JP2004227842A - プローブ保持装置、試料の取得装置、試料加工装置、試料加工方法、および試料評価方法 - Google Patents

プローブ保持装置、試料の取得装置、試料加工装置、試料加工方法、および試料評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料から必要な微小片を取得することのできる好適なプローブ保持装置装置を提供すること。
【解決手段】プローブを取り付け可能なプローブ保持部と、前記プローブの温度を調整するための温度調整手段とを備え、且つ試料を取得するために用いられることを特徴とするプローブ保持装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料を加工する加工装置に関する。より詳しくは、温度変化によって状態、形態が変化する試料の一部を分離し、取得する装置、または試料を加工する試料加工装置、および加工された試料の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生態系、プラスチックをはじめとする有機物の断面評価や微細な構造の加工は、機能性デバイスの増加とともにその需要が増えつつある。有機物構造に関する情報を求めるために用いられている主な断面作製法としては、刃物による切断法、樹脂包埋法、凍結包埋法、凍結割断法、イオンエッチング法等が知られているが、有機物の内部構造を光学顕微鏡で観察する場合は、通常、有機物を樹脂で包埋した後、ミクロトームで切断するといった方法が採用されている。
【0003】
しかしながら、光学顕微鏡では断面のマクロ的な観察に限られ、また、切り出し位置を指定することができないため、指定した位置の構造を観察及び解析するためには、断面作製作業の繰り返しに非常に多くの労力を要していた。
【0004】
そこで、最近では、所定の場所を加工できる集束イオンビーム(FIB:FocusedIon Beam)装置が開発されている。FIB装置は、イオン源からのイオンビームを細く集束して加工試料に照射し、エッチング等により加工を行う装置である。このFIBによるエッチング技術は、かなりポピュラーなものになりつつあり、特に半導体等の構造解析、不良解析、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)装置、透過型電子顕微鏡(TEM: Transmission Electron Microscope)装置用試料作製等に広く利用されている。
【0005】
近年、このようなFIB装置にマニュピレーション技術を応用して、試料の一部を切り出し、加工する方法が提案されている。たとえば特許文献1では、FIBで試料の一部を切り出し、切り出した微小片をプローブに保持することで、分析に必要部のみの分離を容易にするものである。
【0006】
上記のほか、特許文献2には、イオンビームで切り出した後の微小片に別のイオンビームを照射し、切り出しに用いたイオンビーム元素の影響を低減する方法が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−52721号公報
【特許文献2】
特開2001−345360号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば有機物などのような温度によって状態や形態が変化する試料の微小片を、プローブによって取得しようとする場合、プローブが試料よりも温度が高いことがあり、この温度差により接触した部分の試料が加熱され、所望の形状で試料を取得することができなかった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、試料から必要な微小片を取得することのできる好適な取得装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、試料の温度を調整した状態で効率よく試料から必要な微小片を加工することのできる試料加工装置を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の目的は、上記課題を解決し、試料の温度を調整した状態で断面構造を解析することのできる、試料評価装置および試料評価方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の別の目的は、上記課題を解決し、試料の温度を調整した状態で、効率よく試料の加工を行うことのできる、試料加工装置および試料評価方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプローブの保持装置は、プローブを取り付け可能なプローブ保持部と、前記プローブの温度を調整するための温度調整手段とを備え、且つ試料を取得するために用いられることを特徴とする。
また、本発明に係る試料の取得装置は、試料を載置するための載置台と、前記試料の温度を調整するための第一の温度調整手段と、
前記試料の一部を分離するための分離手段と、前記分離手段により分離された試料の一部を取得するためのプローブを固定するためのプローブ移動手段と、
前記プローブの温度を調整するための第二の温度調整手段と、を有する
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る試料加工装置は、試料を載置するための載置台と、
前記試料の温度を調整するための第一の温度調整手段と、
