JP4561814B2 - ミリング装置 - Google Patents

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本発明はイオンビームを照射することによりエッチング加工を行うミリング装置に関する。
イオンビームを基板等の被加工物の表面に照射することにより、エッチング加工を行うミリング装置(イオンビームエッチング装置ともいう。)が知られている。このようなミリング装置は、イオン源と、真空チャンバと、ロードロック室とを有しており、真空チャンバ内には被加工物を載置した複数の基板ホルダを自公転可能に支持する基板ホルダユニットが設けられ、イオン源は真空チャンバ内の被加工物に対してイオンビームを照射可能である。
被加工物はロードロック室内のカセットに搭載され、ロードロック室内が真空引きされた後にカセットに載置された被加工物は、真空ロボットによってカセットから真空チャンバ内のホルダに移される。そして、基板ホルダユニット上に載置され、被加工物は自公転している状態でイオンビーム照射を受けることによりエッチング処理が施される。このような構成のミリング装置は、例えば特開2003−297275号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2003−297275号公報
被加工物はイオンビームが照射されてエッチング処理が行われるため、被加工物自体の温度が上昇する。そして、被加工物が高温になると被加工物は焼損する。このため、ホルダに載置された被加工物を冷却するために、基板ホルダユニットのホルダを支持する部分にはホルダを冷却するための冷却水を流す冷却流路等の冷却手段が設けられている。そして、ホルダに対して密着させて被加工物を載置することで、被加工物を充分に冷却することが可能となる。
しかし、上述した従来のミリング装置では、真空ロボットが被加工物をホルダに載置させていたため、ホルダに対して確実に密着させて被加工物を載置させることが困難であり、密着していないために冷却が充分に行われずに、被加工物を焼損してしまうという問題が生じていた。また、真空ロボットによる搬送ミスが生ずることも問題であった。
そこで、本発明は、搬送ミスが少なくイオンビームによるエッチング処理時に被加工物の冷却を充分に行うことができるミリング装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、開口が形成された放電容器と該放電容器外に設けられ該放電容器内にプラズマを生成させるための高周波コイルと該高周波コイルに高周波電力を供給する高周波電源と該放電容器内に生成された該プラズマ中のイオンを該放電容器の開口から該放電容器外へと引出してイオンビームを発生させる引出電極とを備えるイオン源と、該放電容器の開口に接続され、該放電容器の開口において該引出電極を介して該放電容器内と連通する真空チャンバと、開口が形成された壁部により該真空チャンバと区画され、該壁部の単一の開口を介して該真空チャンバと連通可能なロードロック室と、被加工物を保持するための複数の保持面を備える被加工物保持面を有する被加工物保持ユニット本体部と該被加工物保持ユニット本体部の外面に設けられた鍔部とを備え該真空チャンバ内において該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の単一の開口の位置との間で移動可能な被加工物保持ユニットとを有し、該ロードロック室内と大気との連通/遮断を切換え可能な開閉扉が設けられ、該鍔部は、該被加工物保持ユニットの外面を該複数の保持面を有する一の側と他の側とに区画し、該被加工物保持ユニットが該壁部の開口の位置に移動したときに該壁部の開口を画成する該壁部の部分と密着当接可能であり、該被加工物保持ユニット本体部が該壁部の単一の開口位置に移動したときに、該鍔部と該被加工物保持ユニット本体部とで該壁部の単一の開口を閉塞すると共に全ての保持面は該壁部の単一の開口をとおして該ロードロック室側へ同時に露出可能であるミリング装置を提供している。
開口が形成された壁部により真空チャンバと区画され、壁部の開口を介して真空チャンバと連通可能なロードロック室と、被加工物を保持するための被加工物保持面を有する被加工物保持ユニット本体部と被加工物保持ユニット本体部の外面に設けられた鍔部とを備え真空チャンバ内において放電容器の開口に対向する位置と壁部の開口の位置との間で移動可能な被加工物保持ユニットとを有し、ロードロック室内と大気との連通/遮断を切換え可能な開閉扉が設けられ、鍔部は、被加工物保持ユニットの外面を被加工物保持面を有する一の側と他の側とに区画し、被加工物保持ユニットが壁部の開口の位置に移動したときに壁部の開口を画成する壁部の部分と密着当接可能であり、被加工物保持ユニット本体部が壁部の開口位置に移動したときに、鍔部と被加工物保持ユニット本体部とで壁部の開口を閉塞すると共に被加工物保持面は壁部の開口をとおしてロードロック室側へ露出可能であるため、開閉扉によりロードロック室内と大気とを連通した状態として被加工物保持面を壁部の開口からロードロック室側へ露出させることができる。このため、被加工物保持面に対して被加工物を保持させたり、被加工物を取外したりすることを人手で確実に行うことができる。即ち、真空中ではなく大気中において人手で、被加工物保持面に対して被加工物を保持させたり被加工物を取外したりすることができるため、従来のように、真空チャンバ内において真空ロボットが被加工物保持面に対して正確に被加工物を密着させた状態で保持させることができない等の搬送ミスを防止することができる。
このように、被加工物を被加工物保持面に確実に密着させて保持させることができるため、被加工物保持面に密着保持された被加工物を、充分に冷却された被加工物保持面において充分に冷却することができ、イオンビームによるエッチング加工中に被加工物が高温になり焼損してしまうことを防止することができる。また、真空ロボットが不要になるため、真空ロボットにかかる費用を削減することができる。
