JP2004242577A - 製パン用改良剤、専用粉及びミックス、並びにパンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】国内産小麦粉を原料とするパンの製造に使用するための製パン用改良剤であって、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼと、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を含むことを特徴とする上記製パン用改良剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、国内産小麦粉を原料とするパンを製造する上で有効な製パン用改良剤、専用粉及びミックス、並びにパンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
国内産小麦粉は、蛋白質含量が少ないゆえ麩質が弱く、生地の伸長力は大きいが弾力に乏しい。よって、麩質の強い外国産強力小麦粉と比べると、製パン用の原料としては問題が多いが、国内産小麦粉が持つ安心感、健康的なイメージから、消費者の間に国内産小麦粉を用いたパンのニーズが高まってきている。
【0003】
一方、イーストフード及び乳化剤を駆使することによって、国内産小麦粉を原料とするパンであっても、外国産強力小麦粉を用いた製品と同等の品質を得ることが可能である。しかし、これらイーストフード及び乳化剤は、消費者の間で添加物としてとらえられており、これら添加物を用いたパンは、消費者の自然志向、健康志向から敬遠される傾向にある。
【0004】
国内産小麦粉を用いたパン製造法のうち、イーストフード及び乳化剤を使用しないものとしては、例えば、次の2つの方法が挙げられる。
(イ)グルテンの強化
国内産小麦粉を原料とするパンは、小麦粉中の蛋白質含量が少ない上に、麩質が軟弱であることから、機械生産を可能とする適度な麩質を得るため、グルテンを補充して製パン性の向上を図っている。
(ロ)改良中種生地法
改良中種生地法は、著しく少ないイースト量で、中種を僅かに発酵させる方法であり(非特許文献1参照)、生地組成は次の通りである。
中種:小麦粉、イースト、L−アスコルビン酸
生地:小麦粉、イースト、モルト、ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペクチン
【0005】
しかしながら、上記従来のパン製造法のうち前者にあっては、強靭なグルテンを使用するため、グルテンの使用量に比してパンのボリュームアップは達成されるが、逆に食感に引きが出て硬い食感になるという問題がある。このため、ソフトで口溶けの良い満足な食感が得られない。また、菓子パン等のリッチな生地においては、ビタミンCとの併用によって火ぶくれやシワの問題も生じやすい。
【0006】
また、後者の改良中種生地法にあっては、以下のような未解決の課題を有している。
(1)製造条件の許容範囲が狭い:
小麦粉の蛋白質含量が少ないため、発酵オーバー、ミキシングオーバーに陥り易く、非常に厳格な工程管理が必要となってコストアップも伴う。
(2)安定した製品を得るためには外国産強力小麦粉の混合が必要である:
外国産強力小麦粉を混合した場合には、国内産小麦粉100%を望む消費者ニーズに応えることができない。
(3)焼成後2目目以降の老化が著しい:
焼成後1目目は老化遅延効果が認められるが、焼上後2目目以降はクラムの硬さの差が大きくなる。クラストの硬化を含め、検討する必要がある。
(4)食感に対する改善が為されていない:
国内産小麦粉は、澱粉の特性上、ネチャネチャしやすい傾向があり、食感に欠点がある。
(5)風味が劣る:
通常の中種法と同等又はこれに準ずる発酵臭は得られない。その結果、風香味が非常に劣った製品となる。
【0007】
上記(1)〜(3)については、前述の非特許文献1にも記載されているところである。
以上のような課題を解決するため、本発明者は国内産小麦粉を原料としてパンを製造するための研究を行っている。その一連の研究において、本発明者らは、国内産小麦粉を含む原料に、グルテン、水溶性増粘剤、ヘミセルラーゼ、α−アミラーゼ及びビタミンCを添加してパンを製造することによって、イーストフード及び乳化剤を使用せずに、外国産強力小麦粉と同等の品質のパンを製造することができるということを見出している(特許文献1参照)。
【0008】
【非特許文献1】
パン科学会誌平成13年6月号第19〜45頁:『国内産小麦を利用したパン製品の老化遅延及び生地物性向上加工利用技術の研究』報告書(財団法人日本パン科学会)
【特許文献1】
特願2001−305867号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、国内産小麦粉を原料とするパン製造における上記問題点を解決し、かつさらに良好な品質のパンを製造するための製パン用改良剤、専用粉及びミックス、並びにパンの製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グルテンや酵素類に水溶性多糖類やα化澱粉などの複数の特定の成分を組み合わせてパンの製造に使用することによって、国内産小麦粉を用いた製パンにおける上記問題点が解消され、さらに国内産小麦粉の種類は問わず良好な品質のパンを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、国内産小麦粉を原料とするパンの製造に使用するための製パン用改良剤であって、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼと、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を含むことを特徴とする上記製パン用改良剤である。上記製パン用改良剤は、さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。
