JP2002197990A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

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JP2002197990A
JP2002197990A JP2000397297A JP2000397297A JP2002197990A JP 2002197990 A JP2002197990 A JP 2002197990A JP 2000397297 A JP2000397297 A JP 2000397297A JP 2000397297 A JP2000397297 A JP 2000397297A JP 2002197990 A JP2002197990 A JP 2002197990A
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electron beam
lens
grid
ray tube
cathode ray
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English (en)
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Tsutomu Takegawa
勉 武川
Hirobumi Ueno
博文 上野
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
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    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/48Electron guns
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    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/48Electron guns
    • H01J29/50Electron guns two or more guns in a single vacuum space, e.g. for plural-ray tube
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/58Electron beam control inside the vessel
    • H01J2229/582Electron beam control inside the vessel by electrostatic means

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡素な構造で蛍光体スクリーン全面でビームス
ポットの楕円歪を抑制し、蛍光体スクリーン全面で良好
なフォーカス特性を得られる安定した性能を有する陰極
線管装置を提供することを目的とする。 【解決手段】この陰極線管装置における電子銃構体は、
電子ビームの偏向量の増大に伴なって形成される4極子
レンズを含んでいる。この4極子レンズは、相対する2
個のグリッドG3−1及びG3−2によって形成され
る。これら2個のグリッドは、相対する面にそれぞれ非
円形の電子ビーム通過孔G3−11及びG3−21を備
えている。各電子ビーム通過孔は、電子ビームが通過す
る領域の水平方向径または垂直方向径を最小とするくび
れ部G3−12及びG3−22を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陰極線管装置に
係り、特に、蛍光体スクリーン周辺部におけるビームス
ポットの楕円歪を軽減して品位良好な画像を表示するカ
ラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー陰極線管は、同一水平面
上を通るセンタービームおよび一対のサイドビームから
なる水平方向に一列配置された3電子ビームを放出する
インライン型電子銃構体と、これら3電子ビームを水平
方向及び垂直方向に偏向する非斉一偏向磁界を発生する
偏向ヨークとを備えている。電子銃構体から放出された
3電子ビームは、偏向ヨークの発生する非斉一偏向磁界
により、蛍光体スクリーンに向けて自己集中されつつ、
蛍光体スクリーン上の対応する蛍光体層に集束される。
これにより、蛍光体スクリーン上に、カラー画像が表示
される。
【0003】3電子ビームを放出する電子銃として、Q
PF(Quadru−Potential Focu
s)型ダブルフォーカス方式の電子銃構体は、図8に示
すように、一列配置の3個のカソードKと、蛍光体スク
リーン方向に順次配置された一体に支持された構造の第
1乃至第6グリッドG1乃至G6とを備えている。各グ
リッドG1乃至G6は、それぞれ一列配置の3個のカソ
ードKに対応して3個の電子ビーム通過孔を有してい
る。
【0004】この電子銃構体では、カソードKに約15
0Vの電圧が印加され、第1グリッドG1は、接地され
ている。第2グリッドG2は、管内で第4グリッドG4
に接続され、約600Vの電圧が印加される。第3グリ
ッドG3は、管内で第5−1グリッドG5−1に接続さ
れ、約6KVのフォーカス電圧が印加される。第5−2
グリッドG5−2には、約6KVの基準電圧に電子ビー
ムの偏向量の増大に伴なって上昇する交流成分を重畳し
たダイナミックフォーカス電圧が印加される。第6グリ
ッドG6には、約26KVの陽極電圧が印加される。
【0005】電子ビーム発生部は、カソードK、第1グ
リッドG1、及び第2グリッドG2によって構成され、
電子ビームを発生し、かつ主レンズに対する物点を形成
する。プリフォーカスレンズは、第2グリッドG2、及
び第3グリッドG3によって構成され、電子ビーム発生
部から放出された電子ビームを予備集束する。サブレン
ズは、第3グリッドG3、第4グリッドG4、及び第5
−1グリッドG5−1によって構成され、プリフォーカ
スレンズで予備集束した電子ビームを更に予備集束す
る。主レンズは、第5−2グリッドG5−2、及び第6
