JP2005200536A - 難燃性樹脂組成物とそれを用いた成形物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
難燃性、機械特性、電気特性及びエポキシ接着性に優れた難燃性樹脂組成物とその成形物品を提供する。
【解決手段】
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体およびモノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂0〜20質量%並びにモノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはモノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を15〜70質量%含有するエチレン系共重合体80〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対し、金属水和物100〜280質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、機械特性、柔軟性、耐熱性および難燃性に優れ、エポキシ樹脂との接着に優れた難燃性樹脂組成物に関するものである。また、前記難燃性組成物を使用した配線材、光ファイバコード、チューブおよびシート等の成形部品に関するものである。より詳しくは、本発明は、電気・電子機器の内部ないしは外部配線に使用される絶縁電線、電気ケーブル、電気コードや光ファイバ心線、光ファイバコードなどの被覆材として、または電源コード等のモールド材や、チューブ、シートとして好適な難燃性樹脂組成物およびそれを用いた配線材その他の成形物品に関し、特に、埋立、燃焼などの廃棄時において、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害ガスの発生がなく、環境問題に対応した難燃性樹脂組成物およびそれを用いた配線材その他の成形物品に関するものである。
電気・電子機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線・ケーブル・コードや光ファイバ心線、光ファイバコードなどには、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。このため、これらの配線材に使用される被覆材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや、分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主として使用されていた。しかし、これらを適切な処理をせずに廃棄し、埋立てた場合には、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤が溶出したり、また燃焼した場合には、被覆材料に含まれるハロゲン化合物から有害ガスが発生したりすることがあり、近年、この問題が議論されている。このため、環境に影響をおよぼすことが懸念されている有害な可塑剤や重金属の溶出や、ハロゲン系ガスなどの発生の恐れがないノンハロゲン難燃材料で被覆した配線材の検討が行われている。ノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させており、例えばエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などのエチレン系共重合体に、難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を多量に配合した材料が配線材に使用されている。
特開2001−60414号公報 特開2001−184946号公報
電気・電子機器の配線材に求められる難燃性、耐熱性、機械特性(例えば引張特性、耐摩耗性)などの規格は、UL、JISなどで規定されている。特に、難燃性に関しては、要求水準もしくはその用途などに応じてその試験方法が変わってくる。したがって実際は、少なくとも要求水準に応じた難燃性を有すればよい。例えば、UL1581(電線、ケーブルおよびフレキシブルコードのための関連規格(Reference Standard for ElectricalWires,Cables and Flexible Cords))に規定される垂直燃焼試験(Vertical Flame Test)(VW−1)や、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)に規定される水平試験や傾斜試験に合格する難燃性などがそれぞれ挙げられる。この中で、これまで、ノンハロゲン難燃材料に、VW−1や傾斜試験に合格するような高度の難燃性を付与する場合、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体などのエチレン系共重合体の樹脂成分100質量部に対して、難燃剤である金属水和物を150〜200質量部配合する必要があり、この結果として、被覆材料の引張特性や耐摩耗性などの機械特性が著しく低下するという問題があった。
さらに配線材、チューブ、電線部品、シートおよび電源プラグなどの成形部品を他の配線材、部品、筐体等と接続する際には、通常エポキシ樹脂で接着する方法が用いられる。
一般に、エポキシ樹脂等の接着剤はポリエチレン等の非極性の樹脂には接着しないものの、エチレン系共重合体、カルボン酸変性ポリオレフィンおよびカルボン酸変性エチレン系共重合体等の極性部位をもつ樹脂に対しては接着性が高いといわれている。しかしながら、VW−1のような高い難燃性を付与するために、樹脂成分100質量部に対して、水酸化マグネシウム等の金属水和物を150質量部以上加えてゆくとエポキシ樹脂等の接着剤との接着性は著しく低下することが明らかとなった。このため、特許文献1、2のような従来のノンハロゲン難燃性樹脂組成物で被覆された絶縁電線には多量の金属水和物が配合されているため、エポキシ樹脂との接着性が劣り、部品等との接続加工が出来ない場合があった。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、樹脂成分の一成分として特定のエチレン系共重合体を特定の配合量使用することにより、多量の金属水和物を難燃剤として配合しても、エポキシ樹脂との接着性に非常に優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見出した。さらに、前記難燃性樹脂組成物を使用した配線材、その他の成形部品が難燃性、機械特性、電気特性およびエポキシ接着性に優れ、燃焼時にダイオキシンなどの有害物質を発生しないことを見出した。本発明はこれらの知見をもとになされたものである。