また本発明は、国内産小麦粉を原料とするパンの製造に使用するための製パン用専用粉であって、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼと、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を国内産小麦粉に配合したことを特徴とする上記製パン用専用粉である。上記製パン用専用粉は、さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分を配合したものであってもよい。
【0012】
上記改良剤又は専用粉に含まれる成分の組合せとしては、限定されるものではないが、以下のものが含まれる:
(a)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド
(b)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類
(c)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、及び水溶性多糖類
(d)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(e)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(f)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、及び水溶性増粘剤
(g)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、及び水溶性増粘剤
(h)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(i)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、及び水溶性増粘剤
(j)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(k)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(l)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
【0013】
必要に応じて、上記(a)〜(l)の組合せにさらにカルシウム含有未焼成素材を添加してもよい。また上記(a)〜(l)の組合せのうち、本発明においては(c)〜(l)の組合せが好ましく、また(h)〜(l)の組合せがより好ましく、特に(l)の組合せが好ましい。
【0014】
さらに本発明は、上記製パン用専用粉と製パンに使用される他の原料を含む製パン用ミックスである。
本発明はまた、国内産小麦粉を原料とするパンの製造において、上記製パン用改良剤を原料に添加することを特徴とするパンの製造方法である。
さらにまた本発明は、国内産小麦粉を原料とするパンの製造において、上記製パン用専用粉及び/又は上記製パン用ミックスを用いてパン生地を作製することを特徴とするパンの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、国内産小麦粉を用いたパン製造において、外国産小麦粉を用いて製造されたパンと同等又はそれ以上の品質のパンを製造するための、製パン用改良剤、専用粉及びミックス、並びにそれらを用いたパンの製造方法を提供する。上述したように、従来は国内産小麦粉の中でもパンの製造に適していると考えられているパン用国内産小麦粉を使用した場合であっても、外国産小麦粉によるパンと比較してその品質は良好とはいえなかった。本発明により、パン用国内産小麦粉だけではなく、パン製造には適していないと考えられている種類の国内産小麦粉を用いた場合であっても、良好な品質のパンを提供することができる。
【0016】
本発明に使用する小麦粉は、国内産小麦粉であれば、品種及び種類は特に限定されない。例えばパン用として用いられている国内産小麦粉(強力粉)の他、菓子用(薄力粉)、麺用(中力粉)又はその他の用途に用いられている国内産小麦粉(例えば中華麺に使用されている準強力粉)も使用可能である。本明細書中「国内産小麦粉」とは、日本国内で栽培された小麦から製造された小麦粉を指す。国内産小麦粉は、外国産小麦粉と比較して、蛋白質含有量が2〜7%低い、粒度が小さい、マルトース価が低い、色が暗い、低アミロース系品種が多い、などの特徴を有する。
【0017】
また、小麦粉に関して、「パン用」「菓子用」及び「麺用」とは、小麦粉の種類に応じた用途を表し、「パン用」とは主にパンの製造のために使用されている小麦粉を指す。また、「強力粉」「中力粉」及び「薄力粉」とは、グルテンの成分含量に応じた小麦粉の分類を表す。
【0018】
(1)製パン用改良剤
