JP2004251439A - ヒンジ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持する機器の重心を考慮した操作抵抗の設定が可能なヒンジ装置を提供する。
【解決手段】略平板状の枢支部12を有するブラケット部材11と、枢支部12の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板14,16と、枢支部12及び固定板14,16を回転自在に挿通する軸部材13と、固定板14,16を挟んで枢支部12とは反対側に、軸部材13に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板15,17と、摩擦板15,17を固定板14,16に圧接させる付勢手段18であって、軸部材13に軸方向に移動自在に設けた付勢部材18と、ブラケット部材11に対して軸部材13をその回転一方向へ助勢する助勢手段21とを備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示手段を傾動可能に支持するのに好適なヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ等の表示手段を傾動自在に支持するヒンジ装置として、本出願人は、略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、固定板を挟んで枢支部とは反対側に、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、軸部材に軸方向に移動自在に設けられて摩擦板を固定板に圧接させる付勢部材とを備えたものを提案した(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ノートブック型のパーソナルコンピュータやワードプロセッサーでは、本体装置に対して表示装置を開閉自在に支持するヒンジとして、表示装置を本体装置に対してポップアップにより開放できるように構成するためのコイルバネを組み込んだものも実用化されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−250335号公報(第3−6頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開平6−330668号公報(第2−3頁、第1−5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載のヒンジ装置では、固定板をブラケット部材の枢支部に相対回転不能に固定し、これに摩擦板を圧接させて軸部材に対して制動力を付与するので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。
【0006】
しかし、このヒンジ装置では軸部材の回転方向に関係なく、軸部材に作用する制動力が一様であることから、例えば表示装置の重心がヒンジ装置の枢支点よりも後側に位置するときには、前側への操作抵抗が後側への操作抵抗よりも大きくなり、また表示装置の重心がヒンジ装置の枢支点よりも前側に位置するときには、後側への操作抵抗が前側への操作抵抗よりも大きくなるという不具合がある。例えば、専用スタンドを用いて床上に設置されるテレビの液晶ディスプレイ等の表示装置においては、表示装置の後面下部に後方へ突出するようにヒンジ装置を設けてスタンドに枢支している関係上、表示面を鉛直方向に配置した基準姿勢において、表示装置の重心が枢支点よりも前側に位置することになり、後方への操作抵抗が大きくなるという問題があった。また、近年における液晶ディスプレイの大型化に伴って、制動力を高く設定する必要があることから、操作性の改善に対する要求が大きくなりつつある。
【0007】
本発明の目的は、支持する機器の重心を考慮した操作抵抗の設定が可能なヒンジ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のヒンジ装置は、略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢手段であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材と、前記ブラケット部材に対して軸部材をその回転一方向へ助勢する助勢手段とを備えたものである。
【0009】
この第1のヒンジ装置においては、軸部材とともに回転する摩擦板を付勢部材の付勢力でブラケット部材の枢支部に固定した固定板に圧接させることにより、摩擦板と固定板間の摩擦抵抗により軸部材に対して制動力を付与して、回転操作した位置に軸部材を保持できるように構成することになる。このように、固定板をブラケット部材の枢支部に相対回転不能に固定し、これに摩擦板を圧接させて軸部材に対して制動力を付与するので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。
【0010】
