JP2004244740A - 敷マット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた歩行快適性、クッション性を有し、長時間の使用でも足の疲れが少なく、泥落とし性、水切り性、耐久性を有し、リサイクルにも配慮した玄関マット、フロアーマット、水切りマット等に適した敷きマットを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる線条がループを形成して、互いの接触部の大部分が接合した網状構造体からなり、該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重が300N/φ200mm以上3000N/φ200mm以下であり、厚みの75%圧縮後の厚み回復率が90%以上であり、該構造体の空隙率が80%以上98%未満であることを特徴とする敷マット。

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、優れた歩行快適性、クッション性を有し、長時間の使用でも足の疲れが少なく、泥落とし性、水切り性、耐久性を有し、、リサイクルにも配慮した玄関マット、フロアーマット、水切りマット等に適した敷きマットに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1、特許文献2に、網状構造体からなる敷マットが開示されている。
しかして、このマットは耐久性及びクッション性に劣る敷マットである。
特許文献3にも、網状構造の泥除去マットが開示されている。しかして、線径も太く、大きいループで形成されているため、ループに靴を引掛けて転倒する場合がある。又、下層に基布を配しているため、泥抜け性が劣り、水切り性からも洗浄し難い等の問題がある。更には、合成樹脂製又はゴム製の線条から構成されているとの記載はあるが、素材の具体的な開示がなく、開示された踏み込み図からは、剛直な合成樹脂製と思える変形が示されておりクッション性も劣るものである。
特許文献4には、耐水性と耐磨耗性を向上させて、泥落し性と水切り性を保持するために、踏まれても変形しない開口を多数もつ有効要素と開口部に突出する剛毛を配した床マットの提案がある。踏まれても変形しない有効要素はポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリウレタンがあり、最も好ましいのはポリ塩化ビニルとの開示がある。すなわち、踏み込みストロークが著しく少ない構造となり、耐久性は向上するが、長時間マットを使用する場合は、足の疲れが顕著であり、クッション性及び使用時の足の疲れ難さを配慮はされていない。又、剛毛は基盤に接合されており、基盤を有するたもの泥抜け性や水抜け性も劣るものである。
特許文献5では、熱接着繊維を用いた床マットが開示されているが、熱接着繊維の接合のみのため、耐久性が劣るものである。
特許文献6には網状構造体の水切りすのこが開示されている。適度の弾性を備えた合成樹脂材料との記載はあるが、具体的に耐久性や泥し性、クッション性は明示されていない。静的な使用に供する目的から推測して、耐久性、クッション性への配慮は無いものと推測される。
特許文献7、特許文献8等には、網状構造体のマットが開示されている。前者は、構造の耐久性向上に接着剤を用いる方法が提案されている。しかして、用いる素材はポリオレフィン、塩化ビニル、ポリスチレンを提案しており、クッション性はループの変形のみを利用することが開示されており、クッション性は劣るものである。後者は、素材、形態は前者と同様のものであるが、線条吐出時からループ形成までの間で、加熱により線条の冷却を遅らせる方法が提案されている。したがって、クッション性はループの変形のみを利用することが開示されており、クッション性は劣るものである。
特許文献9等に、敷マットの耐久性を向上させた網状構造体が開示されている。しかして、この敷マットは、従来公知の敷マットに較べて耐久性は向上しているが、今だ充分な耐久性が付与されておらず、クッション性及び使用時の足の疲れ難さを配慮はされていない。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−14347号公報
【特許文献2】
特公昭55−31222号公報
【特許文献3】
特開昭61−203933号公報
【特許文献4】
特開昭61−244319号公報
【特許文献5】
特開昭63−27085号公報
【特許文献6】
実開昭59−145346号公報
【特許文献7】
特開平1−207462号公報
【特許文献8】
特開平1−207463号公報
【特許文献9】
