JP2004239449A - 空気調和機の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和機のフィルタ清掃において、エアフィルタの目詰まりを適切に判断してその両面を適切に清掃する。
【解決手段】空気調和機の運転時間を積算してフィルタ清掃を定期的に行うにあたって、その運転時間内における室内ファン10の回転数に応じた重み付けしながら累積して運転積算時間を得、その運転積算時間が所定値に達したときに、フィルタ清掃装置11を制御してエアフィルタ4の両面に付着しているホコリをダストボックス17内にかき落とす。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の室内機のエアフィルタを自動的に清掃する際の制御方法に関し、さらに詳しく言えば、ゴミの溜まり具合に応じた適切な時間間隔をもってエアフィルタを自動清掃する空気調和機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室内機の空気吸入口には、空中に舞っているゴミやホコリ(塵埃)を捕捉するためのエアフィルタが設けられているが、空調運転が長時間にわたると、その塵埃によってエアフィルタが目詰まりし、空気調和機の能力低下により空調に支障を来す。そればかりでなく、エアフィルタに付着した塵埃により菌類が繁殖したり、不快な臭いを発生することにもなるため、エアフィルタを適宜清掃する必要がある。
【0003】
エアフィルタを清掃するには、室内機から外す必要があるが、壁掛け式の場合には、室内機が高所に設置されていることから、例えば脚立などを用いなければならず、煩わしいだけでなく、転倒事故を起こすことにもなりかねないため、往々にして敬遠されがちである。そこで、エアフィルタを室内機から外すことなく、その清掃を自動的に行えるようにした空気調和機の一例が下記の特許文献1,2により提案されている。
【0004】
特許文献1のエアフィルタ掃除装置は、1対のローラ間に掛け渡された筒状のエアフィルタを掃除用モータによって回転させるとともに、下側のローラに対向したブラシによってエアフィルタに付着しているホコリをかき落としてホコリを塵受け皿で受ける。このエアフィルタ掃除装置は、当該空気調和機の運転スイッチ操作が行われると、空調コントロールに先だって一定時間だけ作動される。
【0005】
特許文献2のフィルタ清掃装置は、エアフィルタの汚れを検知すると、フィルタ駆動モータによってエンドレスのエアフィルタを回転させるとともに、吹出ノズルから空気を吹き出してエアフィルタのホコリを吹き飛ばし吸塵ノズルで吸引して集塵パックに収容する。
【0006】
また、そのフィルタ清掃装置では、室内のファンモータがオフしたとき、あるいはファンモータの運転積算時間が所定の設定値に達したとき、もしくはファンモータの強弱運転時間をファンモータの運転積算時間に加味し、この運転積算時間が所定の設定値に達したときに、エアフィルタを1回転あるいは数回転させて清掃を行う。
【0007】
しかしながら、特許文献1,2のいずれにおいても、エアフィルタがエンドレス状であることから、その裏面側の清掃が行われにくいという問題点がある。また、室内機に吸入される空気が2重のフィルタを通ることから、ファンモータによる吸引力を大きくする必要があるだけなく、フィルタ清掃装置が大きくなり、室内機の小型化が難しい。
【0008】
また、特許文献1にあっては、清掃動作が運転スイッチの投入ごとに行われるため、必要以上の清掃が行われることになり、この不効率な清掃は省エネルギの観点から好ましくない。さらに、エンドレスエアフィルタは、常に適切な張力で張られていないと回転軸から外れてしまうため故障しやすい。
【0009】
これらの問題点を解決するため、本出願人は下記の特許文献3による発明において、エアフィルタの表裏両面を自動的に清掃し、しかも効率的で適切な清掃、清掃制御の最適化、また、その清掃手段の小型化(室内機の小型化)を実現している。
【0010】
すなわち、特許文献3よる発明においては、空気吸入口の内面側に沿って板状のエアフィルタを往復動可能に配置するとともに、その移動経路内にエアフィルタの表裏両面に接触するブラシを有するダストボックスを設け、空気調和機の運転積算時間が所定時間(例えば100時間)に達した場合、フィルタ清掃装置を自動的に起動して、エアフィルタを往復動させることにより、エアフィルタのホコリを除去するようにしている。
【0011】
特許文献3よる発明によれば、エアフィルタの清掃が例えば100時間の運転ごとに行われることになるが、その100時間の運転において、室内ファンの回転数は一定ではないため、次のような別の課題が生ずる。
【0012】
すなわち、例えば100時間の運転積算時間内で、室内ファンの回転数が低い状態(風量が少ない状態)が大半を占める場合には、ホコリの付着量が比較的少ない。これに対して、室内ファンの回転数が高い状態(風量が多い状態)が大半を占める場合には、ホコリの付着量が多くなる。
【0013】
したがって、運転積算時間を一定に決めてしまうと、ホコリの付着量が少なくまだ清掃しなくてもよいときでも清掃が行われたり、これとは反対に、ホコリの付着量が多く清掃しなければならない状態になっても清掃が行われないことになりかねない。
【0014】
【特許文献1】
特開昭60―64139号公報(第2〜3ページ、第2図)、
【特許文献2】
特開昭63―130116号公報(第3〜4ぺージ、第2図)
【特許文献3】
特願2002―265061
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の課題は、エアフィルタの清掃を空調運転の積算時間に基づいて自動的に実行するにあたって、エアフィルタの目詰まり状態に応じて最適なタイミングで行うことができるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも前面側に空気吸入口を備え、その下部側に空気吹き出し口を有する室内機筐体を含み、上記室内機筐体内の上記空気吸入口と上記空気吹き出し口とを結ぶ空気通路内に熱交換器および室内ファンが配置され、上記空気吸入口より吸入した空気を熱交換して上記空気吹き出し口より吹き出して室温コントロールを行う空気調和機の制御方法において、上記空気吸入口の内面側に沿って往復的に移動可能に配置された板状のエアフィルタと、上記エアフィルタを往復動させるフィルタ駆動手段と、上記エアフィルタの位置を検出するフィルタ位置検出手段と、上記エアフィルタの移動経路内において上記空気吸入口の下部側に配置され、内部に上記エアフィルタの両面に接触するブラシを有するダストボックスを含むフィルタ清掃手段とを有し、上記フィルタ駆動手段により上記エアフィルタを移動させて上記フィルタ清掃手段により自動的に清掃するにあたって、上記エアフィルタの自動清掃の運転開始間隔を、上記室内ファンの回転数およびその回転数での運転積算時間に基づいて設定することを特徴とている。
