JP2002343271A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

Info

Publication number
JP2002343271A
JP2002343271A JP2001149342A JP2001149342A JP2002343271A JP 2002343271 A JP2002343271 A JP 2002343271A JP 2001149342 A JP2001149342 A JP 2001149342A JP 2001149342 A JP2001149342 A JP 2001149342A JP 2002343271 A JP2002343271 A JP 2002343271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electric field
correction plate
electron beam
field correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001149342A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Ueno
博文 上野
Tsutomu Takegawa
勉 武川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001149342A priority Critical patent/JP2002343271A/ja
Publication of JP2002343271A publication Critical patent/JP2002343271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体スクリーン全面でビームスポットを小さ
く、且つ、楕円歪みを抑制することにより、良好な画質
を安定して供給することが可能な陰極線管装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】主レンズは、フォーカス電極G4と、アノ
ード電極G5と、フォーカス電極とアノード電極との間
に配置された中間電極GMと、によって構成されてい
る。フォーカス電極の中間電極側に配置された電界補正
板G4−2から中間電極に向かって延びる筒状電極G4
−3の長さ、中間電極の電界補正板GM−2からフォー
カス電極及びアノード電極に向かって延びる筒状電極G
M−1及びGM−2の長さ、及び、アノード電極の中間
電極側に配置された電界補正板G5−2から中間電極に
向かって延びる筒状電極G5−1の長さの少なくとも1
つが他と異なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陰極線管装置に
係り、特に、蛍光体スクリーン周辺部に集束された電子
ビームによって形成されるビームスポット形状の楕円歪
を改良し、良好な画質を安定して供給するようになされ
たカラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セルフコンバージェンス方式の
インライン型カラー陰極線管装置は、同一水平面上を通
るセンタービームおよび一対のサイドビームからなる一
列配置の3電子ビームを放出するインライン型電子銃構
体を備えている。
【0003】インライン型電子銃構体の一種である重畳
型主レンズ−ダイナミックフォーカス方式電子銃構体
は、図11に示すように、一列配置の3個のカソードK
から蛍光体スクリーンに向かって順次配置された第1グ
リッドG1乃至第4グリッドG4を備えて構成されてい
る。各グリッドG1乃至G4は、それぞれ一列配置の3
個のカソードKに対応して形成された3個の電子ビーム
通過孔を有している。
【0004】この電子銃構体では、カソードKには約1
50Vの電圧が印加され、第1グリッドG1は接地さ
れ、第2グリッドG2には約600Vが印加され、第3
グリッドの第1セグメントG3−1には約6KVが印加
され、第3グリッドの第2セグメントG3−2にも約6
KVが印加され、第4グリッドG4には約26KVの高
電圧が印加される。
【0005】これにより、カソードK、第1グリッドG
1、及び第2グリッドG2は、電子ビームを発生し、か
つ後述する主レンズに対する物点を形成する電子ビーム
発生部を構成する。第2グリッドG2及び第3グリッド
G3は、電子ビーム発生部から発生された電子ビームを
予備集束するプリフォーカスレンズを形成する。第3グ
リッドの第2セグメントG3−2及び第4グリッドG4
は、プリフォーカスレンズにより予備集束された電子ビ
ームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束させる重畳型
主レンズを形成する。
【0006】この重畳型主レンズを構成する第3グリッ
ドの第2セグメントG3−2及び第4グリッドG4は、
互いに対向する部分を筒状体9で構成し、さらに互いに
対向する筒状体の端部に配置された電界補正板10及び
11を備えている。これにより、口径の大きい重畳レン
ズが形成される。
【0007】蛍光体スクリーンの周辺部に向けて電子ビ
ームが偏向される場合、第3グリッドの第2セグメント
G3−2には、電子ビームの偏向距離に応じてあらかじ
め設定されたパラボラ状に変化する電圧が印加される。
この電圧は、電子ビームを蛍光体スクリーンの中心部に
集束する場合に最も低く、蛍光体スクリーンのコーナー
部に集束する場合に最も高くなる。
【0008】蛍光体スクリーンのコーナー部に向けて電
子ビームが偏向された場合、第3グリッドの第2セグメ
ントG3−2と第4グリッドG4との電位差が最も小さ
くなり、主レンズの強度は最も弱くなる。同時に、第3
グリッドの第1セグメントG3−1と第3グリッドの第
2セグメントG3−2との電位差により、4極子レンズ
が形成され、この4極子レンズのレンズ強度が最も強く
なる。この4極子レンズは、水平方向に集束作用を有す
るとともに、垂直方向に発散作用を有するように設定さ
れている。これによって、電子銃構体と蛍光体スクリー
ンとの距離が離れ、像点が遠くなることに対応して、主
レンズ強度を弱くすることで補償し、また、偏向ヨーク
のピンクッション型水平偏向磁界とバレル型垂直偏向磁
界とにより発生する偏向収差を4極子レンズで補償す
る。
【0009】ところで、カラー陰極線管装置の画質を良
好にするためには、蛍光体スクリーン上でのフォーカス
特性を良好にすることが必要である。さらに、具体的に
は、蛍光体スクリーンの全面でビームスポット形状を小
さく、且つ円形に近い形状に形成することが望ましい。
【0010】ところが、近年、カラー陰極線管装置は、
大画面化と全長の制限から高偏向角化が進み、偏向収差
による画面周辺でのビームスポット径の拡大と横長歪み
はより深刻になっている。
【0011】特に、一列配置の3電子ビームを放出する
電子銃構体を封入した方式のカラー陰極線管装置におい
