することはない。
【0080】
一方、被処理物1の回転や揺動のための動力は、ワークチャンバの側壁を介して導入することもできる。
【0081】
図9は、スパッタ処理スペース3Bにおいて、ワークチャンバの側壁を介して被処理物1に運動を与える機構を付加した装置を例示する概念図である。同図についても、図1乃至図8に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
図9に例示した装置においては、スパッタ処理スペース3Bにおいて、メインチャンバ3の側壁に回転直線導入機構32が設けられ、そこからシャフト(駆動軸)33Aが伸びて、ワークチャンバ2Bのテーブル34を駆動させるシャフト33Bとカップリング機構35により結合されている。また、ワークチャンバのテーブル34から伸びるシャフト33Bは、気密シール機構24を介してワークチャンバの側壁に回転自在(直線運動も可能である)に取り付けられている。
【0083】
図9は、シャフト33Aと33Bとがカップリング機構35により結合された状態を例示する。この状態において、回転直線導入機構32が矢印Dの方向に回転あるいは回動すると、その動作がシャフト33A、33Bを介してワークチャンバ2B内に導入され、図示しないカム機構や歯車機構により、テーブル34上の被処理物1が適宜、回転、回動、振動あるいは揺動する。また、回転直線導入機構32は、矢印Cの方向あるいはこれとは逆の方向に沿った直線運動を導入してもよい。
【0084】
さて、処理スペース3Bにおいて所定の真空処理が終了すると、回転直線導入機構32は、シャフト33Aを矢印Cの方向に後退させる。これにより、カップリング機構35が分離し、搬送テーブル8によりワークチャンバ2Bをロードロックスペース3Aなどに搬送することができる。
【0085】
また、ロードロックスペース3Aにおいて被処理物1の交換などを行う際には、図1に例示したような状態においてワークチャンバ内を大気圧にする。この際には、ワークチャンバ2Bの側壁においてシャフト33Bの取り付け部のシール機構24が気密を維持する。
【0086】
また、本具体例においても、被処理物1に運動を与えるためのシャフト33A及び33Bの動作は、矢印Dの方向の回転や回動には限定されず、矢印Cに対して平行な平行移動動作であっても良く、回転と平行移動を組み合わせた動作であっても良い。
【0087】
以上説明したように、図9に例示した構成によれば、ワークチャンバの側壁にシール機構24を設け、さらにカップリング機構35を介することにより、側壁を介して動力を導入することができる。なお、図9においては、簡単のために、ワークチャンバ2Bのみにおいてシャフト33Bやシール機構24を表したが、同図において、ワークチャンバ2Aにも同様の構成を付加できることは当然である。
【0088】
ところで、被処理物の回転や揺動のための駆動手段は、ワークチャンバ自身に設けることもできる。
【0089】
図10は、ワークチャンバに駆動手段を付加した装置を例示する概念図である。すなわち、同図(a)はメインチャンバの内部を眺めた平面図であり、同図(b)はその縦方向一部断面図である。図10については、図1乃至図9に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0090】
図10に例示した装置においては、ワークチャンバ2A、2Bの外壁に耐真空用モータなどの駆動手段36が取り付けられている。そして、この駆動手段36からシャフト38がワークチャンバの内部にのびている。シャフト38の先端には、図示しないカムや歯車などの動力伝達機構ないし動力変換機構が設けられ、被処理物1に対して、回転、回動、振動、揺動などの運動を適宜与えることができる。
【0091】
駆動手段36には、動力を与えるための電力線39などが接続され、この電力線39は、搬送テーブル8の回転軸50などを貫通して外部に取り出すことができる。但し、このような電力線39を接続した場合には、搬送テーブルを矢印Aの方向に連続回転できないので、例えば、右方向に180度、左方向に180度というように回動させることより、ワークチャンバを所定のスペースに搬送する。
【0092】
但し、電力線39をスリップリングなどの接続手段に接続すれば、搬送テーブル8を連続的に回転させることも可能となる。
【0093】
また、図10においては、駆動手段をワークチャンバの外壁側面に取り付けた具体例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、この他にも、駆動手段は、ワークチャンバの内部あるいは外壁下面のいずれにも取り付けることが可能である。
【0094】
以上、図1乃至図10に関して本発明を適用した基本的な構成を有するスパッタリング装置について説明した。以下、本発明の変型例について説明する。
【0095】
図11は、本発明の変型例の真空処理装置の構成を表す概念的に表す平面図である。すなわち、同図は、メインチャンバの構成を表し、ロードロックスペース3Aと真空処理スペース3Bとが設けられている。そして、4つのワークチャンバ2A〜2Dは、搬送テーブル8によって矢印Aの方向にこれらのスペースに順次搬送される。ロードロックスペース3Aは、前述の如く被処理物を取り出し、導入する部分である。一方、真空処理スペース3Bにおいては、成膜、エッチング、表面加工、表面改質、評価などの減圧雰囲気で行われる各種の真空処理のいずれかを実施する。
