JP3053820B2 - カラー受像管用電子銃 - Google Patents

カラー受像管用電子銃

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JP3053820B2 JP1202290A JP20229089A JP3053820B2 JP 3053820 B2 JP3053820 B2 JP 3053820B2 JP 1202290 A JP1202290 A JP 1202290A JP 20229089 A JP20229089 A JP 20229089A JP 3053820 B2 JP3053820 B2 JP 3053820B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カラー受像管用電子銃の主レンズを構成す
る電極形状と、各電極への電圧印加方法を改良すること
によつて電子ビームのコンバーゼンスとフオーカス特性
の螢光面の全面全域で良好なものとしたカラー受像管用
電子銃に関する。
〔従来の技術〕
第2図は従来構造の電子銃を備えたカラー受像管の平
面図であつて、ガラス外囲器1のフエースプレート部2
の内壁に、3色の蛍光体を交互にストライプ状に塗布し
た蛍光面3が支持されている。陰極6,7,8の中心軸15,1
6,17は第1格子電極(G1電極,以下格子電極をGで表
す)9、G2電極10、主レンズを構成する集束電極11,お
よび遮蔽カツプ13の、それぞれの陰極に対応する開孔部
の中心軸と一致し、共通平面上に、互いにほぼ平行に配
置されている。主レンズを構成するもう一方の電極であ
る加速電極12の中央の開孔部の中心軸は、上記中心軸16
と一致しているが、外側の両開孔の中心軸18,19はそれ
ぞれに対応する中心軸15,17と一致せず外側にわずかに
変位している。各陰部から射出される3本の電子ビーム
は、中心軸15,16,17に沿つて主レンズに入射する。集束
電極11には、5〜10kV程度の集束電圧が印加され、加速
電極12には、20〜30kV程度の加速電圧が印加され、遮蔽
カツプ13、ガラス外囲器内部に設けられた導電膜5と同
電位になつている。集束、加速両電極の中央部の開孔は
同軸になつているので、中央に形成される主レンズは軸
対称となり、中央ビームは主レンズによつて集束された
後、軸に沿つた軌道を直進する。一方両電極の外側の開
孔は、互いに軸がずれているので、外側には非軸対称の
主レンズが形成される。このため、外側ビームは、主レ
ンズ領域のうち、加速電極側に形成される発散レンズ領
域で、レンズ中心軸から中央ビーム方向に外れた部分を
通過し、主レンズによる集束作用と同時に、中央ビーム
方向への集中力をうける。こうして、3本の電子ビーム
は、シヤドウマスク4上で、結像すると同時に、互いに
重なり合うように集中する。この様に、各ビームを集中
させる操作を、静コンバーゼンス(以下STCと略す)と
呼ぶ。さらに各電子ビームは、シヤドウマスクにより色
選別をうけ、各ビームに対応する色の蛍光体を励起発光
させる成分だけが、シヤドウマスクの開孔を通過し、蛍
光面に到る。また、電子ビームを蛍光面上で走査するた
め、外部磁気偏向ヨーク14が設けられている。
上記のように3本の電子ビーム通路が一水平面上に配
置されるインライン電子銃と、特殊な非斉一磁界分布を
形成するいわゆるセルフコンバーゼンス偏向ヨークを組
合わせることにより、画面中央でSTCがとれていれば、
他の画面全域にわたつてコンバーゼンスをとれるという
ことが知られている。しかし、一般にセルフコンバーゼ
ンス偏向ヨークでは、磁界の非斉一性のため偏向収差が
大きく、画面周辺部で解像度が低下するという問題があ
る。第3図は、電子ビームスポツトが偏向収差により変
形される様子を模式的に示したものである。
画面周辺部では斜線で示した電子ビームの高輝度部分
(コア)が水平方向に拡がり、低輝度部分(ハロ)が垂
直方向に拡がつている。
特開昭61−99249号公報に、この問題を解決するため