すなわち本発明は、
(1)(a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)0〜20質量%並びに(b−1)モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)モノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を15〜70質量%含有するエチレン系共重合体(B)80〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対し、金属水和物(C)100〜280質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物、
(2)前記樹脂成分100質量部に対し、前記(b−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体および/または前記(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が30〜70質量%であり、かつ、前記(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が10質量%以上であることを特徴とする(1)に記載の難燃性樹脂組成物、
(3)(a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)の含有量が、(b−1)50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量の2/5以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃性樹脂組成物、
(4)(a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)の含有量が、(b−1)50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量の1/5以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃性樹脂組成物、
(5)前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体がエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(6)前記金属水和物(C)の少なくとも1/4以上がシランカップリング剤で処理された金属水和物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物が導体または光ファイバ素線または/および光ファイバ心線の外側に被覆層として形成されていることを特徴とする成形物品、
(8)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物の架橋体が導体または光ファイバ素線または/および光ファイバ心線の外側に被覆層として形成されていることを特徴とする成形物品、
(9)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物で成形されていることを特徴とする成形物品、
(10)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物で成形されている成形物品において、前記難燃性樹脂組成物が架橋されていることを特徴とする成形物品、
を、提供するものである。
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性、機械的特性および電気特性に優れ、さらにエポキシ樹脂との接着性が非常に優れているだけでなく、ノンハロゲン材料で構成されているため、燃焼時にダイオキシンなどの有害物質を発生しない。また、本発明の配線材は、VW−1規格に適合する優れた難燃特性を有するだけでなく、エポキシ樹脂との接着性が優れているため、他の部品との接続加工に非常に有用である。以上から、本発明の難燃性樹脂組成物は、前記配線材や、光ファイバ心線、光ファイバコード等の被覆材料として、チューブやシート等の成形物品の材料としても好適なものである。
本発明においては樹脂成分の一部分として、50〜95質量%の酢酸ビニルをモノマー成分として有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルをモノマー成分として有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体をある比率以上加えることにより、機械的強度、難燃性に加え、エポキシ樹脂に対する接着性が大幅に向上した難燃性樹脂組成物を得ることができる。また前記難燃性樹脂組成物を使用することにより、機械的強度、電気特性、難燃性に優れるだけでなく、さらにエポキシ樹脂との接着性が良好な配線材その他の成形物品を得ることができる。
また、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体およびモノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂の配合量を一定量以下に抑えることにより、エポキシ樹脂等の接着剤に対する接着性をさらに向上させることが可能である。
さらに、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体として、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体を使用した場合に、エポキシ樹脂との接着性の向上が顕著である。
また、金属水和物の所定量をシラン処理することにより、力学的強度、難燃性の向上を図ることができる。
以下、本発明の樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