ては、図12の(a)に示すように、蛍光体スクリーン
周辺部において、偏向収差によりビームスポットの楕円
歪みが発生し、且つにじみが発生する。しかしながら、
一般的に、重畳型主レンズ−ダイナミックフォーカス方
式電子銃構体では、主レンズを形成する低電圧側の第3
グリッドを第1セグメントG3−1及び第2セグメント
G3−2によって構成し、これら2つのセグメントの間
に電子ビームの偏向に応じて4極子レンズを形成させる
ことにより、偏向収差を補償し、図12の(b)に示す
ように、にじみの発生といった問題を解消することがで
きる。
【0012】ところが、この方式の電子銃構体において
も、図12の(b)に示すように、蛍光体スクリーンの
水平軸端及び対角軸端では、ビームスポットが横につぶ
れる現象は依然として残り、シャドウマスクとの干渉に
よるモアレを生じ、ビームスポットで文字等を構成した
場合には、見づらくなるという問題が発生する。
【0013】この電子ビームが横長に歪む現象を緩和す
る方法として、主レンズに水平方向の集束力より垂直方
向の集束力が強い非点収差を付加する方法があり、この
方法を光学レンズモデルにて説明する。
【0014】図13の(a)は、電子ビームが偏向され
ず蛍光体スクリーンの中央部に集束される場合(無偏向
時)を示し、図13の(b)は、電子ビームが偏向磁界
により蛍光体スクリーンの周辺部に偏向された場合(偏
向時)を示す。蛍光体スクリーン上におけるビームスポ
ットの大きさは、倍率Mに依存しており、水平方向の倍
率をMh、垂直方向倍率をMvと定義する。倍率Mは、
(発散角αo/入射角αi)で表すことができる。すな
わち、水平方向倍率Mh及び垂直方向倍率Mvは、以下
のように表すことができる。
【0015】 Mh(水平倍率)=αoh(水平発散角)/αih(水
平入射角) Mv(垂直倍率)=αov(垂直発散角)/αiv(垂
直入射角) ここで、αoh=αovの場合、無偏向時においては、
図13の(a)に示すように、αih=αiv、Mh=
Mvとなる。また、偏向時においては、図13の(b)
に示すように、αih<αivとなり、Mv<Mhとな
る。
【0016】すなわち、ビームスポットの形状は、蛍光
体スクリーンの中央部では円形となるが、蛍光体スクリ
ーンの周辺部では横長となってしまう。
【0017】この蛍光体スクリーン周辺部でビームスポ
ットが横長となる現象を緩和する方法として、主レンズ
に水平方向の集束力を垂直方向の集束力より強くした非
点収差を形成する方法を説明する。図14の(a)は、
無偏向時を示し、図14の(b)は、偏向時を示す。こ
のときの水平方向倍率Mh’及び垂直方向倍率Mv’
は、以下のように表すことができる。
【0018】 Mh’(水平倍率)=αoh’(水平発散角)/αi
h’(水平入射角) Mv’(垂直倍率)=αOv’(垂直発散角)/αi
v’(垂直入射角) さらに、図13の(b)と図14の(b)とを比較して
明らかなように、主レンズに非点収差を形成すること
で、以下のようになる。
【0019】 αoh(水平発散角)=αoh’(水平発散角) αov(垂直発散角)=αov’(垂直発散角) αih(水平入射角)>αih’(水平入射角) αiv(垂直入射角)>αiv’(垂直入射角) すなわち、Mh’<Mh、及び、Mv’>Mvが得ら
れ、蛍光体スクリーン周辺部でのビームスポット楕円率
は、図15に示したように緩和される。
【0020】ただし、この方法では、蛍光体スクリーン
中央部での倍率は、Mh’<Mv’となり、ビームスポ
ットは縦長になり若干劣化する。しかしながら、蛍光体
スクリーン周辺部でのビームスポット形状の改善を考慮
し、総合的には改善される手法と言える。
【0021】次に、蛍光体スクリーン上に形成したビー
ムスポットの大きさを小さくする従来技術について説明
する。
【0022】ビームスポットの大きさを小さくする最も
一般的な方法として主レンズ口径を拡大する方法があ
る。現在、重畳型主レンズを基に更に主レンズ口径を拡
大する方法は、特開平9−180648号公報に著され
るように中間電極GMを付加して拡張レンズとする方法
が有効である。
【0023】すなわち、図16に示すように、従来の主
レンズ口径を拡大した電子銃構体は、第3グリッドの第
2セグメントG3−2と第4グリッドG4との間に配置
された中間電極GMを備えている。この中間電極GMに
は、第3グリッドの第2セグメントG3−2と第4グリ
ッドG4との中間の電圧が印加されている。中間電極G
Mは、筒状体の電子ビーム進行方向に沿った中心部に配
置された電界補正板を備えて構成されている。これによ
り、主レンズの大口径化を実現することができる。
【0024】しかしながら、この方法では、水平方向に
長い筒状体で構成された中間電極を付加するため、水平
方向及び垂直方向に非対称な電子レンズが形成され、水
平方向の集束力より垂直方向の集束力が強くなる作用が
発生する。既に述べたように、蛍光体スクリーン周辺部
でのビームスポットの横長歪みを緩和するには、主レン
ズの水平方向の集束力が垂直方向の集束力より強い非点
収差を持つ状態であることが望ましいが、中間電極を重
畳拡張型主レンズとすることで水平方向が垂直方向の集
束力より強い非点収差を保つ事は難しい。前述の第3グ
リッドの第2セグメントG3−2に備えられた電界補正
板10と第4グリッドG4に備えられた電界補正板11
との電子ビーム通過孔形状で補正するには、機械的限度
があり十分な補正は行えない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カラ
ー陰極線管装置の画質を良好にするためには、蛍光体ス
クリーン全面で小さく、且つ楕円歪みの少ないビームス
ポットを形成する必要がある。ビームスポットを小さく
する方法は、現在の重畳型主レンズに中間電極を付加し
た重畳拡張型主レンズとすることでレンズ口径を拡大す
ることができ、達成することができる。蛍光体スクリー
ン周辺部でのビームスポットの楕円歪みを補正する方法
は、主レンズの水平方向の集束力を垂直方向の集束力よ
り強く設定して非点収差を形成することで緩和すること
ができる。
【0026】ところが、重畳型主レンズに水平方向に長
い3つの電子ビームが共通に通過する筒状体で形成され
た中間電極を付加して電子レンズのレンズ口径を拡張す
る方法は、水平方向の集束力より垂直方向の集束力が強
くなる非点収差作用を発生してしまう。したがって、ビ
ームスポットの楕円歪みを補正するための非点収差を打
ち消してしまう。これを補正するために、フォーカス電
極とアノード電極とに配置された電界補正板の電子ビー
ム通過孔を縦長化、或いは横長化させる方法があるが、
機械的限界があり、十分に補正することができない。す
なわち、従来の電子銃構体では、蛍光体スクリーン上の
ビームスポットを十分小さく且つ楕円歪みを抑制する方
法を両立することができない。
【0027】この発明は、上述した問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、蛍光体スクリーン全面で
