JPH09330670A - カラー陰極線管と電子銃および電極構造 - Google Patents

カラー陰極線管と電子銃および電極構造

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JPH09330670A
JPH09330670A JP14686496A JP14686496A JPH09330670A JP H09330670 A JPH09330670 A JP H09330670A JP 14686496 A JP14686496 A JP 14686496A JP 14686496 A JP14686496 A JP 14686496A JP H09330670 A JPH09330670 A JP H09330670A
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electrode
plate thickness
section
electron gun
uniform cross
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Norifumi Kikuchi
徳文 菊地
Yasunobu Amano
靖信 天野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造により加工コストおよび加工時間
を削減でき、歩留まりの向上がなされ、しかも高感度の
4重極フォーカシング特性を備える電極の構造および電
子銃と、カラー陰極線管を提供する。 【解決手段】 電子銃の4重極を構成する、2枚の対に
よる電極の構造であって、一方の電極6は、所定の厚み
の板材の抜き加工により形成された孔部6Aの左右ある
いは上下の揃断面14を備えて構成され、他方の電極7
は、上下あるいは左右に形成された一対の突出面15を
備えて構成される。孔部6Aの上下あるいは左右には挿
通孔6Bが形成され、この挿通孔6B内に非接触に、突
出面15が挿通される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管と
電子銃および電極構造に関し、とりわけ4重極の電極構
造と、この電極構造に基づく電子銃および、この電子銃
を備えるカラー陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管を用いたCRTディスプレイの
見やすさや解像度は、主として電子銃のフォーカス性能
に依存する。陰極線管の画素は、電子銃によって蛍光面
上に集束された電子ビームのスポットを、偏向ヨーク等
によって走査して形成されるが、近年は奥行寸法の改善
のため、偏向角度が大になる傾向がある。このように偏
向角度が大になる結果、偏向角度が小さい画面中心部に
形成される画素に比して、偏向角度が大である画面周辺
部の画素のフォーカス特性に問題が生じて解像度が劣化
することがあり、このためフォーカス性能を改善すべ
く、例えば電子ビームのスポットサイズやスポット形状
を制御する種々な工夫が試みられてきた。
【0003】例えば電子銃について、画面周辺の解像度
を改善するために、フォーカス電極部分に4重極を内蔵
させ、4重極補正とダイナミックフォーカス補正を同時
に行う電極構造が知られている。
【0004】図5は、代表的な電子銃の電極の構成の例
を模式的に示すものであり、4重極が1基内蔵されてい
る。同図に示されるように、熱陰極(KR、KG、K
B)1から蛍光面方向に向かい、順に第1電極2、第2
電極3、第3電極4、第4電極5、第5A電極6、第5
B電極7、第6電極8、シールドカップ9が配設されて
構成される。
【0005】第2電極3と第4電極5には低圧の制御電
圧が装荷され、また第5A電極6には、一定のフォーカ
ス電圧Vが装荷されている。さらに、第3電極4と第5
B電極7には、第5A電極6に加えられるフォーカス電
圧Vに、偏向に同期した電圧Vφが重畳されたダイナミ
ックフォーカス電圧が装荷される。
【0006】前記の構成の結果、第5A電極6と第5B
電極7の対形式により4重極が形成され、さらに第5B
電極7と第6電極8間でフォーカスレンズ強度が変化す
ることによって、画面周辺での電子ビームの形状が改善
される。
【0007】また図6は、4重極が2基形成された電子
銃の電極の構成例の模式図である。同図に示されるよう
