JP2004224827A - 高圧部品注型用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用することなく高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】主剤として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と、ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、金属水酸化物とを含有し、全エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%〜70wt%、全エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30wt%〜50wt%、かつ、前記金属水酸化物の配合量が175phr〜300phrであり、硬化剤として、酸無水物と、硬化促進剤と、リン酸基含有ポリエステル系重合体とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不要なガスを発生させることなく高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばテレビ受像機のフライバックトランスに用いられるフォーカスパックなどの高圧部品は、回路基板などがケースに収納された状態で樹脂が注入充填されることによってその絶縁・封止が行われる。この場合、高圧部品の絶縁・封止に用いられる注型樹脂は、高いレベルでの難燃性、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性が要求される。
【0003】
この用途で使用される樹脂は、電気絶縁性、注型作業性、コストの面で優れたものを用いることから、エポキシ樹脂/酸無水物硬化剤/硬化促進剤の組み合わせがよく用いられている。一般にエポキシ樹脂は可燃性材料であるが、このようなエポキシ樹脂を採用したものであっても、高圧部品として難燃性の高いものにする必要がある。エポキシ樹脂に難燃性を付与する場合、従来においては、エポキシ樹脂本来の優れた特性の低下を最小限に抑えるため、少量配合で高い難燃性効果を期待できるハロゲンまたは赤リン系難燃剤を配合することが提案されている。
【0004】
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は燃焼時にハロゲン元素系のガスを発生するおそれが指摘されており、使用を控える傾向にある。また、赤リン系難燃剤も高温下でリン系のガスを発生するおそれが指摘されており、使用を控える傾向にある。このため、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂組成物が求められている。
【0005】
従来においては、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用することなくエポキシ樹脂に高い難燃性を付与するために、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を樹脂剤中に高充填すること、すなわち高い充填比率で充填することが提案されている(特許文献1,2,3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−241483号公報(全頁)
【特許文献2】
特開平5−25369号公報(全頁)
【特許文献3】
特開平11−116777号公報(全頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の金属水酸化物を高充填する方法では、樹脂の粘度が上昇するため注型作業性が低くなるとともに、脱泡性が低くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用することなく高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂組成物を提供することを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高圧部品注型用樹脂組成物は、主剤として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と、ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、金属水酸化物とを含有し、全エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%〜70wt%、全エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30wt%〜50wt%、かつ、前記金属水酸化物の配合量が175phr〜300phrであり、硬化剤として、酸無水物と、硬化促進剤と、リン酸基含有ポリエステル系重合体とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、金属水酸化物が高い配合量とされていることによって、高圧部品注型用樹脂として高い難燃性を有するとともに、低粘度化剤としてリン酸含有ポリエステル系重合体を使用することにより、主剤と硬化剤の混合物の粘度を著しく低下させることができ、樹脂を注型する際の作業性、すなわち注型作業性が向上し、かつ泡が発生しても割れやすくなることにより脱泡性においても優れたものとなる。
【0011】
さらに、本発明によれば、上記のようにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とダイマー酸変性エポキシ樹脂との比率を設定していることによって、高い電気絶縁性と耐ヒートショック性とを両立できる。また、酸無水物と硬化促進剤とからなる硬化剤にリン酸含有ポリエステル系重合体を含有させた状態でエポキシ樹脂と混合させることになるから、主剤に直接リン酸含有ポリエステル系重合体を混合させた場合に生じる経時的な著しい粘度上昇も抑制でき、粘度が安定したものとなる。よって、本発明では、難燃性、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のそれぞれがバランス良く優れた性質を発揮することになる。
【0012】
ここで、phrはエポキシ樹脂100に対する添加量(重量部)である。また、エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率について、「50wt%〜70wt%」としているのは、50wt%以上で70wt%以下を意味する。同様に、エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率について、「30wt%〜50wt%」としているのは、30wt%以上で50wt%以下を意味する。金属水酸化物の配合量について、「175phr〜300phr」としているのは、175phr以上で300phr以下であることを意味する。
【0013】
本発明は、好ましくは、前記金属水酸化物は水酸化アルミニウムである。
【0014】
本発明は、好ましくは、前記リン酸基含有ポリエステル系重合体は、リン酸基含有ポリエステル系共重合体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の高圧部品注型用樹脂組成物は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウムを必須成分とする主剤と、酸無水物、硬化促進剤、低粘度化剤として、リン酸基含有ポリエステル系重合体の一例としてのリン酸基含有ポリエステル系共重合体を必須成分とする硬化剤との二液剤を混合してなる。主剤、硬化剤とも、必要に応じて、充填剤、希釈剤、可撓性付与剤、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、顔料など、一般的な添加剤を配合することができる。