ビームスポットを小さく、且つ、楕円歪みを抑制するこ
とにより、良好な画質を安定して供給することが可能な
陰極線管装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の陰極線管装置は、電
子ビームを発生する電子ビーム発生部と、前記電子ビー
ム発生部から発生された電子ビームを蛍光体クリーンに
向けて加速するとともに前記蛍光体スクリーン上に集束
する電子レンズ部とを有する電子銃構体と、前記電子銃
構体から放出された電子ビームを前記蛍光体スクリーン
上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生す
る偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置において、前記
電子レンズ部は、フォーカス電圧が印加されるフォーカ
ス電極と、アノード電圧が印加されるアノード電極と、
フォーカス電圧とアノード電圧との間のレベルの電圧が
印加されるとともに前記フォーカス電極と前記アノード
電極との間に配置された少なくとも1つの中間電極と、
によって構成され、前記フォーカス電極、前記アノード
電極、及び前記中間電極は、それぞれ電子ビーム進行方
向に延びた少なくとも1つの筒状体と、電子ビームを通
過させる電子ビーム通過孔を備えた少なくとも1つの電
界補正板とを備えて構成され、前記フォーカス電極の前
記中間電極側に配置された電界補正板から前記中間電極
に向かって延びる筒状体の長さ、前記中間電極の電界補
正板から前記フォーカス電極及び前記アノード電極に向
かって延びる筒状体の長さ、及び、前記アノード電極の
前記中間電極側に配置された電界補正板から前記中間電
極に向かって延びる筒状体の長さの少なくとも1つが他
と異なることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の陰極線管装置の
一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】図1に示すように、陰極線管装置、すなわ
ちインライン型カラー陰極線管装置は、パネル1、ネッ
ク5、及びパネル1とネック5とを一体に接合する漏斗
状のファンネル2からなる外囲器を有している。パネル
1は、その内面に、青、緑、赤に発光するドット状また
はストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリー
ン3を備えている。シャドウマスク4は、その面内に多
数の電子ビーム通過孔を有し、蛍光体スクリーン3に対
向して配置されている。
【0031】ネック5は、その内部に配設された、イン
ライン型電子銃構体7を備えている。この電子銃構体7
は、同一水平面上を通るセンタービーム6Gおよび一対
のサイドビーム6B,6Rからなる一列配置の3電子ビ
ーム6B,6G,6Rを放出する。
【0032】偏向ヨーク8は、ファンネル2の径大部か
らネック5にかけて装着されている。この偏向ヨーク8
は、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B,6
G,6Rを水平方向(X)及び垂直方向(Y)に偏向す
る非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一磁界は、ピ
ンクッション型の水平偏向磁界及びバレル型の垂直偏向
磁界によって形成される。
【0033】電子銃構体7から放出された3電子ビーム
6B、6G、6Rは、偏向ヨーク8の発生する非斉一磁
界により偏向され、シャドウマスク4を介して蛍光体ス
クリーン3を水平方向X及び垂直方向Yに走査する。こ
れにより、カラー画像が表示される。
【0034】図2に示すように、電子銃構体7は、水平
方向(X)に一列に配置された3個のカソードK(R、
G、B)、これらカソードK(R、G、B)を個別に加
熱する3個のヒーター、および6個の電極を有してい
る。6個の電極、すなわち第1グリッドG1,第2グリ
ッドG2,第3グリッドG3,第4グリッド(フォーカ
ス電極)G4,中間電極GM、及び第5グリッド(アノ
ード電極)G5は、カソードK(R、G、B)から蛍光
体スクリーンに向かって順次配置されている。これらヒ
ーター、カソードK(R、G、B)、及び6個の電極
は、一対の絶縁支持体によって一体に固定されている。
【0035】第1及び第2グリッドG1,G2は、それ
ぞれ一体構造の板状電極によって構成されている。これ
らの板状電極は、その板面に、3個のカソードK(R、
G、B)に対応して水平方向Xに一列に形成された3個
の円形電子ビーム通過孔を有している。第3グリッドG
3は、一体構造の筒状電極によって構成されている。こ
の筒状電極は、第2グリッドG2との対向面に、3個の
カソードK(R、G、B)に対応して水平方向Xに一列
に形成された3個の円形電子ビーム通過孔を有してい
る。また、この筒状電極は、第4グリッドG4との対向
面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平
方向Xに一列に形成された垂直方向Yに長軸を有する縦
長の3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0036】第4グリッドG4は、2個の筒状電極と1
個の電界補正板とによって構成されている。第4グリッ
ドG4を構成する第1筒状電極G4−1は、その第3グ
リッドG3との対向面に、3個のカソードK(R、G、
B)に対応して水平方向に一列に形成された水平方向X
に長軸を有する横長の3個の電子ビーム通過孔を有して
いる。第4グリッドG4を構成する電界補正板G4−2
は、第1筒状電極G4−1の中間電極GM側に配置され
た板状電極であり、その板面に、3個のカソードK
(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された
3個の円形電子ビーム通過孔を有している。第4グリッ
ドG4を構成する第2筒状電極G4−3は、電界補正板
G4−2の中間電極GM側に配置されている。すなわ
ち、第4グリッドG4は、2個の筒状電極G4−1及び
G4−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G
4−2を挟み込むことによって構成されている。
【0037】中間電極GMは、2個の筒状電極と1個の
電界補正板とによって構成されている。すなわち、中間
電極GMは、2個の筒状電極GM−1及びGM−3の間
に電子ビーム通過孔を有する電界補正板GM−2を挟み
込むことによって構成されている。中間電極GMの第4
グリッドG4側に配置された第1筒状電極GM−1の電
子ビーム進行方向すなわち管軸方向Zに沿った長さは、
中間電極GMの第5グリッドG5側に配置された第2筒
状電極GM−2の電子ビーム進行方向に沿った長さより
短い。
【0038】中間電極GMを構成する電界補正板GM−
2は、図3に示すように、第1筒状電極GM−1の第5
