JP2004281057A - 難燃性ケーブルおよびその成形加工方法 - Google Patents

難燃性ケーブルおよびその成形加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、難燃性、耐熱性、機械特性に優れ、かつ埋立、燃焼などの廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がなく、昨今の環境問題に対応するばかりでなく、モールド樹脂成形体との接着性に優れるため接続部の水密、気密性が保たれる難燃性ケーブルを提供する。
【解決手段】絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外側に被覆層を設けたケーブルであって、前記被覆層は少なくとも2層以上の被覆層により構成され、かつ前記被覆層の最外層が、(a)ポリエステルをハードセグメントとするブロック共重合体と(b)熱可塑性ポリウレタンとの質量比が(a):(b)=10:90〜100:0である樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、トリアジン誘導体化合物(B)3〜80質量部を含有した樹脂組成物である難燃性ケーブル。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブルに関し、さらに詳しくはケーブルの端末部分と各種センサーや電極端子等との接続部を気密もしくは水密に保持するためのモールド被覆する樹脂成形体との接着性に優れるばかりでなく、埋立、燃焼などの廃棄時において、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害ガスの発生がなく、環境問題に対応した難燃性ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エステル系エラストマー(TPEE)等の熱可塑性エラストマーは、優れた機械特性、低温での柔軟性を有することから、その樹脂組成物は自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブル(電線)の絶縁被覆材料として広く用いられている。
【0003】
このようなケーブルにセンサーなどの機器部品や電極端子を接続する場合には、その接続部およびその近傍の周囲を樹脂成形体で気密もしくは水密に被覆して保護することが行われているが、この樹脂成形体は、例えば射出成形により成形される。
【0004】
このような樹脂成形体には、成形のしやすさや機械的強度に優れることから、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)が成形体材料としてよく用いられている。
さらに接続部樹脂成形体とケーブル(電線)の最外層との間に気密性もしくは水密性を確保するためには、樹脂成形体とケーブル(電線)の最外層が射出成形時の熱と圧力で融着(接着)することが極めて重要である。このため、ケーブル最外層には、それぞれの接続部成形樹脂と融着(接着)しやすいものを選択する方法がある。例えば、PBTに対しては、ハードセグメントにPBTをもつTPEEが挙げられる。これらのケーブル用被覆材料は、所望の特性を得るため種々の系や硬度の中から適宜選択することができる。
【0005】
一方、自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブルに要求される項目の一つに難燃性があるが、前述のケーブル被覆(ケーブルシース)に使用される材料に対しては、TPU分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を配合した熱可塑性エラストマー組成物が主として使用されていた。
しかし、これらを適切な処理をせずに廃棄や埋立てた場合には、材料に配合されている重金属が溶出したり、また燃焼した場合には、難燃剤に含まれるハロゲン化合物から有害ガスが発生することがあり、近年、この問題が議論されている。
【0006】
このため環境に影響をおよぼすことが懸念されている有害な重金属の溶出や、ハロゲン系ガスなどの発生の恐れがないノンハロゲン難燃材料を用いたシース材料の検討が行われており、主として金属水和物が用いられている。
【0007】
しかし、前述のTPEE等の熱可塑性エラストマーに金属水和物を添加した絶縁被覆材料を被覆したケーブルに対し前述のPBT等の樹脂を射出成形する際、射出成形温度が例えば260℃以上となるような樹脂を用いた場合においては、前述の金属水和物が射出成形時の熱で分解されて気泡を形成してしまう。
絶縁被覆材料中に気泡が生じた場合には、射出成形樹脂との所定の融着(接着)性が得られず、容易に射出成形材料と絶縁被覆材料の界面がはく離し、所定の気密性や水密性が得られなくなったり、また、気泡が連続して形成した場合も同様に、気密性や水密性が得られないといった不具合が生じる。
【0008】
また、さらに前述のTPEE等の熱可塑性エラストマーに多量の金属水和物を添加した絶縁被覆材料に対し、前述のPBT等の樹脂を射出成形した場合、融着(接着)しにくいという不具合が発生する。