【0017】
上記運転積算時間を得る際に付ける重みは、上記室内ファンの回転数が低いほど小さい値とし、その回転数が高いほど大きい値にするとよい。その際、上記重み付けは、上記室内ファンの回転数範囲の所定値に対して1とし、その回転数がその所定値より低いほど1より小さい値とし、その回転数がその所定値より高いほど1より大きい値にすることが好ましい。
【0018】
これにより、ファン回転数が低いときには室内機への吸入空気量が少なく、エアフィルタの目詰まりに時間がかかるため、運転積算時間が長くされる。また、ファン回転数が高いときにはその吸入空気量が多く、エアフィルタの目詰まりに時間がかからないため、運転積算時間が短くされることになり、エアフィルタの清掃タイミングが適切なものとなる。
【0019】
上記フィルタ駆動手段は、少なくともステッピングモータと同ステッピングモータの回転により上記エアフィルタを往復可動するためのギヤとからなり、上記フィルタ位置検出手段は、上記ダストボックスの入口に近い側に配置したリミットスイッチであり、このリミットスイッチはそのエアフィルタが上記空気吸入口に対応した位置(正常な位置)にあるときにオフ状態となり、その往復可動するエアフィルタによりオン状態となり、上記エアフィルタの清掃動作の往路時にはそのステッピングモータをパスル数で制御し、その復路時にはそのリミットスイッチのオンでそのステッピングモータを所定時間制御する一方、そのリミットスイッチのオフでそのステッピングモータを停止するとよい。これにより、エアフィルタの位置が単純なリミットスイッチのオン、オフ状態で検出されることから、エアフィルタの清掃制御が簡潔的で済むとともに、そのハードウェア的コストが安価に済む。
【0020】
上記フィルタ清掃装置を動作するに際し、予めリモコンによるフィルタ清掃が設定されている場合、空気調和機の運転停止を確認した後に、フィルタ清掃装置を制御し、上記リモコンによってフィルタ清掃の設定操作が行われた場合、空気調和機が運転状態にあるときには同運転を停止し、しかる後そのフィルタ清掃装置を制御するとよい。これによれば、空気調和機の運転中にフィルタ清掃が行われないため、フィルタから掻き落とされた塵埃がまき散らされることがない。
【0021】
上記フィルタ清掃装置による清掃開始時において、上記リミットスイッチがオフ状態である場合には、上記ステッピングモータを所定時間制御してエアフィルタを往復動し、このエアフィルタの往復動によりスイッチングがオン状態になった後、同フィルタの復路時に上記所定時間内に同リミットスイッチがオフ状態になれば、エアフィルタが正常な位置に戻ったと判断し、所定時間が経過してもリミットスイッチがオン状態のままであればフィルタ装着故障を表示する。これにより、エアフィルタ装着状態が判定、表示されることから、使用者などがフィルタ清掃装置の状態を確認し、それに対する処理を行うことができる。
【0022】
上記エアフィルタの往復動による往路清掃において、上記リミットスイッチがオン状態にならない場合には、フィルタ装着エラーを表示するとともに、上記リミットスイッチの状態を監視し、上記リミットスイッチがオフからオンに転じた時点で、上記エアフィルタを上昇方向に移動させ、上記リミットスイッチがオンからオフになった時点で、フィルタ装着エラーを消灯して表示フィルタの清掃を開始可能にするとよい。これによれば、例えばエアフィルタが正常な位置からずれていも、そのエアフィルタの位置が修正され、この修正された後にエアフィルタの清掃が自動的に開始され、その清掃が適切に行われる。
【0023】
上記エアフィルタの往復動による清掃が自動的に行われる場合、空気調和機が運転状態であれば、その運転の停止を待ってそのエアフィルタの清掃を行い、上記エアフィルタの往復動による清掃がリモコンによる手動操作に応じて自動的に行われる場合、空気調和機が運転中であれば同運転を停止してそのエアフィルタの清掃を行い、清掃終了後に空気調和機の元の状態に戻すとよい。これによれば、フィルタ清掃に際して、使用者が空気調和機の運転を停止せずとも、フィルタ清掃が適切に行われ、また、使用者がそのフィルタ清掃後に元の運転に戻す必要もなく、使い勝手の向上が図られる。
【0024】
上記運転積算時間が所定値よりも長くなったときには、フィルタの両面からかき落とされたものを収容しているダストボックスのメンテナンスを表示するとよい。これにより、使用者は居ながらにして、ダストボックスの清掃時期を知ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図14を参照して、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものてはない。
【0026】
まず、図1ないし図4において、本発明による空気調和機の制御装置は、室内機側の制御回路1および室外機側の制御回路2を備え、室温コントロールに必要な制御を行いながら、空気調和機の運転時間を室内ファンの回転数に応じて重み付けして累積するとともに、その運転積算時間が所定時間に達した時点で、エアフィルタ4を室内機の空気吸入口5に対して往復動させて、エアフィルタ4に付着しているホコリなどを除去するフィルタ清掃制御を行う。
【0027】
室内機には、その本体の上面から前面側にかけて桟形の空気吸入口5が形成されており、空気吸入口5の下部側にはエアフィルタ4の清掃時に、エアフィルタ4の一部を室内機外に飛び出し可能とする開閉パネル6が設けられている。なお、空気吸入口5は開閉パネルによって形成してもよい。
【0028】