【0016】
本発明の樹脂組成物は、例えばフォーカスパックなど、高圧部品の中でも優れた耐ヒートショック性が必要とされる電子部品の絶縁・封止に有用な注型樹脂であり、従来公知の方法により注型、硬化することができる。
【0017】
図1に、本発明の樹脂組成物を封止剤として用いたフォーカスパックの一例を示している。このフォーカスパック1は、ケース2内に回路基板3を設けているとともに、出力電圧調整用の操作シャフト4,5が設けられている。回路基板3を封止するために、ケース2の裏面側の開口部から本発明に係る注型樹脂組成物を充填して樹脂による封止絶縁部6が形成されている。
【0018】
本発明の樹脂組成物は、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、高い難燃性を有し、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れるという特徴を有するものである。
【0019】
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、及び、ダイマー酸変性エポキシ樹脂であり、優れた電気絶縁性と耐ヒートショック性とを両立するために用いる。代表例として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂は、EP−828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、AER260(旭化成エポキシ株式会社製)、EP−4100(旭電化工業株式会社製)など、ダイマー酸変性エポキシ樹脂は、EP−871(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YD−171(東都化成株式会社製)などが挙げられる。
【0020】
エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率は50wt%〜70wt%、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率は30wt%〜50wt%である。
【0021】
エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が70wt%より多く、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30wt%より少ない場合は耐ヒートショック性が低下し、エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%より少なく、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が50wt%より多い場合は電気絶縁性が低下する。
【0022】
本発明に用いる水酸化アルミニウムは、一般的に市販されている粉末状のものであれば特に制限はない。
【0023】
水酸化アルミニウムの配合量は175phr〜300phrであり、いくつかの市販グレードを単独、または併用して使用することができる。phrはエポキシ樹脂100に対する添加量(重量部)とする。
【0024】
水酸化アルミニウムの配合量が175phrより少ない場合は難燃性が低下し、300phrより多い場合は、粘度上昇により注型作業性及び脱泡性が低下する。200〜250phrの範囲が難燃性と注型作業性のバランスに特に優れるため、より好ましい。
【0025】
本発明に用いる酸無水物としては、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸などが挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上併用して使用できる。
【0026】
本発明に用いる硬化促進剤は、エポキシ樹脂と酸無水物の反応を促進する一般的な触媒であれば特に制限はない。例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。これらは、単独、もしくは2種類以上併用して使用できる。
【0027】
本発明に用いるリン酸基含有ポリエステル系共重合体としては、BYK−W9010(ビックケミージャパン株式会社製)等が挙げられる。
【0028】
低粘度化剤として機能するリン酸基含有ポリエステル系共重合体の配合量については、特に制限はないが、低粘度化効果が優れる必要最小限の量として、0.5〜3.0phrの範囲が好ましい。
【0029】
ここで用いるphrは、全エポキシ樹脂量100に対する添加量(重量部)である。リン酸基含有ポリエステル系共重合体の配合量が、0.5よりも少ないと低粘度化剤として十分な効果が得られない。また、3.0よりも多く入れても低粘度化剤としての効果は変わらず、電気的絶縁性が低下する恐れがある。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例を表1,表2に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1〜9の組成および特性測定の試験結果を表1に示し、比較例1〜7の組成および特性測定の試験結果を表2に示す。なお、表1,表2において、主剤と硬化剤との各組成物ごとの数値の単位はphr(エポキシ樹脂全体を100とした場合の添加量(重量部))である。
【0031】
【表1】
Figure 2004224827
【0032】
【表2】
Figure 2004224827
実施例および比較例に示す樹脂の硬化物の製造方法を以下に説明する。まず、主剤及び硬化剤のそれぞれについて、表1及び表2に示される材料を用意し、表1及び表2の配合量で混合して得た。このようにして得られた各主剤と各硬化剤とを表1及び表2に示される配合量で混合し、主剤と硬化剤との混合物を得た。
このようにして得られた混合物を真空脱泡し、100℃で3時間熱硬化することにより実施例1〜9、及び比較例1〜7の硬化物を得た。また、各特性は、以下に示す測定方法により得た。
【0033】
(1)難燃性;硬化物を127mm×12.7mm、厚み3.2mmの矩形板形状に加工し、UL94Vの試験方法に従い測定した。UL94Vの判定基準に従い、V−0、V−1、V−2、分類不可の4段階で判定した。V−0が最も難燃性が高く、V−1、V−2、分類不可の順に低下する。
【0034】
(2)電気絶縁性;硬化物を100mm×100mm、厚み2mmの矩形板形状に加工し、JIS規格K6911の試験方法に従い、100℃での体積抵抗率を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
【0035】
◎;1×1012Ω・cm以上
○;1×1011Ω・cm以上で1×1012Ω・cm未満
×;1×1011Ω・cm未満
(3)耐ヒートショック性;主剤と硬化剤とを混合したあと、60mm×70mm、高さ5mmの蓋なし樹脂ケースに35g注型して熱硬化することにより試料を作製した。その試料を、−40℃/2時間と110℃/2時間との冷熱サイクル中に放置し、注型樹脂硬化物または樹脂ケースにクラックが発生するサイクル数を目視観測した。判定は次の基準に従い実施した。
【0036】
◎;100サイクルでクラック発生せず
○;51〜100でクラック発生
×;0〜50サイクルでクラック発生
