JP2004252099A - 防振機能を備えたズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る防振機能を備えたズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3を有している。広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少し且つ第2レンズ群G2と像面との間隔が増大するように、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2がそれぞれ移動する。このとき、第1レンズ群G1は、面番号4,5に相当するレンズ面に回折光学面Gfを有し、このレンズL2を光軸とほぼ直交する方向に移動させて防振する。広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとし、防振時に移動させた第1レンズ群G1のレンズL2の最大変位量をΔとしたとき、次式Δ/|fw|<0.2の条件を満足している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子等を用いたビデオカメラやデジタルカメラ等に好適な防振機能を備えたズームレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラやデジタルカメラ等の小型化に伴い、ズームレンズの小型化が要求されている。近年では、変倍機能を備えたズームレンズの要求は益々強くなり、変倍機能の重要性が増している。また、高画質への要求により撮像素子の高細密化が進み、レンズの性能への要求も厳しくなってきている。このような要求を達成するひとつの手段として、従来から、回折光学素子を用いたズームレンズが知られている。
【0003】
このようなズームレンズとして、例えば、物体側から順に負・正の2成分タイプであり、少なくとも1面の回折光学面を有しているもの(特許文献1を参照)や、物体側から順に負・正・正の3成分タイプであり、いずれかのレンズ群に少なくとも1面の回折光学面を有しているもの(特許文献2を参照)が知られている。また、物体側から順に負・正・正の3成分タイプであり、第2レンズ群中のレンズの接合面に回折光学面を導入して高性能化を図っているものが知られている(特許文献3を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−52235号公報
【特許文献2】
特開平11−52237号公報
【特許文献3】
特開2000−221397号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2において開示されたいずれのズームレンズも、性能・小型化ともに不十分であり、防振機能を備えていなかった。また、これらのズームレンズと同様に、特許文献3において開示されたズームレンズも防振機能を備えていなかった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子等を用いたビデオカメラやデジタルカメラ等に好適で、射出瞳位置が結像面から十分遠くに離れ、回折光学素子を用いて、3倍程度の変倍比を有し、小型で高性能且つ防振機能を備えたズームレンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の防振機能を備えたズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とを少なくとも有し、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が減少し且つ前記第2レンズ群と像面との間隔が増大するように、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群がそれぞれ移動するズームレンズにおいて、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群は、いずれかのレンズ面に回折光学面を有し、いずれかのレンズを光軸とほぼ直交する方向に移動させて防振し、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfw、防振時に移動させた前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群中のいずれかのレンズの最大変位量をΔとしたとき、次式Δ/|fw|<0.2の条件を満足することを特徴とする。
【0008】
また、前記回折光学面の有効径(直径)をCとしたとき、次式0.2<C/fw<5.0の条件を満足することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る防振機能を備えたズームレンズにおいて、防振時に移動させる前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群中のいずれかのレンズを防振レンズ群とし、この防振レンズ群において最も物体側のレンズ面の有効径(直径)をφvとしたとき、次式0.005<Δ/φv<0.2の条件を満足することを特徴とする。
【0010】
