JP3871025B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業性、流動性に優れると共に、鉛フリーで耐半田クラック性及び難燃性に優れ、しかもハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有しない硬化物を与える環境に優しい半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、半導体デバイスは、樹脂封止型のダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSIが主流であるが、エポキシ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べ、成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが一般的である。ここ数年、環境保全の観点から、ハロゲンフリー化、鉛フリー化が重要視されてきているが、それに伴って封止剤にも厳しい特性が必要となってきている。例えば、半導体装置を製造するにあたり、基板実装時に半田メッキを施すが、この半田メッキ膜中には鉛が多く含まれており、環境保全の観点から鉛を除去する方向に傾いている。しかし、鉛フリー半田を使用するとリフロー温度が上昇してしまい、耐リフロー性という信頼性が低下してしまう大きな問題があった。
【0003】
このような特性を向上させるために高接着性と低吸湿性が要求される。この場合、無機充填剤を高充填化することにより、低吸水性を向上させることができ、耐リフロー性に効果が期待されるが、高粘度化になってしまうため、成形時の流動性が損なわれてしまう。このため、半導体封止用のエポキシ樹脂には、低溶融粘度であることも要求されているが、そうするとエポキシ樹脂が半固形及び液体のものになってしまうため、作業性が悪くなってしまう問題があった。
【0004】
また、半導体封止用エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を高めるため、一般にハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されている。このハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、その結果、高い難燃効果が得られるものである。
【0005】
しかし、ハロゲン化エポキシ樹脂は燃焼時に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化アンチモンにも粉体毒性があるため、人体、環境に対する影響を考慮すると、これらの難燃剤をエポキシ樹脂組成物中に全く含まないことが好ましい。
【0006】
このような要求に対して、ハロゲン化エポキシ樹脂或いは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等の検討がなされてきている。しかし、Al(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物は難燃効果が低いため、難燃組成とするためには、エポキシ樹脂組成物中に水酸化物を多量に添加しなければならず、その結果、組成物の粘度が上昇し、成形時にボイド、ワイヤー流れ等の成形不良が発生するという問題がある。一方、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤をエポキシ樹脂組成物に添加した場合、半導体装置が高温高湿条件にさらされると、リン系難燃剤が加水分解されてリン酸が生成し、このリン酸がアルミ配線を腐食させ、信頼性を低下させるという大きな問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有せず、作業性、流動性に優れると共に、鉛フリーで耐半田クラック性及び難燃性に優れる硬化物を与えることができる、半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、下記の特定のエポキシ樹脂と特定のフェノール樹脂とを組み合わせて用いること、この場合好ましくは特定の難燃剤、即ち、無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持したモリブデン化合物を配合することにより、作業性、流動性に優れ、またハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を配合しなくとも鉛フリーで耐半田クラック性及び難燃性に優れた硬化物を与える半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(A)4,4’−ビフェノールと下記一般式(1)で示されるフェノール樹脂との合計に対して重量混合比として4,4’−ビフェノールが5〜40%であり、一般式(1)で示されるフェノール樹脂が95〜60%である混合物をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂、
(B)下記一般式(1)で示されるフェノール樹脂、及び/又は、下記一般式(2)で示されるフェノール樹脂、
(C)硬化促進剤、
(D)無機充填剤、及び
好ましくは(E)モリブデン酸亜鉛を無機充填剤に担持したモリブデン化合物を必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂、及びその硬化物で封止された半導体装置を提供する。
【0010】
【化3】
Figure 0003871025
(式中のR1は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。mは1〜15の自然数を示す。)
【0011】
【化4】
Figure 0003871025
(式中のR2は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。nは1〜15の自然数を示す。この場合、ナフトールの水酸基がβ位に配位しているβ−ナフトール型樹脂であることが好ましい。)
【0012】
以下、本発明につき更に群しく説明する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂としては、4,4’−ビフェノールと下記一般式(1)で示されるフェノール樹脂との混合物をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂を使用する。