この原因としては、本来TPEE等の熱可塑性エラストマーとPBT樹脂は共に極性基を持ち、これら極性基の分子間力により融着(接着)がなされると考えられているが、金属水和物は強い極性基を有するためTPEE等の熱可塑性エラストマー中の極性基が金属水和物の極性基側に配向してしまい、PBT等の樹脂との融着(接着)に寄与しにくくなるためと考えられている。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−177818号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第一に、上記の問題点を解決し、難燃性、耐熱性、機械特性に優れ、かつ埋立、燃焼などの廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がなく、昨今の環境問題に対応した難燃性ケーブルを提供することを目的とする。
さらに本発明は、第二に、上記第一の目的を解決し、かつ、モールド樹脂成形体との接着性に優れるため接続部の水密、気密性が保たれる難燃性ケーブルを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ケーブルの被覆層の最外層に、トリアジン誘導体化合物を含有させることにより、射出成形樹脂の熱分解などによってケーブルと射出成形樹脂との界面に気泡が発生することなく、高い接着強度および気密性を維持することが可能となることを見いだし、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1) 絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外側に被覆層を設けたケーブルであって、前記被覆層は少なくとも2層以上の被覆層により構成され、かつ前記被覆層の最外層が、(a)ポリエステルをハードセグメントとするブロック共重合体と(b)熱可塑性ポリウレタンとの質量比が(a):(b)=10:90〜100:0である樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、トリアジン誘導体化合物(B)3〜80質量部を含有した樹脂組成物であることを特徴とする難燃性ケーブル、
(2) 絶縁電線を複数本撚り合わせてなる多芯撚線の外側に被覆層を設けたケーブルであって、前記被覆層は少なくとも2層以上の被覆層により構成され、かつ前記被覆層の最外層が、(a)ポリアミドをハードセグメントとするブロック共重合体と(b)熱可塑性ポリウレタンとの質量比が(a):(b)=10:90〜100:0である樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、トリアジン誘導体化合物(B)3〜80質量部を含有した樹脂組成物であることを特徴とする難燃性ケーブル、
【0013】
(3) 前記樹脂組成物が、前記樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、(D)ポリリン酸アンモニウムを3〜40質量部含有することを特徴とする(1)または(2)項記載の難燃性ケーブル、
(4) 前記トリアジン誘導体化合物(B)がメラミンシアヌレート化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル、
(5) 前記被覆層の最外層以外の被覆層が、ポリオレフィン系樹脂ないしはエチレン系共重合体を主成分とする樹脂成分(C)100質量部に対し、金属水和物(E)を含有しないか、または300質量部以下含有した難燃性樹脂組成物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル、
(6) 前記の金属水和物(E)が30〜200質量部であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル、
【0014】
(7) 前記被覆層の最外層の架橋度が15〜55質量%であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル、
(8) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブルの外周上にポリブチレンテレフタレート樹脂をモールド加工にて形成し、ケーブルとモールド樹脂を融着させることを特徴とする成形方法、
(9) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の難燃性ケーブルの外周上にポリアミド樹脂をモールド加工にて形成し、ケーブルとモールド樹脂を融着させることを特徴とする成形方法、及び
(10) (8)または(9)項記載の成形方法により成形されたことを特徴とする成形部品
を提供するものである。
なお、本発明において「樹脂(A)を主成分とする樹脂成分」とは、樹脂成分中、樹脂(A)を60質量%以上、好ましくは75質量%以上含有するものをいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の難燃性ケーブルの一実施形態を示す概略断面図である。図中、ケーブル3は以下に説明する構造を有する。多芯撚線1は、導体(例えば外径0.18mmφの錫メッキ軟銅線を20本撚り合わせて導体径1mmφに仕上げた撚線導体)1aの上に、ポリエチレン樹脂組成物からなる絶縁層1bを設けた絶縁導体を複数本(図1では2本)を撚り合わせた構成となっている。多芯撚線1を被覆した被覆層2は複数層(図1では2a、2bの2層)からなり、内層2aは被覆層2中で最外層2bに接する層である。少なくとも最外層2bが前記樹脂組成物の架橋体で形成されている。