なお、本発明に係る防振機能を備えたズームレンズにおいて、前記回折光学面を有する面の曲率半径をraとしたとき、次式0.0≦|fw/ra|<1.0の条件を満足することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る防振機能を備えたズームレンズにおいて、前記防振レンズ群は、前記第2レンズ群中の正屈折力を有するレンズ成分であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る防振機能を備えたズームレンズの実施の形態について説明する。本発明のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とを少なくとも有して構成されている。このように、本発明は、負・正の屈折力配置を採用することにより、コンパクトに、射出瞳位置を像面から離す構造をとることができる。したがって、本発明のズームレンズは、固体撮像素子を用いたカメラなどに好適である。
【0013】
さらに、射出瞳を像面からさらに十分に遠ざけるためには、第2レンズ群G2の物体側、すなわち、撮像素子の像側に正の屈折力を有する第3レンズ群G3を配置することが好ましい。これは、いわゆるフィールドレンズの作用を利用するものであり、ズーミング中は固定していることが好ましく、その結果、第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて、フォーカシング(合焦)が可能である。このとき、第3レンズ群G3は、非球面状に形成されたレンズを有することが好ましい。
【0014】
また、本発明のズームレンズを構成するいずれかのレンズ群に、回折作用によるレンズ面(以下、回折光学面という)を導入することにより、特に色収差に関して優れた補正が可能であり、且つ、回折光学素子に特有の問題であったフレアを低減し、その結果、優れた光学性能を達成することができることを見出した。以下、この点について詳述する。
【0015】
一般に、光線を曲げる方法として、屈折、反射及び回折の3種類が知られている。回折光学面とはこのような光の回折作用を行う光学面である。また、回折光学素子とはこのような回折光学面を備えた光学素子であり、従来知られた回折格子やフレネルゾーンプレートなどがある。このような回折光学素子は、屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られており、その具体例としては、負分散を有することが挙げられる。この性質は、色収差補正に極めて有効であり、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない(通常のガラスでは達し得ない)良好な色収差補正が可能となる。なお、このような回折光学素子の性質に関しては、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修」に詳しい。
【0016】
本発明に係るズームレンズにおいては、回折光学面を有する一般の光学系の場合と同様に、回折光学面を通過する光線角度は、できるだけ小さい方が好ましい。これは、上記光線角度が大きくなると、回折光学面によるフレアが発生しやすくなり、画質を損ねてしまうからである。そこで、回折光学面によるフレアがあまり影響を及ぼさずに、良好な画像を得るためには、本光学系の場合、その角度が10度以下とすることが望ましい。このような条件が満たされるのであれば、回折光学面は、本ズームレンズ中のどこに配置してもよいが、本ズームレンズ中においては、第2レンズ群G2の最も物体側の面は、光線角度が10度を超えて不適である。したがって、この第2レンズ群G2の最も物体側の面を除いたいずれかのレンズ面に、回折光学面を有することが好ましいことを見出した。なお、その効果を十分に得るには、光線角度が5度以下であることがより好ましい。このためには、回折光学面を配置するレンズ面を適切に選択必要があるが、本発明では、その好ましい位置を見出している。
【0017】
続いて、本発明のズームレンズが備える防振機能について説明する。上述したように、本ズームレンズは、色収差補正のために回折光学素子を利用しており、少ないレンズ枚数で光学系を構成することができる。その結果、鏡筒のみならず装着するカメラ全体も軽量化できる。しかし、軽量であるために手ブレ等によるズームレンズの振動が発生し易く、このような振動による撮影画像のブレを抑える必要がある。そこで、本発明のズームレンズは、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2中のいずれかのレンズを光軸とほぼ直交する方向に変位(シフト)させ、光学系に振動が加わった時の撮影画像のブレを補正する方式を採っている。これは、手ブレ等のズームレンズの振動による全体の光軸からのズレ量を、光学系内部のレンズ群またはレンズを適切な量だけ光軸とほぼ直交する方向に動かすことにより、結像位置を変化させて全体の光軸からのズレ量を補正する方式である。
【0018】
さらに、本発明のズームレンズは、撮影レンズのブレを検出するブレ検出手段と、ブレ検出手段からの信号とカメラの作動シークエンスの制御を行う制御手段からの信号に基づいて適正なブレ補正量を定めるブレ制御装置と、ブレ補正量に基づいて防振レンズ群を移動させる駆動機構とを組みあわせることにより、防振レンズシステムを構成することができる。この場合、本発明においては、上記のような防振機能(すなわち、上記のような防振レンズ群Gvを光軸と直交する方向にシフトする機能)を有して構成されることが好ましい。
【0019】
以下、本発明のズームレンズに規定されている条件式(1)〜(4)についてまず説明する。本発明のズームレンズにおいて、fwは広角端におけるレンズ系全体の焦点距離とし、Δは後述する防振レンズ群Gvの最大変位量したとき、次の条件式(1)を満足する。
