JP2004265604A - 陰極線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精細かつ高解像度の画像を安定して表示可能な陰極線管装置を提供することを目的とする。
【解決手段】プリフォーカスレンズ部は、第2グリッドG2及び第3グリッドG3によって構成され、実質的に回転対称に形成されている。サブレンズ部は、第3グリッドG3及び第1セグメント4−1によって構成される。主レンズ部は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって構成されている。第3グリッドG3には、フォーカス電圧Vf1より高くアノード電圧Ebより低い電圧が印加される。主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径は、垂直方向径より多くなるように形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】プリフォーカスレンズ部は、第2グリッドG2及び第3グリッドG3によって構成され、実質的に回転対称に形成されている。サブレンズ部は、第3グリッドG3及び第1セグメント4−1によって構成される。主レンズ部は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって構成されている。第3グリッドG3には、フォーカス電圧Vf1より高くアノード電圧Ebより低い電圧が印加される。主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径は、垂直方向径より多くなるように形成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管装置に係り、特に、蛍光体スクリーン全面において細かいビームスポットを形成し、高解像度で良好な画質を安定して供給するようになされたカラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー陰極線管装置については、ハイビジョン放送の一般化やインターネットテレビの普及に伴い、より高精細な画像を正確に再現する必要から、画素を細かくする必要がある。このような高精細な画像を表示するためには、蛍光体スクリーン全面でビームスポットを小さく、且つ歪の少ない形状に形成することが要求される。
【0003】
そこで、蛍光体スクリーン上のビームスポットを小さく形成する方法として、電子ビームの仮想物点径を小さく形成する方法が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、プリフォーカスレンズ部を構成する電極のうち、第3グリッドは、アノード電圧を分圧するための抵抗器に接続されている。これにより、第3グリッドには高電圧が供給される。また、プリフォーカスレンズ部を構成する第2グリッドには低電圧を供給することにより、第2グリッドと第3グリッドとの間に大きな電位差を形成することができる。つまり、強いプリフォーカス作用を有するプリフォーカスレンズ部を形成することができる。
【0004】
これにより、第2グリッドG2の電子ビーム通過孔への電位浸透が大きくなり、電子ビームの仮想物点径を小さくする作用を得ることができる。このため、蛍光体スクリーン上に形成されるビームスポット径を小さくすることが可能となる。また、プリフォーカスレンズ作用が強くなることにより、電子ビームの発散角を縮小することもできる。このため、主レンズ部を通過する際の収差の影響を軽減することが可能となる。
【0005】
ところで、3つの電子ビームを水平方向に一列に並べて発生させるインライン型電子銃構体を採用したカラー陰極線管装置では、偏向ヨークは、非斉一な偏向磁界を発生するように構成されている。これにより、蛍光体スクリーン上に到達した電子ビームによって形成されるビームスポットは、特に画面周辺部において、滲みを発生する。
【0006】
この滲みを軽減する方法としては、プリフォーカスレンズ部に水平方向より垂直方向のフォーカス力が強い非点収差作用を付与する方法が一般的に行われている。具体的には、第2グリッドの第3グリッド側における電子ビーム通過孔周辺に横長のスリットを形成する方法や、第3グリッドの第2グリッド側における電子ビーム通過孔周辺に縦長のスリットを形成する方法などが挙げられる。
【0007】
しかしながら、上述したような第3グリッドに高電圧を供給してプリフォーカスレンズのレンズ作用を強化するとともに第2グリッドの電子ビーム通過孔への電位浸透を増加させてビームスポット形状を小さく形成する方法を採用し、しかも、第2グリッドあるいは第3グリッドにおける電子ビーム通過孔の周辺にスリットを形成してプリフォーカスレンズ部に非点収差作用を与える方法も採用した場合、プリフォーカスレンズ部のレンズ作用の強化に伴って非点収差作用も強化される。
【0008】
つまり、プリフォーカスレンズ部を通過する電子ビームは、垂直方向に過剰にフォーカスされるとともに水平方向に過剰に発散されることになる。このようなプリフォーカスレンズ部における非点収差作用が必要以上の効果を発生した場合、蛍光体スクリーン上のビームスポットに歪を生じ、画質の劣化を招く。
【0009】
この対策として、第2グリッドあるいは第3グリッドに形成されるスリットの深さを浅くすることで非点収差作用を少なく設計することができる。しかしながら、第2グリッドや第3グリッドのスリットを浅く形成し、且つ強いプリフォーカスレンズ部を形成することは、スリット成形精度及び電子銃組み立ての製造ばらつきに対するビームスポット形状の変化が敏感になり、画質劣化が起こりやすいと言う問題が発生する。その結果、安定して良好な画質を得ることは困難となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−331624号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、カラー陰極線管装置において、高精細かつ高解像度の品位良好な画像を表示するためには、蛍光体スクリーン全面で小さく、且つ楕円歪みの少ないビームスポットを形成する必要がある。また、この性能を少ないばらつきで安定して製造し提供することが必要である。
【0012】
プリフォーカスレンズ部を構成する高電圧側の電極(第3グリッド)に、主レンズ部を構成する低電圧側電極電圧より高くしかも主レンズ部を構成する高電圧側電極電圧より低い電圧を印加することでプリフォーカスレンズ作用を高め、且つプリフォーカスレンズ部を構成する低電圧側の電極(第2グリッド)の電子ビーム通過孔への浸透電圧を増加させることで、蛍光体スクリーン上のビームスポットを小さくすることが可能となる。
【0013】
しかしながら、プリフォーカスレンズ部を構成する電極の単位寸法あたりのレンズ作用の変化も大きくなる。このため、プリフォーカスレンズ部を構成する電極に非点収差作用を与えるスリット構造など付加すれば、プリフォーカスレンズ作用の強度にばらつきを生じ、安定して良好な形状のビームスポットを形成することができなくなる。すなわち、上述した方法では、十分小さく安定した特性のビームスポットを提供することはできない。
【0014】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示可能な陰極線管装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明の第2の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、前記第1フォーカス電極と前記第2フォーカス電極との間に配置される中間電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
前記中間電極は前記スクリーン電極と電気的に接続され、しかも、これらの電極には前記第2レベルよりさらに低い第4レベルの電圧が印加され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管装置について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、陰極線管装置、すなわちセルフコンバージェンス方式のインライン型カラー陰極線管装置は、ガラス製の真空外囲器9を備えている。この真空外囲器9は、パネル1、及びパネル1と一体的に接合されたファンネル2を有している。パネル1は、その内面に、青、緑、赤にそれぞれ発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3を備えている。シャドウマスク4は、その面内に多数の電子ビーム通過孔を有し、蛍光体スクリーン3に対向して配置されている。
【0019】
インライン型電子銃構体7は、ファンネル2の径小部に相当する円筒状のネック5内部に配設されている。この電子銃構体7は、同一水平面上を通るセンタービーム6Gおよび一対のサイドビーム6B,6Rからなる一列配置の3電子ビーム6B,6G,6Rを放出する。
【0020】
偏向ヨーク8は、ファンネル2の径大部からネック5に亘る外面に沿って装着されている。この偏向ヨーク8は、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B,6G,6Rを水平方向(X)及び垂直方向(Y)に偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界及びバレル型の垂直偏向磁界によって形成される。
【0021】
このようなカラー陰極線管装置においては、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B、6G、6Rは、シャドウマスク4の電子ビーム通過孔付近でセルフコンバージェンスしつつ、偏向ヨーク8が発生する非斉一磁界により偏向される。これにより、3電子ビーム6R、6G、6Bは、シャドウマスク4を介して蛍光体スクリーン3を水平方向X及び垂直方向Yに走査する。このとき、各電子ビームを整形して特定の色の蛍光体層にランディングさせることにより、カラー画像が表示される。
【0022】
図2に示すように、電子銃構体7は、水平方向Xに一列に配置された3個のカソードK(R、G、B)、これらカソードK(R、G、B)を個別に加熱する3個のヒータ、及び6個の電極を有している。6個の電極、すなわち第1グリッド(グリッド電極)G1,第2グリッド(スクリーン電極)G2,第3グリッド(第1フォーカス電極)G3,第4グリッド(第2フォーカス電極)G4,及び、第5グリッド(アノード電極)G5は、カソードK(R、G、B)から蛍光体スクリーンに向かって管軸方向Zに沿って順次隣接して配置されている。第4グリッドG4は、管軸方向Zに沿って順に配置された少なくとも2つのセグメント、すなわち第1セグメントG4−1及び第2セグメントG4−2を備えている。これらカソードK(R、G、B)、及び6個の電極は、一対の絶縁支持体によって一体に固定されている。