本発明の製パン用改良剤は、上記の国内産小麦粉を原料とするパンの製造時に添加するものであって、使用する国内産小麦粉の種類を問わず、外国産強力小麦粉使用製品と同等又はそれ以上の品質のパンを製造することができる。「国内産小麦粉の種類を問わない」とは、一般的にパンの製造に使用されている種類の国内産小麦粉だけではなく、その他の用途(麺、菓子製造)に使用され、パンの製造には適していないと考えられている国内産小麦粉をも使用できることを意味する。
【0019】
本発明の製パン用改良剤は、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼに加えて、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を含有する。また好ましくは、本発明の製パン用改良剤はさらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含有する。
【0020】
本発明の製パン用改良剤の各成分について以下に説明する。本明細書中、特に明示しない限り、単位として記載される「%」は「ベーカーズ%」を表しており、ベーカーズ%とは、使用する小麦粉量を100とした場合の、他の材料の割合を示す。
【0021】
▲1▼グルテン
グルテンとしては、常法により小麦から分取されたものであれば、種類は特に限定されない。具体的には、フラッシュドライグルテン、スプレードライグルテン、グルテニン、グリアジン等を用いることができる。フラッシュドライグルテンとは、小麦から抽出される水不溶性蛋白質(グルテン)であり、小麦粉を水洗いし、グルテンを抽出した後、エクストルーダ乾燥、真空乾燥及び凍結乾燥し、粉末化したものを指す。スプレードライグルテンとは、グルテンをエタノール溶液、酢酸溶液等の溶媒に溶解し、噴霧乾燥によって粉末化したものを指す。またグルテニンとは、グルテンから例えば70%エタノール等の溶媒に可溶な画分を除いて粉末化したものを指す。グリアジンとは、グルテンから例えば70%エタノール等の溶媒に可溶な画分を抽出し粉末化したものを指す。上述したいずれの種類のグルテンも市販されており、本発明においてはそのような市販製品を用いることが可能である。さらに、改良剤中のグルテン成分として、1種類のグルテンのみを添加してもよいし、又は複数種のグルテンを適宜組み合わせて添加してもよい。例えば1種類のグルテンを用いる場合には、フラッシュドライグルテンを用いることが好ましい。
【0022】
グルテンの添加量は、グルテン添加後の小麦粉又は改良剤添加後の小麦粉の混合物において、蛋白質含量が9〜15重量%となるように添加するのが適しており、好ましくは蛋白質含量が10〜13重量%となるように添加する。従って、改良剤中のグルテン含量は、小麦粉に添加する改良剤の全ての成分の量を考慮して決定する必要がある。添加後の小麦粉混合物の蛋白質含量が9重量%よりも少ない場合には、製パンにおけるミキシング耐性が不足し、生地の弾力も不足する。また得られるパンのボリュームが小さく、老化が早い。逆に蛋白質含量が15重量%よりも多い場合には、生地の弾力が過剰すぎる、パンにケービングが生じる、食感の引きが強すぎる、火ぶくれが起こりやすいという問題が生じる。市販の国内産小麦粉において既にグルテンが強化されているものもあるので、前述した蛋白質含量を満たす国内産小麦粉を使用する場合には、グルテンの量は減量するなど適宜調整すればよい。
【0023】
▲2▼ヘミセルラーゼ
ヘミセルラーゼとしては、一般に食品に使用されている市販のヘミセルラーゼであれば、いずれを用いてもよい。本明細書中、ヘミセルラーゼの酵素力価は、1分間に1mgのキシロースに相当する還元糖を生成する酵素量を100ユニットとしたものである。酵素力価によって酵素の添加量は異なるため、本明細書においては、添加量を酵素力価(ユニット/重量)又は酵素比活性90ユニット/mgの酵素を用いた時の添加量(ppm)で表す。
ヘミセルラーゼの添加量は、27〜3,600ユニット/kgが適しており、特に270〜1,800ユニット/kgが好ましい。すなわち、使用するヘミセルラーゼの酵素比活性が90ユニット/mgであり、小麦粉を100%とした場合には、0.3〜40ppm、好ましくは3〜20ppmで添加する。ヘミセルラーゼの添加量が27ユニット/kgよりも少ない場合には、得られるパンのボリューム感がなく、生地の弾力も強すぎてライン耐性が悪くなる。逆に添加量が3,600ユニット/kgよりも多い場合には、生地の弾力が不足し、また生地がベタつき、パンの食感がネチャつく。
【0024】
▲3▼アミラーゼ
アミラーゼについてもヘミセルラーゼと同様に、食品に一般に使われている市販品であれば、種類は限定されない。例えばアミラーゼとしては、α−アミラーゼ及びグルコアミラーゼが一般的に使用されている。本明細書中、アミラーゼの酵素力価は、40℃、30分間に10mgのグルコースに相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1ユニットとしたものである。酵素力価によって酵素の添加量は異なるため、本明細書においては、添加量を酵素力価(ユニット/重量)又は酵素比活性40ユニット/mgの酵素を用いた時の添加量(ppm)で表す(酵素活性測定法は色素澱粉法を用い、標準酵素活性と比較して測定した)。
アミラーゼの添加量は、160〜4,000ユニット/kgが適しており、特に160〜2,000ユニット/kgが好ましい。すなわち、使用するアミラーゼの酵素比活性が40ユニット/mgであり、小麦粉を100%とした場合には、4〜100ppm、好ましくは4〜50ppmで添加する。アミラーゼの添加量が160ユニット/kgより少ない場合には、パンのボリューム感、ソフト感がなく、老化が早い。さらに焼色が薄くなってしまうこともある(着色不良)。一方、添加量が4,000ユニット/kgよりも多い場合には、生地がベタつき、食感がネチャつく。