この室内機は壁掛け型で、その本体の下面側に空気吹き出し口7が設けられ、この空気吹き出し口7内には、空気の吹き出し方向を変えるための上下風向板7aと左右風向板8とが備えられている。
【0029】
空気吸入口5と吹き出し口7とを結ぶ空気通路内には、本体の前面側から背面側にかけてラムダ型とした室内熱交換器9a〜9cおよび室内ファン10が配置されている。エアフィルタ4は柔軟性を有する板状のエアフィルタで、空気吸入口5の内面に沿って往復動可能に配置され、エアフィルタ4を清掃するフィルタ清掃装置11は、空気吸入口5の下部で開閉パネル6付近に配置されている。
【0030】
フィルタ清掃装置11は、エアフィルタ4を往復的に駆動するフィルタ駆動モータ(ステッピングモータ)12よびギヤ13を含むフィルタ駆動手段と、エアフィルタ4の位置を検出するリミットスイッチ(SW)16からなるフィルタ位置検出手段と、エアフィルタ4の一部(横方向全体)を挟む形で覆い、かつ、エアフィルタ4の両面に当接するブラシ14,15を内部に有するダストボックス17とを備えている。なお、エアフィルタ4の一部には上記ギヤ13と勘合する歯が上下方向に直線状に形成されている。
【0031】
開閉パネル6は上端を支点として開閉し、清掃時においては、エアフィルタ4の一部によって押し開かれ、エアフィルタ4が室内機内に収容されたときに閉じられる。さらに、リミットSW16はダストボックス16の入口(エアフィルタ4の出入り口)に近い側に配置したリミットスイッチであり、エアフィルタ4が空気吸入口5に対応した位置(正常な位置)にあるときにオフ状態となり、エアフィルタの往復動による清掃時にオン状態となる。ダストボックス17は、室内機に脱着可能であり、開閉パネル6を開いて室内機内部から取り出し可能となっている。
【0032】
室内機の他の構成として、本体の前面側にはリモコン3からのリモコン信号を受信する受信部および運転状態やフィルタ清掃装置に関する情報などを表示する本体表示部18が備えられており、本体内部で室内熱交換器9a〜9cの下部には同熱交換器から滴下する凝縮水を受けて室外に排出するためのドレンパン19が備えられている。室外機には、室内熱交換器9a〜9cとともに冷凍サイクルを構成する四方弁20および圧縮機21と、室外ファン22とを備えている。
【0033】
室内機の制御系の制御回路1は、リモコン3の設定操作に応じて上下風向板7、左右風向板8および室内ファン10を制御し、室温と設定温度の差に応じた圧縮機の運転コードなどを室外機側の制御回路2に送信するとともに、その制御回路2との間で当該室温コントロールに必要な信号の授受を行い、またリモコン12の設定操作などに応じてフィルタ清掃装置11を制御する。
【0034】
そのために、制御回路1は、リモコン信号を判定する判定部1a、空気調和機の運転状態を判定する状態判定部1b、図5ないし図14に示すルーチンにしたがってフィルタ清掃装置11を制御するために用いるタイマ(カウンタを含む)部1c、記憶部1d、清掃運転開始時期を判定するために所定時間(運転積算時間)を記憶する運転積算A記憶部1e、ダストボックス17のホコリ量を判定するために所定時間(運転積算時間)を記憶する運転積算B記憶部1f、リミットSW16の状態に基づいてエアフィルタ4の位置を判定するフィルタ位置判定部1g、および少なくとも室内ファンの回転数に応じて当該フィルタ清掃装置の運転を開始するために累積する運転時間に重み付けを行う運転積算時間設定部1hを備えている。
【0035】
また、制御回路2は、室内機側からの運転モードなどを判別する運転モード判定部2aと、四方弁20を制御する四方弁制御部2bと、圧縮機21を制御する圧縮機制御部2cを備えている。
【0036】
次に、この空気調和機の動作を図5ないし図14のフローチャート図を参照して説明する。まず、リモコン3によって所定設定操作が行われると、その設定操作に応じて室内機側の制御回路1および室外機側の制御回路2は、室温コントロールに必要な制御を行いながら、リミットSW16がオフ状態であるか否かを判断する(ステップST1)。
【0037】
例えば、エアフィルタ4の清掃動作以外、エアフィルタ4がリミットSW16にかからないことから、ステップST2に進み、タイマ部1cの運転積算Aタイマをスタートし、運転時間を得る。なお、その運転積算時間としては、空気調和機の運転にほぼ同期する室内ファン10の運転時間を用いてもよい。
【0038】
続いて、室内ファン10のファン回転数を検出し、このファン回転数に応じて重み付けした時間により運転時間を得る際に、同重みをファン回転数が低いほど小さい値とし、ファン回転数が高いほど大きい値とし、これによって得た運転時間を累積して運転積算時間を得る(ステップST3)。例えば、その重み付けは、室内ファン10の回転数範囲の中央部を1とし、その回転数がその中央部より低いほど1より小さい値とし、その回転数がその中央部より高いほど1より大きい値(2よりも小さい値)とする。
【0039】
具体的には、運転積算Aタイマのタイマ速度を切り替え、例えば1200rpmであれば1.0倍速として運転時間を得、これに対してファン回転数が低いほど、そのタイマ速度を1より小さい値とし、ファン回転数が高いほど、そのタイマ速度を1より大きい値とする。
【0040】
一例として、ファン回転数が840rpmであれば、タイマ速度を0.7倍速とし、ファン回転数が960rpmであれば0.8倍速とし、1080rpmであれば0.9倍速とし、1320rpmであれば1.1倍速とし、1440rpmであれば1.2倍速として運転時間を得る。
【0041】
そして、ファン回転数840rpmで1時間運転された場合、その運転積算Aタイマでは0.7時間とカウントし、しかる後ファン回転数1080rpmで1時間が運転されると、運転積算Aタイマでは0.9時間とカウントして累積した1.6時間となる。すなわち、ファン回転数が低ければ、空気吸入量が少なくてエアフィルタ4の目詰まりに長時間かかり、そのファン回転数が高ければ、空気吸入量が多くてエアフィルタ4の目詰まりに長時間かからないからである。
【0042】