【0016】
本発明の難燃性ケーブルにおいて、絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線上に設ける被覆層は、3層以上の複数層からなるものでも良いが、2層からなるものが好ましい。複数層からなる被覆層を形成する場合には、同時押出被覆をすることも出来るし、内層を被覆した後に次の外層を順次被覆しても良い。なおその際各々の被覆層は、モールド樹脂成形体との接着性や所定の難燃性を有するために、前述の樹脂組成物で形成される。
次に被覆層が2層以上の複数層からなるものを例に本発明の好ましい実施態様を説明する。
【0017】
1.外層材料
(A)ベース樹脂
本発明において被覆層の最外層に用いられる樹脂組成物は、(a)熱可塑性エステル系エラストマーまたは熱可塑性ポリアミドエラストマーと(b)熱可塑性ポリウレタン樹脂とをブレンドして得られたベース樹脂(A)からなるものを用いることができる。
【0018】
(a)熱可塑性エステル系エラストマー又は熱可塑性ポリアミドエラストマー
本発明において用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)の例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンイソフタレート等の芳香族ポリエステルからなるハードセグメントと、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ポリエーテルからなるソフトセグメントとのブロック共重合体が挙げられる。
このような熱可塑性エステル系エラストマーとしては、例えば「ハイトレル」(商品名、東レデュポン社製)、「ペルプレン」(商品名、東洋紡績社製)などが市販されており、市販品の各社グレードから適宜選択して使用することができるが、ケーブルの柔軟性やコネクターモールド時の熱と圧力で気密性を保持することを考慮すると、融点が200℃以下、硬度(JIS K 6253、タイプAデュロメーター、1kgf(9.80665N))が80〜95のものを用いることが好ましい。
また、本発明において用いられる熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)の例としては、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルをソフトセグメントとしたブロック共重合体が挙げられる。
このような熱可塑性ポリアミドエラストマーとしては、例えば「ペバックス」(商品名、ATOCHEM(株)製)等が市販されており、市販品の各種グレードから適宜選択して使用することが出来るが、ケーブルの柔軟性やコネクターモールド時の熱と圧力で気密性を保持することを考慮すると、融点が200℃以下、硬度(JIS K 6253、タイプAデュロメーター、1kgf(9.80665N))が80〜95のものを用いることが好ましい。
【0019】
(b)熱可塑性ポリウレタン樹脂
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は低温での柔軟性、機械的強度、耐油耐薬品性に優れた樹脂である。TPUには、ポリエステル系ウレタン樹脂(アジペート系、カプロラクトン系、ポリカーボネイト系)、ポリエーテル系ウレタン樹脂が挙げられ、耐水性、耐カビ性などの点でポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。また、熱可塑性ポリウレタンの硬さ(JIS K 6253、タイプAデュロメーター、1kgf(9.80665N))は98以下が好ましい。
【0020】
ベース樹脂(A)において、(a)熱可塑性エステル系エラストマーまたは熱可塑性ポリアミドエラストマーと(b)熱可塑性ポリウレタン樹脂との質量比は、(a):(b)=10:90〜100:0であり、好ましくは30:70〜80:20)であり、さらに好ましくは40:60〜75:25である。
【0021】
(B)トリアジン誘導体化合物
本発明においては、ケーブルに難燃性を付与することを目的として、前記ベース樹脂(A)に所定量のトリアジン誘導体化合物(B)を配合する。トリアジン誘導体化合物の主な難燃効果は、分解時にNガスを生成することによる燃焼性の分解ガスの希釈が挙げられる。
本発明のケーブルは、被覆層の最外層にトリアジン誘導体化合物を含有させることにより、射出成形樹脂の熱分解などによってケーブルと射出成形樹脂との界面に気泡が発生することが無く、高い接着強度および気密性を維持することが可能となる。また、難燃剤として水酸化マグネシウムのような金属水和物を使用する場合とは異なり、本発明の樹脂成分系では熱可塑性エラストマーと難燃剤との極性基同士が引き合う相互作用が無いと考えられるため、射出成形樹脂と良好な融着(接着)性を得ることができる。
【0022】
また、トリアジン誘導体化合物、特に、メラミンシアヌレート化合物と金属水和物は、組み合わせて樹脂に添加して使用した場合、難燃効果が向上することが知られている。本発明者らは、最外層には金属水和物は含まれていない場合でも、最外層以外のより内層の被覆層に含まれる金属水和物との異層間における難燃剤の相互作用によって、効率的な難燃性を維持することができることを見出した。
このような異層間における複合的な難燃処方により、最外層の難燃剤を最小限とすることができ、またエラストマー成分の極性基と相互作用を生じないため、難燃性と射出成形樹脂との高い融着(接着)性を維持することができる。
