JPH05325824A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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Publication number
JPH05325824A
JPH05325824A JP12702692A JP12702692A JPH05325824A JP H05325824 A JPH05325824 A JP H05325824A JP 12702692 A JP12702692 A JP 12702692A JP 12702692 A JP12702692 A JP 12702692A JP H05325824 A JPH05325824 A JP H05325824A
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JP
Japan
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electrode
slit
electrode plate
diameter
electron gun
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Application number
JP12702692A
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English (en)
Inventor
Satoru Endo
了 遠藤
Takeshi Mera
武 米良
Mitsuhiro Sugiyama
光浩 杉山
Ikuya Takahara
育也 高原
Kiyoshi Nakamura
潔 仲村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一体の電極板(G3a)にビーム通過穴(B
H)とスリット状凹部(SH)とを形成し、電極板(G
3a)の厚さTとスリット状凹部(SH)の深さtとの
関係が、t≧0.4T、電極板(G3a)のY方向の外
径Wとスリット状凹部(SH)のY方向の径dとの関係
が、1.2d≦W≦2.0dである構成。 【効果】スリット状凹部とビーム通過穴との位置ずれが
生じるのを防止できるので、非点収差補正を適切に行な
うことができ、また、スリット状凹部を設けた電極板と
ビーム通過穴を設けた電極板とを溶接により接合する必
要がないので、生産性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管に係り、特
に、陰極線管の電子銃の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー映像表示に用いる陰極線管(以下
カラーブラウン管という)は、映像スクリーンであるパ
ネル部、電子銃を収容するネック部、およびパネル部と
ネック部を連結するファンネル部とから構成され、上記
ファンネル部分には電子銃から発射された電子ビームを
パネル内面に塗布形成された蛍光面上を走査させる偏向
装置が装着される。
【0003】上記ネック部内に収容される電子銃は、カ
ソード電極、制御電極、集束電極、加速電極等の各種の
電極を備え、カソード電極からの電子ビームを制御電極
に印加される信号で変調し、集束電極、加速電極を通し
て所要の断面形状とエネルギーを付与して、上記蛍光面
に射突させる。電子ビームは、電子銃から蛍光面に達す
る途上において、ファンネル部に設けた前記偏向装置に
より、ファンネル部に設けた前記偏向装置により、水平
方向、垂直方向の偏向を受けることで、蛍光面上に映像
を形成するものである(特開昭59−215640号公
報)。
【0004】図16(a)は、従来の電子銃の電極(G
3電極)の平面図、図16(b)は、(a)の電極のB
−B′切断線における断面図である。図において、G3
はG3電極、G3aはG3電極G3を構成する第1の電
極板、G3bはG3電極G3を構成する第2の電極板、
G3cはG3電極G3を構成する第3の電極板、BHは
第2の電極板G3bに3個配列して設けたビーム通過
穴、SHは各ビーム通過穴BHに対応してその周囲の、
第1の電極板G3aに3個設けたスリット状凹部、B
H′はビーム通過穴BHより径の大きい第3の電極板G
3cに設けたビーム通過穴、BSはビードガラス(図示
せず)の支持部である。各ビーム通過穴BH、各スリッ
ト状凹部SH、各ビーム通過穴BH′はそれぞれ同軸に
形成されている。第1の電極板G3a、第2の電極板G
3b、第3の電極板G3cは、図16(b)に示すよう
に、積み重ねられ、溶接により接合され、一体化してい
る。スリット状凹部SHは、大電流域での非点収差補正
を行なうためのものである。なお、T′は第1の電極板
G3aと第2の電極板G3bの合計の厚さ、tはスリッ
ト状凹部SHの深さ、W″は第1の電極板G3aのY方
向(短径側)の外径、dはスリット状凹部SHのY方向
の径である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図16に示した従来技
術では、スリット状凹部SHを設けた第1の電極板G3
aとビーム通過穴BHを設けた第2の電極板G3bとを
溶接により接合しているので、それぞれ対応する各スリ
ット状凹部SHと各ビーム通過穴BHどうしの位置ずれ
が生じることがあり、この場合には、非点収差補正を適
切に行なうことができず、フォーカス特性がばらつき、
ハロー偏りが生じる問題がある。また、第1の電極板G
3aと第2の電極板G3bとを溶接により接合する必要
があるから、電極の生産性が低く、生産コストが増加す
る問題がある。
【0006】本発明の目的は、スリット状凹部とビーム
通過穴との位置ずれを防止し、電極の精度を向上し、か
つ、電極の生産性を向上し、生産コストを低下すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、複数個のビーム通過穴と各上記ビーム
通過穴に対応して各上記ビーム通過穴の周囲に設けたス
リット状凹部とを形成した電極を含んでなる電子銃を有
する陰極線管において、一体の電極板に上記ビーム通過
穴と上記スリット状凹部とを形成し、上記電極板の厚さ
Tと上記スリット状凹部の深さtとの関係が、t≧0.