また、助勢手段によりブラケット部材に対して軸部材をその回転一方向へ助勢するので、例えばこのヒンジ装置により支持する表示装置等の機器の重心と枢支点との関係から、該機器の一方向への回転操作抵抗が大きくなる場合には、該方向への軸部材の回転を助勢することで、該機器の回動操作性を改善できる。しかも、この助勢手段はヒンジ装置に一体的に組み付けられているので、ヒンジ装置を適用する機器側の設計変更等を行うことなく、その操作性を改善することが可能となる。尚、助勢手段による助勢力は、制動部材による制動力よりも小さく設定され、助勢方向への回転操作時においても適度な制動力が確保されるように構成されている。
【0011】
ここで、請求項2記載のように、前記助勢手段として、軸部材に外装される捩りバネであって、一端部に半径方向へ延びる第1腕部を形成し、他端部に軸方向に延びる第2腕部を形成した捩りバネを用い、軸部材の端部に捩りバネの第1腕部が嵌合する半径方向に延びる溝部を形成し、ブラケット部材の枢支部に第2腕部が嵌合する係止孔を形成すること、請求項3記載のように、前記助勢手段として、軸部材の途中部に外装される捩りバネであって、両端部に軸方向へ延びる腕部をそれぞれ形成した捩りバネを用い、軸部材に捩りバネに隣接させて鍔部を形成するとともに、鍔部に捩りバネの一方の腕部が嵌合する係止凹部を形成し、ブラケット部材の枢支部に捩りバネの他方の腕部が嵌合する係止孔を形成すること、請求項4記載のように、前記助勢手段として、固定板及び摩擦板に遊びを持たせて外装される捩りバネであって、一端部を軸部材に係合させ、他端部をブラケット部材に固定させた捩りバネを設けること、などが好ましい実施例である。
【0012】
本発明に係る第2のヒンジ装置は、略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢手段であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材と軸部材に回転自在に枢支した回転力伝達部材と、前記回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達経路に介装したクラッチ手段とを備えたものである。
【0013】
この第2のヒンジ装置においては、第1のヒンジ装置と同様に、軸部材とともに回転する摩擦板を付勢部材の付勢力でブラケット部材の枢支部に固定した固定板に圧接させることにより、摩擦板と固定板間の摩擦抵抗により軸部材に対して制動力を付与して、回転操作した位置に軸部材を保持できるように構成しているので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。
【0014】
また、軸部材に回転自在に枢支した回転力伝達部材と、前記回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達経路に介装したクラッチ手段とを備えているので、例えばこのヒンジ装置により支持する表示装置等の各種機器の重心と枢支点との位置関係から、該機器の一方向への回転操作抵抗が大きくなる場合には、該方向への操作時に回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達をクラッチ手段により分断或いは小さく調整することで、該機器の回動操作性を改善できることになる。しかも、このクラッチ手段はヒンジ装置に一体的に組み付けられているので、ヒンジ装置を適用する機器側の設計変更等を行うことなく、その操作性を改善することが可能となる。
【0015】
ここで、前記クラッチ手段として、軸部材又は回転力伝達部材に内嵌軸部を形成し、この内嵌軸部に絞りバネを外装して、絞りバネの内周面を内嵌軸部の外周面に圧接させ、内嵌軸部を形成していない側の軸部材又は回転力伝達部材に絞りバネの一端部を係合させ、絞りバネの他端部を開放することが好ましい実施例である。
【0016】
また、前記第1及び第2のヒンジ装置において、前記固定板を省略し、付勢手段により摩擦板を枢支部に直接的に圧接させてもよい。この場合には、ブラケット部材として耐摩耗性に優れた金属材料を採用する必要はあるが、部品点数を少なくできるので、その分製作コストを低減できるとともに組付性を向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施例は、液晶ディスプレイを傾動自在に支持するためのディスプレイ支持台のヒンジ装置に本発明を適用した場合のものである。但し、液晶ディスプレイ以外の表示装置や掲示板等の各種機器を傾動自在に支持するためのヒンジ装置に対しても本発明を同様に適用できる。
【0018】
図1に示すように、ディスプレイ支持台1の下部には支持脚2が設けられ、支持脚2には上方へ延びる支持柱3が立設固定され、支持柱3には上方へ延びる支持アーム4が左右1対のヒンジ装置10を介して傾動操作可能に支持され、液晶ディスプレイ5はこの支持アーム4の前側に固定されて、ヒンジ装置10を介して前方へ傾動角θF、後方へ傾動角θRの範囲内で傾動操作可能に且つ傾動操作した位置に保持可能に支持されている。但し、ディスプレイ支持台1としては、任意の構成のものを採用することが可能であり、図1に示す形態に限定されるものではない。
【0019】
液晶ディスプレイ5の重心Gは、液晶ディスプレイ5の傾動範囲の略全体にわたって、ヒンジ装置10による液晶ディスプレイ5の枢支点Pよりも前側に位置しており、液晶ディスプレイ5には重力により前方へ傾動操作力が常時作用している。本発明に係るヒンジ装置10では、傾動操作した位置に液晶ディスプレイ5を保持するための制動力を付与するとともに、液晶ディスプレイ5の後方への操作性を高めるための手段を設け、前後方向への傾動操作性を向上するように構成されている。以下、このヒンジ装置10の具体的な構成について図面を参照しながら詳細に説明するが、両ヒンジ装置10は左右対称の構成のものなので、右側のヒンジ装置10について説明する。