に、この電子銃は熱陰極(カソード)1から蛍光面方向
に向かい、順に第1電極2、第2電極3、第3A電極1
0、第3B電極11、第4電極5、第5A電極6、第5
B電極7、第6電極8、シールドカップ9が配設されて
構成されている。ここで、第3A電極10と第3B電極
11間及び、第5A電極6と第5B電極7間にそれぞれ
4重極が形成される。
【0008】第3B電極11と第5A電極6には一定の
フォーカス電圧Vが、また第3A電極10と第5B電極
7には可変フォーカス電圧V+Vφが、それぞれ装荷さ
れる。第3A電極10と第3B電極11の対形式によ
り、また第5A電極6と第5B電極7の対形式により、
2つの4重極が形成され、前記の構成例よりも更に、画
面周辺での電子ビーム形状を改善して、画面中央の電子
ビーム形状に近づけることが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】つぎに、前記の各電極
の構造につき述べる。前記の図5あるいは図6に示され
た第5A電極6と第5B電極7、または、第3A電極1
0と第3B電極11の対で形成される4重極は、従来、
図7〜図10に示されるような構造で実現されている。
【0010】まず、図7および図8に示される構造は、
抜き加工プレスにより製造されるもので、対形式の一方
の電極106は図中で横方向に狭い開口の孔部106A
を3個備え、また対形式の他方の電極107は図中で縦
方向に狭い開口の孔部107Aを3個備えている。
【0011】この構造の製造性は良好であるが、欠点と
して4重極の感度が低く、効果において優れないという
問題がある。とりわけ、電極106と107を第3A電
極と第3B電極(図参照)に適用した場合、電極間の電
子ビーム径が、第5A電極と第5B電極間の電子ビーム
径よりも小さいため、ビーム形状制御のためにより強い
4重極の感度が必要となるから、適切ではない。
【0012】また、図9に示される構造は、一方の電極
106が3個設けられた各孔部106Aの、例えば左右
端に垂直曲げプレスによる突出面106Bを有し、他方
の電極107が3個設けられた各孔部107Aの、例え
ば上下端に垂直曲げプレスによる突出面107Bを有
し、これら上下、左右の突出面106B、107Bが噛
み合うものである。この構造は、4重極の感度が高くな
るものの、電子銃部品に要求されるバレル研磨等の表面
処理、水素焼鈍等の熱処理後の寸法精度において問題が
生じ、加えて製造コストがかかるという不都合があっ
た。
【0013】そこで、前記各構成の折衷として図10に
示される構造が提案されたが、第5A電極、あるいは第
3A電極である電極108は、その孔部108Aを抜き
加工の抜き面によって構成するため、抜き加工時に発生
する破断面の処理加工を各孔部108Aの全面について
実施しなければならず、加工コストおよび加工時間がか
かる上、歩留まりの向上が困難といった問題点があっ
た。
【0014】本発明は従来技術の前記のような課題や欠
点を解決するためなされたもので、簡単な構造により加
工コストおよび加工時間を削減でき、歩留まりの向上が
なされ、しかも高感度の4重極フォーカシング特性を備
える電極の構造および電子銃の提供と、カラー陰極線管
の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明に係る電子銃の電極の構造は、電子銃の4重極を
構成する対形式による電極の構造であって、前記対形式
における一方の電極は、所定の厚みの板材に形成された
孔部の左右壁面あるいは上下壁面いずれかの壁面の少な
くとも一部分を形成する揃断面を備えて構成され、他方
の電極は、上下あるいは左右に形成された一対の突出面
を備えて構成されたことを特徴とする。
【0016】したがって、例えば孔部を抜き加工等で形
成した際に、孔部壁面の一部分を形成する揃断面のみが
高寸法精度かつ円滑な表面状態となればよく、壁面の他
の部分には、高精度や高平坦度が要求されないゆえ、処
理加工の簡素化がなされ、加工コストおよび加工時間が
削減されるとともに、高感度の4重極フォーカシング特
性が実現される。
【0017】とりわけ、一方の電極に形成された孔部壁
面の一部分に揃断面が構成され、この揃断面が、壁面の
中央に位置して板面に垂直に板厚方向に形成された抜面
部分と、この抜面部分に連接して板厚方向に壁面の縁に