【0013】
【化5】
Figure 0003871025
(式中のR1は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。mは1〜15、好ましくは1〜10の自然数を示す。)
【0014】
上記一般式(1)において、R1としては水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられるが、この中では水素原子又はメチル基がより好ましい。
【0015】
尚、4,4’−ビフェノールをグリシジル化して得られるエポキシ樹脂は低粘度で硬化性に優れるものの結晶性が強いため、4,4’−ビフェノールのグリシジル化物と一般式(1)で示されるフェノール樹脂のグリシジル化物とを混合しても、部分的に結晶化が進行して、(A)成分の様な均一な変性エポキシ樹脂を得ることは作業性の点で困難であるため、結果的に低粘度性、耐クラック性等に優れたエポキシ樹脂組成物が得られないものである。
【0016】
上記変性エポキシ樹脂を得るのに用いる4,4’−ビフェノールと一般式(1)のフェノール樹脂との混合比は重量混合比として、4,4’−ビフェノールと一般式(1)で示されるフェノール樹脂との合計に対して、4,4’−ビフェノールが5〜40%であり、一般式(1)で示されるフェノール樹脂が95〜60%である。4,4’−ビフェノールが5%より少ないと樹脂の低粘度化が出来ない上に、樹脂の結晶化もできないため作業性も低下してしまう場合がある。また、40%より多いとより低粘度にはなるが、上記一般式(1)の可撓性基の含有率も低下してしまうため、耐半田クラック性が低下してしまう場合がある。より好ましくは10〜30%が望ましい。
【0017】
なお、本発明においては、エポキシ樹脂成分として、上記変性エポキシ樹脂(A)以外に、他のエポキシ樹脂を併用しても良い。他のエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく、従来公知のエポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を含有しないフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。また、これらの中では溶融時に低粘度であるビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が好ましい。
【0018】
この場合、上記変性エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂(上記変性エポキシ樹脂+他のエポキシ樹脂)に対して50〜100重量%、特に70〜100重量%であることが望ましい。上記変性エポキシ樹脂の配合量が50重量%未満では、十分な耐リフロークラック性、難燃性が得られない場合がある。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物の(B)成分のフェノール樹脂は、上記一般式(1)で示されるフェノール樹脂及び/又は下記一般式(2)で示されるフェノール樹脂である。
【0020】
【化6】
Figure 0003871025
(式中のR2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。nは1〜15、好ましくは1〜10の自然数を示す。)
【0021】
上記一般式(2)においてR2としては水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられるが、この中では水素原子又はメチル基がより好ましい。
【0022】
また、上記一般式(2)において、ナフトールの水酸基がβ位に配位しているβ−ナフトール型樹脂であればより好ましい。これは、α−ナフトール型は非常に酸化されやすいため劣化が激しく、作業性が非常に悪い上、硬化性が著しく低下する場合があるが、β−ナフトール型のものはこのような影響が無いためである。
【0023】
上記式(1)のフェノール樹脂、式(2)のフェノール樹脂は、それぞれ単独で用いても、両者を併用するようにしてもよいが、併用する場合、式(1)のフェノール樹脂と式(2)のフェノール樹脂との合計に対して、式(1)のフェノール樹脂を30〜70重量%、式(2)のフェノール樹脂を70〜30重量%用いるのが好ましい(合計100重量%)。
【0024】
なお、本発明においては、フェノール樹脂成分として、上記特定のフェノール化合物(B)以外に、他のフェノール樹脂を併用しても良い。他のフェノール樹脂としては、特に限定するものではなく、従来公知のフェノール樹脂、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビフェニル骨格を含有しないフェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノール樹脂等のトリフェノールアルカン型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
【0025】
式(1)及び/又は式(2)で表されるフェノール樹脂硬化剤の配合量は、フェノール樹脂硬化剤総量(式(1)及び/又は(2)で表されるフェノール樹脂硬化剤+他のフェノール樹脂硬化剤)に対して50〜100重量%、特に70〜100重量%であることが望ましい。式(1)及び/又は(2)のフェノール樹脂硬化剤の配合量が50重量%未満では、十分な耐リフロークラック性、難燃性が得られない場合がある。
【0026】
本発明において、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の配合は特に制限されないが、エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤中に含まれるフェノール性水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(c)成分として硬化促進剤を配合する。本発明で用いる(c)硬化促進剤としては、エポキシ基と硬化剤中の官能基との反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に用いられているものを広く用いることができる。例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートなどの有機リン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0028】