【0023】
第1グリッドG1は、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図3の(a)に示すように、この第1グリッドG1は、水平方向径が垂直方向径より大きい横長の電子ビーム通過孔11Aを有している。この実施の形態に係る第1グリッドG1の電子ビーム通過孔11Aは、水平方向Xに長辺を有するとともに垂直方向Yに短辺を有する横長の長方形状に形成されている。
【0024】
また、この第1グリッドG1は、第2グリッドG2との対向面の電子ビーム通過孔11A周辺に水平方向に長いスリット11Bを有している。この実施の形態に係る第1グリッドG1のスリット11Bは、電子ビーム通過孔11Aの水平方向径より長い水平方向Xに延びた長辺を有するとともに電子ビーム通過孔11Aの垂直方向径より長い垂直方向Yに延びた短辺を有する横長の長方形状に形成されている。
【0025】
このような第1グリッドG1は、図3の(b)に示すように、例えば1mm未満の板厚を有する板状電極によって構成され、この実施の形態では、その板厚Tは、0.15〜0.20mmである。また、電子ビーム通過孔11Aは、水平方向径が約0.6mmであって垂直方向径が約0.4mmである。また、スリット11Bが形成された電子ビーム通過孔11Aの周辺の板厚tは、全板厚Tの約30〜60%程度であり、この実施の形態では、0.06〜0.09mmである。
【0026】
第2グリッドG2は、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図4に示すように、この第2グリッドG2は、円形の電子ビーム通過孔12を有している。
【0027】
第3グリッドG3は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第2グリッドG2との対向面及び第4グリッドG4との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図5に示すように、この第3グリッドG3は、第2グリッドG2との対向面に、電子ビーム通過孔12より若干大きな円形の電子ビーム通過孔13を有している。また、この第3グリッドG3は、第4グリッドG4との対向面に、電子ビーム通過孔13よりさらに大きな電子ビーム通過孔を有している。
【0028】
第4グリッドG4の第1セグメントG4−1は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第3グリッドG3との対向面及び第2セグメントG4−2との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、第3グリッドG3との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、円形であり、第2セグメントG4−2との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、垂直方向Yに長軸を有する縦長の形状を有している。
【0029】
第4グリッドG4の第2セグメントG4−2は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第1セグメントG4−1との対向面及び第5グリッドG5との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、第1セグメントG4−1との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、水平方向Xに長軸を有する横長の形状を有しており、第5グリッドG5との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、円形である。
【0030】
第5グリッドG5は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第2セグメントG4−2との対向面及び蛍光体スクリーン側に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、筒状電極の両端面に形成された電子ビーム通過孔は、円形である。
【0031】
上述した構成の電子銃構体7において、カソードKには、約190Vの直流電圧に映像信号が重畳された電圧が印加される。第1グリッドG1は、接地されている。第2グリッドG2には、約800Vの直流電圧が印加される。第4グリッドG4の第1セグメントG4−1には、約8.0kVの固定の直流電圧すなわちフォーカス電圧Vf1が印加される。
【0032】
第4グリッドG4の第2セグメントG4−2には、フォーカス電圧Vf1とほぼ同等の約8.0kVの固定の直流電圧Vf2に、パラボラ状に変化する交流電圧成分Vdが重畳されたダイナミックフォーカス電圧が印加される。このダイナミックフォーカス電圧は、図6に示すように、鋸歯状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の変化に伴ってパラボラ状に変化する。このダイナミックフォーカス電圧は、最も低いときで8.0kVで、最も高いときで例えば約9.0kVとなる。第5グリッドG5には、約30kVのアノード電圧Ebが印加される。
【0033】
第3グリッドG3には、フォーカス電圧Vf1より高く、しかもアノード電圧Ebより低いレベルの電圧、例えば約12.0kVの電圧が印加される。この第3グリッドG3は、陰極線管装置のネック5内における電子銃構体7の近傍に配置された抵抗器Rに接続されている。すなわち、この抵抗器Rの一端は、第5グリッドG5に電気的に接続されているとともに、抵抗器Rの他端は、接地されている。第3グリッドG3には、抵抗器Rによりアノード電圧Ebを分圧した電圧が印加される。この実施の形態では、第3グリッドG3は、抵抗器Rの電圧供給端子Raに接続され、抵抗器Rを介して所定レベルの電圧が印加される。
【0034】
上述した構成の電子銃構体7では、各グリッドに上述したような電圧を印加することにより、電子ビーム発生部、プリフォーカスレンズ部、サブレンズ部、及び、主レンズ部がそれぞれ形成される。
【0035】
すなわち、電子ビーム発生部は、カソードK、第1グリッドG1、及び第2グリッドG2によって形成される。この電子ビーム発生部は、電子ビームを発生し、かつ主レンズ部に対する物点を形成する。プリフォーカスレンズ部は、少なくとも2つの電極すなわち第2グリッドG2及び第3グリッドG3によって形成される。このプリフォーカスレンズ部は、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともに水平方向X及び垂直方向Yにそれぞれ同等のフォーカス力でプリフォーカスする。すなわち、プリフォーカスレンズ部は、非点収差作用を有していない。
【0036】
サブレンズ部は、少なくとも2つの電極すなわち第3グリッドG3及び第4グリッドG4の第1セグメントG4−1によって形成される。このサブレンズ部は、プリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするとともに発散角を小さくする。主レンズ部は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって形成される。この主レンズ部は、プリフォーカスされた電子ビームを蛍光体スクリーン3に向けて加速するとともに最終的に対応する蛍光体層上にフォーカスする。
【0037】
また、電子ビームを蛍光体スクリーン周辺部に向けて偏向する偏向時には、第4グリッドG4の第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間に、水平方向Xと垂直方向Yとでフォーカス力が異なる非軸対称レンズ部が形成される。すなわち、偏向時には、第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間の電位差が電子ビームの偏向量の増大に伴って拡大する。この電位差は、電子ビームの偏向角が最大のときに最大となる。この電位差により、第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間には、水平方向Xにフォーカス作用を有するとともに、垂直方向Yに発散作用を有する4極子レンズ部が形成される。また同時に、第2セグメントG4−2と第5グリッドG5との間の電位差が小さくなり、主レンズ部のレンズ強度が弱くなる。すなわち、電子ビームが蛍光体スクリーン周辺部に向けて偏向されたことに伴う電子銃構体から蛍光体スクリーンまでの距離が離れ像点が遠くなることに対応して、主レンズ部の強度を弱くすることで電子ビームのデフォーカスを補償する。
【0038】
このような構成の電子銃構体7において、カソードK(R、G、B)からそれぞれ出射された電子ビーム6(R、G、B)は、第1グリッドG1乃至第2グリッドG2を通過する際、一旦クロスオーバを結ぶとともに主レンズ部に対する仮想物点を形成する。この場合、第3グリッドG3の電位は、第2グリッドG2の電位と比較して著しく高く設定されているため、第3グリッドG3側からの第2グリッドG2の電子ビーム通過孔12への電位浸透が増加し、形成される仮想物点は十分小さくなる。
【0039】
続いて、電子ビーム6(R、G、B)は、第2グリッドG2と第3グリッドG3とによって形成されるプリフォーカスレンズ部に入射し、プリフォーカス作用を受ける。このとき、第3グリッドG3の電位が相対的に高いことにより、電子ビーム6(R、G、B)は、水平方向X及び垂直方向Yに同等の強いフォーカス作用を受け、小さい電子ビーム束を形成する。
【0040】
続いて、電子ビーム6(R、G、B)は、第3グリッドG3及び第4グリッドG4の第1セグメントG4−1によって形成されるサブレンズ部に入射し、さらなるプリフォーカス作用を受ける。このとき同時に、電子ビーム6(R、G、B)は、その発散角が小さく抑えられ、さらに小さい電子ビーム束を形成する。
【0041】
続いて、蛍光体スクリーンの周辺部に向かう電子ビーム6(R、G、B)は、第4グリッドG4の第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2とによって形成される4極子レンズ部を通過する際に、偏向収差を補償する作用を受ける。すなわち、電子ビーム6(R、G、B)は、水平方向Xにフォーカス作用を受けるとともに、垂直方向Yに発散作用を受ける。これにより、蛍光体スクリーンの周辺部に到達した電子ビームのビームスポットの横長歪みが緩和される。また、蛍光体スクリーンの中央部に向かう電子ビーム6(R、G、B)は、この4極子レンズ部の作用を受けることなく主レンズ部に入射する。
