JP2010168506A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いず、かつ、無機充填材を多量に含有させなくても、耐炎性の優れ、かつ、粘度の充分に低いエポキシ樹脂組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂が、特定の構造を有するフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂とを含み、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対して、40〜80質量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物で半導体素子を封止成形して形成される半導体装置に関する。
半導体装置は、シリコンチップ等の半導体素子やリードフレーム等を、封止材料で封止して半導体パッケージを形成することにより得られる。封止材料としては、無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
エポキシ樹脂は、比較的難燃性に乏しいために、封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物には、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤や、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等のハロゲンを含有する化合物が配合されていることが多かった。
一方、近年、全世界的に持続的発展型社会への転換機運が高まり、半導体業界においても環境調和への取り組みが活発になっている。また、ヨーロッパでは、RoHS指令による電気電子機器については環境法規制の積極的な動きが見られ、回収廃棄物から除去されるものとして、臭素系難燃剤を含むプラスチックが挙げられており、ハロゲン含有部材の使用を避ける動きが出てきている。このような背景のもと、半導体パッケージに使用される封止材料としても、ノンハロゲン化、さらには難燃剤フリー化が求められている。
難燃剤フリーの封止材料では、一般的に、無機充填材を高充填させることによって難燃性を確保している。しかしながら、成形性と信頼性とのバランス設計を考える上で、無機充填材の高充填にも限度がある。
無機充填材を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物としては、例えば、下記特許文献1に記載のものが挙げられる。下記特許文献1には、フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、及び無機充填剤を必須成分とし、樹脂組成物に対して前記無機充填剤を25〜90重量%の割合で含有してなるエポキシ樹脂組成物が記載されている。
特開平6−220165号公報
特許文献1によれば、フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂及びノボラック型フェノール樹脂を含有させることにより、樹脂組成物のガラス転移温度を高め、耐熱性が向上する旨が開示されている。しかしながら、フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹脂とを組み合わせて用いただけでは、耐炎性が充分に高くない場合があるという問題があった。また、エポキシ樹脂として、フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂のみを用いて、耐炎性を充分に発揮できるようにすると、得られた組成物の粘度が高くなってしまうとの問題もあった。そのような粘度の高い組成物を封止材として用いると、封止時にワイヤー配線が変形するワイヤースイープが発生したり、充填性が低下し、未充填パッケージが発生するおそれ等があった。
本発明は、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いず、かつ、無機充填材を多量に含有させなくても、耐炎性の優れ、かつ、粘度の充分に低いエポキシ樹脂組成物を得ることを目的とする。また、該組成物で半導体素子を封止成形して形成される半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂が、下記一般式(I)で表されるフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂とを含み、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対して、40〜80質量%であることを特徴とするものである。
Figure 2010168506
(式(I)中、Gは、グリシジル基を示し、0 < m < nである。)
上記の構成によれば、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いず、かつ、無機充填材を多量に含有させなくても、耐炎性の優れ、かつ、粘度の充分に低いエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
また、前記硬化剤が、ビフェニル型フェノール樹脂であることが好ましい。このような構成によれば、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂と、ビフェニル型フェノール樹脂とを併用して硬化させることによって、より耐炎性に優れたものが得られる。
また、前記無機充填剤の含有量が、組成物全量の68〜90質量%であることが好ましい。一般的に、無機充填材がこのような含有量であれば、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いなければ、充分な耐炎性を達成することができないが、上述のような構成にすることによって、充分な耐炎性を得ることができ、さらに、無機充填材の含有量が適切であるので、流動性等が優れた、粘度の充分に低いものが得られる。
また、本発明の半導体装置は、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止成形して形成されることを特徴とするものである。このような構成によれば、耐炎性に優れた半導体装置が得られる。
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いず、かつ、無機充填材を多量に含有させなくても、耐炎性の優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、該組成物で半導体素子を封止成形して形成される半導体装置が提供される。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂が、下記一般式(I)で表されるフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂とを含み、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対して、40〜80質量%であることを特徴とするものである。
Figure 2010168506
(式(I)中、Gは、グリシジル基を示し、0 < m < nである。)