の一手段が示されている。第4図に、本従来例による電
子銃の構造の一例を示す。集束電極を陰極から蛍光面に
向つて第1部材115、第2部材116に2分割する。第1部
材115の、第1部材116に対向する端面には、第4図
(b)に示すように縦方向に長いスリツトが設けられて
いる。第2部材116の第1部115に対向する端面には、第
4図(c)に示すように水平方向に長いスリツト状の開
孔が設けられ、偏向ヨークに供給される偏向電流に同期
してダイナミツクに変動する電圧、すなわちダイナミツ
ク電圧Vdが集束電圧Vfに重畳されて与えられる。偏向量
が大きいときには、第1部材と第2部材の電位差が大き
くなるので、スリツトにより形成される4重極レンズ強
度が強くなり電子ビームスポツトには大きな非点収差が
生じる。第2部材116の電位が第1部材115の電位より高
ければ、電子ビームに生じる非点収差はコアを垂直方向
に長く、ハロを水平方向に長く引き伸ばす効果をもつの
で、第3図に示した電子ビーム偏向にともなう非点収差
をうち消すことができ、画面周辺部解像度を向上させる
ことができる。一方、電子ビームを偏向させないときは
第1部材と第2部材との電位差を無くすることにより、
非対称レンズを形成しないようにして、画面中央部で非
点収差が生じない条件にできるので、解像度劣化は生じ
ない。
また、カラー受像管では、主レンズから画面周辺部
(コーナ部)までの距離が、画面中央部までの距離に比
較して長いので、中央部と周辺部で電子ビーム集束の条
件が異なり、中央部で電子ビームを集束させると、周辺
部では集束せず解像度が悪化するという問題点がある。
しかし、第4図の従来例では、電子ビームを画面周辺に
偏向するとき第1部材116の電位を増大させるので、加
速電極12の加速電圧との電圧差が減少し、主レンズのレ
ンズ強度が弱まる。このため、電子レンズビーム集束点
は画面方向に延長され、画面周辺部でも電子ビームを画
面上に集束させることができるので、この点でも周辺部
解像度劣化を防ぐことができる。すなちダイナミツクな
非点収差補正と同時に、ダイナミツクフオーカスをも実
現することができる。
第5図は特開昭61−250934号公報に示された他の従来
例を示す電子銃の構成図である。第4図の従来例と同
様、集束電極を117,118の2つの部材に分割する。第5
図(b),(c)に示したように、各部材の対向面には
縦方向および横方向の平板補正電極を互いに組み合わせ
るように配置し、4重極レンズを形成する。第2部材11
8には、集束電圧Vfに重畳したダイナミツク電圧Vdを印
加して、ダイナミツクな非点収差補正とダイナミツクフ
オーカスを同時に実現する。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術には、電子銃部品製作および電子銃組立
に極めて高い精度が要求されるという問題点があつた。
すなわち、第4図および第5図の実施例では、縦横のス
リツト、あるいは縦横の平板状補正電極を組合わせる際
に、互いにわずかでも所望の位置からずれると、非点収
差補正の際に電子ビームに不均一な力が働き、画面上に
スポツトを歪ませる。
また、上記従来技術では次のような問題点もある。す
なわち、上記従来技術では、STCをとるために、G3電極
第2部材116,あるいは118とG4電極12との間に形成され
る主レンズのうち、外側の主レンズを非軸対称に形成す
ることが一般的である。レンズ電界に含まれる非軸対称
成分によつて外側ビームを中央ビーム側に集中させるの
である。ところが、上記従来技術では、ダイナミツクフ
オーカスをとるため、ビーム偏向にともないG3電極第2
部材116、あるいは118の電位を増加させ、主レンズ強度
を弱めるが、この際、同時に上記の電界の非軸対称成分
も弱まり、外側ビームと中央ビームとをシヤドウマスク
上で一点に集中させることができなくなるというビーム
のコンバーゼンスに対する問題点が生じる。
本発明の目的は、ダイナミツクな非点収差補正とダイ