【0020】
図1〜図4に示すように、ヒンジ装置10は、支持アーム4の前面に固定したブラケット部材11と、ブラケット部材11の後方へ延びる枢支部12に回転自在に支持した軸部材13と、枢支部12の左側において枢支部12から順番に軸部材13に外嵌装着した第1固定板14及び第1摩擦板15と、枢支部12の右側において枢支部12から順番に軸部材13に外嵌装着した第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19とかしめ座板20と、液晶ディスプレイ5の後方への傾動操作を助勢するための助勢手段21とを備えている。
【0021】
軸部材13の途中部には軸方向へ延びる略平行な2つの係合面22を有する軸本体部23が形成され、軸部材13の右端部には軸本体部23よりも小径なかしめ部24が形成され、軸部材13の左端近傍部には鍔部25が形成されている。軸部材13の左端部には軸本体部23よりも大径で且つ軸方向へ延びる略平行な2つの係合面26を有する連結軸部27が形成され、軸部材13は連結軸部27を支持柱3の上端部に設けた図示外の固定金具に嵌合固定することで支持柱3に固定支持されている。尚、軸本体部23及び連結軸部27は、断面多角形状に形成してもよいし、断面D字状に形成してもよい。
【0022】
ブラケット部材11は、加工性に優れ且つ安価に入手可能な鉄板等の金属板をプレス成形して製作したもので、支持アーム4の前面に図示外のビスにより固定される固定部28と、固定部28の左側縁の下部から後方へ向けて延びる枢支部12とを有し、枢支部12には軸部材13の軸本体部23が相対回転自在に挿通する軸孔29が形成され、枢支部12には軸孔29を取り囲むように4つの取付孔30が一定間隔おきにぞれぞれ形成されている。枢支部12の上下両側部には左方へ延びる角度規制片31が形成され、ブラケット部材11は角度規制片31を支持柱3の上端部に設けた図示外の固定金具の規制孔に嵌合させることで、ブラケット部材11の傾動範囲が傾動角θF、θRの範囲に規制されている。
【0023】
固定板14,16は、中央部に軸部材13の軸本体部23が相対回転自在に挿通する軸孔32を形成した略円板状の部材で構成されている。固定板14,16の外周部には枢支部12側へ延びる1対の係合片33が取付孔30に対応させて形成され、固定板14,16は、係合片33を取付孔30に挿入させて枢支部12に重ね合わせることにより、枢支部12に対して相対回転不能に組み付けられている。尚、枢支部12に対する固定板14,16の取付構造は、固定板14,16を枢支部12に対して相対回転不能に取り付け得る構成であれば、例示した凹凸嵌合以外の凹凸嵌合によるものや、それ以外の取付構造を採用することが可能である。また、接着剤等を併用したり、ビスやリベット等の固定具を併用してもよい。
【0024】
固定板14,16は、耐摩耗性に優れた、ポリアミド系樹脂やポリアセタール系樹脂などの合成樹脂材料や、ステンレス鋼などの鉄系金属或いは鉄系や銅系の焼結金属で構成されている。合成樹脂材料で構成する場合には、滑り性を高めるために、これら樹脂組成物に固体潤滑剤を混練分散させてもよいし、機械的強度を高めるために、これら樹脂組成物にガラス繊維や炭素繊維などの繊維状補強材を混入させた強化樹脂を用いてもよい。また、焼結金属で構成する場合には、滑り性を高めるため潤滑油を含浸させたものを採用することが好ましい。
【0025】
摩擦板15,17は、耐摩耗性に優れた例えばステンレス鋼などの金属材料で構成され、その中央部には軸部材13の軸本体部23が相対回転不能に挿通する略小判型の軸孔34が形成され、摩擦板15,17は軸部材13と一体的に回転するように構成されている。摩擦板15,17の半径方向の途中部には油孔35が軸孔34を取り囲むように円周一定間隔おきに4つ形成され、油孔35内にグリース等の潤滑油を充填することで、長期にわたって潤滑性が維持されるように構成されている。
【0026】
但し、油孔35の個数やサイズや形成位置は任意に設定することが可能である。また、前述のように、固定板14,16として、固定潤滑剤を混練分散した合成樹脂材料や、潤滑油を含浸させた焼結金属を採用する場合には油孔35を省略してもよい。更に、固定板14と摩擦板15との対向面の一方と、固定板16と摩擦板17との対向面の一方に、潤滑油を保持するための微細な凹凸をそれぞれ形成して、両者間における潤滑性を高めて、摩擦力の変動を少なくしてもよい。このような凹凸は、プレス加工やショットブラストやショットピーニングなどの機械処理或いはエッチングなどの化学的処理により容易に形成できる。また、このような凹凸を形成すると、固定板14と摩擦板15間の潤滑性を十分に確保できるので、固定板14,16の素材として、必ずしも固定潤滑剤を混練分散した合成樹脂材料や、潤滑油を含浸させた焼結金属を採用する必要はないし、油孔35も省略可能である。
【0027】