【0096】
成膜としては、例えば、蒸着、スパッタリング、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)、イオンプレーティングなどを挙げることができる。
【0097】
エッチング・表面加工としては、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)、化学ドライエッチング(Chemical Dry Etching:CDE)、イオンミリング(Ion Milling)、プラズマエッチング、収束イオンビームエッチング(Focused Ion Beam etching:FIB)、反応性イオンビームエッチングなどを挙げることができる。
【0098】
表面改質としては、プラズマ照射処理、イオン打ち込み、電子線照射処理、真空加熱処理などを挙げることができる。
【0099】
評価としては、被処理物の表面を清浄に維持する必要がある各種の評価や、被処理物に電子線を照射する評価、あるいは被処理物から放出される電子線を検出する評価、イオンビームを用いる評価などを挙げることができる。具体的には、例えば、オージェ電子分光分析、2次イオン質量分析(SIMS)、電子エネルギー損失分光(ELS)ESCA、X線光電子分光(XPS)、紫外線光電子分光(UPS)、X線プローブマイクロ分析
【0100】
本変型例によれば、ワークチャンバに非定形の被処理物を載置し、上述のような各種の成膜、エッチング、表面加工、表面改質、評価などの少なくともいずれかを真空処理スペース3Bにおいて、連続的に実施することができる。
【0101】
なお、図11には、4つのワークチャンバが設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、ワークチャンバの数は、3つあるいは5つ以上であってもよい。また、その平面形状も、図示したような4角形状には限定されず、円形状、楕円形状、多角形状などの種々の形状を与えることが可能であり、被処理物の外形や装置の構成などに応じて適宜決定することができる。
【0102】
次に、本発明の別の変型例について説明する。
【0103】
図12は、本発明の別の変型例の真空処理装置の構成を表す概念的に表す平面図である。本変型例においては、メインチャンバに、4つのスペース3A〜3Dが設けられている。そして、4つのワークチャンバ2A〜2Dが搬送テーブル8により、矢印Aの方向に沿ってこれらのスペースに順次搬送される。
【0104】
メインチャンバに設けられた4つのスペース3A〜3Dにおいては、被処理物の導入、取り出しや各種の真空処理を実施することができる。以下、その具体例のいくつかを挙げる。
Figure 0004702867
【0105】
本具体例においては、薄膜堆積の前後に処理を施すことができる。例えば、プラスチックス成型品の表面に金属性の材料を薄膜堆積する場合、表面の光沢を得るために、従来は「ラッカリング」と呼ばれる塗布工程が必要であった。これに対して、本具体例によれば、薄膜堆積の前後において、ワークチャンバ内に特殊なガスを導入してプラズマを発生させ重合膜を形成したり、プラスチックスの表面にプラズマを照射し表面改質させて、後から行うスパッタ膜の密着性を向上させたり、表面光沢の改善を行ったりすることができる。すなわち、本具体例における「前処理」及び「後処理」は、表面改質であるといえる。本具体例によれば、一連の処理を連続的に実施することができ、プラスチックス成型品の被覆工程の生産性を飛躍的に改善することができる。
【0106】
しかも、前述したように、非定形の様々な形状の成型品を同一の装置で処理することが可能となり、製造ラインのフレキシビリティを改善し、設備コストも低減することができる。
Figure 0004702867
【0107】
本具体例においては、被処理物の導入と取り出しとを別のスペースで実施する。すなわち、スペース3Aは導入専用であり、スペース3Dは取り出し専用として用いる。このようにすれば、被処理物の導入と取り出しを自動化し、その前後の工程と自動機器で連結することが容易となる。つまり、被処理物は自動化ラインによって真空処理装置のスペース3Aに搬送され、ロボットなどの自動機器によりワークチャンバ内に導入される。一方、真空処理が終了した被処理物は、スペース3Dにおいて自動機器により取り出され、自動ラインにより次の工程へ送られるようにすることができる。
【0108】
なお、本具体例において、スペース3B、3Cにおいて実施される処理は、上述したものには限定されない。
Figure 0004702867
【0109】
本第3具体例も第2具体例と同様であるが、前処理の代わりに後処理が行われる。
Figure 0004702867
【0110】