ナミツクフオーカスを同時に実現でき、部品製作および
組立に、従来ほどの精度を要求されない電子銃構造を提
供することにある。
本発明の他の目的は、ダイナミツク電圧の印加によつ
ても、電子ビームのコンバーゼンスに対する問題が生じ
ない電子銃構造を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
従来技術では、2種類の異なつた構造の電極を正確に
組み合わせる必要から、部品および組立精度を高くしな
ければならなかつた。そこで、G3電極第1部材には、第
2部材との対向面に単一の大きな開口部を設け、第1部
材内部には円形の開孔をもつ電極板を設けるだけとし、
4重極レンズを形成するための構造としては、第2部材
の第1部材との対向面の電子ビーム通過孔上下に配置さ
れ、上記開口部を通じて第1部材内部に延長された平板
状補正電極のみとする。
〔作用〕 上記のような本発明による電極構造では、平板状補正
電極を介して対向する第1,第2部材対向面には、互いに
同軸、同径の円形開孔が設けられている。したがつて、
第1,第2部材は、第4図の実施例と異なり、電子銃組立
に通常用いられている円筒形の貫通組立治具により極め
て精度良く組合わせることができる。また、第5図の実
施例に比較しても、縦方向板状補正電極が存在しないこ
とから、第1,第2部材組合せの際の誤差、第1部材の部
品精度劣化などはほとんど生じなくなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例にかる電子銃の構成図であ
つて、(a)は垂直断面図、(b)は(a)のAーA断
面,(c)は(a)のBーB断面,および(d)は電極
板の正面図を示す。
同図において、主レンズを第3格子電極(G3電極)2
0、第4格子電極(G4電極)21、第5格子電極(G5電
極)を2分割した第1の第5格子電極(G5-1電極)111
と第2の第5格子電極(G5-2電極)112,および第6格子
電極(G6電極)12の5つの電極で構成した多段形主レン
ズを用いる。G3電極20とG5−1電極111には5〜10kV程
度の集束電圧Vf1を共通に印加し、G4電極21にはG2電極1
0と共通の低電位を印加する。G5-2電極112には集束電圧
Vf1にダイナミツク電圧dVf2を重畳した電位を印加す
る。このような多段主レンズでは、G3電極,G4電極,G5電
極間にユニポテンシヤル形レンズ(UniーPotential Le
ns)が、また、G5-2電極とG6電極間にバイポテンシヤル
形レンズ(BiーPotential Lens)が形成され、これら
を組み合わせてUーB形電子銃と呼ばれる低収差の電子
銃主レンズが実現でき、解像度の向上を図ることができ
る。
また、第1図におけるG5-2電極112とG6電極12で形成
したBPFレンズ部分には特開昭59−215640号公報に開示
された非円筒形主レンズが適用されている。これも、主
レンズ収差を低減し、解像度の向上を図ること目的とし
ている。
次に、G5-1電極111,G5-2電極112間の4重極レンズ構
造を説明する。
G5-1電極111には単一の横長開口部を設ける。G5-1
極111内部には3個の円形の電子ビーム通気孔を設けた
電極板114を配置する。G5-2電極112には、G5-1電極111
との対向端面に3個の円形の電子ビーム通気孔を設け、
通気孔の上下に、G5-1電極111方向に延長された平板状
補正電極113を接続する。各電子ビームに対応する、電
極板114とG5-2電極112の上記電子ビーム通気孔は、それ
ぞれ互いに同軸、同径である。
G5-1電極111には一定の集束電圧Vf1を、G5-2電極112
にはVf1にダイナミツク電圧dVf2を重畳した電圧Vf2を印
加する。電子ビームが偏向されるとき、偏向量の増大に
伴なつてdVf2を上昇させる。dVf2の上昇とともに、G5-1
電極111とG5-2電極112の対向部に形成される4重極レン