特開平05−311561号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決し、本発明は、優れた歩行快適性、クッション性を有し、長時間の使用でも足の疲れが少なく、泥落とし性、水切り性、耐久性を有し、リサイクルにも配慮した玄関マット、フロアーマット、水切りマット等に適した敷きマットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、足の踏み込み量と適度の反発回復性を付与することで、使用時の足の裏への負荷を低減して、快適な踏み込みと、疲れ難さを得られることを知見し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂からなる線条がループを形成して、互いの接触部の大部分が接合した網状構造体からなり、該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重が300N/φ200mm以上3000N/φ200mm以下であり、厚みの75%圧縮後の厚み回復率が90%以上であり、該構造体の空隙率が80%以上98%未満であることを特徴とする敷マットであり、該熱可塑性樹脂が、ゴム弾性を有する熱可塑性弾性樹脂であることを特徴とする敷マットであり該網状構造体の少なくとも歩行面が平坦化されており、表面の開口率が50%以上であることを特徴とする敷マットである。
【0006】
【発明の実施形態】
本発明は、熱可塑性樹脂からなる線条がループを形成して、互いの接触部の大部分が接合した網状構造体からなり、該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重が300N/φ200mm以上3000N/φ200mm以下であり、厚みの75%圧縮後の厚み回復率が90%以上であり、該構造体の空隙率が80%以上98%未満であることを特徴とする敷マットである。
【0007】
本発明で言う熱可塑性樹脂とは、公知のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸等の、加熱により溶融し、冷却すると固化する樹脂をいう。本発明では、それらの樹脂に各種添加剤等を必要に応じ添加したものを包含する。
【0008】
本発明の最も好ましい実施形態としては、熱可塑性樹脂が、熱可塑性弾性樹脂である。熱可塑性弾性樹脂とすることで、後述する素材のゴム弾性と、三次元構造体全体が一体化したコイルループのバネ弾性の相乗効果として、最も好ましいクッション性と踏み込み時の応力分散性と適度の反発力で足面把持性と衝撃吸収性を発現し疲れ難い快適性を示す。又、再溶融により再生が可能となるため、リサイクルも容易となる。
本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、ゴム弾性を有する熱可塑性樹脂を言う。共重合系の樹脂では、ソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−などのゴム弾性を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、熱可塑性非弾性樹脂に、ゴム弾性を有する素材をブレンドしたもの、ゴム弾性機能を有する素材を部分的に共重合したもの、側鎖を長くしてゴム弾性を付与したもの擬似イオン架橋するアイオノマーなども包含する。
例えば、ポリエステル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される三元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくとも各1種から構成される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラストマ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメタン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は耐熱耐久性が保持できる140℃以上が好ましく、160℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ましい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を添加して耐久性を向上させることができる。
本発明の目的であるマットとしてのクッション性や衝撃吸収機能及び耐久性をもたせる成分を構成する熱可塑性弾性樹脂のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、耐熱耐へたり性からは80重量%以下が好ましく、より好ましくは70重量%以下である。即ち、本発明のインソールとしてのクッション性や衝撃吸収機能及び耐久性をもたせる成分のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上70重量%以下である。