【0042】
最後に、電子ビーム6(R、G、B)は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって形成される主レンズ部に入射する。これにより、電子ビーム6(R、G、B)は、最終的に蛍光体スクリーンに向けて加速されるとともに、対応する蛍光体層上に最終的にフォーカスされる。また、プリフォーカスレンズ部とサブレンズ部との相乗効果により主レンズ部に入射する前の電子ビーム束が小さく形成されているため、主レンズ部のレンズ収差の影響が少なく、ビームスポットを小さく形成することができる。したがって、蛍光体スクリーン上に、十分小さな径を有するとともに歪みの少ないビームスポットを形成することができる。
【0043】
この実施の形態では、電子銃構体7は、主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えている。すなわち、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界は、非対称電子レンズ部を構成する。ここでは、第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔11Aが横長であって、しかも、その周辺に形成されたスリット11Bも横長である。
【0044】
なおここで、第1グリッドG1には、横長の電子ビーム通過孔11A及び横長のスリット11Bをともに形成している。しかしながら、第1グリッドG1に対していずれか一方のみでも形成していれば、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に電子ビーム断面を横長にする非対称電子レンズ部を形成することができるが、両者を組み合わせることで非対処電子レンズ部をより効果的に作用させることができる。
【0045】
これにより、電子ビーム発生部から発生される電子ビーム6(R、G、B)は、各カソードK(R、G、B)を出射した後に第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界により垂直方向Yについて水平方向Xより強いフォーカス作用を受ける。このため、電子ビーム6(R、G、B)は、管軸Zに垂直な断面において横長の形状を有するように整形された後、プリフォーカスレンズ部に入射することになる。したがって、偏向磁界によって受ける偏向収差の影響を補償することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を効果的に抑制することができる。
【0046】
このように、電位差の大きなプリフォーカスレンズ部において非点収差作用を付与するのではなく、相対的に低電位差の電子ビーム発生部における第1グリッドと第2グリッドとの間において非点収差作用を付与するように構成している。このため、第1グリッド及び第2グリッドの加工精度の変動に対して非点収差作用のばらつきを抑えることができ、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0047】
次に、他の実施の形態について説明する。
【0048】
例えば、図7に示した電子銃構体7は、図2に示した電子銃構体の構成に加えて、第1フォーカス電極を構成する第3グリッドG3と第2フォーカス電極を構成する第4グリッドG4の第1セグメントG4−1との間に、中間電極GMを備えている。
【0049】
この中間電極GMは、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。これらの電子ビーム通過孔は、たとえば円形に形成されている。
【0050】
この中間電極GMは、第2グリッドG2と電気的に接続されている。すなわち、この中間電極GMには、第2グリッドG2とともにフォーカス電圧Vf1より低い電圧、例えば約800Vの直流電圧が印加される。そして、この中間電極GMは、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1とともにサブレンズ部を構成する。
【0051】
このように構成された電子銃構体によれば、上述した電子銃構体による効果に加えて、サブレンズ部のレンズ強度をさらに強く形成することができ、主レンズ部に入射する前の電子ビームをさらに効果的にプリフォーカスすることが可能となる。
【0052】
また、図2に示した電子銃構体7において、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間の電界以外で非対称電子レンズ部を構成しても良い。すなわち、第1グリッドG1は、図8に示すように、横長の電子ビーム通過孔も横長のスリットも有しておらず、円形の電子ビーム通過孔を有している。
【0053】
このような電子銃構体7において、サブレンズ部が垂直方向Yのフォーカス力が水平方向Xのフォーカス力より強い非点収差を有して非対称電子レンズ部を構成してもよい。すなわち、第3グリッドG3は、図9に示すように、その第1セグメントG4−1との対向面に垂直方向径が水平方向径より大きい縦長の電子ビーム通過孔を有している。また、第1セグメントG4−1は、図10に示すように、第3グリッドG3との対向面に水平方向径が垂直方向径より大きい横長の電子ビーム通過孔を有している。
【0054】
このような構成により、電子ビーム発生部から発生された電子ビームは、管軸Zに直交する断面においてほぼ円形を維持した状態でプリフォーカスレンズ部を通過した後、サブレンズ部に入射する。そして、電子ビームは、サブレンズ部で形成される非点収差作用によって水平方向Xより垂直方向Yに強いフォーカス作用を受ける。これにより、主レンズ部に入射する前の電子ビームは、管軸Zに直交する断面において横長となる。このため、先に説明した実施の形態と同様に、蛍光体スクリーン上に、十分小さいサイズの歪の少ないビームスポットを形成することができ、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示することが可能となる。
【0055】
このように、電位差の大きなプリフォーカスレンズ部において非点収差作用を付与するのではなく、相対的に低電位差のサブレンズ部における第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間において非点収差作用を付与するように構成している。このため、第3グリッド及び第1セグメントの加工精度の変動に対して非点収差作用のばらつきを抑えることができ、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0056】
同様に、図7に示した電子銃構体7において、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間の電界以外で非対称電子レンズ部を構成しても良い。すなわち、サブレンズ部が垂直方向Yのフォーカス力が水平方向Xのフォーカス力より強い非点収差を有して非対称電子レンズ部を構成してもよい。このような非点収差を有するサブレンズ部は、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に配置される中間電極GMに図11に示すような横長の電子ビーム通過孔を形成することによって構成される。なお、このような横長の電子ビーム通過孔を有する中間電極GMと、中間電極GMとの対向面に縦長の電子ビーム通過孔を有する第3グリッドG3及び第1セグメントG4−1とを組み合わせても良い。この場合、先に説明した電子銃構体による効果に加えて、サブレンズ部のレンズ強度をさらに強く形成することができ、主レンズ部に入射する前の電子ビームに対してさらに効果的に非点収差作用を付与することが可能となる。
【0057】
このような構成により、先に説明した実施の形態と同様に、蛍光体スクリーン上に、十分小さいサイズの歪の少ないビームスポットを形成することができ、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示することが可能となる。また、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0058】
また、上述した各実施の形態における電子銃構体7において、主レンズ部は、電界拡張型電子レンズによって構成してもよい。すなわち、図12に示すように、第4グリッドG4の第2セグメントG4−2は、2個の筒状電極と1個の電界補正板とによって構成されている。すなわち、第2セグメントG4−2は、2個の筒状電極G42−1及びG42−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G42−2を挟み込むことによって構成されている。
【0059】
第1筒状電極G42−1は、第1セグメントG4−1に対向して配置されている。この第1筒状電極G42−1は、第1セグメントG4−1との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。電界補正板G42−2は、第1筒状電極G42−1の第5グリッドG5側に配置された板状電極であり、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。第2筒状電極G42−3は、電界補正板G42−2の第5グリッドG5側に配置されている。この第2筒状電極G42−3は、第5グリッドG5との対向面に、3電子ビームを共通に通過する開口を有している。
【0060】
第5グリッドG5は、2個の筒状電極と1個の電界補正板とによって構成されている。すなわち、第5グリッドG5は、2個の筒状電極G5−1及びG5−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G5−2を挟み込むことによって構成されている。
【0061】
第1筒状電極G5−1は、第2セグメントG4−2に対向して配置されている。この第1筒状電極G5−1は、第2セグメントG4−2との対向面に、3電子ビームを共通に通過する開口を有している。電界補正板G5−2は、第1筒状電極G5−1の蛍光体スクリーン側に配置された板状電極であり、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。第2筒状電極G5−3は、電界補正板G5−2の蛍光体スクリーン側に配置されている。この第2筒状電極G5−3は、その蛍光体スクリーン側の端面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0062】