4T、上記電極板のY方向(短径側)の外径Wと上記ス
リット状凹部のY方向(短径側)の径dとの関係が、
1.2d≦W≦2.0dである陰極線管が提供される。
【0008】
【作用】ビーム通過穴とスリット状凹部とを一体の電極
に形成したので、従来、ビーム通過穴とスリット状凹部
を別々に形成した2枚の電極板を積層し、溶接により接
合するときに生じやすい各スリット状凹部と各ビーム通
過穴どうしの位置ずれを防止することができ、電極の精
度を向上することができるので、非点収差補正を適切に
行なうことができる。また、従来、ビーム通過穴を設け
た電極板とスリット状凹部を設けた電極板とを別々に形
成し、これらの2枚の電極板を溶接により接合していた
のを、本発明では、1枚の電極板を形成するだけで済む
ので、組立工数を減少することができ、電極の生産性が
向上し、生産コストが低下する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1、図2を用い
て説明する。なお、図16に示したのと同様の部材には
同一符号を付してある。
【0010】図1(a)は、本発明の一実施例の電子銃
の電極(G3電極)の平面図、図1(b)は、(a)の
電極のA−A′切断線における断面図である。図におい
て、G3はG3電極、G3aはG3電極G3を構成する
第1の電極板、G3bはG3電極G3を構成する第2の
電極板、BHは第1の電極板G3aに3個設けたビーム
通過穴、SHは各ビーム通過穴BHに対応してその周囲
の、第1の電極板G3aに3個設けたスリット状凹部、
BH′はビーム通過穴BHより径の大きい第2の電極板
G3bに設けたビーム通過穴、BSはビードガラス(図
示せず)の支持部である。各ビーム通過穴BH、各スリ
ット状凹部SH、各ビーム通過穴BH′はそれぞれ同軸
に形成されている。第1の電極板G3a、第2の電極板
G3bは、図1(b)に示すように、積み重ねられ、溶
接により接合され、一体化している。スリット状凹部S
Hは、大電流域での非点収差補正を行なうためのもので
ある。なお、Tは第1の電極板G3aの厚さ、tはスリ
ット状凹部SHの深さ、Wは第1の電極板G3aのY方
向(短径側)の外径、dはスリット状凹部SHのY方向
の径である。
【0011】このG3電極では、図1(b)に示すよう
に、各ビーム通過穴BHと各スリット状凹部SHとを一
体の電極である第1の電極板G3aに形成してある。第
1の電極板G3aの厚さTとスリット状凹部SHの深さ
tとの関係は、t≧0.4T(すなわち、t/T≧0.
4)…条件、第1の電極板G3aのY方向の外径Wと
スリット状凹部SHのY方向の径dとの関係は、1.2
d≦W≦2.0d(すなわち、1.2≦W/d≦2.