なお、本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、熱可塑性非弾性樹脂に、ゴム弾性を有する素材をブレンドしたもの、ゴム弾性機能を有する素材を部分的に共重合したもの、側鎖を長くしてゴム弾性を付与したものや擬似イオン架橋するアイオノマーなども包含する。
【0009】
本発明敷マットのクッション層を構成する熱可塑性弾性樹脂からなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するのが好ましい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱耐へたり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上する。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可塑性樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量は95モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分子量が500以上5000以下、特に好ましくは1000以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱抗へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融点より少なくとも10℃以上低い温度でアン−リング処理するとより耐熱抗へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してからアニ−リングすると更に耐熱抗へたり性が向上する。このような処理をしたクッション層を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニ−リングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピ−クを発現しない。このことから類推するに、アン−リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向上しているのではないかとも考えられる。(この処理を疑似結晶化処理と定義する)この疑似結晶化処理効果は、ポリアミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効である。本発明における耐熱性向上効果の活用方法としては、床暖房された床の敷きマットや、湯を使う場所での床マット等には耐ヘタリ性が優れるため有用である。
【0010】
本発明は、熱可塑性樹脂からなる線条がループを形成して、互いの接触部の大部分が接合した網状構造体からなり、該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重が300N/φ200mm以上3000N/φ200mm以下であり、厚みの75%圧縮後の厚み回復率が90%以上を同時に満足する必要がある。50%圧縮時の圧縮荷重が300N/φ200mm未満では、踏み込みストロークが大きくなり歩行性が損なわれるので好ましくない。3000N/φ200mmを越える場合は、踏み込み時のストロークが不足すると共に、衝撃吸収性が低下するので好ましくない。更には、75%圧縮後の回復率が90%未満では、形態回復性が劣るので、足面を適度の反発力で支えつつ適度の沈み込みを生じて好ましい足面保持性を保てなくなるので好ましくない。
好ましくは該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重は、400N/φ200mm以上2000N/φ200mm以下であり、75%圧縮後の回復率は、95%以上である。より好ましくは、500N/φ200mm以上1000N/φ200mm以下で、回復率は98%以上である。より好ましい条件を満たす場合は、即ち、熱可塑性弾性樹脂を素材とした連続線条がループを形成して、線条が互いの接触部の大部分で接合して一体化した3次元コイル構造を形成し、歩行時の体重移動による適度のストロークによる踏み込みで、瞬間的に足面に掛かる圧縮応力を熱可塑性弾性樹脂からなる構造体の面で受け止め応力を分散させると同時に、熱可塑性弾性樹脂からなる3次元コイル構造体全体が変形することにより、コイル構造の変形と線条の素材が持つゴム弾性機能が同時に作用してエネルギ−変換による衝撃を吸収するので優れた衝撃吸収機能を発現する。更に、衝撃吸収しつつ変形する際に、熱可塑性弾性樹脂線条がゴム弾性を発現し容易に元の形態に回復しようとするので足面を適度の反発力で支えつつ適度の沈み込みを生じて好ましい足面保持性をも示す。瞬間衝撃応力を面で受け止めて3次元コイル構造体全体が変形することにより個々の線条への応力集中を回避できるので耐へたり性も良好となる。踏み出しにより、応力が解除されると熱可塑性弾性樹脂線条がゴム弾性を発現し容易に元の形態に回復しようとするので足裏面への適度の反発力が蹴り上げ力をサポートして楽に蹴り上げすることになり、適度のクッション性を感じさせ、優れた歩行快適性を示す。理由は明確ではないが、長時間の使用でも、足が疲れ難い効果をも発揮する。