第2セグメントG4−2の第2筒状電極G42−3及び第5グリッドG5の第1筒状電極G5−1は、図13に示すような筒状体によって形成されている。なお、電界拡張型主レンズを構成する場合、主レンズ部を構成する電極の少なくとも一部に筒状体を備えていれば良く、図12に示した電子銃構体の場合では、第2セグメントG4−2の第5グリッドG5との対向面及び第5グリッドG5の第2セグメントG4−2との対向面の少なくとも一方に電子ビーム進行方向に延びた筒状体を備えてればよい。
【0063】
また、図12に示した例では、第4グリッドG4と第5グリッドG5とによって電界拡張型主レンズ部を構成したが、これら第4グリッドG4と第5グリッドG5との間に少なくとも1個の中間電極を配置しても良い。例えば、図14に示すように、第4グリッドG4の第2セグメントG4−2と第5グリッドG5との間に主レンズ用中間電極GM’を配置しても良い。この場合、中間電極GM’は、抵抗器Rに接続され、アノード電圧Ebを分圧した電圧が印加される。このため、中間電極GM’に印加される電圧は、第2セグメントG4−2の印加電圧より大きく、第5グリッドG5の印加電圧より小さい。また、第2セグメントG4−2、中間電極GM’、および第5グリッドG5の各対向面の少なくとも1箇所に、図13に示したような筒状体からなる筒状電極を設けても良い。
【0064】
このように、主レンズ部は、大口径の重畳拡張型電子レンズであるため、十分に倍率を小さく抑えることが可能となる。これにより、蛍光体スクリーン上において、より小さいビームスポットを形成することが可能となる。
【0065】
以上説明したように、これらの実施の形態に係るカラー陰極線管装置によれば、プリフォーカスレンズ部を構成する第2グリッドG2には低位の電位を供給するとともに、第3グリッドG3には第4グリッドG4の電位より高くで且つ第5グリッドG5の電位より低い電位を供給する。この第3グリッドG3の電位は、第5グリッドG5から抵抗器Rを介して供給される。
【0066】
このようにして、第2グリッドG2と第3グリッドG3との間の大きな電位差によって強いプリフォーカス作用を有するプリフォーカスレンズ部が形成される。これにより、第3グリッドG3側から第2グリッドG2の電子ビーム通過孔への電位浸透が増加し、仮想物点径が縮小される。また、強いプリフォーカスレンズ部の作用により、電子ビームの発散角の拡大を抑え、主レンズ部に入射する前の電子ビーム束を小さくすることができる。このため、主レンズ部における球面収差の影響を軽減することができる。これらの作用により、蛍光体スクリーン上においてより小さなサイズのビームスポットを形成することができる。
【0067】
また、第2グリッドG2及び第3グリッドG3は、ほぼ円形の電子ビーム通過孔を有しており、これらのグリッドの間で管軸Zを中心とした回転対称のプリフォーカスレンズ部が形成される。当然のことながら、このプリフォーカスレンズ部は、非点収差作用を有していない。これにより、強いレンズ作用のプリフォーカスレンズ部を形成しても、プリフォーカスレンズ部を構成する電極の加工精度のばらつきや、電子銃組み立て時の軸ずれが発生した場合の影響を最小限に抑えることができ、これらの影響によるビームスポット形状の劣化を抑制することが可能となる。
【0068】
また、この実施の形態によれば、電子銃構体は、主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えている。まず、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界が非対称電子レンズ部を構成する場合について、例えば第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔は、カソード配列方向に長い横長形状とする。あるいは、第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔の周辺にカソード配列方向に長い横長形状のスリットを形成する。これらの影響により、主レンズに入射する前の電子ビームは、垂直方向に水平方向より強いフォーカス作用を受ける。したがって、偏向磁界により受ける偏向収差の影響を軽減することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を防止することができる。これら第1グリッドG1の横長孔と横長スリットをともに形成すれば、作用はより高めることができる。
【0069】
また、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に形成されるサブレンズが非対称電子レンズ部を構成する場合について、高電位側の電極G3に形成された電子ビーム通過孔は、垂直方向に長い縦長形状とする。あるいは、低電位側の電極G4−1に形成された電子ビーム通過孔は、カソード配列方向に長い横長形状とする。これらの影響によっても同様に、主レンズに入射する前の電子ビームは、垂直方向に水平方向より強いフォーカス作用を受ける。したがって、偏向磁界により受ける偏向収差の影響を軽減することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を防止することができる。これら第3グリッドG3の縦長孔と第1セグメントG4−1の横長孔とを組み合わせることで、作用はより高めることができる。
【0070】
さらに、サブレンズ部は、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に中間電極GMを配置してレンズ強度をさらに強く形成しても良い。これにより、主レンズ部に入射する前の電子ビームをさらに効果的にプリフォーカスすることが可能となる。
【0071】
したがって、蛍光体スクリーン上において、歪の少ない小さな形状のビームスポットを形成することができ、高精細且つ高解像度の画像を表示することが可能となる。また、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0072】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示可能な陰極線管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に係るカラー陰極線管装置の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な一実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図3】図3の(a)は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第1グリッドの構造を概略的に示す斜視図であり、図3の(b)は、第1グリッドの電子ビーム通過孔周辺の構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第2グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第3グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図6】図6は、図2に示した電子銃構体におけるフォーカス電極に印加される電圧と偏向電流との関係を示す図である。
【図7】図7は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図8】図8は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第1グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図9】図9は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第3グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図10】図10は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第1セグメントの構造を概略的に示す斜視図である。
【図11】図11は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な中間電極の構造を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図13】図13は、図12に示した電子銃構体に適用される筒状体の構造を概略的に示す斜視図である。
【図14】図14は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…パネル、2…ファンネル、3…蛍光体スクリーン、4…シャドウマスク、5…ネック、6(R、G、B)…電子ビーム、7…電子銃構体、8…偏向ヨーク、K(R、G、B)…カソード、G1…第1グリッド(グリッド電極)、G2…第2グリッド(スクリーン電極)、G3…第3グリッド(第1フォーカス電極)、G4…第4グリッド(第2フォーカス電極)、G4−1…第1セグメント、G4−2…第2セグメント、G5…第5グリッド(アノード電極)、GM‥‥中間電極
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管装置に係り、特に、蛍光体スクリーン全面において細かいビームスポットを形成し、高解像度で良好な画質を安定して供給するようになされたカラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー陰極線管装置については、ハイビジョン放送の一般化やインターネットテレビの普及に伴い、より高精細な画像を正確に再現する必要から、画素を細かくする必要がある。このような高精細な画像を表示するためには、蛍光体スクリーン全面でビームスポットを小さく、且つ歪の少ない形状に形成することが要求される。
【0003】
そこで、蛍光体スクリーン上のビームスポットを小さく形成する方法として、電子ビームの仮想物点径を小さく形成する方法が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、プリフォーカスレンズ部を構成する電極のうち、第3グリッドは、アノード電圧を分圧するための抵抗器に接続されている。これにより、第3グリッドには高電圧が供給される。また、プリフォーカスレンズ部を構成する第2グリッドには低電圧を供給することにより、第2グリッドと第3グリッドとの間に大きな電位差を形成することができる。つまり、強いプリフォーカス作用を有するプリフォーカスレンズ部を形成することができる。
【0004】