本第4具体例の場合は、薄膜堆積とエッチング処理とを連続的に実施することができる。従って、生産性が向上することはもちろんであるが、それ以外にも、堆積した薄膜の表面を高真空中で清浄に維持したままエッチング処理を施すことができるという効果も得られる。この意味では、エッチング処理の後に薄膜堆積を行う場合も、同様の効果が得られる。さらに、薄膜堆積とエッチング処理以外の各種の真空処理も、同様にして清浄表面を維持しつつ連続的に実施できる。
【0111】
以上、4つの具体例を挙げて本変形例について説明したが、これら以外にも、各種の真空処理を適宜組み合わせ、連続的に実施することができる。
【0112】
さらに、処理スペースの数やワークチャンバの数も4つには限定されない。また、処理スペースの数とワークチャンバの数は同一である必要はなく、処理スペースの数がワークチャンバよりも多くても良く、逆に少なくてもよい。
【0113】
図13及び図14は、本発明のさらなる変形例を表す概念図である。これらの図については、図1乃至図12に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0114】
本変形例においては、図1乃至図12に例示した搬送テーブル8の代わりに、搬送アームが用いられる。すなわち、ワークチャンバ2A、2Bは、搬送アーム8A、8Bにそれぞれ載置された状態でメインチャンバ3の中を搬送される。ここで、ワークチャンバは搬送アームに固定されていても良く、ただ載せられた状態であってもよい。
【0115】
搬送アーム8A、8Bは、シャフト72を中心として回転上下機構70により、矢印Cの方向に回転可能とされている。図13は、ワークチャンバ2A、2Bが下方に降下し、搬送可能な状態を表す。被処理物1のローディング・アンローディングや所定の真空処理の際は、搬送アーム8A、8Bは、シャフト72の軸方向にそって回転上下機構70により矢印Dの方向に持ち上げられ、これにより、ワークチャンバが上蓋9に圧接された状態となる。
【0116】
図14に表したように、搬送アーム8A、8Bは、それぞれワークチャンバを載置できるような平面形状を有する。さらに、図1に関して前述したように、開口Hを有する。
【0117】
これらの搬送アーム8A、8Bは、必ずしも連動する必要はない。すなわち、搬送アームのそれぞれは、互いに干渉しない限りにおいて、回転方向(矢印C)あるいは上下方向(矢印D)に独立してそれぞれのワークチャンバを搬送することができる。
【0118】
本発明においては、前述したように、ワークチャンバの上下動のストロークを極めて小さいもの
【0119】
また、図13及び図14においては、2つの搬送アームが設けられた場合を例示したが、搬送アームは、3つあるいはそれ以上設けることができる。
【0120】
以上、図1乃至図14においては、ロードロックスペースや真空処理スペースが略水平面内に配置された、いわゆる「水平配置型」の真空処理装置を例示した。
【0121】
しかし、本発明は、「垂直配置型」の真空処理装置にも適用することができる。 図15は、本発明による垂直配置型の真空処理装置の構成を例示する概念図である。同図についても、図1乃至図14に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0122】
本具体例の装置は、メインチャンバ3の上蓋9が鉛直方向に対して平行を方向に配置されている。そして、ロードロックスペース3Aの開口も、鉛直方向に対して平行な向きにされている。その構成内部は、図13及び図14に例示したものと類似した構成を有する。すなわち、ワークチャンバ2A、2Bのそれぞれは、搬送アーム8A、8Bにより搬送される。但し、本具体例においては、ワークチャンバは搬送アームに固定されている。また、被処理物1も、ワークチャンバの内部において、下方に脱落しないように、必要に応じて図示しない固定機構により固定される。
【0123】
本具体例によれば、鉛直方向に対して平行な導入口から被処理物を導入、取り出しすることができ、作業がやりやすい点で有利である。また、メインチャンバ3を垂直に配置できるので、装置の占有スペースも削減できる。真空処理装置は、クリーンルーム内に設置される場合も多いので、占有スペースが小さくなると、製造コストを顕著に下げることが可能である。
【0124】
さらに、本具体例によれば、真空処理装置の作業面を壁面に埋め込んだ、いわゆる「壁面埋め込み型」の装置とすることもできる。壁面埋め込み型とすれば、装置の作業面のみをクリーンルーム内に向ければよく、クリーンルームにおける占有スペースを削減してコストを下げることができる。
【0125】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0126】
例えば、図1乃至図14において、ワークチャンバは、搬送テーブル8や搬送アーム8A、8Bにより同軸の周りに回転して搬送される構成を例示した。しかし、これり以外にも、メインチャンバにおける各スペースを直線的に配置し、ワークチャンバはベルトコンベア的に直線的に搬送されるようにしてもよい。この場合には、終点のスペースまで搬送されたワークチャンバを始点のスペースまでリターンさせる機構を付加すればよい。
【0127】