前記エポキシ樹脂としては、上述するように、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、前記ビフェニル型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる。前記エポキシ樹脂として、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂のみを用いると、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と前記ビフェニル型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いた場合と比較して、高粘度となり、成形性に悪影響を及ぼし、また、封止時にワイヤースイープが発生しうるという問題が発生しうる。そして、前記エポキシ樹脂として、前記ビフェニル型エポキシ樹脂のみを用いると、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と前記ビフェニル型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いた場合と比較して、特に無機充填材の量が少ない場合に、耐炎性が劣るという問題が発生しうる。したがって、前記エポキシ樹脂として、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と前記ビフェニル型エポキシ樹脂とを組み合わせて用いると、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤を用いず、かつ、無機充填材を多量に含有させなくても、耐炎性の優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られる。
前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、上記一般式(I)で表されるものであって、式中、nがm以上であり、mが0以上n以下である。また、n−mが小さすぎると、低粘度にはなりうるが、耐炎性に硬化を発揮しにくいという傾向があり、また、大きすぎると、耐炎性には効果があるが、高粘度になるという傾向がある。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定なく使用できる。具体的には、例えば、下記一般式(II)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
Figure 2010168506
(式(II)中、Gは、グリシジル基を示し、R〜Rは、独立して水素又はアルキル基を示す。)
また、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が少なすぎると、耐炎性に劣るという傾向があり、また、多すぎると、高粘度になり、成形性が悪化するという傾向がある。
また、前記エポキシ樹脂としては、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂及び前記ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。このエポキシ樹脂としては、本発明の効果を阻害しないものであれば、特に限定なく使用できる。具体的には、例えば、O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のブロム含有エポキシ樹脂等を用いることができる。前記エポキシ樹脂としては、上記各エポキシ樹脂を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、前記エポキシ樹脂の平均のエポキシ当量としては、240〜290であることが好ましい。エポキシ当量が小さすぎると、硬化性が悪化したり、耐炎性効果が発揮されにくいという傾向があり、また、大きすぎると、粘度が上昇し、成形性に不具合を生じるおそれがある。また、ブロム含有エポキシ樹脂を含有させることによって、難燃性が高まるので、難燃性をより高くする必要がある場合に含有させると好ましいが、含有させなくとも、充分に耐炎性が高い。
また、前記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物全量に対して、3〜9質量%であることが好ましい。前記エポキシ樹脂が少なすぎると、耐炎性効果が発揮されにくいという傾向があり、また、多すぎると、高粘度となり、成形性が悪化するという傾向がある。
前記硬化剤としては、前記エポキシ樹脂を硬化させるためのものであり、公知の硬化剤を使用することができる。具体的には、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等のビフェニル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノールナフトールアラルキル樹脂等のナフトールアラルキル樹脂等の、各種多価フェノール化合物又はナフトール化合物等が挙げられる。これらの中では、ビフェニル型フェノール樹脂が好ましい。また、前記硬化剤としては、上記各硬化剤を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記硬化剤の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂に対する割合(硬化剤/エポキシ樹脂)が、当量比で、0.5〜1.5であることが好ましく、0.8〜1.2であることが好ましい。硬化剤の含有量が少なすぎる場合、硬化不足になり、硬化物の形状安定性が不充分となる傾向がある。また、硬化剤の含有量が多すぎる場合、経済的に不利であり、フリーのフェノール等が残存し、得られた半導体装置の信頼性にも悪影響を与える。
前記硬化促進剤としては、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤の水酸基との反応(硬化反応)を促進するためのものであり、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン類;1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硬化促進剤の含有量は、全樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して、0.4〜3質量%であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が少なすぎると、硬化促進効果を高めることができない傾向にある。また、多すぎると、成形性に不具合を生じる傾向があり、また、硬化促進剤の含有量が多すぎて経済的に不利となる傾向がある。
前記無機充填材としては、従来公知の無機充填材を用いることができる。具体的には、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、充填性や流動性の観点から溶融シリカが好ましく、さらに球状のものが好ましく、真球状に近いものほど好ましい。
前記無機充填材の含有量は、エポキシ樹脂組成物全量の68〜90質量%であることが好ましい。前記無機充填材の含有量が少なすぎる場合には、耐炎性が低くなるという傾向がある。また、多すぎる場合には、流動性が低下して、未充填ボイドなどが生じてパッケージクラックが発生しやすい傾向がある。
前記エポキシ樹脂組成物には、上記以外の組成として、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で従来公知の添加剤、例えば離型剤、シランカップリング剤、難燃剤、着色剤、シリコーン可とう剤、及びイオントラップ剤等を必要に応じて添加してもよい。
前記離型剤としては、例えばカルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボシキル基含有ポリオレフィン等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、赤リンや有機リン等のリン系難燃剤等が挙げられる。また、金属水酸化物は、チタネート系カップリング剤で予め表面処理されたものであってもよい。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラックや染料等が挙げられる。また、前記シリコーン可とう剤としては、例えば、シリコーンエラストマ、シリコーンオイル、シリコーンゲル、シリコーンゴム等が挙げられる。