グリッドG6によって構成され、予備集束された電子ビ
ームを、最終的に蛍光体スクリーン上に集束する。
【0006】電子ビームを蛍光体スクリーンの中央部に
集束する無偏向時には、電子ビーム発生部から発生され
た電子ビームは、プリフォーカスレンズ、サブレンズ、
及び主レンズによって蛍光体スクリーン上に集束され
る。このとき、第5−1グリッドG5−1と、第5−2
グリッドG5−2との間には、電位差が生じていないた
め、4極子レンズは形成されない。
【0007】一方、電子ビームを蛍光体スクリーン周辺
部に偏向する偏向時には、第5−2グリッドG5−2の
印加電圧が高くなり、第5−1グリッドG5−1と第5
−2グリッドG5−2との間に、電位差が形成され、4
極子レンズが形成される。この時に形成される4極子レ
ンズは、水平方向に集束作用を有するとともに垂直方向
に発散作用を有するような非点収差を有する。このと
き、同時に、第5−2グリッドG5−2と、第6グリッ
ドG6との電位差が小さくなり、主レンズのレンズ強度
が低下する。これにより、電子ビームが蛍光体スクリー
ンまで到達する距離の増大によるフォーカスずれを補正
し、非斉一磁界により生ずる偏向収差を補償する。
【0008】ところで、カラー陰極線管の画質を良好に
するためには、蛍光体スクリーン上でのフォーカス特性
を良好にすることが必要である。特に、一列配置の3電
子ビームを放出する電子銃構体を封入した方式のカラー
陰極線管においては、蛍光体スクリーン上のビームスポ
ットが、図9の(a)に示すように、偏向収差によって
コアの楕円歪及びにじみを発生することが問題となる。
【0009】一般的に、ダブルフォーカス方式の電子銃
構体のように、主レンズを形成する低電圧側電極を第5
−1グリッドG5−1及び第5−2グリッドG5−2、
といったように、複数のグリッドで構成し、これらのグ
リッド間に電子ビームの偏向に応じて4極子レンズを発
生させることにより、偏向収差を補償する方式は、図9
の(b)に示すように、にじみの問題を改善できる。
【0010】ところが、図9の(b)に示すように、蛍
光体スクリーン水平軸端、対角軸端では、依然としてビ
−ムスポットの楕円歪が残る。これは、サブレンズ、4
極子レンズ、主レンズ、及び偏向磁界に含まれる偏向収
差成分を総合的に1個のレンズと考えた場合に、水平方
向のレンズ倍率が大きくなり、垂直方向のレンズ倍率が
小さくなることによって生じる。そのため、ビームスポ
ットの垂直方向径が過小となり、シャドウマスクとの干
渉によるモアレ等を引きおこし、ビームスポットで文字
等を構成した場合、見づらくなるという問題が発生す
る。
【0011】この対策として、2重4極子方式と呼ばれ
る構造の電子銃構体が提案されている。この電子銃構体
は、図10に示すように、概略の構成は、図8に示した
構造と同一であるが、第3グリッドG3を第3−1グリ
ッドG3−1と第3−2グリッドG3−2とによって構
成している。この第3−2グリッドG3−2は、第5−
2グリッドG5−2に接続され、偏向時にダイナミック
フォーカス電圧が印加される。
【0012】この電圧印加により、偏向時には、第3−
1グリッドG3−1と第3−2グリッドG3−2との間
に、偏向磁界に同期して動的に変化する4極子レンズを
形成する。この4極子レンズは、水平方向に発散作用を
有するとともに垂直方向に集束作用を有する。すなわ
ち、この4極子レンズは、第5−1グリッドG5−1と
第5−2グリッドG5−2との間に形成される4極子レ
ンズとは逆極性の非点収差を有するように構成されてい
る。
【0013】これにより、第一の4極子レンズ、サブレ
ンズ、第二の4極子レンズ、主レンズ、及び偏向磁界に
含まれる偏向収差成分を総合的に1個のレンズと考えた
場合に、水平方向と垂直方向とのレンズ倍率を小さくす
ることができ、ビームスポットの楕円歪みを改善するこ
とができる。
【0014】ところで、この2重4極子方式の電子銃構
体は、従来のダブルフォーカス方式電子銃構体に比べ
て、よりレンズ強度の高い4極子レンズを必要とする。
特に、第一の4極子レンズは、通過する電子ビームの径
が小さいことから、十分な電子ビーム楕円歪の改善効果
を得るために、極めてレンズ強度の高い4極子レンズと
する必要がある。
【0015】4極子レンズを形成するためには、図12
の(a)及び(b)に示すように、4極スレンズを形成
するグリッドの対向面に設けられた電子ビーム通過孔の
一方を水平方向に長軸を有する横長孔とし、他方を垂直
方向に長軸を有する縦長孔とする方法が一般的である。
しかしながら、この方法では、十分なビームスポットの
楕円歪の改善効果を得るために必要なレンズ強度が得ら
れないことがある。
【0016】すなわち、図13の(a)及び(b)に示
すように、電子ビームが図中の左側から入射し、右側に
出射される場合を例に説明する。また、入射側グリッド
に印加される電圧をV1、出射側グリッドに印加される
電圧をV2とする場合、V1<V2であるものとする。
【0017】この場合、図13の(a)に示すように、
4極子レンズを通過する電子ビームは、垂直方向につい
て、入射側グリッドの垂直方向径が小さいため、4極子
レンズの入射側で強い集束作用を受ける。また、電子ビ
ームは、出射側グリッドの垂直方向径が大きいため、出
射側で弱い発散作用を受ける。この結果、4極子レンズ
は、垂直方向について、電子ビームに対して相対的に集
束作用を与える。
【0018】一方、図13の(b)に示すように、4極
子レンズを通過する電子ビームは、水平方向について、
入射側グリッドの水平方向径が大きいため、4極子レン
ズの入射側で弱い集束作用を受ける。また、電子ビーム
は、出射側グリッドの水平方向径が小さいため、出射側
で強い発散作用を受ける。この結果、4極子レンズは、
水平方向について、電子ビームに対して相対的に発散作
用を与える。
【0019】このような構成の4極子レンズは、入射側
のレンズ作用と、出射側のレンズ作用とが相反するた
め、レンズ作用の一部が相殺されることになり、強いレ
ンズ強度を得られない。
【0020】これを解決する方法として、図11の
(a)及び(b)に示すように、4極子レンズを形成す
るグリッドの対向面に設けられた電子ビーム通過孔の一