この硬化促進剤の配合量は、上記エポキシ樹脂と硬化剤との合計100重量部に対して、通常0.001〜10重量部、望ましくは0.005〜5重量部、より望ましくは0.01〜3重量部程度が好ましい。この配合量が0.001重量部より少ないと、硬化性が低下する場合があり、また10重量部より多いと硬化性には優れる反面、保存安定性が低下する傾向となる場合がある。
【0029】
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(D)成分の無機充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0030】
これら無機充填剤の平均粒径や形状及び無機充填剤の充填量は特に限定されないが、鉛フリーで耐半田クラック性及び難燃性を高めるためには、エポキシ樹脂組成物中に、成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径3〜30μm、特に5〜20μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、無機充填剤の充填量は、エポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)の総量100重量部に対し、400〜1200重量部とすることが特に好ましい。ここで、平均粒径は、例えばレーザー光回折法などによる粒度分布測定装置等を用いて重量平均値(又はメディアン径)などとして求めることができる。
【0031】
なお、上記無機充填剤は、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
【0032】
無機充填剤の充填量は、エポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)との総量100重量部に対して400〜1200重量部、特に600〜900重量部が好適であり、充填量が400重量部未満では膨張係数が大きくなり、半導体素子に加わる応力が増大して素子特性の劣化を招く場合があり、また、組成物全体に対する樹脂量が多くなるために、本発明の目的とする難燃性が得られない場合がある。一方、1200重量部を超えると成形時の粘度が高くなり、成形性が悪くなる場合がある。なお、この無機充填剤は組成物全体の75〜92重量%、特に83〜90重量%の含有量とすることが好ましい。
【0033】
なお、この無機充填剤の配合量は、後述するモリブデン酸亜鉛を担持した無機充填剤を配合した場合、この無機充填剤を含む配合量である。
【0034】
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、(E)モリブデン酸亜鉛を無機充填剤に担持したモリブデン化合物を配合することが好ましい。
【0035】
即ち、十分な難燃効果を得るためには、モリブデン酸亜鉛をエポキシ樹脂組成物中に均一に分散させることが好ましく、分散性を向上させるためには、予めモリブデン酸亜鉛をシリカ、タルク等の無機充填剤に担持したモリブデン化合物が最適である。モリブデン酸亜鉛を担持させる無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、タルク、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。この場合、無機充填剤の平均粒径としては0.1〜40μm、好ましくは0.5〜15μm、比表面積は0.5〜50m2/g、好ましくは0.7〜10m2/gである。なお、本発明において、平均粒子径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができ、比表面積は、例えばBET吸着法により求めることができる。
【0036】
また、無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持させたモリブデン化合物中のモリブデン酸亜鉛の含有量は、5〜40重量%、特に10〜30重量%であることが好ましい。モリブデン酸亜鉛の含有量が少なすぎると十分な難燃効果が得られない場合があり、また多すぎると成形時の流動性、硬化性が低下する場合がある。このようなモリブデン酸亜鉛を無機充填剤に担持したモリブデン化合物としては、例えばSHERWIN−WILLIAMS社のKEMGARD1261、911C、911B等が挙げられる。
【0037】
無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持させたモリブデン化合物の添加量としては、エポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)との総量100重量部に対して3〜120重量部であり、好ましくは3〜100重量部で、より好ましくは5〜100重量部が望ましい。3重量部未満では十分な難燃効果が得られない場合があり、また120重量部を越えると、流動性、硬化性の低下を引き起こす場合がある。
【0038】
この場合、モリブデン化合物中のモリブデン酸亜鉛自体の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤(フェノール樹脂)との総量100重量部に対して0.1〜40重量部、特に0.2〜40重量部が好ましい。0.1重量部未満では十分な難燃効果が得られない場合があり、また、40重量部を超えると、流動性、硬化性の低下を引き起こす場合がある。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
【0040】
本発明のエポキシ樹脂組成物を成型材料として調製する場合の一般的な方法としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0041】
このようにして得られる本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止に有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の成形温度は150〜185℃で30〜180秒、後硬化は150〜185℃で2〜20時間行うことが望ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において、部はいずれも重量部である。