【0011】
本発明における該構造体の空隙率が80%以上98%未満である。空隙率が80%未満では、空隙率が少なすぎて泥落し性及び水切り性が劣る。又、高密度による圧縮荷重が大きくなるので衝撃吸収性と適度の足面保持特性によるクッション性が劣り好ましくない。しかして、50%圧縮時の荷重が2000N/φ200mm以下であれば衝撃吸収性と足面保持特性は許容される。空隙率が98%以上では、接点数の減少による形態保計形性が劣ると同時に、踏み込みストロークが大きくなり過ぎ、歩行安定性が劣り好ましくない。しかして、50%圧縮時の荷重が300N/φ200mm以上であれば歩行安定性は許容される。
好ましい空隙率は、82%以上95%以下、より好ましくは85%以上90%以下である。好ましい空隙率では、好ましい泥落し性や水切り性を保持して、好ましい耐磨耗性やヘタリ耐久性を保持できる。更には、洗浄時のゴミ脱落性が良好となり、簡単に洗浄ができ、乾燥時間も短時間で済む。
【0012】
本発明の敷マットは歩行面の形態を特には制限されない。歩行面の該線条のループ径が20mm以下と小さい場合は、歩行面が平坦化されていなくても歩行時に靴が引掛かることは少ない。しかし、ループ径が50mm以上大きい場合は、歩行面が平坦化されていないと歩行時に靴がループに引掛かり転倒する可能性が高く好ましくない。即ち、本発明の好ましい実施形態では、歩行面のループ径が20mm以上大きい場合は、該網状構造体の少なくとも歩行面が平坦化されており、表面の開口率が50%以上である敷マットである。
しかして、表面の開口率は50%未満では、泥落し性や、水切り性が劣るので好ましくない。好ましくは、表面の開口率は50%以上95%以下である。95%を越えると表面形態の保持性が低下し、耐磨耗性や耐久性(厚み保持性)が劣るので好ましくない。開口率は60%以上90%以下とするのが、より好ましい。
【0013】
本発明の敷マットの厚みは特には限定されないが、好ましくは5mm以上50mm未満である。5mm未満では圧縮回復幅が少なくなり、クッション機能が低下する。又、泥落しマットとして使用する場合、泥の内在量が制限される等の問題があり好ましくない。100mmを超えると踏み込みによるストロークが大きくなり過ぎて足面保持性が不安定化して足の疲れを増加させるので適度の厚みに設定するのが好ましい。特に好ましい厚みは10mmから20mmである。
本発明の網状構造体を構成する線条の繊度は特には限定されないが、細過ぎると反発力が劣り、太すぎると構造が粗くなりクッション性が劣る場合がある。好ましい繊度は1000デシテックス以上30000デシテックス以下であり、より好ましくは3000デシテックス以上、20000デシテックス以下である。
線条の断面形状は特には限定されないが、中空断面や異型断面とすることで好ましい抗圧縮性やタッチを付与することができるので特に好ましい。抗圧縮性は繊度や用いる素材のモジュラスにより調整して繊度を細くしたり、柔らかい素材では中空率や異型度を高くして初期圧縮応力の勾配を調整できるし、繊度を太くしたりできる。ややモジュラスの高い素材では中空率や異型度を低くしたり、繊度を細くして適度の抗圧縮性を付与する。中空断面や異型断面の他の効果として、中空率や異型度を高くすると同一の抗圧縮性を付与した場合、軽量化が可能となり好ましい実施形態である。
本発明では、線条のループ径は特には限定されないが、好ましいループ径は、5mm以上50mm以下である。ループ径が5mm未満では、緻密構造化して泥落し性が劣る場合があり、50mmを越えると構造が粗となり、歩行時に靴が引掛かり易くなる場合がある。好ましいループ径は7mm以上40mm以下、より好ましくは10mm以上30mm以下である。
【0014】
本発明の敷マットは、多層構造化することも包含する。例えば、表面と下層を異なった線径の線条で構成することができる。例えば、表層は線径の細い線条で、ループ径もヤヤ細かくし、中層は太いの線径でやや粗な構造、下層は高密度化して裏張りが不要な形態とする等の多層構造とすることも好ましい実施形態である。本発明の敷マットを構成する線条は、複合線条とすることで、熱接着繊維機能を付与して、接触する線条間の接合強度を高めることも包含する。例えば、融点の異なる同一素材を用い、シース成分に低融点成分、コア成分に高融点成分を配して吐出させ、冷却に際し、コア成分が骨構造を形成し、シース成分は冷却が遅れる時間分を接触する線条間を流動して単一成分のものより接合力を強くできるので、好ましい実施形態である。