(a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィンおよび不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン共重合体とは、例えば直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンやエチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート(EA)共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体等のエチレン系共重合体が不飽和カルボン酸やその誘導体で変性された樹脂のことであり、変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などがある。ポリオレフィンおよびエチレン共重合体の変性は、例えば、ポリオレフィンもしくはエチレン共重合体と不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に溶融、混練することにより行うことができる。マレイン酸の変性量は通常0.5〜7重量%程度である。不飽和カルボン酸およびその誘導体で変性されたポリオレフィンとしてはアドマー(商品名、三井化学(株)製)、アドテックス(商品名、日本ポリオレフィン(株)製)、ポリボンド(商品名、クロンプトン社製)、ボンドファースト(商品名、住友化学(株)製)などがあげられる。
またモノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体とは例えば、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸アルキル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、その他エチレン−エチレン(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸3元共重合体、エチレン系共重合体と不飽和カルボン酸の共重合体などをあげることができ、例えば、ニュクレル、ベイマックG、ベイマックGLS(いずれも商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ボンダイン(商品名、住友化学(株)製)、プリマコール(商品名、ダウケミカル社製)、ユカロンEAA(商品名、日本ポリエチレン(株)製)等があげられる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィンは、樹脂と金属水和物とを結合させ、機械的強度を高める働きがある。また不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたエチレン共重合体は、金属水和物と結合し、電気特性の向上や浸水させたときの絶縁抵抗の低下を抑える効果やコンパウンドの強度を高める効果がある。
(A)成分の配合量は樹脂成分中、0〜20質量%である。好ましくは0〜18質量%、さらに好ましくは0〜15質量%である。配合量が多すぎると、エポキシ樹脂等の接着剤との接着効果が著しく低下する恐れがある。
(B)(b−1)モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)モノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有するエチレン系共重合体
本発明の(B)成分は、(b−1)成分および/または(b−2)成分を必須として含有するエチレン系共重合体である。
(b−1)モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体、(b−2)モノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えばレバプレン500HV、レバプレン600HV、レバプレン700HV、レバプレン800HV、レバプレン900HV、レバプレンVPKA8784、レバプレンVPKA8815(商品名、バイエル社製)、エバスレン410P、エバスレン420P、エバスレン250(商品名、大日本インキ(株)製)等があげられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。モノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、具体的には例えば、ベイマックD、ベイマックDP、ベイマックDLS(商品名、三井デュポンポリケミカル株式会社製)等があげられる。
モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体および/またはモノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を加えることにより、高度な難燃性を維持しながら、エポキシ樹脂等の接着剤との接着性を向上させることができる。これは酢酸ビニル等の極性部位を多く含む樹脂を使用することにより、前記極性部位が金属水和物と引きつけあっても、樹脂表面に前記極性部位が残存するため、得られた樹脂組成物並びに成形体、ケーブル等がエポキシ樹脂等と接着性を維持できるためと考えられる。また柔軟性や伸びを付与することが可能となる。
中でも、エポキシ樹脂に対する接着性の点で、モノマー成分として50質量%以上のアクリル酸エステルを有するエチレン−アクリル酸エステル共重合体が好ましく、モノマー成分として50質量%以上のアクリル酸メチルを有するエチレン−アクリル酸メチル共重合体がさらに好ましい。これは、アクリル酸エステル、中でもアクリル酸メチルがエポキシ樹脂等の接着剤と相溶性が高く、またカルボン酸等の部位に比べ比較的金属水和物と引き合う力が小さいためと考えられる。
モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはモノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の配合量は、樹脂成分中15〜70質量%であり、好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは35〜55質量%である。配合量が少なすぎるとエポキシ樹脂に対する接着性が著しく低下し、多すぎると著しく電気特性が低下したり、力学的強度が低下したりする場合がある。
本発明の(B)成分は、前記(b−1)成分および/または(b−2)成分を必須とするが、それ以外に、他のエチレン系共重合体を含んでもよい。
エチレン系共重合体としては例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリレート共重合体(EMA)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。難燃性および機械特性向上の点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