【0043】
[実施例1〜5、比較例1〜6]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。使用した原材料を下記に示す。
【0044】
エポキシ樹脂
(イ)4,4’−ビフェノールと下記式(3)で示されるフェノール樹脂(フェノール当量;203)の重量比1:4の混合物をグリシジル化したもの
(ロ)ビフェニル型エポキシ樹脂:YX4000HK(油化シェル(株)製、エポキシ当量;190)
(ハ)ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:NC3000(日本化薬(株)製、エポキシ当量;278)
フェノール硬化剤
(ニ)下記式(3)で示されるビフェニルアラルキル型樹脂:MEH−7851SS(明和化成(株)製、フェノール当量;203)
(ホ)下記式(4)で示されるα−ナフトールアラルキル型樹脂
(ヘ)下記式(5)で示されるβ−ナフトールアラルキル型樹脂
(ト)フェノールアラルキル樹脂:MEH−7800SS(明和化成(株)製、フェノール当量;175)
【0045】
【化7】
Figure 0003871025
硬化促進剤
トリフェニルホスフィン(北興化学(株)製)
無機充填剤
球状溶融シリカ((株)龍森製)
モリブデン化合物
モリブデン酸亜鉛、KEMGARD911B(SHERWIN−WILLIAMS製、モリブデン酸亜鉛含有量18重量%、コア材:タルク、平均粒径2.0μm、比表面積2.0m2/g)
離型剤
カルナバワックス(日興ファインプロダクツ(株)製)
シランカップリング剤
KBM−403、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)
イオントラップ剤
ハイドロタルサイト、DHT−4A・2(協和化学工業(株)製)
【0046】
これらの組成物につき、以下の諸特性を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
≪スパイラルフロー値≫
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、7.0N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。
【0048】
≪ゲル化時間≫
組成物のゲル化時間を175℃熱板上で測定した。
【0049】
≪溶融粘度≫
高化式フローテスターを用い、98Nの加圧下、直径1mmのノズルを用い、温度175℃で粘度を測定した。
【0050】
≪吸水率≫
175℃、7.0N/mm2、成形時間2分の条件で直径50×3mmの円盤を成形し、180℃で4時間ポストキュアしたものを85℃/85%RHの恒温恒湿器に168時間放置し、吸水率を測定した。
【0051】
≪鉛フリーで耐半田クラック性▲1▼≫
オートモールド装置を用いて、14×20×2.7mmのフラットパッケージを175℃、7.0N/mm2の圧力で成形した。180℃で4時間ポストキュアしたものを、85℃/60%RHの恒温恒湿器に168時間放置して吸湿させた後、温度260℃の半田浴に30秒浸漬し、超音波探査装置を用いて内部クラックの発生状況とリード部の剥離を観察した。
【0052】
≪鉛フリーで耐半田クラック性▲2▼≫
オートモールド装置を用いて、14×20×2.7mmのフラットパッケージを175℃、7.0N/mm2の圧力で成形した。180℃で4時間ポストキュアしたものを、85℃/85%RHの恒温恒湿器に168時間放置して吸湿させた後、温度260℃の半田浴に30秒浸漬し、超音波探査装置を用いて内部クラックの発生状況とリード部の剥離を観察した。
【0053】
≪難燃性≫
UL−94垂直試験(試料厚さ1.5875mm(1/16inch))、難燃性で表わした。
但し、ΣF :フレーミング時間の合計(秒)
Fmax :フレーミング時間の最大値(秒)
【0054】
【表1】
Figure 0003871025
【0055】
【発明の効果】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、作業性及び流動性に優れ、ハロゲン化エポキシ樹脂、アンチモン化合物を配合しなくとも、鉛フリーで耐半田クラック性及び難燃性にも優れる硬化物を与えるものである。そのため、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、産業上特に有用である。

Claims (4)

  1. (A)4,4’−ビフェノールと下記一般式(1)で示されるフェノール樹脂との合計に対して、重量混合比として4,4’−ビフェノールが5〜40%であり、一般式(1)で示されるフェノール樹脂が95〜60%である混合物をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂、
    (B)下記一般式(1)で示されるフェノール樹脂及び/又は下記一般式(2)で示されるフェノール樹脂、
    (C)硬化促進剤、
    (D)無機充填剤
    を必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003871025
    (式中、R1は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。mは1〜15の自然数を示す。)
    Figure 0003871025
    (式中のR2は水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の中から任意に選択される、同一もしくは異なる原子又は基である。nは1〜15の自然数を示す。)
  2. (B)成分が上記一般式(2)においてナフトールの水酸基がβ位に配位しているβ−ナフトール型樹脂であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. (E)モリブデン酸亜鉛を無機充填剤に担持したモリブデン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
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