0)…条件である。本実施例では、T=1.2mm、t
=0.7mmで、t/T=0.58に設定し、W=6.4
mm、d=4mmで、W=1.6dに設定している。
【0012】図2(a)〜(c)は、それぞれ図1に示
した第1の電極板G3aを製作する工程を示す平面図で
ある。
【0013】まず、図2(a)に示すように、第1の電
極板G3aの形成用板材から形成すべき幅W′=W(完
成品の幅)+2mmの寸法に打ち抜く。次に、図2(b)
に示すように、所定のスリット状凹部SHをプレス成形
によるコイニング加工により形成する。なお、このとき
余肉EFが図示のように発生するが、この余肉EFは幅
W′方向の外形変形によって吸収される。これにより、
成形工具に加わる面圧が低下し、成形工具の破損を防止
することができる。次に、成形後は、図2(c)に示す
ように、正規の外形寸法と3個のビーム通過穴BHを同
時に打ち抜くことによって完成品である第1の電極板G
3aを得る。すなわち、上記条件のスリット状凹部S
Hを高加工度にコイニング加工する場合は、プレス成形
による図2(b)に示すような幅W′方向の形状変化に
より、余肉EFを吸収することが必要であり、そのため
は、上記条件が不可欠であり、この条件から外れる
と、余肉吸収作用が損なわれ、スリット状凹部SHの形
成が不可能となる。この変形は、コイニング加工終了
後、正規の寸法に打ち抜くことにより解消する。
【0014】本実施例では、ビーム通過穴BHとスリッ
ト状凹部SHとを一体の電極である第1の電極板G3a
に形成したので、従来、ビーム通過穴とスリット状凹部
を別々に形成した2枚の電極板を積層し、溶接により接
合するときに生じやすい各スリット状凹部SHと各ビー
ム通過穴BHどうしの位置ずれを防止することができ、
G3電極の精度を向上することができるので、非点収差
補正を適切に行なうことができる。その結果、フォーカ
ス特性のばらつき、すなわち、ハロー偏りを改善するこ
とができる。また、従来、ビーム通過穴を設けた電極板
とスリット状凹部を設けた電極板とを別々に形成し、こ
れらの2枚の電極板を溶接により接合していたのを、本
発明では、1枚の第1の電極板G3aを形成するだけで
済むので、組立工数を減少することができ、電極の生産
性が向上し、生産コストが低下する。
【0015】以下、本発明が適用可能なカラーブラウン
管について具体的に説明する。
【0016】図3は本発明の一実施例を示す概略構成図
であって、1はパネル、2はファンネル、3はネック
部、4は蛍光面(画面)、5はシャドウマスク、6は磁
気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリティ調整マグ
ネット、9はセンタービームスタティックコンバーゼン
ス調整マグネット、10はサイドビームスタティックコ
ンバーゼンス調整マグネット、11は電子銃、またBc
はセンタービーム、Bsはサイドビームである。
【0017】このようなカラーブラウン管のコンバーゼ
ンス調整(スタティックコンバーゼンス)は、まず2本
のサイドビームBs、Bsのコンバーゼンスを取った
後、センタービームBcと上記サイドビームBsのコン
バーゼンス点とを集中させるようにしている。
【0018】また、パネル1の外表面には、必要により
反射、帯電を防止する例えばSnO2、In23等を含
む薄膜が一層又は多層に形成されている。さらに図示し
ないがファンネル2、ネック3の内表面には黒鉛などか
らなる内装導電膜が被着されており、導電膜としてはア
ーク抑制を目的として黒鉛に加えて二酸化チタン等を含
み抵抗値を制御している。なお、この導電膜は高圧端子
(図示せず)と電子銃11とを電気的に接続している。
【0019】図4は前記電子銃11の例を示すものであ
り、バイポテンシャル型主レンズを構成するG3、G4
電極の水平方向、および垂直方向の断面図である。図に
おいて、111はG3電極の外周部、121はG4電極
の外周部、13はカップ電極である。112はG3電極
の外周部111の内部に設けられた、非点収差修正用の
電極、122はG4電極の外周部121の内部に設けら
れた非点収差修正用の電極である。極板112には中央
ビームの通過する開孔114と、外側ビームの通過する
開孔113、113′が、極板122には中央ビームの
通過する開孔124と、外側ビームの通過する開孔12
3、123′が一列に設けられている。本実施例では、
開孔113、113′、114、123、123′12
4は楕円形であり、また、G3側とG4側の互いに対応
する開孔の形状と寸法は同一である。外側の開孔11
3、113′、123、123′と中央の開孔114、
124とを同一形状、同一寸法にすると、外側に形成さ
れる主レンズの水平方向に対するレンズ集束作用が強く
なるので、外側開孔の水平方向径を、中央開孔の水平方
向内径よりも大きくし、水平、垂直両方向の集束作用の
強度を等しくする。
【0020】図5は、第2図に示した実施例において、
外周部111、121の水平方向径h=20.0mm、そ
の垂直方向径v=9.4mm、中央開孔114、124の
垂直方向径a1=8.4mm、極板112の後退量d1=1.