またエポキシ樹脂等の接着性をさらに向上させる必要がある場合には、エチレン−アクリル酸エステル共重合体の使用が好ましい。特にエチレン−アクリル酸メチル共重合体を用いることにより、より高い接着性を得ることが可能となる。
(B)成分の配合量は、樹脂成分中80〜100質量%であり、好ましくは83〜98質量%、さらに好ましくは85〜95質量%である。配合量が少なすぎると、強度が著しく低下するおそれがある。
本発明においては、エポキシ樹脂等との接着性を向上させるために、(A)成分の配合量が、(b−1)および/または(b−2)の配合量の2/5以下であることが好ましく、さらに1/5以下が好ましい。理由は明らかでないが、(b−1)および/または(b−2)の配合量に対して、(A)成分の配合量を一定以下に抑えることにより、カルボン酸のような高い極性部位が金属水和物と引きつけあっても樹脂表面に極性部位が残存するようにベース材料を構成することができ、得られた樹脂組成物並びに成形物品がエポキシ樹脂等と高い接着性を発揮できるものと思われる。
(C)金属水和物
本発明の樹脂組成物における金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。中でも水酸化マグネシウムの使用が難燃性の面で好ましい。
本発明の金属水和物は、樹脂成分100質量部に対し100〜280質量部である。好ましくは150〜280質量部である。この配合量が少なすぎると難燃性に問題が生じ、配合量が多すぎると力学的強度が著しく低下し、またエポキシ等の接着剤に対する接着効果が著しく低下する。
本発明の金属水和物は、表面処理を施してもよい。使用する表面処理剤としてはシラン化合物(シランカップリング剤)、脂肪酸、リン酸エステル、チタネートカップリング剤等を用いることが出来る。中でもシランカップリング剤の使用がさらに好ましい。
本発明におけるシランカップリング剤は末端にビニル基、グリシジル基、アミノ基を有するものが好ましい。架橋性のシランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。
金属水和物の表面処理方法は特に限定しないが、例えば無処理の金属水和物を表面処理剤と共に予めドライブレンドしたり、湿式処理を行ったりすること等が挙げられる。また樹脂成分との混練り時に表面処理剤をブレンドすることも可能である。このときの表面処理剤は表面処理するに十分な量が適宜加えられるが、例えばシランカップリング剤を用いた場合は金属水和物に対し0.1〜2.5重量%、好ましくは0.2〜1.8重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%である。
無処理の水酸化マグネシウムとしては、キスマ5(商品名、協和化学(株)製)、マグシースN−3(商品名、神島化学(株)製)等が挙げられる。また、シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、キスマ5L、キスマ5N、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学(株)製)等が挙げられる。
本発明の金属水和物は2種以上の表面処理剤、例えばシランカップリング剤と脂肪酸の両方で処理しても良いし、一部無処理や脂肪酸、その他の表面処理で施された金属水和物を併用しても良い。特に脂肪酸とシランカップリング剤の併用は浸水時の体積固有抵抗維持の面で好ましい。
なお、本発明の絶縁樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の樹脂成分を加えてもよい。他の樹脂成分としては例えば、ポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマー等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、ブテンゴム等があげられる。中でもメタロセンポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム等が好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を主体とするランダム共重合体およびその水素添加物ならびに、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を主体とするブロック共重合体およびその水素添加物が挙げられる。
その他ポリオレフィン樹脂やエチレン系共重合体にポリスチレンがグラフトされた樹脂等が挙げられる。
他の樹脂成分は樹脂成分中の30質量%以下、好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下が好ましい。
本発明において、さらにメラミンシアヌレートを加えることにより難燃性を向上させることができる。
本発明のメラミンシアヌレートは、粒径が細かい物が好ましい。本発明で用いるメラミンシアヌレート化合物の平均粒径は好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。また、分散性の面から表面処理されているメラミンシアヌレート化合物が好ましく用いられる。本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物としては、例えばMCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学(株)製)等がある。また脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC640(いずれも商品名、日産化学(株)製)などがある。
本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物として、例えば以下のような構造のメラミンシアヌレートがある。
Figure 2005200536
本発明の絶縁樹脂組成物には、必要に応じスズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を配合することができ、さらに難燃性を向上することができる。これらの化合物を用いることにより、燃焼時の殻形成の速度が増大し、殻形成がより強固になる。従って、燃焼時に内部よりガスを発生するメラミンシアヌレート化合物とともに、難燃性を飛躍的に向上させることができる。