方に電子ビーム通過孔の水平端に衝立状の突出部を設
け、他方に電子ビーム通過孔の垂直端に衝立状の突出部
を設ける方法がある。
【0021】この方法によれば、レンズとして作用する
空間を電子ビーム進行方向に伸ばすことができるため、
電子ビームが4極子レンズ作用を受ける時間を長くする
ことが可能となり、強いレンズ強度を得ることができ
る。
【0022】しかしながら、この衝立状の突出部を形成
する場合には、生産性を考慮した場合、プレス加工によ
る切り起こし加工や曲げ加工を用いることが必須とな
る。これらの加工は、孔開け加工と比べて寸法精度が劣
る。このため、衝立状の突出部を形成するための寸法精
度を高めることが困難であり、結果として、4極子レン
ズ強度のばらつきや、意図しない電子ビームの偏向作用
を生じるなど、フォーカス性能のばらつきや劣化の原因
となる。また、電子ビームの進行方向に突出する構造の
ため、グリッドの電子ビーム進行方向の長さを短くする
ことができず、電子銃構体の設計上の自由度が制限され
るという欠点もある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カラ
ー陰極線管の画質を良好にするためには、蛍光体スクリ
ーン全面で良好なフォーカス状態を保ち、且つビームス
ポットの楕円歪を抑制することが必要である。従来のQ
PF型ダブルフォーカス方式の電子銃構体では、主レン
ズの低電圧側電極に適当なダイナミックフォーカス電圧
を印加することで、主レンズのレンズ強度を可変すると
同時に、動的に変化する4極子レンズを形成する。これ
により、偏向収差による電子ビームの垂直方向のにじみ
の発生が解消される。しかしながら、蛍光体スクリーン
周辺でのビームスポットの楕円歪は、依然として残る。
【0024】このビームスポットの楕円歪を緩和させる
ために、2重4極子方式を採用すれば、スクリーン全面
で円形のビームスポットが得られるが、この場合、カソ
ード側に配置された第一の4極子レンズに非常に高いレ
ンズ強度を必要とする。そのため、4極子レンズを形成
するための一般的な方法として、グリッドの対向面に設
けられた電子ビーム通過孔の一方を、水平方向に長軸を
有する横長孔とし、他方を、垂直方向に長軸を有する縦
長孔とする方法では、ビームスポットの楕円歪を十分に
改善するのに必要な強いレンズ強度を得られないことが
ある。
【0025】2重4極子方式で十分な効果を得るため
に、第一の4極子レンズを形成するためのグリッドの対
向面に衝立状の突出部を設ける方法がある。しかしなが
ら、この方法では、突出部の寸法精度を高めることが困
難であり、フォーカス性能がばらつきやすいといった欠
点がある。また、この方法では、グリッドの電子ビーム
の進行方向の長さに制約があり、設計上の自由度が制限
されるという欠点もある。さらに、突出部を設けるため
に部品点数が増えて、コストが増大するといった欠点も
ある。
【0026】この発明は、これら上記問題点を解決する
ために、簡素な構造で蛍光体スクリーン全面でビームス
ポットの楕円歪を抑制し、蛍光体スクリーン全面で良好
なフォーカス特性を得られる安定した性能を有する陰極
線管装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の陰極線管装置は、電
子ビームを発生する電子ビーム発生部と、電子ビーム発
生部から発生された電子ビームを蛍光体スクリーン上に
集束する主レンズとを含む電子銃構体と、前記電子銃構
体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に
偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備えた陰
極線管装置において、前記電子銃構体は、電子ビームの
偏向量の増大に伴なって形成される1個以上の多極子レ
ンズを含み、少なくとも1個の前記多極子レンズは、相
対する2個のグリッドによって形成され、これら2個の
グリッドは、相対する面にそれぞれ非円形の電子ビーム
通過孔を備え、各電子ビーム通過孔は、電子ビームが通
過する領域の水平方向径または垂直方向径を最小とする
くびれ部を有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の陰極線管装置の
一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】図4に示すように、この発明の陰極線管装
置、すなわちカラー陰極線管装置は、水平方向Hに一列
配置された3電子ビームを放出するインライン型電子銃
構体を備えた、いわゆるインライン型カラー陰極線管装
置である。このインライン型カラー陰極線管装置は、パ
ネル101と、ネック105と、パネル101とネック
105とを接続するファンネル102と、からなる外囲
器を有している。
【0030】パネル101は、略矩形状に形成され、そ
の内面に、赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞれ発
光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層及
びメタルバック層からなる蛍光体スクリーン103(タ
ーゲット)を備えている。また、このカラー陰極線管装
置は、蛍光体スクリーン103に対向する位置に所定の
間隔をおいて装着されたシャドウマスク104を有して
いる。このシャドウマスク104は、その内側に、電子
ビームを通過させるための多数のアパーチャを有してい
る。
【0031】ネック105は、管軸に一致する中心軸を
有する略円筒状に形成され、その内径の断面形状も略円
形である。このネック105は、その内部に、同一水平
面上を通る一列配置の3電子ビーム106B、106
G、106Rを放出する電子銃構体107、いわゆるイ
ンライン型電子銃構体を備えている。これら3電子ビー
ム106G、106B、106Rは、水平方向Hに一列
配置され、管軸方向Zに平行な方向に沿って放出され
る。
【0032】3電子ビームのうち、センタービームとし
ての電子ビーム106Gは、ネック105の中心軸に最
も近接した軌道を進行する。また、一対のサイドビーム