なお、上述した重み付けは一例であり、空気調和機の使用環境状態を加味し、空気の汚れが酷い室内と、汚れがそれほどでもない室内とで異なるようにしてもよい。例えば、空気汚れ度が低い室内であれば、ファン回転数が高いところに上記タイマ速度を1倍速にもっていき、空気汚れ度が高い室内であれば、ファン回転数が低いところに上記タイマ速度を1倍速にもっていくようにする。また、上記重み付けの他の方法としては、ファン回転数が低いほど長い時間を所定時間(100時間)に加算し、そのファン回転数が高いほど長い時間を所定時間(100時間)から減じるようにしてもよい。
【0043】
続いて、当該運転が停止になったか否かを判断し(ステップST4)、運転が停止していなければ、ステップST3に戻って上述した処理を繰り返す。つまり、ファン回転数の変更ごとに運転時間の重みがかわり、この重み付けをした運転時間が運転積算Aタイマで累積されることになる。運転が停止していれば、使用者がリモコン3のボタンあるいはスライドスイッチを操作によりオートクリーン動作(エアフィルタ4の清掃動作)の設定を行っているか否かを判断する(ステップST5)。なお、運転停止とは、リモコン3による運転停止信号入力時、切タイマによるタイムアップ時や入タイマ設定信号入力時などの場合をいう。
【0044】
オートクリーン動作が設定されている場合、運転積算Aタイマの時間(運転積算時間)が運転積算A記憶部1eに記憶されている所定時間(例えば100時間)に達しているか否かを判断する(ステップST6)。なお、使用者がリモコン3によってオートクリーン動作を設定していない場合、あるいはその設定がなされていても、運転積算時間が100時間に達していない場合、フィルタ清掃装置11の動作を行わなず(ステップST7)、当該ルーチンを終了する。すなわち、前回のオートクリーン動作からそれほど時間が経過しておらず、エアフィルタ4が目詰まりしていないと判断できるからである。
【0045】
オートクリーン動作が設定されており、運転積算時間が100時間に達しているときには、オートクリーン動作に必要なイニシャライズ処理を行い(ステップST8)、例えば上下風向板7や左右風向板を所定方向に停止する。しかる後に、フィルタ駆動モータ12の制御を介し、エアフィルタ4を下降させ、本体表示部18のLED(2色LEDの緑)を点灯する(ステップST9)。なお、フィルタ駆動モータ12の下降動作は予め設定したパルス数分だけとし、そのパルス数はエアフィルタ4を清掃に必要な最下位置とするに必要な数(例えば8000パルス)である。
【0046】
その回転開始から数秒(例えば5秒)マスクした後(ステップST10)、リミットSW16がオフからオンになったか否かを判断し(ステップST11)、つまりフィルタ駆動モータ12を制御してからエアフィルタ4が確実に降下しているか否かを判断する。
【0047】
そして、フィルタ駆動モータ12の下降動作が終了したか否かを判断し(ステップST12)、つまりフィルタ駆動モータ12を予め設定したパルス数だけ駆動すると、フィルタ駆動モータ12の動作を停止する(ステップST13)。このとき、エアフィルタ4の下降により、そのエアフィルタ4の下側端が開閉パネル6を押し開き、そのエアフィルタ4は室内機の前面側に飛び出す。
【0048】
フィルタ駆動モータ12の動作停止から2秒マスクし(ステップST14)、フィルタ駆動モータ12が安定し、つまりエアフィルタ4が確実に停止した後、リミットSW16がオンであるか否かを判断する(ステップST15)。リミットSW16がオンであれば、フィルタ駆動モータ12の回転制御(下降時と逆回転)を開始し、エアフィルタ4を上昇させる(ステップST16)。
【0049】
その回転開始後、タイマ部1cの所定時間(例えば30秒)タイマをスタートし(ステップST17)、エアフィルタ4を正常な位置に戻すようにする。なお、そのタイマの所定時間としては、少なくともエアフィルタ4が確実に正常の位置に戻るまでの時間とし、予め経験的に求めればよい。
【0050】
続いて、リミットSW16がオンからオフになったか否かを判断し(ステップST18)、リミットSW16がオフに変化すると、エアフィルタ4が正常な位置に戻ったと判断してフィルタ駆動モータ12を停止する(ステップST19)。
【0051】
このエアフィルタ4の上昇動作時には、下降時のようにフィルタ駆動モータ12をパルス数で制御せず、リミットSW16の状態で判断する。すなわち、エアフィルタ4が確実に正常な位置に戻す必要はあるからである。そして、リミットSW16がオフになると、タイマ(運転積算Aタイマや30秒タイマ)をリセットし(ステップST20)、当該オートクリーン動作を終了する。
【0052】
このように、室内ファン10の回転数に応じた重みを運転時間に付けて運転積算時間を算出し、この運転積算時間が所定値に達したとき、エアフィルタ4の清掃時期と判断していることから、エアフィルタ4の目詰まり状態が的確に判断され、エアフィルタ4の清掃が適切に行われ、また省エネルギ化が図られる。
【0053】
例えば、室内ファンの低回転数による運転が長い場合、その運転積算時間が所定値に達するまでに時間がかかり、フィルタ清掃装置11の動作がより遅く行われ、つまりまた必要のない清掃が行われることもなく、美観的に好ましくないエアフィルタ4の下降、上昇動作回数が少なく済む。
【0054】
また、室内ファンの高回転数による運転が長い場合、その運転積算時間が所定値になるまでに時間がかからず、フィルタ清掃装置11の動作がより早く行われ、つまり多量の風量によりエアフィルタ4にはホコリなどが短時間で多く付着するが、その早い清掃動作により、フィルタの効果低下が防止することができる。
【0055】
さらに、フィルタ清掃を自動的に開始し、エアフィルタ4の表面のホコリなどをダストボックス17内にかき落とすだけなく、一連の動作によりその裏面のホコリなどもかき落とすことができ、省エネルギの観点からも好ましい。さらにまた、エアフィルタ4が板状であり、つまりエンドレスでないことから、空気吸入力が大きくせずともよく、フィルタ清掃装置11の小型化が可能である。
【0056】
ここに、エアフィルタ4が正常な位置からずれ、例えばエアフィルタ4が下がっていると、上述したオートクリーン動作においてエアフィルタ4の下降が適切に行われない。また、エアフィルタ4が装着されていない場合やフィルタ清掃装置11が故障している場合でも、そのオートクリーン動作に支障を来し、適切な制御を行われない。
【0057】