これにより、第2グリッドG2の電子ビーム通過孔への電位浸透が大きくなり、電子ビームの仮想物点径を小さくする作用を得ることができる。このため、蛍光体スクリーン上に形成されるビームスポット径を小さくすることが可能となる。また、プリフォーカスレンズ作用が強くなることにより、電子ビームの発散角を縮小することもできる。このため、主レンズ部を通過する際の収差の影響を軽減することが可能となる。
【0005】
ところで、3つの電子ビームを水平方向に一列に並べて発生させるインライン型電子銃構体を採用したカラー陰極線管装置では、偏向ヨークは、非斉一な偏向磁界を発生するように構成されている。これにより、蛍光体スクリーン上に到達した電子ビームによって形成されるビームスポットは、特に画面周辺部において、滲みを発生する。
【0006】
この滲みを軽減する方法としては、プリフォーカスレンズ部に水平方向より垂直方向のフォーカス力が強い非点収差作用を付与する方法が一般的に行われている。具体的には、第2グリッドの第3グリッド側における電子ビーム通過孔周辺に横長のスリットを形成する方法や、第3グリッドの第2グリッド側における電子ビーム通過孔周辺に縦長のスリットを形成する方法などが挙げられる。
【0007】
しかしながら、上述したような第3グリッドに高電圧を供給してプリフォーカスレンズのレンズ作用を強化するとともに第2グリッドの電子ビーム通過孔への電位浸透を増加させてビームスポット形状を小さく形成する方法を採用し、しかも、第2グリッドあるいは第3グリッドにおける電子ビーム通過孔の周辺にスリットを形成してプリフォーカスレンズ部に非点収差作用を与える方法も採用した場合、プリフォーカスレンズ部のレンズ作用の強化に伴って非点収差作用も強化される。
【0008】
つまり、プリフォーカスレンズ部を通過する電子ビームは、垂直方向に過剰にフォーカスされるとともに水平方向に過剰に発散されることになる。このようなプリフォーカスレンズ部における非点収差作用が必要以上の効果を発生した場合、蛍光体スクリーン上のビームスポットに歪を生じ、画質の劣化を招く。
【0009】
この対策として、第2グリッドあるいは第3グリッドに形成されるスリットの深さを浅くすることで非点収差作用を少なく設計することができる。しかしながら、第2グリッドや第3グリッドのスリットを浅く形成し、且つ強いプリフォーカスレンズ部を形成することは、スリット成形精度及び電子銃組み立ての製造ばらつきに対するビームスポット形状の変化が敏感になり、画質劣化が起こりやすいと言う問題が発生する。その結果、安定して良好な画質を得ることは困難となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−331624号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、カラー陰極線管装置において、高精細かつ高解像度の品位良好な画像を表示するためには、蛍光体スクリーン全面で小さく、且つ楕円歪みの少ないビームスポットを形成する必要がある。また、この性能を少ないばらつきで安定して製造し提供することが必要である。
【0012】
プリフォーカスレンズ部を構成する高電圧側の電極(第3グリッド)に、主レンズ部を構成する低電圧側電極電圧より高くしかも主レンズ部を構成する高電圧側電極電圧より低い電圧を印加することでプリフォーカスレンズ作用を高め、且つプリフォーカスレンズ部を構成する低電圧側の電極(第2グリッド)の電子ビーム通過孔への浸透電圧を増加させることで、蛍光体スクリーン上のビームスポットを小さくすることが可能となる。
【0013】
しかしながら、プリフォーカスレンズ部を構成する電極の単位寸法あたりのレンズ作用の変化も大きくなる。このため、プリフォーカスレンズ部を構成する電極に非点収差作用を与えるスリット構造など付加すれば、プリフォーカスレンズ作用の強度にばらつきを生じ、安定して良好な形状のビームスポットを形成することができなくなる。すなわち、上述した方法では、十分小さく安定した特性のビームスポットを提供することはできない。
【0014】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示可能な陰極線管装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明の第2の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、前記第1フォーカス電極と前記第2フォーカス電極との間に配置される中間電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
前記中間電極は前記スクリーン電極と電気的に接続され、しかも、これらの電極には前記第2レベルよりさらに低い第4レベルの電圧が印加され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管装置について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、陰極線管装置、すなわちセルフコンバージェンス方式のインライン型カラー陰極線管装置は、ガラス製の真空外囲器9を備えている。この真空外囲器9は、パネル1、及びパネル1と一体的に接合されたファンネル2を有している。パネル1は、その内面に、青、緑、赤にそれぞれ発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3を備えている。シャドウマスク4は、その面内に多数の電子ビーム通過孔を有し、蛍光体スクリーン3に対向して配置されている。
【0019】
インライン型電子銃構体7は、ファンネル2の径小部に相当する円筒状のネック5内部に配設されている。この電子銃構体7は、同一水平面上を通るセンタービーム6Gおよび一対のサイドビーム6B,6Rからなる一列配置の3電子ビーム6B,6G,6Rを放出する。
【0020】
偏向ヨーク8は、ファンネル2の径大部からネック5に亘る外面に沿って装着されている。この偏向ヨーク8は、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B,6G,6Rを水平方向(X)及び垂直方向(Y)に偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界及びバレル型の垂直偏向磁界によって形成される。
【0021】
このようなカラー陰極線管装置においては、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B、6G、6Rは、シャドウマスク4の電子ビーム通過孔付近でセルフコンバージェンスしつつ、偏向ヨーク8が発生する非斉一磁界により偏向される。これにより、3電子ビーム6R、6G、6Bは、シャドウマスク4を介して蛍光体スクリーン3を水平方向X及び垂直方向Yに走査する。このとき、各電子ビームを整形して特定の色の蛍光体層にランディングさせることにより、カラー画像が表示される。
【0022】
図2に示すように、電子銃構体7は、水平方向Xに一列に配置された3個のカソードK(R、G、B)、これらカソードK(R、G、B)を個別に加熱する3個のヒータ、及び6個の電極を有している。6個の電極、すなわち第1グリッド(グリッド電極)G1,第2グリッド(スクリーン電極)G2,第3グリッド(第1フォーカス電極)G3,第4グリッド(第2フォーカス電極)G4,及び、第5グリッド(アノード電極)G5は、カソードK(R、G、B)から蛍光体スクリーンに向かって管軸方向Zに沿って順次隣接して配置されている。第4グリッドG4は、管軸方向Zに沿って順に配置された少なくとも2つのセグメント、すなわち第1セグメントG4−1及び第2セグメントG4−2を備えている。これらカソードK(R、G、B)、及び6個の電極は、一対の絶縁支持体によって一体に固定されている。
【0023】
第1グリッドG1は、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図3の(a)に示すように、この第1グリッドG1は、水平方向径が垂直方向径より大きい横長の電子ビーム通過孔11Aを有している。この実施の形態に係る第1グリッドG1の電子ビーム通過孔11Aは、水平方向Xに長辺を有するとともに垂直方向Yに短辺を有する横長の長方形状に形成されている。
【0024】
また、この第1グリッドG1は、第2グリッドG2との対向面の電子ビーム通過孔11A周辺に水平方向に長いスリット11Bを有している。この実施の形態に係る第1グリッドG1のスリット11Bは、電子ビーム通過孔11Aの水平方向径より長い水平方向Xに延びた長辺を有するとともに電子ビーム通過孔11Aの垂直方向径より長い垂直方向Yに延びた短辺を有する横長の長方形状に形成されている。
【0025】
このような第1グリッドG1は、図3の(b)に示すように、例えば1mm未満の板厚を有する板状電極によって構成され、この実施の形態では、その板厚Tは、0.15〜0.20mmである。また、電子ビーム通過孔11Aは、水平方向径が約0.6mmであって垂直方向径が約0.4mmである。また、スリット11Bが形成された電子ビーム通過孔11Aの周辺の板厚tは、全板厚Tの約30〜60%程度であり、この実施の形態では、0.06〜0.09mmである。
【0026】
第2グリッドG2は、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図4に示すように、この第2グリッドG2は、円形の電子ビーム通過孔12を有している。
【0027】
第3グリッドG3は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第2グリッドG2との対向面及び第4グリッドG4との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。すなわち、図5に示すように、この第3グリッドG3は、第2グリッドG2との対向面に、電子ビーム通過孔12より若干大きな円形の電子ビーム通過孔13を有している。また、この第3グリッドG3は、第4グリッドG4との対向面に、電子ビーム通過孔13よりさらに大きな電子ビーム通過孔を有している。
【0028】
第4グリッドG4の第1セグメントG4−1は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第3グリッドG3との対向面及び第2セグメントG4−2との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、第3グリッドG3との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、円形であり、第2セグメントG4−2との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、垂直方向Yに長軸を有する縦長の形状を有している。