至り形成された曲面部分とによって構成される場合は、
孔部の他の壁面が効果に影響を与えず、よって加工工程
および加工時間が短縮される。
【0018】また、揃断面の板厚方向寸法が、総板厚の
33%以上である場合は、板面に垂直に板厚方向に抜面
部分を形成させるための加工が短時間でなされ、よって
一般用の陰極線管に適する安価な電極製造ができ、ま
た、総板厚の50%以上である場合は、比較的短時間の
加工で好ましい高特性の電極製造がなされ、よって高精
細度の陰極線管に適する電極製造が低コストでなされ
る。
【0019】さらに、揃断面の板厚方向寸法が、総板厚
の60%以上である場合は、超高特性の電極製造がなさ
れ、よって超高精細度の陰極線管に適する電極の製造が
高歩留まりでなされる。
【0020】本発明の電子銃は、一方の電極に形成され
た孔部の上下両端あるいは左右両端に隣接して、前記孔
部よりも開口寸法が大である挿通孔がそれぞれ配設さ
れ、挿通孔内に他方の電極の一対の突出面が、挿通孔壁
面に非接触にそれぞれ貫挿される。この結果、対形式の
電極間の電位が良好に形成され、高フォーカシング特性
が実現される。加えて、組み付け時の省スペース性も併
せ実現される。
【0021】本発明のカラー陰極線管は、電子銃の4重
極を構成する対形式による電極を備え、前記対形式にお
ける一方の電極は、所定の厚みの板材に形成された孔部
の左右壁面あるいは上下壁面いずれかの壁面の、少なく
とも一部分に揃断面を備えて構成され、他方の電極は、
上下あるいは左右に形成された突出面を備えて構成さ
れ、かつ前記揃断面を備える電極と前記突出面を備える
電極のうちの片方を、カソードに近い側に配設し、他の
電極を隣接してカソードから遠い側に配設して構成され
る。この結果、簡素化された工程で電極の製造がなさ
れ、よって画面周辺の解像度が改善されたカラー陰極線
管が、より低コスト製造される。
【0022】とりわけ、揃断面が孔部壁面の中央に位置
して板面に垂直に板厚方向に形成された抜面部分と、前
記抜面部分に連接して板厚方向に壁面の縁に至り形成さ
れた曲面部分とによって構成される場合には、より簡素
化された工程で優れたフォーカス特性のカラー陰極線管
が実現される。
【0023】また、揃断面の板厚方向寸法が、総板厚の
33%以上として構成される場合は、比較的簡単な構造
で、一般用途向けに十分なビーム制御特性が確保され、
総板厚の50%以上として構成される場合は、高精細度
用途のカラー陰極線管が簡単な加工によって製造され
る。
【0024】さらに、揃断面の板厚方向寸法が、総板厚
の60%以上として構成される場合は、超高精細度用途
のカラー陰極線管が高歩留まりで製造される。
【0025】また、本発明に係るカラー陰極線管が、前
記一方の電極に形成された孔部の上下両端あるいは左右
両端に隣接して、前記孔部よりも開口寸法が大である挿
通孔がそれぞれ設けられ、前記挿通孔内に前記他方の電
極の前記一対の突出面が、前記挿通部に非接触にそれぞ
れ貫挿されて配設された電子銃を備えるものである場合
は、優れた4重極フォーカシング特性が実現され、画面
周辺での電子ビームの形状が改善され、解像度の改善度
合いのばらつきが抑制され、よって画面周辺の解像度の
優れたカラー陰極線管の製造が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る電極
構造の一実施形態の要部の切欠分解斜視図である。さら
に図2は、その断面図であり、図3は、抜き加工により
形成された電極の正面図である。
【0027】図1および図2に示されるように、本発明
に係る電極構造D1は、一対(2枚)の電極6、7が非
接触に対峙して配設される。
【0028】一方の電極6は、例えばSUS等による、
厚さが0.15〜1.5mm程度であり、縦横寸法が約
5mm角程度の厚板材に、R、G、Bの3ビームがそれ
ぞれ通過する3個の孔部6A(図3参照)と、この孔部
6Aに隣接して上下に挿通孔6Bが、抜き加工により孔
部6Aと一体に形成されている。孔部6Aの図中、左右
の壁面部分は、4重極を形成する揃断面14、14と、
4重極形成に寄与しない上下端面12、12および、同
様に4重極形成に寄与しない、上下端面12、12にそ
れぞれ連設された曲面状の拡張面13、13とで構成さ
れている。
【0029】したがって、両揃断面14、14間に孔部
6Aが形成され、また上下端面12および拡張面13間