そこで、ステップST1においてリミットSW16がオンと判断すると、図6に示すステップST21に進み、エアフィルタ4が正常な位置にないとしてフィルタ駆動モータ12を上昇動作とし、タイマ部1cのタ30秒タイマをスタートする(ステップST22)。
【0058】
上記リミットSW16がオンからオフになった否かを判断し(ステップST23)、リミットSW16がオフになれば、エアフィルタ4が正常な位置に戻ったとしてステップ2に戻り、上述した処理を実行し、つまりオートクリーン動作を行うことになる。
【0059】
また、そのリミットSW16がオンであれば、30秒タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップST24)。この30秒タイマがタイムアップする前にリミットSWがオンからオフになれば、ステップST2に戻り、上述した処理を実行する。
【0060】
上記30秒タイマがタイムアップしても、リミットSW16がオンのままであれば、ステップST24からST25に進み、エアフィルタ4が異常であるとしてフィルタ駆動モータ12を停止する。
【0061】
続いて、2秒マスクし(ステップST26)、フィルタ駆動モータ12を下降動作とし(ステップST27)、この下降動作においてはフィルタ駆動モータ12を所定パルス数分だけ制御した後に停止する(ステップST28)。なお、その所定パスル数とは、例えば通常エアフィルタ4を下降させる場合よりも小さい値(例えば5000パルス)とするとよい。
【0062】
上記動作のフィルタ装着の確認回数をカウントするために、フィルタ装着回数カウンタをインクリントする(+1する)。このフィルタ装着回数カウンタが所定値(例えば3)であるか否かを判断し(ステップ30)、そのフィルタ装着回数が3回になっていなければ、図7に示すステップST31に進み、2秒マスクする。この2秒マスクでフィルタ駆動モータ12が確実に停止した後、再度フィルタ駆動モータ12を上昇動作とし(ステップST32)、30秒タイマをスタートする(ステップST33)。
【0063】
上記リミットSW16がオンからオフになったか否かを判断し(ステップST34)、リミットSW16がオンのままであれば、30秒タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップST35)。30秒タイマがタイムアップする前に、リミットSW16がオフになれば、フィルタ駆動モータ12を停止し(ステップST36)、ステップST2に戻って上述した処理を実行する。すなわち、エアフィルタ4が正常な位置に戻り、当該オートクリーン動作が可能になったからである。
【0064】
しかしながら、上記30秒タイマがタイムアップしても、リミットSW16がオンのままであるときには、ステップST35からST37に進み、フィルタ駆動モータ12を停止する。しかし後、ステップST26に戻って、上述した処理を繰り返し、再度エアフィルタ4の装着を確認する。
【0065】
上記フィルタ装着確認の処理が繰り返され、ステップST30の処理においてエアフィルタ装着カウンタの値が3であると判断されると、エアフィルタ4の装着状態が異常であると判断してフィルタ装着故障を本体表示部18に表示する(ステップST38)。例えば、本体表示部18のLEDを緑色で0.1秒オン、0.1秒オフの点滅とする一方、フィルタ装着カウンタをリセットする。
【0066】
続いて、当該空気調和機の運転を停止し(ステップST39)、その運転停止状態を確認し(ステップST40)、3分マスクした後上記フィルタ装着故障表示を消灯し(ステップST41,ST42)、つまり3分間点滅を行い、また各種タイマやカウンタをリセットして当該ルーチンを終了する。
【0067】
一方、上記ステップST11において、リミットSW16がオフからオンにならないと判断したときには、つまりオートクリーン動作を行うためにエアフィルタ4を下降動作としているにもかかわらず、そのエアフィルタ4が下降していなときには、ステップST11からST43に進み、エアフィルタ4が無いと判断し、フィルタ駆動モータ12を停止する。
【0068】
そして、フィルタ装着エラーを本体表示部18に表示し(ステップST44)、例えば本体表示部18のLEDを緑色で0.5秒オン、0.5秒オフの点滅とする。すなわち、使用者などがフィルタ装着故障とフィルタ装着エラーの判別を可能とするためである。
【0069】
続いて、3分マスク中に、リミットSW16がオンになった否かを判断し(ステップST45)、つまりエアフィルタ4の装着を確認する。例えば、使用者などによってエアフィルタ4が装着されなければ、リミットSW16がオンにならないことから、一旦上記フィルタ装着エラーを消灯し(ステップST46)、そのリミットSW16がオンであるか否かを判断する(ステップST47)。つまり、使用者などによってエアフィルタ4の装着を待つことになる。
【0070】
上記ステップST45において、リミットSW16がオンであると判断されたとき、あるいはステップST47においてリミットSW16がオンであると判断されたときには、エアフィルタ4がフィルタ清掃装置11に装着されているが、エアフィルタ4が正常な位置にないとして、フィルタ駆動モータ12を上昇動作とし、フィルタ装着エラーを表示する(ステップST48)。30秒タイマをスタートし(ステップST49)、リミットSW16がオンからオフになったか否かを判断する(ステップST50)。
【0071】
リミットSW16がオンからオフにならなければ、ステップST50からST51に進み、30秒タイマのタイムアップを判断し、そのタイムアップまでリミットSW16の状態を監視する。そのタイムアップまでの間に、そのリミットSW16がオフになれば、エアフィルタ4が正常の位置になったとしてフィルタ駆動モータ12を停止し、フィルタ装着エラー表示を消灯するとともに、タイマなどをリセットする(ステップST52)。
【0072】
しかしながら、そのタイムアップまでの間に、リミットSW16がオフにならなければ、フィルタ駆動モータ12を停止し(ステップST53)、2秒マスク後フィルタ駆動モータ12を所定パルス数だけ下降動作とし(ステップST54,ST55)、しかる後フィルタ駆動モータ12を停止する(ステップST56)。なお、その所定パルス数は、上記ステップST27と同じ値(5000パルス)とする。そして、上述同様にフィルタ装着を確認するために、フィルタ装着カウンタをインクリメントし(+1し)、そのフィルタ装着カウンタの値が3であるか否かを判断する(ステップST57,ST58)。