ズ強度が増大し、電子ビーム偏向による非点収差を補正
できる。同時に加速電極12の加速電圧Ebと、G5-2電極11
2への印加電圧Vf2との間の電圧差の縮小により、主レン
ズ強度が低下し、主レンズと電子ビーム集束点との間の
距離が長くなるので、画面周辺部でも電子ビームを集束
させることができる。
すなわち、ダイナミツクな非点収差補正とダイナミツ
クフオーカスを同時に行える。
第1図の電極構造では、電極板114に設けられた円形
ビーム通気孔と、G5-2電極112のG5-1電極111側円形ビー
ム通気孔は互いに同軸、同径なので、電子銃組立に通常
用いられる円筒状組立治具を各孔に貫通させることによ
り、極めて高い組立精度を得ることができる。
第1図の実施例に対し、非点収差補正特性を実測によ
つて求めた結果を第6図に示す。解析を行つた電子銃の
主要寸法は以下の通り。
G3電極長 : 2.0mm G4電極長 : 2.1mm G5電極全長:26.33mm G5-1電極111ーG5-2電極112間隔 : 0.5mm 電極板114上と、G5-2電極112のG5-1電極111側電極面
上円形ビーム通過孔直径、ならびに、平板状補正電極11
3の上下両電極間距離W:4.0mm また、補正電極113の長さをl、補正電極113と電極板
114の間隔をg、G5-2112の長さをlG5-2とする。
第6図の実測結果では、画面コーナ部のスポツト径を
最小にするdVf2の値と、G5-2電極の電極長lG5-2の関係
を示す。
第6図には、さらに、G5-1電極111への固定電圧Vf1に
もダイナミツク電圧dVf1を重畳したとき、画面コーナ部
のスポツト径を最小にするdVf1の値も示した。実際の動
作では、dVf1は零でなければならない。したがつて、l
=2.5mm,2.0mmに対し、lG5-2は14mm,10mmとする必要が
ある。
第4図に示した実施例では、ビームのコンバーゼンス
に対する問題も解決することができる。ダイナミツク電
圧dVf2の上昇とともに、主レンズ部では、加速電圧Eb
と、G5-2電極112の電圧との電位差が縮小するので、電
界が弱くなる。したがつて、ビームコンバーゼンスさせ
るため、外側ビームを中央ビーム方向に偏向させる働き
をもつている、電界の非軸対称成分も同時に弱くなり、
外側ビームの偏向量が低下する。しかし、第1図の実施
例では、ダイナミツク電圧dVf2の上昇とともに、4重極
レンズ部で外側ビームの偏向量を増大させる効果が生じ
るので、上記の低下量を補い、dVf2が変動しても常にコ
ンバーゼンスをとれるようにすることができる。
第7図を用いて、4重極レンズ部分で電子ビームがど
のように偏向されるかを説明する。第7図は、第1図の
実施例のAA断面内の等電位線分布を模式的に表わしたも
のである。等電位線701が、図のように2枚の補正電極1
13の中間部で内側に入りこむG5-1電極111は補正電極113
よりも電位が低くなつているので、第7図に矢印702で
示した方向に電界が生じる。外側ビームは、この電界と
反対の方向に力をうけるので、中央ビーム方向に偏向さ
れる。ダイナミツク電圧dVf2を上昇させるとこの電界は
一層強くなり、外側ビームの偏向量は増大する。
第8図は、各種のl,gの値に対し、コンバーゼンス変
動量を解析した結果である。第8図縦軸のΔXは、ダイ
ナミツク電圧dVf2を1kV増加させたとき、画面中央部で
の2つの外側ビーム間の水平方向距離を表す。ΔXが0
ならば、コンバーゼンスはdVf2によつて変動しない。Δ
Xが正の値のときは、dVf2の増加とともにビーム偏向が
過大になり、3本のビームは画面の手前で集中してしま
う。ΔXが負の値のときは、逆にdVf2の増加とともにビ
ーム偏向が不足して、ビームが画面に到達しても未だ集
中しなくなる。
第8図のグラフから、g=0.5mmのとき、l=2.0mm,
2.5mmに対してコンバーゼンス変動量は略零になること
が分かる。g=0.5mmでは、l寸法を2.5mm以上にする
と、コンバーゼンス変動量は正の値をもち、l寸法を2.