付勢部材18は、中央部に軸部材13の軸本体部23が相対回転自在に挿通する軸孔36を形成した略円板状のウェーブワッシャで構成されている。ただし、軸方向に弾性変形して摩擦板15,17と固定板14,16間に適度な摩擦抵抗を作用させることが可能なものであれば、任意の構成のものを採用することが可能で、図2に示すようなウェーブワッシャ以外に、皿バネやコイルスプリングを用いることも可能である。また、合成樹脂材料や合成ゴムなどの弾性部材からなるものを採用してもよい。尚、付勢部材18により第2摩擦板17が変形しないように、付勢部材18と第2摩擦板17間において軸部材13に安価に製作可能な鉄板等の金属板からなるワッシャを設け、このワッシャを軸部材13に相対回転自在或いは相対回転不能に支持させてもよい。
【0028】
スペーサ板19は、中央部に軸部材13の軸本体部23が相対回転自在に挿通する軸孔37を形成した略円板状に構成されている。
かしめ座板20は、中央部に軸部材13のかしめ部24が相対回転自在に挿通する軸孔38を形成した略円板状に構成されている。かしめ座板20の厚さは、適正量だけかしめた後のかしめ部24の軸部分の長さよりも短くなるように設定され、図4に示すように、かしめた状態でかしめ部24と軸本体部23との段部39がスペーサ板19の厚さ方向の途中部に位置するように構成され、スペーサ板19と鍔部25間に、付勢部材18と第2摩擦板17と第2固定板16と枢支部12と第1固定板14と第1摩擦板15とが適正な力で確実に挟持されるように構成されている。
【0029】
尚、スペーサ板19及びかしめ座板20の素材は任意に設定可能であるが、安価に入手可能な鉄板等の金属板で構成すること好ましい。また、付勢部材18とスペーサ板19とかしめ座板20とは、軸部材13に相対回転自在に外装したが、軸部材13と一体的に回転するように構成してもよい。更に、スペーサ板19は、かしめ座板20と段部39間に付勢部材18の内周部が挟持されるという、付勢部材18の組付不良を防止するためのものであるが、省略することも可能である。
【0030】
液晶ディスプレイ5の後方への傾動操作を助勢するため助勢手段21について説明すると、連結軸部27と鍔部25間には連結軸部27よりも大径の略円柱状の保持部40が形成され、連結軸部27及び保持部40には半径方向に延びる溝部41がその鍔部25付近まで形成され、ブラケット部材11の枢支部12の前端近傍部には係止孔42が形成されている。保持部40には捩りバネ43が外装され、捩りバネ43の第1腕部44は溝部41に嵌合され、第2腕部45は係止孔42に嵌合されている。この捩りバネ43は、液晶ディスプレイ5の重心Gが枢支点Pを通る鉛直線上に位置したときに自然状態となるように配置され、液晶ディスプレイ5をそれよりも前方或いは後方へ操作したときには、自然状態へ復帰しようとする付勢力が作用するように構成されている。また、捩りバネ43の付勢力はヒンジ装置10の制動力よりも小さくなるように設定され、傾動操作した位置に液晶ディスプレイ5が確実に保持されるように構成されている。但し、液晶ディスプレイ5の操作性を低下させない範囲であれば、捩りバネ43による液晶ディスプレイ5の後方への付勢力が常時作用するように設定してもよい。また、捩りバネ43としては断面円形や四角形状の周知構成のものを採用できる。
【0031】
次に、ヒンジ装置10の組立方法について簡単に説明する。
先ず、第1摩擦板15と第1固定板14とを軸本体部23に順番に装填してから、軸本体部23を枢支部12の軸孔29に挿通させ、第1固定板14の係合片33を枢支部12の取付孔30に嵌合させて、第1摩擦板15と第1固定板14を枢支部12に重ねあわせる。
【0032】
次に、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を順番に軸本体部23に装填し、第2固定板16の係合片33が枢支部12の取付孔30に嵌合するように、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を枢支部12に重ねあわせる。
次に、かしめ座板20をかしめ部24に装填してから、かしめ部24をかしめ、軸部材13を介して、第1摩擦板15、第1固定板14、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20をブラケット部材11に一体的に組み付ける。
次に、第1腕部44を連結軸部27の溝部41に嵌合させるとともに、第2腕部45を枢支部12の係止孔42に嵌合させて、捩りバネ43を連結軸部27に外装してヒンジ装置10を組み立てることになる。
【0033】
このように構成したヒンジ装置10においては、摩擦板15,17が付勢部材18の付勢力により固定板14,16にそれぞれ圧接され、第1固定板14と第1摩擦板15及び第2固定板16と第2摩擦板17間の摩擦抵抗により、軸部材13に対して適度な回転操作抵抗(制動力)が付与される。また、液晶ディスプレイ5に対してはその重心Gが枢支点Pよりも前側にあることから、前方への回転力が作用することになるが、助勢手段21により液晶ディスプレイ5に対して後方への助勢力が作用するので、重力による回転力が相殺されて、前方への傾動操作と同様に後方への傾動操作性が十分に確保されることになる。
【0034】