グリッドG5側に配置された板状電極であり、その板面
に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方
向に一列に形成された3個の非円形の電子ビーム通過孔
21を有している。この実施の形態では、これらの電子
ビーム通過孔21は、水平方向Xに長軸を有する横長の
長方形状に形成されている。
【0039】第5グリッドG5は、2個の筒状電極と1
個の電界補正板とによって構成されている。第5グリッ
ドG5を構成する第1筒状電極G5−1は、中間電極G
M側に配置されている。第5グリッドG5を構成する電
界補正板G5−2は、第1筒状電極G5−1の蛍光体ス
クリーン側に配置された板状電極であり、その板面に、
3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に
一列に形成された3個の円形電子ビーム通過孔を有して
いる。第5グリッドG5を構成する第2筒状電極G5−
3は、電界補正板G5−2の蛍光体スクリーン側に配置
され、その蛍光体スクリーン側の端面に、3個のカソー
ドK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成さ
れた3個の円形電子ビーム通過孔を有している。すなわ
ち、第5グリッドG5は、2個の筒状電極G5−1及び
G5−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G
5−2を挟み込むことによって構成されている。
【0040】上述した構成の電子銃構体7において、カ
ソードKには、150Vの直流電圧に映像信号が重畳さ
れた電圧が印加される。第1グリッドG1は、接地され
ている。第2グリッドG2には、約600Vの直流電圧
が印加される。第3グリッドG3には、約6.5kVの
固定の直流電圧が印加される。
【0041】第4グリッドG4には、約6kVの直流電
圧に、パラボラ状に変化する交流電圧成分Vdが重畳さ
れたダイナミックフォーカス電圧が印加される。このダ
イナミックフォーカス電圧は、図4に示すように、鋸歯
状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の増
大に伴ってパラボラ状に変化する。このダイナミックフ
ォーカス電圧は、最も低いときで6.0kVで、最も高
いときで6.5kVとなる。第5グリッドG5には、約
26kVの陽極電圧Ebが印加される。
【0042】中間電極GMには、約16kVの直流電圧
に、パラボラ状に変化する交流電圧成分が重畳された電
圧が印加される。この電圧は、図4に示すように、鋸歯
状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の増
大に伴ってパラボラ状に変化する。この電圧は、最も低
いときで16kVで、最も高いときで16.25kVと
なる。
【0043】なお、この実施の形態では、中間電極GM
に対して、図4に示したようにパラボラ状に変化する電
圧を電圧供給部から直接供給したが、陽極電圧Ebを抵
抗分割して供給しても良い。
【0044】電子銃構体7は、各グリッドに上述したよ
うな電圧を印加することにより、電子ビーム発生部、プ
リフォーカスレンズ、及び、主レンズを形成する。すな
わち、電子ビーム発生部は、カソードK、第1グリッド
G1、及び第2グリッドG2によって形成される。この
電子ビーム発生部は、電子ビームを発生し、かつ主レン
ズに対する物点を形成する。プリフォーカスレンズは、
第2グリッドG2及び第3グリッドG3によって形成さ
れる。このプリフォーカスレンズは、電子ビーム発生部
から発生された電子ビームを予備集束する。
【0045】主レンズは、第4グリッドG4(フォーカ
ス電極)、中間電極GM、及び第5グリッドG5(アノ
ード電極)によって形成される。この主レンズは、プリ
フォーカスレンズにより予備集束された電子ビームを最
終的に蛍光体スクリーン上に集束する。
【0046】また、電子ビームを蛍光体スクリーン周辺
部に偏向する偏向時には、第3グリッドG3と第4グリ
ッドG4との間に電位差が発生し、この電位差は、電子
ビームの偏向角が最大のときに最大となる。この電位差
により、第3グリッドG3と第4グリッドG4との間に
は、水平方向Xに集束作用を有するとともに、垂直方向
Yに発散作用を有する4極子レンズが形成される。
【0047】ここで形成される主レンズは、大口径の重
畳拡張型主レンズであり、蛍光体スクリーンの中央部に
集束された電子ビームによって形成されるビームスポッ
トは、小さく形成される。また、主レンズは、中間電極
GMの作用によって水平方向と垂直方向とで集束力が異
なる。すなわち、主レンズでは、水平方向の集束力が垂
直方向の集束力より強い正の非点収差が形成されてい
る。このため、蛍光体スクリーンの周辺部に集束される
電子ビームによって形成されるビームスポット形状の横
長に歪む現象を緩和することができる。
【0048】以下に、上述した重畳拡張型主レンズの作
用について説明する。
【0049】まず、ここでは、主レンズの水平方向Xの
集束力が垂直方向Yの集束力より強い非点収差を正の非
点収差とする。同様に、水平方向Xの集束力が垂直方向
Yの集束力より弱い非点収差を負の非点収差とする。
【0050】図5に示した重畳拡張型主レンズは、フォ
ーカス電極31、中間電極32、及び、アノード電極3
3によって構成されている。フォーカス電極31の中間
電極32側に配置された筒状電極31−1の管軸方向Z
に沿った長さをL1、中間電極32のフォーカス電極3
1側に配置された筒状電極32−1の管軸方向Zに沿っ
た長さをL2、中間電極のアノード電極33側に配置さ
れた筒状電極32−2の管軸方向Zに沿った長さをL
3、アノード電極33の中間電極32側に配置された筒
状電極33−1の管軸方向Zに沿った長さをL4とした
とき、図5に示した主レンズでは、L1=L2=L3=
L4に設定されている。
【0051】中間電極32は、2つの筒状電極32−1
及び32−2の間に挟持された電界補正板41を備えて
いる。この電界補正板41は、フォーカス電極31とア
ノード電極33との機械的中心に配置されている。フォ
ーカス電極31には、6kVのフォーカス電圧を印加
し、アノード電極33には、26kVのアノード電圧を
印加し、中間電極32には、フォーカス電圧とアノード
電圧との中間電位に相当する16kVの電圧を印加す
る。
【0052】これらの電圧によって形成される主レンズ
の電界は、等電位線51によって図示されるように、中
間電極32の電界補正板41を中心に対称に形成されて
いる。この場合、フォーカス電極31に配置された電界
補正板42及びアノード電極33に配置された電界補正
板43は、それぞれの筒状電極31−1及び33−1か
ら浸透した等電位線51を湾曲させることで電界を補正
し、水平方向Xに一列に配置された3電子ビームすべて
に対して均等な集束作用を与えるように構成されてい
る。
【0053】フォーカス電極31側及びアノード電極3
