JP3863150B2 - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置等の封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物およびこれを用いた半導体装置に関する。
半導体集積回路や電子部品を回路基板に実装する工程において、表面実装型の半導体装置を基板に取り付ける場合には、半田浸漬方式や半田リフロー方式が採用されている。
従来より知られる、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂および無機充填剤粉末からなる樹脂組成物によって封止した半導体装置は、装置全体の半田浴浸漬を行うと耐湿性が低下するという欠点があった。特に吸湿した半導体装置を浸漬すると、封止樹脂と半導体チップ間あるいは封止樹脂とリードフレーム間の剥がれや、内部樹脂クラックが生じて、著しい耐湿劣化を起こし、電極の腐食による断線や水分によるリーク電流が生じ、その結果、半導体装置は長期間の信頼性を保証することができないという欠点があった。
また、電気・電子部品の封止用途として使用されているエポキシ樹脂組成物は、そのままでは非常に燃えやすいため、一般に臭素系の難燃剤とアンチモン化合物等の難燃助剤に併用により難燃性を付与している。しかし、一部のハロゲン系難燃剤を含む材料は、燃焼時に毒性の強いダイオキシン化合物が発生するのではないかという指摘から環境上の問題があった。また、アンチモン化合物はそれ自体の毒性が指摘されているほかに、それを含む材料は、アンチモン化合物が水に溶出しやすいため、水質環境に著しく影響を及ぼすという問題があった。
このため、これらのハロゲン系難燃剤や難燃助剤に代わる種々の難燃剤が検討されている。しかし、リン系難燃剤は少量の添加で難燃性を付与することができるが、やはり水質環境に対する問題がある。また、金属酸化物や金属水酸化物等の無機系難燃剤は難燃性が低いために多量に添加する必要があった。さらに、これらの難燃剤を使用すると、従来の臭素系難燃剤とアンチモン化合物との組み合わせと比較して長期の耐湿信頼性に劣るという欠点があった。
そこで、このような欠点を解消するために、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂やメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を主剤としたエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このようなエポキシ樹脂組成物においては次のような問題があった。
すなわち、ビフェニル型等の結晶性のエポキシ樹脂はその融点の高さから100℃以上の高温で混練しなければならないが、その反面、一旦溶融すると低粘度のために混練時のトルクがかかりにくいなど、製造が困難であった。そして、混練温度が高すぎると混練時に硬化を開始してしまうため、成形性が不良となり、逆に、混練温度が低すぎたり、トルクが十分にかからない場合には、硬化物の機械強度が低下するという欠点があった。機械強度が低下すると、半導体パッケージを組立てる際のリードカット・曲げ工程において口開きが発生したり、パッケージにワレやカケが発生する。
特開2001−151858号公報
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、成形性に優れ、得られる硬化物の機械強度が良好で、半導体パッケージを組立てる際のリードカット・曲げ工程における口開き性やパッケージのワレカケ性を改善することができ、半田浴浸漬後の耐湿性、半田耐熱性に優れ、封止樹脂と半導体チップ間あるいは封止樹脂とリードフレーム間の剥がれや内部樹脂クラック封止樹脂の発生がなく、また、電極の腐食による断線やリーク電流の発生もなく、長期信頼性を保証することができ、さらに、環境への影響の非常に低い難燃性を有するエポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、硫黄元素を含有する特定のエポキシ樹脂を主剤とし、これに特定のアミン化合物を併用することにより、硬化物の機械強度を高め、半導体パッケージを組立てる際のリードカット・曲げ工程における口開き性や、パッケージのワレカケ性を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)次式(1)
Figure 0003863150
(式中、R1〜R4は水素原子またはアルキル基を表す)
で示される硫黄元素含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)次式(9)
Figure 0003863150
(式中、R 5 およびR 6 は水素原子またはアルキル基、XおよびYは脂肪族炭化水素基、nは0または1以上の整数をそれぞれ表す)
で示される化合物を含む融点または軟化点が70〜150℃の脂肪族アミン化合物および(D)無機充填剤を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂が、前記硫黄元素含有エポキシ樹脂とともに非結晶性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のエポキシ樹脂組成物において、前記硫黄元素含有エポキシ樹脂の少なくとも一部と、前記非結晶性エポキシ樹脂の少なくとも一部が、予め溶融混練されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3記載のエポキシ樹脂組成物において、非結晶性エポキシ樹脂が、次式(2)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、次式(3)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるフェノール樹脂のエポキシ化物、次式(4)
Figure 0003863150
で示されるナフタレン4官能エポキシ樹脂および次式(5)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるビフェニル骨格含有エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物において、(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が、次式(6)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるフェノールキシレン樹脂、次式(7)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるナフトールアラルキル樹脂および次式(8)