としての電子ビーム106B、106Rは、センタービ
ーム106Gの両サイドの軌道を進行する。
【0033】この電子銃構体107は、これら3電子ビ
ーム106(R、G、B)をそれぞれ蛍光体スクリーン
103に向けてコンバージェンスすると同時に、3電子
ビームを蛍光体スクリーン103上にフォーカスする。
【0034】また、このカラー受像管は、ファンネル1
02の外側に装着された偏向ヨーク108と、ファンネ
ル102の外側に形成された外部導電膜113と、ファ
ンネル102からネック105の一部にわたる内面に被
着形成された内部導電膜117と、を有している。内部
導電膜117は、陽極電圧を供給する陽極端子に導通さ
れている。
【0035】偏向ヨーク108は、電子銃構体107か
ら放出された3電子ビーム106(R、G、B)を偏向
するための非斉一磁界を形成する。この非斉一磁界は、
水平偏向コイルによって形成されるピンクッション型の
水平偏向磁界、及び垂直偏向コイルによって形成される
バレル型の垂直偏向磁界によって形成される。
【0036】このような構造のカラー陰極線管装置で
は、電子銃構体107から放出された3電子ビーム10
6(R、G、B)は、偏向装置108によって発生され
た非斉一磁界により、自己集中しながら偏向され、シャ
ドウマスク104を介して蛍光体スクリーン103を水
平方向H及び垂直方向Vに走査される。これにより、カ
ラー画像が表示される。
【0037】このカラー陰極線管に適用される電子銃構
体107は、図1に示すように、水平方向Hに一列配置
された3個のカソードK(B、G、R)と、これらのカ
ソードKを各別に加熱する図示しない3個のヒータと、
これらカソードKから蛍光体スクリーン103に向かう
管軸方向Zに順次配置された第1グリッドG1乃至第6
グリッドG6と、を備えている。これらカソードK
(R、G、B)及び各グリッドは、一対の絶縁支持体に
よって一体に支持されている。
【0038】第3グリッドG3は、少なくとも2つのセ
グメントによって構成され、図1に示すように、第2グ
リッドG2に近接した第1セグメントG3−1と、第4
グリッドG4に近接した第2セグメントG3−2とを有
している。また、第5グリッドG5は、少なくとも2つ
のセグメントによって構成され、図1に示すように、第
4グリッドG4に近接した第1セグメントG5−1と、
第6グリッドG6に近接した第2セグメントG5−2と
を有している。
【0039】第1グリッドG1、第2グリッドG2及び
第4グリッドG4は、板状の電極であり、その板面に、
水平方向Hに一列配置された3個のカソードK(R、
G、B)に対応して、3個の略円形の電子ビーム通過孔
を有している。
【0040】第3グリッドG3の第1セグメントG3−
1及び第2セグメントG3−2は、筒状電極であり、そ
れぞれの電極のカソードK側及び蛍光体スクリーン側の
両端面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して
3個の略円形の電子ビーム通過孔を有している。
【0041】第3グリッドG3の第1セグメントG3−
1は、図2の(a)に示すように、第2セグメントG3
−2との対向面に、水平方向Hに長軸をもつ非円形の電
子ビーム通過孔G3−11を有している。この電子ビー
ム通過孔G3−11は、電子ビームが通過する領域の垂
直方向径、すなわち通過する電子ビーム断面の中心を通
る垂直方向径を最小とするようなくびれ部G3−12を
有している。
【0042】また、第3グリッドG3の第2セグメント
G3−2は、図2の(b)に示すように、第1セグメン
トG3−1との対向面に、垂直方向Vに長軸をもつ非円
形の電子ビーム通過孔G3−21を有している。この電
子ビーム通過孔G3−21は、電子ビームが通過する領
域の水平方向径、すなわち通過する電子ビーム断面の中
心を通る水平方向径を最小とするようなくびれ部G3−
22を有している。
【0043】第5グリッドG5の第1セグメントG5−
1及び第2セグメントG5−2は、筒状電極であり、そ
れぞれの電極のカソードK側及び蛍光体スクリーン側の
両端面に、3個のカソードK(R、G、B)に対応して
3個の略円形の電子ビーム通過孔を有している。第5グ
リッドG5の第1セグメントG5−1は、第2セグメン
トG5−2との対向面に、垂直方向Vに長軸をもつ非円
形の電子ビーム通過孔を有している。また、第5グリッ
ドG5の第2セグメントG5−2は、第1セグメントG
5−1との対向面に、水平方向Hに長軸をもつ非円形の
電子ビーム通過孔を有している。
【0044】第6グリッドG6は、筒状電極であり、そ
のカソードK側及び蛍光体スクリーン側の両端面に、3
個のカソードK(R、G、B)に対応して3個の略円形
の電子ビーム通過孔を有している。
【0045】この電子銃構体では、カソード及び各グリ
ッドに、以下のように電圧が印加されている。
【0046】すなわち、カソードK(R、G、B)に
は、約100乃至150Vの電圧が印加されている。第
1グリッドG1は、接地されている。第2グリッドG2
は、管内で第4グリッドG4に接続され、これらには、
約500〜800Vの電圧が印加されている。
【0047】第3グリッドG3の第1セグメントG3−
1は、管内で第5グリッドG5の第1セグメントG5−
1に接続されている。これらのグリッドには、約6kV
の固定電圧すなわちフォーカス電圧Vf1が印加されて
いる。第3グリッドG3の第2セグメントG3−2は、
管内で第5グリッドG5の第2セグメントG5−2に接
続されている。これらのグリッドには、フォーカス電圧
Vf1と同等の約6kVの基準電圧Vf2に、電子ビー
ムの偏向量の増加にともなってパラボラ状に変化する交
流成分Vd電圧が重畳されたダイナミックフォーカス電
圧が印加されている。
【0048】このダイナミックフォーカス電圧は、カソ
ードから放出された電子ビームを蛍光体スクリーンの中
央に集束する無偏向時には、フォーカス電圧Vf1と同
等であり、カソードから放出された電子ビームを偏向し
て蛍光体スクリーンの周辺に集束する偏向時には、フォ
ーカス電圧Vf1より大きくなるように設定されてい
る。
【0049】第6グリッドG6は、約26kVの高電圧