3側からそれぞれ中間電極32の筒状電極32−1及び
32−2に浸透する電界は、中間電極32の電界補正板
41をフォーカス電極31とアノード電極33との幾何
学的中心に配置したため、電界補正板41付近すなわち
主レンズの中央部付近で相殺され、等電位線51は、略
直線になる。
【0054】すなわち、中間電極32の電界補正板41
に形成された電子ビーム通過孔は、どんな形状に形成さ
れても主レンズを形成する電界に作用せず、等電位線5
1に影響を与えない。フォーカス電極31に偏向磁界に
同期して変化するダイナミック電圧が印加された場合で
も、中間電極32が常にフォーカス電圧とアノード電圧
の中間電圧になれば、上述した状態は維持される。
【0055】図6に示した重畳拡張型主レンズは、同様
に、フォーカス電極31、中間電極32、及び、アノー
ド電極33によって構成されている。この主レンズで
は、L2<L1=L4<L3に設定されている。
【0056】中間電極32は、2つの筒状電極32−1
及び32−2の間に挟持された電界補正板41を備えて
いる。この電界補正板41は、フォーカス電極31とア
ノード電極33との機械的中心Oよりフォーカス電極3
1寄りに配置されている。つまり、中間電極32のフォ
ーカス電極31側に配置された筒状電極32−1の長さ
L2が中間電極32のアノード電極33側に配置された
筒状電極33−2の長さL3より短く構成されている。
【0057】フォーカス電極31には、6kVのフォー
カス電圧を印加し、アノード電極33には、26kVの
アノード電圧を印加し、中間電極32には、フォーカス
電圧とアノード電圧との中間電位に相当する16kVの
電圧を印加する。
【0058】これらの電圧によって形成される主レンズ
の電界は、等電位線52によって図示されるように、中
間電極32への内部浸透電界が非対称となるように形成
される。この場合、フォーカス電極31に配置された電
界補正板42及びアノード電極33に配置された電界補
正板43は、それぞれの筒状電極31−1及び33−1
から浸透した等電位線52を湾曲させることで電界を補
正し、水平方向Xに一列に配置された3電子ビームすべ
てに対して均等な集束作用を与えるように構成されてい
る。
【0059】筒状電極32−1の長さL2が筒状電極3
2−2の長さL3より短く、しかも、中間電極32の電
界補正板41をフォーカス電極31とアノード電極33
との機械的中心Oよりフォーカス電極31側に配置した
ことにより、フォーカス電極31側から中間電極32の
筒状電極32−1に浸透する電界は、電界補正板41に
浸透することによって湾曲される。また、このとき、ア
ノード電極33側から中間電極32の筒状電極32−2
に浸透する電界は、電界補正板41に浸透することなく
略直線となる。
【0060】この中間電極32の電界補正板41を挟ん
だ両側での電界の非対称性は、フォーカス電極31の中
間電極32側に配置された電界補正板42と中間電極3
2の電界補正板41とのギャップが、アノード電極33
の中間電極32側に配置された電界補正板43と中間電
極32の電界補正板41とのギャップと異なることによ
って発生するものである。
【0061】中間電極32の電界補正板41には、図4
に示すように、水平方向Xに長軸を有する横長の電子ビ
ーム通過孔が形成されているため、電界補正板41の電
子ビーム通過孔に浸透する電界の等電位線52は、水平
方向Xと垂直方向Yとで非対称となる。このため、この
電界補正板41の電子ビーム通過孔を通過する電子ビー
ムは、相対的に水平方向Xに集束し垂直方向Yに発散す
る正の非点収差を受ける。
【0062】この結果、重畳型主レンズの口径を中間電
極32で拡張し、大口径主レンズを形成し、且つ、水平
方向Xの集束力が垂直方向Yの集束力より強い正の非点
収差作用を形成することができる。
【0063】なお、上述した実施の形態では、中間電極
32の電界補正電板41(GM−2)には、図3に示し
たように、3電子ビームそれぞれに対応して水平方向X
に長軸を有する横長形状の3つの電子ビーム通過孔21
を形成したが、図7に示すように、水平方向Xに長軸を
有するとともに3電子ビームに共通の電子ビーム通過孔
22を形成しても、上述した実施の形態と同様の作用と
性能を得ることができる。
【0064】上述した実施の形態では、大口径で、且つ
正の非点収差を有する主レンズを形成するために、中間
電極32のフォーカス電極31側に配置された筒状電極
32−1の管軸方向に沿った長さL2をアノード電極3
3側に配置された筒状電極32−2の管軸方向に沿った
長さL3より短く形成し、これら筒状電極32−1及び
32−2の間に配置された電界補正板41を主レンズの
幾何学的中心Oよりフォーカス電極31側に配置してい
る。
【0065】しかしながら、この発明は、この実施の形
態に限定されるものではなく、種々変更可能である。
【0066】例えば、図8には、上述した実施の形態と
同様の基本性能で且つ中間電極の構成が異なる電子銃構
体の実施の形態を示す。なお、上述した実施の形態と同
一の構成については同一の参照符号を付して詳細な説明
を省略する。
【0067】図8に示した電子銃構体7では、主レンズ
は、第4グリッドG4、中間電極GM、及び、第5グリ
ッドG5によって形成されている。
【0068】第4グリッドG4は、2個の筒状電極と1
個の電界補正板とによって構成されている。第4グリッ
ドG4を構成する第1筒状電極G4−1は、その第3グ
リッドG3との対向面に、3個のカソードK(R、G、
B)に対応して水平方向に一列に形成された水平方向X
に長軸を有する横長の3個の電子ビーム通過孔を有して
いる。第4グリッドG4を構成する電界補正板G4−2
は、第1筒状電極G4−1の中間電極GM側に配置され
た板状電極であり、その板面に、3個のカソードK
(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成された
3個の円形電子ビーム通過孔を有している。第4グリッ
ドG4を構成する第2筒状電極G4−3は、電界補正板
G4−2の中間電極GM側に配置されている。すなわ
ち、第4グリッドG4は、2個の筒状電極G4−1及び
G4−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G
4−2を挟み込むことによって構成されている。
【0069】中間電極GMは、2個の筒状電極と1個の
電界補正板とによって構成されている。すなわち、中間
電極GMは、2個の筒状電極GM−1及びGM−3の間
に電子ビーム通過孔を有する電界補正板GM−2を挟み
込むことによって構成されている。中間電極GMの第4
グリッドG4側に配置された第1筒状電極GM−1の電
子ビーム進行方向すなわち管軸方向Zに沿った長さは、
中間電極GMの第5グリッドG5側に配置された第2筒
状電極GM−2の電子ビーム進行方向に沿った長さより
長い。
【0070】中間電極GMを構成する電界補正板GM−
2は、図9に示すように、第1筒状電極GM−1の第5