前記試料に対してイオンビームを照射するためのイオンビーム発生手段と、前記イオンビームの照射に応じて前記試料から放出される放出信号を検出する検出手段と、前記イオンビームの照射により加工された試料を取得するためのプローブと、評価用の試料台と、前記プローブの温度を調整するための第二の温度調整手段と、前記試料台の温度を調整するための第三の温度調整手段と、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る試料評価装置は、温度調整手段により、試料を予め設定された温度に調整した状態で、イオンビーム発生手段による露出および前記検出手段による情報の取得を行うこと、温度調整手段によりプローブおよび試料の温度を予め設定された温度に調整した状態で、試料の切り出しならびに貼り付けを行うことを特徴とする。また、評価用の試料台を載置台とは別体で設けてもよい。また、温度調整手段は、試料を室温以下の温度に冷却する冷却手段を備えていても良い。載置台、イオンビーム発生手段および検出手段、プローブ、試料台は、雰囲気制御可能なチャンバー内に配置され、該チャンバー内に残留するガスを捕捉するトラップ手段をさらに有していても良い。
【0016】
また、放出信号が2次電子または2次イオンであってもよい。さらに、検出手段は、2次電子を検出する第1の検出器と、2次イオンを検出する第2の検出器からなってもよい。
【0017】
本発明に係る試料加工方法は、試料、プローブおよび試料台の温度を調整する第1のステップと、試料の所定部に、試料の表面に対して少なくとも2つの異なる角度方向からイオンビームを照射して断面の切り出しまたは加工を行う第2のステップと、切り出した試料の一部に前記プローブを接続する第3のステップとを有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る試料評価方法は、プローブを接続後に試料の一部を分離し、評価用試料台に貼り付け後、プローブを切り離す第4のステップと、評価用試料台に貼り付けた試料に評価用ビームを照射し、放出される放出信号から前記断面の切り出しまたは加工が施された面に関する像を取得する第5のステップとを有する事を特徴とする。
【0019】
上記の通りの本発明においては、第二の温度調整手段によりプローブの温度が調整されるので、切り出した試料の一部を取得する際に、所望の温度に保つことができ、例えば有機物のような状態や形態の変化しやすい試料に対しても好適に使用可能な微小片の取得装置を提供できる。また、第一の温度調整手段により、例えばFIB加工中であっても試料の温度は所望の温度に保つことができる。さらに、第三の温度調整手段により評価用試料台の温度も調整可能なため、試料台に貼り付け後の試料の温度も所望の温度に保たれる。よって、従来のような試料の状態や形態の変化は生じない。
【0020】
本発明における、断面の切り出しまたは加工が施された面とは、試料の内部のある一面から見た面の他、試料が加工(堆積、エッチングを含む)された場合において、その加工後にある視点から見た時に観察できる面も含む。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の試料加工装置の第1の実施形態である、集束イオンビーム加工装置の概略構成図である。
【0023】
この加工装置は、試料1が固定されるとともに固定された試料1の温度を設定された温度に保つ保温部2を備える。この保温部2は、試料室3内に収容可能である。
【0024】
試料室3には、保温部2に固定された試料1に対してイオンビームを照射するイオンビーム発生部4が設けられており、さらにイオンビームの照射により試料1から放出される2次電子を検出する電子検出器5、試料1上にイオンビームの照射によって薄膜の堆積を可能にするガス導入手段6、イオンビームの照射によって切り出した試料の一部を固定するプローブ(不図示)を取り付け可能なプローブ保持部7を有する。該保持部7は、プローブの先端部を3次元方向に移動可能にさせるためのプローブ移動手段としてマニュピレータであると良い。さらに他の分析装置での評価を容易にする試料台8が設けられている。
【0025】
試料室3内は、不図示のポンプによって排気され、所定の低圧力を保てるようになっており、これによりイオンビームの照射が可能となっている。試料室3内の圧力は、10−10Pa以上、10−2Pa以下にすることが好ましい。
【0026】
イオンビーム発生部4は、試料1にイオンビームを照射して試料の一部を分離する分離手段として、さらには断面を切り出すため等の試料を加工するための加工手段に用いられる。また、SIM観察のために用いることも可能である。SIM観察の場合には、イオンビーム発生部4および電子検出器5が情報取得手段となり、試料1にイオンビームを照射したときに発生する2次電子が電子検出器5にて検出され、電子検出器5からの検出信号に基づいて映像化が行われる。
【0027】
電子検出器5からの検出信号は像の情報を取得するための制御手段である制御部9に供給されており、上記のSIM観察時の映像化はこの制御部9によって行われる。例えば、制御部9は、電子検出器5からの検出信号から映像情報(マッピング情報)を取得し、この取得した映像情報を不図示の表示装置に表示させることで映像化を行う。この他、制御部9は、イオンビーム発生部4におけるイオンビームの発生を制御したり、それらイオンビームの試料1への照射および走査の制御を行ったりする。ビームの走査の制御は、ビーム側または試料が固定されるステージ側、もしくはそれら両方で行うことができるが、走査速度などを考慮すると、ビーム側で制御することが望ましい。また、イオンビームの照射位置は、試料1上で一致するようにそれぞれ制御可能である。