すなわち陽極電圧Ebが印加されている。
【0050】上述したような電圧を印加することによ
り、カソードK、第1グリッドG1、及び第2グリッド
G2は、3電子ビームを発生しかつ後述する主レンズに
対する物点を形成する電子ビーム発生部すなわち3極部
を構成する。第2グリッドG2、及び第3グリッドG3
は、電子ビーム発生部から発生した3電子ビームを予備
集束するプリフォーカスレンズを構成する。
【0051】第3グリッドG3、第4グリッドG4、及
び第5グリッドは、プリフォーカスレンズによって予備
集束された3電子ビームをさらに予備集束するサブレン
ズを構成する。第5グリッドG5、及び第6グリッドG
6は、サブレンズ23によって予備集束された3電子ビ
ームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ
を構成する。
【0052】また、偏向時には、第3グリッドG3の第
1セグメントG3−1と、第2セグメントG3−2との
間に電位差が形成され、第一の4極子レンズが形成され
る。この第一の4極子レンズは、第3グリッドG3の第
1セグメントG3−1及び第2セグメントG3−2の互
いに対向する面に形成された非円形状の電子ビーム通過
孔により、水平方向Hに発散作用を有するとともに垂直
方向Vに集束作用を有するように構成される。
【0053】また、この偏向時には、同時に、第5グリ
ッドG5の第1セグメントG5−1と、第2セグメント
G5−2との間に電位差が形成され、第二の4極子レン
ズが形成される。この第二の4極子レンズは、第5グリ
ッドG5の第1セグメントG5−1及び第2セグメント
G5−2の互いに対向する面に形成された非円形状の電
子ビーム通過孔により、水平方向Hに集束作用を有する
とともに垂直方向Vに発散作用を有するように構成され
る。
【0054】次に、この電子銃構体におけるレンズ作用
について説明する。
【0055】まず、無偏向時における電子銃構体のレン
ズ作用について説明する。すなわち、第3グリッドG3
の第1セグメントG3−1及び第5グリッドG5の第1
セグメントG5−1に印加される固定のフォーカス電圧
Vf1と、第3グリッドG3の第2セグメントG3−2
及び第5グリッドG5の第2セグメントG5−2に印加
されるダイナミックフォーカス電圧(Vf2+Vd)と
がほぼ一致するため、第一の4極子レンズ及び第二の4
極子レンズは、形成されない。
【0056】このため、電子ビーム発生部のカソードK
から放出された電子ビームは、プリフォーカスレンズに
よって予備集束され、さらにサブレンズによって予備集
束される。サブレンズを通過した電子ビームは、主レン
ズ24によって最終的に蛍光体スクリーン103上に集
束される。この場合、蛍光体スクリーン103に入射す
る電子ビームの水平方向Hの入射角と、垂直方向Vの入
射角とを、ほぼ一致させることができる。この結果、図
9の(c)に示すように、蛍光体スクリーンの中央部に
おいて、円形のビームスポットを得ることができる。
【0057】続いて、偏向時における電子銃構体のレン
ズ作用について説明する。すなわち、電子ビームを蛍光
体スクリーンの周辺部に向けて偏向した場合、第3グリ
ッドG3の第2セグメントG3−2及び第5グリッドG
5の第2セグメントG5−2に印加されるダイナミック
フォーカス電圧(Vf2+Vd)は、第3グリッドG3
の第1セグメントG3−1及び第5グリッドG5の第1
セグメントG5−1に印加される固定のフォーカス電圧
Vf1より大きくなる。すなわち、電子ビームの偏向量
の増大に伴なって、ダイナミックフォーカス電圧(Vf
2+Vd)は、固定のフォーカス電圧Vf1に対する電
位差が大きくなるように変化する。
【0058】これにより、第3グリッドG3の第1セグ
メントG3−1と第2セグメントG3−2との間に、第
一の4極子レンズが形成される。また、第5グリッドG
5の第1セグメントG5−1と第2セグメントG5−2
との間に、第二の4極子レンズが形成される。
【0059】この第一の4極子レンズは、第1セグメン
トG3−1の第2セグメントG3−2との対向面にくび
れ部を有する水平方向に長軸を有する横長の電子ビーム
通過孔と、第2セグメントG3−2の第1セグメントG
3−1との対向面にくびれ部を有する垂直方向に長軸を
有する縦長の電子ビーム通過孔と、によって形成され
る。これにより、第一の4極子レンズは、垂直方向に相
対的に強い集束作用を有するとともに、水平方向に相対
的に強い発散作用を有する。
【0060】すなわち、図3の(a)及び(b)に示す
ように、電子ビームが図中の左側から入射し、右側に出
射される場合について説明する。また、入射側グリッド
に印加される電圧をV1、出射側グリッドに印加される
電圧をV2とする場合、V1<V2であるものとする。
【0061】この場合、図3の(a)に示すように、第
一の4極子レンズを通過する電子ビームは、垂直方向に
ついて、入射側グリッドの垂直方向径が小さいため、4
極子レンズの入射側で強い集束作用を受ける。また、こ
の電子ビームは、4極子レンズの出射側で強い集束作用
を受ける。これは、出射側グリッドの電子ビーム通過孔
は、垂直方向径が大きいが、電子ビームが通過する領域
すなわち電子ビームに作用するレンズ領域の水平方向径
を規制するくびれ部を有しているためであり、これによ
り、電界の浸透が減少し、レンズ中心軸付近の等電位面
が凹んだ形状となるためである。電子ビームは、等電位
面に垂直な方向に力を受けることから、出射側のレンズ
中心付近を通過する電子ビームは、強い集束作用を受け
ることになる。この結果、この第一の4極子レンズは、
垂直方向については、入射側及び出射側で電子ビームに
対して相対的に強い集束作用を与える。
【0062】一方、図3の(b)に示すように、第一の
4極子レンズを通過する電子ビームは、水平方向につい
て、4極子レンズの入射側で強い発散作用を受ける。こ
れは、入射側グリッドの電子ビーム通過孔は、水平方向
径が大きいが、電子ビームが通過する領域の垂直方向径
を規制するくびれ部を有しているためであり、これによ
り、電界の浸透が減少し、レンズ中心軸付近の等電位面
が凹んだ形状となるためである。電子ビームは、等電位