【0020】
【数1】
Δ/|fw| <0.2 (1)
【0021】
この条件式(1)は、防振レンズ群Gvの最大変位量(すなわち、光軸とほぼ直交する方向に沿った最大変位の大きさ)Δと、広角端の焦点距離fwとの割合についての適切な範囲を規定している。防振レンズ群Gvとしては、第1,第2,第3レンズ群G1,G2,G3のいずれか全体を用いる方式でも、その一部のレンズ群を用いる方式でもよいが、特に、有効径の小さいレンズで構成されている第2レンズ群G2の一部のレンズ群を用いると、防振レンズ群Gvの小型化に有効である。また、防振レンズ群Gvの屈折力は、正及び負のどちらにも設定することが可能であるが、防振時においてより良好な結像性能を確保するためには、正の屈折力を有することが好ましい。
【0022】
上記の条件式(1)の上限値を上回ると、防振レンズ群Gvの最大変位量が大きくなり、その結果、防振時の収差変動量が大きくなりすぎてしまうため望ましくない。特に、像面上の周辺領域において、メリディオナル方向の最良像面とサジタル方向の最良像面との光軸方向の差が広がるため不都合である。また、像面上の周辺領域においても、特に倍率色収差及び偏心コマ収差の発生が甚大となるので不都合である。防振レンズ群Gvが全く変位しなければ防振効果は得られないため、当然条件式(1)においてΔ>0であり、条件式(1)の下限値は0である。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(1)の上限値を0.1とすることが好ましい。
【0023】
続いて、本発明において、Cは回折光学面の有効径(直径)としたとき、本発明は、次式(2)を満足する。
【0024】
【数2】
0.2< C /fw <5.0 (2)
【0025】
この条件式(2)は、回折光学面を有するレンズの適切な有効径(直径)Cを規定している。条件式(2)の上限値を上回ると、有効径(直径)が大きくなりすぎ、回折光学面の製作が困難となりコストアップにつながる。また、回折光学面に外部からの有害光が入りやすくなり、フレア等による画質低下を招きやすくなる。反対に、条件式(2)の下限値を下回ると、また、前記回折光学面を有するレンズの有効径(直径)Cが小さくなりすぎて、回折光学面の格子ピッチが小さくなる傾向が強まり、回折光学面の製作が困難となりコストアップにつながるばかりか、格子によるフレア発生が大きくなり画質低下を招きやすくなる。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(2)の上限値を0.1とすることが好ましい。また、下限値を0.01とすることが好ましい。
【0026】
また、φvは防振レンズ群GVの最も物体側の有効径(直径)としたとき、次式(3)を満足する。
【0027】
【数3】
0.005<Δ/φv<0.2 (3)
【0028】
この条件式(3)は、防振レンズ群Gvの有効径(直径)φvと、防振レンズ群Gvの最大変位量Δとの比の適切な範囲を規定している。条件式(3)の上限値を上回ると、有効径(直径)φvに対して最大変位量Δが大きくなりすぎて、防振時に迷光が入り易くなるため好ましくない。また、諸収差のうち、特に望遠端の球面収差が過度に大きくなるので好ましくない。一方、条件式(3)の下限値を下回ると、最大変位量が小さくなり過ぎ、その結果、防振効果小さくなりすぎてしまうために好ましくない。本発明において、防振レンズ群Gvの焦点距離を長くして上述の不都合を回避しようとすると、全体の収差バランスを失いやすいだけでなく、ズームレンズの全長が長くなり過ぎるため好ましくない。なお、本発明の効果をさらに十分に発揮するには、条件式(3)の上限値を0.1とすることが望ましい。また、下限値を0.01とすることが望ましい。
【0029】
本発明のズームレンズにおいて、raは回折光学素子を有する面の曲率半径としたとき、次式(4)を満足する。
【0030】
【数4】
0.0≦|fw/ra|<1.0 (4)
【0031】
この条件式(4)は、回折光学面を有するレンズ面の曲率半径raの適切な範囲を規定している。条件式(4)の上限値を上回ると、回折光学面の曲率半径raが小さくなりすぎてしまい、回折光学面自身を製造しづらくなる不都合が生じるばかりか、コマ収差や像面湾曲収差の発生が甚大となってしまう。なお、回折光学面が平面上に形成されているとき、raは無限大なので、条件式(4)は、|fw/ra|=0である。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(4)の上限値を0.05とすることが好ましい。
【0032】
さらに、光学性能を良好にするために、本発明のズームレンズは、以下の条件式(5)〜(8)を満たすことがより望ましい。
【0033】
本発明において、(第3レンズ群G3を配置した場合)f3を第3レンズ群G3の焦点距離としたとき、次式(5)を満足するとよい。
【0034】
【数5】
1.0 < f3/fw < 5.0 (5)
【0035】
この条件式(5)は、(第3レンズ群G3を配置した場合における)第3レンズ群の焦点距離f3の適切な範囲を規定している。条件式(5)の上限値を上回ると、射出瞳を像面から十分に離すことが困難となってしまう。一方、条件式(5)の下限値を下回ると、ズームレンズ全体の小型化が困難となってしまう。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(5)の上限値を12.0とすることが望ましい。また、条件式(5)の下限値を2.0とすることが望ましい。