また、真空チャンバ内の真空状態を維持したまま被加工物保持面を大気下に露出させることができるため、被加工物保持面の部分のメンテナンスを容易とすることができ、被加工物保持面のクリーニングや、被加工物を保持するための消耗部材等の交換やメンテナンス等を極めて容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。これらのことより、イオンビームによるエッチング加工処理等のミリング処理を、高確率で繰返し行うことができる。
ここで、該真空チャンバ内において該被加工物保持ユニットは、該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の単一の開口の位置との間直線移動可能且つ該被加工物保持面に平行な回転軸を中心として回転可能に支持され、該回転軸を中心に回転することにより該複数の保持面の姿勢を該放電容器の開口に対向する姿勢と該壁部の単一の開口に対向する姿勢との間で変化させることが好ましい。
真空チャンバ内において被加工物保持ユニットは、放電容器の開口に対向する位置と壁部の開口の位置との間で、直線移動可能に支持されているため、放電容器の開口に対向する位置と壁部の開口位置との間の移動を直線移動により最短距離で行うことができる。また、被加工物保持面に平行な回転軸を中心として回転可能に支持されているため、被加工物保持面を放電容器の開口に対向する位置において容易に放電容器の開口に対向させたり、壁部の開口位置において壁部の開口からロードロック室側へ露出させる向きに被加工物保持面を指向させたりすることができる。
また、該被加工物保持ユニットが少なくとも該放電容器の開口に対向する位置にあるときに、該真空チャンバ内において該壁部の開口及び開口近傍の該壁部の部分に対向配置されるシャッターが設けられていることが好ましい。
被加工物保持ユニットが少なくとも放電容器の開口に対向する位置にあるときに、真空チャンバ内において壁部の開口及び開口近傍の壁部の部分に対向配置されるシャッターが設けられているため、真空チャンバ内における壁部の開口近傍の部分をイオンビームから保護することができる。壁部の開口近傍の部分には、例えば、真空チャンバ内の高真空維持のために鍔部を壁部の開口近傍の部分に密着当接させるための機構やシール部材等が設けられるが、これらの部材等がイオンビーム照射により損傷してしまうことを防止することができる。このため、繰返し多数の被加工物を加工する場合であっても、鍔部を壁部の開口を画成する部分に密着固定させ続けることができ、真空チャンバを確実にシールし続けることができる。
また、略板状をなし、一方の面が該放電容器の開口に対向可能であり、該一方の面から該一方の面に対向する他方の面へ貫通し該被加工物保持面と略同一の形状をなす貫通孔が形成された保護板を備え、該被加工物保持ユニットが該放電容器の開口に対向する位置にあるときに、該一方の面が該放電容器の開口に対向し、該保護板の該貫通孔を介して該他方の面側から該一方の面側へ該被加工物保持面が露出され、該貫通孔を画成する該保護板の部分は該鍔部と該放電容器の開口との間の位置に配置されることが好ましい。
略板状をなし、一方の面が放電容器の開口に対向可能であり、一方の面から一方の面に対向する他方の面へ貫通し被加工物保持面と略同一の形状をなす貫通孔が形成された保護板を備え、被加工物保持ユニットが放電容器の開口に対向する位置にあるときに、一方の面が放電容器の開口に対向し、保護板の貫通孔を介して他方の面側から一方の面側へ被加工物保持面が露出され、貫通孔を画成する保護板の部分は鍔部と放電容器の開口との間の位置に配置されるため、鍔部の部分をイオンビームから保護することができる。鍔部の部分には、例えば、壁部の開口近傍部分に密着当接させるためのシール部材等が設けられるが、このようなシール部材等がイオンビーム照射により損傷してしまうことを防止することができる。このため、繰返し多数の被加工物を加工する場合であっても、シール部材を介して鍔部を壁部の開口を画成する部分に密着固定させ続けることができ、真空チャンバを確実にシールし続けることができる。
また、該被加工物保持ユニットには該被加工物保持面を冷却するための冷却手段が設けられていることが好ましい。被加工物保持ユニットには、被加工物保持面を冷却するための冷却手段が設けられているため、被加工物を被加工物保持面に密着固定させることで、冷却効率を向上させることができる。このため、イオンビーム照射による素子等の被加工物の温度上昇を防止することができ、温度上昇による損傷を防止することができる。
また、本発明は、開口が形成された放電容器と該放電容器外に設けられ該放電容器内にプラズマを生成させるための高周波コイルと該高周波コイルに高周波電力を供給する高周波電源と該放電容器内に生成された該プラズマ中のイオンを該放電容器の開口から該放電容器外へと引出してイオンビームを発生させる引出電極とを備えるイオン源と、該放電容器の開口に接続され、該放電容器の開口において該引出電極を介して該放電容器内と連通する真空チャンバと、開口が形成された壁部により該真空チャンバと区画され、該壁部の開口を介して該真空チャンバと連通可能なロードロック室と、被加工物を保持するための被加工物保持面を有する被加工物保持ユニット本体部と該被加工物保持ユニット本体部の外面に設けられた鍔部とを備え該真空チャンバ内において該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の開口の位置との間で移動可能な被加工物保持ユニットとを有し、該ロードロック室内と大気との連通/遮断を切換え可能な開閉扉が設けられ、該鍔部は、該被加工物保持ユニットの外面を該被加工物保持面を有する一の側と他の側とに区画し、該被加工物保持ユニットが該壁部の開口の位置に移動したときに該壁部の開口を画成する該壁部の部分と密着当接可能であり、該被加工物保持ユニット本体部が該壁部の開口位置に移動したときに、該鍔部と該被加工物保持ユニット本体部とで該壁部の開口を閉塞すると共に該被加工物保持面は該壁部の開口をとおして該ロードロック室側へ露出可能であり、該被加工物保持面は常時鉛直方向に指向しているミリング装置を提供している。被加工物保持面は常時鉛直方向に指向しているため、被加工物に対するイオンビームによるエッチング加工処理により発生したパーティクルが被加工物保持面上に付着しにくくすることができる。このため、被加工物保持面上の掃除にかかる工程を短時間で行うことができる。