また、図1乃至図7においては、ワークチャンバが搬送テーブル8には固定されておらず、搬送テーブルから離れることができる構成を例示したが、ワークチャンバを搬送テーブル8に固定してもよい。この場合には、上下機構10は不要となり、その代わりに搬送テーブル8を上下方向に動かすことにより、ワークチャンバを上蓋9に圧接状態とすることができる。また、このようにすれば、図15に例示したような垂直配置型の真空処理装置を実現することもできる。つまり、搬送テーブルを水平方向ではなく鉛直方向に対して平行に配置することにより、ロードロックの開口を鉛直方向に対して平行な方向に形成することができる。このようにすれば、壁面埋め込み型の連続真空処理装置を実現できる。
【0128】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した形態で実施され、以下に説明する効果を奏する。
【0129】
まず、本発明によれば、2つ以上のワークチャンバをロードロックスペースとスパッタ処理スペースとの間で順次搬送することができ、被処理物の導入、取り出しと、スパッタリング処理とを連続的に行うことができる。
【0130】
また、本発明によれば、ワークチャンバに収容できる形状、寸法を有するものであれば、非定形の様々な被処理物を連続的に真空処理することも可能となる。従って、装置のフレキシビリティが大幅に改善され、1台の真空処理装置で様々の製品を処理できるようになる。
【0131】
さらに、本発明によれば、ワークチャンバの上下動のストロークは、Oリングなどのシール機構22に損傷を与えない程度の幅であればよく、1mm〜10mm程度と極めて短い。従って、メインチャンバのサイズを最小に抑えることが可能となる。従って、真空処理装置の大きさもコンパクトに抑えることができ、装置コスト、設置コスト、ランニングコストも大幅に改善できる。
【0132】
以上説明したように、本発明によれば、幅広い産業分野において種々の真空処理を容易且つ確実に実施できるようになり、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真空処理装置の構成を概念的に例示する断面図である。
【図2】 本発明の真空処理装置の構成を概念的に例示する断面図である。
【図3】搬送テーブル8と、ロードロックスペース3A、スパッタ処理スペース3Bとの平面的な位置関係を例示する概念図である。
【図4】ロードロックスペース3Aのワークチャンバ2Aは搬送テーブル8上に降ろされ、スパッタ処理スペース3Bのワークチャンバ2Bは、上方に持ち上げられた状態を表す。
【図5】ロードロックスペース3Aのワークチャンバ2Aは上方に持ち上げられ、スパッタ処理スペース3Bのワークチャンバ2Bは、搬送テーブル8上に降ろされた状態を表す。
【図6】上下機構が省略された装置の構成を例示する概念図である。
【図7】スパッタ処理スペース3Bにおいて、被処理物を回転する機構を付加した装置を例示する概念図である。
【図8】スパッタ処理スペース3Bにおいて、被処理物に運動を与える機構を付加した装置を例示する概念図である。
【図9】スパッタ処理スペース3Bにおいて、ワークチャンバの側壁を介して被処理物1に運動を与える機構を付加した装置を例示する概念図である。
【図10】ワークチャンバに駆動手段を付加した装置を例示する概念図である。
【図11】本発明の変型例の真空処理装置の構成を表す概念的に表す平面図である。
【図12】本発明の別の変型例の真空処理装置の構成を表す概念的に表す平面図である。
【図13】 搬送アームを備えた変形例を表す概念断面図である。
【図14】 搬送アームの要部を表す概念平面図である。
【図15】本発明による垂直配置型の真空処理装置の構成を例示する概念図である。
【図16】従来のバッチ式真空蒸着装置の構成を概念的に表す断面図である。
【図17】 インライン式の連続式成膜装置の構成を例示する概念図である。
【図18】本発明者が提案した別の真空処理装置の要部構成を表す概念図である。
【符号の説明】
1 被処理物
2A〜2D ワークチャンバ
3 メインチャンバ
3A ロードロックスペース
3B スパッタ処理スペース
3C、3D ロードロックスペース、真空処理スペース
4 上部開口(第1の開口)
5 下部開口(第2の開口)
7 回転機構
8 搬送テーブル
8A、8B 搬送アーム
9 上蓋
10 上下機構
11 排気管
12 上下機構
13 開閉式蓋
14 スパッタ源
15 排気ポンプ
16 仕切弁
17 真空破壊弁
20 マグネット
22、23、24 シール機構
30 架台
32 回転上下機構(動力導入手段)
33、33A、33B シャフト(駆動軸)
34 テーブル
35 カップリング機構
36 駆動手段
38 シャフト
39 電力線
40 電源
50 回転軸
70 回転上下機構
72 シャフト
H 開口

Claims (14)

  1. 被処理物を真空処理する真空処理装置であって、
    ロードロックスペースと真空処理スペースとを有し大気よりも減圧された雰囲気を維持可能なメインチャンバと、
    前記メインチャンバ内に収容され、第1の開口と第2の開口とを有する複数のワークチャンバと、
    前記メインチャンバ内において前記ワークチャンバを搬送する搬送機構と、