【0025】
▲4▼水溶性多糖類
水溶性多糖類としては、寒天、水溶性大豆多糖類、ペントサン(アラビノキシラン)、マンナン等を用いることができるが、これに限定されるものではない。ここでいうペントサンとは、小麦、トウモロコシ、ライ麦などの穀物に含まれる五単糖が多数結合した食物繊維の中で、特に水溶性食物繊維をいう。これらの水溶性多糖類は、単独で用いてもよいし、数種を組み合わせて併用してもよい。
水溶性多糖類の添加量は、小麦粉100%(重量)に対して0.02〜1.5%が適しており、特に0.1〜1%が好ましい。水溶性多糖類の添加量が0.02%よりも少ない場合には、パンの保湿性が劣ってクラムがパサつき、老化が早くなる。一方、添加量が1.5%よりも高い場合には、パンの食感がネチャついてしまう。
【0026】
▲5▼蛋白加水分解ペプチド
蛋白加水分解ペプチドとしては、蛋白質を加水分解して得られる産物(ペプチド)であれば特に限定されず、任意のものを用いることができる。例えば、大豆、卵黄、卵白、小麦グルテン、コラーゲンなどの蛋白質の酸分解ペプチド又は酵素分解ペプチドが挙げられる。また、本発明において使用可能な蛋白加水分解ペプチドとしては、死滅イースト及びその分解物も包含する。ここでいう死滅イーストとは、非活性化されたイーストであって、市販のものであればいずれでもよい。例えば、ユニテックフーズ(株)からの「プロティベル」が知られている。上述した蛋白加水分解ペプチドは、1種類を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて併用してもよい。
蛋白加水分解ペプチドの添加量は、小麦粉100%に対し、0.005〜2%が適しており、特に0.01〜1%が好ましい。蛋白加水分解ペプチドの添加量が0.005%より少ない場合には、ガス保持力が弱く弾力性に劣る生地になりやすく粘弾性が不足し、パンの老化が早くなる。一方、添加量が2%より多い場合には、生地がベタつく、生地の弾力が不足する、パンのボリュームが低下する、食感がネチャつくといった現象が生じる。
【0027】
▲6▼α化澱粉
α化澱粉としては、澱粉のα化物であれば特に限定されず、市販のものを用いることができる。例えば、トウモロコシ、小麦、キャッサバ(タピオカ澱粉)、コメ、馬鈴薯、などのα化澱粉が挙げられる。これらのα化澱粉は、単独で用いてもよいし、数種を組み合わせて併用してもよい。
α化澱粉の添加量は、小麦粉100%(重量)に対して0.02〜5%が適しており、特に0.2〜2%が好ましい。α化澱粉の添加量が0.02%より少ない場合には、クラムがパサつき、パンの老化が早くなり、添加量が5%より多い場合には、生地がベタつき、パンにケービングが生じやすくなる。
【0028】
▲7▼α化小麦粉
α化小麦粉としては、小麦粉のα化物であれば特に限定されず、市販のものを用いることができる。
α化小麦粉の添加量は、小麦粉100%(重量)に対して0.02〜5%が適しており、特に0.2〜2%が好ましい。α化小麦粉の添加量が0.02%より少ない場合には、クラムがパサつき、パンの老化が早くなり、添加量が5%より多い場合には、生地がベタつき、パンにケービングが生じやすくなる。
【0029】
▲8▼水溶性増粘剤
水溶性増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、カラギナン、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースなどを用いることができる。これらは、単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。本発明において水溶性増粘剤とは、ナトリウムやカルシウムと反応可能な反応基を有するものをいう。
水溶性増粘剤の添加量は、小麦粉100%(重量)に対して0.02〜1.5%が適しており、特に0.1〜0.6%が好ましい。水溶性増粘剤の添加量が0.02%よりも少ない場合には、パンの保湿性が劣り、老化が早くなる。また添加量が1.5%より多い場合には、パンの食感がネチャつく。
【0030】
▲9▼カルシウム含有未焼成素材
カルシウム含有未焼成素材は、カルシウムを含有することが知られ、焼成していない(すなわち加熱又は熱風処理していない)物質であれば特に限定されない。例えば、天然由来のカルシウム含有未焼成素材として、魚介類の骨・貝殻(魚骨、カキ殻など)、珊瑚、動物の骨(牛骨など)、卵殻、乳性カルシウムなどが挙げられ、これらの天然由来品は現在の天然志向の消費者ニーズに適うため好ましい。しかし、本発明においては炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の化学品も使用可能である。上述したカルシウム含有未焼成素材は、1種類を単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて併用してもよい。
カルシウム含有未焼成素材を添加する場合には、その添加量は、素材中のカルシウム含量が小麦粉100%に対して、10〜2,000ppmが適しており、特に30〜500ppmが好ましい。カルシウム含有未焼成素材の添加量が10ppmより少ない場合には、もっちりとした食感のパンとなる。従って、もっちりとした食感のパンを所望する場合には、カルシウム含有未焼成素材は添加しないか、又は微量を添加するようにする。一方、添加量が2,000ppmより多い場合は、生地の伸展性が悪く、パンが硬くなり、老化も早い。