5mm、離心距離S=6.6mm、としたとき、中央開孔1
14、124の水平方向径b1に対する水平、垂直両方
向のフォーカス距離の比を計算機シミュレーションによ
って求めたものである。
【0021】ここで、水平、あるいは垂直方向フォーカ
ス距離とは、中心軸上の一点からある出射角度をもって
出射し、中央開孔の水平あるいは垂直方向の対称軸を通
過する電子ビームが主レンズにより集束され、再び中心
軸を横切るまでの距離を、G3電極のG4電極側端面か
ら測ったものである。同端面から蛍光スクリーンまでの
距離を340mmとし、出射角が、この340mmという値
に一致する出射点をそれぞれ求め、さらに、これらの出
射点の中間の点から、同一出射角で電子ビームを出射さ
せる。図5は、このときの水平、垂直両方向のフォーカ
ス距離の比を示したものである。図から分るように、中
央開孔の水平方向径b1≒5.5mmとすれば、垂直方向と
水平方向のフォーカス距離が一致し、両方向の集束作用
の強度が等しくなるので非点収差を取り除くことができ
る。
【0022】また、このときのレンズ集束作用は、1mm
の間隔でつき合わされた、直径8mmの円筒のバイポテン
シャルレンズと同等の強度をもつ。
【0023】これは、h=20.0mm、S=6.6mmとし
たとき、L=h−2×S(L=開孔部径の限界値、h=
開孔の水平方向の径、S=開孔部の離心距離)で制約さ
れる電極開孔部に対する限界値6.8mmよりも大きな値
になっている。
【0024】図6は、図4に示した実施例において、上
記寸法と同一寸法としたとき、外側開孔113、11
3′、123、123′の水平方向径b1の値と、外側
電子ビームの蛍光面上での水平方向スポット移動距離の
関係を計算機シミュレーションによって求めたものであ
る。G3電極には7kV、G4電極には25kVを印加
し、G3電極のG4電極側端部から蛍光面までの距離を
340mmとした。外側電子ビームと、中央電子とは、水
平方向に6.6mm離れているので、STCをとるために
必要な、スポット移動距離は6.6mmであるが、実際に
は、色純度調整の自由度を残すため、6.1mm程度に設
計する場合が多い。この移動距離を確保するためには、
1の値は、5.8mmとなる。
【0025】図7は、本発明カラーブラウン管の電子銃
の他の実施例の要部断面図であり、G3電極の垂直方向
の断面を示す図である。電極112に設けられた開孔4
1、41′、42は、2つの円弧の端点を平行な二直線
で結んだ形状をしている。開孔が楕円であるものよりも
蛍光面でのスポット形状は悪化するが、開孔が円弧と直
線より成るため、容易に、また、精度良く工作できると
いう長所をもつ。本実施例においても、開孔の水平方向
径は垂直方向径よりも小さい。
【0026】図8及び図9は、本発明電子銃のさらに他
の実施例の要部断面図であり、それぞれG3電極、G4
電極の垂直方向の断面を示す図である。中央の開孔5
2、62は垂直方向の対象軸をもつが外側の開孔51、
51′、52、52′は垂直方向の対象軸をもたない。
外側開孔51、51′、52、52′は長径が同一で、
短径の異なる2つの楕円を組み合わせたものであり、G
3電極の外側開孔51、51′は外側に組み合わされた
楕円の短径よりも小さくなっている。G3電極の外側開
孔をこの様な形状にすると、図4の113、113′の
様に開孔が、1つの楕円の場合よりも、電子ビーム中央
方向へ集中させる力が強くなるので、水平方向の径をよ
り小さくしても、STCをとることができる。
【0027】逆に、G4電極では、図9の61、61′
の様に、外側開孔を内側の楕円の短径が外側の楕円の短
径よりも小さい2つの楕円を組み合わせて構成すると、
電子ビームを中央方向へ集中させる力が強くなる。
【0028】この様に、外側の開孔を垂直方向に対して
非対称にすると、電子ビームに対する集中力が増し、S
TCがとり易くなる。また、集中力が強すぎる場合は、
図8の開孔をG4電極側に、図9の開孔をG3電極側に
用いれば、集中力を弱めることもできる。
【0029】本発明によれば、電子銃外形を制約された
中で、同一水平面に赤、緑、青3色に対応する主レンズ
を並列させる際に可能な、最大の径をもつ円筒電極をつ
き合わせた場合よりも、集束作用の弱い主レンズを構成