面に垂直な方向に力を受けることから、入射側のレンズ
中心付近を通過する電子ビームは、強い発散作用を受け
ることになる。また、電子ビームは、出射側グリッドの
水平方向径が小さいため、4極子レンズの出射側で強い
発散作用を受ける。この結果、第一の4極子レンズは、
水平方向について、入射側及び出射側で電子ビームに対
して相対的に強い発散作用を与える。
【0063】このような偏向時において、電子ビーム発
生部のカソードKから放出された電子ビームは、プリフ
ォーカスレンズによって予備集束され、第一の4極子レ
ンズによって垂直方向に強い集束作用を受けるとともに
水平方向に強い発散作用を受ける。続いて、この電子ビ
ームは、サブレンズによって予備集束され、第二の4極
子レンズによって水平方向に集束作用を受けるとともに
垂直方向に発散作用を受ける。最後に、この電子ビーム
は、主レンズによって最終的に蛍光体スクリーン103
上に集束される。このとき、主レンズを形成する第5グ
リッドG5の第2セグメントG5−2と第6グリッドG
6との間の電位差が電子ビームの偏向量の増大に伴なっ
て縮小するため、主レンズのレンズ強度は、無偏向時よ
り弱くなる。
【0064】これらのレンズ作用により、非斉一偏向磁
界に含まれる偏向収差成分と、第一の4極子レンズで生
じた電子ビームの発散角の変化と、電子ビームが蛍光体
スクリーンまで到達する距離の増大分とを補償すること
が可能となる。この結果、主レンズで最終的に集束され
蛍光体スクリーンの周辺部に到達した電子ビームは、第
一の4極子レンズ、サブレンズ、第二の4極子レンズ、
主レンズ、偏向収差成分を総合的に1個のレンズと考え
た場合の水平方向及び垂直方向のレンズ倍率差を緩和す
ることができる。
【0065】結果として、図9の(c)に示すように、
蛍光体スクリーンの周辺部でのビームスポットの楕円歪
を改善することができ、略円形とすることが可能とな
る。
【0066】上述したように、この実施の形態によるカ
ラー陰極線管装置によれば、電子ビームの偏向量に応じ
て主レンズのレンズ強度を可変すると同時に、動的に変
化する4極子レンズを形成することにより、偏向収差に
よる電子ビームの垂直方向のにじみの発生を解消するこ
とができる。また、このカラー陰極線管装置によれば、
2重4極子方式を採用することにより、蛍光体スクリー
ン全面において、ビームスポットの楕円歪みを緩和し、
略円形のビームスポットを得ることが可能となる。
【0067】さらに、このカラー陰極線管装置によれ
ば、第一の4極子レンズを形成するグリッドに設けられ
る非円形電子ビーム通過孔のくびれ部は、プレスによる
孔開け加工で形成できるため、寸法精度を向上すること
が容易であり、安定したフォーカス性能を得ることが可
能である。また、これらのグリッドは、電子ビームの進
行方向に突出する構造をもたないため、第3グリッドに
おける2つのセグメントの間隔の制約がほとんど無くな
り、レンズ倍率やフォーカス電圧などの電子銃設計に対
する自由度を高めることが可能となる。
【0068】なお、この発明のカラー陰極線管装置は、
上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0069】例えば、図5に示すような電子銃構体は、
以下のように構成されている。すなわち、基本的な構成
は、上述した実施の形態と同様の構造であって、第3グ
リッドG3の第1セグメントG3−1と、第2セグメン
トG3−2との間に、垂直方向に相対的に強い集束作用
を有するとともに水平方向に相対的に強い発散作用を有
する第一の4極子レンズを形成し、第二の4極子レンズ
も強いレンズ強度を有するように構成したものである。
【0070】すなわち、第5グリッドG5の第1セグメ
ントG5−1及び第2セグメントG5−2は、筒状電極
であり、それぞれの電極のカソードK側及び蛍光体スク
リーン側の両端面に、3個のカソードK(R、G、B)
に対応して3個の略円形の電子ビーム通過孔を有してい
る。
【0071】第5グリッドG5の第1セグメントG5−
1は、図6の(a)に示すように、第2セグメントG5
−2との対向面に、垂直方向Vに長軸をもつ非円形の電
子ビーム通過孔G5−11を有している。この電子ビー
ム通過孔G5−11は、電子ビームが通過する領域の水
平方向径、すなわち通過する電子ビーム断面の中心を通
る水平方向径を最小とするようなくびれ部G5−12を
有している。
【0072】また、第5グリッドG5の第2セグメント
G5−2は、図6の(b)に示すように、第1セグメン
トG5−1との対向面に、水平方向Hに長軸をもつ非円
形の電子ビーム通過孔G5−21を有している。この電
子ビーム通過孔G5−21は、電子ビームが通過する領
域の垂直方向径、すなわち通過する電子ビーム断面の中
心を通る垂直方向径を最小とするようなくびれ部G5−
22を有している。
【0073】続いて、偏向時における電子銃構体のレン
ズ作用について説明する。すなわち、電子ビームを蛍光
体スクリーンの周辺部に向けて偏向した場合、第5グリ
ッドG5の第2セグメントG5−2に印加されるダイナ
ミックフォーカス電圧(Vf2+Vd)は、第5グリッ
ドG5の第1セグメントG5−1に印加される固定のフ
ォーカス電圧Vf1より大きくなる。すなわち、電子ビ
ームの偏向量の増大に伴なって、ダイナミックフォーカ
ス電圧(Vf2+Vd)は、固定のフォーカス電圧Vf
1に対する電位差が大きくなるように変化する。
【0074】これにより、第5グリッドG5の第1セグ
メントG5−1と第2セグメントG5−2との間に、第
二の4極子レンズが形成される。
【0075】この第二の4極子レンズは、第1セグメン
トG5−1の第2セグメントG5−2との対向面にくび
れ部を有する垂直方向に長軸を有する縦長の電子ビーム
通過孔と、第2セグメントG5−2の第1セグメントG
5−1との対向面にくびれ部を有する水平方向に長軸を
有する横長の電子ビーム通過孔と、によって形成され
る。これにより、第二の4極子レンズは、垂直方向に相
対的に強い発散作用を有するとともに、水平方向に相対
的に強い集束作用を有する。
【0076】すなわち、図7の(a)及び(b)に示す
ように、電子ビームが図中の左側から入射し、右側に出