【0031】
本発明の製パン用改良剤は、上記▲1▼〜▲3▼の各成分を含有し、かつ▲4▼及び/又は▲5▼の成分を含有する。また本発明の製パン用改良剤は、さらに▲6▼〜▲9▼のうち少なくとも1種の成分を含有することが好ましい。従って、製パン用改良剤における各成分の組合せとしては、例えば以下のものが挙げられる:
(a)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド
(b)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類
(c)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、及び水溶性多糖類
(d)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(e)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(f)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、及び水溶性増粘剤
(g)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、及び水溶性増粘剤
(h)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(i)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、及び水溶性増粘剤
(j)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(k)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 水溶性多糖類、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
(l)グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼ + 蛋白加水分解ペプチド、水溶性多糖類、水溶性増粘剤、並びにα化澱粉及び/又はα化小麦粉
必要に応じて、上記(a)〜(l)の組合せにさらにカルシウム含有未焼成素材を添加することも可能である。
上記(a)〜(l)の組合せのうち、限定されるものではないが、(c)〜(l)の組合せが好ましく、(h)〜(l)の組合せがより好ましく、特に(l)の組合せが好ましい。
【0032】
また、本発明の製パン用改良剤は、上述した▲1▼〜▲9▼の成分の他、製パンに一般的に使用されるその他の改良剤成分を含んでもよい。「その他の改良剤成分」とは、本発明の改良剤として上記明示した成分以外の成分であって、製パンに一般的に使用される有効な成分を指す。そのようなその他の改良剤成分としては、例えば生地改良剤、具体的にはビタミンC及びビタミンC含有混合物、乳化剤、イーストフード、モルトシロップなどが挙げられる。
【0033】
ビタミンC含有混合物は、通常の製パン時に用いられる場合の目的と同様に、生地の弾力性向上、ボリュームアップ、内色相改善及び食感改善のために使用されており、食品分野で一般的に使用されているものであれば、種類は限定されない。例えばビタミンC含有混合物としては、レモンパウダー、アセロラ粉末が挙げられる。ビタミンC含有混合物の添加量は、小麦粉100%に対して8〜50ppmが適しており、特に12〜25ppmが好ましい。ビタミンC含有混合物と酵素は相反する作用を有しているので、酵素使用量によりビタミンC含有混合物の添加量を適宜変更するのが通常である。
【0034】
乳化剤は、生地の伸展性向上、ボリュームアップ、ソフトさアップ及び老化防止のために使用されており、乳化剤として添加してもよいし、又は乳化油脂若しくは機能性植物蛋白質として添加してもよい。またイーストフードは水質改善、生地弾力性向上、ボリュームアップなどのために使用されており、市販品として入手可能である。ここでいうイーストフードとは、食品添加物表示で一括した名称で用いられているイーストフードのことをいう。すなわち、パンの製造において、イーストの栄養源として用いられている塩化アンモニウム、水質(硬度)調整のための炭酸カルシウムなどの無機塩を指す。モルトシロップは、着色性増加、生地伸展性向上、風味向上及びソフトさアップのために使用されており、同様に市販品として入手可能である。これらの各成分の添加量は、製パンにおいて通常使用される範囲で適宜決定すればよい。
【0035】
本発明の製パン用改良剤の添加量は、製パン用改良剤中の各改良剤成分の添加量が前述の添加範囲内であればよい。改良剤自体の量は、小麦粉などの原料の量を適宜変更することで任意に増減することが可能である。
【0036】
(2)製パン用専用粉
本発明の製パン用専用粉は、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼに加えて、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を国内産小麦粉に配合したものである。また本発明の製パン用専用粉は、さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分をさらに配合することが好ましい。
【0037】