【0028】
尚、イオンビーム発生部4等の構成は、前述の特許文献1や特開2000−217290号公報等に記載されているような構成であってもよい。
【0029】
(プローブ)
本実施形態におけるプローブは、加工によって分離可能となった試料の一部をプローブ先端(不図示)に貼り付け等によって固定し、該試料を取得するために用いられる。
【0030】
また、プローブ先端部の構成材料としては、温度調整の観点から、熱伝導性の良い材料を用いることが好ましい。また、FIBビームによるSIM像によって試料やプローブの位置を確認するため、イオンビームに対してある程度の耐性がある材料を用いることが好ましい。さらに、プローブ先端は、試料台に貼付け後、少しずつ切断され消耗してしまう。このため、プローブあるいは、少なくともプローブ先端は、取替え可能な構造になっていることが好ましい。
【0031】
(第一、第二および第三の温度調整手段の構成)
本実施形態における第一の温度調整手段は、試料に温度調整が可能な保温部2を備える。保温部2は、例えば温度コントローラ付きの試料ステージである。図2に、この温度コントローラ付き試料ステージの概略構成を示す。
【0032】
図2を参照すると、温度コントローラ付き試料ステージは、試料1が固定される部分に温度可変機構12を有する試料ステージ13と、試料1の温度を直接検出する温度計11aと、温度可変機構12の一部に取り付けられ、温度可変機構12に固定される試料1の近傍の温度を検出する温度計11bと、温度計11bにて検出される温度に基づいて温度可変機構12における温度を調節し、試料1を予め設定された温度に保つ温度制御部9aとからなる。
【0033】
なお、図2には示されていないが、温度計11aにて検出された温度を表示する表示部を備え、取扱者はこの表示部に表示される温度から試料1の温度を確認することができる。また、温度制御部9aは、温度計11a、11bの双方で検出された温度に基づいて温度可変機構12における温度を調節するように構成することもでき、このように構成することで、より正確に試料1の温度を制御することが可能となる。本実施形態においては、評価用の試料台8も、試料1と同様保温部2に固定されており、設定された温度に制御可能である。この場合は、第一の温度調整手段が、第三の温度調整手段を兼ねる構成であるが、この構成に限らず、別体の温度調整手段を有してもよい。
【0034】
温度可変機構12は温度計11bとともにユニット化されており、設定温度に応じて、必要な温度域の制御が可能なユニットを試料ステージ13に組み込めるようになっている。そのようなユニットとしては、例えばヒーター等の加熱機構を有する高温ユニットや、冷却機構を有する低温ユニットがある。また、必要に応じて、室温付近の低温側から高温側両方の温度可変機能を備えたユニットを用いることも可能である。
【0035】
試料ステージ13は、固定された試料1を機械的に上下左右に移動、回転、或いは傾斜させることができ、これにより試料1を所望の評価位置に移動させることができる。この試料ステージ13における試料1の移動制御は、上述の制御部9により行われる。
【0036】
上記の冷却機構には、ペルチェ素子やヘリウム冷凍機のような冷却機構を用いることができる。この他、保温部の試料が固定される部分と対向する側に冷媒を流す冷媒管を設け、液体窒素、水などの冷媒を保温部と熱的に接触させる方式のものを上記の冷却機構として用いてもよい。
【0037】
また、加工中に発生する熱の吸収効率を上げるために、試料と冷却部(保温部)の接触効率を高める工夫をすることが好ましい。このような工夫は、例えば、試料を包みこむような構成とし、且つ、加工時および観察時にそれぞれ使用される装置の光学系を遮らない形状の試料ホルダーを作成したり、試料の形状を載置台にあわせた形状に加工したりした上で、最大の接触面積を保ちつつ保持させるようにすることで実現可能である。
【0038】
さらに、試料の非加工領域を冷却部材で被覆してもよい。この場合、冷却部材は、ビーム系を遮らないように被覆する必要がある。
【0039】
また、本実施形態においては、プローブの温度を調整するための第二の温度調整手段として、同様の保温部をプローブに内蔵させることができる。この場合、別の制御部により制御しても良いが、制御部9にて試料の温度およびプローブの温度を制御するものであってもよい。
【0040】
また、プローブの温度を調整するための温度調整手段は、プローブ移動手段に接続しており、さらにプローブ移動手段とプローブとが熱的に接触されるような構成によって温度調整を行うような構成でも良い。
【0041】
また、プローブ、プローブ移動手段、第二の温度調整手段の構成は、図7に示すような構造であってもよい。図7に示すようにプローブ40は、温度計11を有する温度可変機構12が配置されたプローブホルダ41に取り付け可能である。プローブ40を配したプローブホルダ41は、プローブ移動手段の中に含まれる。また、プローブを保護する目的で、プローブホルダ41は、必要に応じてプローブ移動手段7の中でさらに移動可能であり、必要に応じてプローブ40の先端をプローブ移動手段7内に格納したり、外に出したりすることができる。
【0042】
前記第一の温度調整手段により調整された前記試料の温度に応じて、前記第二の温度調整手段により前記プローブの温度が調整されるようにしても良い。