    前記メインチャンバ内において移動可能な排気管と、
    を備え、
    被処理物の導入または取り出しの時は、前記搬送機構により前記ワークチャンバのいずれかを前記ロードロックスペースに搬送し、前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接し且つ前記排気管をそのワークチャンバの前記第2の開口に接続した状態とすることにより、そのワークチャンバの内部空間を前記メインチャンバの内部空間から遮断して被処理物をそのワークチャンバ内に導入または取り出し可能とし、
    前記被処理物の真空処理の時は、前記被処理物が導入されたワークチャンバを前記搬送機構により前記真空処理スペースに搬送し、前記第1の開口と前記第2の開口の少なくともいずれかを前記メインチャンバ内に開放した状態で真空処理を実行可能としたことを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段をさらに備え、
    前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記第2の開口を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
  3. 前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段をさらに備え、
    前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記第1の開口を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
  4. 前記メインチャンバ内において移動可能な駆動軸を有する動力導入手段と、
    前記ワークチャンバの側壁にシール機構を介して設けられた動力伝達機構と、
    をさらに備え、
    前記動力導入手段は、前記ワークチャンバが前記真空処理スペースに搬送された状態において、前記動力伝達機構を介して前記駆動軸により前記ワークチャンバ内の前記被処理物に運動を与えることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
  5. 前記ワークチャンバは、その内部に収容された被処理物に運動を与える駆動手段を有することを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
  6. 前記被処理物に与えられる前記運動は、前記被処理物の回転、回動、振動及び揺動のいずれかであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  7. 前記真空処理の際に、前記ワークチャンバ内に所定のガスを導入しつつ前記第2の開口を介して前記ワークチャンバ内を排気することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  8. 前記メインチャンバは、複数の真空処理スペースを有し、
    前記ロードロックスペースと前記複数の真空処理スペースは、略同心円状に配置されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  9. 前記真空処理スペースは、成膜、エッチング、表面加工、表面改質及び評価のいずれかを実行するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  10. 前記搬送機構は、回転可能な搬送テーブルと上下機構とを有し、
    前記搬送テーブル上に前記ワークチャンバを載置した状態で前記ワークチャンバを前記ロードロックスペースまたは前記真空処理スペースに搬送し、前記上下機構により前記ワークチャンバを上昇させることにより前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  11. 前記ロードロックスペースにおいて、前記排気管の移動により前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  12. 前記搬送機構は、複数の搬送アームを有し、
    前記搬送アームを回転軸の周りに回転させることにより前記ワークチャンバを前記ロードロックスペースまたは前記真空処理スペースに搬送し、前記搬送アームを前記回転軸の方向に移動することにより前記メインチャンバの内壁面に前記第1の開口を圧接させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の真空処理装置。
  13. 前記ワークチャンバは、前記搬送アームに固定されたことを特徴とする請求項12記載の真空処理装置。
  14. 前記ワークチャンバは、前記第1の開口を介して脱着可能な防着板を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の真空処理装置。
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