(4)注型作業性;主剤と硬化剤とを混合し、ブルックフィールド社製粘度計RVDV−2+(少量サンプルアダプタSSA14/6R使用)にて、25℃における粘度(混合物粘度)を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
【0037】
◎;15Pa・s未満
○;15Pa・s以上で20Pa・s未満
×;20Pa・s以上
(5)脱泡性;合計200gの主剤と硬化剤とをスパチュラを用いて10分間攪拌後、300mlのポリ容器に入れて真空デシケータ中で脱泡し、泡がなくなるまでの時間を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
【0038】
◎;5分未満
○;5分以上で、10分未満
×;10分以上
(6)粘度安定性;主剤および硬化剤をそれぞれ60℃で7日間放置する前と後とのそれぞれにおいて、ブルックフィールド社製粘度計RVDV−2+(少量サンプルアダプタSSA14/6R使用)によって、25℃における粘度(混合物粘度)を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
【0039】
◎;放置後の混合物粘度が放置前の1.3倍未満
○;放置後の混合物粘度が放置前の1.3倍以上で2倍未満
×;放置後の混合物粘度が放置前の2倍以上
実施例1〜9;ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂としてEP−828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、ダイマー酸変性エポキシ樹脂としてYD−171(東都化成株式会社製)、水酸化アルミニウムとしてH−34HL(昭和電工株式会社製)およびH−31(昭和電工株式会社製)、酸無水物としてMT−500(新日本理化株式会社製)およびDSA(三洋化成工業株式会社製)、硬化促進剤としてHD−ACC−43(大都産業株式会社製)、リン酸基含有ポリエステル系共重合体としてBYK−W9010(ビックケミージャパン株式会社製)を使用した。
【0040】
上記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、水酸化アルミニウム、及び、シランカップリング剤SH6040(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)1.5phr、消泡剤SH5500(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)0.01phr、顔料1.0phrを減圧攪拌することにより主剤を、上記酸無水物、硬化促進剤、リン酸基含有ポリエステル系共重合体を攪拌溶解させることにより硬化剤を作製した。
【0041】
実施例1〜9より、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、水酸化アルミニウムを必須成分とし、エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50〜70wt%、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30〜50wt%であり、水酸化アルミニウムの配合量が175〜300phrであることを特徴とする主剤と、酸無水物、硬化促進剤、低粘度化剤として、リン酸基含有ポリエステル系重合体を必須成分とすることを特徴とする硬化剤からなる、樹脂組成物において、難燃性、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れることがわかる。
【0042】
比較例1;エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が70wt%より多く、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30wt%より少ない場合、耐ヒートショック性が著しく低下する。
【0043】
比較例2;エポキシ樹脂中のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%より少なく、ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が50wt%より多い場合、電気絶縁性が著しく低下する。
【0044】
比較例3および4;水酸化アルミニウムの配合量が175phrより少ない場合、難燃性が低下し、UL94V−0で好結果が得られない。また、300phrより多い場合は、脱泡性が低下する。
【0045】
比較例5;リン酸基含有ポリエステル系共重合体を配合しない場合、混合物粘度が上昇し、作業性および脱泡性が著しく低下する。
【0046】
比較例6;リン酸基含有ポリエステル系共重合体をカルボン酸含有ポリエステル系分散剤に変更した場合、低粘度化剤としての効果が得られず、作業性が著しく低下する。
【0047】
比較例7;リン酸基含有ポリエステル系共重合体を主剤に配合した場合、粘度安定性が著しく低下する。
【0048】
本発明は、フォーカスパックに限定されて用いられるものでなく、高電圧印加が図られる部品であれば、その封止材や絶縁材として採用できる。
【0049】
本発明において、金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムなどを用いても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、この発明の樹脂組成物を用いれば、不要な有害ガス発生の可能性が指摘されているハロゲンおよび赤リン系難燃剤を使用せずに、高い難燃性と、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、脱泡性、粘度安定性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高圧部品注型用樹脂を充填した高圧部品の一例としてのフォーカスパックを示す断面図
【符号の説明】
6 樹脂による絶縁封止部

Claims (3)

  1. 主剤として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と、ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、金属水酸化物とを含有し、
    全エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%〜70wt%、全エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率が30wt%〜50wt%、かつ、前記金属水酸化物の配合量が175phr〜300phrであり、
    硬化剤として、酸無水物と、硬化促進剤と、リン酸基含有ポリエステル系重合体とを含むことを特徴とする高圧部品注型用樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の高圧部品注型樹脂組成物において、
    前記金属水酸化物は水酸化アルミニウムであることを特徴とする高圧部品注型用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の高圧部品注型樹脂組成物において、前記リン酸基含有ポリエステル系重合体は、リン酸基含有ポリエステル系共重合体であることを特徴とする高圧部品注型用樹脂組成物。
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