0mm以下にすると負の値をもつ。g寸法を0.5mm以上に拡
大すると、コンバーゼンス変動を抑えることのできるl
寸法の値は2.0mm以下になる。
一方、g寸法を0.5mm以下にすることは、補正電極113
と電極板114間で放電が発生する危険を生じるので好ま
しくない。したがつて、コンバーゼンス変動を抑制する
ためにはl寸法の上限値は2.5mmである。
一方、第6図から、l=2.5mmのときのlG5-2の最適値
は14mmであつた。lを縮小するとこの最適値も減少す
る。また、第6図から分かるように、lおよびlG5-2
縮小した方がダイナミツク電圧dVf2の値を低減できるの
で望ましい。
g寸法を増大させると、4重極レンズ強度が低下する
ので、これを補うためlG5-2寸法の縮小し、同時にl寸
法を縮小する必要が生じる。したがつて、gの増大でlG
5-2を縮小し、ダイナミツク電圧dVf2を低減することが
可能になる。
ただし、lG5-2の縮小には限界があり、G5-2電極とG6
電極間に形成される主レンズの電界の存在する範囲以内
まで縮小することはできない。
第1図の主レンズ部は、G5-2電極112とG6電極12の対
向面にそれぞれ単一の横長の大口径開口を設け、さらに
電極内部に楕円形のアパーチヤを設けた非軸対称形大口
径主レンズである。このような形状の主レンズでは、主
レンズ口径は第1図に示したD寸法,すなわち開口の垂
直方向径により略決定される。主レンズ電界の存在する
範囲は、主レンズ中心位置からG5-2電極とG6電極の両側
に、この口径Dと略同一の距離だけ広がつた範囲と考え
られる。主レンズ中心位置はG5-2電極とG6電極の間の中
間となる。したがつて、G5-2とG6の電極間隔をSとする
と、 lG5-2≧D−S/2 ・・・・(1) の範囲でなければならない。
一方、lG5-2の最大値は、g寸法を0.5mm以下にするこ
とが困難であることから、第6図に示した14mmとなる。
これは、G5-1電極とG5-2電極の電極長を加え合わせた
G5電極長lG5(26.3mm)の53%となる。第6図の例では
主レンズ口径Dが8mmであるが、Dの値がこれより大き
い場合はlG5の値も増大し、小さい場合は減少する。lG5
-2の最大値は、G5-2電極とG6電極の間の主レンズ強度と
G5-2電極とG5-1電極間の4重極レンズ強度とのバランス
により決定されている。lG5-2とlG5との比を一定にすれ
ば、この2つのレンズ強度比は略一定と考えられる。し
たがつて、lG5-2の最大値とlG5との比は、主レンズ口径
Dの値にかかわらず略一定と思われ、 lG5-2≦0.53lG5 ・・(2) でなければならない。
(1),(2)式より、lG5-2の範囲は、 D−S/2≦lG5-2≦0.53×lG5 ・・・・(3) となる。
ただし、上式(3)を導くための条件は、第6図に明
示したように、電子ビーム偏向角が110度付近であるカ
ラーブラウン管に限定される。
偏向角が110度に限られるのは、偏向収差の大きさが
偏向角に依存するからであり、他の偏向角では最適な主
レンズ強度と4重極レンズ強度の比が異なるからであ
る。偏向収差が110度偏向角のカラーブランウン管と略
同等であるのは、偏向角100度〜120度の範囲と考えら
れ、(3)式はこの範囲で有効である。
さらに、(3)式の条件はUーB形主レンズに限定さ
れる。これは、BPF,UPFなどの単一主レンズ,および他
のタイプの多段形主レンズでは、G5電極全長と主レンズ
強度の関係がUーB形主レンズとは異なるためである。
(3)式の関係は、第4図,第5図に示した従来例の
ような他の4重極レンズ構造をUーB形主レンズに導入
した場合にも適用できる。これは、第1図に示した実施
例のg寸法に相当する寸法,すなわち4重極レンズを形
成する2つの電極(第4図の従来例では115,116、第5
図の従来例では117,118で示す)の間隔と4重極レンズ
強度の関係は、第1図の実施例におけるg寸法と4重極
レンズ強度の関係と略同一であるからである。この電極
間隔を0.5mm以下とすることは、第1図の実施例と同
様、電極間放電を発生させる恐れがあつて困難である。
したがつて、g寸法を略0.5mm以上としなくてはなら
ず、このとき主レンズ強度と4重極レンズ強度の比を最
適にするためには、lG5-2は式(2)の範囲にする必要
が生じるのである。また、(1)式の条件は、4重極レ
ンズの構成には関係しないので、結果としてlG5-2は式
(3)の関係を満たせねばならないのである。
第1図の実施例では、電極板114に設けられた電子ビ
ーム通過孔は円形であるが、第9図に示したように正方
形など、孔の水平、垂直方向の径が同一である形状なら
ば、円筒状電極組立治具を用いることにより精度よく電
極組立を行えるので、第1図の実施例と同様の効果をも
つ。
第10図は、電極板114に設ける電子ビーム通過孔を長
方形にした実施例である。この場合、円筒状組立治具を
用いたとき、電極板114の垂直方向の位置精度は十分に
とれなくなる。ただし、電子ビーム通過孔の垂直方向径
が、上下の平板状補正電極113の間隔よりも十分大きけ
れば、垂直方向位置ずれの影響は平板状補正電極113に