することができるので、カラーブラウン管のフォーカス
特性を格段に改善できる効果がある。
【0030】さらに、主レンズを構成するG3電極とG
4電極に形成される外側開孔の中心軸を偏位させること
なく、極板の後退量、及び該極板に形成される開孔形状
を適正に選ぶことにより、STCをとることができるの
で、組立時に、G3電極、G4電極に対し、同径、同軸
の治具を用いることができ、組立精度を向上させること
ができる。
【0031】図10は本発明電子銃の他の実施例の要部
を示す一部破断斜視図である。極板133、143は、
中央ビームに対しては図4の極板と同様に楕円の開孔1
35、145をそれぞれ有するが、両側のサイドビーム
に対しては楕円開孔は半分に切断され、左右両端で外周
電極131、141と接する部分が取り除かれている。
中央ビームの通路は、極板133、143にそれぞれ形
成された開孔135、145によって取り囲まれている
が、両側のサイドビームの通路は、極板133、143
の端部によって部分的に取り囲まれ、残りの部分は外周
電極131、141によって取り囲まれている。かかる
構成により、サイドビーム用の主レンズ口径として最大
限に大きくとることができ、しかも、極板の面積が小さ
いので、平面度を高くし易く、また、高い精度を要求さ
れる楕円開孔の成形部分が少ないので加工が容易になる
という利点を有する。d3、d4は後退量を示し、同一又
は異なる値のいずれすかが採用される。
【0032】図10の実施例では、開孔形状を楕円とし
たが、開孔の垂直方向径が、水平方向径よりも大きけれ
ば他の形状でも非点収差を取り除くことができる。
【0033】また、図11に示したように極板133、
143を湾曲させ、極板の後退量を連続的に変化させる
構造によっても、非点収差の除去は可能である。このと
き開孔135、145の垂直方向径を必ずしも水平方向
径より大きい必要は無い。G3電極の極板133を図示
のようにG4電極側に凸とすると、水平方向集束力を強
くすることができ、また、逆にG4電極の極板をG3電
極側に凸とすると垂直方向集束力を強くすることができ
る。
【0034】また、図12に示したように、開孔13
5、145の周辺に突出部137、147を設け、この
突出部の突出量を調節することにより非点収差を補正す
ることもできる。この場合も、開孔の垂直方向径が水平
方向径より大きい必要は無い。
【0035】図11、図12の実施例とも、開孔を真円
としたままで非点収差を補正することが可能であり、こ
の場合、部品加工、電極組み立てともに、非円形開孔の
場合よりも容易になるという利点を有する。
【0036】この実施例によれば、サイドビームの内側
方向に発生するハローを除去し、電子銃主レンズの実効
開孔径を十分に拡大することができ、カラー受像管のフ
ォーカス特性を格段に改善できる効果がある。また主レ
ンズの互いに対向する極板の面積が小さいため、加工時
に平面度をとり易く、しかも加工の箇所が比較的に少な
いため成形が容易であるという長所もある。
【0037】なお、本発明の電子銃は、上述したバイポ
テンシャル型、またはその他の形の主レンズにも適用で
きることは勿論である。また、上述の説明では、主レン
ズを構成する1対の電極の双方に、本発明を適用した例
を述べたが、いずれか一方の電極にのみ適用しても同様
の効果が得られる。
【0038】図13は、第1〜6グリッドを有するほか
の実施例の電子銃の正面図(a)、側面図(b)、背面
図(c)及び平面図(d)を示す。図中、1111は第
1グリッド、1112は第2グリッド、1113は第3
グリッド、1114は第4グリッド、1115は第5グ
リッド、1116は第6グリッド、1119はカソード
である。この電子銃は複数の主レンズを用い、良好なフ
ォーカス特性が得られる。明るく高解像度の画像を得る
ためには、陽極電圧Ebの値を高くする必要があり、通
常Ebは25〜35kVである。フォーカス電圧Ec3
Ebの30%程度で、第2グリッド1112の印加電圧
Ec2は400〜700V程度、第1グリッド1111は
接地され、カソード1119には各絵素の明るさに対応
した200V以下の信号用の電圧Ekが印加される。ま
た、1127は第3グリッド給電線、1128は第5グ