次に、前記ヒンジ装置10の構成を部分的に変更した他の実施例について説明する。尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5、図6に示すように、このヒンジ装置10Aは、助勢手段21Aの捩りバネ43Aを軸部材13Aの途中部に着脱不能に組み付けたもので、第1固定板14、第1摩擦板15、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20は、前記実施例と同様に構成され、軸部材13とブラケット部材11と助勢手段21に代えて、次のような構成の軸部材13Aとブラケット部材11Aと助勢手段21Aとを備えている。
【0035】
軸部材13Aの右部には前記実施例と同様に軸本体部23とかしめ部24とが形成され、軸部材13の途中部には捩りバネ43Aが外装される略円柱状の保持部50が形成され、保持部50の左側には溝部41を省略した連結軸部27Aが形成され、連結軸部27Aには鍔部材51が相対回転不能に圧入嵌合されている。
【0036】
ブラケット部材11Aは、枢支部12に形成した角度規制片31Aが軸部材13Aの左端部付近まで突出されている以外は前記実施例のブラケット部材11と同様に構成されている。
【0037】
助勢手段21Aについて説明すると、鍔部材51の外周部には係合溝52が形成され、ブラケット部材11の枢支部12の前端近傍部には係止孔42が形成されている。保持部50には捩りバネ43Aが外嵌装着され、捩りバネ43Aの第1腕部44Aは係合溝52に嵌合され、第2腕部45Aは係止孔42に嵌合されている。この捩りバネ43Aは、前記ヒンジ装置10の捩りバネ43と同様に、液晶ディスプレイ5の重心Gが枢支点Pを通る鉛直線上に位置したときに自然状態となるように配置され、液晶ディスプレイ5をそれよりも前方或いは後方へ操作したときには、自然状態へ復帰しようとする付勢力が作用するように構成されている。
【0038】
次に、ヒンジ装置10Aの組立方法について簡単に説明すると、前記ヒンジ装置10と同様に、第1摩擦板15と第1固定板14とを軸本体部23に順番に装填してから、軸本体部23を枢支部12の軸孔29に挿通させ、次に、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を順番に軸本体部23に装填し、かしめ座板20をかしめ部24に装填してから、かしめ部24をかしめることで、保持部50とかしめ部24間に、第1摩擦板15、第1固定板14、枢支部12、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20を挟持させる。
【0039】
次に、第2腕部45Aを枢支部12の係止孔42に嵌合させて、捩りバネ43Aを保持部50に外装させてから、第1腕部44Aが鍔部材51の係合溝52に嵌合するように、鍔部材51を連結軸部27に圧入嵌合して、捩りバネ43Aを一体的に組み立てることになる。但し、軸部材13Aに対して鍔部材51を一体的に形成することも可能で、この場合には、保持部50に捩りバネ43Aを組み付けた状態で、前記と同様に第1摩擦板15と第1固定板14とを軸本体部23に順番に装填してから、軸本体部23を枢支部12の軸孔29に挿通させ、次に、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を順番に軸本体部23に装填し、かしめ座板20をかしめ部24に装填してから、かしめ部24をかしめることになる。
【0040】
このように構成したヒンジ装置10Aにおいては、前記実施例のヒンジ装置10と同様に、摩擦板15,17が付勢部材18の付勢力により固定板14,16にそれぞれ圧接され、第1固定板14と第1摩擦板15及び第2固定板16と第2摩擦板17間の摩擦抵抗により、軸部材13Aに対して適度な回転操作抵抗が付与される。また、液晶ディスプレイ5に対してはその重心Gが枢支点Pよりも前側にあることから、前方への回転力が作用することになるが、助勢手段21Aにより液晶ディスプレイ5に対して後方への助勢力が作用するので、重力による回転力が相殺されて、前方への傾動操作と同様に後方への傾動操作性が十分に確保されることになる。
【0041】
図7〜図9に示すように、このヒンジ装置10Bは、ブラケット部材11,軸部材13B,第1固定板14,第1摩擦板15,第2固定板16,第2摩擦板17,付勢手段18,スペーサ板19,かしめ座板20,助勢手段21B,伝達板70を備えている。ブラケット部材11,第1固定板14,第1摩擦板15,第2固定板16,第2摩擦板17,付勢手段18,スペーサ板19,かしめ座板20は前記ヒンジ装置10と同様に構成されている。
【0042】
軸部材13Bは、前記軸部材13における連結軸部27に代えて溝部41を省略した連結軸部27Bを設けるとともに鍔部25及び保持部40を省略し、軸部本体23に代えて連結軸部27Bまで伸びる軸本体部23Bを形成し、更に連結軸部27Bの右端部にかしめ部24を設けたものである。
【0043】
伝達板70は、鍔部25及び保持部40に代えて設けた部材で、その中央部には軸部本体23Bが相対回転不能に挿通する軸孔71が形成され、第1摩擦板15と連結軸部27B間において軸部本体23Bに嵌合装着され、伝達板70の後部には助勢手段21Bの一端部が係合する係合溝72が形成された係合片73が後方へ向けて突出状に形成されている。
【0044】