また、第一の温度調整手段と、前記第二の温度調整手段は、互いに電気的に連通されていることが好ましく、第一の温度調整手段による前記試料の温度に応じて第二の温度調整手段により前記プローブの温度を同期させるとよい。
【0043】
第一、第二の温度調整手段により、前記試料と前記プローブの温度は、ほぼ同じ温度に保持されることが好ましいが、異なる温度にしてもよい。
【0044】
この場合、プローブの温度を低くすることが好ましい。
【0045】
(試料の断面評価方法)
以下に、本発明に係る断面評価方法について述べる。
【0046】
図3は、図1に示す試料加工装置を用いた試料の断面評価の一手順を示すフローチャート図である。以下、図3を参照して断面評価の手順を説明するとともに、その手順に沿った制御部9によるFIB加工およびSIM観察のための制御および温度制御部9aによる試料の温度制御についても具体的に説明する。
【0047】
まず、試料1と試料台8を試料ステージ13の所定の位置(温度可変機構12)に固定し(ステップS10)、これを試料室3に導入した後、評価温度を設定する(ステップS11)。また、同時にプローブの評価温度も同様に設定する。評価温度が設定されると、温度制御部9aにより温度可変機構12における温度が制御されて試料1ならびに試料台8の温度がその設定された評価温度に維持される。このときの試料1の温度は温度計11aにて検出されており、取扱者は、不図示の表示部に表示されたその検出温度から試料1が評価温度に保たれたかどうかを確認することができる。
【0048】
本実施形態においては、試料を室温より冷却した状態で加工を行うことが好ましい。また、0度以下の温度に冷却すると、試料中に水分がある場合は固化することもできる。
【0049】
上記のような冷却工程を採用する場合は、まず試料を室温以下の所定の温度に冷却し、冷却した試料を減圧雰囲気下に保持し、試料の照射面付近から発生した熱を吸収しながら収束ビームを照射することにより、照射されない部分の形状を保持したまま加工するとよい。
【0050】
また、試料を冷却する際に、室温状態から急速に冷却してもよい。この場合は、冷却速度を40℃/min以上の速さで冷却することが好ましい。これにより、例えば温度によって分散性の変化する混合物に対しての断面形状を測定したい場合に、急冷された状態の断面を観察することができる。
【0051】
冷却工程は、減圧工程の前に行われることが好ましい。これにより、減圧による試料の蒸発を抑えることが可能となる。なお、試料が蒸発量の少ない物質で構成されている場合は、減圧と同時に冷却を行ってもよい。プローブの冷却は減圧後に行ってもよい。
【0052】
また、冷却工程は、対象とする試料によって異なるが、PET等の一般的な有機物の場合は、0℃〜−200℃、好ましくは−50℃〜−100℃の温度範囲で冷却することが好ましい。
【0053】
また、低温冷却時に加工時間、冷却時間が長くなりすぎると、試料室内の残留ガスや、加工時に発生する物質が低温の試料に吸着してしまい、所望の加工や観察が難しくなる場合がある。このため、残留ガスや、加工時に発生する物質を吸着するトラップ手段を設け、該トラップ手段を冷却しながら加工および情報の取得を行うことが好ましい。
【0054】
本発明は、対象となる試料が有機物、特に蛋白質や、他の生体物質などの熱に弱い物質や、水分を含む組成物などの場合に好適に適用できる。特に、水分を含んだ組成物に対しては、水分を試料中に保持したまま加工することができるので、より好ましい。
【0055】
また、集束イオンビームの照射は減圧雰囲気下で行われるため、水分を含む組成物や、揮発性の高い有機分子などを集束イオンビームで加工する場合は、加工中に発生する熱によって水分が蒸発してしまう場合がある。このようなことから、本発明のように温度調整手段を設ける効果は大きい。
【0056】
より正確な加工および構造評価を行うために、予め好適な加工時の保持温度を抽出する工程を備えることも好ましい。この場合、加工したい試料と等価な試料をリファレンスとして用いて、複数の設定温度において加工を行い、加工部のダメージと冷却温度の関連を調べた上で好ましい保持温度を決めるとよい。
【0057】
試料1が評価温度に保たれた事を確認後、試料1の温度を常に確認しながら、試料1の表面のSIM観察を行う(ステップS12)。このSIM観察では、観察用の弱いイオンビームを用い、制御部9によってイオンビーム発生部4によるイオンビームの照射および試料ステージ13の移動が制御されることで、イオンビーム発生部4からのイオンビームで試料1が走査される。さらに、この走査に同期して、電子検出器5にて2次電子が検出され、制御部9がその2次電子の検出信号に基づいてSIM像を不図示の表示部へ表示する。これにより、取扱者は、試料1の表面のSIM観察を行うことができる。
【0058】
次いで、試料1の表面のSIM観察によって得られた像(上記の表示部へ表示されたSIM像)から断面評価位置を精度よく決定し(ステップS13)、その決定した断面評価位置をさらに加工ビームでSIM観察する(ステップS14)。このSIM観察では、制御部9によってイオンビーム発生部4によるイオンビームの照射および試料ステージ13の移動が制御されることで、イオンビーム発生部4からのイオンビームで試料1が断面評価位置の範囲において走査される。さらに、この走査に同期して、電子検出器5にて2次電子が検出され、制御部9がその2次電子の検出信号に基づいてSIM像を不図示の表示部へ表示する。これにより、取扱者は、ステップS14で決定した断面評価位置の表面SIM観察を行うことができる。また、必要に応じて、断面評価位置を決定後、加工ビームでSIM観察する前に、ガス導入手段6からガスを導入し、加工部分を含む試料1の周辺に保護膜を堆積する。