【0073】
そのフィルタ装着カウンタの値が3でなければ、2秒マスク後(ステップST59)、ステップST48に戻って上述した処理を繰り返す。その処理の繰り返しが3回行われると、フィルタ装着カウンタの値が3になると、ステップST58からST60に進み、フィルタ装着故障を表示し(例えば本体表示部18のLEDを緑色で0.1秒オン、0.1秒オフの点滅とし)、フィルタ装着カウンタをリセットし、図4に示すステップST40に戻って3分マスクし、3分間フィルタ装着故障を表示した後に、その表示を消灯し、当該ルーチンを終了する。
【0074】
このように、フィルタの異常を判定し、オートクリーン動作を停止し、フィルタ装着エラーやフィルタ装着故障などを表示することから、当該清掃制御が適切なものであり、また使用者などに対しても好ましく、当該制御の最適化が図れる。
【0075】
なお、図5に示すステップST15において、リミットSW16がオンにならないと判断した場合、エアフィルタ4を下降した後同エアフィルタ4が例えばフィルタ清掃装置11から外れ、リミットSW16がオフである場合、そのステップST15から図8に示すステップST44に進み、上述したフィルタ装着エラーのための処理を繰り返す。
【0076】
また、図5に示すステップST18において、リミットSW16がオフにならないと判断した場合、つまりエアフィルタ4を上下に往復可動して清掃した際の復路時にエアフィルタ4が正常な位置に戻らず、しかもステップST17でスタートした30秒タイマのタイムアップ(図9に示すステップST61)までリミットSW16がオンのままである場合、ステップST61から図8に示すステップST53に進み、上述したフィルタ装着故障のための処理を繰り返す。
【0077】
ところで、上述した実施例ではエアフィルタ4の清掃時期を自動的に判定しているが、使用者などの希望により、リモコン3の操作によりエアフィルタ4を清掃したい場合もある。
【0078】
そこで、使用者がリモコン3の清掃ボタンなどを操作することにより、リモコン3からの手動フィルタクリーン信号を受信すると、制御回路1は図10ないし図13のルーチンを実行し、つまりフィルタ清掃装置11を作動してエアフィルタ4を清掃する。
【0079】
まず、当該空気調和機が運転中であるか否かを判断し(ステップST70)、その運転時点でフィルタ装着エラー動作中あるいはフィルタ装着故障動作中か否かを判断する(ステップST71)。すなわち、フィルタ装着エラーあるいはフィルタ装着故障の動作中であれば、エアフィルタ4の清掃ができないからである。
それらの動作が行われていなければ、ステップST72に進み、当該運転を停止し、リミットSW16がオフであるか否かを判断する(ステップST73)。なお、上記ステップST70において運転が停止されていると判断したときにはステップST73に進む。
【0080】
上記リミットSW16がオフであれば、エアフィルタ4が正常な位置にあるとして、フィルタ駆動モータ12を所定パルス数(8000パルス)分だけ下降動作とし(ステップST74)、5秒マクス後リミットSW16がオフからオンになったか否かを判断する(ステップST75,ST76)。
【0081】
リミットSW16がオンであると、そのフィルタ駆動モータ12が8000パスル分だけ動作した否か判断する(ステップST77)。その動作が終了したら、フィルタ駆動モータ12を停止し(ステップST78)、3分タイマをスタートし(ステップST79)、リミットSW16がオフであるか否かを判断する。
【0082】
上記リミットSW16がオンであれば、3分タイマのタイムアップまでそのリミットSW16を監視し(ステップST81)、この間にリミットSW16がオフになると、エアフィルタ4が取り出されたと判定し(ステップST82)、しかる後リミットSW16がオフからオンになった否かを判断する(ステップST83)。
【0083】
例えば、使用者によってエアフィルタ4が取り外され、しかる後そのエアフィルタ4が再装着され、リミットSW16がオンになると、あるいは上記3分間監視中にリミットSW16がオンのままであると、フィルタ駆動モータ12を上昇動作とし(ステップST84)、30秒タイマをスタートし(ステップST85)、リミットSW16がオンからオフになったか否かを判断する(ステップST86)。
【0084】
上記リミットSW16がオフにならなければ、ステップST87に進み、30秒タイマがタイムアップか否かを判断する。このタイムアップ前にリミットSW16がオフになれば、エアフィルタ4が正常な位置に戻ったと判断し、フィルタ駆動モータ12を停止する(ステップST88)。
【0085】
このように、手動によりフィルタクリーン動作が設定された場合でも、エアフィルタ4がダストボックス17内を往復移動することから、オートクリーン動作と同じく、エアフィルタ4の表面および裏面のホコリなどをダストボックス17内にかき落とすことができる。
【0086】
続いて、当該ルーチン開始直前に運転が行われていたか否かを判断し(ステップST89)、運転中であった場合当該動作の開始前にメモリに記憶している運転状態(直前の運転)に戻してルーチンを終了し(ステップST90)、運転中でなかった場合運転停止、つまりリモコン3による運転可能状態とする。
【0087】
ここに、上記ステップST71において、フィルタ装着エラーあるいはフィルタ装着故障動作中と判断した場合、図11に示すステップST91に進み、フィルタクリーン動作を禁止し、フィルタ装着エラー表示あるいはフィルタ装着故障表示を行う。なお、その表示は上記オートクリーン動作のルーチンにおける表示と同じく本体表示部18に行う。
【0088】
続いて、当該空気調和機が運転停止状態になったか否かを判断し(ステップST92)、運転停止状態であれば、3分タイマをスタートし(ステップST93)、3分が経過した時点で上記フィルタ装着エラー表示あるいはフィルタ装着故障表示を消灯し(ステップST94)、当該ルーチンを終了する。
【0089】