以上より、本発明は、搬送ミスが少なくイオンビームによるエッチング処理時に被加工物の冷却を充分に行うことができるミリング装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るミリング装置について、図1乃至図10に基づき説明する。ミリング装置は、より具体的には、イオン源からのイオンビームによって被加工物たる基板をエッチングする装置である。基板としては、例えば、特開平7−221081号公報に記載されているような薄膜磁気ヘッド等の基板が挙げられ、薄膜磁気ヘッドのスライダ等をエッチングする。ミリング装置1は、イオンビームを発生させるイオン源10と、イオンビームが照射される基板P(図4)を収容する真空チャンバ20と、処理前の基板Pを待機させるロードロック室40とを有している。真空チャンバ20は壁部20Aにより画成されている。
真空チャンバ20の外部には、真空チャンバ第1真空ポンプ21、真空チャンバ第2真空ポンプ22が設けられており、これらは、排気バルブ23、23を介して真空チャンバ20内に連通する。真空チャンバ第1真空ポンプ21、真空チャンバ第2真空ポンプ22を駆動させることにより、真空チャンバ20内は10−4Pa台程度の真空の状態とされる。また、真空チャンバ20の外部には、後述のイオン源10からのイオンビームを中和するための電子中和器24が設置されている。例えばイオンビームがAr+等の陽イオンの場合には、電子中和器24から電子が放出され、真空チャンバ20内の空間電荷が中和される。
また、真空チャンバ20の外部にはロードロック扉41が設けられている。ロードロック扉41は略直方体形状をなしており、その一の面全面が開口をなす。開口をなす一の面を規定する一辺は、蝶番により真空チャンバ20を画成する壁部20Aに支承されており、当該一辺を回動軸としてロードロック扉41は回動可能に構成されている。ロードロック扉41の開口部41Aには図示せぬシール部材と図示せぬボルトの受け部とが設けられており、ロードロック扉41を回動させることにより、図1に示されるように、ロードロック扉41の開口部41Aを、真空チャンバ20を画成する壁部20Aであって図1に示される左端をなす部分に図示せぬシール部材を介して密着当接させる。更に図示せぬボルトで図示せぬボルト受け部を壁部20Aに固定して密閉することで、当該壁部20Aの部分とロードロック扉41とでロードロック室40を画成する。また、ロードロック扉41を回動させることによりロードロック扉41が開いた状態となっているとき、即ち、図6に示されるように、ロードロック扉41の開口部41Aが、真空チャンバ20を画成する壁部20Aであって図1に示される左端をなす部分から離間した状態となっているときには、ロードロック扉41内がロードロック室40に相当する。ロードロック扉41は開閉扉に相当する。
ロードロック扉41の外部には、ロードロック第1真空ポンプ42、ロードロック第2真空ポンプ43が設けられており、これらは、排気バルブ44を介してロードロック室40内に連通する。後述のようにロードロック室40が密閉された状態のときに、ロードロック第1真空ポンプ42、ロードロック第2真空ポンプ43を駆動させることにより、ロードロック室40内は10−3Pa台程度の真空の状態とされる。
イオン源10は、それぞれ図示せぬ略円筒形状をなす真空容器と、略円筒形状をなす放電容器と、放電容器外に設けられ放電容器内にプラズマPを発生させるためのコイルと、コイルに高周波電力を供給する後述の高周波電源と、放電容器内に生成されたプラズマ中のイオンを放電容器の後述する開口10aから引出してイオンビームを発生させる引出電極とを備えている。
放電容器は真空容器内に真空容器と同軸的に配置されている。放電容器は、石英やアルミニウム酸化物等の誘電体材料を主成分として構成され、軸方向の一端に開口10aが形成された円筒状に形成されている。真空容器の一端にも開口が形成されており、真空容器の開口の近傍位置に放電容器の開口10aが配置されている。真空容器の開口は、真空チャンバ20を画成する壁部20Aに形成された貫通孔に接続されており、貫通孔を介して真空容器の内部は真空チャンバ20内に連通し、放電容器の内部は後述する引出電極24を介して真空チャンバ20内に連通している。放電容器の軸方向は、図10(a)に示されるような放電容器の開口10aに対向する位置に基板冷却ホルダユニット60が配置されているときの、後述の被加工物保持面62に対して略45°の角度をなして斜め上方へ指向している。図10(a)において上方は鉛直上方に一致し、下方は鉛直下方に一致する。放電容器の軸方向の他端には、ガス供給装置から放電容器内へとガスを供給する供給管が接続される供給口が形成されている。
コイルは、真空容器内であって放電容器外に設けられている。コイルは、放電容器内にその軸心が位置するように設けられている。コイルには、高周波整合器を介して高周波電源が接続されている。高周波電源は、例えば高周波電源又は高周波アンプである。高周波電源の周波数は、数MHz〜十数MHz(例えば、2〜13.5MHz)であって、本実施の形態では、約4MHzである。高周波電源は、放電容器の容量及び形状に応じて、例えば200〜2000Wの電力をコイルに印加している。上記の構成により、高周波電源は、高周波整合器によって、コイルに所定の高周波電力を供給することができる。
引出電極は、スクリーングリッド、加速グリッド及び減速グリッドを有する。スクリーングリッド、加速グリッド及び減速グリッドは、放電容器の内側から外側に向けて順に配置される。スクリーングリッド、加速グリッド及び減速グリッドは、それぞれ複数の穴が形成された金属板からなる。