リッド給電線で、第3グリッド給電線1127は図13
(b)、(c)に示す様にその一端1127aを第3グリ
ッド1113に固定すると共に中間部1127bの一部
を管軸と直交する平面とほぼ平行に延びる折曲部112
7cとし、この折曲部1127cを第3グリッド111
3の管軸方向の全長l内でビードガラス1120の背面
とネック管内壁面(図示せず)との中間を通過させ、か
つ他端1127dは図示しないステムリードと接続して
いる。これによりシールドワイヤと同様な作用を行わせ
る。一方第3グリッド11113と第5グリッド111
5とを接続する第5グリッド給電線1128は、図13
(a)、(b)に示す様に、一端1128aを第3グリッ
ド1113と、また他端1128dを第5グリッド11
15とそれぞれ固定すると共に中間部1128の一部を
管軸と直交する平面とほぼ平行に延びる折曲部1128
cとし、この折曲部128cを第3グリッド1113の
管軸方向の全長l内でかつ前記折曲部1127cと管軸
をはさんで管軸と直交する同一平面で対称的に配置して
ビードガラス120の背面とネック管内壁面(図示せ
ず)との中間を通過させ、シールドワイヤと同様な作用
を行わせる。すなわち、給電線1127C、1128C
を管軸をはさみ、かつ管軸と直交する同一平面内で対称
的に配置したことから、片側のみにシールドワイヤを配
置するものに比べ、ネック管内の全周に亘ってアーク放
電抑制効果等を呈するという優れた特長を有するもので
ある。
【0039】また、本実施例のように第3グリッドの管
軸方向の全長内でかつ管軸をはさんで対称的に両折曲部
1127c、1128cを配置することにより、アーク
放電発生回数を従来のものに比べ数分の一以下に低減で
きると共に、暗電流値を同じく数百分の一以下に低減す
ることができる。すなわち、ビードガラスおよびネック
管壁を陽極電圧からしゃへいするという点では陽極電圧
が印加される電極に近い位置に折曲部を設けた方が良い
が、給電線の折曲部要局部的電界集中をひき起し、却っ
てアーク放電が発生し易くなってしまうことも起り得
る。一方フォーカス電圧印加用給電線の折曲部が第2グ
リッド電極側に近接し過ぎると、フォーカス電圧は陽極
電圧につぐ高電圧なので、フォーカス電圧印加用給電線
の折曲部と第2グリッド電極等の低電圧印加電極とアー
ク放電を発生する危険が大になる。
【0040】フォーカス電圧印加用給電線の上記折曲部
の位置については、種々の実験を基にアーク放電発生抑
制効果、暗電流抑制効果および電極組立作業性等の面か
ら検討した結果折曲部は第3グリッドの管軸方向の全長
l内で側面に対向する位置に設けることが最適である。
【0041】この実施例によれば、給電線の両端が電極
等に固定されているため、迷走電子の発生源となる恐れ
もなく、アーク放電発生防止、暗電流抑制の効果があ
る。
【0042】次に、図14は蛍光面4及びシャドウマス
ク5の一例の詳細を示すもので、パネル部の内面に形成
された蛍光面4は垂直方向に切目なく延在する光吸収細
条224を多数水平方向に並列し、これら光吸収細条2
24間に夫々発光色が異なり、かつ垂直方向全体に亘っ
て切目なく延在する複数の蛍光体細条225R(赤)、2
25G(緑)、225B(青)を水平方向に一定順序に多数
配列しており、また前記パネル内面に対応して曲面で前
記蛍光面4に対応して配置され、前記垂直方向全体に亘
って切目なく延在する蛍光体細条225に対応して垂直
方向に細長く、かつ垂直方向にブリッジ部229を介し
て多数分離形成されたスリット状透孔228を水平方向
に所定ピッチで列状に配列したシャドウマスク5を示
す。
【0043】また蛍光面4の別の形状としては図15に
示すようにドット状の蛍光体細点226R(赤)、226
G(緑)、226B(青)と、そのまわりを埋める光吸収膜
227とを有している。
【0044】また、前記シャドウマスク5としては、鋼
板材と、熱膨張係数の小さなアンバー材等で形成されて
いる。さらに、シャドウマスク5には、図示しないが熱
膨張を抑制する例えばビスマス等が被覆される構成もあ
る。また、スリット状透孔228に代えて丸孔の透孔も
用いられる。
【0045】以上本発明を上記実施例に基づいて具体的