に挿通孔6Bが形成されることになる。挿通孔6Bの図
中の横方向寸法は、孔部6Aの横方向寸法、すなわち両
揃断面14、14間の距離よりも若干大きく形成され、
これら挿通孔6B内に後述する他方の電極7の突出面1
5が非接触に挿通される。本実施形態では、一方の電極
6の左右両揃断面14、14と、他方の電極7の上下両
突出面15、15により4重極が形成される。したがっ
て、上下端面12および拡張面13は4重極形成に寄与
しない。
【0030】孔部6Aの壁面は、揃断面14と、隣接す
る破断面18によって構成される。さらに、揃断面14
は、孔部6Aの壁面の中央に位置して、電極6の板面に
垂直に板厚方向に形成された抜面部分17と、この抜面
部分17に連接して板厚方向に壁面の縁に至り形成され
た曲面部分16とによって構成される。本実施形態で
は、抜面部分17は平坦な面状に加工される。
【0031】ここで、理想的には、揃断面14の曲面部
分16と破断面18は限りなく小さく、揃断面14の抜
面部分17が限りなく大きいのが、4重極の効果からは
望ましい。通常のプレス加工の例では、板厚0.5mm
に対して、曲面部分16が0.1mm、抜面部分17が
0.15mm、破断面18が0.25mm程度である。
この場合、曲面部分16の形状は金型によって決まるの
で、比較的安定しているが、破断面18は材料ロットな
どの要因により、その状態が変化し、陰極線管の解像度
のばらつきに影響を及ぼす場合がある。
【0032】本発明は、孔部6Aの上下端面12と拡張
面13を、通常のプレス加工による表面状態のままと
し、揃断面14が形成される左右壁面のみに、例えば公
差40μmの高寸法精度のシェービング(あるいはファ
インブランキング)等の特殊プレス加工を施すことによ
り、揃断面14の抜面部分17を大きくとるようにす
る。
【0033】このように、本発明の構成によれば、一方
の電極については揃断面14のみが4重極形成に寄与す
るから、揃断面14のみに、とりわけ抜面部分17に高
寸法精度加工を施せばよく、よって4重極形成に寄与し
ない、上下端面12、12や拡張面13、13は粗抜き
のままでよく、よって高寸法精度加工を施す必要がな
い。この結果、加工工程の簡素化および時間短縮で加工
コストを削減でき、優れたフォーカシング性能の電極な
らびに電子銃を安価に製造することができる。
【0034】なお前記構成では、孔部の左右に揃断面を
備えたものであったが、孔部の上下に揃断面を備えた構
成も可能である。
【0035】ここで、曲面部分16と抜面部分17を合
わせた揃断面14の板厚方向の寸法を、総板厚(曲面部
分16、抜面部分17、破断面18の合計寸法)の33
%以上とした場合にフォーカシング効果が発揮され、こ
のフォーカシング効果は一般用途向けのカラー陰極線管
に十分に適用可能である。したがって、簡単な短時間の
工程で加工ができ、安価なカラー陰極線管の製造が可能
になる。
【0036】また、この4重極フォーカシング特性は、
揃断面の板厚方向の寸法を総板厚の50%の構成におい
てさらに顕著となり、高精細度用途向けのカラー陰極線
管に適用可能である。さらに、揃断面の板厚方向の寸法
を総板厚の60%以上になるよう、プレス加工を行うこ
とにより、極めて効果的な4重極フォーカシング特性を
実現することが可能になり、超高精細度用途向けのカラ
ー陰極線管を高歩留まりで製造できる。
【0037】なお、とりわけ高精度加工が要求される構
成においては、精密放電加工によって揃断面を形成させ
ることも可能である。
【0038】図1に戻って、他方の電極7は、垂直曲げ
加工により上下(あるいは左右)に開いて形成された一
対の突出面15、15と、電子ビームの通過孔7Aから
成る組を3組備えて構成される。各突出面15の幅寸法
は、一方の電極6に設けられた挿通孔6Bの幅寸法より
も若干狭く形成されている。
【0039】前記の電極を組み付けた電子銃は、他方の
電極7から突出する各突出面15が、一方の電極6に設
けられた挿通孔6B内に非接触で挿通される(図2参
照)。この構成により、両電極間の電位形成が良好にな
され、例えば一方の電極6が、図5に示される第5A電
極として、あるいは図6に示される第3B電極として適
用され、さらに他方の電極7が、図5に示される第5B
電極として、あるいは図6に示される第3A電極として
適用される際に、高感度の4重極フォーカシング特性が