スクリーングリッドは、プラズマと加速グリッドとを分離する。スクリーングリッドには、例えば、プラズマの高電圧を連続的に印加するための直流電源が接続されている。スクリーングリッドに印加される電圧は、例えば400〜1500Vである。スクリーングリッドに印加される電圧は、イオンビームのイオンビームエネルギーを決定する。
加速グリッドには、マイナスの高電圧を連続的に印加するための直流電源が接続されている。加速グリッドに印加される電圧は、例えば−200〜−1000Vである。また、減速グリッドは接地されている。放電容器内においてプラズマから引出されたイオンは、スクリーングリッド、加速グリッド、減速グリッドにそれぞれ形成された穴を通して放電容器外へ放射されイオンビームとなる。引出電極は、加速グリッドと減速グリッドとの電位差を調整することにより、レンズ効果を用いて、イオンビームのイオンビーム径を所定の数値範囲内に制御することができる。
真空チャンバ20を画成する壁部20Aであって図1に示される左端をなす部分には、開口20aが形成されている。開口20aは、図1に示される状態で真空チャンバ20とロードロック室40とを連通するように壁部20Aを貫通して形成されている。開口20aは、後述する基板冷却ホルダユニット60の基板保持端部60Aの部分と略同一形状をなしており、基板保持端部60Aを挿入可能である。後述のように基板保持端部60Aを挿入してゆき、後述の鍔部65が開口20aを画成する壁部20Aの部分に密着当接することにより、真空チャンバ20内とロードロック室40内との連通が遮断される。
真空チャンバ20を画成する壁部20Aであって図1に示される左端をなす部分の開口20a近傍部分には、ホルダユニット固定機構25が設けられている。ホルダユニット固定機構25は、開口20aの周方向に所定の間隔を隔てて配置された6つの爪部25Aを有しており、爪部25Aは、後述のように基板冷却ホルダユニット60の鍔部65を開口20a近傍の壁部20Aの部分に押圧することで、鍔部65を開口20a近傍の壁部20Aの部分に密着当接させることができるように構成されている。
また、真空チャンバ20を画成する壁部20Aであって図1に示される左端をなす部分の開口20a近傍部分には、シャッター26が設けられている。シャッター26は、図5に示されるように、2つの半円形の板状をなしており、後述の基板保持端部60Aが壁部20Aの開口20a内に挿入されていないときに、2つの半円形で円をなして、壁部20Aの開口20a及び開口20a近傍の壁部20Aの部分に対向配置可能である。このように対向配置されることにより、壁部20Aの開口20aを遮蔽すると共に、壁部20Aの開口20a及び壁部20Aの開口20aを画成する壁部20Aの部分にイオンビームが照射されることを防止するように遮蔽する。
このため、壁部20Aの開口20a近傍の部分に設けられているホルダユニット固定機構25の爪部25Aや、開口20a近傍の壁部20Aの部分からなり鍔部65が押圧されるシール面等が、イオン源10からのイオンビーム照射により損傷してしまうことを防止することができる。このため、繰返し多数の被加工物Pを加工する場合であっても、ホルダユニット固定機構25により鍔部65を開口20a近傍の壁部20Aの部分に密着固定させ続けることができ、真空チャンバ20を確実にシールし続けることができる。
真空チャンバ20内部には、基板冷却ホルダユニット60が設けられている。基板冷却ホルダユニット60は図示せぬレール上に載置されており、真空チャンバ20内を、図1に示されるようにイオン源10の放電容器の開口10aに対向する位置と、図6に示されるように壁部20Aの開口20aに基板保持端部60Aを挿入している位置との間で直線移動可能である。
より詳細には、図2に示されるように基板冷却ホルダユニット60は、第1回転台座71によって後述の被加工物保持面62に平行且つ図2の上下方向、即ち鉛直方向に指向するな第1回転軸を中心として回転可能に支持されており、第1回転台座71は、第1回転軸から離間し第1回転軸と平行の位置関係にある第2回転軸を中心として回転可能な第2回転台座72に支持されている。第2回転台座72の上部の回転部分には、移動シールド駆動装置73が設けられており、移動シールド駆動装置73は、移動シールド74を後述する基板冷却ホルダユニット60の本体部61の軸方向へ移動可能に支持している。移動シールド74は、後述する基板冷却ホルダユニット60の軸方向に垂直の方向へ指向する一対の面を有する略板状なしており、被加工物保持面62と略同一の形状をなす貫通孔74aが当該一対の面を結ぶようにして形成されている。イオンビームによってエッチング処理加工が行われるときに、貫通孔74aに基板保持端部60Aが挿入され、移動シールド74に後述の基板冷却ホルダユニット60の鍔部65が当接した状態とされるように構成されている。移動シールド74は保護板に相当する。
第2回転台座72は図示せぬレール上に載置されており、第2回転台座72にはベローズ75の一端が接続されている。ベローズ75の他端は真空チャンバ20を画成する壁部20Aに接続されている。第2回転台座72が駆動することにより第2回転台座72、第1回転台座71、及び基板冷却ホルダユニット60が一体で、レール上を図1に示されるような放電容器の開口10aに対向する位置と、図6に示されるような壁部20Aの開口20aに後述の基板保持端部60Aを挿入している位置との間で直線移動するように構成されている。
基板冷却ホルダユニット60は略円柱形状をなす本体部61を有し、本体部61の内部は気体が通り抜けられないようになっており、本体部61の軸方向の一端面は、被加工物Pを保持する被加工物保持面62を有している。より具体的には、基板冷却ホルダユニット60の本体部61の一端面は、略円形をなす被加工物保持面62をなしており、被加工物保持面62は、被加工物Pに密着当接する略円形の冷却プレート63(図4)の表面たる後述の保持面63Aと、シールドカバー64とから構成されている。冷却プレート63は、図3に示されるように、被加工物保持面62の周縁近傍の位置において被加工物保持面62の周方向に等間隔で3つ設けられている。本体部61は被加工物保持ユニット本体部に相当し、基板冷却ホルダユニット60は被加工物保持ユニットに相当する。