本発明で用いるホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
本発明で用いることのできるホウ酸亜鉛として、具体的には例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B・3.5HO)、FRC−600(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などがある。またスズ酸亜鉛(ZnSnO)、ヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH))として、アルカネックスZS、アルカネックスZHS(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などがある。
本発明の絶縁樹脂組成物には、電線・ケ−ブルにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などがあげられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあげられる。
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などがあげられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。その中でもステアリン酸亜鉛やステアリン酸は、絶縁抵抗の向上の効果があり、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウムは、目やにを防ぐ効果がある。さらに滑剤として脂肪酸アミドを併用することにより、簡単に導体との密着性を制御することが可能となる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の各成分を、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど、通常用いられる混練装置で溶融混練して得ることができる。
次に本発明の絶縁電線、ケーブル、光コード等の成形物品について説明する。
本発明の成形物品としては、例えば導体や光ファイバやその他成形体の周りに上記の本発明の難燃性樹脂組成物が被覆されたものが挙げられ、本発明の難燃性樹脂組成物を通常の押出成形機を用いて導体、光ファイバ、集合絶縁電線やその他成形体の周囲に押出被覆することにより製造することが出来る。またチューブについても同様な方式で製造することが出来る。また成形物品を架橋体とすることにより、耐熱性の向上のみならず、難燃性も向上する。
架橋の方法は特に制限はなく、電子線架橋法や化学架橋法などを使用することができる。
電子線架橋法で行う場合、電子線の線量は1〜30Mradが適当であり、効率よく架橋をおこなうために、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として配合してもよい。
化学架橋法の場合は樹脂組成物に、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンペルオキシエステル、ケトンペルオキシドなどの有機過酸化物を架橋剤として配合し、押出成形被覆後に加熱処理により架橋をおこなう。
本発明の成形体の大きさや形状については特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。例えば絶縁電線に使用される場合、導体の周りに形成される難燃性樹脂組成物の被覆層の肉厚も特に制限はないが、0.15〜2mmが好ましい。また、絶縁層が多層構造であってもよく、本発明の難燃性樹脂組成物で形成した被覆層のほかに中間層などを有するものでもよい。
実施例、比較例
まず、表1および表2に示す各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を製造した。
次に、電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径0.48mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/0. 16mmφ)上に、予め溶融混練した難燃性樹脂組成物を押し出し法により被覆して、各々絶縁電線を製造した。外径は1.32mm絶縁層の肉厚0.42mm)とし、被覆後、4Mradで電子線照射して架橋を行った。
なお、表1および表2中に使用した各成分は下記の通りである。
(a−1)マレイン酸変性ポリエチレン
商品名:L−6100M
製造会社:日本ポリオレフィン株式会社
(a−3)エチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸共重合体
商品名:ベイマックGLS
製造会社:デュポン社
(a−3)エチレン−メタクリル酸共重合体
商品名:ニュクレルN0908
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
(b−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名:レバプレン800HV(酢酸ビニル含有量80質量%)
製造会社:バイエル社
(b−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名:レバプレン600HV(酢酸ビニル含有量60質量%)
製造会社:バイエル社
(b−2)エチレン−アクリル酸メチル共重合体
商品名:ベイマックD(アクリル酸メチル含有量65質量%)
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
(b−2)エチレン−アクリル酸メチル共重合体
商品名:ベイマックDP(アクリル酸メチル含有量65質量%)
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名:EV180(酢酸ビニル含有量33質量%)
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名:EV360(酢酸ビニル含有量25質量%)
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
エチレン−アクリル酸エチル共重合体
商品名:A−714(アクリル酸エチル含有量25質量%)
製造会社:三井デュポンポリケミカル株式会社
エチレン−アクリル酸メチル共重合体
商品名:OE5625(アクリル酸メチル含有量25質量%)