Figure 0003863150
(式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるビフェニル骨格含有フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本願の請求項に記載の発明のエポキシ樹脂組成物は、請求項1乃至のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物において、ハロゲン系難燃剤を実質的に含まないことを特徴とする。
本願の請求項に記載の発明の半導体装置は、請求項1乃至のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止されてなることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体装置によれば、成形性に優れ、得られる硬化物の機械強度が良好で、半導体パッケージを組立てる際のリードカット・曲げ工程における口開き性やパッケージのワレカケ性を改善することができ、半田浴浸漬後の耐湿性、半田耐熱性に優れ、封止樹脂と半導体チップ間あるいは封止樹脂とリードフレーム間の剥がれや内部樹脂クラックの発生がなく、また、電極の腐食による断線やリーク電流の発生もなく、長期にわたる信頼性を保証することができる。また、環境への影響の非常に低い難燃性を保持することができ、実装後の高温放置劣化を低減することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)前記一般式(1)で示される硫黄元素含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)融点または軟化点が70〜150℃の脂肪族アミン化合物および(D)無機充填剤を必須成分とするものである。
(A)成分の一般式(1)で示される硫黄元素含有エポキシ樹脂の好ましい具体例としては、下記式(10)や下記式(11)で示されるものが挙げられる。これらの硫黄元素含有エポキシ樹脂は単独または併用して用いることができる。
Figure 0003863150
Figure 0003863150
本発明においては、必要に応じて、他のエポキシ樹脂を併用することができる。併用するエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
このようなエポキシ樹脂を併用する場合、その配合量は、エポキシ樹脂総重量の0〜90重量%の範囲とすることが好ましく、30〜85重量%の範囲がより好ましい。
本発明においては、特に、一般式(1)で示す硫黄元素含有エポキシ樹脂の好ましくは全量を、非結晶性のエポキシ樹脂と予め十分に混練して予備混練物を得、これを残りの配合成分と混合することにより、他の成分との混練を容易にすることができる。すなわち、結晶性の高い硫黄元素含有エポキシ樹脂の場合は、非結晶性のエポキシ樹脂と予め十分に混練しておくことで、その結晶性を崩すことができ、他の成分との混練を容易にすることができる。また、結晶性が低い硫黄元素含有エポキシ樹脂の場合は、軟化温度が低いため混練の作業性が不良であるが、他の成分と予め混練しておくことにより、混練の作業性を改善することができる。
一般式(1)で示す硫黄元素含有エポキシ樹脂と予め混練しておく非結晶性のエポキシ樹脂の具体例としては、例えば前記した一般式(2)〜(5)で示されるものが挙げられる。このような非結晶性のエポキシ樹脂は単独または併用して用いることができる。
(B)成分のフェノール樹脂硬化剤としては、(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用される。具体的には、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等、これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂等、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類とベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド等との縮合物、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、(B)成分として、前記一般式(6)で示されるフェノールキシレン樹脂、前記一般式(7)で示されるナフトールアラルキル樹脂、前記一般式(8)で示されるビフェニル骨格含有フェノール樹脂の少なくとも1種を使用することにより、難燃剤を配合することなく優れた難燃性を付与することができる。この場合、その配合量は、フェノール樹脂総重量の20〜100重量%の範囲とすることが好ましく、50〜100重量%の範囲がより好ましい。
この(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)との比(a)/(b)が0.65〜1.5となる範囲が好ましく、0.8〜1.2となる範囲であるとより好ましい。(a)/(b)が0.65未満では、硬化物中の水酸基が多くなるため吸水率が上がり、半田耐熱性が低下する。逆に1.5を超えると、硬化物の強度が低下する。
(C)成分の脂肪族アミン化合物は、融点または軟化点が70〜150℃、好ましくは100〜140℃のものである。この(C)成分は(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤との硬化反応を促進する働きを有するが、融点または軟化点が70℃未満では、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤との硬化反応が過度に促進される結果、組成物のフロアライフが短くなる等の問題が生じる。また、融点または軟化点が150℃より高いと、架橋反応に寄与しないため、本発明による効果が得られなくなる。融点または軟化点が70〜150℃の脂肪族アミン化合物としては、例えば前記一般式(9)で示されるアミン化合物等が挙げられる。