【0023】
本発明で用いることができるトリアジン誘導体化合物の粒径は出来るだけ粒径が細かい物が好ましい。平均粒径が好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
また、本発明で用いることができるトリアジン誘導体化合物としては、特に限定はしないが、シアヌル酸、メラミン、メラミン誘導体、メラミンシアヌレート化合物などが挙げられる。
【0024】
例えば、メラミンシアヌレート化合物としては、MCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学株式会社製)や、Chemie Linz Gmbh社、日産化学株式会社より上市されているものがある。
また脂肪酸で表面処理なされたメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理なされたメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC440、MC640(いずれも商品名、日産化学株式会社製)などがある。メラミンシアヌレート化合物は樹脂中への分散性の面から表面処理なされたものの使用が好ましい。
さらに、トリアジン誘導体としては、STI−300(商品名、四国化成工業株式会社製)等が上市されている。
なお、メラミンシアヌレート化合物の構造は例えば以下のような構造で表される。
【0025】
【化1】
Figure 2004281057
【0026】
トリアジン誘導体化合物(B)の配合量は、ベース樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは3〜80質量部であり、さらに好ましくは3〜60質量部、さらに好ましくは7〜40質量部である。
なお、このトリアジン誘導体化合物(B)の配合量が、ベース樹脂(A)100質量部に対して3質量部より少ない場合には、所定の難燃性が得られず、ベース樹脂(A)100質量部に対して80質量部を越えると、被覆層とモールド材の接着性が著しく低下し、また被覆材の摩耗性が低下したり、伸び等の機械特性が著しく低下する。
特には限定しないが極めて良好な接着性を維持するためにはトリアジン誘導体化合物の量は60質量部以下(より好ましくは40質量部以下)にするのが好ましい。
【0027】
また、本発明のケーブルにおいて、前記被覆層の最外層の架橋度は特に限定しないが、15〜55質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましい。通常、架橋度が高くなるに従い耐熱性は向上し、溶融はしにくくなるが、架橋度を前述の範囲に設定すると、ケーブルの耐熱性とPBT等のモールド材との融着(接着)性のバランスが特に優れた樹脂組成物となるためである。
【0028】
(D)ポリリン酸アンモニウム
本発明においては、ケーブルにさらに難燃性を付与する事を目的として、ポリリン酸アンモニウムを添加することができる。ポリリン酸アンモニウムの難燃効果は、分解時に発生するリンが樹脂成分と結合しチャーを形成することによる断熱効果が挙げられるが、トリアジン誘導体化合物とポリリン酸アンモニウムを併用した場合、トリアジン誘導体化合物から生成するNガスがこのチャー中に入り込み、密度の低いチャーとなり、断熱効果がさらに向上する。
【0029】
本発明で用いることができるポリリン酸アンモニウムとしては、例えば、テラージュC30、テラージュC60(いずれも商品名、チッソ株式会社製)、exolit422(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)が上市されている。
ポリリン酸アンモニウム(D)の含有量は、ベース樹脂(A)100質量部に対して、40質量部以下である。好ましくは3〜40質量部、より好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは7〜20質量部である。
なお、このポリリン酸アンモニウム(D)の配合量が、ベース樹脂(A)100質量部に対して40質量部を越えると、被覆層とモールド材の接着性が著しく低下し、また被覆材の摩耗性が低下したり、伸び等の機械特性が著しく低下する。
【0030】
2.内層材料
(C)ベース樹脂
内層材料の内層とは最外層の被覆層に接する層をいう。したがって被覆層が複数層からなる場合、被覆層の最外層により接する層から内側が内層である。
本発明において被覆層中で最外層に接する内層に用いられる樹脂組成物は特に限定しないが、本発明の目的から、分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系化合物等やアンチモン化合物等の重金属類等を含有しないことが好ましい。また、入手の容易さ、成形性等を考慮するとポリオレフィン系樹脂ないしはエチレン系共重合体を主成分とする樹脂成分が好ましい。
このポリオレフィン系樹脂の例としては低密度ポリエチレン、エチレン系共重合体の例としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等が挙げられる。また、これらのポリオレフィン樹脂やエチレン系共重合体は単独で使用しても、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