グリッドG5側に配置された板状電極であり、その板面
に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方
向に一列に形成された3個の非円形の電子ビーム通過孔
23を有している。この実施の形態では、これらの電子
ビーム通過孔23は、垂直方向Yに長軸を有する縦長の
長円形状に形成されている。
【0071】第5グリッドG5は、2個の筒状電極と1
個の電界補正板とによって構成されている。第5グリッ
ドG5を構成する第1筒状電極G5−1は、中間電極G
M側に配置されている。第5グリッドG5を構成する電
界補正板G5−2は、第1筒状電極G5−1の蛍光体ス
クリーン側に配置された板状電極であり、その板面に、
3個のカソードK(R、G、B)に対応して水平方向に
一列に形成された3個の円形電子ビーム通過孔を有して
いる。第5グリッドG5を構成する第2筒状電極G5−
3は、電界補正板G5−2の蛍光体スクリーン側に配置
され、その蛍光体スクリーン側の端面に、3個のカソー
ドK(R、G、B)に対応して水平方向に一列に形成さ
れた3個の円形電子ビーム通過孔を有している。すなわ
ち、第5グリッドG5は、2個の筒状電極G5−1及び
G5−3の間に電子ビーム通過孔を有する電界補正板G
5−2を挟み込むことによって構成されている。
【0072】図8に示した電子銃構体7においては、第
3グリッドG3には、約6.5kVの固定の直流電圧が
印加される。第4グリッドG4には、約6kVの直流電
圧に、パラボラ状に変化する交流電圧成分Vdが重畳さ
れたダイナミックフォーカス電圧が印加される。このダ
イナミックフォーカス電圧は、図4に示すように、鋸歯
状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の増
大に伴ってパラボラ状に変化する。このダイナミックフ
ォーカス電圧は、最も低いときで6.0kVで、最も高
いときで6.5kVとなる。第5グリッドG5には、約
26kVの陽極電圧Ebが印加される。
【0073】中間電極GMには、約16kVの直流電圧
に、パラボラ状に変化する交流電圧成分が重畳された電
圧が印加される。この電圧は、図4に示すように、鋸歯
状の偏向電流に同期し、かつ、電子ビームの偏向量の増
大に伴ってパラボラ状に変化する。この電圧は、最も低
いときで16kVで、最も高いときで16.25kVと
なる。
【0074】これらの動作条件により、第3グリッドG
3と第4グリッドG4との間で4極子レンズが形成さ
れ、第4グリッドG4、中間電極GM、及び第5グリッ
ドG5で主レンズが形成される。ここで形成される主レ
ンズは、大口径の重畳拡張型主レンズであり、蛍光体ス
クリーンの中央部に集束された電子ビームによって形成
されるビームスポットは、小さく形成される。また、主
レンズは、中間電極GMの作用によって水平方向と垂直
方向とで集束力が異なる。すなわち、主レンズでは、水
平方向の集束力が垂直方向の集束力より強い正の非点収
差が形成されている。このため、蛍光体スクリーンの周
辺部に集束される電子ビームによって形成されるビーム
スポット形状の横長に歪む現象を緩和することができ
る。
【0075】以下に、上述した重畳拡張型主レンズの作
用について説明する。
【0076】すなわち、図8に示した電子銃構体に備え
られた重畳拡張型主レンズは、図10に示すように、フ
ォーカス電極31、中間電極32、及び、アノード電極
33によって構成されている。この主レンズでは、L3
<L1=L4<L2に設定されている。
【0077】中間電極32は、2つの筒状電極32−1
及び32−2の間に挟持された電界補正板41を備えて
いる。この電界補正板41は、フォーカス電極31とア
ノード電極33との機械的中心Oよりアノード電極33
寄りに配置されている。つまり、中間電極32のフォー
カス電極31側に配置された筒状電極32−1の長さL
2が中間電極32のアノード電極33側に配置された筒
状電極33−2の長さL3より長く構成されている。
【0078】フォーカス電極31には、6kVのフォー
カス電圧を印加し、アノード電極33には、26kVの
アノード電圧を印加し、中間電極32には、フォーカス
電圧とアノード電圧との中間電位に相当する16kVの
電圧を印加する。
【0079】これらの電圧によって形成される主レンズ
の電界は、等電位線53によって図示されるように、中
間電極32への内部浸透電界が非対称となるように形成
される。この場合、フォーカス電極31に配置された電
界補正板42及びアノード電極33に配置された電界補
正板43は、それぞれの筒状電極31−1及び33−1
から浸透した等電位線53を湾曲させることで電界を補
正し、水平方向Xに一列に配置された3電子ビームすべ
てに対して均等な集束作用を与えるように構成されてい
る。
【0080】筒状電極32−1の長さL2が筒状電極3
2−2の長さL3より長く、しかも、中間電極32の電
界補正板41をフォーカス電極31とアノード電極33
との機械的中心Oよりアノード電極33側に配置したこ
とにより、アノード電極33側から中間電極32の筒状
電極32−2に浸透する電界は、電界補正板41に浸透
することによって湾曲される。また、このとき、フォー
カス電極31側から中間電極32の筒状電極32−1に
浸透する電界は、電界補正板41に浸透することなく略
直線となる。
【0081】この中間電極32の電界補正板41を挟ん
だ両側での電界の非対称性は、フォーカス電極31の中
間電極32側に配置された電界補正板42と中間電極3
2の電界補正板41とのギャップが、アノード電極33
の中間電極32側に配置された電界補正板43と中間電
極32の電界補正板41とのギャップと異なることによ
って発生するものである。
【0082】中間電極32の電界補正板41には、図9
に示すように、垂直方向Yに長軸を有する縦長の電子ビ
ーム通過孔が形成されているため、電界補正板41の電
子ビーム通過孔に浸透する電界の等電位線53は、水平
方向Xと垂直方向Yとで非対称となる。このため、この
電界補正板41の電子ビーム通過孔を通過する電子ビー
ムは、相対的に水平方向Xに集束し垂直方向Yに発散す
る正の非点収差を受ける。
【0083】この結果、重畳型主レンズの口径を中間電
極32で拡張し、大口径主レンズを形成し、且つ、水平
方向Xの集束力が垂直方向Yの集束力より強い正の非点
収差作用を形成することができる。
【0084】以上説明した実施の形態では、大口径で、
且つ正の非点収差を有する主レンズを形成するために、
中間電極の電界補正板からフォーカス電極に向かって延
びる筒状電極の長さが、中間電極の電界補正板からアノ
ード電極に向かって延びる筒状電極の長さと異なり、且
つ、中間電極の電界補正板に形成された電子ビーム通過
孔を非円形に形成している。
【0085】しかしながら、この発明は、これらの実施
の形態に限定されるものではなく、フォーカス電極の中
間電極側に配置された電界補正板から中間電極に向かっ
て延びる筒状電極の長さ、中間電極の電界補正板からフ
ォーカス電極及びアノード電極に向かって延びる筒状電