上記ステップST73において、つまり手動によるクリーン動作を開始するまで、エアフィルタ4が正常な位置にあるか否かを判断し、つまりリミットSW16がオンであるため、エアフィルタ4が正常な位置にないと判断すると、ステップST75ないしST108でフィルタ装着故障処理を行う。
【0090】
この場合、図12に示すフィルタ装着故障処理のステップST95ないしST104は上述した図6に示すルーチンのステップST20ないしST29と同じ処理であり、ステップST105ないしST109は図6に示すステップST37ないしST41と同じ処理であることから、その説明を省略する。
【0091】
なお、ステップST97において、リミットSW16がオンからオフになったと判断したときには、ステップST74に進み、当該手動によるクリーン動作を継続する。また、フィルタ装着確認を3回まで行うが、ステップST104においてフィルタ装着回数が3でなければ、ステップST110に進み、2秒マスク後にステップST95に戻ってフィルタ装着の確認処理を繰り返す。
【0092】
さらに、上記手動によるフィルタクリーン動作を開始し、フィルタ駆動モータ12を下降動作としても、リミットSW16がオンにならなければ、ステップST76から図13に示すステップST111に進み、フィルタ無し判定を行い、フィルタ装着エラー表示を行うとともに、フィルタ駆動モータ12を停止する。
【0093】
続いて、当該ルーチン開始直前に運転が行われていたか否かを判断し(ステップST112)、運転中であった場合当該動作の開始前にメモリに記憶している運転状態(直前の運転)に戻し、当該フィルタクリーン動作を禁止し(ステップST113)、図11に示すステップST92に戻る。
【0094】
これにより、当該空気調和機が運転停止状態になると、3分間フィルタ装着エラー表示を行った後、そのフィルタ装着エラー表示を消灯して当該ルーチンを終了する。その直前の運転が停止状態であれば、図13に示すステップST112から図11に示すST93に戻り、上述同様の処理を実行する。
【0095】
さらにまた、上記手動によるフィルタクリーン動作において、エアフィルタ4をダストボックス17内で往復可動して正常の位置戻すとき、30秒の間にリミットSW16がオフにならないと、30秒タイマのタイムアップによりステップST87から図12に示すステップST99に進み、フィルタ装着故障処理を実行する。
【0096】
このように、リモコン3の操作によっても、フィルタ清掃装置11によるクリーン動作が行えることから、使用者などの使い勝手の向上が図れる。また、例えば先に説明したオートクリーン動作時に、開閉パネル6から飛び出したエアフィルタ4の清掃状態を確認することが可能であるため、そのオートクリーン動作ではもの足りないと判断した場合に当該手動クリーン動作が有効である。
【0097】
上記フィルタ清掃動作により、ダストボックス17内のホコリなどが増えると、そのダストボックス17内のホコリなどを捨てる必要がある。そこで、図14に示すルーチンにより、そのダストボックス17の清掃を使用者などに報知する。
【0098】
まず、空気調和機の運転が開始されると、タイマ部1cの運転積算Bタイマをスタートし(ステップST120)、その運転の積算時間を得るとともに、この運転積算時間が運転積算B記憶部1fに記憶されている所定時間(例えば2000時間)に達したか否かを判断する(ステップST121)。なお、その運転積算時間としては上述したオートクリーン動作時間および手動によるフィルタクリーン動作時間としてもよい。
【0099】
続いて、上記運転積算時間が2000時間に達すると、ダストボックス17のメンテナンス表示を本体表示部18に表示する(ステップST122)。例えば、本体表示部18のフィルタLEDを赤色で0.1秒オンし、0.1秒オフする点灯表示とする。このメンテナンス表示を行っているときには、手動によるフィルタクリーン動作およびオートクリーン動作を禁止する(ステップST123)。
【0100】
そして、使用者によって室内機に設けられているリセットボタン(例えば応急運転ボタンと兼用であってもよい)を操作し、当該室内機制御をリセットすると、ステップST124からST125に進み、上記運転積算Bタイマをリセットし、当該空気調和機の運転(クリーン動作を含む)を可能とする。このように、運転積算時間によりダストボックス17の塵量を判断し、ダストボックス17の清掃時期を使用者などに報知することことから、使い勝手の向上が図れる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、運転積算時間によりフィルタ清掃装置を制御してエアフィルタの両面を自動的に清掃する際、室内ファンの回転数に応じて運転時間に重みを付けて運転積算時間を得ていることから、その運転積算時間の最適化によりそのフィルタの目詰まりを的確に判断してフィルタ清掃の動作を最適なタイミングで行うことができ、しかもそのエアフィルタの両面に付着しているホコリなどをダストボックス内にかき落としてそのエアフィルタの両面を自動的に清掃することができ、しかもその清掃時期を適切に判定してフィルタ清掃を行う清掃制御の適切化が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、空気調和機の制御方法が適用される制御装置を説明する概略的ブロック線図。
【図2】本発明の空気調和機の制御方法が適用される室内機の構成を説明するための模式的な断面図。
【図3】図2に示す室内機に取り付けられるエアフィルタ清掃装置を説明する概略的構成図。
【図4】図2に示す室内機に取り付けられるエアフィルタ清掃装置を説明する概略的構成図。
【図5】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図6】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図7】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図8】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図9】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図10】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図11】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図12】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図13】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【図14】図1に示す制御装置の動作を説明する概略的フローチャート図。