射される場合について説明する。また、入射側グリッド
に印加される電圧をV1、出射側グリッドに印加される
電圧をV2とする場合、V1<V2であるものとする。
【0077】この場合、図7の(a)に示すように、第
二の4極子レンズを通過する電子ビームは、垂直方向に
ついて、4極子レンズの入射側で強い発散作用を受け
る。これは、入射側グリッドの電子ビーム通過孔は、垂
直方向径が大きいが、電子ビームが通過する領域の水平
方向径を規制するくびれ部を有しているためであり、こ
れにより、電界の浸透が減少し、レンズ中心軸付近の等
電位面が凹んだ形状となるためである。電子ビームは、
等電位面に垂直な方向に力を受けることから、入射側の
レンズ中心付近を通過する電子ビームは、強い発散作用
を受けることになる。また、電子ビームは、出射側グリ
ッドの垂直方向径が小さいため、4極子レンズの出射側
で強い発散作用を受ける。この結果、第二の4極子レン
ズは、垂直方向について、入射側及び出射側で電子ビー
ムに対して相対的に強い発散作用を与える。
【0078】一方、図7の(b)に示すように、第二の
4極子レンズを通過する電子ビームは、水平方向につい
て、入射側グリッドの水平方向径が小さいため、4極子
レンズの入射側で強い集束作用を受ける。また、この電
子ビームは、4極子レンズの出射側で強い集束作用を受
ける。これは、出射側グリッドの電子ビーム通過孔は、
水平方向径が大きいが、電子ビームが通過する領域すな
わち電子ビームに作用するレンズ領域の垂直方向径を規
制するくびれ部を有しているためであり、これにより、
電界の浸透が減少し、レンズ中心軸付近の等電位面が凹
んだ形状となるためである。電子ビームは、等電位面に
垂直な方向に力を受けることから、出射側のレンズ中心
付近を通過する電子ビームは、強い集束作用を受けるこ
とになる。この結果、この第二の4極子レンズは、水平
方向については、入射側及び出射側で電子ビームに対し
て相対的に強い集束作用を与える。
【0079】このような偏向時において、電子ビーム発
生部のカソードKから放出された電子ビームは、プリフ
ォーカスレンズによって予備集束され、第一の4極子レ
ンズによって垂直方向に強い集束作用を受けるとともに
水平方向に強い発散作用を受ける。続いて、この電子ビ
ームは、サブレンズによって予備集束され、第二の4極
子レンズによって水平方向に強い集束作用を受けるとと
もに垂直方向に強い発散作用を受ける。最後に、この電
子ビームは、主レンズによって最終的に蛍光体スクリー
ン103上に集束される。このとき、主レンズを形成す
る第5グリッドG5の第2セグメントG5−2と第6グ
リッドG6との間の電位差が電子ビームの偏向量の増大
に伴なって縮小するため、主レンズのレンズ強度は、無
偏向時より弱くなる。
【0080】これらのレンズ作用により、非斉一偏向磁
界に含まれる偏向収差成分と、第一の4極子レンズで生
じた電子ビームの発散角の変化と、電子ビームが蛍光体
スクリーンまで到達する距離の増大分とを補償すること
が可能となる。この結果、主レンズで最終的に集束され
蛍光体スクリーンの周辺部に到達した電子ビームは、第
一の4極子レンズ、サブレンズ、第二の4極子レンズ、
主レンズ、偏向収差成分を総合的に1個のレンズと考え
た場合の水平方向及び垂直方向のレンズ倍率差をさらに
緩和することができる。
【0081】結果として、図9の(c)に示すように、
蛍光体スクリーンの周辺部でのビームスポットの楕円歪
を改善することができ、略円形とすることが可能とな
る。
【0082】上述したように、この実施の形態によるカ
ラー陰極線管装置によれば、蛍光体スクリーン全面にお
いて、ビームスポットの楕円歪みを緩和し、略円形のビ
ームスポットを得ることが可能となる。
【0083】また、このカラー陰極線管装置によれば、
第二の4極子レンズを形成するグリッドに設けられる非
円形電子ビーム通過孔のくびれ部は、プレスによる孔開
け加工で形成できるため、寸法精度を向上することが容
易であり、安定したフォーカス性能を得ることが可能で
ある。さらに、これらのグリッドは、電子ビームの進行
方向に突出する構造をもたないため、第3グリッドにお
ける2つのセグメントの間隔の制約がほとんど無くな
り、レンズ倍率やフォーカス電圧などの電子銃設計に対
する自由度を高めることが可能となる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、簡素な構造で蛍光体スクリーン全面でビームスポッ
トの楕円歪を抑制し、蛍光体スクリーン全面で良好なフ
ォーカス特性を得られる安定した性能を有する陰極線管
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の陰極線管装置に適用される
インライン型電子銃構体の構成を概略的に示す水平断面
図である。
【図2】図2の(a)は、図1に示した電子銃構体にお
ける第3グリッドの第1セグメントの構造を概略的に示
す斜視図であり、図2の(b)は、図1に示した電子銃
構体における第3グリッドの第2セグメントの構造を概
略的に示す斜視図である。
【図3】図3の(a)及び(b)は、それぞれ図1に示
した電子銃構体における第一の4極子レンズにおける垂
直方向及び水平方向のレンズ作用を説明するための図で
あり、第一の4極子レンズが形成する電界の等電位面を
示す図である。
【図4】図4は、この発明の一実施の形態にかかる陰極
線管装置の構成を概略的に示す水平断面図である。
【図5】図5は、この発明の陰極線管装置に適用される
他のインライン型電子銃構体の構成を概略的に示す水平
断面図である。
【図6】図6の(a)は、図5に示した電子銃構体にお
ける第5グリッドの第1セグメントの構造を概略的に示
す斜視図であり、図6の(b)は、図5に示した電子銃
構体における第5グリッドの第2セグメントの構造を概
略的に示す斜視図である。
【図7】図7の(a)及び(b)は、それぞれ図5に示
した電子銃構体における第二の4極子レンズにおける垂
直方向及び水平方向のレンズ作用を説明するための図で
あり、第二の4極子レンズが形成する電界の等電位面を
示す図である。
【図8】図8は、従来のQPF型ダブルフォーカス方式