製造会社:ボレアリス社
シラン処理水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5P
製造会社:協和化学株式会社
脂肪酸処理水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5B
製造会社:協和化学株式会社
無処理水酸化アルミニウム
商品名:ハイジライトH42M
製造会社:昭和電工株式会社
シランカップリング剤
商品名:TSL8370(メタアクロイルシラン)
製造会社:GE東芝シリコーン株式会社
ヒンダードフェノール系老化防止剤
商品名:イルガノックス101
製造会社:チバスペシャリティケミカルズ株式会社
滑剤
St−Ca(ステアリン酸カルシウム)
製造会社:日本油脂株式会社
多官能アクリル架橋助剤(TMPTM:トリメチロールプロパントリメタクリレート)
商品名:オグモントT−200
製造会社:新中村化学株式会社
得られた絶縁体について、下記の試験を行った。結果および評価は、表1および表2に示した。
引張試験
絶縁体の引張試験はUL1581に基づき、標線間25mm、引張速度500mm/分で行った。伸びは100%以上、引張強さは10MPa以上が合格である
燃焼試験1
UL1581に規定される水平燃焼試験の方法に基づいて行った。5本試験を行い、すべて合格したサンプルを合格とした。
3)燃焼試験2
UL1581に規定される垂直燃焼試験(VW−1)の方法に基づいて行った。5本試験を行い、1本でも合格したサンプルを合格とした。
4)エポキシ接着試験
アルミ板にエポテック353ND(エポキシ樹脂)を薄く塗り、その上に電線を貼り付けた後にエポキシ樹脂を80℃2h、110℃1hで硬化させた。硬化後に、アルミ板から電線の引きはがし試験を行い接着強度を測定した。剥離は90度剥離試験で行い、速度100mm/分で引きはがしを行った。
接着強度が4.4Nを超えるものを合格、それ以下を不合格とした。
5)剥離界面状態
4)の剥離試験の界面を目視で観察した。
電線内部で凝集破壊しているもの、導体が露出し破壊しているものを○、エポキシ樹脂と電線間の界面剥離の場合を×とした。
Figure 2005200536
Figure 2005200536
表を見ても分かるとおり、実施例1〜12では、いずれの評価においても満足な結果が得られているのに対し、比較例1〜6では、剥離試験においてエポキシ樹脂と電線間の界面で剥離してしまい、接着性に劣る結果となった。また、比較例4、5では強度が劣る結果となった。

Claims (10)

  1. (a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)0〜20質量%並びに(b−1)モノマー成分として50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)モノマー成分として50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を15〜70質量%含有するエチレン系共重合体(B)80〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対し、金属水和物(C)100〜280質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂成分100質量部に対し、前記(b−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体および/または前記(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が30〜70質量%であり、かつ、前記(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. (a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)の含有量が、(b−1)50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量の2/5以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. (a−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(a−2)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン系共重合体および(a−3)モノマー成分として少なくとも不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するエチレン共重合体からなる群の少なくとも1種の樹脂(A)の含有量が、(b−1)50〜95質量%の酢酸ビニルを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/または(b−2)50質量%以上の(メタ)アクリル酸エステルを有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量の1/5以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体がエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記金属水和物(C)の少なくとも1/4以上がシランカップリング剤で処理された金属水和物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物が導体または光ファイバ素線または/および光ファイバ心線の外側に被覆層として形成されていることを特徴とする成形物品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物の架橋体が導体または光ファイバ素線または/および光ファイバ心線の外側に被覆層として形成されていることを特徴とする成形物品。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物で成形されていることを特徴とする成形物品。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物で成形されている成形物品において、前記難燃性樹脂組成物が架橋されていることを特徴とする成形物品。
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