【0029】
第4グリッドG4の第2セグメントG4−2は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第1セグメントG4−1との対向面及び第5グリッドG5との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、第1セグメントG4−1との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、水平方向Xに長軸を有する横長の形状を有しており、第5グリッドG5との対向面に形成された電子ビーム通過孔は、円形である。
【0030】
第5グリッドG5は、一体構造の筒状電極によって構成されている。この筒状電極は、第2セグメントG4−2との対向面及び蛍光体スクリーン側に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。この実施の形態では、筒状電極の両端面に形成された電子ビーム通過孔は、円形である。
【0031】
上述した構成の電子銃構体7において、カソードKには、約190Vの直流電圧に映像信号が重畳された電圧が印加される。第1グリッドG1は、接地されている。第2グリッドG2には、約800Vの直流電圧が印加される。第4グリッドG4の第1セグメントG4−1には、約8.0kVの固定の直流電圧すなわちフォーカス電圧Vf1が印加される。
【0032】
第4グリッドG4の第2セグメントG4−2には、フォーカス電圧Vf1とほぼ同等の約8.0kVの固定の直流電圧Vf2に、パラボラ状に変化する交流電圧成分Vdが重畳されたダイナミックフォーカス電圧が印加される。このダイナミックフォーカス電圧は、図6に示すように、鋸歯状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の変化に伴ってパラボラ状に変化する。このダイナミックフォーカス電圧は、最も低いときで8.0kVで、最も高いときで例えば約9.0kVとなる。第5グリッドG5には、約30kVのアノード電圧Ebが印加される。
【0033】
第3グリッドG3には、フォーカス電圧Vf1より高く、しかもアノード電圧Ebより低いレベルの電圧、例えば約12.0kVの電圧が印加される。この第3グリッドG3は、陰極線管装置のネック5内における電子銃構体7の近傍に配置された抵抗器Rに接続されている。すなわち、この抵抗器Rの一端は、第5グリッドG5に電気的に接続されているとともに、抵抗器Rの他端は、接地されている。第3グリッドG3には、抵抗器Rによりアノード電圧Ebを分圧した電圧が印加される。この実施の形態では、第3グリッドG3は、抵抗器Rの電圧供給端子Raに接続され、抵抗器Rを介して所定レベルの電圧が印加される。
【0034】
上述した構成の電子銃構体7では、各グリッドに上述したような電圧を印加することにより、電子ビーム発生部、プリフォーカスレンズ部、サブレンズ部、及び、主レンズ部がそれぞれ形成される。
【0035】
すなわち、電子ビーム発生部は、カソードK、第1グリッドG1、及び第2グリッドG2によって形成される。この電子ビーム発生部は、電子ビームを発生し、かつ主レンズ部に対する物点を形成する。プリフォーカスレンズ部は、少なくとも2つの電極すなわち第2グリッドG2及び第3グリッドG3によって形成される。このプリフォーカスレンズ部は、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともに水平方向X及び垂直方向Yにそれぞれ同等のフォーカス力でプリフォーカスする。すなわち、プリフォーカスレンズ部は、非点収差作用を有していない。
【0036】
サブレンズ部は、少なくとも2つの電極すなわち第3グリッドG3及び第4グリッドG4の第1セグメントG4−1によって形成される。このサブレンズ部は、プリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするとともに発散角を小さくする。主レンズ部は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって形成される。この主レンズ部は、プリフォーカスされた電子ビームを蛍光体スクリーン3に向けて加速するとともに最終的に対応する蛍光体層上にフォーカスする。
【0037】
また、電子ビームを蛍光体スクリーン周辺部に向けて偏向する偏向時には、第4グリッドG4の第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間に、水平方向Xと垂直方向Yとでフォーカス力が異なる非軸対称レンズ部が形成される。すなわち、偏向時には、第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間の電位差が電子ビームの偏向量の増大に伴って拡大する。この電位差は、電子ビームの偏向角が最大のときに最大となる。この電位差により、第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2との間には、水平方向Xにフォーカス作用を有するとともに、垂直方向Yに発散作用を有する4極子レンズ部が形成される。また同時に、第2セグメントG4−2と第5グリッドG5との間の電位差が小さくなり、主レンズ部のレンズ強度が弱くなる。すなわち、電子ビームが蛍光体スクリーン周辺部に向けて偏向されたことに伴う電子銃構体から蛍光体スクリーンまでの距離が離れ像点が遠くなることに対応して、主レンズ部の強度を弱くすることで電子ビームのデフォーカスを補償する。
【0038】
このような構成の電子銃構体7において、カソードK(R、G、B)からそれぞれ出射された電子ビーム6(R、G、B)は、第1グリッドG1乃至第2グリッドG2を通過する際、一旦クロスオーバを結ぶとともに主レンズ部に対する仮想物点を形成する。この場合、第3グリッドG3の電位は、第2グリッドG2の電位と比較して著しく高く設定されているため、第3グリッドG3側からの第2グリッドG2の電子ビーム通過孔12への電位浸透が増加し、形成される仮想物点は十分小さくなる。
【0039】
続いて、電子ビーム6(R、G、B)は、第2グリッドG2と第3グリッドG3とによって形成されるプリフォーカスレンズ部に入射し、プリフォーカス作用を受ける。このとき、第3グリッドG3の電位が相対的に高いことにより、電子ビーム6(R、G、B)は、水平方向X及び垂直方向Yに同等の強いフォーカス作用を受け、小さい電子ビーム束を形成する。
【0040】
続いて、電子ビーム6(R、G、B)は、第3グリッドG3及び第4グリッドG4の第1セグメントG4−1によって形成されるサブレンズ部に入射し、さらなるプリフォーカス作用を受ける。このとき同時に、電子ビーム6(R、G、B)は、その発散角が小さく抑えられ、さらに小さい電子ビーム束を形成する。
【0041】
続いて、蛍光体スクリーンの周辺部に向かう電子ビーム6(R、G、B)は、第4グリッドG4の第1セグメントG4−1と第2セグメントG4−2とによって形成される4極子レンズ部を通過する際に、偏向収差を補償する作用を受ける。すなわち、電子ビーム6(R、G、B)は、水平方向Xにフォーカス作用を受けるとともに、垂直方向Yに発散作用を受ける。これにより、蛍光体スクリーンの周辺部に到達した電子ビームのビームスポットの横長歪みが緩和される。また、蛍光体スクリーンの中央部に向かう電子ビーム6(R、G、B)は、この4極子レンズ部の作用を受けることなく主レンズ部に入射する。
【0042】
最後に、電子ビーム6(R、G、B)は、第4グリッドG4及び第5グリッドG5によって形成される主レンズ部に入射する。これにより、電子ビーム6(R、G、B)は、最終的に蛍光体スクリーンに向けて加速されるとともに、対応する蛍光体層上に最終的にフォーカスされる。また、プリフォーカスレンズ部とサブレンズ部との相乗効果により主レンズ部に入射する前の電子ビーム束が小さく形成されているため、主レンズ部のレンズ収差の影響が少なく、ビームスポットを小さく形成することができる。したがって、蛍光体スクリーン上に、十分小さな径を有するとともに歪みの少ないビームスポットを形成することができる。
【0043】
この実施の形態では、電子銃構体7は、主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えている。すなわち、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界は、非対称電子レンズ部を構成する。ここでは、第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔11Aが横長であって、しかも、その周辺に形成されたスリット11Bも横長である。
【0044】
なおここで、第1グリッドG1には、横長の電子ビーム通過孔11A及び横長のスリット11Bをともに形成している。しかしながら、第1グリッドG1に対していずれか一方のみでも形成していれば、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に電子ビーム断面を横長にする非対称電子レンズ部を形成することができるが、両者を組み合わせることで非対処電子レンズ部をより効果的に作用させることができる。
【0045】
これにより、電子ビーム発生部から発生される電子ビーム6(R、G、B)は、各カソードK(R、G、B)を出射した後に第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界により垂直方向Yについて水平方向Xより強いフォーカス作用を受ける。このため、電子ビーム6(R、G、B)は、管軸Zに垂直な断面において横長の形状を有するように整形された後、プリフォーカスレンズ部に入射することになる。したがって、偏向磁界によって受ける偏向収差の影響を補償することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を効果的に抑制することができる。
【0046】
このように、電位差の大きなプリフォーカスレンズ部において非点収差作用を付与するのではなく、相対的に低電位差の電子ビーム発生部における第1グリッドと第2グリッドとの間において非点収差作用を付与するように構成している。このため、第1グリッド及び第2グリッドの加工精度の変動に対して非点収差作用のばらつきを抑えることができ、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0047】
次に、他の実施の形態について説明する。
【0048】