(E)金属水和物
本発明においては、ケーブルの難燃性を向上させることを目的として、前記ベース樹脂(C)に所定量の金属水和物(E)を配合することが出来る。
本発明において用いられる金属水和物としては、特に限定はしないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。その表面処理処理剤としてはシラン化合物(シランカップリング剤)、脂肪酸、リン酸エステル等を用いることが出来る。その他未処理のものを使用することが出来る。
これらの金属水和物においては、水酸化マグネシウムが好ましく、このようなものとしては、例えば、「キスマ5」、「キスマ5A」、「キスマ5B」、「キスマ5J」、「キスマ5P」(商品名、協和化学社製)などの市販品が好ましい。
【0032】
金属水和物(E)の配合量は、ベース樹脂(C)100質量部に対して、300質量部以下であり含有しなくともよい。好ましくは30〜300質量部、より好ましくは30〜250質量部、さらに好ましくは30〜200質量部である。
特には限定しないが、安定した難燃性を維持するためには、この金属水和物の量は30質量部以上加えることが好ましい。
また金属水和物(E)の配合量がベース樹脂(C)100質量部に対して300質量部を越えると、低温性、機械特性が著しく低下する。低温性を維持するためには好ましくは250質量部以下、200質量部以下がより好ましい。
【0033】
また本発明で用いる金属水和物について、表面処理の有無は特に限定しないが、ベース樹脂(C)への分散性を考慮すると、ステアリン酸、オレイン酸の脂肪酸処理なされたもの、また耐酸性、耐水性を考慮してリン酸エステルを用いたものが好ましい。
さらにケーブル被覆材の強度を向上させるためには、反応性のシランカップリング剤で表面処理された金属水和物を用いることが好ましい。反応性のシランカップリング剤で表面処理する事により、得られる樹脂材料の引張強度を向上させることができるだけでなく、水酸化マグネシウムを大量に加えても力学的特性の低下しないシース材料を得ることができる。
【0034】
これらの効果を顕著に発揮するためには、ビニル基等の2重結合を末端に有するシランカップリング剤やエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤が良い。また特には限定しないが、さらにこれらのビニル基、エポキシ基を末端に有するシランカップリング剤を併用して、ステアリン酸等の脂肪族の表面処理剤やリン酸エステル系表面処理剤で表面処理する事により、押し出し特性を確保しつつ、耐酸性、耐水性、力学的強度を両立して維持することが可能となる。
このビニル基、エポキシ基、アミノ基を末端に有するシランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また上述の水酸化マグネシウムは2種類以上混合して使用しても良いし、その他の金属水和物と混合して使用しても良い。
【0035】
反応性のシランカップリング剤で処理された金属水和物を用いることにより、電子線照射時に反応性のシランカップリング剤が反応し、ベース樹脂(C)と架橋することで金属水和物と表面処理剤を通じて相互作用を有する組成物全体としては機械的強度に優れた架橋物となる。この相互作用により金属水和物を大量に加えた際にも樹脂組成物の高い力学的強度は保持され、さらに耐摩耗性に優れ、傷のつきにくい樹脂組成物が得られる。
【0036】
本発明のケーブルにおいて、多芯撚線上に設けた被覆後に被覆層を架橋させる方法としては、生産性の点から、従来公知の電子線等電離性放射線の照射による架橋方法が好ましい。電子線の照射量としては、5〜20Mradが好ましい。なお、最外層とそれ以外の層を順次被覆後、電子線架橋を実施しても差し支えない。
【0037】
本発明におけるケーブルの被覆層(前記最外層とそれ以外の層)を構成する樹脂組成物には、絶縁電線やケーブルにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、非ハロゲン系難燃剤、分散剤、着色剤、充填剤、滑剤、また架橋助剤である多官能モノマーを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。特に自動車用途では難燃剤を添加することが好ましい。
【0038】
酸化防止剤としては、4, 4’ −ジオクチル・ジフェニルアミン、N, N’ −ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2, 2, 4−トリメチル−1, 2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
【0039】
金属不活性剤としては、N, N’ −ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
【0040】
さらに本発明において用いられる難燃剤としては、非ハロゲン系のリン酸化合物、赤リン化合物などのリン系難燃剤などが挙げられる。
さらに難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
【0041】
また。多官能モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモノマー、またはエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマーが挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜11、比較例1〜4)