助勢手段21Bについて説明すると、第2固定板16,第2摩擦板17,付勢手段18,スペーサ板19,かしめ座板20に遊びを持たせた状態で外装される捩りバネ43Bが設けられ、捩りバネ43Bの一端部の第1腕部44Bは軸部材13Bの軸方向に延びて、ブラケット部材11の枢支部12に形成した切欠部74を挿通して伝達板70の係合溝72に係合され、捩りバネ43Bの他端部の第2腕部45Bは後方へ延びてブラケット部材11の固定部28に形成した係合孔75に装着されている。この捩りバネ43Bは、前記ヒンジ装置10の捩りバネ43と同様に、液晶ディスプレイ5の重心Gが枢支点Pを通る鉛直線上に位置したときに自然状態となるように配置され、液晶ディスプレイ5をそれよりも前方或いは後方へ操作したときには、自然状態へ復帰しようとする付勢力が作用するように構成されている。
【0045】
このように構成したヒンジ装置10Bにおいては、前記実施例のヒンジ装置10と同様に、摩擦板15,17が付勢部材18の付勢力により固定板14,16にそれぞれ圧接され、第1固定板14と第1摩擦板15及び第2固定板16と第2摩擦板17間の摩擦抵抗により、軸部材13Bに対して適度な回転操作抵抗が付与される。また、液晶ディスプレイ5に対してはその重心Gが枢支点Pよりも前側にあることから、前方への回転力が作用することになるが、助勢手段21Bにより液晶ディスプレイ5に対して後方への助勢力が作用するので、重力による回転力が相殺されて、前方への傾動操作と同様に後方への傾動操作性が十分に確保されることになる。
【0046】
更に、このヒンジ装置10Bでは、基本的に従来のヒンジ装置に対してほとんど設計変更を加えることなく、助勢手段21Bを組み付けることができるので、ヒンジ装置10と比較して製作コストを低減できる。しかも、捩りバネ43Bを第2固定板16,第2摩擦板17,付勢手段18,スペーサ板19,かしめ座板20に外装させるので、ヒンジ装置10Aよりも軸方向に小型に構成できとともに、角度規制片31を短尺に構成できるので、角度規制片31に作用する曲げ力を小さくできる。
【0047】
次に、前記助勢手段21に代えてクラッチ手段60を設けたヒンジ装置10Cについて説明する。尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10、図11に示すように、このヒンジ装置10Cにおける、第1固定板14、第1摩擦板15、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20は、前記実施例のヒンジ装置10と同様に構成され、軸部材13とブラケット部材11と助勢手段21に代えて、次のような構成の軸部材13Cとブラケット部材11Cとクラッチ手段60とを備えている。
【0048】
軸部材13Cの右部には前記実施例と同様に軸本体部23とかしめ部24とが形成され、軸部材13の途中部には鍔部25が形成され、軸部材13の左部には内嵌軸部61が形成され、軸部材13の左端部には枢支軸部62が形成されている。枢支軸部62には回転力伝達部材63が回転自在に設けられ、回転力伝達部材63の左部には連結軸部27Cが一体的に形成され、回転力伝達部材63は軸部材13Cの軸端に固定したCリング64を介して枢支軸部62から脱落しないように取付けられている。
【0049】
ブラケット部材11Cは、枢支部12に形成した角度規制片31Cが軸部材13Cの左端部付近まで突出されている以外は前記実施例のブラケット部材11と同様に構成されている。
【0050】
クラッチ手段60について説明すると、内径が内嵌軸部61の外径よりも小径の絞りバネ65が設けられ、絞りバネ65はその内周面を内嵌軸部61の外面に圧接させて内嵌軸部61に外装され、絞りバネ65の右端部は解放され、絞りバネ65の左端部は回転力伝達部材63の外周部に形成した係合溝66に嵌合されている。
【0051】
次に、ヒンジ装置10Cの組立方法について簡単に説明すると、前記ヒンジ装置10と同様に、第1摩擦板15と第1固定板14とを軸本体部23に順番に装填してから、軸本体部23を枢支部12の軸孔29に挿通させ、次に、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を順番に軸本体部23に装填し、かしめ座板20をかしめ部24に装填してから、かしめ部24をかしめることで、鍔部25とかしめ部24間に、第1摩擦板15、第1固定板14、枢支部12、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20を挟持させることになる。
【0052】
次に、内嵌軸部61に絞りバネ65を圧入状に装着した状態で、絞りバネ65の左端部が係合溝66に嵌合するように回転力伝達部材63を枢支軸部62に装着し、枢支軸部62の軸端にCリング64を嵌合させて、ヒンジ装置10Cを組み立てることになる。
【0053】