例えば、図7に示した電子銃構体7は、図2に示した電子銃構体の構成に加えて、第1フォーカス電極を構成する第3グリッドG3と第2フォーカス電極を構成する第4グリッドG4の第1セグメントG4−1との間に、中間電極GMを備えている。
【0049】
この中間電極GMは、板状電極によって構成されている。この板状電極は、その板面に、この板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。これらの電子ビーム通過孔は、たとえば円形に形成されている。
【0050】
この中間電極GMは、第2グリッドG2と電気的に接続されている。すなわち、この中間電極GMには、第2グリッドG2とともにフォーカス電圧Vf1より低い電圧、例えば約800Vの直流電圧が印加される。そして、この中間電極GMは、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1とともにサブレンズ部を構成する。
【0051】
このように構成された電子銃構体によれば、上述した電子銃構体による効果に加えて、サブレンズ部のレンズ強度をさらに強く形成することができ、主レンズ部に入射する前の電子ビームをさらに効果的にプリフォーカスすることが可能となる。
【0052】
また、図2に示した電子銃構体7において、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間の電界以外で非対称電子レンズ部を構成しても良い。すなわち、第1グリッドG1は、図8に示すように、横長の電子ビーム通過孔も横長のスリットも有しておらず、円形の電子ビーム通過孔を有している。
【0053】
このような電子銃構体7において、サブレンズ部が垂直方向Yのフォーカス力が水平方向Xのフォーカス力より強い非点収差を有して非対称電子レンズ部を構成してもよい。すなわち、第3グリッドG3は、図9に示すように、その第1セグメントG4−1との対向面に垂直方向径が水平方向径より大きい縦長の電子ビーム通過孔を有している。また、第1セグメントG4−1は、図10に示すように、第3グリッドG3との対向面に水平方向径が垂直方向径より大きい横長の電子ビーム通過孔を有している。
【0054】
このような構成により、電子ビーム発生部から発生された電子ビームは、管軸Zに直交する断面においてほぼ円形を維持した状態でプリフォーカスレンズ部を通過した後、サブレンズ部に入射する。そして、電子ビームは、サブレンズ部で形成される非点収差作用によって水平方向Xより垂直方向Yに強いフォーカス作用を受ける。これにより、主レンズ部に入射する前の電子ビームは、管軸Zに直交する断面において横長となる。このため、先に説明した実施の形態と同様に、蛍光体スクリーン上に、十分小さいサイズの歪の少ないビームスポットを形成することができ、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示することが可能となる。
【0055】
このように、電位差の大きなプリフォーカスレンズ部において非点収差作用を付与するのではなく、相対的に低電位差のサブレンズ部における第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間において非点収差作用を付与するように構成している。このため、第3グリッド及び第1セグメントの加工精度の変動に対して非点収差作用のばらつきを抑えることができ、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0056】
同様に、図7に示した電子銃構体7において、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間の電界以外で非対称電子レンズ部を構成しても良い。すなわち、サブレンズ部が垂直方向Yのフォーカス力が水平方向Xのフォーカス力より強い非点収差を有して非対称電子レンズ部を構成してもよい。このような非点収差を有するサブレンズ部は、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に配置される中間電極GMに図11に示すような横長の電子ビーム通過孔を形成することによって構成される。なお、このような横長の電子ビーム通過孔を有する中間電極GMと、中間電極GMとの対向面に縦長の電子ビーム通過孔を有する第3グリッドG3及び第1セグメントG4−1とを組み合わせても良い。この場合、先に説明した電子銃構体による効果に加えて、サブレンズ部のレンズ強度をさらに強く形成することができ、主レンズ部に入射する前の電子ビームに対してさらに効果的に非点収差作用を付与することが可能となる。
【0057】
このような構成により、先に説明した実施の形態と同様に、蛍光体スクリーン上に、十分小さいサイズの歪の少ないビームスポットを形成することができ、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示することが可能となる。また、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0058】
また、上述した各実施の形態における電子銃構体7において、主レンズ部は、電界拡張型電子レンズによって構成してもよい。すなわち、図12に示すように、第4グリッドG4の第2セグメントG4−2は、2個の筒状電極と1個の電界補正板とによって構成されている。すなわち、第2セグメントG4−2は、2個の筒状電極G42−1及びG42−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G42−2を挟み込むことによって構成されている。
【0059】
第1筒状電極G42−1は、第1セグメントG4−1に対向して配置されている。この第1筒状電極G42−1は、第1セグメントG4−1との対向面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。電界補正板G42−2は、第1筒状電極G42−1の第5グリッドG5側に配置された板状電極であり、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。第2筒状電極G42−3は、電界補正板G42−2の第5グリッドG5側に配置されている。この第2筒状電極G42−3は、第5グリッドG5との対向面に、3電子ビームを共通に通過する開口を有している。
【0060】
第5グリッドG5は、2個の筒状電極と1個の電界補正板とによって構成されている。すなわち、第5グリッドG5は、2個の筒状電極G5−1及びG5−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G5−2を挟み込むことによって構成されている。
【0061】
第1筒状電極G5−1は、第2セグメントG4−2に対向して配置されている。この第1筒状電極G5−1は、第2セグメントG4−2との対向面に、3電子ビームを共通に通過する開口を有している。電界補正板G5−2は、第1筒状電極G5−1の蛍光体スクリーン側に配置された板状電極であり、その板面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。第2筒状電極G5−3は、電界補正板G5−2の蛍光体スクリーン側に配置されている。この第2筒状電極G5−3は、その蛍光体スクリーン側の端面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0062】
第2セグメントG4−2の第2筒状電極G42−3及び第5グリッドG5の第1筒状電極G5−1は、図13に示すような筒状体によって形成されている。なお、電界拡張型主レンズを構成する場合、主レンズ部を構成する電極の少なくとも一部に筒状体を備えていれば良く、図12に示した電子銃構体の場合では、第2セグメントG4−2の第5グリッドG5との対向面及び第5グリッドG5の第2セグメントG4−2との対向面の少なくとも一方に電子ビーム進行方向に延びた筒状体を備えてればよい。
【0063】
また、図12に示した例では、第4グリッドG4と第5グリッドG5とによって電界拡張型主レンズ部を構成したが、これら第4グリッドG4と第5グリッドG5との間に少なくとも1個の中間電極を配置しても良い。例えば、図14に示すように、第4グリッドG4の第2セグメントG4−2と第5グリッドG5との間に主レンズ用中間電極GM’を配置しても良い。この場合、中間電極GM’は、抵抗器Rに接続され、アノード電圧Ebを分圧した電圧が印加される。このため、中間電極GM’に印加される電圧は、第2セグメントG4−2の印加電圧より大きく、第5グリッドG5の印加電圧より小さい。また、第2セグメントG4−2、中間電極GM’、および第5グリッドG5の各対向面の少なくとも1箇所に、図13に示したような筒状体からなる筒状電極を設けても良い。
【0064】
このように、主レンズ部は、大口径の重畳拡張型電子レンズであるため、十分に倍率を小さく抑えることが可能となる。これにより、蛍光体スクリーン上において、より小さいビームスポットを形成することが可能となる。
【0065】
以上説明したように、これらの実施の形態に係るカラー陰極線管装置によれば、プリフォーカスレンズ部を構成する第2グリッドG2には低位の電位を供給するとともに、第3グリッドG3には第4グリッドG4の電位より高くで且つ第5グリッドG5の電位より低い電位を供給する。この第3グリッドG3の電位は、第5グリッドG5から抵抗器Rを介して供給される。
【0066】
このようにして、第2グリッドG2と第3グリッドG3との間の大きな電位差によって強いプリフォーカス作用を有するプリフォーカスレンズ部が形成される。これにより、第3グリッドG3側から第2グリッドG2の電子ビーム通過孔への電位浸透が増加し、仮想物点径が縮小される。また、強いプリフォーカスレンズ部の作用により、電子ビームの発散角の拡大を抑え、主レンズ部に入射する前の電子ビーム束を小さくすることができる。このため、主レンズ部における球面収差の影響を軽減することができる。これらの作用により、蛍光体スクリーン上においてより小さなサイズのビームスポットを形成することができる。
【0067】
また、第2グリッドG2及び第3グリッドG3は、ほぼ円形の電子ビーム通過孔を有しており、これらのグリッドの間で管軸Zを中心とした回転対称のプリフォーカスレンズ部が形成される。当然のことながら、このプリフォーカスレンズ部は、非点収差作用を有していない。これにより、強いレンズ作用のプリフォーカスレンズ部を形成しても、プリフォーカスレンズ部を構成する電極の加工精度のばらつきや、電子銃組み立て時の軸ずれが発生した場合の影響を最小限に抑えることができ、これらの影響によるビームスポット形状の劣化を抑制することが可能となる。