冷却プレート63は、被加工物Pを保持するためのクランプ63Bを備える保持面63Aをそれぞれ有しており、保持面63Aは後述の冷却プレート63の回転軸に対して垂直をなす。また、冷却プレート63の内部であって保持面63A近傍部分には、冷却水を流すための図示せぬ冷却水流路が形成されている。
被加工物保持面62は、基板冷却ホルダユニット60の本体部61の軸心を中心として回転可能であり、冷却プレート63は、その中心を回転軸として自転すると共に被加工物保持面62の回転軸を中心をとして公転する。より具体的には、基板冷却ホルダユニット60には、図3、図4に示されるように、基板冷却ホルダユニット60の本体部61に対して回転不能に設けられた歯車81と、基板冷却ホルダユニット60の本体部61に対して固定されたモータ82(図4)とを有している。モータ82の出力軸はカップリング82B及び真空回転シール82Cを通して図4の上方へ延出しており、その上端には歯車82Aが当該出力軸と一体で回転可能に設けられ、歯車82Aには歯車81と同軸的に配置された内歯歯車83が噛合している。
内歯歯車83は、歯車81と略同軸的に設けられた略円盤形状をなす回転プレート83Aの周縁に沿って当該周縁近傍部に設けられており、回転プレート83Aの図4に示される上端には、冷却プレート63の回転軸を回転可能に支承する略円筒形状をしたロータリージョイント83Bが回転プレート83Aに固定されて設けられている。冷却プレート63の回転軸はロータリージョイント83Bの軸心位置に配置されロータリージョイント83Bを貫通している。冷却プレート63の回転軸の図4に示される下端には歯車63Cが回転軸と一体回転可能に設けられており、歯車63Cは歯車81の軸心を中心として公転可能に設けられた歯車84に噛合している。
モータ82が駆動することにより歯車82Aが回転し、内歯歯車83が回転プレート83A及びロータリージョイント83Bと一体で回転する。すると、ロータリージョイント83Bに支承されている冷却プレート63が回転プレート83Aの回転軸を中心として公転する。この際、歯車81は基板冷却ホルダユニット60の本体部61に対して回転不能であるため、歯車81に噛合する歯車84と歯車84に噛合する歯車63Cとが回転し、冷却プレート63を回転(自転)させるように構成されている。
歯車81は、略円筒形状をしたロータリージョイント81Aの外周に固定されている。従ってロータリージョイント81Aは、歯車81同様基板冷却ホルダユニット60の本体部61に対して回転不能である。歯車81及びロータリージョイント81Aの軸心位置には主軸64Aが配置されている。主軸64Aは歯車81及びロータリージョイント81Aに対して回転可能に構成されており、また、連結部材を介して回転プレート83Aに連結されている。従って、主軸64Aと回転プレート83Aとは一体回転可能に構成されている。
主軸64Aの内部には、図4の上下方向に延出する図示せぬ2本の冷却水流路が形成されている。図示せぬ冷却水流路は、図4における主軸64Aの上端において冷却水チューブ64B、64Bに接続されており、冷却チューブ64B、64Bは冷却プレート63の冷却水流路の入口、出口にそれぞれ接続されている。また図示せぬ冷却水流路は、主軸64Aの下端において図示せぬいわゆる回転継手を介して冷却チューブ64C、64Cにそれぞれ接続されている。一方の冷却チューブ64Cはロータリージョイント81Aを貫通して図示せぬ冷却水供給装置に接続され、他方の冷却チューブ64Cはロータリージョイント81Aを貫通して図示せぬ冷却水排水装置に接続されている。
図2に示されるように、略円柱形状をなす基板冷却ホルダユニット60の本体部61の周面上であって、基板冷却ホルダユニット60の本体部61の軸方向の一端面たる被加工物保持面62から他端へ所定の距離だけ離間した部分には、周面から基板冷却ホルダユニット60の本体部61の半径方向外方へ延出する鍔部65が設けられている。基板冷却ホルダユニット60の、鍔部65よりも本体部61の軸方向の一端面側の部分は、基板保持端部60Aをなす。鍔部65の基板保持端部60A側には、図示せぬシール部材が基板冷却ホルダユニット60の本体部61の周面に沿って設けられており、後述のように鍔部65と真空チャンバ20の開口20aを画成する壁部20Aの部分とが図示せぬシール部材を介して密着当接するように構成されている。
ミリング装置1でイオンビームによりエッチング加工処理を行う際には、先ず、図6に示されるように、真空チャンバ20を画成する壁部20Aの開口20aに基板冷却ホルダユニット60の基板保持端部60Aを挿入して壁部20Aの開口20aを閉塞し、被加工物保持面62を壁部20Aの開口20aからロードロック室40側へ露出させた状態とする。そして、ホルダユニット固定機構25の複数の爪部25Aによって基板冷却ホルダユニット60の鍔部65を、鍔部65の図示せぬシール部材を介して開口20a近傍の壁部20Aの部分に押圧することで密着当接させる。このことにより、真空チャンバ20を密閉状態とする。次に、真空チャンバ第1真空ポンプ21(図1)、真空チャンバ第2真空ポンプ22を用いて、真空チャンバ20内を10−4Pa台程度の真空の状態とする。
次に、図6に示されるようにロードロック扉41を開いた状態とし、人手により冷却プレート63(図4)にそれぞれ被加工物Pたる基板を密着当接させた状態で保持させる。次に、図7に示されるように、ロードロック扉41を閉じて、ロードロック室40と大気との連通を遮断した状態とする。次に、図示せぬスイッチを操作することにより、ロードロック第1真空ポンプ42(図1)、ロードロック第2真空ポンプ43を駆動開始させ、ロードロック室40内を10−3Pa台程度の真空の状態とする。