専用粉に配合するグルテン、ヘミセルラーゼ、及びアミラーゼ、並びに蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類、さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分の各成分の種類及び配合量は、上記「(1)製パン用改良剤」の項の記載に従って、適宜選択し決定することができる。
【0038】
(3)製パン用ミックス
本発明の製パン用ミックスは、上記専用粉(すなわち、国内産小麦粉及び改良剤の成分)に他の原料を配合したものである。
【0039】
上記の「他の原料」とは、砂糖・ハチミツ・転化糖、食塩、乳製品(バター、脱脂粉乳など)、油脂(サラダ油、ショートニングなど)など、製パンに通常必須な原料のほか、パンの種類によって適宜添加される穀物類、練り混み穀物又はフルーツ類、澱粉類などの副原料をいう。穀粉類としては、バラエティブレッド等で使用する大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、米粉、大豆繊維、ポテトパウダー、大豆粉などが挙げられる。また練り混み穀物又はフルーツ類としては、亜麻仁、胡麻、ひまわりの種、レーズン、ドライクランベリー、胡桃、カボチャの種などが挙げられる。また、澱粉類としては、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの精製澱粉が挙げられ、澱粉のアセチル化、エーテル化、酸化などの処理を行った誘導体であってもよいし、未処理の澱粉であってもよい。
【0040】
本発明において「ミックス」とは、小麦粉の一部若しくは全量、改良剤成分、及びイーストを除く製パン用原料の一部若しくは全量を配合したものをいう。
製パンミックスにおいて、専用粉及び改良剤成分の種類及び割合は、上記「(1)製パン用改良剤」及び「(2)製パン用専用粉」の項の記載に従って選択し決定することができる。また、製パンミックスにおける他の原料(副原料も含む)の種類は、通常の製パンに使用されるものであれば特に限定されず、その量も一般的に用いられている量(割合)とする。
【0041】
(4)パンの製造方法
本発明のパンの製造方法は、国内産小麦粉を原料とするパンの製造において、上記製パン用改良剤を原料に添加するか、あるいは上記製パン用専用粉及び/又は上記製パン用ミックスを用いてパン生地を作製することを特徴とするものである。
【0042】
パンの製造は、上記製パン用改良剤、専用粉及び/又はミックスを製造工程中に使用する以外は、通常べーカリーで用いられる製法であれば、特に限定されない。例えば、70%中種4時間発酵法、70%加糖中種2.5時間発酵法、50%中種2.5時間発酵法、ストレート2時間発酵法、ストレート1時間発酵法、冷蔵中種法、オーバーナイト中種法、生地玉冷蔵法、成型冷凍法などがある。
【0043】
製パン機械及び設備についても、通常の製パン機械、設備やラインであれば、特に限定されず、当業者であれば、採用するパンの種類や製造方法に応じて適切な機械及び設備を決定することができる。
【0044】
本発明の製パン用改良剤の添加は、当業者が考え得る範囲の方法による限り特に限定されない。例えば、ストレート法の場合では、改良剤を予め小麦粉に添加し、その他の原料を加えて混捏すればよく、中種法の場合は改良剤を中種使用小麦粉に添加し、発酵させた後、通常通り本捏してもよく、又は通常通り中種工程を行い、本捏時に改良剤を添加してもよい。
【0045】
原料に添加する製パン用改良剤の量は、最終的に使用される小麦粉量に対して、上記「(1)製パン用改良剤」の項に記載した割合となるよう決定する。また、パンの製造に必要なその他の成分及び原料は、当業者であれば適宜必要な量を決定し、本発明のパンの製造方法において使用することができる。
【0046】
専用粉又はプレミックスを用いて生地を作製する方法もまた当業者が考え得る範囲内である限り特に限定されず、中種法においては、中種工程及び/又は本捏工程において使用する小麦粉を専用粉又はミックスに変更し、ストレート法においては、使用する小麦粉を専用粉又はミックスに変更して、パン生地を作製する。ここで、専用粉及び/又はベースミックスを使用する場合には、その他の製パンのための他の原料を用いてパン生地を作製する必要がある。一方、プレミックスを使用する場合には、水及びイーストなどの原料を添加するのみでパン生地を作製できる。
【0047】
パン生地を作製する際に使用する製パン用専用粉又は製パン用ミックスの量は、それぞれ「(2)製パン用専用粉」又は「(3)製パン用ミックス」の項に記載した量となるように決定する。また、パンの製造に必要な他の原料(副原料も含む)は、当業者であれば適宜必要な量を決定し、本発明のパンの製造方法において使用することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は下記実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
以下の実施例において使用した原料及び成分の一覧と分析値を下記表1にまとめる。
【0049】
【表1】
【0050】
〔実施例1〜14、比較例1〜7〕
(1)国内産小麦粉を用いた製パン用改良剤(配合例A〜D)の製造
実際の製パンラインを用いて、以下の表2に示す組成の製パン用改良剤の配合例A〜Dを製造した。改良剤は、表2に示す各成分を1トン容リボンミキサーで混合し、パッカーを経て、5kg容ビニル袋に詰めて製造した。表2中、成分の量の単位はキログラム(kg)であり、括弧内に示す数値は製パンに使用した場合の小麦粉100%に対する添加量(%)を表す。