【0036】
また、本発明のズームレンズの第1レンズ群G1中の最も物体側に配置されている負メニスカスレンズにおいて、r1を物体側の面の曲率半径、r2を像側の面の曲率半径としたとき、次式(6)を満足することが望ましい。但し、レンズ面が非球面の場合は、r1及びr2ともに、近軸曲率半径Rを指すものとする。
【0037】
【数6】
1.0<(r1+r2)/(r1−r2)<5.0 (6)
【0038】
この条件式(6)は、第1レンズ群G1に配置されている最も物体側の負メニスカスレンズの適切な形状を規定している。条件式(6)の上限値を上回ると、レンズの研摩や芯取りが困難となりコストアップにつながる。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、非点収差や倍率色収差などの軸収差の劣化が大きくなり好ましくない。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(6)の上限値を2.0とすることが好ましい。
【0039】
続いて、本発明のズームレンズは、ΔNを第2レンズ群G2中における最も物体側の貼り合わせレンズである凸レンズと凹レンズの屈折率との差としたとき、次式(7)を満足することが望ましい。
【0040】
【数7】
0.03<ΔN (7)
【0041】
本発明のように、負の屈折力を持つレンズ群(すなわち、第1レンズ群G1)が先行するズームレンズにおいては、後続の第2レンズ群G2を通る光線は大きく曲げられてしまい、この光線の収差補正が難しい。このため、本発明では、条件式(7)に示すように、第2レンズ群G2中の貼り合わせレンズの屈折率差であるΔNの値を適切な範囲を規定することにより、第2レンズ群G2を通る光線の収差補正を良好に行うことが可能であることを見出した。このとき、第2レンズ群G2中において、正レンズの屈折率が負レンズの屈折率よりも高いことが望ましい。なお、条件式(7)の下限値を下回ると、収差バランスを失いやすく、良好な結像性能を得ることができなくなってしまう。さらに、ペッツバール和が正側に変移しやすくなるので好ましくない。
【0042】
防振レンズ群Gvは、防振時においても良好な結像性能を維持するために、Pをペッツバール和としたとき、次式(8)を満足することが望ましい。
【0043】
【数8】
0.002<|P|/fw<0.1 (8)
【0044】
条件式(8)は、ペッツバール和Pを適切な範囲を規定しており、この範囲内では前述したように防振時も良好な結像性能を得ることができる。条件式(8)の上限値を上回ると、防振時に画像の周辺性能の劣化が大きくなり過ぎてしまい、不都合である。一方、条件式(8)の下限値を下回ると、防振レンズ群Gvはペッツバール和を小さく保つために複雑な構成となってレンズ枚数が増加して大型化し、防振レンズ群Gvの全長も大きくなり過ぎてしまい、小型化の達成が困難になってしまう。
【0045】
なお、防振レンズ群Gvは、上記のように、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を構成するいずれのレンズまたはレンズ群でも可能であるが、特に光学上好ましいのは、有効径(直径)の小さい第2レンズ群G2中の貼り合わせレンズである。このとき、上記の貼り合わせレンズは、防振時の色収差の変動を軽減するために、正レンズと負レンズより構成されていることが望ましい。
【0046】
本発明のズームレンズは、これを構成する各レンズ(上記の防振レンズ群Gvを含む)に対して、屈折率分布型レンズ等を用いることにより、さらに良好な光学性能を得られることは言ううまでもない。
【0047】
さらに、製品使用や使用条件等によって、単レンズを防振レンズ群Gvとすることも可能である。また、第3レンズ群G3においても、レンズ群全体ないし一部のレンズ群を光軸方向とほぼ直交する方向に移動させることにより、防振レンズ群Gvとして扱うことが可能である。
【0048】
また、本発明のズームレンズは、諸収差を良好に補正するため、第1レンズ群G1は、物体側から順に、凹メニスカスレンズ、凸レンズの構成とすることが好ましい。
【0049】
さらに、小型化を達成させるため、第2レンズ群G2は3枚以内、第3レンズ群G3は2枚以下のレンズで構成されることが望ましい。
【0050】
本発明のズームレンズにおいて、回折光学面は、空気と接するレンズ面上に形成されることが好ましい。これは、レンズ接合面に形成すると回折格子の高さが大きくなり、フレアが発生しやすくなるからである。さらに、諸収差を良好に補正するためには、この両凸レンズに両凹レンズを貼り合わせた接合レンズを配置することが望ましい。
【0051】
また、第2レンズ群G2の最も物体側のレンズは、両凸レンズであることが好ましい。また、回折光学面は(先述した理由から、最も物体側の面を除いた)第2レンズ群G2に配置されることが望ましい。より具体的には、第2レンズ群G2の最も物体側の両凸レンズの像側のレンズ面あるいは最も像側に配置されたレンズの像側のレンズ面に配置されることが望ましい。後者の場合、回折光学面が配置されるレンズ面は、物体側に凸な面であることがさらに好ましい。
【0052】
なお、回折光学面は、アッベ数νdが65以下の光学ガラスのレンズ面上に形成することが望ましい。これは、回折格子が製造しやすく、良好な光学性能が得られるからである。
【0053】