【0059】
次いで、FIB加工条件を設定する(ステップS15)。このFIB加工条件設定では、ステップS14の表面SIM観察によって得られたSIM像上で切り出し領域及び切り出し位置を決定し、さらに加速電圧、ビーム電流及びビーム径の断面加工条件を設定する。断面加工条件には、粗加工条件と仕上げ加工条件があり、この時点でそれぞれ設定される。粗加工条件は、ビームの径およびエネルギー量が仕上げ加工条件のそれより大きい。なお、切り出し領域及び切り出し位置の決定は、上記ステップS12で得られる観察用イオンビームのSIM像上で行うことも可能であるが、精度上の問題を考慮すると、実際に加工を行うイオンビームが用いられるSIM像上で行うことがより望ましい。
【0060】
この表面からの加工では、制御部9によってイオンビーム発生部4が上記設定された表面からの加工条件で制御され、さらに試料ステージ13の移動が制御されることで、ステップS15で決定された切り出し領域及び切り出し位置に、切断に必要な量のイオンビームが照射される。ここでは、評価に必要な位置を含んだ試料の一部を分離させるために、試料表面から見て、後に最小限の加工で切断可能な部分を残し、ほとんどの周囲を少なくとも評価位置より深く加工する。
【0061】
表面からの加工後、試料1の表面をSIM観察し、該SIM観察によって得られた像(SIM像)上で所望の位置近くまで加工されているかを確認する(ステップS17)。さらに試料をステージごと傾斜し(ステップS18)、表面からの加工により作製された断面を観察用ビームでSIM観察し、断面の形態を確認する(ステップS19)。
【0062】
所望の深さ位置近くまで加工されていなかった場合は、ステージ傾斜を元の角度に戻し、上記のステップS16からS19を繰り返す。
【0063】
次に、断面方向からのFIB加工条件を設定する(ステップS20)。このFIB加工条件設定では、ステップS19の断面SIM観察によって得られたSIM像上で切り出し領域及び切り出し位置を決定し、さらに加速電圧、ビーム電流及びビーム径の加工条件を設定する。その後、断面方向からのFIB加工を行う(ステップS21)。ここでいう断面方向とは、試料表面とは異なる角度であり、試料表面からのFIB加工で形成された断面が観察可能な角度方向を表す。したがって、表面に対して垂直な角度を持った方向である必要はない。この断面方向からの加工によって、前述の最小限の加工で切断可能な部分を残し、ほとんどの部分が試料から分離される。
【0064】
さらに、試料傾斜(ステップS22)を行い試料を元の角度に戻した後、表面から観察用の弱いビームを照射し、試料1の表面SIM観察を行う(ステップS23)。ステップS23の表面SIM像を元に、切り出し予定の微小片上にプローブを移動させる(ステップS24)。SIM像のコントラスト変化等でプローブが微小片に接触したことを確認し、ガス導入手段6によってガスを導入した後、そのプローブと微小片の接触部分を含んだ位置にFIBビームを照射することで薄膜を堆積し、プローブを貼り付ける(ステップS25)。
【0065】
さらに、前述の最小限の加工で切断可能な部分を加工ビームで切り取る(ステップS26)ことで、試料片は、試料1から離れ、プローブ側に固定された状態になった。
【0066】
ここでは、試料片を含む試料、プローブがステップS11によって同等な温度に設定されているため少なくともプローブの接触によって、試料片の温度が変化することがほとんどない。もし、プローブ接触前にプローブと試料の温度が大きく異なっていると、切り出した試料片の温度がプローブ温度に近く変化してしまう。したがって、プローブ接触前に試料温度とプローブ温度にほとんど差がないことを確認することで、試料片の温度変化を最小限に防ぐことができる。
【0067】
次に、試料片が貼り付けられたプローブを評価用試料台8上に移動し(ステップS27)、試料片が試料台8上に接触したことを確認後、ガス導入手段6からガスを導入し、FIBビーム照射によって試料片を試料台8に貼り付ける(ステップS28)。その後、プローブの一部をイオンビームで切断(ステップS29)することで、試料片を試料台8に移すことができた。また、必要によって、試料ステージ13を傾斜することで、試料台8をやや傾け、ガス導入、イオンビーム照射による薄膜堆積を行い、試料片と試料台8の貼り付けを補強することもできる。さらに、プローブ先端部は、プロ−ブの貼り付け、切断をスムーズに行うため、試料表面に垂直方向と試料断面に垂直方向からの角度は避け、やや傾いた角度にすることで、SIM像による位置確認、イオンビーム加工を可能にする。
【0068】
このように、評価用試料台8に試料片を貼り付けた後、観察用ビームでの試料表面SIM観察(ステップS30)によって所望の位置に貼り付けられたことが確認されると、続いて、FIB加工(仕上げ加工)を行う(ステップS31)。この仕上げ加工では、制御部9によってイオンビーム発生部4が上記設定された仕上げ加工条件で制御され、さらに試料ステージ13の移動が制御されることで、ステップS29までで試料台8に固定された試料片に仕上げ加工に必要な量のイオンビームが照射される。この仕上げ加工により、例えば透過型電子顕微鏡を用いた高倍率での観察を行うことができる平滑な断面を作製することができる。
【0069】