【0015】
本発明の敷マットは、マットの周囲を熱圧縮して縁を強化することにより、縁取り装飾を兼ねて耐久性の向上が図れ、他素材を混入させないため、同一素材としてマテリアルリサイクルも容易となるので、最も好ましい実施形態である。また、表面に装飾を熱圧縮等で各種文様や宣伝をつけることにより、耐久性が向上するので好ましい実施形態である。
裏面に所望に応じて裏張りすることができる。裏張り材としては、ゴム状シート、合成樹脂シート等が使用できる。又、裏張りは、すべり止め機能を付与したものを用いることができる。リサイクルに際しては、裏張りが網状構造体と同一素材の場合、そのまま粉砕して洗浄し、再生することが可能である。異素材の場合は、好ましくは、裏張りと網状構造体を分離して再生するのが好ましい。
【0016】
次ぎに本発明の製法の一例を述べる。特開平7−68061号公報等に記載された公知の方法で三次元網状構造体は得られる。例えば、複数のオリフィスを持つ多列ノズルより熱可塑性弾性樹脂をノズルオリフィスに分配し、該熱可塑性樹脂の融点より10℃以上高く、50℃未満高い溶融温度で、該ノズルより下方に向け吐出させ、溶融状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめた後、引出し、水切り後又は乾燥して、両面が平滑化した網状構造体を得る。
片面を平滑化させない場合は、傾斜を持つ引取ネット上に吐出させて、溶融状態で互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ引取ネット面のみ形態を緩和させつつ冷却すると、片面が平滑化されていない網状構造体が得られる。
線条をシースコア構造に複合化して、融点差を利用した接合強力向上を狙う場合は、シース成分とコア成分の融点差は少なくとも20℃以上、好ましくは30℃以上の熱可塑性樹脂を用いて、オリフィス直前でシースコア配分して吐出させることで得ることができる。紡糸温度は低融点成分の融点より、少なくとも10℃以上高い温度で行うのが好ましい。
異形化する場合、例えば、中空断面化する場合は、オリフィス形状を中空形成できるオリフイスを用いることで可能である。中空断面はバラス効果が大きい場合は中空率を高くし易いが、バラス効果が小さいものは、オリフィスの中空率をできるだけ高くしないと中空率は高くならないので、用いる素材により最適なオリフィス形状を選択する必要がある。
次いで、得られた三次元網状構造体は、網状体状態でそのまま使用に供する場合は、水切り乾燥して、所望のサイズに切断して用いる。
縁取りや各種文様等を熱成形で形成する場合は、熱成形温度は、網状構造体を構成する素材の融点より20〜50℃低い温度が好ましい。素材の融点より20℃未満低い温度では、構造体の変形が大きくなり過ぎる場合があり好ましくない。素材の融点より50℃を超える低い温度では外側の熱成形形状が充分形成できない場合があり好ましくない。なお、熱成形は余熱して熱プレス金型にて成形するのが好ましい。余熱は片面のみ余熱して片面は非加熱でプレス成形してもよい。この場合はプレス圧力を約10%程度高くするとプレス接合が上下加熱金型で成形したものと同等の接合状態が得られる。得られた熱成形品は所望のサイズに打ちぬき等の方法で切断して敷マットに供する。
熱プレス成形により融点以下の温度で加熱することにより、前記の擬似結晶化処理効果を付与することができるので成形前に積極的にアニーリングを施す必要はない。疑似結晶化処理温度は、少なくとも融点(Tm)より10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度(Tαcr)以上で行う。この処理で、融点以下に吸熱ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−クを有しないもの)より耐へたり性が著しく向上する。
【0017】
本発明の敷マットは、性能を低下させない範囲で樹脂製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で防臭抗菌、消臭、防黴、着色、芳香、難燃等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
かくして得られた本発明の敷マットは、優れた歩行快適性、クッション性を有し、長時間の使用でも足の疲れが少なく、泥落とし性、水切り性、耐久性を有し、リサイクルにも配慮した玄関マット、フロアーマット、水切りマット等として提供することができる。
【0018】
[実施例]
以下に実施例で本発明を詳述する。
【0019】
なお、実施例中の評価は以下の方法で行った。