次に、ホルダユニット固定機構25の複数の爪部25Aによって基板冷却ホルダユニット60の鍔部65を解放し、図7〜図9に示されるように、第2回転台座72を駆動させることにより図示せぬレール上において基板冷却ホルダユニット60をレールに沿って直線移動させ、図10に示されるような放電容器の開口10aに対向する位置へ移動させる。この移動中に、移動シールド74を基板冷却ホルダユニット60の軸方向へ移動させてゆき、図9、図10に示されるように、移動シールド74の貫通孔74aに基板保持端部60Aが挿入され、移動シールド74の貫通孔74aを介して移動シールド74の他方の面側から一方の面側へ被加工物保持面62を露出させ、移動シールド74に基板冷却ホルダユニット60の鍔部65が当接した状態とする。
また、この移動中に、図8に示されるように、シャッター26を移動させて壁部20Aの開口20a及び開口20a近傍の壁部20Aの部分に対向させた状態とし、壁部20Aの開口20aを遮蔽すると共に、壁部20Aの開口20a及び壁部20Aの開口20aを画成する壁部20Aの部分にイオンビームが照射されることを防止するように遮蔽する。また、この移動中に第1回転台座71により基板冷却ホルダユニット60を180°回転させて図7(a)に示される状態から図8(a)に示される状態とし、更に第2回転台座72により基板冷却ホルダユニット60、移動シールド74、移動シールド駆動装置73、及び第1回転台座71を45°回転させて図9(b)に示される状態から図10(b)に示される状態とする。なお、作図の都合上、図10(a)における基板冷却ホルダユニット60、移動シールド74、移動シールド駆動装置73、及び第1回転台座71が図9(a)と同じ姿勢として描画されているが、実際には、図10(b)に対応するように放電容器の開口10aへ対向する姿勢となる。
次に、電子中和器24から電子ビームを出射し、イオン源10からイオンビームを被加工物Pたる基板に対して照射することによりエッチング処理加工を行う。エッチング処理加工を行っている間中モータ82は駆動され、冷却プレート63は冷却プレート63の回転軸を中心として自転しながら主軸64Aを中心として公転する。
次に、第2回転台座72を駆動させることにより図示せぬレール上において基板冷却ホルダユニット60をレールに沿って直線移動させ、図10に示されるような放電容器の開口10aに対向する位置から、図6に示されるように、真空チャンバ20を画成する壁部20Aの開口20aに基板冷却ホルダユニット60の基板保持端部60Aを挿入した状態とする。この移動中に、移動シールド74を基板冷却ホルダユニット60の軸方向へ基板冷却ホルダユニット60から離間するように移動させてゆき、図8、図7に示されるように、移動シールド74の通孔から基板保持端部60Aを離脱させる。
また、この移動中に、図6に示されるように、シャッター26を移動させて壁部20Aの開口20a及び開口20a近傍の壁部20Aの部分に対向していない位置へ配置させる。また、この移動中に第2回転台座72により基板冷却ホルダユニット60、移動シールド74、移動シールド駆動装置73、及び第1回転台座71を45°回転させて図10(b)に示される状態から図9(b)に示される状態とし、更に第1回転台座71により基板冷却ホルダユニット60を180°回転させて図8(a)に示される状態から図7(a)に示される状態とする。
次に、ホルダユニット固定機構25の複数の爪部25Aによって基板冷却ホルダユニット60の鍔部65を鍔部65のシール部材を介して開口20a近傍の壁部20Aの部分に押圧することで、鍔部65を鍔部65のシール部材を介して開口20a近傍の壁部20Aの部分に密着当接させる。このことにより、真空チャンバ20を密閉状態とする。次に、ロードロック室40内を大気圧になるまでベントし、次にロードロック扉41が開かれる。そして、人手により冷却プレート63から被加工物Pたる基板が取り外され、次に加工される基板が冷却プレート63に保持される。以上の工程を繰返し行うことにより、連続してイオンビームによるエッチング処理加工が行われる。
図6に示されるように、真空チャンバ20を画成する壁部20Aの開口20aに基板冷却ホルダユニット60の基板保持端部60Aを挿入した状態とし真空チャンバ20を密閉状態としてから、ロードロック室40内を大気圧になるまでベントし基板の出入れを行い、次のエッチング処理加工の工程でロードロック室40内を10−3Pa台程度の真空の状態とし、ホルダユニット固定機構25の複数の爪部25Aによって基板冷却ホルダユニット60の鍔部65を解放し、基板冷却ホルダユニット60の基板保持端部60Aが真空チャンバ20を画成する壁部20Aの開口20aに挿入されていない状態とされるまでの間、真空チャンバ20内は10−4Pa台程度の真空の状態が維持されている。なお、ロードロック室内は、基板等の被加工物を基板冷却ホルダユニット60に取付けずに処理を待っている状態のときには、ロードロック扉は閉じられた状態とされ、ロードロック室内は窒素若しくはその他の不活性ガスか、又はドライエアーで大気圧に保持される。
上述のように、ロードロック扉41によりロードロック室40内と大気とを連通した状態として、被加工物保持面62を壁部20Aの開口20aからロードロック室40側へ露出させることができる。このため、被加工物保持面62に対して被加工物Pを保持させたり、被加工物Pを取外したりすることを人手で確実に行うことができる。即ち、真空中ではなく大気中において人手で、被加工物保持面62に対して被加工物Pを保持させたり被加工物Pを取外したりすることができるため、従来のように、真空チャンバ内において真空ロボットが被加工物保持面に対して正確に被加工物を密着させた状態で保持させることができない等の搬送ミスを防止することができる。