前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製するにあたっては、まず、前記エポキシ樹脂、前記硬化剤、前記硬化促進剤、前記無機充填材及び必要に応じて前記各添加剤を所定の含有量となるように、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサー等のミキサーやブレンダー等で均一に混合した後、ニーダー、ロール、ディスパー、アジホモミキサー、及びプラネタリーミキサー等で加熱しながら混練することによって製造することができる。また混練後に、必要に応じて冷却固化し、粉砕して粉状に形成してもよい。また、混練時の温度としては、硬化反応が生じない温度範囲である必要があり、エポキシ樹脂及び硬化剤の組成にもよるが、80〜120℃程度で溶融混練することが好ましい。
半導体装置を構成する半導体素子や基板等の部材を前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物で封止することによって、半導体装置を製造することができる。具体的には、リードフレームや基板等に半導体素子を搭載した後、所定の封止領域を前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物で封止することにより半導体装置が得られる。この封止の手段としては、トランスファー成形(トランスファーモールド)等により、半導体素子を搭載したリードフレームや基板等を金型内のキャビティに配置した後、キャビティに前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を充填し、これを加熱して硬化させる方法が挙げられる。このトランスファー成形を採用した場合の金型の温度は170〜180℃、成形時間は30〜120秒に設定することができるが、金型の温度や成形時間及びその他の成形条件は、従来の封止成形と同様に設定することができ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の材料の種類や製造される半導体装置の種類によって適宜設定変更できる。この半導体装置は、硬化性及び常温保存性に優れている半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止成形するので、充填不良等の不具合の発生が抑制された信頼性の高いものとなる。
以下に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。
表1に示す配合割合(質量部)で、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材等の各成分をブレンダーで30分間混合し均一化した後、80℃に加熱したニーダーで溶融混練し、冷却後、粉砕機で粉砕して粒状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。実施例及び比較例においては次の原材料を用いた。
一般式(I)で表されるエポキシ樹脂:新日鐵化学株式会社製のGK5610
ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン株式会社製のYX4000H
ビスフェノール型エポキシ樹脂:東都化成株式会社製のYSLV−80XY
ビフェニル型フェノール樹脂:明和化成株式会社製のMEH7851SS
フェノールアラルキル型フェノール樹脂:明和化成株式会社製のMEH7800−3L
TPP−SCN:テトラフェニルホスホンチオシアネート(北興化学工業株式会社製)
溶融シリカ:電気化学工業株式会社製のFB910
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:信越化学工業株式会社製のKBM802
カルナバワックス1:大日化学工業株式会社製のF1−100
カルナバワックス2:大日化学工業株式会社製のJ−900
カーボンブラック:三菱化学株式会社製のMA600
上記のように調製した各組成物を用いて、以下に示す方法により評価を行った。
[耐炎性(0.8t)]
金型温度175℃、キュア時間90秒間の成形条件で、前記各半導体封止用エポキシ樹脂組成物を金型を用いてトランスファー成形した後、175℃で6時間ポストキュアすることによって、幅w 13mm、長さl 27mm、厚さt0.8mmの短冊状のテストピースを作製した。このテストピースを用いて耐炎性試験規格UL−94による試験(垂直燃焼試験:V−0)を行った。そして、V−0の基準を満たしていたものを、「○」と評価し、満たしていないものを、「×」と評価した。結果は、下記表1に示す。
[耐炎性(1.6t)]
テストピースの厚さtを0.8mmから1.6mmに変更したこと以外、上記耐炎性(0.8t)と同様に試験を行った。結果は、下記表1に示す。
[耐炎性(3.2t)]
テストピースの厚さtを0.8mmから3.2mmに変更したこと以外、上記耐炎性(0.8t)と同様に試験を行った。結果は、下記表1に示す。
[粘度]
前記各半導体封止用エポキシ樹脂組成物の粘度を、粘度計(株式会社多加良製作所製のTMM−3000)を用いて、温度175℃で測定した。
Figure 2010168506
表1に示した結果から、エポキシ樹脂として、上記一般式(I)で表されるフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂とを併用し、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対して、40〜80質量%である場合(実施例1、及び実施例2)、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含有しない場合(比較例1、3)、ビフェニル型エポキシ樹脂を含有しない場合(比較例2)、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が40質量%未満である場合(比較例4)、前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が80質量%を超える場合(比較例5)と比較して、耐炎性の優れ、かつ、粘度の充分に低い。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び無機充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂が、下記一般式(I)で表されるフェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂とを含み、
    前記フェニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対して、40〜80質量%であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2010168506

    (式(I)中、Gは、グリシジル基を示し、0 < m < nである。)
  2. 前記硬化剤が、ビフェニル型フェノール樹脂である請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記無機充填剤の含有量が、組成物全量の68〜90質量%である請求項1又は請求項2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止成形して形成されることを特徴とする半導体装置。
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