最後に、試料表面のSIM観察(ステップS32)を行い所望の厚さの評価用試料とすることが可能になる。
【0070】
所望の厚さまで加工されていなかった場合は、上記のステップS31およびS32を繰り返す。
【0071】
また、走査型電子顕微鏡用の断面加工も片面の仕上げ加工によって作製することができる。
【0072】
以上の様に、本形態の試料加工装置では、評価する試料1、プローブ、評価用試料台8の温度を常に設定値に保つことができるため、FIB加工中に試料1の状態や形態が変化することがない。よって、加工によるダメージを受けやすい試料でも正確な微細構造評価を行うことができる。
【0073】
上述した各形態における断面加工方法は、ガラス等の各種基板上のポリマー構造、マイクロ粒子、液晶を含むポリマー構造、繊維状材料への粒子分散構造、温度転移材料を含む試料の所望温度の解析に対して有効である。また、イオンビームに対してダメージを受けやすい試料に対しても有効であることは言うまでもない。
【0074】
また、上記のプローブ移動手段を装置内に複数設けても良い。
【0075】
(実施形態2)
本実施形態においては、図4に示すように実施形態1の構成に加え、試料室3内の残留ガスや加工時に発生する物質の試料1への再付着を防止するためのトラップ手段14を設けている。
【0076】
トラップ手段14は、熱伝導率の良い金属などによって構成されるものであって、試料1の冷却中に試料1の温度と同等あるいは試料1の温度よりもさらに低温で保持される。
【0077】
本実施形態においては、試料1を室温以下に保持した状態で加工および観察を行う場合において、試料1への不純物の付着を防止することができる、という効果がある。例えば、上述のFIBアシストデポジションの場合、デポジション層と被加工試料の間に不純物層が形成されてしまい、目的の機能が得られない場合があったが、本実施形態では、トラップ手段14によってそのような不純物層の形成が抑制される。
【0078】
トラップ手段14は、試料1が載置された試料ステージ、イオンビーム発生部4、電子検出器5、ガス導入手段6およびプローブが配置された状態において、検出系、および加工の際のビーム系に懸からない位置に配置される。また、トラップ手段14は、これら検出、加工を妨げない位置であれば、トラップ効率を向上させるために、なるべく試料1に近い位置に配置するのが好ましい。さらに、トラップ手段14は、低い圧力に保たれた試料室3内に1ヶ所以上配置することも可能である。
【0079】
(実施形態3)
ここでは、本発明における装置を、液晶表示装置または、有機半導体の製造工程における断面加工装置として用いる場合について説明する。具体的には、比較的大面積の試料の温度調整を行う形態について述べる。
【0080】
大画面液晶表示装置に使用される液晶が塗布されたガラス基板等の大型の試料の一部分において、断面の状態を正確に評価したい場合は、加工部付近の領域のみを局所的に温度調整してもよく、また基板全体を温度調整してもよい。基板全体を温度調整する場合は、保温部の試料設置面と対向する位置に冷媒を流す冷媒流動管を設けてホルダー全体を冷却するとよい。
【0081】
【実施例】
以下、上述の各実施形態の試料評価装置を用いて実際に試料の断面評価を行った例を説明する。
【0082】
(実施例1)
本実施例では、図1に示した断面観察用走査型電子顕微鏡を用いた。保温部2として、図2に示した温度コントローラ付き試料ステージに低温温度可変機構のついたユニットが組み込まれたものを用いて、ガラス基板上に液晶(チッソ社製二周波駆動液晶:DF01XX)を含むポリマー構造体(重合成モノマー:HEMA,R167,HDDAを液晶と共に混合し重合したもの)が作製された試料の断面評価を以下の手順で行った。
【0083】
まず、試料を低温温度可変機構のついたユニット上にカーボンペーストで固定し、このユニットを試料ステージ13にセットした。この試料がセットされた試料ステージ13を試料室3に導入した後、試料室3内を所定の低圧力になるまで排気した。
【0084】
次に、設定温度を−100℃に設定し、試料がその評価温度に保たれた事を確認した。試料温度を常に確認しながら試料の断面観察位置を含んだ領域について表面SIM観察を行った。表面SIM観察によって得られた像から試料のほぼ中央部を断面観察位置として決定した。
【0085】
次に、決定した断面観察位置にイオンビームを照射しSIM像を取り込んだ。このときのイオンビームは、観察モードのごく弱い条件で行った。具体的には、ガリウムイオン源を用い、加速電圧30kV、ビーム電流20pA、ビーム径約30nmとした。そして、取り込んだSIM像に対して断面加工位置を指定した。
【0086】
次に、指定した断面加工位置をFIB加工(表面加工)した。
具体的には、まず、加速電圧30kV、ビーム電流50nA、ビーム径約300nmとして断面加工位置に40μm角で、深さ30μmの矩形状の凹部を形成した。次に、この矩形状の凹部とつながるように評価用位置を残し、L字型に同様の加工用ビームで加工した。さらに、試料を傾斜し、SIM観察用の弱いビームで所望の位置まで加工できていることを確認した後、残した評価用位置の底部を試料を傾斜した状態でFIB加工(断面加工)した。傾斜角度は、約60°とした。図5(a)は、このFIB加工により作製された試料の模式図である。試料30のほぼ中央部に、イオンビーム20の照射、ならびに試料傾斜後のイオンビ−ム照射により矩形状の凹部、その凹部につながるL字部、試料傾斜後のイオンビーム21によって底部を切り離された短冊状の試料片が試料と一部つながった状態で形成されている。