実現され、よって陰極線管の画面周辺の解像度を大幅に
改善した電子銃の製造が可能になる。
【0040】同様に、前記電極構造を有し、あるいは前
記電子銃を備えることにより、優れたフォーカシング特
性のカラー陰極線管を高歩留まりで安価に製造できる。
【0041】図4は、本発明に係る電極構造の別の実施
形態の要部の切欠分解斜視図である。なお、前記実施形
態におけると同一部分には同一の符号を付けてあり、説
明は省略される。同図に示されるように、本実施形態に
係る電極構造D2は、一対(2枚)の電極56、7が非
接触に対峙して配設される。
【0042】板状の電極56に設けられた孔部56Aの
図中、左右の壁面は、壁面の略中央に穿たれた円弧状面
69と、この円弧状面69によって上下に分断された、
揃断面64および隣接する破断面68の組によって構成
される。この上下の揃断面64、64が、4重極の形成
に主として寄与する。
【0043】揃断面64は、電極56の板面に垂直に板
厚方向に形成された抜面部分67と、この抜面部分67
に連接して板厚方向に壁面の縁に至り形成された曲面部
分66とによって構成される。本実施形態では、抜面部
分67は平坦な面状に加工される。
【0044】一方、円弧状面69はマンドレルによる軸
組付け作業における治具使用を容易にし、製造工程での
生産性の向上に寄与するものである。この構成により、
組付け作業が簡素化された電子銃の製造が可能になり、
しかも両電極間の電位形成が良好になされることで、優
れた特性のカラー陰極線管を安価に製造することが可能
になる。
【0045】なお、前記実施形態では、揃断面を構成す
る抜面部分が平坦な面を構成するものであったが、本発
明はこれに限定されることなく、板面に垂直に板厚方向
に形成された他の形状の抜面部分を適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1に
係る電極の構造は、電子銃の4重極を構成する対形式に
よる板状の電極の構造であって、対形式における一方の
電極は、所定の厚みの板材に形成された孔部の左右壁面
あるいは上下壁面いずれかの壁面の少なくとも一部分を
形成する揃断面を備えて構成され、他方の電極は、上下
あるいは左右に形成された一対の突出面を備えて構成さ
れたものであるから、抜き加工を行った孔部壁面の、一
部分のみを高寸法精度かつ円滑な表面状態として揃断面
を形成させればよい。したがって孔部壁面の他の部分に
は、高精度が要求されないゆえ、処理加工を簡素化でき
てコスト低減が可能になり、その効果は製造においてと
りわけ顕著である。このような、加工コストおよび加工
時間の削減と、歩留まり向上に加えて、さらに高感度の
4重極フォーカシング特性を実現できるという顕著な効
果がある。
【0047】本発明の請求項2に係る電極の構造は、一
方の電極に形成された孔部の左右壁面あるいは上下壁面
いずれかの壁面の少なくとも一部分を形成する揃断面が
構成され、この揃断面は中央に位置する抜面部分と、こ
の抜面部分に隣接して壁面の縁に至り形成された曲面部
分とによって構成されるものであるから、孔部の他の壁
面は効果に影響を与えることがなく、よって加工工程お
よび加工時間ならびに加工コスト上、有利となる。
【0048】本発明の請求項3に係る電極の構造は、一
方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、総板厚
の33%以上とするから、短時間の平坦面加工で製造で
き、よって一般用の陰極線管に適する安価な電極を容易
に製造することができる。
【0049】本発明の請求項4に係る電極の構造は、一
方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、総板厚
の50%以上とするから、比較的短時間の平坦面加工で
好ましい高特性の電極製造ができ、よって精細度が要求
される用途の陰極線管に適する電極を低コストで製造す
ることができる。
【0050】本発明の請求項5に係る電極の構造は、一
方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、総板厚
の60%以上とするから、高平坦度加工で超高特性の電
極製造ができ、よってとりわけ高精細度が要求される用
途の陰極線管に適する電極を歩留まりよく製造すること
ができる。