よつて遮蔽され、問題は生じない。第10図の電子ビーム
通過孔形状では、比点収差補正感度の向上もはかること
ができる。
電子ビーム通過孔の水平方向径が垂直方向径より大き
い場合もビームコンバーゼンスの問題は解決できるが、
非点収差補正感度の低下、および電極組立精度の低下を
もたらすので好ましくない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ダイナミツクな非点収差補正とダイ
ナミシクホーカスを同時に実現できる。またダイナミツ
ク電圧の印加によつても、ビームのコンバーゼンスに対
する問題の生じない電子銃構造を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の電子銃の説明図、第2図
は従来の電子銃を備えたカラー受像管の水平断面図、第
3図は従来の電子銃によるカラー受像管画面各部の電子
ビームスポツト形状模式図、第4図及び第5図はそれぞ
れ他の従来の電子銃の垂直断面図および主要部の正面
図、第6図及び第8図は本発明実施例の電子銃特性の測
定結果を示したグラフ、第7図は第1図の実施例の垂直
断面とその内部の等電位線分布の模式図、第9図及び第
10図は本発明の他の実施例の主要部の正面図である。 1……ガラス外囲器、2……フエイスプレイト、3……
蛍光面、4……シャドウマスク、5……導電膜、10……
G2電極、11……集束電極、12……加速電極、13……遮蔽
カツプ、14……外部磁気偏向ヨーク、15,16,17……電子
ビーム初期通路、111……第1の第5格子電極、112……
第2の第5格子電極、113……平板状補正電極、114……
電極板。
フロントページの続き (72)発明者 野口 一成 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所茂原工場内 (72)発明者 宮本 覚 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所茂原工場内 (72)発明者 高橋 芳昭 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイ スエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−137540(JP,A) 特開 昭62−193043(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電子ビームを発生させ、かつこれら
    の電子ビームを一水平面上の互いに平行な初期通路に沿
    つて蛍光面へ指向させる第1の電極手段が、陰極,第1
    格子電極,第2格子電極から構成され、上記各電子ビー
    ムを蛍光面に集束させるための第2の電極手段が、第3
    格子電極,第4格子電極,第5格子電極,第6格子電極
    から構成されたカラー受像管用電子銃において、上記第
    2格子電極と第4格子電極に一定の共通の低電圧を印加
    し、上記第5格子電極を、上記陰極側から第1の第5格
    子電極,第2の第5格子電極に分割し、上記第1の第5
    格子電極と第2の第5格子電極の対向部に静電4重極レ
    ンズを形成させ、上記第3格子電極と第1の第5格子電
    極には上記低電圧より高い一定の高電圧を印加し、上記
    第2の第5格子電極には、上記複数の電子ビームを螢光
    面上で走査させるために、上記複数の電子ビームを偏向
    するときの偏向量に同期して変動する電圧を印加し、上
    記偏向の偏向角が100度から120度の範囲であり、上記第
    2の第5格子電極の電極長(lG5-2),上記第5格子電
    極の電極全長(lG5),上記第2の第5格子電極と第6
    格子電極対向面開口部の上記一水平面と垂直な方向の径
    D,および上記第2の第5格子電極と上記第6格子電極の
    間隔Sとが、 D−S/2≦lG5-2≦0.53lG5 の関係を満たす構成としたことを特徴とするカラー受像
    管用電子銃。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記4重極レンズが前
    記第2の第5格子電極の前記第1の第5格子電極と対向
    する端面に設けられた電子ビーム通過孔の上下に配置さ
    れて第2の第5格子電極と電気的に接続され、第1の第
    5格子電極の第2の第5格子電極との対向端面に設けら
    れた単一の開口を通じて第1の第5格子電極の内部にま
    で延長した平板状電極と、第1の第5格子電極の内部に
    配置されて第1の第5格子電極と電気的に接続されると
    共に、上記平板状電極と一定の間隔をもつて対向し、上
    記一水平面に平行な方向と上記一水平面に垂直な方向と
    で同一の径をもつ電子ビーム通気孔を設けた電極板とに
    より構成したことを特徴とするカラー受像管用電子銃。
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