【0087】
さらに、試料傾斜を元に戻し、試料と一部つながった試料片にプローブを接触させガス導入手段からガスを導入し、FIBビーム照射によってプローブと試料片が接触した位置に薄膜形成を行うことで、プローブと試料片を貼り付けた。その後、試料片と試料の一部つながった部分をFIB加工し、試料片を試料から切り離し、プローブを位置を上昇させ試料片をプローブごと持ち上げた。図5(b)は、その際の切り出した試料片を示す模式図である。図5(a)に示した試料30と一部つながった試料片は、プローブ40に貼り付けられ、つながった部分が切り離されて、試料30とは分離され、試料片31の様に吊り上げられた。このとき、プローブ40の温度は、試料と同じ、約−100℃に保たれていることを確認して行った。薄膜形成用のガスには、タングステンカルボニル(W(CO))を用いた。
【0088】
さらに、プローブ上の試料片をプローブと共に、試料台上に移動し、温度調節した試料台に接触させ、プローブの貼り付けと同様にガス導入を行い試料片を試料台に貼り付けた後、試料片の移動に用いたプローブをFIB加工することで切断した。図5(c)は、試料片を貼り付けた試料台を示す模式図である。試料片31は堆積膜60によって、試料台50に固定されている。
【0089】
続いて、仕上げ加工を行った。ここでは、TEM観察用に薄片化を行った。
この仕上げ加工では、少しずつ段階的に弱い条件で加工するようにし、加工中は、時々、加工中の試料表面を観察用ビームでSIM観察し、所望の位置近くまで加工されているかを確認した。最後に、断面加工精度を上げるため、SIM観察の場合と同等の弱い条件で、断面加工位置をさらに加工した。
【0090】
以上のように、本実施例では、試料の温度を−100℃で維持しながらFIB加工を行ったため、加工中に液晶層がだれること無く、断面加工を行うことができた。このように、TEM用の薄片化を行った後、真空中で、試料を常温に戻した後、TEM観察したところ、基板上のポリマー層構造を断面観察することができた。
【0091】
(実施例2)
本実施例では、図6に示すような、ペット基板上に作製されたポリマー粒子(ポリスチレン)の断面評価を以下の手順で行った。
【0092】
図1に示す装置で、設定温度を約10℃とし、試料、プローブの温度調節を行った。実施例1と同様プローブの先端を評価したいポリマー粒子に接触させた後、ガス導入、FIBビーム照射を行いポリマー粒子とプローブを貼り付けた。図6(a)は、その際の貼り付けたプローブ40と試料31、堆積膜60を示す模式図である。次に、プローブごとポリマー粒子を移動した後、断面観察位置のFIB加工を行った。図6(b)は、断面加工後のプローブ40と試料31を示す模式図である。
【0093】
このようにポリマー粒子の断面加工を行った後、プローブごと試料を取り出し、別の評価装置で断面SEM観察、元素分析を行った。まず、SEM観察したところ、ポリマー粒子は内部に気泡もなく、均質であることがわかった。このときの条件は、加速電圧15kV、倍率〜3万倍程度までとした。
【0094】
次に、上記SEM観察中に試料31の断面から放出された特性X線を取り込みマッピング像を得たところ(元素分析)、ポリマー中にアルミニウムが分散していることがわかった。
【0095】
以上、試料の断面を評価する方法に関して説明してきたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、表面の付着物質を取り除き、観察したい表面を露出させ、表面観察を行う構成も本発明に含まれる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プローブの温度が所望の温度に調整されるため、温度変化によって状態や形態に変化を生じる試料であっても、試料の取得が行えるプローブ保持装置を提供することができる。
このため、該プローブ保持装置を評価装置に組み込むことで、取得した試料の正確な形態評価が可能となる。
【0097】
また、本発明を断面評価装置として用いた場合、温度変化によって状態や形態に変化を生じる試料を所望の温度に保ったまま断面加工および観察(SIM観察)、を行うことができるので、正確に試料の微細断面形態評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料加工装置の第1の実施形態である、集束イオンビーム装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す保温部の一例である、温度コントローラ付き試料ステージの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す集束イオンビーム装置を用いた試料の断面加工の一手順を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の試料評価装置の第2の実施形態である、集束イオンビーム装置の概略構成図である。
【図5】(a)は2つの方向からFIB加工し作製中の試料片の一例を示す模式図で、(b)は切り出した試料片の状態の一例を示す模式図で、(c)は試料台に貼り付け後の試料片の状態の一例を示す模式図である。
【図6】(a)は試料の一部にプローブを貼り付けた一例を示す模式図で、(b)はプローブに貼り付けた試料の一部をFIB断面加工した一例を示す模式図である。