の電子銃構体の構成を概略的に示す水平断面図である。
【図9】図9の(a)は、従来の電子銃構体において、
蛍光体スクリーン上のビームスポットに発生するにじみ
を説明するための図であり、図9の(b)は、従来の電
子銃構体において、蛍光体スクリーン上のビームスポッ
トに発生する楕円歪を説明するための図であり、図9の
(c)は、この発明の陰極線管装置による蛍光体スクリ
ーン上でのビームスポット形状を示す図である。
【図10】図10は、従来の2重4極子方式の電子銃構
体の構成を概略的に示す水平断面図である。
【図11】図11の(a)及び(b)は、それぞれ図1
0に示した電子銃構体における第一の4極子レンズを構
成するグリッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図12】図12の(a)及び(b)は、それぞれ従来
の電子銃構体における4極子レンズを形成するためのグ
リッドの構造を概略的に示す斜視図である。
【図13】図13の(a)及び(b)は、図12の
(a)及び(b)に示したグリッドによって形成される
4極子レンズの垂直方向及び水平方向のレンズ作用を説
明するための図である。
【符号の説明】
K(R、G、B)…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G3−1…第1セグメント G3−2…第2セグメント G4…第4グリッド G5…第5グリッド G5−1…第1セグメント G5−2…第2セグメント G6…第6グリッド 101…パネル 102…ファンネル 103…蛍光体スクリーン 104…シャドウマスク 105…ネック 106(R、G、B)…電子ビーム 107…電子銃構体 108…偏向ヨーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 博文 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5C041 AA03 AA12 AA14 AB07 AC05 AC35 AD02 AD03 AE01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームを発生する電子ビーム発生部
    と、電子ビーム発生部から発生された電子ビームを蛍光
    体スクリーン上に集束する主レンズとを含む電子銃構体
    と、 前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及
    び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨーク
    と、を備えた陰極線管装置において、 前記電子銃構体は、電子ビームの偏向量の増大に伴なっ
    て形成される1個以上の多極子レンズを含み、 少なくとも1個の前記多極子レンズは、相対する2個の
    グリッドによって形成され、これら2個のグリッドは、
    相対する面にそれぞれ非円形の電子ビーム通過孔を備
    え、各電子ビーム通過孔は、電子ビームが通過する領域
    の水平方向径または垂直方向径を最小とするくびれ部を
    有することを特徴とする陰極線管装置。
  2. 【請求項2】前記多極子レンズを形成する一方のグリッ
    ドに備えられた電子ビーム通過孔は、水平方向径を最小
    とするくびれ部を有し、前記多極子レンズを形成する他
    方のグリッドに備えられた電子ビーム通過孔は、垂直方
    向径を最小とするくびれ部を有することを特徴とする請
    求項1に記載の陰極線管装置。
  3. 【請求項3】前記多極子レンズは、水平方向に集束作用
    を有するとともに垂直方向に発散作用を有する4極子レ
    ンズであり、これらのレンズ作用は、電子ビームの偏向
    量の変化に伴なって変化することを特徴とする請求項1
    に記載の陰極線管装置。
  4. 【請求項4】前記4極子レンズを形成するために、前記
    電子ビーム発生部側に配置されたグリッドに備えられた
    電子ビーム通過孔は、水平方向径を最小とするくびれ部
    を有し、前記主レンズ側に配置されたグリッドに備えら
    れた電子ビーム通過孔は、垂直方向径を最小とするくび
    れ部を有することを特徴とする請求項3に記載の陰極線
    管装置。
  5. 【請求項5】前記主レンズ側に配置されたグリッドに
    は、電子ビームを偏向した際に、前記電子ビーム発生部
    側に配置されたグリッドの印加電圧より高い電圧が印加
    されることを特徴とする請求項4に記載の陰極線管装
    置。
  6. 【請求項6】前記多極子レンズは、水平方向に発散作用
    を有するとともに垂直方向に集束作用を有する4極子レ
    ンズであり、これらのレンズ作用は、電子ビームの偏向
    量の変化に伴なって変化することを特徴とする請求項1
    に記載の陰極線管装置。
  7. 【請求項7】前記4極子レンズを形成するために、前記
    電子ビーム発生部側に配置されたグリッドに備えられた
    電子ビーム通過孔は、垂直方向径を最小とするくびれ部
    を有し、前記主レンズ側に配置されたグリッドに備えら
    れた電子ビーム通過孔は、水平方向径を最小とするくび
    れ部を有することを特徴とする請求項6に記載の陰極線
    管装置。
  8. 【請求項8】前記主レンズ側に配置されたグリッドに
    は、電子ビームを偏向した際に、前記電子ビーム発生部
    側に配置されたグリッドの印加電圧より高い電圧が印加
    されることを特徴とする請求項7に記載の陰極線管装
    置。
  9. 【請求項9】前記電子銃構体は、前記電子ビーム発生部
    と前記主レンズとの間に、水平方向に集束作用を有する
    とともに垂直方向に発散作用を有する第一の4極子レン
    ズを備えているとともに、水平方向に発散作用を有する
    とともに垂直方向に集束作用を有する第二の4極子レン
    ズを備えたことを特徴とする請求項1に記載の陰極線管
    装置。
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