【0051】
【表2】
【0052】
(2)国内産小麦粉を用いた製パン用専用粉(配合例E〜G)の製造
実際の製パンラインを用いて、以下の表3に示す組成の製パン用専用粉の配合例E〜Gを製造した。専用粉は、表3に示す各原料及び成分を1トン容ナウターミキサーで混合し、粉砕機を通し、パッカーを経て、PV袋に詰めて製造した。表3中、各原料及び成分の量の単位はキログラム(kg)で表す。
【0053】
【表3】
【0054】
(3)国内産小麦粉を用いた製パン用ミックス(配合例H〜K)の製造
実際の製パンラインを用いて、以下の表4に示す組成の製パン用ミックスの配合例H〜K(ベースミックス:配合例H,I、プレミックス:配合例J,K)を製造した。ミックスは、表4に示す各原料及び成分を1トン容ナウターミキサーで混合し、粉砕機を通し、パッカーを経て、PV袋に詰めて製造した。表4中、原料及び成分の量の単位はキログラム(kg)であり、括弧内に示す数値は製パンに使用した場合の小麦粉100%に対する添加量(%)を表す。
また「標準添加量」の項目に記載の数値は、ベースミックスとして使用する場合に、用いる全小麦粉量に対する割合を表す。
【0055】
【表4】
【0056】
(4)食パン製造試験(実施例1〜6、比較例1〜2)
(4−1)製造試験条件及び方法
上記で製造した製パン用改良剤(配合例A,B)、専用粉(配合例E,F)及びミックス(配合例H, I)を用いて、食パン製造試験を行った。原料及び成分を下記表5に示す。表5中、数値の単位はベーカーズ%で表す。表5中、比較例として用いた製パン用改良剤Vx−2とは、鳥越製粉製のものであり、乳化剤、イーストフード、酵素及びビタミンCを含む。
製造は、一般的に卸製パンで採用されている70%中種4時間発酵法で行った。中種及び本捏の工程条件、並びに使用機器について以下の表6にまとめる。各工程条件は2つに分け、各種パンラインで製造した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
(4−2)評価方法
製品評価:容積を菜種置換法により評価した。具体的には、パンの入る容器と、それを満たす菜種を用意し、容器にパンを入れ、その上から菜種を注いだ。容器からこぼれた菜種の重量を測定し、この重量に菜種の比重をかけることによりパンの容積を求めた。
官能評価:焼成日翌日に外観、内色相、す立ち状態、触感、風香味及び食感を観察し、さらに3日目に触感(パンの老化)を評価した。専門の官能検査パネラー15名により標準の外国産小麦粉を3点として5段階評価で行い、その15名の平均値を算出した。5段階評価の内訳は、5点:非常に良好、4点:良好、3.5点:やや良好、3点:普通、2.5点:やや劣る、2点:劣る、1点:最も劣る、とした。
【0060】
(4−3)評価結果
上記表5に示した比較例1及び2、並びに実施例1〜6で得られた食パンの評価結果を下記表7にまとめる。外国産小麦粉使用の比較例1、改良剤成分未添加の国内産小麦粉使用の比較例2と比べて、実施例1〜6の製品はいずれも評価が高く、国内産小麦粉でありながら、外国産小麦粉と同等以上の品質を得た。
【0061】
【表7】
【0062】
(5)バターロール製造試験(実施例7〜9、比較例3〜4)
(5−1)製造試験条件及び方法
上記で製造した製パン用改良剤(配合例C)、専用粉(配合例F)、及びミックス(配合例H)を用いて、バターロール製造試験を行った。原料及び成分を下記表8に示す。表8中、数値の単位はベーカーズ%で表す。
製造は、一般的に卸製パンで採用されている70%加糖中種2.5時間発酵法で行った。中種及び本捏の工程条件、並びに使用機器について以下の表9にまとめる。各工程条件は2つに分け、各種パンラインで製造した。
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
(5−2)評価方法
(4−2)に記載の方法と同様にして行った。
【0066】
(5−3)評価結果
上記表8に示した比較例3及び4、並びに実施例7〜9で得られたバターロールの評価結果を下記表10にまとめる。
外国産小麦粉使用の比較例3及び改良剤成分未添加の国内産小麦粉使用の比較例4と比べて、実施例7〜9の製品はいずれも評価が高く、国内産小麦粉でありながら、外国産小麦粉と同等以上の品質を得た。
【0067】
【表10】
【0068】
(6)菓子パン製造試験(実施例10〜12、比較例5)
(6−1)製造試験条件及び方法
上記で製造した製パン用改良剤(配合例D)、専用粉(配合例F,G)を用いて、菓子パン製造試験を行った。原料及び成分を下記表11に示す。表11中、数値の単位はベーカーズ%で表す。
製造は、一般的に卸製パンで採用されている70%加糖中種2.5時間発酵法で行った。中種及び本捏の工程条件、並びに使用機器について以下の表12にまとめる。各工程条件は2つに分け、各種パンラインで製造した。
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
(6−2)評価方法
(4−2)に記載の方法と同様にして行った。
【0072】
(6−3)評価結果
上記表11に示した比較例5、及び実施例10〜12で得られた菓子パンの評価結果を下記表13にまとめる。
外国産小麦粉使用の比較例5と比べて、実施例10〜12の製品はいずれも評価が高く、国内産小麦粉でありながら、外国産小麦粉と同等以上の品質を得た。
【0073】
【表13】
【0074】