極の長さ、及び、アノード電極の中間電極側に配置され
た電界補正板から中間電極に向かって延びる筒状電極の
長さの少なくとも1つが他と異なることによって達成さ
れる。
【0086】換言すると、この発明は、フォーカス電極
の中間電極側に配置された電界補正板と、中間電極のフ
ォーカス電極側に配置された電界補正板との間の第1ギ
ャップが、アノード電極の中間電極側に配置された電界
補正板と、中間電極のアノード電極側に配置された電界
補正板との間の第2ギャップと異なることによって達成
される。
【0087】以上説明したように、この発明の陰極線管
装置によれば、重畳型主レンズを拡張電界として大口径
主レンズを形成すると共に、主レンズの正の非点収差作
用を維持することができる。これによって、蛍光体スク
リーン上で小さいビームスポットを形成することが可能
となり、しかもビームスポットの楕円歪みを改善するこ
とができる。したがって、良好な画質を安定して供給す
ることが可能なカラー陰極線管装置を提供することがで
きる。
【0088】なお、上述した実施の形態では、フォーカ
ス電極とアノード電極との間に配置された中間電極は1
個であったが、2個以上配置しても良い。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、蛍光体スクリーン全面でビームスポットを小さく、
且つ、楕円歪みを抑制することにより、良好な画質を安
定して供給することが可能な陰極線管装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の陰極線管装置の一実施の形
態に係るカラー陰極線管装置の構造を概略的に示す水平
断面図である。
【図2】図2は、図1に示した陰極線管装置に適用され
る電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図3】図3は、図2に示した電子銃構体に適用される
中間電極の電界補正板の構造を概略的に示す斜視図であ
る。
【図4】図4は、図2に示した電子銃構体におけるフォ
ーカス電極及び中間電極にそれぞれ印加される電圧と偏
向電流との関係を示す図である。
【図5】図5は、重畳拡張型主レンズの構造を概略的に
示す水平断面図であり、中間電極の電界補正板が主レン
ズの幾何学的中心に配置されている場合の電界を示す図
である。
【図6】図6は、重畳拡張型主レンズの構造を概略的に
示す水平断面図であり、中間電極の電界補正板が主レン
ズの幾何学的中心よりフォーカス電極側に配置されてい
る場合の電界を示す図である。
【図7】図7は、図2に示した電子銃構体に適用される
中間電極の電界補正板の他の構造を概略的に示す斜視図
である。
【図8】図8は、図1に示した陰極線管装置に適用され
る他の電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図であ
る。
【図9】図9は、図8に示した電子銃構体に適用される
中間電極の電界補正板の構造を概略的に示す斜視図であ
る。
【図10】図10は、重畳拡張型主レンズの構造を概略
的に示す水平断面図であり、中間電極の電界補正板が主
レンズの幾何学的中心よりアノード電極側に配置されて
いる場合の電界を示す図である。
【図11】図11は、従来の陰極線管装置に適用される
電子銃構体の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図12】図12の(a)及び(b)は、従来の電子銃
構体による蛍光体スクリーン上でのビームスポットの楕
円歪を説明するための図である。
【図13】図13の(a)及び(b)は、一般的な電子
銃構体のレンズ作用を光学レンズモデルで表した図であ
る。
【図14】図14の(a)及び(b)は、主レンズに非
点収差作用を持たせてビームスポットの楕円歪みを改善
した時の電子銃構体のレンズ作用を光学レンズモデルで
表した図である。
【図15】図15は、蛍光体スクリーン上でのビームス
ポットの楕円率が改善された状態を示す図である。
【図16】図16は、従来の重畳型主レンズに中間電極
を配置して口径拡大を行った電子銃構体の構成を概略的
に示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…パネル 2…ファンネル 3…蛍光体スクリーン 4…シャドウマスク 5…ネック 6(R、G、B)…電子ビーム 7…電子銃構体 8…偏向ヨーク K(R、G、B)…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド GM…中間電極 31…フォーカス電極 32…中間電極 33…アノード電極 41、42、43…電界補正板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武川 勉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5C041 AA03 AB07 AC07 AC26 AC35 AC40 AD02 AD03 AE01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームを発生する電子ビーム発生部
    と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを
    蛍光体クリーンに向けて加速するとともに前記蛍光体ス
    クリーン上に集束する電子レンズ部とを有する電子銃構
    体と、 前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体
    スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁
    界を発生する偏向ヨークと、 を備えた陰極線管装置において、 前記電子レンズ部は、フォーカス電圧が印加されるフォ
    ーカス電極と、アノード電圧が印加されるアノード電極
    と、フォーカス電圧とアノード電圧との間のレベルの電
    圧が印加されるとともに前記フォーカス電極と前記アノ
    ード電極との間に配置された少なくとも1つの中間電極
    と、によって構成され、 前記フォーカス電極、前記アノード電極、及び前記中間
    電極は、それぞれ電子ビーム進行方向に延びた少なくと
    も1つの筒状体と、電子ビームを通過させる電子ビーム
    通過孔を備えた少なくとも1つの電界補正板とを備えて
    構成され、 前記フォーカス電極の前記中間電極側に配置された電界
    補正板から前記中間電極に向かって延びる筒状体の長
    さ、前記中間電極の電界補正板から前記フォーカス電極
    及び前記アノード電極に向かって延びる筒状体の長さ、
    及び、前記アノード電極の前記中間電極側に配置された
    電界補正板から前記中間電極に向かって延びる筒状体の
    長さの少なくとも1つが他と異なることを特徴とする陰
    極線管装置。