この(C)成分の脂肪族アミン化合物は、全組成物中に0.01〜5重量%配合することが好ましく、0.1〜1重量%配合するとより好ましい。配合量が組成物全体の0.01重量%に満たないと、硬化物の機械強度が不十分となり、半導体パッケージの組立工程におけるリードカットや曲げ加工の際等にパッケージにワレやカケが発生するおそれがある。また、5重量%を超えると、実装後の耐湿信頼性が低下する。
(D)成分の無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらのなかでも、溶融シリカ粉末、結晶シリカ粉末の使用が好ましく、特に、不純物濃度が低く、平均粒径が1〜40μmの溶融シリカ粉末、結晶シリカ粉末の使用が好ましい。
この(D)成分の無機充填剤の配合量は、全組成物中に80〜95重量%配合することが好ましく、84〜92重量%配合するとより好ましい。配合量が組成物全体の80重量%に満たないと、難燃性や耐湿信頼性が低下する。逆に、95重量%を超えると、組成物の流動性が著しく低下し、成形性、充填性が不良となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、硬化促進剤;シランカップリング剤;合成ワックス、天然ワックス、直鎖脂肪族の金属塩、酸アミド、エステル類等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、ゴム系やシリコーン系ポリマー等の低応力付与剤、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤等を、必要に応じて配合することができる。
硬化促進剤としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等の有機ホスフィン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン化合物、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を成形材料として調製するにあたっては、上記したような(A)エポキシ樹脂(予備混練物を含む)、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)融点または軟化点が70〜150℃の脂肪族アミン化合物および(D)無機充填剤と、前述した必要に応じて配合される各種成分とを、ミキサー等によって十分に混合した後、熱ロールやニーダ等により溶融混練し、冷却後適当な大きさに粉砕するようにすればよい。
本発明の半導体装置は、上記のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することにより製造することができる。封止を行う半導体素子としては、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等が例示されるが特にこれらに限定されるものではない。封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形、注型等による封止も可能であり、必要に応じて真空成形することにより隙間の充填性を向上させることができる。エポキシ樹脂組成物で封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された半導体装置が得られる。後硬化させる際の加熱温度は、150℃以上とすることが好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜5
下記に示すエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、アミン化合物、並びに、平均粒径20μm、最大粒径100μm以下の溶融球状シリカ粉末(龍森社製 商品名MSR-2212)、シランカップリング剤としてγ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、離型剤としてエステルワックス(クラリアントジャパン社製 商品名リコワックスE)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンおよび着色剤としてカーボンブラックを用い、表1および表2に示す配合割合でエポキシ樹脂組成物を製造した。
まず、ヘンシェルミキサ中で溶融球状シリカ粉末をシランカップリング剤で表面処理し、次いで、この表面処理したシリカ粉末および他の成分を常温で混合した後、70〜80℃の加熱ロールを用いて加熱混練し、冷却後、粉砕してエポキシ樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1〜5、比較例1、4については、エポキシ樹脂成分を予め次のような方法で混合しておき、これを他の成分と混合するようにした。すなわち、2種のエポキシ樹脂のうち、硫黄元素を含有しないエポキシ樹脂をまず万能混合機中で150℃で溶融させ、次いで、この溶融エポキシ樹脂に硫黄元素含有エポキシ樹脂を徐々に加えて溶融させた後(混合時間約2時間)、冷却し、粉砕してエポキシ樹脂混合物とし、これを表面処理したシリカ粉末や他の成分と混合させた。
エポキシ樹脂A:式(10)で示す硫黄元素含有エポキシ樹脂
(新日鐵化学社製 商品名ESLV-120、エポキシ当量242、軟化点120℃)
エポキシ樹脂B:式(11)で示す硫黄元素含有エポキシ樹脂
(新日鐵化学社製 商品名GK-4250、エポキシ当量166、軟化点45℃)
エポキシ樹脂C:式(2)で示すo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(住友化学社製 商品名ESCN-195XL、エポキシ当量195)
エポキシ樹脂D:式(4)で示すナフタレン4官能エポキシ樹脂
(大日本インキ化学工業社製 商品名EXA-4700、エポキシ当量163)
エポキシ樹脂E:下記式(12)で示すビフェニル型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシ社製 商品名YX-4000H、エポキシ当量193)
フェノール樹脂硬化剤A:前記一般式(6)で示すフェノールキシレン樹脂
(三井化学社製 商品名XLC-4L、水酸基当量170、軟化点65℃)
フェノール樹脂硬化剤B:式(4)で示すビフェニル骨格含有フェノール樹脂
(明和化成社製 商品名MEH-7851、水酸基当量200、軟化点74℃)