また、回折光学面をレンズ上に形成する場合、製造を容易にする観点から、フレネルゾーンプレートのように、回折光学面を光軸に対して回転対称である格子構造にすることが好ましい。この場合、通常の非球面レンズと同様に、精研削でも、ガラスモールドでも製作可能である。さらには、レンズ表面に薄い樹脂層を形成し、この樹脂層に格子構造を設けるようにしてもよい。また、回折格子は単純な単層構造に限らず、複数の格子構造を重ねて複層構造にしてもよい。このように、複層構造の回折格子によれば、回折効率の波長特性や画角特性をより一層向上させることができるため、好都合である。
【0054】
さらに、本発明においては、もともと屈折面として非球面状に形成されたレンズLAやLBのレンズ面に回折作用を有するキノフォームまたはマルチレベルのバイナリ層を付加してもよい。以下、この点について説明する。
【0055】
一般に、ガラスモールド法で非球面レンズを形成する場合、いわゆる「型」を作り、その「型」の形状を転写した多数のレプリカをガラスで安価に且つ精度良く作っている。したがって、もともと屈折面として非球面状に形成されたレンズ面の上に回折光学面を形成するには、その「型」にキノフォームまたはバイナリ層を付加するだけでよい。このような方法は、コストアップ及び工程時間の増加をそれほど招かずに済むため、実用的価値が高い。特に、レンズ面にバイナリ層を付加する方法は、半導体チップの製造方法と似通っているため、より実用的価値が高い。なお、レンズ面を平面状または球面状に形成し、その表面に薄い透明な樹脂層を付加して、キノフォームまたはバイナリ形状を作成してもよい。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を添付図面に基づいて説明するが、各実施例において回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(9),(10)とを用いて行う超高屈折法により計算した。超高屈折法とは、非球面形状と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例においては回折光学面は超高屈折法のデータとして、すなわち、後述する非球面式(9),(10)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象として、d線、g線、C線、F線を選んでいる。本実施例において用いたこれらd線、g線、C線、F線の波長と、各スペクトル線に対して設定した超高屈折法の計算に用いるための屈折率の値を下の表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをy、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)、基準球面の曲率半径をr、近軸曲率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の条件式(9),(10)で表される。
【0059】
【数9】
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r2)1/2}
+C2y2+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10 (9)
R=1/{(1/r)+2C2} (10)
【0060】
なお、各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には、表中の面番号の右側に*印を付している。また、各実施例において、回折光学面の位相差は通常の屈折率と上記非球面式(9),(10)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。このため、非球面レンズ面及び回折光学面のいずれにも、非球面式(9),(10)が用いられるが、非球面レンズ面に用いられる非球面式(9),(10)はレンズ面の非球面形状そのものを示し、一方、回折光学面に用いられる非球面式(9),(10)は回折光学面の性能の諸元を示す。
【0061】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図4を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る防振機能を備えたズームレンズZ1のレンズ構成を示す。第1実施例に用いたズームレンズZ1において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向け像側の面が非球面状に形成された負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向け且つ像側の面に回折光学面Gfを備えた正メニスカスレンズL2から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面が非球面状に形成された両凸レンズL3及び両凹レンズL4の貼り合わせレンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL5及び両凸レンズL6の貼り合わせレンズから構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側の面が非球面状に形成された両凸レンズL7から構成されている。第1実施例において、防振レンズ群Gvは第2レンズ群G2中の負メニスカスレンズL5及び両凸レンズL6の貼り合わせレンズに相当している。