【0068】
また、この実施の形態によれば、電子銃構体は、主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えている。まず、第1グリッドG1と第2グリッドG2との間に形成される電界が非対称電子レンズ部を構成する場合について、例えば第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔は、カソード配列方向に長い横長形状とする。あるいは、第1グリッドG1に形成された電子ビーム通過孔の周辺にカソード配列方向に長い横長形状のスリットを形成する。これらの影響により、主レンズに入射する前の電子ビームは、垂直方向に水平方向より強いフォーカス作用を受ける。したがって、偏向磁界により受ける偏向収差の影響を軽減することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を防止することができる。これら第1グリッドG1の横長孔と横長スリットをともに形成すれば、作用はより高めることができる。
【0069】
また、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に形成されるサブレンズが非対称電子レンズ部を構成する場合について、高電位側の電極G3に形成された電子ビーム通過孔は、垂直方向に長い縦長形状とする。あるいは、低電位側の電極G4−1に形成された電子ビーム通過孔は、カソード配列方向に長い横長形状とする。これらの影響によっても同様に、主レンズに入射する前の電子ビームは、垂直方向に水平方向より強いフォーカス作用を受ける。したがって、偏向磁界により受ける偏向収差の影響を軽減することができ、蛍光体スクリーン上でのビームスポット形状の劣化を防止することができる。これら第3グリッドG3の縦長孔と第1セグメントG4−1の横長孔とを組み合わせることで、作用はより高めることができる。
【0070】
さらに、サブレンズ部は、第3グリッドG3と第1セグメントG4−1との間に中間電極GMを配置してレンズ強度をさらに強く形成しても良い。これにより、主レンズ部に入射する前の電子ビームをさらに効果的にプリフォーカスすることが可能となる。
【0071】
したがって、蛍光体スクリーン上において、歪の少ない小さな形状のビームスポットを形成することができ、高精細且つ高解像度の画像を表示することが可能となる。また、大量生産した場合においても安定した性能を確保することができる。
【0072】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、高精細かつ高解像度の画像を安定して表示可能な陰極線管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に係るカラー陰極線管装置の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な一実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図3】図3の(a)は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第1グリッドの構造を概略的に示す斜視図であり、図3の(b)は、第1グリッドの電子ビーム通過孔周辺の構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第2グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図2に示した電子銃構体に適用可能な第3グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図6】図6は、図2に示した電子銃構体におけるフォーカス電極に印加される電圧と偏向電流との関係を示す図である。
【図7】図7は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図8】図8は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第1グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図9】図9は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第3グリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図10】図10は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な第1セグメントの構造を概略的に示す斜視図である。
【図11】図11は、図2及び図7に示した電子銃構体に適用可能な中間電極の構造を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図13】図13は、図12に示した電子銃構体に適用される筒状体の構造を概略的に示す斜視図である。
【図14】図14は、図1に示した陰極線管装置に適用可能な他の実施形態に係る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…パネル、2…ファンネル、3…蛍光体スクリーン、4…シャドウマスク、5…ネック、6(R、G、B)…電子ビーム、7…電子銃構体、8…偏向ヨーク、K(R、G、B)…カソード、G1…第1グリッド(グリッド電極)、G2…第2グリッド(スクリーン電極)、G3…第3グリッド(第1フォーカス電極)、G4…第4グリッド(第2フォーカス電極)、G4−1…第1セグメント、G4−2…第2セグメント、G5…第5グリッド(アノード電極)、GM‥‥中間電極
Claims (15)
- 電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする陰極線管装置。 - 電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを加速するとともにプリフォーカスするプリフォーカスレンズ部と、前記プリフォーカスレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームをさらにプリフォーカスするサブレンズ部と、前記サブレンズ部によりプリフォーカスされた電子ビームを蛍光体クリーン上に向けて加速するとともにフォーカスする主レンズ部と、を有する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備え、
前記プリフォーカスレンズ部は、少なくとも、スクリーン電極と、第1レベルの電圧が印加される第1フォーカス電極と、によって構成されるとともに、電子ビームの進行方向に対して実質的に回転対称に形成され、
前記サブレンズ部は、少なくとも、前記第1フォーカス電極と、前記第1レベルより低い第2レベルの電圧が印加される第2フォーカス電極と、前記第1フォーカス電極と前記第2フォーカス電極との間に配置される中間電極と、によって構成され、
前記主レンズ部は、少なくとも、前記第2フォーカス電極と、前記第1レベルより高い第3レベルの電圧が印加されるアノード電極と、によって構成され、
前記中間電極は前記スクリーン電極と電気的に接続され、しかも、これらの電極には前記第2レベルよりさらに低い第4レベルの電圧が印加され、
さらに電子銃構体は、前記主レンズ部に入射する前の電子ビームの水平方向径が垂直方向径より大きくなるような非対称電子レンズ部を備えたことを特徴とする陰極線管装置。 - 前記電子ビーム発生部は、カソードと、グリッド電極と、前記スクリーン電極とによって構成され、
前記グリッド電極と前記スクリーン電極との間に形成される電界は、前記非対称電子レンズ部を構成することを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管装置。 - 前記グリッド電極は、水平方向径が垂直方向径より大きい横長の電子ビーム通過孔を有することを特徴とする請求項3に記載の陰極線管装置。
- 前記グリッド電極は、前記スクリーン電極との対向面の電子ビーム通過孔周辺に水平方向に長いスリットを有することを特徴とする請求項3に記載の陰極線管装置。
- 前記サブレンズ部は、垂直方向のフォーカス力が水平方向のフォーカス力より強い非点収差を有して前記非対称電子レンズ部を構成することを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管装置。
- 前記第1フォーカス電極は、前記第2フォーカス電極との対向面に縦長の電子ビーム通過孔を有することを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記第2フォーカス電極は、前記第1フォーカス電極との対向面に横長の電子ビーム通過孔を有することを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記中間電極は、横長の電子ビーム通過孔を有することを特徴とする請求項2に記載の陰極線管装置。
- 前記第1フォーカス電極の前記中間電極との対向面、及び、前記第2フォーカス電極の前記中間電極との対向面に縦長の電子ビーム通過孔を有することを特徴とする請求項9に記載の陰極線管装置。
- 前記アノード電極に印加される電圧を分圧する抵抗器を備え、
前記第1フォーカス電極に印加される電圧は、前記抵抗器を介して供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管装置。 - 前記第2フォーカス電極は、少なくとも2つのセグメントによって構成され、電子ビームを偏向する際にこれらのセグメント間に水平方向にフォーカス作用を有するとともに垂直方向に発散作用を有する4極子レンズ部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管装置。
- 前記セグメントの少なくとも一方に、基準電圧に前記偏向磁界に同期して変化する交流成分を重畳したダイナミックフォーカス電圧を印加することを特徴とする請求項12に記載の陰極線管装置。
- 前記第2フォーカス電極と前記アノード電極との間に配置された前記主レンズ部は、電界拡張型電子レンズによって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記第2フォーカス電極の前記アノード電極との対向面及び前記アノード電極の前記第2フォーカス電極との対向面の少なくとも一方に、電子ビームの進行方向に延びた筒状体を備えたことを特徴とする請求項14に記載の陰極線管装置。
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