被加工物Pを被加工物保持面62に確実に密着させて保持させることができるため、被加工物保持面62に密着保持された被加工物Pを、充分に冷却された保持面63Aにより充分に冷却することができ、イオンビームによるエッチング加工中に被加工物Pが高温になり焼損してしまうことを防止することができる。また、真空ロボットが不要になるため、真空ロボットにかかる費用を削減することができる。
また、真空チャンバ20内の真空状態を維持したまま被加工物保持面62を大気下に露出させることができるため、被加工物保持面62の部分のメンテナンスを容易とすることができ、被加工物保持面62のクリーニング(パーティクルの除去)や、シールドカバー64や被加工物Pを保持するためのクランプ63B等の消耗部材の交換やメンテナンス等を極めて容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。これらのことより、イオンビームによるエッチング加工処理等のミリング処理を、高確率で繰返し行うことができる。
被加工物保持面が水平方向に常時指向しているミリング装置では、イオンビームによるエッチング加工処理により発生したパーティクルが被加工物保持面上に付着しやすい。被加工物保持面が水平方向に常時指向しているミリング装置では、発生したパーティクルがそのまま被加工物保持面上に載置されてしまうからである。しかし、本実施の形態では、被加工物保持面62は鉛直方向に常時指向しているため、パーティクルが被加工物保持面62上に付着しにくく、また、被加工物Pの出入れの際に被加工物保持面62上の清掃が可能であるため、ミリング装置1を解放して内部の清掃をするサイクルを格段に長くすることができる。本ミリング装置1の清掃サイクルは、主にイオン源10内部の汚れ及び引出電極の汚れに因る。本実施の形態では、被加工物Pたる基板の処理枚数で見ると従来のミリング装置の約3倍の枚数に一度の程度の清掃サイクルで済むようになる。
また、真空チャンバ20内において基板冷却ホルダユニット60は、直線移動可能に支持されているため、イオン源10の放電容器の開口10aに対向する位置と壁部20Aの開口20a位置との間の移動を直線移動により最短距離で行うことができる。また、被加工物保持面62に平行な回転軸を中心として回転可能に支持されているため、被加工物保持面62に平行な回転軸を中心として回転することにより、放電容器の開口10aに対向する位置において被加工物保持面62を容易に放電容器の開口10aに対向させたり、壁部20Aの開口20a位置において壁部20Aの開口20aからロードロック室40側へ被加工物保持面62を容易に指向させて露出させることができる。
また、シャッター26が設けられているため、真空チャンバ20内における壁部20Aの開口10a近傍の部分をイオンビームから保護することができる。このため、壁部20Aの開口10a近傍の部分に設けられたホルダユニット固定機構25の爪部25Aや図示せぬシール部材等がイオンビーム照射により損傷してしまうことを防止することができる。このため、繰返し多数の被加工物Pを加工する場合であっても、鍔部65を壁部20Aの開口10aを画成する部分に密着固定させ続けることができ、真空チャンバ20を確実にシールし続けることができる。
また、移動シールド74が設けられているため、鍔部65の部分をイオンビームから保護することができる。鍔部65の部分には、壁部20Aの開口20a近傍部分に密着当接させるためのシール部材が設けられているが、このようなシール部材がイオンビーム照射により損傷してしまうことを防止することができる。このため、繰返し多数の被加工物Pを加工する場合であっても、シール部材を介して鍔部65を壁部20Aの開口20aを画成する部分に密着固定させ続けることができ、真空チャンバ20を確実にシールし続けることができる。
また、基板冷却ホルダユニット60には、保持面63Aを冷却するための冷却流路が形成されているため、被加工物Pを保持面63Aに密着固定させることで、冷却効率を向上させることができる。このため、イオンビーム照射によって基板、素子等の被加工物Pの温度上昇を防止することができ、温度上昇による損傷を防止することができる。
本発明によるミリング装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、真空チャンバの形状やロードロック室の形状は本実施の形態における真空チャンバの形状やロードロック室の形状に限定されない。
本発明は、イオンビームを照射してエッチング処理加工を行うミリング装置の分野において利用可能である。
本発明の実施の形態によるミリング装置を示す上方視説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置を示す側方視説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置の冷却プレートを自公転させる構成を示す前方視説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置の冷却プレートを自公転させる構成を示す側方視説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置をロードロック室側から見た説明図であり、(a)はロードロック扉が閉じたときのロードロック扉の位置を示す図、(b)はロードロック扉が開いた状態を示す図。 本発明の実施の形態によるミリング装置における被加工物の装着時を示す説明図であり、(a)は側方視の説明図、(b)は平面視の説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置において基板冷却ホルダユニットが直線移動をしている状態を示す説明図であり、(a)は側方視の説明図、(b)は平面視の説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置においてシャッターが壁部の開口を遮蔽している様子を示す説明図であり、(a)は側方視の説明図、(b)は平面視の説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置において基板冷却ホルダユニットが直線移動をしている状態を示す説明図であり、(a)は側方視の説明図、(b)は平面視の説明図。 本発明の実施の形態によるミリング装置において基板冷却ホルダユニットが放電容器の開口に対向する位置に配置された状態を示す説明図であり、(a)は側方視の説明図、(b)は平面視の説明図。