アミン化合物A:常温で固形の脂肪族アミン化合物
(富士化成社製 商品名FXR-1020、軟化点120℃)
アミン化合物B:常温で固形の脂肪族アミン化合物
(富士化成社製 商品名FXR-1030、軟化点140℃)
アミン化合物C:4,4′−メチレンジアニリンのエポキシ樹脂付加物
(東都化成社製 商品名TH-1000、エポキシ当量195)
Figure 0003863150
上記各実施例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。
[熱膨張係数およびガラス転移温度]
エポキシ樹脂組成物を175℃、120秒間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、4時間の後硬化を行い、得られた硬化物から試験片を作製し、熱機械分析装置により測定した。
[曲げ強さ]
JIS-K-6911に準拠して測定した。
[密着力]
大気中で150℃、1時間ベークした銅フレーム(神戸製鋼社製 商品名KLF-1)上に、エポキシ樹脂組成物を175℃、120秒間の条件でモールド成形(接着面2mm×2mm)し、常温まで冷却した後に、せん断方向の密着力を測定した。
[難燃性]
エポキシ樹脂組成物を175℃、120秒間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、4時間の後硬化を行って120mm×12mm×0.8mmの硬化物を得、UL-94耐炎性試験規格に基づく燃焼試験を行った。
[耐湿信頼性]
20℃、50%RHで24時間放置後のエポキシ樹脂組成物を用いて、銅フレーム(神戸製鋼社製 商品名KLF-1)に接着した2本のアルミニウム配線を有するシリコンチップを、175℃、90秒間のトランスファー成形および175℃で8時間の後硬化により封止した後、得られた成形品に、30℃、60%RH、100時間の吸湿処理を行い、250℃の半田浴に10秒間浸漬した。その後、127℃、2.5atm(約0.25MPa)の飽和水蒸気中で耐湿性試験(PCT)を行い、アルミニウム腐蝕による50%断線不良が発生するまでの時間を測定し、100時間、200時間、400時間および600時間後の不良発生率を調べた(試料数20個)。
これらの結果を表1および表2に併せ示す。
Figure 0003863150
Figure 0003863150
表1および表2からも明らかなように、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れ、半導体パッケージ組立て時のリードカット・曲げ工程における口開き性やパッケージのワレカケ性を改善することができ、その組成物によって封止された半導体装置は、半田浴浸漬後の耐湿性、半田耐熱性に優れ、封止樹脂と半導体チップ間あるいは封止樹脂とリードフレーム間の剥がれや内部樹脂クラックの発生がなく、また、電極の腐食による断線やリーク電流の発生もなく、長期信頼性保証に優れている。また、臭素系難燃剤やアンチモン化合物を使用しなくても難燃性を保持することができ、本発明の顕著な効果を確認することができた。

Claims (7)

  1. (A)次式(1)
    Figure 0003863150
    (式中、R1〜R4は水素原子またはアルキル基を表す)
    で示される硫黄元素含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、
    (B)フェノール樹脂硬化剤、
    (C)次式(9)
    Figure 0003863150
    (式中、R 5 およびR 6 は水素原子またはアルキル基、XおよびYは脂肪族炭化水素基、nは0または1以上の整数をそれぞれ表す)
    で示される化合物を含む融点または軟化点が70〜150℃の脂肪族アミン化合物
    および
    (D)無機充填剤
    を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. (A)成分のエポキシ樹脂が、前記硫黄元素含有エポキシ樹脂とともに非結晶性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記硫黄元素含有エポキシ樹脂の少なくとも一部と、前記非結晶性エポキシ樹脂の少なくとも一部が、予め溶融混練されていることを特徴とする請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 非結晶性エポキシ樹脂が、次式(2)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、次式(3)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるフェノール樹脂のエポキシ化物、次式(4)
    Figure 0003863150
    で示されるナフタレン4官能エポキシ樹脂および次式(5)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるビフェニル骨格含有エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2または3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. (B)成分のフェノール樹脂硬化剤が、次式(6)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるフェノールキシレン樹脂、次式(7)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるナフトールアラルキル樹脂および次式(8)
    Figure 0003863150
    (式中、nは0または1以上の整数を表す)
    で示されるビフェニル骨格含有フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. ハロゲン系難燃剤を実質的に含まないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって半導体素子が封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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