【0051】本発明の請求項6に係る電子銃は、一方の
電極に形成された孔部の両端に開口寸法が大である挿通
孔がそれぞれ配設され、挿通孔内に他方の電極の一対の
突出面が、挿通孔壁面に非接触にそれぞれ貫挿されるも
のであるから、高フォーカシング特性を実現できるのみ
ならず、組み付け時の省スペース性を向上できるという
効果がある。
【0052】本発明の請求項7に係るカラー陰極線管
は、電子銃の4重極を構成する対形式による電極を備
え、対形式における一方の電極は、所定の厚みの板材に
形成された孔部の左右壁面あるいは上下壁面いずれかの
壁面の、少なくとも一部分に揃断面を有し、他方の電極
は、上下あるいは左右に形成された突出面を有し、か
つ、これら揃断面を備える電極と突出面を備える電極の
うちの片方を、カソードに近い側に配設し、他の電極を
隣接してカソードから遠い側に配設するものであるか
ら、簡素化された工程で電極の製造が可能になり、よっ
て画面周辺の解像度が改善されたカラー陰極線管を、よ
り安価に製造することができる。
【0053】本発明の請求項8に係るカラー陰極線管
は、一方の電極に形成された孔部の左右壁面あるいは上
下壁面いずれかの壁面の中央に位置する抜面部分と、こ
の抜面部分に連接して壁面の縁に至り形成された曲面部
分によって揃断面を構成するものであるから、より簡素
化された工程で優れたフォーカス特性のカラー陰極線管
を製造することができるという利点がある。
【0054】本発明の請求項9に係るカラー陰極線管
は、一方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、
総板厚の33%以上として構成するから、比較的簡単な
構造であるにもかかわらず、一般用途向けに十分なビー
ム制御特性を確保できるという効果がある。
【0055】本発明の請求項10に係るカラー陰極線管
は、一方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、
総板厚の50%以上として構成するから、簡単な加工
で、高精細度用途のカラー陰極線管を低コストで製造で
きるという効果がある。
【0056】本発明の請求項11に係るカラー陰極線管
は、一方の電極に形成された揃断面の板厚方向寸法を、
総板厚の60%以上として構成するから、超高精細度用
途のカラー陰極線管を高歩留まりで製造できるという効
果がある。
【0057】本発明の請求項12に係るカラー陰極線管
は、一方の電極に形成された孔部の、揃断面が形成され
ない上下あるいは左右両端に開口寸法が大である挿通部
をそれぞれ配設し、この挿通部内に他方の電極の一対の
突出面が、挿通部に非接触にそれぞれ貫挿されて配設さ
れた電子銃を備えるものであるから、優れた4重極フォ
ーカシング特性を実現でき、画面周辺での電子ビームの
形状が改善されることで、解像度の改善度合いのばらつ
きを、さらに小さく抑えることができ、よって画面周辺
の解像度の優れたカラー陰極線管の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極構造の一実施形態の切欠分解
斜視図である。
【図2】図1に示される電極構造の断面図である。
【図3】図1に示される一方の電極の正面図である。
【図4】本発明に係る電極構造の別の実施形態の切欠分
解斜視図である。
【図5】代表的な電子銃の電極の構成例の模式図であ
る。
【図6】他の電子銃の電極の構成例の模式図である。
【図7】従来の、対形式による一方の電極の正面図であ
る。
【図8】図6の電極と対形式を構成する、従来の他方の
電極の正面図である。
【図9】従来の、対形式による電極構造例の分解斜視図
である。
【図10】従来の、対形式による別の電極構造例の分解
斜視図である。
【符号の説明】
6……電極、6A……孔部、6B……挿通孔、7……電
極、7A……通過孔、12……上下端面、13……拡張
面、14……揃断面、15……突出面、16……揃断面
の曲面部分、17……揃断面の抜面部分、18……破断
面。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃の4重極を構成する対形式による
    板状の電極の構造であって、前記対形式における一方の
    電極は、所定の厚みの板材に形成された孔部の左右壁面
    あるいは上下壁面いずれかの壁面の少なくとも一部分を