[50%圧縮時の荷重及び75%圧縮後の厚み回復率]
試料:30cm角を採集して、22℃65%RH室内中で24時間放置したものを試料とする。
加圧板:JASO B408の5.3に規定する円板形加圧板とする。
加圧試験:JASO M 304の3・3の方法に準拠して75%まで圧縮し、0%歪まで回復させ、荷重歪曲線を測定して、50%圧縮時の荷重及び75%圧縮後の厚み回復率を求める。厚み回復率は、初期厚みL0mm、圧縮後回復した厚みLimmより、以下の計算により求める。但し、予備圧縮は行わない。
(Li/L0)×100 (%)
[空隙率]
30cm角の試料の容積V0(厚み、幅、長さ)を測定し、次いで、試料の重量を測定し、重量を樹脂の密度で割った値Viを求めて以下の計算により空隙率を求める。
{(1−Vi)/V0}×100 (%)
[平坦化]
試料表面のループの状態を目視観察して、ループが不規則に突出して凹凸を有するものは、平坦化されていないと判断する。ループが不規則に突出しないで凹凸が無ければ平坦化されていると判断する。
[表面の開口率]
30cm角試料の表面側を2mm厚みにスライスし、次いで、スライスした試料の容積Vf0を求め、スライスした試料の重量を測定し、重量を樹脂の密度で割った値Vfiを求めて以下の計算により空隙率を求める。
{(1−Vfi)/Vf0}×100 (%)
[融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク]
島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。
[線条の繊度]
試料を10箇所から各線条部分を切り出し、アクリル樹脂で包埋して断面を削り出し切片を作成して断面写真を得る。各部分の断面写真より各部の断面積(Si)を求める。また、同様にして得た切片をアセトンでアクリル樹脂を溶解し、真空脱泡して密度勾配管を用いて40℃にて測定した比重(SGi)を求める。
ついで次式より線状の10000mの重さを求める。(単位cgs)
繊度=〔(1/n)ΣSi×SGi〕×1000000
[線条の接合]
試料を目視判断で接合しているか否かを接合している繊維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないものを接合していると判断する。
[耐熱耐久性(70℃残留歪)]
試料は着座部を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮して70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き1日放置後の厚みと処理前の厚みの差と付与歪厚みとの比を%で示す。(n=3の平均値)
[繰返し圧縮歪(繰返残留歪)]
試料は着座部を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万回後の試料を1日放置後の厚みと処理前の厚みの差と付与歪厚みとの比を%で示す。(n=3の平均値)
[歩行快適性]
幅1m、長さ20mの敷マットを板床上に設置して、パネラー20名に1km相当距離を歩行させて、アンケート方式での感能評価をおこなった。
▲1▼歩き易さ:非常によい◎、良い○、少し歩き難い△、歩き難い×
▲2▼適度のクッション性:非常に良い◎、良い○、少し悪い△、悪い×
▲3▼衝撃吸収性:衝撃を感じない◎、衝撃をほとんど感じない○、少し衝撃を感じる△、衝撃を感じる×
▲4▼疲れ難さ:全く疲れない◎、疲れ難い○、少し疲れる△、疲れる×について評価して、◎:5点、○:3点、△:1点、×:0点とした。
各項目を集計して平均値を求め、▲1▼〜▲4▼の平均値の集計が、12点以上を歩行快適性が優れる:◎、10点以上を歩行快適性が良い:○、8点以上は歩行快適性が少し劣る:△、7点以下を歩行快適性が劣る:×と評価した。
[長時間使用による疲れ難さ]
食堂の水を使用するコンクリート床面に10m設置し、パネラー6名に長靴を履いた状態で1日約4時間の作業を1ヶ月間させ、疲れ難さの官能評価を行った。なお、コンクリート床面は非常に疲れる:0点として、比較している。評価は、疲れない:5点、つかれ難い:3点、少し疲れる:1点、非常に疲れる:0点とし、6名の平均値が4点以上:非常に良い(◎)、3点以上:良い(○)、1点以上:少し悪い(△)、1点以下:悪い(×)で判定した。
[泥落し性]
玄関マット用に切断した幅1m、長さ2mの敷マットを設置し、同じ運動靴を履かせて泥箱の中を歩行させた後、敷マット上で靴に付着した泥を落させて、靴の裏に付着した泥の量を泥箱を歩行した直後の靴の裏の付着量と比較して目視判定した。泥が完全に落ちている:◎、僅かに泥の付着が認められる:○、少し泥の付着が認められる:△、泥の付着が多い:×で判定した。
[水切り性]