(7)プレミックスによる食パン、菓子パン製造試験(実施例13〜14、比較例6〜7)
(7−1)製造試験条件及び方法
上記で製造したプレミックス(配合例J、K)を用いて、食パン、菓子パン製造試験を行った。原料及び成分を下記表14に示す。表14中、数値の単位はベーカーズ%で表す。
製造は、一般的に卸製パンで採用されている1時間発酵ストレート法にてパンを製造した。工程条件、及び使用機器について以下の表15にまとめる。
【0075】
【表14】
【0076】
【表15】
【0077】
(7−2)評価方法
(4−2)に記載の方法と同様にして行った。
【0078】
(7−3)評価結果
上記表14に示した比較例6及び7、並びに実施例13及び14で得られた食パン、菓子パンの評価結果を下記表16にまとめる。
外国産小麦粉使用の比較例6及び7と比べて、実施例13及び14の製品はいずれも評価が高く、国内産小麦粉でありながら、外国産小麦粉と同等以上の品質を得た。
【0079】
【表16】
【0080】
〔実施例15〜34、比較例8〜10〕
(1)製造試験条件及び方法
本発明の製パン用改良剤の各種成分を混合した国内産小麦粉を使用してパンを製造した場合に国内産小麦粉の製パン性を大幅に向上させることを示すため、以下の表17に示す組成物で食パン製造試験を行った。「中種に使用したビタミンC」の項目に記載のビタミンCは、組成物として小麦粉と混合する他の成分とは異なり、中種工程において別に添加する成分である。表17中、単位はベーカーズ%で表し、各組成の100%分を製パン試験に使用した。また「グルテン」の項目において、FDGはフラッシュドライグルテンを、SDGはスプレードライグルテンを表す。
製造は、一般的に卸製パンで採用されている70%中種4時間発酵法で試験した。仕込み生地の重量は、小麦粉を4kg配合して行なった。
工程条件、及び使用機器について以下の表18(中種)、表19(本捏)及び表20(使用設備)にまとめる。
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
(2)評価方法
工程評価:中種吸水・本捏吸水(%)、及び本捏高速ミキシング時間(分)を評価した。なお、吸水及び本捏高速ミキシング時間は、良好なグルテン形成による良好な物性をもった生地の状態にするために必要な吸水量及び本捏工程における高速ミキシングの時間をいう。
製品評価:容積を菜種置換法により評価した。
官能評価:焼成日翌日に外観、内色相、す立ち状態、触感、風香味及び食感を観察し、さらに3日目に触感(パンの老化)を評価した。専門の官能検査パネラー15名により標準の外国産小麦粉を3点として5段階評価で行い、その15名の平均値を算出した。5段階評価の内訳は、5点:非常に良好、4点:良好、3.5点:やや良好、3点:普通、2.5点:やや劣る、2点:劣る、1点:最も劣る、とした。
【0086】
(3)評価結果
上記表17に示した比較例8〜10、及び実施例15〜34で得られたパンの評価を下記表21にまとめる。
外国産小麦粉使用の比較例8、改良剤成分未添加の国内産小麦粉使用の比較例9、及び比較例9にグルテンのみを添加した国内産小麦粉使用の比較例10と比べて、各実施例製品はいずれも評価が高く、国内産小麦粉を使用しているにもかかわらず、外国産小麦粉以上というテスト結果となった。また、従来パン用としては使用されていない小麦粉を使用した実施例28〜31(麺用)及び32〜34(菓子用)においても、外国産小麦粉を使用したパン以上の評価が得られた
【0087】
【表21】
【0088】
【発明の効果】
本発明の製パン用改良剤、専用粉又はミックスを用いて製造されるパンは、使用する国内産小麦粉の種類を問わず、外国産強力小麦粉使用製品と同等又はそれ以上の品質を有する。本発明により、比較的蛋白質含量の高い国内産小麦粉だけではなく、比較的蛋白質含量の低い国内産小麦粉を用いた場合であっても、良好な品質のパンを提供することができる。
Claims (7)
- 国内産小麦粉を原料とするパンの製造に使用するための製パン用改良剤であって、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼと、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を含むことを特徴とする上記製パン用改良剤。
- さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項1に記載の製パン用改良剤。
- 国内産小麦粉を原料とするパンの製造に使用するための製パン用専用粉であって、グルテン、ヘミセルラーゼ及びアミラーゼと、蛋白加水分解ペプチド及び/又は水溶性多糖類を国内産小麦粉に配合したことを特徴とする上記製パン用専用粉。
- さらにα化澱粉、α化小麦粉、水溶性増粘剤及びカルシウム含有未焼成素材からなる群より選択される少なくとも1種の成分を配合した、請求項3に記載の製パン用専用粉。
- 請求項3又は4に記載の製パン用専用粉と製パンに使用される他の原料を含む製パン用ミックス。
- 国内産小麦粉を原料とするパンの製造において、請求項1又は2に記載の製パン用改良剤を原料に添加することを特徴とするパンの製造方法。
- 国内産小麦粉を原料とするパンの製造において、請求項3若しくは4に記載の製パン用専用粉及び/又は請求項5に記載の製パン用ミックスを用いてパン生地を作製することを特徴とするパンの製造方法。
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