  2. 【請求項2】前記中間電極の前記電界補正板から前記フ
    ォーカス電極に向かって延びる前記筒状体の長さは、前
    記中間電極の前記電界補正板から前記アノード電極に向
    かって延びる前記筒状体の長さと異なり、且つ、前記中
    間電極の前記電界補正板に形成された電子ビーム通過孔
    は、非円形であることを特徴とする請求項1に記載の陰
    極線管装置。
  3. 【請求項3】前記中間電極の前記電界補正板から前記フ
    ォーカス電極に向かって延びる前記筒状体の長さは、前
    記中間電極の前記電界補正板から前記アノード電極に向
    かって延びる前記筒状体の長さより短く、且つ、前記電
    界補正板に形成された電子ビーム通過孔は、水平方向径
    が垂直方向径より長い横長であることを特徴とする請求
    項1に記載の陰極線管装置。
  4. 【請求項4】前記中間電極の前記電界補正板から前記フ
    ォーカス電極に向かって延びる前記筒状体の長さは、前
    記中間電極の前記電界補正板から前記アノード電極に向
    かって延びる前記筒状体の長さより長く、且つ、前記電
    界補正板に形成された電子ビーム通過孔は、垂直方向径
    が水平方向径より長い縦長であることを特徴とする請求
    項1に記載の陰極線管装置。
  5. 【請求項5】電子ビームを発生する電子ビーム発生部
    と、前記電子ビーム発生部から発生された電子ビームを
    蛍光体クリーンに向けて加速するとともに前記蛍光体ス
    クリーン上に集束する電子レンズ部とを有する電子銃構
    体と、 前記電子銃構体から放出された電子ビームを前記蛍光体
    スクリーン上の水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁
    界を発生する偏向ヨークと、 を備えた陰極線管装置において、 前記電子レンズ部は、フォーカス電圧が印加されるフォ
    ーカス電極と、アノード電圧が印加されるアノード電極
    と、フォーカス電圧とアノード電圧との間のレベルの電
    圧が印加されるとともに前記フォーカス電極と前記アノ
    ード電極との間に配置された少なくとも1つの中間電極
    と、によって構成され、 前記フォーカス電極は、前記中間電極側に配置された第
    1電界補正板と、この第1電界補正板から前記中間電極
    に向かって延びる第1筒状体とによって構成され、 前記中間電極は、第2電界補正板と、この第2電界補正
    板から前記フォーカス電極に向かって延びる第2筒状体
    と、前記第2電界補正板から前記アノード電極に向かっ
    て延びる第3筒状体とによって構成され、 前記アノード電極は、前記中間電極側に配置された第3
    電界補正板と、この第3電界補正板から前記中間電極に
    向かって延びる第4筒状体とによって構成され、前記第
    1電界補正板と前記第2電界補正板との第1ギャップ
    は、前記第2電界補正板と前記第3電界補正板との第2
    ギャップと異なることを特徴とする陰極線管装置。
  6. 【請求項6】前記第1乃至第4筒状体の電子ビーム進行
    方向に沿った長さの少なくとも1つは、他と異なること
    を特徴とする請求項5に記載の陰極線管装置。
JP2001149342A 2001-05-18 2001-05-18 陰極線管装置 Pending JP2002343271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149342A JP2002343271A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 陰極線管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001149342A JP2002343271A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 陰極線管装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002343271A true JP2002343271A (ja) 2002-11-29

Family

ID=18994529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001149342A Pending JP2002343271A (ja) 2001-05-18 2001-05-18 陰極線管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002343271A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100341104C (zh) * 2004-04-20 2007-10-03 松下东芝映象显示株式会社 彩色布朗管设备

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100341104C (zh) * 2004-04-20 2007-10-03 松下东芝映象显示株式会社 彩色布朗管设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0831333A (ja) カラー陰極線管
JPH05225929A (ja) カラー陰極線管用電子銃
JPH07134953A (ja) カラー受像管
KR20000011965A (ko) 칼라음극선관
JPH05325825A (ja) カラー陰極線管用電子銃
JPH10106452A (ja) カラー陰極線管用電子銃
JP2002343271A (ja) 陰極線管装置
KR100261719B1 (ko) 칼라 브라운관
JP2644809B2 (ja) カラー受像管用電子銃構体
JP2002083557A (ja) 陰極線管装置
US6486624B2 (en) Cathode ray tube apparatus
KR950001495B1 (ko) 칼라 음극선관용 더블 다이나믹 포커싱 전자총
JP2878731B2 (ja) カラー受像管装置
JP3640694B2 (ja) カラー受像管
JP2002197990A (ja) 陰極線管装置
JP2000123756A (ja) カラー陰極線管
JPH11167880A (ja) カラーブラウン管
JP2004022495A (ja) 陰極線管装置
KR100708636B1 (ko) 전극조립체와 이를 이용한 다이나믹 포커스 전자총
JP2004022232A (ja) 陰極線管装置
JP2004265604A (ja) 陰極線管装置
JPH02135650A (ja) カラー陰極線管
KR20020029869A (ko) 칼라음극선관 장치
JP2003151464A (ja) 陰極線管装置
JP2000285823A (ja) カラーブラウン管装置