下部底面に水抜き穴を有するバット中に1m角の試料を設置し、試料表面に10リットルの水を均一に散布して5分後にバットの水抜き穴を閉めて、試料(W0)と残留水分(Wm)の重量を測定して、残留水分率を求め、残留水分率が、5%以下:◎、7%以下:○、10%以下:△、10%を越える:×で判定した。
[耐久性]
約300人/日が出入りする出入口にマットを設置し、60日間通常の使用方法で通行させた(写真1参照)後のマットの損傷程度を目視判定で、損傷が微小:◎、ほつれ小損傷小:○、ほつれ中形態崩れなし:△、ほつれ大〜部分的に形態崩れあり:×とした。
【0020】
[実施例1]
ポリエステル系エラストマーとして、ジメチルテレフタレ−ト(DMT)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつつ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤2%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表−1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 2004244740
【0022】
幅方向1050mm、厚み方向の幅22mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径2mm、内径1.6mmでトリプルブリッジの中空形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチを5mmの千鳥配列としたノズルに、得られた熱可塑性弾性樹脂原料(A−1)を溶融温度210℃にて、吐出量を3500g/分にて、ノズル下方に吐出させ、ノズル面15cm下に冷却水を配し、幅150cmのステンレス製エンドレスネットを平行に開口幅20mm間隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配して、該溶融状態の吐出線状を曲がりくねらせル−プを形成して接触部分を融着させつつ3次元網状構造を形成し、該溶融状態の網状体の両面を引取りコンベア−で挟み込みつつ毎分1mの速度で18℃の冷却水中へ引込み固化させ両面をフラット化した後、所定の大きさに切断して得た熱可塑性弾性樹脂からなる網状体は断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が28%、繊度が7150デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み20mm、平均の空隙率が85%の三次元網状構造体を得た。次いで、振動付与により水切り後、110℃熱風にて15分間乾燥熱処理して、本発明の敷マットを得た。得られた敷マットの特性を表2に示す。得られた敷マットは、本発明の要件を満たし、優れた歩行快適性、優れたクッション性、長時間使用による疲れも少なく、泥落し性、水切り性、耐久性に優れたものであった。
【0023】
【表2】
Figure 2004244740
【0024】
[実施例2]
熱可塑性弾性樹脂としてA−2を用い、溶融温度220℃にて、ノズルのオリフィス形状が丸断面のノズルを用い、吐出量1050g/分にて紡糸し、開口幅15mmにて引き取った以外、実施例1と同様にして得た敷マットは、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が21%、繊度が5400デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み15mm、平均の空隙率が94%であった。得られた敷マットの特性を表2に示す。この敷マットは、本発明の要件を満たし、優れた歩行快適性、優れたクッション性、長時間使用による疲れも少なく、泥落し性、水切り性、耐久性に優れたものであった。
【0025】
[比較例1]
熱可塑性弾性樹脂としてA−1を用い、溶融温度210℃にて、吐出量300g/分にて紡糸した以外、実施例1と同様にして得た敷マットは、断面形状が三角おむすび型の中空断面で中空率が14%、繊度が2400デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み20mm、平均の空隙率が99%であった。得られた敷マットの特性を表2に示す。この敷マットは、本発明の要件を外れるため、歩行快適性、クッション性、泥落し性、耐久性が劣り、長時間使用による疲れも大きくなるが、水切り性は優れたものであった。
【0026】
[比較例2]