導体(導体径1mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成20本/0.18mmφ)の上に、低密度ポリエチレンを外径1.7mmとなるように押出被覆し、これに加速電圧500keV、照射量20Mradの電子線を照射して架橋ポリエチレン絶縁層を有する絶縁体を得、この絶縁導体を2本撚り合わせた多芯撚線を用意した。
【0043】
次いで、上記多芯撚線上に、40mmφ押出機(L/D=25)を用い、ダイス温度180℃、以下フィーダー側へ、C3=170℃、C2=160℃、C1=140℃の条件により、下記表中に示す内層用の樹脂組成物を外径が4.2mmφとなるように押出被覆して内層被覆層を形成し、さらに、その上に下記表中に示した外層樹脂組成物を外径5.0mmφとなるように内層と同条件で押出被覆した。
【0044】
次いで、押出被覆後、加速電圧750keVおよび任意の照射量にて電子線照射を行い被覆層を架橋させて、図1に示すような被覆層が2層からなるケーブルを得た。なお下記表では、内層及び外層用樹脂組成物の各成分の使用量を質量部で示した。
得られた各ケーブルについて、下記の試験方法で各種の特性を評価し、その結果を表1または2に示した。
【0045】
1)成形体との接着強度(対PBT)
図2(a)に示すようにケーブルを半割にした試料4を用意し、図2(b)に示す様にプレス機6を用いてPBT板5にプレス板表面温度230±2℃で予熱5分、加圧2±0.2MPa×30±1秒で5mm幅に貼り付けた後、ケーブルを図2(c)に示すように加圧後の試料4aをPBT板5より引き剥がすのに必要な最大の力(N)を測定した(図中Wはサンプルの幅を示す。)。
この最大強度を2倍し、cmあたりに換算したものを接着強度(N/cm)とした。なお、上記剥離は室温下、50mm/分の速度で行った。
接着強度は30N/cm以上で合格であるが、好ましくは40N/cm以上、さらに好ましくは50N/cm以上である。
【0046】
2)成形体との接着強度(対ポリアミド樹脂(以下PA))
板成形樹脂をPAに変更し、1)と同じ試験を行った。なお、接着強度の規格値はPBTと同様である。
【0047】
3)ヒートサイクル(ヒートショック後の気密性)
図3に示すように、絶縁線8を有するケーブル3の端末にコネクター7をPBT樹脂で射出成形を行った。作製したサンプルを図4に示すような冷熱サイクルにかけた。500および1000サイクル後に、図5に示すように、コネクター7側を封止したケーブル3について、水槽10内でもう一方の端末9から2kgf/cm(19.6N/cm)の圧縮空気を5分間送り込んだ。その間にコネクター7部分より気泡が生じないものを合格とし、その合格数/試験数を示した。
なお、気密性については、冷熱サイクル500サイクルで合格であるが、1000サイクル以上での合格が好ましい。
【0048】
4)低温性
ケーブルを−30℃で3時間冷却し、50mmφのマンドレルに3回巻付けた後、巻き戻して1000Vに1分間耐えたものを合格とした。
【0049】
5)難燃性
JASO D 608に準拠し、内炎長35mmの内炎がケーブルに接するように10秒間着火し取り外した後に、残炎時間が30秒以内のものを合格とした。
【0050】
6)外層材料の架橋度
ケーブルより外層材料のみ採取し、キシレンにて110℃×24時間抽出し、十分に乾燥後、ジメチルホルムアミドにて110℃×24時間抽出した後の不溶ゲル分質量を抽出前の質量に対する百分率で示し、架橋度とした。
【0051】
表中に示す各化合物としては下記のものを使用した。
(A)
(a−1)
熱可塑性エステル系エラストマー(TPEE)
東レデュポン(株)製 商品名;ハイトレル4057
(a−2)
熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)
ATOCHEM(株)製 商品名;ペバックス4033SAOO
(b)
熱可塑性ウレタン樹脂(TPU)
大日精化工業(株)製 商品名;レザミンP−2088
【0052】
(B−1)
シラン処理メラミンシアヌレート化合物
日産化学工業(株)製 商品名;MC−640
(B−2)
トリアジン誘導体化合物
四国化成工業(株)製 商品名;STI−300
(D)
ポリリン酸アンモニウム
チッソ株式会社製 商品名;テラージュC−60
(C−1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
三井デュポンポリケミカル(株)製 商品名;エバフレックス360
酢酸ビニル含有量:25%
(C−2)
メタロセン直鎖状ポリエチレン
日本ポリケム(株)製 商品名;カーネルKS340T
【0053】
(E)
ビニルシラン処理水酸化マグネシウム
協和化学工業(株)製 商品名;キスマ5P
(F)
トリメチロールプロパントリメタクリレート
新中村化学(株)製 商品名;オグモントT200
(G)
ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドラキシフェニル)プロピオネート)
チバガイキ−(株)製 商品名;イルガノックス1010
【0054】
【表1】
Figure 2004281057
【0055】
【表2】