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
では、スリット状凹部とビーム通過穴との位置ずれが生
じるのを防止できるので、非点収差補正を適切に行なう
ことができ、また、スリット状凹部を設けた電極板とビ
ーム通過穴を設けた電極板とを溶接により接合する必要
がないので、生産性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例の電子銃のG3電
極の平面図、(b)は、(a)の電極のA−A′切断線
における断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ図1の第1の電極
板を製作する工程を示す平面図である。
【図3】本発明のカラー陰極線管の一実施例を示す断面
図である。
【図4】本発明の電子銃の要望を示す断面図である。
【図5】図4に示す電子銃の特性図である。
【図6】図4に示す電子銃の特性図である。
【図7】本発明の電子銃の他の例の要望断面図である。
【図8】本発明の電子銃の更に他の例の要望断面図であ
る。
【図9】本発明の電子銃の更に他の例の要望断面図であ
る。
【図10】本発明の電子銃の更に他の例の要望の一部切
欠斜視図である。
【図11】本発明の電子銃の更に他の例の要望の一部切
欠斜視図である。
【図12】本発明の電子銃の更に他の例の要望の一部切
欠斜視図である。
【図13】本発明の電子銃の更に他の例の正面図、側面
図、背面図及び平面図である。
【図14】本発明の蛍光面及びシャドウマスクの一例の
要望を示す一部欠斜視図である。
【図15】本発明の蛍光面の他の例の要望を示す平面図
である。
【図16】(a)は、従来の電子銃のG3電極の平面
図、(b)は、(a)の電極のB−B′切断線における
断面図である。
【符号の説明】
G3…G3電極、G3a…第1の電極板、G3b…第2
の電極板、BH…ビーム通過穴、SH…スリット状凹
部、BH′…ビーム通過穴、BS…ビードガラス支持
部、T…第1の電極板の厚さ、t…スリット状凹部の深
さ、W…第1の電極板のY方向の外径、d…スリット状
凹部のY方向の径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高原 育也 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内 (72)発明者 仲村 潔 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個のビーム通過穴と各上記ビーム通過
    穴に対応して各上記ビーム通過穴の周囲に設けたスリッ
    ト状凹部とを形成した電極を含んでなる電子銃を有する
    陰極線管において、一体の電極板に上記ビーム通過穴と
    上記スリット状凹部とを形成し、上記電極板の厚さTと
    上記スリット状凹部の深さtとの関係が、t≧0.4
    T、上記電極板のY方向の外径Wと上記スリット状凹部
    のY方向の径dとの関係が、1.2d≦W≦2.0dで
    あることを特徴とする陰極線管。
JP12702692A 1992-05-20 1992-05-20 陰極線管 Pending JPH05325824A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000009419A (ko) * 1998-07-24 2000-02-15 김영남 칼라 음극선관용 전자총
KR20030068715A (ko) * 2002-02-16 2003-08-25 삼성에스디아이 주식회사 칼라 음극선관용 전자총

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KR20000009419A (ko) * 1998-07-24 2000-02-15 김영남 칼라 음극선관용 전자총
KR20030068715A (ko) * 2002-02-16 2003-08-25 삼성에스디아이 주식회사 칼라 음극선관용 전자총

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