このヒンジ装置10Cにおいては、前記実施例のヒンジ装置10と同様に、摩擦板15,17が付勢部材18の付勢力により固定板14,16にそれぞれ圧接され、第1固定板14と第1摩擦板15及び第2固定板16と第2摩擦板17間の摩擦抵抗により、ブラケット部材11Cと軸部材13C間に適度な回転操作抵抗が付与される。一方、液晶ディスプレイ5に対して前方への回転操作力が作用すると、絞りバネ65が締め付けられる方向に操作され、絞りバネ65と内嵌軸部61間の摩擦抵抗が大きくなって、回転力伝達部材63と軸部材13Cとが一体的に回転しようとし、また反対に後方への回転操作力が作用すると、絞りバネ65が緩む方向に操作されて、絞りバネ65と内嵌軸部61との摩擦抵抗が少なくなり、絞りバネ65が内嵌軸部61上をスリップしようとする。つまり、液晶ディスプレイ5の前方への操作時には、比較的大きな回転操作抵抗が作用し、後方への操作時には、絞りバネ65と内嵌軸部61間の摩擦抵抗に応じた比較的小さな回転操作抵抗が作用することになる。ところで、液晶ディスプレイ5に対してはその重心Gが枢支点Pよりも前側にあることから、前方への回転力が作用するので、液晶ディスプレイ5を前方へ操作するときには、重力による回転力と実際の操作力が作用することから、比較的容易に液晶ディスプレイ5を操作できることになり、後方への操作時には、重力による回転力に抗して操作する必要はあるが、回転操作抵抗が少なくなることから、比較的小さな操作力で液晶ディスプレイ5を操作できることになる。
【0054】
尚、本実施例では、液晶ディスプレイ5の重心Gが枢支点Pよりも前方にあることから、後方への操作性を高めるように液晶ディスプレイ5を後方へ助勢したり、後方への操作抵抗を少なくしたが、前方への操作性を高めるように前方へ助勢したり、前方への操作抵抗を少なくすることも可能である。
また、摩擦板及び固定板の枚数は支持する機器の重量等に応じて適宜に設定することが可能であるし、固定板を省略して摩擦板を枢支部に直接的に圧接させて回転操作抵抗を付与するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る第1のヒンジ装置によれば、固定板をブラケット部材の枢支部に相対回転不能に固定し、これに摩擦板を圧接させて軸部材に対して制動力を付与するので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。また、助勢手段によりブラケット部材に対して軸部材をその回転一方向へ助勢するので、例えばこのヒンジ装置により支持する表示装置等の機器の重心と枢支点との関係から、該機器の一方向への回転操作抵抗が大きくなる場合には、該方向への軸部材の回転を助勢することで、該機器の回動操作性を改善できる。しかも、この助勢手段はヒンジ装置に一体的に組み付けられているので、ヒンジ装置を適用する機器側の設計変更等を行うことなく、その操作性を改善することが可能となる。
【0056】
ここで、請求項2〜4記載のように構成すると、ヒンジ装置に対する助勢手段の組付性を向上できるとともに、助勢手段をコンパクトに組み付けることが可能となる。また、請求項4記載のヒンジ装置では、固定板及び摩擦板に捩りバネの外装するので、ヒンジ装置を軸部材の軸方向に小型に構成することが可能となる。
【0057】
本発明に係る第2のヒンジ装置によれば、第1のヒンジ装置と同様に、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。また、軸部材に回転自在に枢支した回転力伝達部材と、前記回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達経路に介装したクラッチ手段とを備えているので、例えばこのヒンジ装置により支持する表示装置等の各種機器の重心と枢支点との位置関係から、該機器の一方向への回転操作抵抗が大きくなる場合には、該方向への操作時に回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達をクラッチ手段により分断或いは小さく調整することで、該機器の回動操作性を改善できることになる。しかも、このクラッチ手段はヒンジ装置に一体的に組み付けられているので、ヒンジ装置を適用する機器側の設計変更等を行うことなく、その操作性を改善することが可能となる。
【0058】
ここで、前記クラッチ手段として、軸部材又は回転力伝達部材に内嵌軸部を形成し、この内嵌軸部に絞りバネを外装して、絞りバネの内周面を内嵌軸部の外周面に圧接させ、内嵌軸部を形成していない側の軸部材又は回転力伝達部材に絞りバネの一端部を係合させ、絞りバネの他端部を開放すると、例えば操作抵抗の大きい側への機器等の回転操作時には、絞りバネが緩むように設定することで、回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達が小さくなって、機器等を容易に回転操作することが可能となり、反対方向への回転操作時には、絞りバネにより内嵌軸部が締め付けられて、回転力伝達部材から軸部材へ回転力が伝達されて制動力が付与されることになり、機器等の操作性が改善されることになる。
【0059】
また、前記第1及び第2のヒンジ装置において、前記固定板を省略し、付勢手段により摩擦板を枢支部に直接的に圧接させると、ブラケット部材として耐摩耗性に優れた金属材料を採用する必要はあるが、部品点数を少なくできるので、その分製作コストを低減できるとともに組付性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶ディスプレイ及びディスプレイ支持台の側面図
【図2】ヒンジ装置の分解斜視図
【図3】ヒンジ装置の背面図
【図4】図3のIV−IV線断面図
【図5】他の構成のヒンジ装置の分解斜視図
【図6】同ヒンジ装置の背面図
【図7】他の構成のヒンジ装置の分解斜視図