【符号の説明】
1 制御回路
1a 判定部
1b 状態判定部
1c タイマ部
1d 記憶部
1e 運転積算A記憶部
1f 運転積算B記憶部
1g フィルタ位置判定部
1h 運転積算時間設定部
2 制御回路
3 リモコン
4 エアフィルタ
5 空気吸入口
6 開閉パネル
9a,9b,9c 室内熱交換器
11 フィルタ清掃装置
12 フィルタ駆動モータ
13 ギヤ
14,15 ブラシ
16 リミットスイッチ
17 ダストボックス
18 本体表示部

Claims (10)

  1. 少なくとも前面側に空気吸入口を備え、その下部側に空気吹き出し口を有する室内機筐体を含み、上記室内機筐体内の上記空気吸入口と上記空気吹き出し口とを結ぶ空気通路内に熱交換器および室内ファンが配置され、上記空気吸入口より吸入した空気を熱交換して上記空気吹き出し口より吹き出して室温コントロールを行う空気調和機の制御方法において、
    上記空気吸入口の内面側に沿って往復的に移動可能に配置された板状のエアフィルタと、上記エアフィルタを往復動させるフィルタ駆動手段と、上記エアフィルタの位置を検出するフィルタ位置検出手段と、上記エアフィルタの移動経路内において上記空気吸入口の下部側に配置され、内部に上記エアフィルタの両面に接触するブラシを有するダストボックスを含むフィルタ清掃手段とを有し、
    上記フィルタ駆動手段により上記エアフィルタを移動させて上記フィルタ清掃手段により自動的に清掃するにあたって、
    上記エアフィルタの自動清掃の運転開始間隔を、上記室内ファンの回転数およびその回転数での運転積算時間に基づいて設定することを特徴とする空気調和機の制御方法。
  2. 上記室内ファンの運転時間を積算するにあたって、その回転数に応じた重み付けを行って運転積算時間を得る請求項1に記載の空気調和機の制御方法。
  3. 上記重み付けは、上記室内ファンの回転数が低いほど小さい値とし、上記室内ファンの回転数が高いほど大きい値とする請求項2に記載の空気調和機の制御方法。
  4. 上記重み付けは、上記室内ファンの特定回転数を1として、上記室内ファンの回転数が上記特定回転数より低いほど1より小さい値とし、上記室内ファンの回転数が上記特定回転数より高いほど1より大きい値とする請求項2または3に記載の空気調和機の制御方法。
  5. 上記フィルタ駆動手段は、ステッピングモータおよび同ステッピングモータの回転により上記エアフィルタを往復動させるギヤを含み、上記フィルタ位置検出手段は、上記ダストボックスの近傍において上記エアフィルタに接触するように配置されたリミットスイッチを備え、上記リミットスイッチは、上記エアフィルタが上記空気吸入口に対応した位置にあるときにオフ状態,上記エアフィルタが移動するときオン状態となり、上記エアフィルタの清掃動作の往路時には、上記ステッピングモータをパルス数で制御し、復路時には上記リミットスイッチのオン動作で上記ステッピングモータを時間的に制御し、上記リミットスイッチのオフで上記ステッピングモータを停止するようにした請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機の制御方法。
  6. 上記運転積算時間が予め設定された所定時間に達して上記フィルタ清掃手段を動作させる際には、当該空気調和機の運転停止を確認した後にフィルタ清掃を実施し、上記運転積算時間によることなく、リモコンによってフィルタ清掃の設定操作が行われた場合で、当該空気調和機が運転状態にあるときには、その運転を停止してからフィルタ清掃を実施する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和機の制御方法。
  7. 上記フィルタ清掃手段による清掃開始時において、上記リミットスイッチがオフ状態である場合には、上記ステッピングモータを所定時間制御してエアフィルタを往復動させ、上記エアフィルタの往復動により上記リミットスイッチがオンになった後、上記エアフィルタの復路時に上記所定時間内に同リミットスイッチがオフ状態になれば、上記エアフィルタが正常な位置に戻ったと判断し、上記所定時間が経過してもリミットスイッチがオン状態のままであれば、フィルタ装着故障を表示する請求項5に記載の空気調和機の制御方法。
  8. 上記エアフィルタの往路清掃時において、上記リミットスイッチがオン状態にならない場合には、フィルタ装着エラーを表示するとともに、上記リミットスイッチの状態を監視し、上記リミットスイッチがオフからオンに転じた時点で、上記エアフィルタを上昇方向に移動させ、上記リミットスイッチがオンからオフに転じた時点で、フィルタ装着エラーを消灯して、上記エアフィルタの清掃を開始する請求項5に記載の空気調和機の制御方法。
  9. 上記エアフィルタを自動清掃する場合、当該空気調和機が運転状態であれば、その運転の停止を待って上記エアフィルタの清掃を行い、上記エアフィルタの往復動による清掃が、リモコンによる手動操作に応じて自動的に行われる場合、当該空気調和機が運転中であれば、その運転を停止したうえでエアフィルタの清掃を行い、清掃終了後に当該空気調和機を元の運転状態に戻す請求項1ないし6のいずれか1項に記載の空気調和機の制御方法。
  10. 上記運転積算時間が予め設定された所定時間よりも長くなったときには、上記エアフィルタの両面からかき落とされたゴミを収容している上記ダストボックスの要メンテナンスを表示する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気調和機の制御方法。
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