熱可塑性樹脂としてメルトインデックス20のポリエチレン樹脂を用い、溶融温度200℃、吐出量2700g/分にて線条を吐出させ、ノズル面25cm下に冷却水を配し、開口幅20mmで引き取った以外、実施例2と同様にして得た、断面は丸断面で、繊度が14400デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み20mm、平均の空隙率が84%の三次元網状体を、熱処理なしで敷マットととして評価した。
この敷マットは、本発明の要件を外れるため、クッション性、耐久性が劣り、長時間使用による疲れも大きくなり、歩行快適性と泥落し性はやや劣るが、水切り性は許容範囲にあるものであった。
【0027】
[比較例3]
幅方向1050mm、厚み方向の幅44mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径1mmの丸断面としたオリフィスを孔間ピッチを5mmの千鳥配列としたノズルに、吐出量920g/分にて紡糸し、開口幅40mmにて引き取った以外、実施例2と同様にして得た敷マットは、断面形状が丸断面で、繊度が2400デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み40mm、平均の空隙率が98%であった。
この敷マットは、本発明の要件を外れるため、歩行快適性、クッション性、耐久性が劣り、長時間使用による疲れも大きくなり、泥落し性と水切り性は優れているものであった。
【0028】
[比較例4]
熱可塑性樹脂としてA−2を用い、溶融温度220℃にて、吐出量4140g/分にて紡糸した以外、実施例1と同様の方法で得た敷マットは、断面形状が中空率25%の中空断面で、繊度が7900デシテックスの線条で形成しており、表面は平坦化された厚み20mm、平均の空隙率が82%であった。得られた敷マットの特性を表2に示す。
この敷マットは、本発明の要件を外れるため、歩行快適性、クッション性、水切り性はやや劣るが、長時間使用による疲れも少なく、泥落し性と耐久性は優れているものであった。
【0029】
[比較例5]
熱可塑性樹脂としてA−1を用い、溶融温度210℃にて、吐出量6900g/分にて紡糸し、ノズル面25cm下に冷却水を配した以外、実施例2と同様にして得た敷マットは、繊度が7900デシテックスの丸断面線条で形成しており、表面は平坦化された厚み20mm、平均の空隙率が71%であった。得られた敷マットの特性を表2に示す。
この敷マットは、、本発明要件の空隙率が外れるため、泥落し性と水切り性はやや劣るが、長時間使用による疲れも少なく、歩行快適性、クッション性、耐久性は優れているものであった。
【0030】
[比較例6]
実施例1で得た敷マットの線条接合点の半分以上を揉み解して切断した敷マットの特性を表2に示す。接合点が大部分接合していないと、耐久性が著しく劣るものとなる。
【0031】
[比較例7]
比較例2の開口幅を40mmとし、片側の表面を平坦化しない以外、比較例2と同様にして得た敷マットは、平均のループ径(湾曲線条の曲率半径から計算で求める)が、60mmで、片側表面が平坦化されずにループが凹凸状に突出していた。得られた敷マットを比較例2と歩行性を比較した。比較例2は表面が平坦化されているので、歩行時に靴を引っ掛けることは無かったが、比較例7は、表面を平坦化されていないため、歩行時に靴先をループに引っ掛け、転倒の可能性が高いことが判った。
【0032】
[参考例1]
開口幅を12mmとした以外、実施例1と同様の方法にて得た厚み15mmの敷マット(参考例1)の表面開口率は48%であった。実施例1の表面開口率は83%であった。両者の泥落し性を比較すると、実施例1:◎、参考例1:△であり、表面の開口率が低くなると、泥落し性が悪くなることが判る。
【0033】
【発明の効果】
特定の圧縮回復特性を付与することで、優れた歩行快適性、クッション性を有し、長時間の使用でも足の疲れが少なく、泥落とし性、水切り性、耐久性を有し、リサイクルにも配慮した玄関マット、フロアーマット、水切りマット等に適した敷きマットを提供することができる。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂からなる線条がループを形成して、互いの接触部の大部分が接合した網状構造体からなり、該網状構造体の厚みの50%圧縮時荷重が300N/φ200mm以上3000N/φ200mm以下であり、厚みの75%圧縮後の厚み回復率が90%以上であり、該構造体の空隙率が80%以上98%未満であることを特徴とする敷マット。
  2. 該熱可塑性樹脂が、ゴム弾性を有する熱可塑性弾性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の敷マット。
  3. 該網状構造体の少なくとも歩行面が平坦化されており、表面の開口率が50%以上であることを特徴とする請求項1または求項2記載の敷マット。
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