【0062】
なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間において、第2レンズ群G2の近傍に開口絞りSが配置され、この開口絞りSは変倍時に第2レンズ群G2とともに移動する。また、第3レンズ群G3に配置されている光学フィルターF1は、第3レンズ群G3とともに固定されている。
【0063】
図2は、広角端(W)から望遠端(T)への変倍における各レンズ群の移動軌跡を示す。広角端(W)から望遠端(T)へのズーム作動は第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、この第1実施例では、図2に示すように、第1及び第2レンズ群G1,G2を実線の矢印A1,A2で示すように移動させる。このとき、第3レンズ群G3は固定されている。また、防振レンズ群Gvは、第2レンズ群G2における負メニスカスレンズL5及び両凸レンズL6の貼り合わせレンズとし、このレンズが防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0064】
次に、この第1実施例における各レンズの諸元を表2に示す。表中、第1欄mは物体側からの各光学面の番号(以下、面番号と称する。なお右の*印は非球面形状に形成されているレンズ面である)、第2欄rは各光学面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径)、第3欄dは各光学面から次の光学面(または像面)までの光軸上の距離、さらに第4欄nd、第5欄ng、第6欄nC、第7欄nFはそれぞれd線、g線、C線、F線に対する屈折率をそれぞれ示している。そして、第8欄Lは各レンズ成分を表す。また、表には、前記条件式(1)〜(8)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
【0065】
なお、この第1実施例では、面番号5に示す面間隔d5(すなわち面番号5と面番号6との面間隔)と、面番号12に示す面間隔d12(すなわち面番号12と面番号13との面間隔)はズーム作動に応じて変化する。同様に、ズームレンズZ1の全体の焦点距離fと口径比FNOもズーム作動に応じて変化する。このようなズーム作動に応じて変化する値も、広角端(W)及び望遠端(T)において、表中に示している。また、本実施例では、面番号6が開口絞りSに相当している。さらに、面番号4及び5に相当する面が回折光学面Gfに相当し、この回折光学面Gfの諸元は上記の超高屈折法を用いて示している。
【0066】
【表2】
(非球面データ)
(変倍における可変間隔)
(条件式対応値)
【0067】
このように第1実施例では、上記条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる。図3,4に、第1実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差を示す。ここで、図3は広角端(W)における諸収差図であり、図4は望遠端(T)における諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、dはd線を、gはg線を、CはC線を、FはF線をそれぞれ示している。なお、球面収差図において最大口径に対応するFナンバーの値、非点収差図と歪曲収差図では、像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、非点収差図では実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
【0068】
各収差図から明らかなように、第1実施例では、防振時を含めて各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、第1実施例において、防振レンズ群Gvの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において+0.26195(d線)、望遠端において+0.34205(d線)であった。ここで記号「+」は、像の移動方向が防振レンズ群Gvの変位方向が同じであることを示している。
【0069】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図5〜図8を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る防振機能を備えたズームレンズZ2のレンズ構成を示す。図5のズームレンズZ2において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向け且つ物体側の面が非球面状に形成された負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向け且つ像側の面に回折光学面Gfを備えた正メニスカスレンズL2から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面が非球面状に形成された両凸レンズL3、両凸レンズL4及び両凹レンズL5の貼り合わせレンズから構成されている。第2実施例において、防振レンズ群Gvは、第2レンズ群G2中の両凸レンズL3に相当している。
【0070】
なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間において、第2レンズ群G2の近傍に開口絞りSが配置され、この開口絞りSは変倍時に第2レンズ群G2とともに移動する。また、第2レンズ群G2の像側に光学フィルターF1が配置され、このフィルターF1は固定されている。
【0071】
図6は、広角端(W)から望遠端(T)への変倍における各レンズ群の移動軌跡を示す。広角端(W)から望遠端(T)へのズーム作動は第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、この第2実施例では、図6に示すように、第1及び第2レンズ群G1,G2を矢印A3,A4で示すように移動させて行われる。また、防振レンズ群Gvは、第2レンズ群G2における両凸レンズL3とし、このレンズが防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0072】
このように図5に示した本発明の第2実施例における各レンズの諸元を表3に示す。なお、この第2実施例では、面番号5に示す面間隔d5(すなわち面番号5と面番号6との面間隔)と、面番号11に示す面間隔d11(すなわち面番号11と面番号12との面間隔)はズーム作動に応じて変化する。同様に、ズームレンズZ2の全体の焦点距離fと口径比FNOもズーム作動に応じて変化する。このようなズーム作動に応じて変化する値も、広角端(W)及び望遠端(T)において、表中に示している。また、本実施例では、面番号6が開口絞りSに相当している。さらに、面番号4及び5に相当する面が回折光学面Gfに相当し、この回折光学面Gfの諸元は超高屈折法を用いて示している。
【0073】
【表3】
【0074】
このように第2実施例では、上記条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる(但し、この実施例では第3レンズ群が配されていないため、条件式(5)は記載していない)。図7,8は、第2実施例の諸収差図である。ここで図7は広角端(W)における諸収差図であり、図8は望遠端(T)における諸収差図である。各収差図から明らかなように、第2実施例では、防振時を含めて各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、第2実施例において、防振レンズ群Gvの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において+0.16369(d線)、望遠端において+0.27123(d線)であった。ここで記号「+」は、像の移動方向が防振レンズ群Gvの変位方向が同じであることを示している。
【0075】
(第3実施例)
続いて、本発明の第3実施例について図9〜図12を用いて説明する。図9は第3実施例に係る防振機能を備えたズームレンズZ3のレンズ構成を示す。図9のズームレンズZ3において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向け且つ物体側の面が非球面状に形成された負メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側の面が非球面状に形成され且つ像側の面に回折光学面Gfを備えた両凸レンズL3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4から構成されている。第3レンズ群G3は、物体側の面が非球面状に形成された両凸レンズL5から構成されている。第3実施例において、防振レンズ群Gvは第1レンズ群G1に相当している。
【0076】
なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間において、第2レンズ群G2の近傍に開口絞りSが配置され、この開口絞りSは変倍時に第2レンズ群G2とともに移動する。第3レンズ群G3の両凸レンズL7の像側に光学フィルターF1が配置され、この光学フィルターF1は第3レンズ群G3とともに固定されている。
【0077】
図10は、広角端(W)から望遠端(T)への変倍における各レンズ群の移動軌跡を示す。広角端(W)から望遠端(T)へのズーム作動は、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、この第3実施例は、図10に示すように、第1及び第2レンズ群G1,G2を矢印A5,A6で示すように移動させて行われる。このとき、第3レンズ群G3は固定されている。また、防振レンズ群Gvは、第1レンズ群G1とし、このレンズ群が防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0078】
このように図9に示した本発明の第3実施例における各レンズの諸元を表4に示す。なお、この第3実施例では、面番号4に示す面間隔d4(すなわち面番号4と面番号5との面間隔)と、面番号10に示す面間隔d10(すなわち面番号10と面番号11との面間隔)はズーム作動に応じて変化する。同様に、ズームレンズZ3の全体の焦点距離fと口径比FNOもズーム作動に応じて変化する。このようなズーム作動に応じて変化する値も、広角端(W)及び望遠端(T)において、表中に示している。また、本実施例では、面番号5が開口絞りSに相当している。さらに、面番号7及び8に相当する面が回折光学面Gfに相当し、この回折光学面Gfの諸元は超高屈折法を用いて示している。
【0079】
【表4】
(非球面データ)
(変倍における可変間隔)
(条件式対応値)
【0080】