    形成する揃断面を備えて構成され、他方の電極は、上下
    あるいは左右に形成された一対の突出面を備えて構成さ
    れたことを特徴とする電子銃の電極の構造。
  2. 【請求項2】 前記揃断面は、前記壁面の中央に位置し
    て板面に垂直に板厚方向に形成された抜面部分と、この
    抜面部分に連接して板厚方向に壁面の縁に至り形成され
    た曲面部分とによって構成されたことを特徴とする請求
    項1記載の電子銃の電極の構造。
  3. 【請求項3】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚の
    33%以上であることを特徴とする請求項1または2記
    載の電子銃の電極の構造。
  4. 【請求項4】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚の
    50%以上であることを特徴とする請求項1または2記
    載の電子銃の電極の構造。
  5. 【請求項5】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚の
    60%以上であることを特徴とする請求項1または2記
    載の電子銃の電極の構造。
  6. 【請求項6】 前記孔部の上下両端あるいは左右両端に
    隣接して、前記孔部よりも開口寸法が大である挿通孔が
    それぞれ設けられ、前記挿通孔内に前記他方の電極の前
    記一対の突出面が、前記挿通孔壁面に非接触にそれぞれ
    貫挿されて配設されたことを特徴とする電子銃。
  7. 【請求項7】 電子銃の4重極を構成する対形式による
    電極を備え、前記対形式における一方の電極は、所定の
    厚みの板材に形成された孔部の左右壁面あるいは上下壁
    面いずれかの壁面の、少なくとも一部分に揃断面を備え
    て構成され、他方の電極は、上下あるいは左右に形成さ
    れた突出面を備えて構成され、かつ前記揃断面を備える
    電極と前記突出面を備える電極のうちの片方を、カソー
    ドに近い側に配設し、他の電極を隣接してカソードから
    遠い側に配設して構成したことを特徴とするカラー陰極
    線管。
  8. 【請求項8】 前記揃断面は、前記壁面の中央に位置し
    て板面に垂直に板厚方向に形成された抜面部分と、前記
    抜面部分に連接して板厚方向に壁面の縁に至り形成され
    た曲面部分とによって構成されたことを特徴とする請求
    項7記載のカラー陰極線管。
  9. 【請求項9】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚の
    33%以上であることを特徴とする請求項7または8記
    載のカラー陰極線管。
  10. 【請求項10】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚
    の50%以上であることを特徴とする請求項7または8
    記載のカラー陰極線管。
  11. 【請求項11】 前記揃断面の板厚方向寸法は、総板厚
    の60%以上であることを特徴とする請求項7または8
    記載のカラー陰極線管。
  12. 【請求項12】 前記孔部の上下両端あるいは左右両端
    に隣接して、前記孔部よりも開口寸法が大である挿通孔
    がそれぞれ設けられ、前記挿通孔内に前記他方の電極の
    前記一対の突出面が、前記挿通孔壁面に非接触にそれぞ
    れ貫挿されて配設された電子銃を備えたことを特徴とす
    る請求項7、8、9、10または11記載のカラー陰極
    線管。
JP14686496A 1996-06-10 1996-06-10 カラー陰極線管と電子銃および電極構造 Abandoned JPH09330670A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6646370B2 (en) 2000-12-27 2003-11-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Cathode-ray tube apparatus

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