符号の説明
1 ミリング装置
10 イオン源
10a 開口
20 真空チャンバ
20A 壁部
25A 鍔部
26 シャッター
40 ロードロック室
41 ロードロック扉
42 第2回転台座
60 基板冷却ホルダユニット
61 本体部
62 被加工物保持面
64B、64C 冷却チューブ
71 第1回転台座
74 移動シールド
74a 貫通孔
P 被加工物

Claims (6)

  1. 開口が形成された放電容器と該放電容器外に設けられ該放電容器内にプラズマを生成させるための高周波コイルと該高周波コイルに高周波電力を供給する高周波電源と該放電容器内に生成された該プラズマ中のイオンを該放電容器の開口から該放電容器外へと引出してイオンビームを発生させる引出電極とを備えるイオン源と、
    該放電容器の開口に接続され、該放電容器の開口において該引出電極を介して該放電容器内と連通する真空チャンバと、
    開口が形成された壁部により該真空チャンバと区画され、該壁部の単一の開口を介して該真空チャンバと連通可能なロードロック室と、
    被加工物を保持するための複数の保持面を備える被加工物保持面を有する被加工物保持ユニット本体部と該被加工物保持ユニット本体部の外面に設けられた鍔部とを備え該真空チャンバ内において該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の単一の開口の位置との間で移動可能な被加工物保持ユニットとを有し、
    該ロードロック室内と大気との連通/遮断を切換え可能な開閉扉が設けられ、
    該鍔部は、該被加工物保持ユニットの外面を該複数の保持面を有する一の側と他の側とに区画し、該被加工物保持ユニットが該壁部の開口の位置に移動したときに該壁部の開口を画成する該壁部の部分と密着当接可能であり、
    該被加工物保持ユニット本体部が該壁部の単一の開口位置に移動したときに、該鍔部と該被加工物保持ユニット本体部とで該壁部の単一の開口を閉塞すると共に全ての保持面は該壁部の単一の開口をとおして該ロードロック室側へ同時に露出可能であることを特徴とするミリング装置。
  2. 該真空チャンバ内において該被加工物保持ユニットは、該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の単一の開口の位置との間直線移動可能且つ該被加工物保持面に平行な回転軸を中心として回転可能に支持され、該回転軸を中心に回転することにより該複数の保持面の姿勢を該放電容器の開口に対向する姿勢と該壁部の単一の開口に対向する姿勢との間で変化させることを特徴とする請求項1記載のミリング装置。
  3. 該被加工物保持ユニットが少なくとも該放電容器の開口に対向する位置にあるときに、該真空チャンバ内において該壁部の開口及び開口近傍の該壁部の部分に対向配置されるシャッターが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のミリング装置。
  4. 略板状をなし、一方の面が該放電容器の開口に対向可能であり、該一方の面から該一方の面に対向する他方の面へ貫通し該被加工物保持面と略同一の形状をなす貫通孔が形成された保護板を備え、
    該被加工物保持ユニットが該放電容器の開口に対向する位置にあるときに、該一方の面が該放電容器の開口に対向し、該保護板の該貫通孔を介して該他方の面側から該一方の面側へ該被加工物保持面が露出され、該貫通孔を画成する該保護板の部分は該鍔部と該放電容器の開口との間の位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載のミリング装置。
  5. 該被加工物保持ユニットには該被加工物保持面を冷却するための冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一記載のミリング装置。
  6. 開口が形成された放電容器と該放電容器外に設けられ該放電容器内にプラズマを生成させるための高周波コイルと該高周波コイルに高周波電力を供給する高周波電源と該放電容器内に生成された該プラズマ中のイオンを該放電容器の開口から該放電容器外へと引出してイオンビームを発生させる引出電極とを備えるイオン源と、
    該放電容器の開口に接続され、該放電容器の開口において該引出電極を介して該放電容器内と連通する真空チャンバと、
    開口が形成された壁部により該真空チャンバと区画され、該壁部の開口を介して該真空チャンバと連通可能なロードロック室と、
    被加工物を保持するための被加工物保持面を有する被加工物保持ユニット本体部と該被加工物保持ユニット本体部の外面に設けられた鍔部とを備え該真空チャンバ内において該放電容器の開口に対向する位置と該壁部の開口の位置との間で移動可能な被加工物保持ユニットとを有し、
    該ロードロック室内と大気との連通/遮断を切換え可能な開閉扉が設けられ、
    該鍔部は、該被加工物保持ユニットの外面を該被加工物保持面を有する一の側と他の側とに区画し、該被加工物保持ユニットが該壁部の開口の位置に移動したときに該壁部の開口を画成する該壁部の部分と密着当接可能であり、
    該被加工物保持ユニット本体部が該壁部の開口位置に移動したときに、該鍔部と該被加工物保持ユニット本体部とで該壁部の開口を閉塞すると共に該被加工物保持面は該壁部の開口をとおして該ロードロック室側へ露出可能であり、
    該被加工物保持面は常時鉛直方向に指向していることを特徴とするミリング装置。
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