【図8】同ヒンジ装置の背面図
【図9】図8のIX−IX線断面図
【図10】他の構成のヒンジ装置の分解斜視図
【図11】同ヒンジ装置の背面図
【符号の説明】
1 ディスプレイ支持台 2 支持脚
3 支持柱 4 支持アーム
5 液晶ディスプレイ
10 ヒンジ装置 11 ブラケット部材
12 枢支部 13 軸部材
14 第1固定板 15 第1摩擦板
16 第2固定板 17 第2摩擦板
18 付勢部材 19 スペーサ板
20 かしめ座板 21 助勢手段
22 係合面 23 軸本体部
24 かしめ部 25 鍔部
26 係合面 27 連結軸部
28 固定部 29 軸孔
30 取付孔 31 角度規制片
32 軸孔 33 係合片
34 軸孔 35 油孔
36 軸孔 37 軸孔
38 軸孔 39 段部
40 保持部 41 溝部
42 係止孔 43 捩りバネ
44 第1腕部 45 第2腕部
10A ヒンジ装置 11A ブラケット部材
13A 軸部材 21A 助勢手段
27A 連結軸部 31A 角度規制片
43A 捩りバネ 44A 第1腕部
45A 第2腕部 50 保持部
51 鍔部材 52 係合溝
10C ヒンジ装置 11C ブラケット部材
27C 連結軸部 31C 角度規制片
60 クラッチ手段 61 内嵌軸部
62 枢支軸部 63 回転力伝達部材
64 Cリング 65 絞りバネ
66 係合溝
10B ヒンジ装置 13B 軸部材
21B 助勢手段 23B 軸本体部
27B 連結軸部 43B 捩りバネ
45A 第1腕部 45B 第2腕部
70 伝達板 71 軸孔
72 係合溝 73 係合片
74 切欠部 75 係合孔

Claims (7)

  1. 略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、
    前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、
    前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、
    前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、
    前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢手段であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材と、
    前記ブラケット部材に対して軸部材をその回転一方向へ助勢する助勢手段と、
    を備えたことを特徴とするヒンジ装置。
  2. 前記助勢手段として、軸部材に外装される捩りバネであって、一端部に半径方向へ延びる第1腕部を形成し、他端部に軸方向に延びる第2腕部を形成した捩りバネを用い、軸部材の端部に捩りバネの第1腕部が嵌合する半径方向に延びる溝部を形成し、ブラケット部材の枢支部に第2腕部が嵌合する係止孔を形成した請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 前記助勢手段として、軸部材の途中部に外装される捩りバネであって、両端部に軸方向へ延びる腕部をそれぞれ形成した捩りバネを用い、軸部材に捩りバネに隣接させて鍔部を形成するとともに、鍔部に捩りバネの一方の腕部が嵌合する係止凹部を形成し、ブラケット部材の枢支部に捩りバネの他方の腕部が嵌合する係止孔を形成した請求項1記載のヒンジ装置。
  4. 前記助勢手段として、固定板及び摩擦板に遊びを持たせて外装される捩りバネであって、一端部を軸部材に係合させ、他端部をブラケット部材に固定させた捩りバネを設けた請求項1記載のヒンジ装置。
  5. 略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、
    前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、
    前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、
    前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、
    前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢手段であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材と、
    前記軸部材に回転自在に枢支した回転力伝達部材と、
    前記回転力伝達部材から軸部材への回転力の伝達経路に介装したクラッチ手段と、
    を備えたことを特徴とするヒンジ装置。
  6. 前記クラッチ手段として、軸部材又は回転力伝達部材に内嵌軸部を形成し、この内嵌軸部に絞りバネを外装して、絞りバネの内周面を内嵌軸部の外周面に圧接させ、内嵌軸部を形成していない側の軸部材又は回転力伝達部材に絞りバネの一端部を係合させ、絞りバネの他端部を開放した請求項5記載のヒンジ装置。
  7. 前記固定板を省略し、付勢手段により摩擦板を枢支部に直接的に圧接させた請求項1〜6のいずれか1項記載のヒンジ装置。
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