Figure 2004281057
【0056】
表1及び表2から明らかなように、比較例1では難燃性、比較例2では低温性、比較例3では接着強度および気密性、比較例4では気密性について問題があったのに対し、実施例1〜11ではいずれも接着性、気密性、低温性、難燃性の全てについて優れることが分かった。なお、比較例1、3及び4は請求項1に係る発明の比較例であり、比較例2は請求項5に係る発明の比較例である。
【0057】
【発明の効果】
本発明のケーブルは、ノンハロゲン難燃材料で構成されており、機械特性、難燃性、耐熱性、低温性に優れるだけでなく、埋め立てや燃焼などの廃棄時において、有害な重金属化合物の溶出や、多量の煙、有毒ガスの発生が無い。
また、本発明のケーブルは、被覆層の最外層にトリアジン誘導体化合物を含有させることにより、射出成形樹脂の熱による熱分解などによってケーブルと射出成形樹脂との界面に気泡が発生することがなく、高い接着強度および気密性を維持することが可能となり、コネクター部材とケーブル間に優れた気密性、水密性を得ることができる。
以上から、本発明のケーブルは、環境問題を考慮した自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケーブルとして非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブルの好ましい一実施例を示す断面図である。
【図2】実施例で行った、ケーブルと樹脂成形体との接着強度の測定試験方法の説明図である。(a)、(b)、(c)のステップで行った。
【図3】実施例のヒートサイクル試験に用いた、コネクタを成形したケーブル端末を示す正面図である(点線はコネクタ内部を示す)。
【図4】実施例のヒートサイクル試験で行った冷熱サイクルを示すグラフである。
【図5】実施例のヒートサイクル試験方法の説明図である。
【符号の説明】
1 多芯撚線
1a 導体
1b 絶縁層
2 被覆層
2a 内層
2b 最外層
3 ケーブル
4 試料(接着強度試験)
4a 加圧後の試料
5 PA板
6 プレス機
7 コネクター
8 絶縁線
9 コネクタ側ではない末端
10 水槽

Claims (10)

  1. 絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外側に被覆層を設けたケーブルであって、前記被覆層は少なくとも2層以上の被覆層により構成され、かつ前記被覆層の最外層が、(a)ポリエステルをハードセグメントとするブロック共重合体と(b)熱可塑性ポリウレタンとの質量比が(a):(b)=10:90〜100:0である樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、トリアジン誘導体化合物(B)3〜80質量部を含有した樹脂組成物であることを特徴とする難燃性ケーブル。
  2. 絶縁電線を複数本撚り合わせてなる多芯撚線の外側に被覆層を設けたケーブルであって、前記被覆層は少なくとも2層以上の被覆層により構成され、かつ前記被覆層の最外層が、(a)ポリアミドをハードセグメントとするブロック共重合体と(b)熱可塑性ポリウレタンとの質量比が(a):(b)=10:90〜100:0である樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、トリアジン誘導体化合物(B)3〜80質量部を含有した樹脂組成物であることを特徴とする難燃性ケーブル。
  3. 前記樹脂組成物が、前記樹脂(A)を主成分とする樹脂成分100質量部に対して、(D)ポリリン酸アンモニウムを3〜40質量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の難燃性ケーブル。
  4. 前記トリアジン誘導体化合物(B)がメラミンシアヌレート化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル。
  5. 前記被覆層の最外層以外の被覆層が、ポリオレフィン系樹脂ないしはエチレン系共重合体を主成分とする樹脂成分(C)100質量部に対し、金属水和物(E)を含有しないか、または300質量部以下含有した難燃性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル。
  6. 前記の金属水和物(E)が30〜200質量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル。
  7. 前記被覆層の最外層の架橋度が15〜55質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ケーブル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性ケーブルの外周上にポリブチレンテレフタレート樹脂をモールド加工にて形成し、ケーブルとモールド樹脂を融着させることを特徴とする成形方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性ケーブルの外周上にポリアミド樹脂をモールド加工にて形成し、ケーブルとモールド樹脂を融着させることを特徴とする成形方法。
  10. 請求項8または9記載の成形方法により成形されたことを特徴とする成形部品。
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