JP2004230485A - 製品の生産方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】台車を環状搬送路上に移動可能に配置して、1人の作業者、複数の部品および必要な工具を所定の始点で前記台車上に載せ、この台車が所定の終点に達するまでの間に台車上で前記作業者が前記部品を組み付けて所定の製品を完成するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の部品を組み付けて製品を完成する製品の生産方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的・慣用的なこの種の製品の生産方法として、例えば、自動車の組立てラインに代表されるように、コンベヤを用いて複数の作業者によりシャーシーに部品を組み付けるようにした流れ生産方式(例えば、特許文献1参照)や、例えば、カメラ・家電の組立てに代表されるように、1ステーションで複数の部品を人手により組付けるようにしたセル生産方式(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−343352号公報
【特許文献2】
特願平10−198469号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の流れ生産方式では、多種少量の製品を生産する場合、生産する製品が変わるごとにコンベヤの搬送速度や作業者の人数を変更する必要があり、しかも、生産台数が少なくかつ溶接のような特殊作業を必要とする製品等の場合には部品を組み付ける作業者の取付け能力等の影響を大きく受けて製品の生産のサイクルタイムが大きく変わるため、製品の生産計画を立てるのが極めて難しくなり、その上、複数の作業者を経て製品を完成するため、製品の品質に対する作業者の責任が曖昧になる傾向があった。
【0005】
また、後者のセル生産方式では、製品を完成するまでの時間が作業者の意志によって大きく左右されるため、上述の流れ生産方式のように製品の生産計画を立てるのが極めて難しい上に、作業者も製品の完成に要する時間が気になることもあって作業者が部品の組付け作業に集中することができなかったり、作業者に余分な神経を使わせることになるなどの問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたもので、その目的は、多種少量の製品であっても、製品の生産計画を立てるのが容易になり、しかも製品の品質に対する作業者の責任も明確になり、その上作業者が製品の完成に集中することができる製品の生産方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明における製品の生産方法は、複数の部品を組み付けて製品を完成する製品の生産方法であって、台車を環状搬送路上に移動可能に配置して、1人の作業者、前記複数の部品および必要な工具を所定の始点で前記台車上に載せ、この台車が所定の終点に達するまでの間に台車上で前記作業者が前記部品を組み付けて所定の製品を完成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
なお、本発明において製品とは、製品の種類によって様々な形態があり、生産の方法によっては完全な製品から見た場合に半完成品と思われる状態の半製品や、完成品の一部を形成するユニット品も含むものとする。またなお、本発明において部品とは、例えば、溶接によって組付けられるもののように完全な形態を成さないいわゆる部材も含むものとする。またなお、本発明において台車とは、作業者の作業容易性、部品や工具の載置可能性などを考慮して上面が少なくとも平坦状を成し、さらに、適宜の駆動手段を備えた自走式のものや適宜の駆動手段によって移動される走行式のものをいう。またなお、本発明において環状搬送路とは、生産工場などの床面上に敷設されて長方形状、トラック状あるいは楕円状を成すレールなどが挙げられる。
【0009】
またなお、本発明において始点とは、前記環状搬送路に適宜設定されて、1人の作業者が前記台車上に乗ったり、前記複数の部品および必要な工具を前記台車上に載置する場所である。またなお、本発明における終点とは、1人の作業者が前記台車上で所定の製品を完了するのに必要な、前記始点からの距離によって定まる位置をいう。そして、終点で完成品が運び出される。またなお、製品によっては、始点と終点を同一の場所にしてもよい。またなお、本発明における工具とは、作業者が台車上で製品を生産するのに必要なものをいう。そして、この工具は、例えばモノレールによって支持されて台車に追従して移動するように構成され、台車上には直接載置されないものも含むものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明である製品の生産方法を適用した製品の生産設備として、溶接によって生産する製缶・鉄骨構造等の製品を生産する場合について図1および図2に基づき詳細に説明する。まず、複数の台車1・2・3を環状搬送路としてのレール(図示せず)上に移動可能に配置して、1人の作業者、前記複数の部品および必要な工具を所定の始点Aで、前記台車1・2・3のそれぞれの上に載せる(図1参照)。
【0011】
次いで、図2に示すように、各台車においては、1人の作業者が、部品をセットし、セットした部品を仮溶接し、仮溶接した部品を本溶接し、その後、本溶接して完成した製品の検査を行う。以上の作業を、1人の作業者が所定の終点Bに達するまでの間に各台車上で行って所定の製品を完成する。
【0012】
このように、本発明においては、台車1が始点から終点に移動するまでの間に製品を完成するため、台車1が始点から終点に移動する時間を管理することにより、製品の生産計画を容易に立てることができる。しかも、製品を完成するための時間は台車1の移動速度によって決定されるため、作業者は製品の完成に集中することができる。その上、製品は1人の作業者によって完成されるため、製品の品質に対する作業者の責任も明確になる。
【0013】
なお、本発明においては、始点Aおよび終点Bは、原則的には最初の計画・設計で決定されるが、図1に示すように、前記終点Bは、前記部品の組付けの難易度と必要時間および/または前記作業者の組付け能力に対応して前記始点からの距離を変更してもよい。またなお、図1に示すように、前記終点Bの位置が定まっている場合には、前記部品の組付けの難易度と必要時間および/または前記作業者の組付け能力に対応して、前記始点Aの位置が前記環状搬送路上の上流側に移動してもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は、複数の部品を組み付けて製品を完成する製品の生産方法であって、台車を環状搬送路上に移動可能に配置して、1人の作業者、前記複数の部品および必要な工具を所定の始点で前記台車上に載せ、この台車が所定の終点に達するまでの間に台車上で前記作業者が前記部品を組み付けて所定の製品を完成するようにしたから、製品が多種少量のものであっても、製品の生産計画を立てるのが容易になり、しかも製品の品質に対する作業者の責任も明確になり、その上作業者が製品の完成に集中することができるようになるなどの優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図2】図1の主要部の拡大詳細図である。
Claims (4)
- 複数の部品を組み付けて製品を完成する製品の生産方法であって、台車を環状搬送路上に移動可能に配置して、1人の作業者、前記複数の部品および必要な工具を所定の始点で前記台車上に載せ、この台車が所定の終点に達するまでの間に台車上で前記作業者が前記部品を組み付けて所定の製品を完成するようにしたことを特徴とする製品の生産方法。
- 請求項1に記載の製品の生産方法において、
前記部品は、溶接による組付けを要するものを含むことを特徴とする製品の生産方法。 - 請求項1または2に記載の製品の生産方法において、
前記終点は、前記部品の組付けの難易度と必要時間および/または前記作業者の組付け能力に対応して前記始点からの距離が変わることを特徴とす製品の生産方法。 - 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の製品の生産方法において、
前記終点の位置が定まっている場合に、前記部品の組付けの難易度と必要時間および/または前記作業者の組付け能力に対応して前記始点の位置が前記環状搬送路上の上流側に移動することを特徴とす製品の生産方法。
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2003
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