このように第3実施例では、上記条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる。図11,12は、第3実施例の諸収差図である。ここで、図11は広角端(W)における諸収差図であり、図12は望遠端(T)における諸収差図である。各収差図から明らかなように、第3実施例では、防振時を含めて各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、第3実施例において、防振レンズ群Gvの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において−0.06475(d線)、望遠端において−0.18126(d線)であった。ここで記号「−」は、像の移動方向が防振レンズ群Gvの変位方向が逆向きであることを示している。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固体撮像素子等を用いたビデオカメラやデジタルカメラ等に好適で、回折光学素子を用いて、3倍程度の変倍比を有し、小型で高性能且つ防振機能を備えたズームレンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振機能を備えたズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】上記第1実施例に係る防振機能を備えたズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端(W)における諸収差図である。
【図4】第1実施例の望遠端(T)における諸収差図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る防振機能を備えたズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】上記第2実施例に係る防振機能を備えたズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図7】第2実施例の広角端(W)における諸収差図である。
【図8】第2実例の望遠端(T)における諸収差図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る防振機能を備えたズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図10】上記第3実施例に係る防振機能を備えたズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図11】第3実施例の広角端(W)における諸収差図である。
【図12】第3実施例の望遠端(T)における諸収差図である。
【符号の説明】
Zi ズームレンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
Li 各レンズ成分
Gf 回折光学面
Gv 防振レンズ群
I 像面
Claims (5)
- 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とを少なくとも有し、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が減少し且つ前記第2レンズ群と像面との間隔が増大するように、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群がそれぞれ移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群は、いずれかのレンズ面に回折光学面を有し、いずれかのレンズを光軸とほぼ直交する方向に移動させて防振し、
広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfw、防振時に移動させた前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群中のいずれかのレンズの最大変位量をΔとしたとき、次式
Δ/|fw|<0.2
の条件を満足することを特徴とする防振機能を備えたズームレンズ。 - 前記回折光学面の有効径(直径)をCとしたとき、次式
0.2<C/fw<5.0
の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の防振機能を備えたズームレンズ。 - 防振時に移動させる前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群中のいずれかのレンズを防振レンズ群とし、この防振レンズ群において最も物体側のレンズ面の有効径(直径)をφvとしたとき、次式
0.005<Δ/φv<0.2
の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の防振機能を備えたズームレンズ。 - 前記回折光学面を有する面の曲率半径をraとしたとき、次式
0.0≦|fw/ra|<1.0
の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防振機能を備えたズームレンズ。 - 前記防振レンズ群は、前記第2レンズ群中の正屈折力を有するレンズ成分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防振機能を備えたズームレンズ。
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