【図7】図1に示すプローブ移動手段の一例である、温度コントローラ付きプローブ移動手段の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、30、31 試料
2 保温部
3 試料室
4 イオンビーム発生部
5 電子検出器
6 ガス導入手段
7 プローブ移動手段
40 プローブ
41 プローブホルダー
8、50 試料台
9 制御部
9a 温度制御部
11、11a、11b 温度計
12 温度可変機構
13 試料ステージ
20、21 イオンビーム
31 試料片
60 堆積膜

Claims (15)

  1. プローブを取り付け可能なプローブ保持部と、前記プローブの温度を調整するための温度調整手段とを備え、且つ試料を取得するために用いられることを特徴とするプローブ保持装置。
  2. 試料を載置するための載置台と、
    前記試料の温度を調整するための第一の温度調整手段と、
    前記試料の一部を分離するための分離手段と、
    前記分離手段により分離された試料の一部を取得するためのプローブを取り付け可能に構成され、該プローブの移動を可能にするプローブ移動手段と、
    前記プローブの温度を調整するための第二の温度調整手段と、を有することを特徴とする試料の取得装置。
  3. 試料を載置するための載置台と、
    前記試料の温度を調整するための第一の温度調整手段と、
    前記試料に対してイオンビームを照射するためのイオンビーム発生手段と、前記イオンビームの照射に応じて前記試料から放出される放出信号を検出する検出手段と、前記イオンビームの照射により加工された試料を取得するためのプローブと、評価用の試料台と、
    前記プローブの温度を調整するための第二の温度調整手段と、前記試料台の温度を調整するための第三の温度調整手段と、
    を備えた試料加工装置。
  4. 前記第一の温度調整手段により、前記試料を予め設定された温度に調整した状態で、
    前記イオンビーム発生手段による取得したい面の露出および前記検出手段による情報の取得を行うこと、
    前記第一および第二の温度調整手段によりプローブおよび試料の温度を予め設定された温度に調整した状態で、試料の切り出しならびに貼り付けを行うことを特徴とする請求項3に記載の試料加工装置。
  5. 前記第一および第二の温度調整手段は、前記試料を室温以下の温度に冷却する冷却手段を備える請求項2に記載の試料加工装置。
  6. 前記載置台、前記イオンビーム発生手段および検出手段、プローブ、試料台は、雰囲気制御可能なチャンバー内に配置され、該チャンバー内に残留するガスを捕捉するトラップ手段をさらに有する請求項3に記載の試料加工装置。
  7. 前記第一の温度調整手段は、前記試料が固定される部分に温度可変機構を備え、
    さらに、前記試料加工装置は、固定された試料が所定の方向に移動、傾斜が可能である試料ステージと、先端部が移動可能なプローブステージと、評価用の試料台と、
    前記温度可変機構の一部に取り付けられ、該温度可変機構に固定される試料の近傍の温度を検出する第1の温度検出手段と、
    前記第1の温度検出手段にて検出される温度に基づいて前記温度可変機構における温度を調節し、前記試料を予め設定された温度に保つ温度制御手段とを有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の試料加工装置。
  8. 前記温度可変機構上に載置される試料の側面にイオンビームが照射されるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の試料加工装置。
  9. 前記温度制御手段は、試料の温度を直接検出する第2の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段にて検出された温度を表示する表示手段とをさらに有することを特徴とする請求項7または8に記載の試料加工装置。
  10. 前記温度制御手段は、前記第1および第2の温度検出手段にて検出される温度に基づいて前記温度可変機構における温度の調節を行うことを特徴とする請求項9に記載の試料加工装置。
  11. 前記放出信号が2次電子または2次イオンであることを特徴とする請求項3乃至10のいずれか1項に記載の試料加工装置。
  12. 前記検出手段は、2次電子を検出する第1の検出器と、2次イオンを検出する第2の検出器からなることを特徴とする請求項3乃至11のいずれか1項に記載の試料加工装置。
  13. 試料、プローブおよび試料台の温度を調整する第1のステップと、
    前記試料の所定部に、試料の表面に対して少なくとも2つの異なる角度方向からイオンビームを照射して断面の切り出しまたは加工を行う第2のステップと、
    前記切り出した試料の一部に前記プローブを接続する第3のステップとを有することを特徴とする試料加工方法。
  14. 前記プローブを接続後に前記試料の一部を分離し、評価用試料台に貼り付け後、プローブを切り離す第4のステップと、
    前記評価用試料台に貼り付けた試料に評価用ビームを照射し、放出される放出信号から前記断面の切り出しまたは加工が施された面に関する像を取得する第5のステップとを有する事を特徴とする請求項13に記載の試料評価方法。
  15. 前記放出信号が2次電子または2次イオンもしくはこれらの両方であることを特徴とする請求項14に記載の試料評価方法。
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